シネマノート

私事だが、2月は家族がインフルエンザでダウンして3月になったら仕事で毎日残業で映画レスな日々。そこで今回は漸く見た数少ない映画から2本を紹介。

まずは試写会で見たドイツ映画「バンディツ」。刑務所を脱走した4人の女囚がロックバンドを組んでツアーしつつ逃亡を図るというストーリーだ。冒頭からパンチの利いたサウンドに圧倒される。チラシのコピーに「女の友情はもろくない」とあるように、見ている側がすーっとする位この女性達がかっこいい。

おまけに揃って足長でスタイル抜群。この作品の為に頑張ったのか、スレンダーながら見事なボディラインを披露している。

刑務所行きとなった理由でもある、それぞれの得意技?を生かしたチームプレーと、バンド名(ならず者)に相応しい勇気には、つい声援を送ってしまいたくなる。それぞれの個性がはっきりしているバンドに対し、警察側はあくまで情けなく、まぬけで、官僚的に描いているところもいい。

全編を流れるロックは、実際バンド(勿論バンディツではない)のリードヴォーカルでもある出演者の一人、反抗的なルナ役ヤスミン・タバタバイによる作曲のものも数多い。歌詞は英語がほとんど。彼女は今年3月の全米公開に合わせてツアーを開催するそうだ。日本では昨年の大阪でのヨーロッパ映画祭に来日しただけらしいから、是非こちらでの活動もして欲しいものだ。

アビーロードのジャケットを彷彿とさせるような4人の配置、ラストで一人失った3人が屋上で開く最後のコンサートシーンなど、ビートルズを意識しているのだろうか。カット割りもまるでミュージッククリップを見ているようなつくりになっている。

途中、成りゆきで同行する「人質」はどこかで見たことのある顔だと思ったら、Hugo Boss のポスター等でお馴染みの青年(ヴェルナー・シュライヤー)。失礼ながら、バンドの誰とも寝てしまうナンパ野郎にぴったりのマスクだ。

最近はモデルから俳優業へ転身するケースが多いが、顔が売れていて一目で分かる分、その演技力も問われるだろう。

どんなに人気が出ても、勿論罪が消えるわけでもなく、収益とは無関係の逃亡生活の彼等だからこそ、音楽は真に純粋だ。それに対し、彼等の成功をネタに法律にこそひっかからないが、人間的にはもっと悪質な人々は野放しになっている。さりげに音楽業界の裏を見せてくれた気もする。

いよいよ、新天地へと向かおうとする彼等へ放たれる銃弾。これをどう解釈するかで、この作品のイメージが変わるかもしれない。

余談だが、一時ブラピとも噂のあったこの監督。あとで写真を見たら、成る程凄い美人だった。この作品は昨年のカネボウ女性映画週間や今年の夕張ファンタでも上映されていたので、ずっと見たかったのだが今回はフリーペーパーの試写会招待で実現。ちなみにこのタウン紙、昨年創刊の Ginza Cine Club というその名も銀座地区の映画を中心とした月刊もの。昨年、会社のメンバーに配布すると試写券が貰える、というのに目が眩んでつい応募。

結局「応募者多数により」と試写は断続的になってしまったが、映画の解説から上映時間まで掲載されているので超便利。銀座近辺の映画館に設置されている。

次はほのぼの路線の(筈の)「ベイブ都会へ行く」。これまた私事だが、何故か私は豚が大好き。何しろ幼児期にお人形でなく子豚の玩具を負ぶって、しかも左手でラーメンを食べている、という、ちんけな写真が残っている位だ。

さて、1作目があまりに良くてついビデオまで購入してしまった私。柳の下になるか?という懸念を持ちつつ、「ダイハード」だって2作目が良かったではないか、などと期待に胸膨らませ行きました、続編。

が、冒頭からのいや~な予感が的中。ご教訓満載のドリトル先生になっていた!

都会へ行く理由や都会でトラブルに巻き込まれる事情にも無理があるし、コテコテの CG だし、何より話が童話の素朴さを超越してしまったし。隣の銀座阪急で開催していた、「ベイブ展」のビデオによれば、監督はベイブの目線で都市パノラマを創作、前回にも増してアニマトロニクスに力を入れたそう。確かに彼等は前以上に良く喋る。

それに、動物だってたくさん出せばいいってもんじゃない。いくらサーカスの出演者という設定とはいえ、出てくるだけで芸達者なお猿さんはいけません。しかも洋服着て、挙げ句見るからに猿の惑星風のツインズの赤ん坊まで生まれちゃうのだから。御丁寧に犬もドレスアップしてるし。前回は、普通あまりそうした場面に使われない、いわゆる「家畜」達が頑張ってくれるから素直に感動できたのに。

懲りまくった街も、どこかで見たと思ったら、これゴッサムシティか「ロストチルドレン」か。そういえば妙にオリーブみたいなやせぎすのホテルの女主人も、意地悪な隣家のおばさんもどこか「ロストチルドレン」。人間が活躍しすぎたのも鼻につきます。

今回は可愛いマウスの歌とおじさんの踊りに代わり、猫合唱団(これって既に発売されてる「ジングルキャット」というCDを思い出してしまった。ちなみに本物の猫の鳴き声からクリスマスソングなどを構成してたCDです)や、バックにクラシックを採用して、音楽も壮大。今年のアカデミー賞で音楽部門にノミネートされていた位だけど、これも重すぎた感が。

とは言うものの、ベイブは相変わらず上品で賢い子ブタ。つま先だって歩く姿と、あの濡れたピンクの鼻を見るとつい顔がほころんでしまうのでした。

それにしても映画館では前以上にベイブグッズに力を入れてぬいぐるみからマグカップまで豊富な品ぞろえ。春休みを狙った逞しい商戦には頭が下がりました。

鳥野 韻子

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