ScreenKiss #007

バックナンバー

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

  ,.`☆
  .;^☆ S C R E E N K I S S
.’

Vol.007

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

■ 映画を映画館でみよう! (3回シリーズ)
   第2回 シネスイッチ銀座

 所在地:銀座4丁目三越のある交差点 山野楽器裏

 ビルの1階にチッケット売り場。地下と3階の2ホールあり、地下:273人、
 3階:182人。まわりはチケットセンターも多く、朝11から夜7時まではど
 こでも購入可能です。映画館で買うのは、絵葉書付きの前売券だけにしましょう。
 金曜女性割引など、女性にやさしい映画館のイメージがあります。現在いつまで
 つづけるのか、「グランブルー仏オリジナルバージョン」を上映中で、見にこら
 れた人も多いでしょう。

 銀座周辺ではいままで日比谷のシャンテ・シネが作品の質では一番といわれ、
 “シャンテ系”という言葉もありますが、最近はやはりここシネスイッチ銀座が
 一番ではないでしょうか。最近改装を終えた館内は、結構きれいで、大きい肘掛
 けにカップホルダーがついているのはうれしい。ゆったりした座り心地の座席は
 若干柔らかすぎるという声も聞えますが、館内の段差もちょうどよく(シネマラ
 イズのようにきつすぎず、岩波ホールのようにゆるすぎず)、どこからでもよく
 見える。地下の場合は、2階席がすいていてお勧めの場合も。(ここはシネマラ
 イズと同様ですね)入場の際は一応左右の前の入り口から列をつくるのですが、
 これがくせもの。係員の入場の合図はないことが多く、どちらか一方の列はエン
 ディングタイトルが終わり切らないうちから入り始める事がしばしばで、映画館
 スタッフに改善してほしい点です。もちろん、観客も、エンディングタイトルの
 間はまだ音楽もながれているわけですから、静かに立ってもらいたいもんです。

 場所柄、年齢層も落ち着いていて、渋谷みたいに肩身の狭い思いを感じることも
 なく、マナーも比較的いいのではないでしょうか。地下にはポスターも多く、チ
 ラシも大量においてあり時間潰しにはなるが、3階の方は少し殺風景です。本が
 あったほうがいいのでは?近くにはマックから、神戸屋まであり、映画館のなか
 でよく神戸屋のサンドイッチを食べている人をみかけます。(ここでもマナーは
 いい)

 空調がききすぎることが多いので、女性はカーデガンでもあったほうがいいでし
 ょうが、暑いよりは快適ですのでそのままの温度設定にしてください。

 次回は、恵比寿ガーデンシネマです。

                                立野 浩超

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

■ プライベート・ライアン

 米国製戦争映画は、戦意高揚映画と反戦映画に分類できるが、両者の違いはどこ
 にあるのだろうか。私は、単純に、見終わった後にスカッとする作品が前者、見
 終わっても何かが重苦しく残り、あんな戦争なら俺は行くのは御免だな、と思わ
 せる作品は後者だと考えている。戦争をリアルに描くと、残酷な描写が多くなり、
 後者に近づいてくる。

 その中間の作品として、戦争そのものは認めなくとも、それに参加した人々(し
 ばしば、観客の父や祖父と同じ世代の人々であったりする)は基本的に善良な普
 通の人々であり、時として勇敢でもあった、とする作品もある。この第三の作品
 に流れている気分は、第二次大戦も遠くなり、冷戦も過ぎて、もはや血を流すこ
 とに疲れ始めたアメリカ人の気分でもある。「プライベート・ライアン」の冒頭
 と末尾にはためく色褪せた星条旗(色鮮やかな星条旗であってはならない)がそ
 れを象徴している。

 多くの人が指摘するように、この映画の白眉は、酸鼻を極めるノルマンディー・
 オマハビーチの上陸戦である。上陸艇の中で恐怖と船酔いに苦しみ、やっと扉が
 開いて上陸かと思えば身動きもできない内に狙い撃ちされ、あわてて海に飛び込
 めば装備が重すぎて溺死、やっと浜辺にたどり着いても銃砲弾に手足を吹き飛ば
 される。腕を切断された兵士は、落ちた腕を抱えてうろうろ歩き、ヘルメットで
 銃弾が止まって、幸運に感謝した兵士は、次の瞬間に頭の同じところを撃ち抜か
 れる。やっとトーチカを制圧した兵士たちは、降伏したドイツ兵士を容赦なく射
 殺する。

 このような描写を見せられたら、若者十人の内九人までは、戦争など御免だと思
 うだろう。たとえ、その後に、勇敢で比較的ヒューマンな兵士たちの行動が描か
 れているとしても。

 なぜ、今、このような作品がつくられた(つくられることを許された)のか。も
 はやアメリカ人は、自分自身のため以外には血を流さないことを決意したからで
 はないか。もしまた、血を流さなければならない事態が起こりうるとしたら、こ
 れほど恐ろしげな戦争描写は許されないだろう。事実でも、知らない方がいいこ
 とはある。

 自由の木は、愛国者の血で育つという。しかし、今、アメリカ人は、父祖たちの
 ように戦い血を流すことはできないと悟った。人権問題で交渉や制裁をすること
 はあっても、また、テロリストにミサイルを撃ち込むことはあっても、血は流さ
 ない。もう、父祖たちのように、生きて死ぬことはできない。そうするには、戦
 後五十年の間に、自分たちはあまりにも知りすぎてしまった。

 だから、今、勇敢だった父祖たちを鎮魂し、自分たちが同じようになれないこと
 を詫びるために、整然と立つ十字架の列を暴いて、彼らの地獄を追体験させ、そ
 して再び彼らの魂をを十字架の列に戻したのである。もはやこれほど多くの十字
 架の列が立つことがあってはならない。映画の最後に、無事帰還を果たしたライ
 アンが戦死者の墓の前にたたずむ。後方には若い家族たちもいるが、カメラの焦
 点はライアンのみに合っている。若い家族と戦死者たちとの間に通うものは、も
 はやない。生きることは考えられても、何かのために死ぬことは考えられないか
 らである。老いたライアンもその点では同じかもしれない。彼らの上でひるがえ
 るのは、色褪せた星条旗がふさわしい。
 
                                高野 朝光

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

★ScreenKissはフランス情報をお送りするメールマガジン「Antenne France」の映
 画関係の執筆者が独立して作られた、新しい映画専門メールマガジンです。
★ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。
 http://www.ScreenKiss.com/
★Copyrights(C), 1998 ScreenKiss
掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。
★オリジナルグッズ販売中!
★色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお願
 いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。
★このメールマガジンは「まぐまぐ」を利用して発行しています。Thanks!

The Director of Publication
. . ….M_a_s_a_h_i_r_o___N A K A T S U G A W A
webmaster@ScreenKiss.com
__________..________________________________________

S c r e e n K i s s
http://www.ScreenKiss.com/