ScreenKiss Vol.030

バックナンバー

1999年 6月 21日 配信
ScreenKiss Vol.030

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

  ,.`☆
  .;^☆ S C R E E N K I S S
.’

Vol.030

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

  ■ 横浜フランス映画祭特集 ■
  開催前から強力に特集していた横浜フランス映画祭の特集です。今回は映画祭
  全体のレビューと短編映画の紹介を致します。次回は映画一つ一つの紹介を行
  いますので、ご期待を!

┏━┓
┃1┃今年も横浜フランス映画祭
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 もう毎年恒例となっている横浜フランス映画祭も横浜市の主催する最大規模のイ
 ベントとなって、フランス人でもメディア関係者であれば、この時期に横浜と言
 うと映画祭ということが判るようになるほどだ。

 面白いのは、確かフランスのユニフランス会長の代理で出席した人のスピーチで
 例年「梅雨」の時期なのに、今年は天気が良いという内容が出たのは、少し驚い
 た。
 
 色々なシステムが少々変わったらしく、取材する側にはとまどいもあったが一般
 観客としてはそれ程違いはなかったかも知れない。それにしても、あまり行かな
 いパシフィコ横浜と「あの」警備員の顔を見るとまた横浜フランス映画祭にやっ
 てきたなと実感する。

 今年はあまりめぼしい俳優が来なかったせいか、サイン会場での混乱も少なく、
 うるさいと言うイメージの警備員も非常に静かだった。終了後に「あの」太った
 警備員も最後にはスタッフの女の子と一緒に記念撮影をしたりとすごくはしゃい
 でいたのが、印象的だった。

 作品に関しては、僕自身非常に考え事が多かったので、映画に集中することが出
 来なかったのかも知れないが、全体的に面白い作品が少なく、フランス映画らし
 いやたらセリフの多い作品が目立った。日本ではほとんど公開されないコメディ
 ー作品を期待していたのだが、量も少なく「大笑い」できる物は残念ながら無か
 った。

 今年は俳優が監督をした作品の上映が特に気になり、コメディースターのパトリ
 ック・チムシットの初監督作品や女優バレリー・ルーメルシェのメガフォンを取
 った作品が上映された。一般に「こんにちは」などという程度の簡単な挨拶程度
 の日本語しか話さないが、彼女は舞台挨拶で全て日本語で読み上げたのは、なか
 なかやるもんだと感じた。

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

┏━┓
┃2┃フランス映画祭を振り返って
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 毎年6月の恒例となったフランス映画祭横浜も今回で7年目を迎え、10 日~13
 日の4日間、桜木町のパシフィコ横浜は大勢の人で賑わった。

 梅雨とはいえ、連日真夏日の中、9:00台からの1本目の上映もほぼ満席という盛
 況ぶりで、初のレイトショーも、かなりの観客が席を埋めていたのには吃驚した。

 今年はジャンヌ・モローに始まる歴代の女優に代わり、初の男性監督、クロード・
 ルルーシュが団長として来日した。ルルーシュといえば『男と女』~『男と女嘘
 つきな関係』まで、長いキャリアでたくさんの人々を魅了してきた監督だ。その
 せいか、観客の年齢層も幅広く、彼の作品『幸運と必然』のチケットは早くから
 完売してしまった。

 普段スクリーンでしか目に出来ない、俳優や、滅多にその声も聞けない?監督や
 プロデューサーといった人々と身近に接する機会があるのも、この映画祭の魅力
 のひとつ。

 今年はカンヌでグランプリを受賞した『ヒューマニティ』のブリューノ・デュモ
 ン監督や、コメディの大御所のクロード・ジティ監督も最新作『アステリクスと
 オベリスク』を引っ提げて来日。『ペダル・デュース』以来大ブレイクのパトリ
 ック・ティムシットは監督と主演をこなした『カジモド』と共に・・・と多彩な
 顔ぶれだった。その他、ヴァレリー・ルメルシェ、アラン・ベイジェル等、ティ
 ムシット同様俳優出身の監督が目立った。

 一方、俳優陣は、先の『ヒューマニティ』で主演女優賞のセヴリーヌ・カネルや、
 サイン会でまでも、慌ただしくインタビューを受けていたサミュエル・ル・ビア
 ン、若手成長株のギヨーム・カネやロランス・コート等、次代を担う、元気な人
 々の来日が多かった気がする。

 以前に比べ、ヨーロッパの作品もかなり配給されてきているが、まだ単館上映が
 多い事から、アメリカの俳優に比べると、彼等に対する一般的な認識度が低い。
 そんな中、早くもこうした旬な人々といち早く出会えるのも映画祭のメリットだ
 といえる。

 勿論ヌーベルヴァーグ世代にはお馴染みのナタリー・バイの来日も、ファンには
 懐かしいものがあるし、来日こそなかったが、ジェラール・ドパルデュー、ファ
 ブリス・ルキーニ、カトリーヌ・ドヌーヴ等のベテラン俳優達も健在だ。

 さて、今回上映作品約 20 本のラインナップだが、硬質な社会派から、ドタバタ
 コメディまで、バランスよく散りばめられていた。

 『冬の少年』は一見サスペンスの形式をとりながら、『今日からスタート』は丹
 念なリサーチの上で、それぞれ現代のフランスを反映している。『幸運と必然』、
 『幸せな日々』のような作品ではフランス映画らしい、心の襞を繊細に描いてい
 た。

 また、アメリカ映画のような大仕掛けこそないものの、SFX を駆使した『アステ
 リクスとオベリクス』や、人気舞台の映画化『大浸水』などは、かなりの装置と
 思われた。こうしたコメディでは、他に大胆な解釈の『カジモド』や、可愛らし
 い『ギャルソンヌ』等それぞれに楽しめた。個別の作品については、あとで詳細
 を報告。

 今回気になった事といえば、このところ、映画人口が増えていると言われている
 中で、ベテランのジャック・ドワイヨン監督が、“予算の関係で”16mm 撮影を余
 儀なくされた、とその新作『少年たち』の舞台挨拶で述べていた事だ。無論、彼
 の手にかかれば、フィルムの質を越えて作品としてはなかなかのものだったが。

 今年はリザーブシートが設けられ、チケットの獲得に苦戦したところもあったが、
 始まってみると、観客のエチケットもよく、また会場係も例年に比べ穏やかだっ
 た気がする。

 来年は8回目。どんな映画祭になるかが今から楽しみだ。

                                鳥野 韻子

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

┏━┓
┃3┃横浜フランス映画祭
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 この映画祭は、フランスでも封切りされたばかりとか、または封切り前の作品を
 見られる貴重な機会でもありますが、フランス語を学ぶ人たちにとっては、また
 別の意味で、足を運んで損はないイベントです。来日ゲスト達のユーモアたっぷ
 りの舞台挨拶や観客との質疑応答の内容が逐一、一流の通訳達によって訳されて
 いく、その様子を目の当たりにできるしあわせ。フランス好きの人には、実にた
 まらない場なのです。

 映画の中のフランス語は、大変くだけた言葉を使っている事も多いので、少し分
 かるだけでも大変なものなのですが、こんな言い方もするのだなあと、ふと心に
 残る言い回しなどを見つけて帰るのもまた、楽しいです。

 例えば、「ヴィーナスビューティー」の一節で、こういうのがありました。
 Tu as boutonne mardi avec mercredi!
 (ボタンをかけ違えているわよ)
 これは、月曜と火曜でもいいのかとか、二つずれていたら、火曜と木曜と言うの
 かなど、いろいろ思いが巡ってしまいます。ごく普通に使われるのかどうか、こ
 の辺は知り合いにでも聞いてみようと思いますが、脚本家の方の独自の言い回し
 なのなら、思わず「それ、いただき!」ですね。

 映画的にいいわるいは別として、個人的には、最後の上映作品「ヴィーナスビュ
 ーティ」が一番、心にこたえました。一本でも心にささる作品があれば、それだ
 けで充分、映画祭全体の印象もよくなるもの。やはり何本も見れば好き嫌いはあ
 るので、気分的には最終上映までは、今年はちょっと好きなのないなあと思って
 いましたが、クロージングの「ヴィーナス…」にはあまりに感動してしまったの
 で、思わず手を挙げて質問したい、というよりも監督や俳優さん達にお礼を言い
 たい衝動に駆られてしまいました。

 なんて言おうか頭の中を整理しているうちに、時間切れになってしまったのです
 が、中には、フランス語でご自分で質問される方もいらっしゃって、自分の勇気
 の無さを反省させられます。

 時間も限られているので、運が悪ければ発言できずに終わったりもしますが、き
 っと毎年楽しみにされている方も多い事でしょう。ちなみに、この質疑応答のお
 まけがあるので、いい作品はよりおもしろく、あれ?と思う作品でも逆に、質疑
 応答が非常におもしろかったりして、それなりに楽しめますよ。

 毎年、フランス語検定の時期と微妙に重なり、行きたいのに行けない方もいらっ
 しゃるかもしれませんね。私も悔しい思いをした事があります。余裕があれば、
 気分転換にちょっと出かけるのも決してマイナスにはならないと思います。サイ
 ン会などに並ばれたり、そうでなくてもふっと、その辺をゲストの方が歩いてい
 たりする場合もあるので、フランス語で話し掛けるチャンスは日常に比べて何十
 倍もあるはずだと思います。あとは、度胸の問題。

 映画を見るだけではない、必ずそれ以上の思い出をつくって帰れる横浜フランス
 映画祭。みんなにもっと教えたいような、そっとしておきたいような…何とも複
 雑な心境です。

                                松山 弥代

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

┏━┓
┃4┃「これが人生?」に関して
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今年の一番はこれ。

 まずこの映画は、前半と後半に大きくわけられる。前半、田舎の青年二コラ(エ
 リック・カラヴァカ)とその家族、友人の間で繰り広げられる退屈なエピソード
 はごく普通の田舎を撮った映画の世界で、映画をたくさん観ている人達には退屈
 してしまうだろう。

 ここをどうのこうのと言っても意味がないくらいに退屈ないくつかのエピソード
 を我慢して観ていくだけ。ひたすらこの後の為に人物関係を把握し、この田舎が
 どんな所かをイメージし、自分がそこに住んでいたかの様な想像力を働かせて後
 半に備える。

 ただし、何度も言ってしまうがあまりその手助けにはならないひ弱な人物描写と、
 暗い映像には不満を感じる。こういった前置的な説明は様々な映画に見られるし、
 確かに必要な部分と言えるからそこを省くことも出来ないし、ここで退屈させな
 い映画のみが傑作とよばれる様になるのだから、傑作の数少なさを考えると、い
 やはや難しい。

 小説でも同じ事で、これは半分どうしようもないことなのかも知れない。編集し
 なおし、時間を10分もけずれば、テンポよく進んでいくのではないだろうか。
 (今後この映画の長さに関しても皆さんの意見を聞きたい。)

 もちろん前半ということもありなんら考えることなく観つづける人もいるだろう。
 その場合、後半の圧倒的な美しさと迫力に、前半のことを忘れてしまうことだろ
 う。そのうちスムースに話は流れ、後半に続いていく。

 後半とは、祖父母と一緒に田舎暮らしを始めるあたりからだが、とたんに映像が
 冴えわたり、スト-リーにテンポがうまれ、人間性の捕らえ方が研ぎすまされて
 いく。この変化はまるでニコラの心境の変化に重ねて描いているのではないかと
 期待してしまうくらいにもの凄い力を感じる。

 ニコラが大人になっていくという事かもしれないし、自然の持つ迫力なのかもし
 れない。こう書いていると、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を思い出
 す。ストーリーは全く違うものだが主人公の心境にどこか結びつくものを感じる。

 同時に、自然をバックに写し出される主人公ニコラやマリア(イザベル・ルノー)
 の体がまるで絵画の中の人物の様に美しく表現される。ミレーか、コローか、映
 像芸術といっても差し支えない名場面が続き、どっぷりとストーリよりも映像に
 浸ってしまう。まさしく、鳥肌がとまらないのだ。

 これは決して監督の手腕だけでつくり出したのではなく、カメラ(撮影)をまわ
 した日本人カメラマン(テツオ・ナガタ)の手腕が大きく、映画の中のカメラワ
 ークの大切さを感じさせるし、めったに映画を観ない人達でも簡単にカメラの重
 要性を理解できるだろう。

 日本映画の貧弱なカメラワークと比べると、本当に日本人による撮影かと疑って
 しまうのも無理ないだろう。

 鍬で草を刈るニコラを前斜め下から仰ぎ見て撮る場面、マリアと2人で歩く秘密
 の場所の金色に輝く羊歯、潅木、土の美しさ。(ウッディ・アレンの「ブロード
 ウェイと銃弾」でセントラルパークのベンチのシーンを思い出さずに入られない
 。)山の中腹から見下ろす谷間の煙り(霧)がかかる風景。実に美しい。しかも
 この光量だと、テレビでは再生しきれないだろう。映画館だからころ表現される
 この深い色合い。決してテレビ(ビデオ)では理解出来ない深い感動が湧き起こ
 っていく。

 エンディングに関してもうなにも言う事が無い。見ていない人は必ず見なければ
 ならない名作の登場である。

 しかし残念な事に、配給未定であり、実際配給されたとしてもいままでの例から
 考えると1年、2年先になるだろう。

 その時また私も観にいくに違いない。

                                立野 浩超

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

┏━┓
┃5┃短編映画集
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「何も言わずに」★(1)
 監督があのバンサン・ペレーズ。映画の質がどうのこうのというよりも、スタッ
 フはとりあえずプロ揃い。有名人が金を集めて(だして?)つくったお遊びとし
 か見えない。ストーリは10分の短編に適してはいるが、全く冴えない。ラスト
 シーンが大きな落ちとなっていて、その部分の言いたい事はわかるが、その落ち
 が分かってしまう。つまり、落ちていないのである。

 それまでのシーンには昨今のありきたりのフランス青春映画の様な表現シーンが
 続くだけで興ざめする。感情を入れすぎな演技は感情を壊してしまうのが監督に
 はわかっていないかの様に。恐らく、演技をしている時と、他人の演技を冷静に
 判断する監督という立場で眺めている時の違いを把握していないのだろう。

 これは俳優が監督をした場合良く見られる現象だ。他人の演技を冷静に見る目を
 養わなければいい作品を撮る事はできないだろう。よく言われるが写真を撮る時
 には、ファインダーでいいと感じても、もう一歩前に出てシャッターを押す方が
 いい。これと同様で、完成した映画を映写すると、そのシーンの雰囲気がずいぶ
 ん違ってくるのだから、それを想像できないうちはいい作品なんか撮れない。

 ペレーズは監督なんかやらずに役者人生を終えれば良いのではないだろうか。彼
 の事を好きだからこそ厳しく言いたい。

 「カミーユ」★★★(3)
 シングルライトで撮影し、カメラもハンドカメラを使用しドキュメンタリータッ
 チを目指している。狭い室内で撮影していると思われるが、映像には奥行きと迫
 力がある。シングルライトであるために深い影ができていた為か?いかに撮影が
 ライティングに左右されるかがよく分かる作品で、この監督(ファブリス・ゴベ
 ール)のセンスの良さを感じる。脚本も手がけているので、彼の今後の作品は楽
 しみだ。

 特にカメラが捕らえる子供の視線がすばらしい。子役はかなり幼い子供で、十分
 意識して演技ができる歳ではないだろうから、監督の苦労がうかがえる。

 10分を切る短編では物足りない一品で、長編に組み立てる事も出来るようなス
 トーリー。8分30秒の中によくこれだけ凝縮した物だと思う見事な作品。

 3星の理由は、総合的な評価ではまだまだぎくしゃくする部分がある為。しかし
 このまま行くと、次回作はすばらしい人間ドラマになるのではないだろうか。

 「蝿戦争」★★★★(4)
 短編として上手くまとめた一品。細部にこだわり、きちんと撮影しているので評
 価が必然的に高くなる。

 台所まわりの小物の汚さ、乱雑さがリアル。3分40秒で終わるが、この終わり
 方も短編アニメ的なにやっとしてしまうきれいな落ちがある。

 「ママの贈り物」★(1)
 映画を普通に撮るという事は非常に難しく、多くの監督が様々な場所に異常なほ
 どに凝り固まってしまった為台無しになった作品は多くあるが、これも普通にと
 ることの面白くない一面ばかりがでてしまった。

 普通であるという事は確かに難しいが、脚本、撮影、演技、監督のセンスなどす
 べてが普通であれば、その時映画はいかに面白くないかを如実に表現してしまっ
 た。

 特に短編にはある種の期待を持ってみる事が多く、その期待を全く満たされない
 場合は評価が著しく悪くなってしまう。最後のほくろのシーンでアニメとの合成
 (もしかしてCGかもしれないが)を行っているが、雑であるが為に画面が見づ
 らくなってしまう。最後に抱く印象が一番深く残る為、厳しい1つ星。

 「マーズ」★★★(3)
 映画というよりミュージッククリップ。ストーリーより、色合いを楽しむ映画。
 映画という言葉は当てはめたくない。デジタルな世界が堪能できるし、ドルビー
 のいい音が響く一品。映画祭ではなく、現代美術館のビデオアートに入れたい作
 品。

 「最後の手段」★★★(3)
 脚本は上手い。撮影はごく普通だが、これが普通よい一面であろう。脚本という
 優れた所がひとつある為、あとは普通にとる事で作品の質が上がっていくという
 事を見せてくれた作品。

 エレベーターの中の撮影にはもう少し緊張感もほしい。エレベーターの外の映像
 がまとまっているだけに、中の撮影に工夫がほしかった。

 エレベーターといえば、「死刑台のエレベーター」を思い出しますね。

 「最後の発明」★★★★(4)
 監督(ロロ・ザザール)は東ヨーロッパやロシアのアニメーションにかなり影響
 されているのではないだろうか?実写アニメーションだが、まるで良く出来たク
 レイアニメと見間違わんばかりのアニメ的な部屋の色合い。

 また監督が一人出演もしているが、顔つきと役柄が大変マッチしている。まさし
 くこの作品のための顔つきをした役者。最初から自分が演じるつもりで脚本を書
 いたのだろう。

 脚本にはもう一人、フランク・メーニュの名前も入っているが、各部の詳細な台
 所用品の動きに関するアイデアをだしているのではないだろうか。本当に渋い一
 品。

 「ブラインド」★★★(3)
 色合いが実にきれいですね。日本人監督にしては撮影上の色合いがいい。自分で
 制作費を負担し、足りない部分(ほとんど?)の金策に走ったとの事でしたから、
 その辺のこだわりは十分撮影のピーター・ログレコに伝えたのではないだろうか。
 もし監督のこだわりではなく、カメラマンのこだわりであったなら、次回作には
 たいした期待ができなくなる。カメラマンの次回作には期待するだろうが。

 日本映画の場合、どの映画もウルトラマンや、昼のメロドラマと同じ色合いで、
 それが日本映画を面白くなくさせている要因だ。タケシでさえ、映像の色合いが
 いかにも日本的で、どの場面も明るすぎる。メリハリを感じない。

 この作品では、32mmで撮った場面は多少明るすぎると思うが、それでも細部
 の色合いは奇麗にでているし、ストーリーがこれらの奇麗な色合いを欲するよう
 に感傷的だ。

 アメリカ留学中の監督がまわりのスタッフをアメリカでかき集めた結果生まれた
 だけなのかも知れないが。とにかく監督(小西未来)のために言う。お願いだか
 ら日本にもどって、松竹でとるな。

 という事で、映画を見ていると本当にこれだけの上映時間が必要なのかとよく疑
 問におもいます。「ホームドラマ」という映画を渋谷で見た方もいらっしゃると
 思いますが、これは1時間程度でよかったのではないでしょうか?

 「Uボート・ディレクターカット」は本当にノーマル版よりおもしろくなったの
 でしょうか?「シェイクスピアの恋」はこの時間でも物足りないくらい内容の濃
 い作品だったとも思います。(ただし、シェークスピアを読んだ事のある人向き
 だが。)

 映画は興行的な理由からか、たいていは約2時間に編集してしまいますが、それ
 がいかに映画作りを難しくしているかを最近感じます。もっと監督の自由に時間
 を設定できれば、よりテンポのいい作品が生まれると思う。

 映画の時間に関する皆さんの意見をお待ちします。

 最後に、批判されてしまった監督よ、あの「タイタニック」ですらめちゃくちゃ
 にけなす人がいる事をお忘れなく。(私はその一人です。)

                                立野 浩超

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

┏━┓                    L E P E T I T B O U Q U E T
┃6┃空想家、ギョーム・ドパルデュー
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「見方によれば、僕はいつも心の中で自分との闘いをやり過ぎていたかもしれな
 い。自分が夢見ていた世界とは、あまりのもかけ離れたところに僕は居たんだ。
 子供の頃のように、今も夢見ている。でも、今分かったんだ。失敗を認め、謙虚
 になるべきだと。

 人に指図され、操られる立場だとしても、僕は国家にも、軍隊にも従う気なんて
 ないのさ。線を引くようなやり方には、吐き気がするよ。僕のことを空想家だと
 思うかもしれないけど、それでいいんだ。僕は、空想家なのさ。」

 レオス・カラックスの新作映画「Pola X」の主人公ギョーム・ドパルデューは、
 ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche)でこんな風に
 語っている。

 レオス・カラックス(フランスの映画監督)
 代表作:ボーイ ミーツ ガール、汚れた血、ポンヌフの恋人
 「Pola X」は、彼の8年ぶりの新作、カンヌ映画祭に出品されている。

 ギョーム・ドパルデュー: 1971 年生まれ、フランスの映画俳優、父親は俳優の
 ジェラール・ドパルデュー

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

┏━┓                    L E P E T I T B O U Q U E T
┃7┃スターの出演料
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 1,000 万フラン(日本円で約2億円)、これは、ジェラール・ドパルデュー、
 クリスチャン・クラヴィエ、ジャン・レノらの、一回あたりの出演料なのである。
 またこの金額は、フランスの映画界の最も高額な出演料のリストのトップに、こ
 の3人を位置付けることとなった。これは、雑誌「ペルソ(Perso)」が行った調
 査によるものである。
 
 ジュリエット・ビノッシュのオスカー賞の受賞は、かなりの先輩であるダニエル
 ・オートゥイユの 600 万フランに対し、彼女がスクリーンに現れる度に、なんと
  800 万フラン手にすることを可能にした。
 
 その下となると、大御所のカトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ランヴァン、ク
 リストフ・ランベールがいる。映画に出演して得る金額 400 万フランは、このベ
 テラン俳優たちに巨大な映画ファミリーの貧乏な親のような印象を与えている。
 
 その他の映画俳優では、キアラ・マストロヤンニやヴァンサン・エルバズが、3
 0万フランしか手にすることが出来ないのに対し、ドミニク・ブラン、ヴァンサ
 ン・カッセルは、50万フランも受け取っている。
 
 終わりに方には、ポルノ俳優が姿を現している。イタリア出身の男性ポルノ俳優
 ロッコ・シフルディの場合、出演料は3万フランを上回ることはない。わかり切
 ったことだが、イタリアの女好きは、お金のためではなく、楽しみのために働い
 ているのだ。

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

 【フライヤー版を購読の皆様へ】
  フライヤー・マシーン経由でScreenKissをご購読の皆様は、今回を持ちまして
  配信が終了となります。これは、フライヤー・マシーンがメールマガジン発行
  システムを終了するからです。

  しかしScreenKissは他の発行システムにて継続発行されるために、こちら側で
  移籍いたします。詳しくは後ほどご連絡いたします。

┏━┓                       I N F O R M A T I O N
┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇

  このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出
  来ます。こちらでの作業は一切しておりません。

  まぐまぐ(http://rap.tegami.com/mag2/)
  マッキー!(http://macky.nifty.ne.jp/)
  フライヤー(http://flier.jcss.net/itiran/00000095.html)
  メルポット(http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008
  ココデメール(http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007
  les metamondes (http://metamondes.com/)
  ClickIncome(http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)

◇◇サービス______________________________◇

  ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。
  http://www.ScreenKiss.com/

  Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。
  http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585

◇◇広告募集______________________________◇

  ScreenKissでは、広告を募集しております。
  詳しくは、webmaster@ScreenKiss.comへ

◇◇協力・提携_____________________________◇

  AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/)
  Le Petit Bouquet日本語版(http://www.metamondes.com/PetitBouquet/)

◇◇お問い合わせ____________________________◇

  色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお
  願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。
  mailto:webmaster@ScreenKiss.com

◇◇スタッフ______________________________◇

  【編集長】      【記事執筆】      【編集】
   中津川 昌弘     鳥野 韻子       山下 裕
              石川 祐子
              立野 浩超

◇◇ScreenKissについて_________________________◇

  映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・
  論評するメールマガジンです。

  Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss
 掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。

┼                                   ┼