ScreenKiss Vol.041

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1999年 9月 3日 配信
ScreenKiss Vol.041

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Vol.041

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □黒猫、白猫(山下 裕)   □黒猫、白猫(立野 浩超)   □運動靴と赤い金魚   □クアトロディアス   □映画館で映画を見よう:銀座テアトル西友 >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆黒猫、白猫☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★★  「この映画は見事に突き抜けている。そしてきっと誰にも真似できない」  まず思ったことである。  この作品の監督、エミール・クストリッツァなる人物を初めて知ったのが「アン  ダーグラウンド」であり、私は勉強不足で、この映画しか知らない。これを観た  ときには、「よく、こんな話思い付くなー」など思い、「しかし実写との合成が  見え見えでひどいなー」など当時「フォレストガンプ」を観てしまっていたため  の比較によるチープさを感じたり、でもラストシーンの地面が流れていくという  今も自分に残る強烈なインパクトと共に、独特で一度聞いたら忘れないあの音楽。  こんな印象がその時あったと思うが、その当時私の中では特に好きな映画でもな  く、この監督の存在はもう記憶の中で消えつつあった・・・。  と、そんな時に「黒猫、白猫」。監督の名前を見れば、あの監督。その中身はと  いえば、話といい、登場人物といい、とにかくぶち切れている。まあ、ラストに  向かって、目隠ししながらトラヴァントが時速300キロキープで農道を突っ走  る、そんな感じです。そして、これまた登場人物が濃縮ソースのようなキャラで  ある。その中でも個人的には、車椅子(らしいが)に乗っているゴッドファー  ザーと呼ばれるじいちゃんは最高です。それから、前作のように意味不明な楽団  がやはり出てきて、あの音楽もやはり健在、そして狂喜乱舞のごとくやはり踊  る。・・・と、ハチャメチャな映画である一方感じたのが、パンフレットに載っ  ている写真を見て、1カットの画が絵画的、アート的とでも言うのかとても魅力  がある。劇中のシーンでも、船が出ていく川のシーン、ひまわり畑のシーン、そ  して林の中のシーンなどは画的にも、とても印象深かったです。    観終わってみて、この映画はまさしくあの「アンダーグラウンド」の、あのエ  ミール・クストリッツァの、紛れもない作品であった。でも自分の中でその昔の  印象とは大きく変わっていた・・・。いま一度、あの「アンダーグラウンド」を  観て、昔の作品も観て、そしてまた「黒猫、白猫」も。                                  山下 裕 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆黒猫、白猫☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  「この映画は見事に突き抜けている。そしてきっと誰にも真似できない」厳しく  つけて☆は3つまでだろう。エンディングにかけての盛り上がりは評価したいが、  それまでの退屈さ、コメディーとしては評価できないところがマイナス点。    「黒猫・白猫」はコメディーであるかどうか?大爆笑している人がいるかどう  か?私にとってこの映画はどこからどう見てもコメディーではなかった。コメ  ディーというジャンルの中にこの映画を置くとすると最低レベルだろう。映画館  のなかはほぼ満席だったがほとんど笑い声は聞えず、見終わった観客達のなかで  笑いながら帰っていった人もほとんどいなかったということが正直に評価してい  る。(これは私が見た回だけだったのだろうか?)確かに日本人は映画館の中で  大声で笑うことがすくないが、そのことを十分わかってのことだ。    しかしコメディーの範疇を広げて解釈すると、皮肉や、ブラックユーモアのたぐ  い、風刺というものもあり、その中には収まりそうだ。ただ、それらにはメッ  セージ性が必要ではなかろうか。「黒猫・白猫」には「アンダーグランド」(★  ★★★★)のように宗教・民族的な重たいメッセージはほとんど感じられず、そ  の為タッチが軽くなっている。また、一人一人の人間の面白味は深いものがある  が、笑えるほどではない。    さて、雑誌の映画紹介の写真、コマーシャルですぐに気付く点は、色の美しさ。  これは全体を通して言えることだが、必ずしもきれいな場所で撮影している訳で  もなく、衣装が多彩な色使いをしている訳でもなく、どちらかといえば小汚い場  所、衣装でのぞんでいるのにもかかわらず、色彩豊かで発色のいい映像に仕上  がっている。まるで輝くような色が映し出されている。コメディーとしては空回  りするような演出のなか、結婚式のごちゃごちゃでイダ(ブランカ・カティチ)  が踊る場面の美しさは、クストリッツアならではだろう。「アンダーグランド」  でも同様の美しいシーンがあったが、「黒猫・白猫」中の必見のシーンだ。    評価したいのは山々だが、期待が大きすぎたせいもあるだろう。ここは厳しく誉  めすぎない程度で書き終えよう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆運動靴と赤い金魚☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  イラン映画といえば・・・。確かにまず出てくるのが、アッバス・キアロスタミ。  でもこの映画はキアロスタミっぽくなくて、まず個人的には好都合であった。そ  して最近の、特にアメリカ・ハリウッド映画などではまずお目にかかれないだろ  う、何とも素朴な映画だった。多分、相当低予算であるだろうし、それでもしっ  かり映画は作れるということでは素晴らしい。    さらに、この映画で素晴らしいのは子供の表情であると思う。それにしても主役  の兄妹がよく泣き、悲しそうな顔をするのだが、その表情だけでつられてか同情  してか心がジーンとしてしまった。それでいて時折見せる笑顔がまた素晴らしい  のである。ただ、この映画は子供の表情の豊かさという部分が圧倒的に強くて、  それを除いたら・・・と考えると、どうもピンとこない。観終わって、実際、何  か物足りなさというのか何というのか・・・。ストーリーで引き付けるという要  素がもうすこしあればなのか。何か児童映画といった感じだった。まあ、でもあ  の表情を観るだけでも十分か。                                  山下 裕 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆クアトロディアス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★  粗筋などに関してはBOX東中野のHOME PAGEに詳しく載っているのでご存知ない方  はそちらからどうぞ。http://www.mmjp.or.jp/BOX/database/quatro.html  魅力的な映画は、出演者が有名だとか、監督が大物だからとか、原作者が文学賞  をとったなどという事とはまったく関係がない別のところで生まれている。  しかし残念ながら映画を観にいく場合の映画選びの重要な要素とは、そういった  事柄ばかりで、観客数もその3つの要素に大きく影響されている。たまには人の  意見に耳を傾けて、今週末観にいく映画、借りるビデオを決めてもらいたい。  クアトロディアスは残念ながらすでに公開は終了していて、レンタルビデオに頼  るしかないので、リバイバルに期待しましょう。  南米映画は仏映画よりもよっぽど見る機会が少ないが、最近はアカデミー賞から  みで「セントラルステーション」、サンダンス映画祭からみで「フラミンゴの季  節」と上映が続いた。「クアトロディアス」も97年アカデミー外国映画賞にノ  ミネートされていた。  もちろん南米ばやりというわけではないが、今後も各配給会社には南米映画へも  目を向けていってもらいたい。  それと同時に、国際交流協会が主催する映画際(特集といったほうが正確だが)  でも積極的に取り上げてもらいたい。最近主催回数が減ったように感じるのは気  のせいだろうか?  「クアトロディアス」を見終わると南米のパワーを感じる。この映画はチラシの  裏側にあるサン誌の批評「この四日間(クアトロディアス)は見る者全員に忘れ  られない四日間になる!!」とか、スティーブン・スピルバーグの「ブルーノの  最高傑作だ!」といった言葉があらわす通りで、期待を裏切らない。いつもの当  てにならない宣伝文句ではなかった。  これはノンフィクションをもとにした映画だが、その為に生じる退屈さを排除す  るための努力を感じる。まず他面な側面からの演出。首謀者、誘拐された大使、  目撃者、警察といった一人一人が重要な主役となっている。独唱で生じる押し付  けがましさがないため、冷静に一人の目撃者として、または仲間としてこの映画  を見続けることができる。  また、話の抜き出しが上手いため、首謀者フェルナンドの人生感にも共感ができ  たり、反対に具体的に批判ができたりすることだろう。物足りなくもない、説明  しすぎでもない上手い脚本がそこにはある。  映画を撮るにあたり、誘拐首謀者達にたいしてあまり友好的になりすぎることも  なく、反対に批判的でもなく、感情をあまり入れない撮影をしている。もちろん、  中立ではないことは、チラシや予告編に使われていた写真で首謀者が握りこぶし  で腕をあげ、ピースサインをかざしている姿を使用していることが暗示している。  もちろん、その曖昧に近い立場が、この事件が与えるメッセージや、原作が訴え  たかったことをぼやけさせてもいるようだ。  あまり政治的にどうのという内容でもなく、単純に犯罪物映画としてみればいい  のではなかろうか。実話ならではの迫力があるから、ハリウッド映画の犯罪物と  は大きく雰囲気の違う映画として満喫できるだろうし、ギャグを織り交ぜている  わけではないためリアルな恐怖がある。  2流ホラー映画よりも恐いかもしれない。まだまだ残暑厳しいいまごろにはお勧  めの一品です。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆映画館で映画を見よう:銀座テアトル西友☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  立地/  銀座テアトル西友は、京橋駅からは近いのだが、JR有楽町駅や地下鉄銀座 駅か  らだと徒歩10~15分と、ちょっとかかる為、銀座エリアには珍しく「こ こ  の映画館の為にわざわざ外出しました」という自己主張ただよう客が多い。   (深い意味はありません。)  銀座の他の単館系/  シネスイッチや、シャンテシネでは眠りにきているのでは? とか、ちょっと臭  い人がいて不快に思うこともあるが、銀座テアトル西友にはあまり見かけない。  また、マナーの良さも格別で、客層のよさが伝わってくる。立地条件のよさと言  うか、ここの回りにはその手の人も少ないのだろう。  館内設備/  自動販売機では紙パックジュースを販売している。映画館では飲食を しないも  のという前提に立てば十分だろう。飲食を積極的にすすめる最近のシネマコンプ  レックス形式はそれでいいのだろうが、個人的には食べ物は止めてもらいたい。  ただ、咽が乾くと落ち着いて映画をみれなくなる事と、あまり音もしない点では  飲み物くらいは許可してほしいものだ。全くの飲食禁止の館内は確かに臭いもな  くきれいなのだが、必ず一長一短あるものですね。  トイレは男性用は十分あり、待ち時間なし。  女性用はちょっと少ないようだが、この規模の映画館ではしかたないのでは?   チラシのコレクションも多く、関連企画として写真やイラストが壁にかかること  も多い。  館内は段差が十分あり、どの場所からも実に良く見える。画面のサイズと、館内  の大きさが一致していて、端でも後ろ側でも本当に見やすい。もちろん、最前列  では見上げてしまうし画面に近すぎて見難いが、それでもまだ我慢できる。満席  になれば座布団をかしてくれるので、階段通路に座れるが、ここからでも画面は  見やすい。  係員は2階席と呼んでいるが、階段4段程度の段差で別れているだけで、2階席  も1階もない1フロアーの映画館。他の映画館の2階席の用に、1階の上に重な  るように張り出しているのではない。  今後の企画/  ScreenKiss Vol. 039で紹介しています。特色があり、面白味のある企画ですね。  各作品の評価はさておき、レイトやオールナイトで過ごす時間は格別ですから、  ぜひ足を運ばれることをお薦めします。(仕事帰りは眠たくてつらいこともあり  ますが、、、。)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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