ScreenKiss Vol.042

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1999年 9月 8日 配信
ScreenKiss Vol.042

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Vol.042

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □アイズ・ワイド・シャット   □オースティン・パワーズ・デラックス   □恋は嵐のように   □セレブレーション   □シネマノート:PFFアワード'99ノンストップ上映 >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆アイズ・ワイド・シャット☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  公開前からキワい噂ばかりが飛び回っていたが、オーストリアの作家が原作なだ  けにまるでクリムトの絵画を思わせるような美しい作品だった。  特に公開に際して一番問題になったという仮面舞踏会の世界は、見終わって数日  たった今でも脳裏に焼き付いており、「シャイニング」の双子姉妹の映像、「時  計じかけのオレンジ」のレイプシーンなどと同等に、いかにキューブリックが言  葉や音声で訴えかけるのではなく、映像のみで人の心に恐怖の染みを作るのが上  手い監督かを改めて感じた。  内容的には、夢物語のようでありながら、ある意味非常に現実的な物語である。  性への憧れと不安、死の恐怖など、人間なら誰もが一度は体験するであろうテー  マだからだ。この作品が彼の遺作となったのは感慨深いところだ。  と、ここまで賞賛しておいてなんだが、残念なのがやはり、キャスティングだ。  ニコール・キッドマンは確かにビジュアル的には美しいし、冷たく無機質なふん  いきが役にはあっているとは思う。だが、ひとたびセリフを口にすると舌足らず  な声が幼稚に聞こえ、オープニングのダンスシーンなどは「酔っているの」とい  うセリフを口にしなければ、ただの頭の悪い女にしか見えない。  もともと過去の作品「冷たい月を抱く女」が火曜サスペンスなみの作品に成り下  がっていて、こういう繊細な役を彼女が出来るのだろうか、と心配だったのだ  が…  また、トム・クルーズに関して言えば、確かにいつものように頑張っているのだ  が…その「頑張ってます」的演技がやはりこのような静かな作品には向かないの  ではないか。  そもそも色っぽさを見え隠れさせなければいけない作品なのだから適度な色気と  演技力、そして知性を兼ね備えた役者、たとえばレイフ・ファインズやジェフ  リー・ラッシュ、ユマ・サーマンやエリザベス・シューあたりにこの役をやって  もらえれば更に作品の格も上がるとおもうのだが…                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆オースティン・パワーズ・デラックス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  相変わらず飛ばしまくってくれました!特に前半、放送禁止用語炸裂のTV  ショーのシーンは涙が止まりませんでした…またシアトルのスペースニードルに  あるスターバックスが悪の本拠地になってたり、ホントに芸が細かい。男性自  身!の呼び方がこんなにあるなんて!と英語の勉強になったりもします。  また今回は、オースティン自身よりも、悪役勢がパワフルで笑わせてくれました。  エーヴィルとミニ・ミーのジャスト・ア・トゥ・オブ・アスのデュエットは最高。  残念なのは笑いがあまりに前半に集中しすぎているのと、オースティンとフェリ  シティのロマンスがすんなり行きすぎなところ。まあ前作のお相手は90年代キャ  リアウーマンで、今回は60年っ子っていう差は有りますが…  最近私が最も注目してる女優がヘザー・グラハムなのですが、彼女「ブギーナイ  ツ」以来、コスプレさせたら世界一、まさにオタクの星ですね。これからもどん  どん、看護婦だの、マクドナルドの店員だの演ってほしいものです。まさにベイ  ビ~っていう呼び名が似合う世界一!  次回作はレズビアンの役とか。女の私でもたまりません。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆恋は嵐のように☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★  こんなものだろう、と覚悟して観たものの、やはりサンドラブロック作品だった  か…という感じ。いやこの作品に関しては彼女は悪くない、と思う。  もともとさほど美人ではないから正統派の役よりはこういうドタバタ系の女の方  が合っているとは思うし、アンチ・サンドラの私でさえ可愛く思ったほどだ。    ではなにがいけないのか、ベン・アフレック、彼も決して悪くない。童顔マッ  チョな雰囲気が優柔不断男にはもってこいだし、もともとアクションからコスプ  レ系までこなせる演技力の俳優である。    要するにストーリーそのものが問題なのだ。相次ぐ災害も最後の方にはしつこく  なりすぎてリアリティが全くないし、さんざん結婚に対する批判をしておきなが  ら結局モトサヤか?!    ストーリーの流れとして、サンドラとベンのハッピーエンドは無理にせよ、もう  少しラストで2人の関係をクローズアップさせ、いかに彼女の存在が素晴らしかっ  たかをアピールするべきではなかったのだろうか。    一体サンドラ・ブロックの存在は何だったのだろう?それともホントにただのマ  リッジ・ブルーとはどういうものかを描きたかっただけの映画なのだろうか?                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆セレブレーション☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  先週の記事より反論を頂いたので、その方からの評をこちらでご紹介いたします。  ScreenKissでは、読者の方からのご意見もご紹介いたしますので、我はと言う方  はご投稿ください。(ご期待に添えないこともあります)  父親の60歳の誕生日に、子供や親戚が集まってお祝いを開く。一見どこにでも  ある平和な風景である。しかし、そこで繰り広げられたのは、尋常ではない親子  の対決だった。車の鍵を隠された親戚たちは、親子対決の観客兼審判として残る  ことを、強制されてしまった。  宴会の場での長男クリスチャンの告白に驚きながらも、母親はそれは作り話よね  と言いながら、そうした話は内輪の時にして欲しかったと言う。良識にあふれた  人たちは、問題のある時は当事者同士で充分に話し合うのが良いという。家庭内  の問題の時は、家庭内で充分に話し合えと言うわけだ。ちょっと見は正しそうな  発言だが、家庭内での人間関係が上手くいっていないから、問題が起きたことに  彼等は気づいていない。家庭が問題を起こしたのだ。犠牲者を生み出した家庭  が、独力で問題を解決できるはずがない。  親の体験を子供に伝えることが有効性を失ってきた現代、親の恣意は次世代の教  育に障害になってきた。そのため、旧来の躾を廃して、子供の生きる力をそのま  ま伸ばそうという、社会的な空気が生まれてきた。それがこの映画の背景であ  る。この映画は最近公開された「ファザーレス」と同じ主題である。  家庭内の顔と家庭外つまり社会的な顔は、本人の中で一体化しているので、家庭  内の顔だけを直すわけにはいかない。とくに親はすでに長く生きてきたので、彼  や彼女自身の生き方全体にかかわってくる。小さな時にできた親子関係は、長い  間にわたって固定し、親が本当に現役を退くまで上下関係は続く。生まれたとき  から作られてきた親子関係は、実に強固である。だから、そう簡単には関係が変  わるわけがない。家族が対決するときは、この映画のように観客が必要なのだ。  この父親のように、子供たちに近親相姦をしていたり、また虐待していたりすれ  ば、問題は簡単である。今や、いくら家庭内の問題とはいえ、外の人たちもそれ  に介入する。しかし、家庭的にも良くできた人で、社会人としても品行方正だ  が、親子関係が破綻したとなると、その非難はすべて子供の方へ来る。立派なご  両親なのに、どうしてあんなお子さんができたのでしょうね、と言うわけだ。暴  力を振るう親など、親に問題がある場合のほうが解決は簡単だろう。親は子供に  愛情を持っているとみんなが思っているから、ことはやっかいなのである。  ロバート・デ・ニーロとシャロン・ストーンが演じた「カジノ」でもそうだった  が、非の打ち所のない素晴らしい夫で、妻の言うことは何でも聞き、妻をいたわ  る。それでも荒れていく妻。これでは妻の方が、悪く言われて当たり前である。  親子でも同じで、この映画でも父親はホテルの経営者で、立派な社会人である。  立派な親と子供の関係こそ、子供には何とも言いようのない重圧であり、桎梏な  のである。親子関係の本質が、少しづつだが理解され始めたので、こうした映画  がつくられる。 この映画でも、家族の絆を確認しようとしながら、そのそばか  らこぼれ落ちていってしまう様が、良く描かれていた。近親相姦や暴力は論外と  しても、親もどう子供に対して良いか判らない。男性だけが人間だった時代か  ら、女性も人間だと言ったフェミニズムを経て、今や子供も人間なのだ。子供は  未成熟であるがゆえに親に監督権があるのではなく、親は子供という命を一時的  に預かっているだけなのである。子供は子供のままで自立した人間である。  この映画は、手持ちのカメラで撮られたようで、画面が簡単に転換し、カメラが  狭いところにも入っていっていた。舞台は田舎のホテルだけ、出演者は全員でも  40人くらいと、きわめてこじんまりと制作されている。技術的には感心しない  ことが多かった。それでも見るに耐えるのは、やはり主題を支える問題意識のせ  いだろう。  トマス・ヴィンターベア監督はドグマ95に属し、純潔の誓いに署名しているの  だそうだ。それは、「すべてロケで撮る」「セットを組んではいけない」「音楽  を使ってはいけない」「人工照明の禁止」「手持ちカメラ」などと言った十戒を  守るのだそうだが、まったくナンセンスな話だ。ドグマ95に属するラース・  フォン・トリアー監督が作った「奇跡の海」は、最悪だったではないか。  技術の選択肢は多い程良く、技術に溺れることによって、画面の緊張感が薄れる  としたら、ただ下手だというに過ぎない。この映画で、照明不足により顔にモア  レのようなものがかかって妙な効果がでていたが、あれは単に怪我の功名だろ  う。SFXなどを使ったからと言って、良い映画ができるわけではないのは確か  だが、技術を嫌うことなく技術に溺れることなく、きちんと主題を押さえてって  欲しい。1998年のデンマーク映画で、怪しげな技術ながら現代的な鋭い問題  意識にもとづいた優れた映画であると思う。  本文全体は下記にて公開  http://www.netpro.ne.jp/~takumi-m/セレブレーション.htm                                  匠 雅音 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆シネマノート:PFFアワード’99ノンストップ上映☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  以前御紹介した、7月の「第21回ぴあフィルムフェスティバル」のうち、「PFF  アワード'99」入選作品のアンコール上映が決定しました。前回見逃した方、も  う1度見たい方、是非この機会に若い才能を見に来ませんか?  今回は主催のぴあ(株)のご好意で、ScreenKiss読者の方に各日10名、計20名樣  に1日フリーパスチケットをプレゼント!応募条件はラストにありますので、お  見逃しなく。  ■PFFアワード'99ノンストップ上映2DAYS!のご案内  「東京国際フォーラム・PFFシアター'99/9月」(9/17~19)で「PFFアワード'99」  入選作品を2日間に渡って連続上映するプログラム「PFFアワード'99ノンストッ  プ上映2DAYS!」を企画しました。映画祭終了後、様々な所からあった反響、リク  エストに応える形での実現です。  日時:9月18日(土)・19日(日)  会場:有楽町・東京国際フォーラム・映像ホール(Dブロック1F)  料金:前売1日券 2500円当日1日券 3000円     日にち指定券です     1日フリーパスチケットになります  チケットは「チケットぴあ」又は、お近くのファミリーマートの「ファミネット」  でお求め下さい。  □上映スケジュール   9月17日(金)    19:00~  世界傑作短編集            シネフィル・イマジカ特選 アイルランド短編作品集   PFFアワード'99ノンストップ上映!   9月18日(土)    12:30~  あおい夏     13:05~  シアワセの記号(ポルタメント)    14:35~  5月2日、茶をつくる*    15:20~  ウワバミの絵    15:55~  福田さん    16:40~  失跡-1998年の補足    17:50~  にくいあなた*    18:20~  昼下がり    19:20~  他、3本。   9月19日(日)    12:30~  バッド デット    13:00~  PORTAMENTO    13:30~  風は吹くだろう*    15:40~  ランナーマン*    16:00~  夏将軍*    17:00~  テーブルトーク*    18:30~  5月2日、茶をつくる    19:00~  プロゴルファー虎木   ◇途中、5分~20分の休憩を含みます   ◇予定開始時間の為、当日、多少の動きがあることもあります。   ◇*は監督来場予定作品  □チケットプレゼント   冒頭でお知らせした通り、ScreenKiss読者の皆様を各日10名様、上記イベント   (9/18・9/19 PFFアワード99)にご招待致します。応募方法は下記の通りです。   たくさんの応募をお待ちしています。   下記の情報とアンケートの回答を書いて、   ◇あなたの住所, 氏名, 年齢, 職業, 電話番号   ◇希望の上映日 A)9/18 B)9/19のどちらか     (プレゼントチケットは1日のみ)   ◇アンケート    1)ぴあフィルムフェスティバルについてはご存知でしたか?      A)知っていたが行った事はない      B)行った事がある    2)ScreenKissはどの位読まれていますか?      A)創刊以来ずっと      B)今年に入ってから      C)ここ数回      D)今回初めて    3)どんな記事に興味がありますか?(自由回答)    4)今後どのような内容を希望しますか?(自由回答)   なお、発表はプレゼントの発送をもって代えさせて頂きます。   応募先 :webmaster@ScreenKiss.com   タイトル:PFFチケットプレゼント係   締切  :9月12日(日)24:00 必着        (メール配送などの遅れがありますので、お早めに)   当選された方は是非、鑑賞された作品の感想等を御寄せくださいね。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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