ScreenKiss Vol.046

1999年 9月 19日 配信
ScreenKiss Vol.046

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Vol.046

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □フォールームス   □上海ルージュ   □ラスト・アクション・ヒーロー   □バダック・砂漠の少年   □マンハッタン殺人ミステリー   □「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆フォールームス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★  9/21(火) 深夜1:50~フジテレビ  タランティーノ、ロバート・ロドリゲスなど今をときめく4人の監督のオムニバス  作品。  見所はティム・ロス(大好き!)の軽妙な身のこなしと、バンデラスの濃ゆ~い  演技。  バンデラスというと,つい男前系の役を想像しがちですが、この映画のような濃す  ぎるよ~って役をもっと演ってもらいたい。ちょっとサリーちゃんのパパに似て  ると思うのは私だけか?!  あと、あの「フラッシュ・ダンス」のジェニファー・ビールスがアブナイ役で出  演しているのも笑える。ヘンタイ夫に椅子に縛り付けられるような役をやろうと  は当時誰が想像しただろう・・・  作品全体の出来としては監督個人の差もありそんなに良いとは思いませんが、四  星なのは個人的なタランティーノへの思い入れから。ラウンジ風音楽のサントラ  もオススメです。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆上海ルージュ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★★  9/24(金)深夜1:00~NHK総合  1930年代、上海を舞台にマフィアの愛人をめぐる切ない物語を愛人の付き人と  なった  少年の目を通して描く。アカデミー賞にもノミネートされた撮影の美しさが見所。  ふだん可愛らしい印象の主演のコン・リー(ラーメンのCMでもお馴染み)がこ  こでは気性が激しいながらも本当は一人の恋する女である愛人の役を見事に演じ  ている。  まさに彼女の演技の見事さに魅せられる一本だ。また一人の少年の目を通して描  いたことで、暗黒街に生きる男女達の非情さ、哀しさなどをよりいっそう引き立  てており  文句のない演出。中国映画初心者でも解り易く、観やすい作品である。私自身大  のお気に入りの作品で劇場公開時に2回映画館で観てしまった。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ラスト・アクション・ヒーロー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ★★★★ 9/25(土)午後9:00~フジテレビ  映画だけが友達の少年が、ふとしたことから映画の中に迷い込み、憧れのヒー  ロー(シュワちゃん)と共に冒険を繰り広げて行く、というまさに映画ファンの  ための映画。  映画の中が舞台なだけに、ゲスト出演も豪華。また映画のパロディ的な要素も  多々みられ、映画オタクな私やあなたにとってはそれを見つけるのも楽しみの一  つになることでしょう。やはりハリウッド映画は夢がなくっちゃ!と思わせる一  本。  ちなみに余談ですがこの映画でシュワの娘を演じたブリジット・ウィルソンとい  う女優さん、アメリカ娘!って感じでなかなか可愛かったのに、その後B級映画  でしかお目にかかっていない。極めつけは松田聖子のハリウッド進出作「サロ  ゲート・マザー」。  とほほ…                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆バダック・砂漠の少年☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  キネカ大森のイラン映画特集より  ストーリーの評価:★★★  総合点 :★★  この映画は、『運動靴と赤い金魚』のマジッド・マジディ監督が92年に撮った  映画。面白味はあるが、多少編集の強引さが気になる。7年前で且つ、イランで  作られた映画と考えると十分大作だから、アジア・インド映画に興味がある人は  ついでに見る事をお勧めしたいが、公開が終了後はビデオもないだろうから、お  目にかかることが難しいだろう。  イラン映画というよりも、インド・パキスタン系の味が混ざっているストーリ展  開で、いままで日本で見られてきたイラン映画の系統からは離れている点にも興  味がもてる。  イランの日常的な風景はテレビや旅行のガイドブックなどでもなかなか知る機会  がなく、特にテヘラン以外の田舎町の映像は目にすることが少ない。また、経済  制裁を受けている国や、貧困国に旅行をする人も少ないだろうから、何を着て、  何を食べて、どんな町の雰囲気なのかといったことを知る事もむずかしい。イラ  ン映画を見るとほんの一部であれそれを目にすることができる。  この映画の中では、悪玉の親分が子供達を使って国境線にはられた有刺鉄線の隙  間から密輸取り引き(貿易tいってもよかろう)をしている。イランという国は、  貿易が制限されているため現在でも外国製品を輸入したり、持ち込んだりするこ  とが難しい。しかし実際は多くの製品、それこそコーラから、布地までが手に入  る。ごく普通に商店で売られている。ただし、輸入をする事はまだまだ難しく、  そこでこうした密輸が影では頻繁に行われているのが実情だ。その一例を垣間見  れるわけだ。  また、労働力の為の人身売買、少女を買っていくサウジアラビア人、走っている  バイクや、ピックアップトラック、衣装など一つ一つがドキュメンタリーのよう  にリアルだ。そんな問題行為を主体に、少年達が相変わらず頑張っている姿は最  後まで印象的で、飽きがこない。  今年のモントリオール映画祭ではマジディ監督の作品『カラー・オブ・ゴッド』  が、97年の『運動靴を赤い金魚』以来の2度目のグランプリをとった。これは  世界的なブームといってもいいのではなかろうか。引き続きイラン映画に関して  ScreenKiss上でもお届けする機会が増えるだろう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆マンハッタン殺人ミステリー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ キネカ大森のウッディ・アレン特集より マンハッタン殺人ミステリー (私は、冷静にアレンの作品に★をつけることができない。) とにかく映画館でアレンの過去の作品を見直す、いい機会がやってきた。キネカ大森だ けでなく、常に映画館のアンケートでは「アレンの特集を!」と書いてきたのが効果 あったというわけではないだろうが、最近の作品をメインに10本再上映。 隣人が心臓発作でなくなった。それに疑問を感じた夫婦が始めた探偵ごっこが思わぬ展 開に…というストーリは良くできている。コメディーファンだけでなく、ミステリー ファンでも楽しめるのではないだろうか。 尚、撮影(カルロ・ディ・パルマ)を始め、美術(サント・ロクアスト)、衣装(ジェ フリー・カーランド)、編集(スーザン・モース)など、アレン映画に欠かせないス タッフがそろっており、毎回見事な作品を生み出す連中に拍手喝采。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ここ数年秋に文化庁の主催で開催されている「日本映画名作鑑賞会」が、今年も  11月2日(火)~20日(土)に京橋の東京国立フィルムセンターで開催されます。  会期中は、古今の37作品の上映に加え、今年は新藤兼人監督の講演や、トーク  ショーも予定されています。  毎年大好評のこの企画は、入場無料の上に各回150席と限定されている為、入場は  原則的に葉書応募者からの抽選のみとなります。  そこで、今年は日本映画製作者協会からのご厚意により、「ScreenKiss」の読者  の方から、各日10名様を特別にご優待して頂ける事になりました。  何と合計150名様を優先的にご招待。この機会に日頃見慣れない作品、また見損ね  た、もう1度見たい作品に是非チャレンジしてください。  【チケットプレゼント応募要項】  ■官製(普通)葉書に以下につき明記の上、お申し込みください。   1)郵便番号   2)住所   3)氏名(フリガナ)   4)年齢   5)職業   6)E-mail address   7)ご希望の日(1枚につき1日)   8)好きな邦画   9)好きな監督(邦画に限定)   10)ScreenKissへのご意見、ご要望等  ■応募締切 :10月1日(当日消印有効)  ■応募者多数の場合は抽選になります   当選者の発表は10月25日までに招待状の発送をもってかえさせて頂きます。   当選者には「1日フリーパス」が送られます。  ■お申し込み   〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-16シナリオ会館6F   (協)日本映画製作者協会 芸術祭係(ScreenKiss)    ■お問い合わせ    作品に関して:03 (3582) 2654 (協)日本映画製作者協会   その他   :03 (3544) 5115 芸術祭 '99事務局   何れも土曜、日曜、祭日を除く11:00~16:00 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   ClickIncome  (http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547) ◇◇サービス______________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。   http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585 ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、[email protected]へ ◇◇協力・提携_____________________________◇ ◇   AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/)   Le Petit Bouquet日本語版(http://www.metamondes.com/PetitBouquet/) ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   mailto:[email protected] ◇◇スタッフ______________________________◇ ◇   【編集長】      【記事執筆】    中津川 昌弘     鳥野 韻子               立野 浩超               山下 裕               MS. QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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ScreenKiss Vol.046

1999年 9月 16日 配信
ScreenKiss Vol.046

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Vol.045

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □プレゼント・フィルム:リトル・ボイス   □親愛なる日記   □黄昏に瞳やさしく >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆プレゼント・フィルム:リトル・ボイス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★  面白い映画はいつもイギリスからやってくる。(これは誉めすぎか?)この脚色  でできあがる最高の物を、監督を始め、カメラ、音楽、役者他みんなで作ったと  いえる映画。  さて、この映画の主人公はLV(リトルボイス)。ゴールデン・グローブ主演男  優賞をとったものの、レイ・セイ役のマイケル・ケインはその他の役者達と同じ  く助演にといってもいいだろう。助演といってもユアン・マクレガーにしてもブ  レンダ・ブレッシンにしても3人とも主役といっても間違いではないほど、4人  の演じる役柄には個性があり、演技はみんな統一されたようなオーバーな表情で  演じている。これも演出ではないだろうか。  英国映画の演技は、舞台(演劇)からの影響か、押さえた表現よりも多少オー  バーな表現を使うことがある。さらに、リトルボイスのように笑いを誘うような  箇所がある場合はオーバーな演技があった方が効果的で面白味を増す。記憶に新  しい大ヒット作「フル・モンティ」でも大味な演技で、それが笑いをさそう重要  なファクターとなった。  だいたいこんな役によくぞユアン・マクレガーが出演してくれたものだ。鳩レー  スに夢中な電話工事員(BTテレコムのワゴンに乗っている)で、かつ無口な青年。  ラコステの格好悪いジャケットを着て、おどおどしているとは。  初日、翌日の土日には先着でユアン・マクレガーのショートフィルムのビデオプ  レゼントがあり、私が行った午前10時30分の段階で300本のビデオは"ぎり  ぎり"といわれた。その後も続々と列ができていき、12時30分の上映開始まで  列は役400人にもなったようだ。  もちろんそのビデオはもらえたので、ベルリン映画際ショートフィルム銀熊賞を  とったその内容に関しては他のコーナーにてお届けします。  座席数約220席で、初日から2日間立見が続いたようだ。しかもその先着順の  プレゼントがあったおかげで初回の上映ではとんでもない人数が立ち見になった  計算になる。つまり席数約220のところに、ビデオ300本をチケットを切っ  た後で渡すわけだから、その全員が映画を見るとして80人の立ち見(通路座り  見)がでていたのではなかろうか。  後ろには2重の立ち見客の列ができ、両端にはそれこそ前方までぎっしりと並ん  でいた。  これは映画館側にクレームしたい。300人並んだ場合行き着く結果は明らかな  のだから、一度に300本の配布ではなく2回に分けるとか、各回に分けるとか  してもらいたかった。  300人の列ができそうだというのは、朝9時ごろには確定的だったわけだから、  その時点でもなにかアイデアをだせたはずだ。チケットを切った後で渡すという  ことは、全員が見るという事につながるとは考えなかったのだろうか?また、3  00人がこないだろうと考えたわけか?  「超人気映画だから立ち見があれだけでてもしかたがない」とすませてもらいた  くもない。ビデオを配布し終わってからもまだ間際まで入場者がいて、完全に劇  場の定員がオーバーしている中で入場規制をしないことは問題だろう。立って見  るにも人ごみでスクリーンが完全には見られない状態は、観客のことを考えてい  る映画館とはいえない。あれだけの立ち見では、座っていても不愉快だろうし、  入場あとの1時間、トイレにいくにも大変だった。それこぞ掲示されている劇場  定員272人を超えていて、防災の面でも問題があるのではないだろうか。  それでもやはりシャンテシネは、最良の映画館の一つということを付け加えてお  こう。これからもシャンテ系映画を発掘していってもらいたい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆親愛なる日記☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     '94年カンヌ映画祭優秀監督賞受賞作品   9月18日(土)~10月1(金)シネマカリテにてレイトロードショー  連日21:00~  劇場窓口で前売り券を購入した方全員にポストカードプレゼント  1993年/イタリア・フランス合作/カラー/101分  監督・出演:ナンニ・モレッティ  出演:ジェニファー・ビールス、アレクサンダー・ロックウェル、     レナート・カルペンティエリ  ■ストーリー  映画監督のモレッティが日記風に綴る、3話からなるオムニバスコメディ。  □第1部:ベスパに乗って  愛車ベスパに乗っての、モレッティ的ローマ案内。憧れのジェニファー・ビール  スに出会うも、「変な人」と思われたり。パゾリーニの殺害現場の海岸では、言  葉もなく記念碑をみつめる。  □第2部:島めぐり  静かな仕事場所を求めて、旧友とシチリアの小島を巡る。が、30年以上もテレビ  を見ていなかった、この友人が、突然テレビの魔力にとり憑かれたから大変。  □第3部:医者めぐり  原因不明の痒みに襲われたモレッティ。あらゆる「専門医」から「特効薬」果て  は漢方まで、様々な医者を巡った末、診断は何と癌だったが・・・。  ■コメント  実はこの上映、10月2日(土)より公開の、モレッティの新作『エイプリル』の前  座なのです。勿論、後日『エイプリル』についてもご紹介しますが・・・  第1部では、ミュージカルの構想を練るシーンや、ふらりと入った映画館で『ヘ  ンリー』を見てしまった後の感想、第2部では、島で出会う、子供達への各家庭  での接しかた、等をお見逃しなく。この辺をおさえておくと、『エイプリル』を  見た時に面白さが倍増すること、間違いなしです。  それまでのほとんどの作品は、主人公がミケーレ。で、この作品から名前まで、  本人がもろ登場します。  テレビ中毒に罹った友人の為、わざわざアメリカ人観光客に、ドラマの続きを聞  いてやったり、第3部でぽつんと言う台詞「医者は話し方は知ってるが、聞き方  は知らない」等の中に、彼流の皮肉がたっぷり。  奇病と医者というと、頭に浮かんだのは、台湾映画の『河』。ある日突然、首が  曲がってしまった主人公を治療すべく、ラストは寺のお祓いまで受けさせようと  する父。考える事は世界共通ですね。  楽しい音楽もいい。『赤いシュート』も手掛けた、ニコラ・ピオヴァーニのしっ  とりとした音楽が流れる、第1部のラスト。一切の台詞を排して、流れるこの音  楽は実に効果的です。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆黄昏に瞳やさしく☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  1990年/伊・仏合作/カラー/99分  9月18日(土)より東急シネマスクエアにて公開   監督:フランチェスカ・アルキブジ  出演:マルチェロ・マストロヤンニ、サンドリーヌ・ボネール、     ジョルジョ・ティラバッシ  ■ストーリー  老教授ブルスキが、薄暗い書斎で、1977年に孫のパペレと過ごした日々を、もう  会うことのない彼女宛に、手紙を書きつつ回想している。  パペレは両親の離婚の危機の中、その寂しさから自分が2人いると思い込み、空  想の世界を生きている。そして、今、祖父のブルスキに一時預けられる事となっ  た。ブルスキは、古くからの家政婦と毎日を規則正しく過ごしており、彼にとっ  てもパペレとの同居には戸惑うものがあった。  利発な孫との生活が楽しくなってきた頃、息子の嫁・・パペレの毋・・ステラが  突然やってきて、3人の“家族”生活が続く。が、自己の生活を優先させようと  する彼女とブルスキは何かと対立する。  そして、とうとう、ステラはパペレを連れて、2度とこの家に戻らない旅に出た。  ■コメント  アルキブジ監督の、あの『かぼちゃ大王』('92年)より前の作品である。『かぼ  ちゃ大王』の中で、全身麻痺の女の子役が、今回のパペレだ。大御所、マストロ  ヤンニを相手に、多重人格に近い症状の賢い4才の女の子、という難役をこなし  ている。  彼女のこれからの成長が楽しみだ。  また、重厚な演技を要求されたマストロヤンニは流石だ。表情ひとつで、その場  の空気を変えてしまう。一方、個性的なフェイスのサンドリーヌ・ボネールは、  したたかな女を良く出していた。  両親の離婚の危機に、精神バランスを崩す娘、というテーマは次の『かぼちゃ大  王』でも引き継がれた訳だが、今回の作品では、もうひとつ、背景となる1997年  という年がキーワードになっている。  「1977年は、私の生涯で最高に悲しくも美しい年だった・・・」と、ブルスキは  孫への手紙にしたためる。ブルスキにとっては、人生の“黄昏”であり、イタリ  アもある意味、“黄昏”を迎えている年といえる。  黄昏時は、次に来る夜の長い時間とを繋ぐ、短く美しい時間。息子が田舎暮らし  を決心して家族が一同に集う、あの美しいシーンに集約される。ブルスキにとっ  ては、それは、長い事忘れていた時間だ。  妻をなくし、長年の研究課題であるプーシキンの論文も、未完成のまま、ひたす  ら判で押したような生活に身をゆだねていた彼にとって、久々の精神の高揚だっ  たに違いない。  一方、イタリア情勢と、ステラの生き方がシンクロしていく。彼女は、大学教授  のブルスキを旧体制の代表として捉え、毋としての役割を要求する彼を、疎まし  くさえ思うこともある。不況、失業がまん延しつつある時、そうした世情に背を  向け、自分の時間を守る彼には反発さえ覚える。  お互い、微かな愛情を感じつつ、最後まで折り合う事の出来なかった2人を、伝  統的な左派と、この頃台頭しつつあった過激派左派との対立としても象徴してい  る。  「私はその流血の前にこの物語を終わらせ、この映画を異なる方向へ進んでいく  異なる世代間の、精神的な移り変わりを描いたものにしました」(1990年12月18  日 La Nazione紙より)・・・と、監督が語るように、翌年からは、過激派テロ  組織による暴動や、政府要人の暗殺等が勃発している。  色々な意味で、対立するものの間に置かれた少女パペレ。成長した彼女の、お爺  ちゃんからの手紙の感想を、是非教えてほしいものだ。映像も綺麗な、しっとり  とした作品です。 鳥野韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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