ScreenKiss Vol.047

バックナンバー

1999年 9月 21日 配信
ScreenKiss Vol.047

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

  ,.`☆
  .;^☆ S C R E E N K I S S
.’

Vol.047

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ(1)   □シネマノート:Four Fresh! '99+2 後編   □オランダ映画祭 '99   □ハリケーン・クラブ >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ(1)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ここ数年秋に文化庁の主催で開催されている「日本映画名作鑑賞会」が、今年も  11月2日(火)~20日(土)に京橋の東京国立フィルムセンターで開催されます。  会期中は、古今の37作品の上映に加え、今年は新藤兼人監督の講演や、トーク  ショーも予定されています。  毎年大好評のこの企画は、入場無料の上に各回150席と限定されている為、入場は  原則的に葉書応募者からの抽選のみとなります。  そこで、今年は日本映画製作者協会からのご厚意により、「ScreenKiss」の読者  の方から、各日10名様を特別にご優待して頂ける事になりました。  何と合計150名様を優先的にご招待。この機会に日頃見慣れない作品、また見損ね  た、もう1度見たい作品に是非チャレンジしてください。  【チケットプレゼント応募要項】  ■官製(普通)葉書に以下につき明記の上、お申し込みください。   1)郵便番号   2)住所   3)氏名(フリガナ)   4)年齢   5)職業   6)E-mail address   7)ご希望の日(1枚につき1日)   8)好きな邦画   9)好きな監督(邦画に限定)   10)ScreenKissへのご意見、ご要望等  ■応募締切 :10月1日(当日消印有効)  ■応募者多数の場合は抽選になります   当選者の発表は10月25日までに招待状の発送をもってかえさせて頂きます。   当選者には「1日フリーパス」が送られます。  ■お申し込み   〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-16シナリオ会館6F   (協)日本映画製作者協会 芸術祭係(ScreenKiss)    ■お問い合わせ    作品に関して:03 (3582) 2654 (協)日本映画製作者協会   その他   :03 (3544) 5115 芸術祭 '99事務局   何れも土曜、日曜、祭日を除く11:00~16:00 ■日本映画名作鑑賞会  □期間   『新藤兼人の世界』     平成11年11月2日(火)~13(土)     但し7日(日)8日(月)は休映    2日(火)トークショー:11:00~         新藤兼人監督、俳優の三國連太郎氏、映画評論家の草壁久四郎氏    6日(土)新藤兼人監督講演:11:00~   『新しい風 日本映画 '99』     平成11年11月16日(火)~20(土)  □会場    東京国立近代美術館フィルムセンター    (営団地下鉄銀座線「京橋」駅下車1番出口より徒歩2分)  □入場無料、無料パンフレットを配付  □スケジュール   『新藤兼人の世界』 平成11年11月2日(火)~13(土)    各回、開場は開演30分前    (なお、途中入退場券、フリーパス提示により、出入可)  □11月2日(火)  ◇11:00~ トークショー   新藤兼人監督、俳優の三國連太郎氏、映画評論家の草壁久四郎氏   第21回モスクワ国際映画祭グランプリ作品『生きたい』の主人公を演じた、三   國連太郎氏をゲストに迎え、今なお現役監督として活躍し続ける新藤兼人監督、   「世界えの映画祭をゆく」の著者であり、映画評論家でもある草壁久四郎氏の   三者対談を予定。  ◇12:00~『生きたい』 119分   日本の古い民話「姥すて伝説」と現代の老人問題を交錯させて描く人間ドラ   マ。(ScreenKiss Vol. 26参照)   ◇14:00~『裸の島』95分   1961年モスクワ国際映画祭グランプリ作品   人間の生きていく厳しさが感動的に描かれている。台詞は一言もない。  □11月3日(水)  ◇11:00~『本能』 103分   人間の一切の装飾を捨てた原始にかえって、性本能から愛の深淵を追求する野   心作  ◇13:15~『人間』 116分   4人の漁民の遭難を背景に飢餓と不安をのりこえて生き抜こうとする人間の真   の姿を描く。  □11月4日(木)  ◇11:00~『裸の十九才』 117分   希望に胸膨らませ上京した少年は、大都会のメカニズムの車輪に巻き込まれ、   遂には殺人を犯してしまう。  □13:30~『北斎漫画』 119分   春画の大家としても知られる葛飾北斎と娘、お栄の一生、ふんけいの友、滝沢   馬琴との交流を描く。  □11月5日(金)  ◇11:00~『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』 150分   溝口健二と一緒に仕事をした俳優、スタッフ、友人たちのインタビューを通し   て、溝口の人生を描こうとしたドキュメンタリー作品。  ◇14:00~『原爆の子』 100分   終戦以来、広島を離れていた孝子は、当時の園児達に会ってみたくなり、消息   を訪ね歩くが・・・。  □11月6日(土)  ◇11:00~『新藤兼人監督 講演会』  ◇12:00~『愛妻物語』 96分   新藤兼人監督が自ら書き下ろしたシナリオによる監督第一回作品。  ◇14:05~『午後の遺言状』 112分   別荘に避暑にやって来た大女優が出会う出来事の数々を通して、生きる事の意   味を問うドラマ。  □11月7日(日)・8日(月)休映  □11月9日(火)  ◇11:00~『第五福竜丸』 110分  日本人漁夫がビキニ環礁で遭遇した水爆実験の被害事件を描いている。  ◇13:20~『竹山ひとり旅』 123分   津軽三味線の名人、高橋竹山の放浪の半生、苦難の半生を追って風雪の中に生   き抜いた竹山のこころを描く映画詩。  □11月10日(水)  ◇11:00~『落葉樹』 105分   老作家が少年時代を回想する中で、亡き毋への追想と思慕が描かれる。  ◇13:15~『薮の中の黒猫』 108分   平安末期の伝承説話に発想して、争乱の中の民衆の人間像を幻想的なイメージ   で描く。  □11月11日(木)  ◇11:00~『かげろう』 103分   一つの猟奇犯罪を巡って瀬戸内海の島の美しさの陰に潜む因習と貧困、女の愛   憎の執念を描く。  ◇13:15~『縮図』 135分   我が国の封建制の典型である芸者の世界をリアルなタッチで描き出したものと   して注目された作品。  □11月12日(金)  ◇11:00~『さくら隊散る』 110分   被爆で命を落とした移動演劇隊「櫻隊」の足跡を再現ドラマと縁の人々の証言   で描くドキュメンタリー。  ◇13:20~『賛歌』 111分   盲目のお琴と佐助、二人の愛の世界は闇の中にあった。愛の「献身」と「掠   奪」の中に人間のエゴイズム、愛の極限を見事に描き出している。谷崎潤一郎   原作。  □11月13日(土)  ◇11:00~『鬼婆』   雑草のようなたくましさで自由奔放に生き抜いた、民衆の力強い生命力を描い   ている。  ◇13:20~『墨東奇譚』 111分   永井荷風の半生を描いた作品。  次回は『新しい風 日本映画 '99』のプログラムをご紹介します。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆シネマノート:Four Fresh! ’99+2 後編☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  映画美学校の生徒さん達のフレッシュな作品を紹介する、Four Fresh!。  今年は第一期高等科生の作品を加え『Four Fresh! '99+2』としてユーロスペー  スにて公開中です。  後編は、Bプログラム作品3本をご紹介致します。  後日、『意外と死なない』と『薄羽の蝶』の監督のインタビューを掲載します。  スケジュール等詳細はScreenKiss Vol.44を参照ください ■Bプログラム  9月25日(土)~10月1日(金)  ◇『薄羽の蝶』カラー/16mm/23分(+2)   監督・脚本:原瀬涼子   出演   :上野友希、辻本裕子、児玉数夫  シナリオ、演出において、女性ならではのシャープな感性が評価された作品  ストーリー:  友人の結婚式に出席しても、どこか虚しい気分の由美子。電話の祖母は彼女を幼  馴染みの友人と間違えている。そんな祖母に逢いたくないと、母の説得を振りき  り、祖母の誕生日に口実を設けてしまう。が、その日、ふと電車で席を譲った老  人から水色の紙で作った蝶を手渡される。その途端、何とも言えない気分が由美  子を襲い、彼女は祖母のもとに急行する。  コメント:  蝶のように、花びらのようにキラキラと祖母の周囲に舞い落ちるもの。これは彼  女の美しい思い出かもしれない。まるで、「花のもとにて我死なん」と言った西  行のような、祖母に対する黄昏の表現なのかもしれない。  ぼけた祖母を叱る叔母。ひたすら念仏のように「ごめんなさい」と繰り返す祖  母。叱るほど心を閉ざし、益々ぼけに逃げるようになるという。相手を理解する  心が老人介護の第1歩とはいえ、なかなか出来ない事ではある。  由美子はラストで、自分を孫と言い張らず、祖母の思いたい相手・・幼馴染み・  ・に成り変わり返事をしてあげる。電車の中の一片の蝶が由美子の心を変えたよ  うに、この事が祖母の心を穏やかにする事は間違いない。美しい画面と繊細さを  備えた秀作だ。 ◇『犬を撃つ』カラー/16mm/32分 (Four Fresh! '99)   監督・脚本:木村有理子   出演   :堀江慶、山内知栄、糸井光琳   しっかりとしたシナリオと的確な演出が高い評価を得た作品  ストーリー:  大学生の裕紀は、子供の頃の“あの日”のまま空家となっている実家に戻る。同  じく毋に呼び出された姉の麻紀も訪れていた。毋は夜になってもやって来ない。  子供の頃姉の見た“あの日”の光景は何だったんだろうか。確実なのは、その日  以来父の姿を見ていない事。台所で寝込んだ裕紀は、怪しい物音に引かれ、庭に  出てみると・・・。  コメント:  まるで絵画のような光と影の使い方は見事だ。逆光による影、闇と雨、雫などの  水の音が無気味にマッチして、怖さを演出している。サスペンスタッチの手法  は、確かにこの「Four Fresh!」の選考基準である「観客を動揺させる」を充分  満たしている。是非次回の+2で新作を見たいものだ。それにしても、誰かこの  タイトルの意味を教えてください。 ◇『集い』カラー/16mm/30分 (Four Fresh! '99)   監督・脚本:遠山智子   出演   :富田瑛子、廣瀬美葵、堀田文子   個性あるシナリオと卓越した映像センスが高く評価された作品  ストーリー:  出口ならいくらでもあるんだよ・・・・。出口が判らないままに、少女、宇辺千  は、とある家に辿り着いた。その家に住む奇妙な住人達。マシュマロに憑かれて  いる女、秋崎。火燵に執着する男、平田。千を眠る姿で迎えた家の主である、老  女、小野。その住人達によって、千は、それが当然であるかのように受け入れら  れ、自らも家の住人になっていくのだが・・・。  コメント:  不条理劇風の何だか無気味な作品だ。いきなり滑り込んでしまった別世界。そこ  で、普通の子なら、泣いて駄々をこねる筈が、千は決して泣かない。食事時の行  儀が悪くて、叱られても、食べるものは、しっかり食べる。  出口へ案内してくれた秋崎の手を自らの意志で振りほどき、さらに住人におさ  まってしまう樣は、まるで安倍公房の『砂の女』のようだ。ほとんどの舞台が火  燵という設定もユニーク。  故意的とはいえ、登場人物の台詞が聞き取りにくいのが、残念だった。老女役の  堀田文子さんの、とても初出演と思えない堂々とした演技に拍手。  どれもなかなかの力作で圧倒された。出演者も、勿論、校内で調達してる事も多  いが、プロに混じって全く別の世界の仕事のプロが俳優に挑戦してたりして、と  てもユニーク。  こういった作品を昼間に公開するのは、難しい事かとは思うが、レイトショーだ  と、客層、観客数も限定してしまうので勿体無い気もする。実は筆者も、レイト  だと帰宅の足の心配等でどうしても腰が引けてしまってい、興味があっても行け  なかったというのが現状。  こうした作品はやはり、商業ベースに乗らない自由さもあり、だからこそユニー  クな面が見い出せるといった事を考えると、レイトショーというのも仕方ない  が。ただ、この中から誕生した未来のプロも、最初のこうした「fresh」な感覚  を大事にしていって欲しいものだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆特集上映【オランダ映画祭 ’99】☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  オランダ船リーフデ号が大分県に到着したのは、1600年の4月。2000年は日蘭友  好400年に当たります。そこで '98年より3年間に亘り開催されている「オラン  ダ映画祭」。今年は2回目です。東京を皮切りに順次全国を巡回する予定。  オランダ映画といえば、最近は『アントニア』『キャラクター・孤独な人の肖  像』に続き、『アムス→シベリア』『ドレス』等が公開されています。  今回は日本初公開作品のプレミア上映4本他、滅多に見られない「短編アニメー  ション・アンソロジー」やアートフィルムの総集編「ダンスフィルム」などの作  品が上映されます。コンクな5日間、是非足を運んでみては?  昨年の第1回目の時、ふらりと出掛けた筆者は、結構その面白さと珍しさに引か  れて今回も楽しみにしているところです。勿論、上映後はレポートをお届けします。 ■スケジュール  期間:9月22日(水)~9月26日(日)  会場:赤坂・草月ホール(地下鉄銀座線・半蔵門線 青山一丁目)  料金:前売り 1回券¥1,200         3回券¥3,000 チケットぴあにて発売中     当日  1回券¥1,400         3回券¥3,600  お問合せ:  オランダ映画祭実行委員会事務局 ぴあ(株)映画事業部内  TEL 03 (3265) 1425   (月曜~金曜 10:00~18:00 土日、祭日休み) ■タイムテーブル  □9月22日(水)   13:30~ 『ダンスフィルム』   16:30~ 『短編アニメーション・アンソロジー』   19:00~ 『失われたトランク』 *オープニング・ナイト/監督来場予定  □9月23日(木)   11:30~ 『三人のプレーヤー』   13:30~ 『密航者』   16:30~ 『失われたトランク』   19:00~ 『19.99ギルダーの夜』  □9月24日(金)   11:30~ 『短編アニメーション・アンソロジー』   13:30~ 『ダンスフィルム』   16:30~ 『三人のプレーヤー』   19:00~ 『密航者』  □9月25日(土)   11:30~ 『短編アニメーション・アンソロジー』   13:30~ 『三人のプレーヤー』   16:30~ 『19.99ギルダーの夜』   19:00~ 『ダンスフィルム』  □9月26日(日)   11:30~ 『密航者』   13:30~ 『19.99ギルダーの夜』   16:30~ 『失われたトランク』 ■作品紹介  □『失われたトランク』1998年/95分  ベルリン映画祭正式招待作品   監督:エロン・クラッペ   出演:マクシミリアン・シェル、イザベル・ロッセリーニ  70年代初頭、19才のチャヤは乳母としてユダヤ教徒との家に働く。5才の失語症  の少年とその両親の心をつかんでいく。そんなある日、少年がチャヤにだけは話  をするようになるのだが・・・。  俳優としての活躍も目覚ましい、エロン・クラッペの監督デビュー作。  □『密航者』1997年/90分   '97年マンハイム国際映画祭グランプリ受賞   監督:ベン・ファン・リースハウト  ウズベキスタンとロッテルダムの合作映画。近隣の綿向上での過度の灌漑から、  すっかり干上がってしまった湖。男の住む漁村は、ソビエト崩壊後、壊滅的な貧  困に瀕している。アメリカへの密航を計画した彼が辿りついたのはロッテルダム。  優しい家族の元で、ベランダに住まわせて貰っていたが、ある日強制送還された  彼の見たものは、水をたたえた湖だったが・・・。  □『三人のプレーヤー』1998年/90分   監督:エディ・エストール  アムステルダムで人気のジョーダンを舞台とした、3部作のラスト。オランダ映  画界を徹底的にパロった、オランダ版「ザ・プレイヤー」。  □『19.99ギルダーの夜』1997年/90分   監督:マリー・ドミニカス  1000年をテーマとした、才能ある若き監督達による4つの長編映画「ルート2000  プロジェクト」シリーズの1本。  2000年直前の、1999年最後の日に、高級ホテルが企画したサービスとは、新婚  カップルを豪華なスイートに、たったの19.99ギルダーで泊めるというものだっ  たが・・・。 □『短編アニメーション・アンソロジー』:全5作品  世界的なアニメーター、ポール・ドリエッセンの新作をはじめとする、オランダ  アニメの総集編。長編映画に並映する作品群と、7月末から開催された「第7回  キンダー・フィルム・フェスト・ジャパン」で上映する作品群の2種類のプログ  ラミング。  ◇『3人のお嬢さん』1998年/10分30秒   監督:ポール・ドリエッセン 3人の紳士が3人の令嬢を救おうと奮闘するが、物事は悪い方向へ向かってしまい・・。  ◇『バイオレンス・ガール』4分   監督:クルスティー・ムスクール  暴れまわり、激怒する小さな女の子。彼女の怒りを鎮める事が出来るのは・・・  ?ドアの開く音がして・・ママが帰ってきた。  ◇『ふくろうのうた』1998年/11分12秒/モノクロ   監督:ティス・プーツ  ふくろうと女の子を中心に、古いゴシック教会の修復と、そこに棲む動物達の生  活を工事の進行に合わせて展開していく。  ◇『グレッグ・ローソン短篇集』1997年/1分24秒   監督:グレッグ・ローソン  ◇『こわいのはどっち?』『恐怖の映画館』『大都会』『海』『腹ぺこのうた』  監督はCGを駆使して製作するコミカルなショート&ショートを得意とする、新進  アニメーター。パートナーのリー・ロスとの共同でアニメスタジオを経営してい  る。作品集の形で上映するのは、今回がワールドプレミア。  ◇『フーガ』1996年/11分   監督:ハンツ・ネセスティン  ピアノを弾いていた男は窓辺に彼の過去が現れるのを見る。子供の頃の夢が蘇  る。メランコリックな男の人生を描くアニメ。  □『ダンスフィルム』: 全5作品  現代オランダのダンス・シーンが生んだダンスフィルムの秀作を一挙上映。ス  テージライヴでもなく、ミュージカルでもなく、映像とダンスの創り上げる芸術  世界。  ◇『橋を渡る』1999年/9分/モノクロ   監督:ノード・ヘ・ケンス  1999年ロッテルダム映画祭でワールドプレミア上映され好評を博した。  アレックス・コックスの『3人のビジネスマン』と併映されたダンス・バージョ  ン。実景の中で踊る3人のビジネスマン。向こう岸へ1番早く渡れた人は?  ◇『アナザー・アナザー』1999年/8分   監督:ベア・デ・ヴィッサ  ルディ・ヴァン・ダンツィングの自宅での振り付けの模様を挿みながら、足の振  出しを純化してみせる。  ◇『密室のタンゴ』1998年/14分    1998年オランダ映画祭金の仔牛賞受賞(最優秀短篇映画)   監督:クララ・ファン・ホール  居間のパーティは、炭坑の梺のアパートに場面が変わり、2組の夫婦が踊るタン  ゴは実は幻想にすぎない孤独なものだった。  ◇『ブラインドサイド』1999年/25分   監督:マリー・ドミニカス  ◇『19.99ギルダーの夜』と同じ監督の手によるダンスフィルム。   アメフトチーム、ザ・アムステルダム・クルセイダーズとクリスティーナ・デ・   シャテル・ダンス・カンパニーのダンサーが出会い・・・。  ◇『海のソナタ』1998年/5分   監督:ヤニカ・ドライスマ  監督はダンサー、女優。海を背景に、水の上での重力、肉体的限界、時間、場所  等の制限を受けずに踊る。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ハリケーン・クラブ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  母親が服役中の15歳のマーカス(ブレンダン・セクストン・サード)は、万引  きをやってその日暮らし。彼は14歳のメレーナ(イザドラ・ヴェガ)と親しく  なる。彼女の母親は、暴力を振るう父親に愛想を尽かして出ていってしまった。  その父親が、子供を真っ当に育てたいがために、今度はメレーナを半ば暴力的に  躾けている。 マーカスは、ニューヨークから抜け出したくて仕方ない。メレー  ナとマーカスは一緒にアラスカの親戚へ行こうとする。現状を逃れて、仲良く2  人はいわば道行きである。ニューヨークという現実は彼等に無力感だけを与え、  手応えのある将来を夢見させてくれない。そこで、見知らぬ土地へと旅立つのだ  が、それは現実からの逃避であり、江戸時代に見せた心中と同じ心理である。  映画は2人がアムトラックに乗って、シートに並んで腰掛けたところで終わる。  「こんな事をしたら、父親に殺される」と父親の影に怯えての旅立ちだが、その  父親はすでに死んでいる。もちろん、メレーナは父親の死をまだ知らない。その  後でどんな場面が展開されるかは、観客の想像にまかされている。父親に殺され  るかも知れないと言う危惧を抱いてまで、父親の元を離れていく娘。それが現実  だとはいえ、何という悲劇だろうか。  観客は、この父親にはまったく同情しない。自分では愛情表現として、子供や奥  さんに自分の価値観を押しつけているのだ。決して愛情がないわけではない。暴  力が彼の愛情表現なのだ。むしろ、誰よりも強い愛情を持っているだろう。とり  わけ奥さんに逃げられてからは、メレーナがこの世でたった1人の分身である。  可愛くないわけがない。しかし、彼は相手の意志を大切にするという、愛情の表  現の仕方を知らないのだ。自分の愛情だけを押しつけ、相手の願望を省みない。  古き良き家族が支配的だった時代には、男女の役割や家族の役割が決まってお  り、それに合わせて人は生活していた。男女で性別役割が固定していたし、立場  で生き方が決まっていた。役割や立場から逸脱することは、将来の生活ができな  くなることを意味していたから、親たちにとって子供を鋳型にはめることこそ良  識ある教育だった。そのため、親たちはそのパターンにはまるように子供たちを  育てた。そのために躾が厳しく言われた。暴力的な躾も肯定されたし、子供たち  も渋々ながらそれに従った。この父親はそうした時代の価値観から逃れられな  い。彼が考える厳しい教育、それが子供の幸せを保証すると考えている。  今やそうした役割分業や立場でものを考える発想は役に立たなくなっている。そ  れを子供たちは敏感に察知して、親が体現する既成の価値から逃れたくて仕方な  い。それは具体的には家庭からの脱出だし、父親からの逃避である。メレーナに  しても、父が死んだことを聞かされれば、動揺はするだろう。しかし、だから逃  避行をやめるかと言えば、決してやめることはないだろう。  肉体関係を予感させながら、性交をともなった恋愛までいかない年齢。揺れ動く  感情に翻弄されて、旅立つ15歳と14歳の2人。かつては旧弊な田舎の生活を  嫌って、都会へと旅立ったものだが、今や都会の生活が子供たちに夢を与えな  い。マーカスは喘息持ちで、いつも吸入器を持ち歩いている。都会の生活者であ  り、都会を知っている子供たちには、都会が希望を与えてくれず、いまだ見ぬ場  所は青空の田舎なのだ。しかし、田舎も近代化の波は押し寄せ、田舎にも彼等の  求めているものはない。近代の生活は厳しい。子供たちは、それについて来るこ  とができない。  近代は若者が担った。だから近代の象徴である都市へと、子供たちは旅立った。  しかし、近代が先鋭化し、出口がないように感じ始めている。肉体労働の時代に  は、肉体的な劣者が差別され、オチコボレだった。頭脳労働が優位の社会では、  劣等生は落ちこぼれる。しかも、頭脳労働の社会での規準がまだ見えない。弱い  部分へと社会のしわ寄せが来る。自立した大人たちにとって、子供は必要不可欠  のものではない。子供は親の癒しであり、いわばペットなのだ。子供は自己存在  の手応えを求めて彷徨わざるを得ない。  モーガン・J・フリーマンという若い監督作品だが、繊細で現代的な感覚に優れ  た美意識にあふれている。平凡な日常に社会の歪みを鋭く見抜き、非凡な映画に  仕立てているのは、サンダンス映画祭で入選するには充分な力量である。「マク  マレン兄弟」と同じ系列に属する映画だが、対象とする年齢がもう少し低くて、  子供の自立というきわめて現代的な視点である。  1997年のアメリカ映画。                                    匠 雅音                    http://www.netpro.ne.jp/~takumi-m/ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   ClickIncome  (http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547) ◇◇サービス______________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。   http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585 ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、webmaster@ScreenKiss.comへ ◇◇協力・提携_____________________________◇ ◇   AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/)   Le Petit Bouquet日本語版(http://www.metamondes.com/PetitBouquet/) ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   mailto:webmaster@ScreenKiss.com ◇◇スタッフ______________________________◇ ◇   【編集長】      【記事執筆】    中津川 昌弘     鳥野 韻子               立野 浩超               山下 裕               MS. QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼