ScreenKiss Vol.051

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1999年 10月 14日 配信
ScreenKiss Vol.051

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Vol.051

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ディープ・ブルー   □オランダ映画祭   □映画館で寝るということ   □迷宮のレンブラント   □バッファロー66 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ディープ・ブルー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   ★★★☆☆  このテの映画に三ツ星?と思われる方もいるかと思われますが、私、結構好きな  のです。レニー・ハーリン監督が・・・  「クリフ・ハンガー」にせよ「ロングキス・グッドナイト」にせよ、とにかくいつも  ヤリ過ぎ!そんなに壊すか?そんなに殺すか?というのがいつしか恐怖や緊迫を  通り過ぎ、お笑いの世界に入ってしまうあたり、この監督のキャラが出てるとい  うか。ほとんどウルトラマンやゴジラのノリ。 そんな監督が、この映画でも  やってくれてますよ〜。  まず、遺伝子操作で利口になった巨大ザメっていう設定が、一昔前のB級怪物映画  を彷彿とさせてすごくイイ。また密室、小人数というパニック映画のルールを  ちゃんと守っていて、子供の頃にみた「ポセイドン・アドベンチャー」等を思い出  させます。出演者もサミュエル・L・ジャクソンを除いては、ほとんどマイナー級  でB級の味炸裂。サミュエルも、他の映画の仕事で忙しいのか、ほとんど出番なし。  いいぞ〜(尚、ラッパーのL.LクールJも出演しているので音楽好きはチェック。)  サメの食いっぷりも、じわじわいたぶりつつ・・・とかではなく、ガブっと真っ  二つ。で、半分になった胴体がピクピク動いてたり。ホント笑え・・・ってコメ  ディじゃないって?  でも映画って、時には難しいこと考えずに、ポップコーン片手に笑ったり、とび  あがったりしながら見るものではないんでしょうか?  そういう意味で、この映画はハリウッド・ザ・娯楽映画っていう感じでいいんで  はないでしょか?  ヘンにお涙頂戴路線でアカデミー賞狙ってくる、なんとかキャメロンさんより、  この監督、絶対性格いいはずです。  なお、ラッパーのL.LクールJも出演しているので音楽好きはチェック。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆オランダ映画祭☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  今年は第2回目になるこの映画祭。昨年に引き続きあまり観客は多くなかった。  ぴあ誌上にも掲載されているし、チラシも各映画館に並べられているわりには人  がすくないのはなぜだろう。オランダという国と映画とがあまりぴんとこないし、  会場の草月ホールの場所もあまり人を引き付けない。しかし、混んでいないため  長時間並ぶ必要もなく、席も前の人を選んですわる余裕がある。連続3年間だけ  の映画祭だから2年目で中止になるわけもないだろうから安心だが、今後他の映  画祭企画に影響するかもしれないためやはり多くの皆さんに来てもらいたい。  オランダ映画祭1999より  密航者  総合点:★★☆☆☆  「ある奇跡を目撃する」とのあらすじではあったが、まずこの奇跡とは何か?綿  花のために水を汲みとりすぎた結果アラル海の水位がさがってしまい、湖畔だっ  た場所が砂漠のようになってしまっていた。その為、もともとアラル海の湖畔の  町として漁業が行われていた青年ウラズバイの故郷では、砂漠の上にただようよ  うな街になってしまった。ウラズバイの父親は砂の上に浮かぶ故障してしまった  漁船をさびれていく街を象徴するかのようにひたすら無駄に修理している。たと  えエンジンが回ったとしてもどこにも水はないのに。  ウラズバイは自分を探す為に旅立つが、密航したあげく夢のアメリカではなくオ  ランダに着いてしまう。オランダでは都会を象徴するかのような曖昧な男女関係  の中に居候し、そのうち不思議な感情を感じ始める。そして人妻とその子供との  関係の中に家族を感じ始めた時、強制送還になる。ウラズバイ自信ホームシック  のようにどこかで願っていたのではなかろうか。  帰郷した彼は、父親が狂ったように修理しつづけた漁船がすでにペンキまでも塗  りかえられているのを目にする。故郷の普遍的な日常はゆっくりではあるが、確  実に変化していた。そして、彼が決して手伝うことのなかった船の修理を父親と  一緒に始め、ついにエンジンが動き始めたその時、そこには膝丈の水位が戻って  きていた。  もちろん彼らにとっては奇跡的だが、ロシアやC.I.Sが変化していくなか、  自然に対する国策も確実に変化していたということだろうか。我々にとっても衝  撃的な変化が起こった時代だったから、ニュースすらほとんど聞えてこない閉ざ  された地区の人々にとってはまさしく奇跡とも言えよう。  全編を通しての暗いトーンは主人公ウラズバイの無口さからきているのか。また、  大きな表情の変化もすくなく、故郷の生活もオランダでの居候生活も淡々とした  毎日で、大きな事件が起こるわけでもない。感情を排した表現で都会の住宅地と  いう場所が醸し出す虚無感と、さびれていく田舎の淋しさがでていると思う。し  かし、やはり90分という長さの割には内容が希薄ではないだろうか。密航する  前のウラズバイの気持ちや、帰国した後の気持ちの変化に対してもう少し時間を  割いたほうがよのではないだろうか。  監督の意図する作品には仕上がっていると思うが、観客の為の作品、特に海外配  給の為の作品にはならないようだ。97年のマンハイム国際映画祭グランプリ受  賞にしてはぱっとしない。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆映画館で寝るということ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  映画を見ていると、ふとものすごい睡魔に教われる。これは映画館の暗さ、シー  トの軟らかさ、エアコンの快適さ、映画音以外の雑音のなさ、そして映画の退屈  さによって助長されているのだろう。もちろん、いびきをかいて寝ている連中に  は腹が立つが、反面、その気持ちよさはよくわかる。  また、どんなに映画をまちわびて期待して来ても、眠気さをさそうようなセリフ  の少ない映画、BGMのない映画は眠気を呼び起こす。そうでなくても、睡魔にはか  なわない。ジュースを飲もうと、ミント系タブレットを舐めようと、目をこすろ  うとどんなにしても睡魔にはかなわず、コックりきてしまう。コックりするのは  後ろの人に迷惑とばかり肘をついて深めに座り、さらにその姿勢がおいうちをか  ける。  このままでは全編を通してろくに見れやしないということに不安を感じ、ほんの  3分でも熟睡すればその後は眠気もさめて快適に鑑賞できるだろうと思うが、そ  のまま最後まで熟睡してしまう心配には勝てずに、結局耐えながら、コックりし  ながら見ることになる。  眠気に襲われた後は運良くそのうち自然に眠気がさめるか、最後までだいなしに  してしまうか、映画が盛りあがり眠気どころではなくなるかのどれかだ。  今日私は、レオス・カラックスの「ポーラ・X」の前哨戦として「汚れた血」でそ  の失態をおこなってしまった。ユーロスぺースでの上映だったが、まばらな館内  で足をひろげてくつろいで見ていた。始まって10分もたったころ「まずい」と  気が付いたが今日の眠気はただ者ではなかった。学生のころには決して眠気を感  じることもなかったが、平日の仕事の疲れか、歳をとった証拠なのか・・・。  結局、見逃していた傑作「汚れた血」のみならず、その後見る予定だったパゾ  リーニ映画祭「その詩と映像」も見ることが出来ずに、とぼとぼ電車にのって、  あげくに2駅乗りすごしてしまったことは言うまでもない。  どなたかしっかり見た方の感想をお聞かせください。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆あの娘と自転車に乗って☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    中央アジア映画としての評価:★★★★☆  まずは、この映画を上映してくださったキネカ大森に感謝。また、今回の中央ア  ジア映画特集を組んでくださったことに本当に感謝したい。  さて、この映画はすばらしい作品だと思う。この地域の文化的な背景は物語の理  解に多少必要だと思うが、そんなことを知らなくてももちろんすんなり体に解け  込む素朴な笑顔が魅力の映画。主人公ペシュケンビールは仲間と喧嘩をし、親に  叱られ、少女に恋をし、そして回りの大人達にしだいに影響されていく年頃。  演技をしているというより普段のままの姿で、日常生活を子供達の視線で撮影し  ている、いうなれば視線の低い映画。  多くは白黒で描かれているのだが、時にカラーを使い、その白黒とカラーのバラ  ンスにはほれぼれする。白黒の色合いでは物足りない場所にだけカラーをつかっ  て、効果的に観客に感情を伝えている。  幼子の為に老婆達が行う儀式や、葬式といった文化的特徴が興味をそそるし、こ  の地方の暮らしぶりも伝わってくる。また、子供達の髪型や彼らの衣装も楽しめ  るし、日干し煉瓦や、森の色、土の色合いまでも白黒の中とは信じられないくら  いよく表現されている。  こういった民芸的なものに興味を感じない人にはお勧めできないが、中国映画で  田舎生活を舞台にしたものを好きな人にはお勧めできる。また、旅行をするとつ  いついその土地の民族博物館に立ち寄っているといった人達にはぜひお勧めした  い。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆迷宮のレンブラント☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   ★★★☆☆  ちょっと甘い採点で3★。  この映画で主題となるレンブラントは、絵画好きでなくても一度は名前を聞いた  ことがあるだろうし、この人の絵画だけを目的に美術館に行く人も多いくらい有  名でファンの多い画家。(私もその1人だろう)  彼の現存する数百毎の作品には何年かに一度は真偽判定の結果が新聞に載ったり、  高額で取り引きされた結果が発表されたりと話題にことかかない。レンブラント  本人の作品となれば1枚何十億円の取り引きが確実だが、いったんレンブラント  工房での作品であったり同時代の他の画家によるものという鑑定結果となれば、  十分の一、百分の一になる。  映画は主人公ハリー・ドノバンの描いたレンブラントの贋作を軸にし、金の臭い  で殺人がおこり、さらに恋愛が絡まって「逃亡者」のような逃亡劇となっていく。  裁判場面もあり、最後には現金が動き、多彩な変化をしながらこ気味良く進む物  語には退屈はしない。  贋作を描きあげる場面が端的に説明されるが、実際にそういった方法で作成され  ているだろう贋作の世界を垣間見ているようだ。また、本物と偽物の違いとは芸  術性の違いなのか、単にサインすべき人の違いなのか。美術(芸術)の世界の曖  昧さが皮肉られていて、その点は評価するが、娯楽作品としての迫力に欠けるし、  詰め込みすぎたようだ。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ポーラX☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ・・・レオス・カラックス  この監督も久しぶりのようです。  この人の作品については、「ポンヌフの恋人」しか観ていません。毎度のことな  がら、とても勉強不足であると感じつつ、この映画を観て、前作を含めつつ思っ  たのは、  どうにもただでは済まさない人のようだ・・・。  とにかく最初の出だしで、・・・度肝を抜かれた、キレている、何だか分からな  い、でもスゴイ。いきなりの爆撃シーン、とにかくドルビーデジタルを最大限に  活用している爆撃音。  そして、そのあとがスプリンクラーが回っている何とも穏やかで静寂とした豪邸。  そこをピエールの乗ったバイクが静かに走っていく・・・。嵐の前触れであるか  のこのギャップ、私にはとても印象深い始まり。  ストーリー自体は単純ではあるのだが、どうもこの人、それを意図的に小難しく  しているかのような、かといって分からないということはない。どこか変なのだ。  それは特に画に強く出ているのだと思うが、それらはとても力強く映えるショッ  トであり、川に流されるピエールとイザベルの抽象的ショットなどは短いが非常  に強いインパクトである。  なぜだか列車の中でのショットがやや粗い画になったり、かといってピエールが  白馬に乗っているショットは鮮明で美しく、ラストの街中は手持ちで臨場感を出  したりと、いろいろあの手この手で画に変化がある。また、ピエールが倉庫で拳  銃を奪ってからのラスト、倉庫での何だか訳の分からない楽器の音にしろ、まあ、  出てくる人物にしても、いきなり暴発するといった感じで激しい。  作品全体の外見では「静」という雰囲気なのだが、その中身は登場人物含め、ま  さに「動」である。そして、面白いつまらないはともかく、画にはとても力を感  じる。                                  山下 裕 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆バッファロー66☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  とにかくチマタで話題だったこの作品・・・  で、中身はというと、プライベート色を強く感じた作品であり、要は、自主制作  的であると。  これといって目新しいものは見当たらず、ストーリー的にも特に変なところはな  い。で、何でこれほどまでに騒がれているのだろう。  それは、ヴィンセント・ギャロという個人の魅力からだろうか。たしかに個性的  であり、役者としての魅力もあると思う。さらに、共演のクリスティーナ・リッ  チもいい存在感を出していた。要は、役者のいい魅力が出れば、作品としても魅  力的になるという、いい一例とも言えるのでは。  それと、ラスト近くの銃で撃たれた瞬間のストップ画には、妙な新鮮味を感じた。  面白い。  あと、タイトル名も、映画を観て納得。なるほど。                                  山下 裕 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                      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