ScreenKiss Vol.065

バックナンバー

1999年 11月 17日 配信
ScreenKiss Vol.065

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

  ,.`☆
  .;^☆ S C R E E N K I S S
.’

Vol.065

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □東京国際映画祭:クリミナル・ラバーズ   □記事訂正:Vol.63:キッシュ島の物語   □母の眠り   □将軍の娘 / エリザベス・キャンベル >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆お願い☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  あちゃら「メールマガジン大賞」への投票をお願いいたします。  ScreenKissはイサイズ・あちゃら「メールマガジン大賞」へ参加しています。  是非投票をお願いいたします。  投票はこちらへ。  メールマガジン大賞・人気投票フォーム  
 

__________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____
                                    □

>>☆1☆東京国際映画祭:クリミナル・ラバーズ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:フランソワ・オゾン    総評:★★☆☆☆  この映画は彼の目的に沿って忠実に作られ、スタッフ、出演者達は彼が意図する  通りに動いていったという印象を受けた。出来あがったものは、大人の為の童話  (映画)。  各シーンは、撮影に整然とした意図を感じる。つまり、"殺人シーン"ではきちん  と恐ろしく感じるように撮っていて、血が゛ドバッ"と飛び散りスプラッター映画  のよう。その殺人前のアリスとサイードの"セックスシーン"では色気たっぷりに  シャワールームで過激にやっている。またアリスとリュック(恋人)の"セックス  "の場合は愛を込めて、バンビやウサギまでが彼らの回りで飛びはねる。森の木こ  り(または鬼)の風貌は毛むくじゃらで威嚇するようなばかでかいブーツをはい  ている。言葉少なく、笑顔もない。彼の料理した食事はさばいたウサギをぶち込  んだシチュー。その後は人肉煮込み。  最後に警察が登場し、森で2人が警察に狩られ、追いつめられた挙げ句アリスは  射殺され、リュックは捕まり、鬼は叩きのめされるのだが、この警察の行動が一  気に現実に引きもどしている。  さて、ティーチインでも質問があったので、1ヶ所疑問の残る場面に関して考え  よう。  死体といっしょに地下牢に入れられたアリスが、数日後に死体を指して「足がな  い」と言う場面だ。この場面に関して質問されたプロデューサーは、オゾンは  「鬼が人間を食べる」ことを意図しているとのことだったが、そのシーンではも  う2つの解釈もできた。つまり、単にネズミがかじったとする面白くも何ともな  い捉え方。また、一緒に閉じ込められていたアリスは食事を与えられず腹がへっ  ていた為、彼女が食べてしまったということ。ネズミは問題外の解釈方法だから  さておき、アリスが食べたとすると女性の異常性を表しているともとれるが、そ  の場合は男性が一緒に逃亡した後セックスをするということが自然ではなくなる  のではなかろうか。面白い考え方で、殺人を首謀する狂暴性が表現されて面白  い。  しかし、やはりそうではないらしい。リュックはその直前に何か分からないが  「うまい肉」を食べさせられている。そして、の死体を見た後吐き出してしまっ  た。やはり、鬼が切り取り料理に使ったに違いない。鬼が警察に叩きのめされて  いるシーンの説明には、人間を食べた為としたほうが自然だろう。個人的にこう  いった、考えれば明確な答えが得られるが、とっさにそのシーンを見ていくつか  の選択支を感じるようなシーンは好きだ。すべてが説明されるよりも答えを求め  ようとして映画にのめり込めるし、その効果として退屈に感じることがなくなる  と思う。  一方、私にとって評価が低い理由は、アリスとリュックが木こりに捕まってから  逃げ出すまでのテンポが悪いこと。一気に速度が落ちるかのように話が単調にな  り、その家の中での数日間に時間を掛け過ぎている。90分の映画でかなり時間  を絞って編集されている点は評価したいのだが、もう少し削るべきカットがある  のではないか。  しかし、これ以上短くすると短篇映画にみなされてしまうため興行的に厳しいだ  ろう。こうやって文章にしていると実際の時間に比例するかのような編集は評価  したいし、もちろん森の家は重要な場面で物語の最大の山場であり、短い時間で  語っては最後の場面に結び付かないだろう。しかしそれにしても実際に鑑賞中は  退屈してしまい、なにか大きなハプニングでもないのかとじっと期待し続け、そ  れを裏切られしまう。物語の密度の変化は映画として重要問題で、一本調子は好  みではないのだが、この映画の場合変化が多きすぎる。童話ならば子供が退屈し  ないようなテンポで、一環して期待を裏切ることなくハプニング(恐怖、驚き)  の連続だが、この映画は寓話的な意味を重視しすぎている。  意識して童話を作ったが、意識しすぎたためにつまらない童話になってしまった  のではないだろうか。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆東京国際映画祭:キッシュ島の物語☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ScreenKiss Vol.063にて内容に間違いがありましたので、訂正いたします。 第1話 ギリシャ船 ◆ストーリー  浜辺近くに打ち上げられている難破船の辺りはいろいろなものが流れつく。今日  はダンボールだった。そのダンボールを拾い集め、波打ぎわのあばら屋の飾り付  けにしようとするが、妻がそれを硬く拒んでいる。妻はすっかり塞ぎ込んでしま  いどうやら憑き物のせいだろうと、霊媒師のところへ連れていくことに。霊媒師  いわく、「ダンボールをとるか、妻をとるか」。妻を捨てるなんてことは考えら  れないためしぶしぶダンボールを捨てる羽目に。船の上で乾かしていた物も海に  投げ入れていると、妻の口元には笑みがこぼれる。  ◇コメント  祈祷という宗教伝統的な側面、しかもこの様式はキッシュ島あたりのものらしい  から、そのドキュメンタリー(再現)的な面白味はある。ダンボールが近代消費  社会の象徴でありつつ、祈祷が伝統文化の象徴で、その狭間で生きる人々への応  援とも取れよう。短編としての物語の充実度は評価したい。 第2話 指輪 ◆ストーリー  キッシュ島に仕事を求めてやってきた青年。水か何かをローリー車に入れる小屋  に住み込んで働くが、小銭を貯める為に魚を釣ったり、貝殻を売ったり。しばら  くしてショッピングセンターに指輪を買いに行く。男性用だが自分でつけるもの  ではない。嫁いでいく妹が持参する結婚指輪だった。  ◇コメント  青年が頭を使い小銭を稼いでいく過程は面白い。海外貧乏旅行をする時にでもま  ねしてみたくなる程。  キッシュ島というのは、イラン革命以前のシャーの時代はカジノや、豪華リゾー  トホテルがあった島。現在はFREE PORTに近い状況で、この島に訪れては通常購入  ができないか、密輸でしか売られていないような外国製品を買って帰るのです。  そのショッピングセンター内部が一瞬映り、旅行なれしている人にはどのような  雰囲気かが理解できるのでは?  最後に貯まったお金で妹の為に指輪(正確には妹の結婚する相手の為)を買うの  だが、ホッとさせる終わりかたの中にも社会的な問題を含ませているようだ。 第3話 ◆ ストーリー  玄関扉を背中に背負って白い砂漠を歩きつづける不思議な父親。その後ろから郵  便配達人が自転車で追い掛けている。手紙を渡す為に声を掛けると、立ち止まり  その扉を開いて応対する。手紙の内容は1番地の家に暮らす娘に宛てた恋文だ。  彼の扉には“1”というプレートがある。つまりここが1番地だ。その手紙を受  け取って破り捨てる典型的な父親。そしてまた扉を背負って歩きつづける。(こ  の時点ではまったく意味不明)しばらくして、その後ろから黒いベールをかぶっ  た女性が、黒いヤギを無理矢理引きずり父親の後を追い掛けている。娘だ。  再び郵便配達人がやってきて、再度手紙を手渡そうとするが、受け取りを拒否さ  れる。そして、不思議な楽団が訪れるが、最後は浜辺に着き、小船でやってきた  商人にその扉を売り払おうとするが、粗末な扉は売れなかった。 ◇コメント  扉は何を象徴しているのか。恐らく深い意味はなく、全てを売り払った後最後に  残るものとして描いているだけだろう。イランといえば、キアロスタミの「友達  の家はどこ」でも描かれていた装飾された木の扉(又は、鉄の扉)が一般的だ  が、その扉を売り払う前の数日間を描いているとも考えられる。勿論、砂漠を横  断して浜辺に来ている商人に売るために運んでいるとなるが、果たしてその行動  になんの意味が?  時として、短編映画に深い意味を求めることは必要ない場合がある。つまり、単  に滑稽であればいい場合もある。そうすると、この行動にたいして我々は不思議  とすこし笑顔を浮かべていて、それが監督(脚本家)の意図したものだったのか  もしれない。 ◆短編集としての総評  この「キッシュ島の物語」は全6編からなる短編集であったが、上映されたのは  その内3本のみ。恐らく多くの人は、中途半端な短編集と感じたことだろうが、  他に3本の作品があると知って、その3本もまとめて上映される日を待ちわびる  ことだろう。  1本1本は、短編映画としてみれば決して駄作ではないが、なにぶんキッシュ島  の魅力も十分現されている訳でなく、各々の短編が一つの表題のもとまとまりが  ある訳でもなく。とにかく中途半端に感じる。これが単に独立した短編映画とし  ての上映であれば、それなりに違う解釈ができたと思う。しかし、来日していた  ナセール・タグヴァイ監督(1話「ギリシャ船」)の言葉を聞く限り、6本の短  編それぞれ違う側面のキッシュ島を描いていて、キッシュ島の全体的なイメージ  を捕らえるために役立つようだ。  キッシュ島の観光局からの依頼で作ったという事が頭に残ってしまうと、この映  画は島の宣伝用ではないかと思われるが、そんな内容の短編はなかった。つま  り、映画文化振興の一貫としてお金を出してもらったのではなかろうか。  ただこの短篇集がどうであれ、引き続きイラン映画に注目せざるを得ないことに  は間違いないと確信を持っている。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆母の眠り☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    感動度:★★☆☆☆    総評 :★★☆☆☆  この演技でメリル・ストリープがアカデミー賞主演女優賞ノミネートとは、アカ  デミー・ノミネートという事に対する評価を下げざるを得ない。  共演している娘役のレネエ・ゼルウィガーは、デビュー当初は「インデペンデン  ト女優の星」と呼ばれ、その後トム・クルーズと共演した"ザ・エージェント"で  メジャーに名前を連ねた。雑誌の表紙もかざり、一躍ハリウッド女優と呼ばれる  ようになった。今回の演技では、辺りさわりのない程度。まあ、メリルの演技に  添った表現をしているといえよう。  何を隠そう私がこの映画をみた理由は、その"ザ・エージェント"以来彼女の写真  をスクリーンセーバーにするくらいのファンだったため。(ちなみに今は、スペ  インの女優ペネロペ・クルスだ。)  頬の赤み、目の回りの白さ、特徴ある丸みを帯びた唇。垢抜けない田舎娘的な雰  囲気がいい。今回の役柄は、実家から離れ独りニューヨークでジャーナリストと  して働いている娘エレン。その彼女がガンと宣告された母親の介護の為に実家に  もどり、そこで始めて理解する母親の生き方。  病気の母親と、仕事ばかりしている父親という設定がありきたりだからか、娘の  回想を差し込む手法が興ざめなのか、ぱっとしない。田舎娘がニューヨークの  ジャーナリストという設定もありきたりで、彼女が追った記事も安っぽい。ス  タッフ全員まじめな人間が作った映画という雰囲気。  謎を残して母親は死んでいくのだが、その時母親には立ち上がる体力は残されて  いなかったはずだから…。あまり詳しく書くとまだ見ていない人の楽しみをとる  事になるのでこの位にしておくが、これは変な終わり方だった。あまり細部を気  にせずにポップコーンとコーラでも食べながらみれば感動するかも。(ただし、  場内は静まり返っていますが。)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆将軍の娘 / エリザベス・キャンベル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    娯楽映画:★★☆☆☆    総評  :★★☆☆☆  ハリウッド(娯楽)映画としては、娯楽性に今一つ物足りなさを感じる映画。犯  人を特定する考察にも無理がないだろうか?  将軍の娘・エリザベスの殺人現場で行われた犯人達の行動をジョン・トラボルタ  扮する捜査官が推理するというストーリになっているのだが、推理に行き着く為  の証拠が不十分で、勝手に結末に結び付ける為に映画が映像を差込み説明してし  まったような感じ。  またハリウッドのいやらしいところなのだが、いちいち撮影にこまごまと味付け  をしすぎている。例えば捜査官の車が現場に駆けつける際、車を正面から捕らえ  るのだが、車が止まる直前に低い位置から撮影しているカメラが横にスライドし  ていく。迫力がでるわけではなく、意味があるわけでもない。単にそれによっ  て、観客の視線に飽きがこないようにという配慮にすぎない。「いちいち動く  な!」といいたくなる。  主役のトラボルタの演技も最悪で、役柄もふざけた感じがまとわりついていて、  もっと真剣な映像がほしかった。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   ClickIncome  (http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   emaga (http://www.emaga.com/music/intro/film.html) ◇◇サービス______________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。   http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585 ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、webmaster@ScreenKiss.comへ ◇◇協力・提携_____________________________◇ ◇   AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/)   Le Petit Bouquet日本語版(http://www.metamondes.com/PetitBouquet/) ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   mailto:webmaster@ScreenKiss.com ◇◇スタッフ______________________________◇ ◇   【編集長】      【記事執筆】    中津川 昌弘     鳥野 韻子               立野 浩超               山下 裕               MS. QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼