ScreenKiss Vol.074

2000年 1月 14日 配信
ScreenKiss Vol.074

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Vol.074

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □映画ミニ・ニュース   □ランダム・ハーツ   □聖なる嘘つき その名はジェイコブ   □ジャンヌ 愛と自由の天使   □ジャンヌ 薔薇の十字架   □中国映画の全貌2000:遙か、西夏へ   □中国映画の全貌2000:項羽と劉邦 その愛と興亡   □中国映画の全貌2000:レッド・チェリー >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆スクリーンキスのホームページ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  スクリーンキスのホームページでは、過去のバックナンバーの閲覧やその記事の  検索などが出来ます。また映画祭レポートやインタビュー記事などは写真付きで  ご覧になれます。  メールマガジンだけでは表現できない部分がありますので、こちらも併せてご覧  下さい。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆1☆映画ミニ・ニュース☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■スパイク・リー監督 日本のCMに出演=  すで皆さんお気づきでしょうが、マツダのデミオ(車)の宣伝になんとスパイク  ・リーが出演中!  日本のCMに出演することはアメリカ有名人のハクにもなるといわれるくらい、  有名人が出演しているが、ついにスパイク・リーまでも。  この車の宣伝では依然ヴァンサン・カッセルが刀を振り回していたが、スパイク  ・リーの次は誰になることやら。癖のある映画関係者でいえば、エドワード・ノ  ートン辺りをお勧めしたいが。 ■SUPERNOVA  SF映画  監督:ウォルター・ヒル  出演:ロビン・タニー、アンジェラ・バセット  フランシス・フォード・コッポラが編集しているらしい。  ストーリーは「宇宙を巡回するメディカル・シップがある星から救出した男。こ  の男の体には寄生生命体が!」といった、ありがちな「エイリアン」的異生物と  の遭遇設定。  この手のSFは日本公開が難しいかもしれないが、ショート・ヘアで動き回るロ  ビン・タニーに期待しよう。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ランダム・ハーツ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★☆☆☆☆    監督:シドニー・ポラック    出演:ハリソン・フォード、クリスティン・スコット・トーマス  有名監督・男優・女優を揃えて挑んだこの映画が単なる恋愛映画だとは気付かな  かった。  ハリソンは警察の内務捜査官、クリスティンは下院議員役とくれば、飛行機が墜  落する事や、不倫を隠そうとしている事などから政治がらみの犯罪、なにか大き  な力が動いているというアメリカ映画お得意のはらはらどきどきパターンだと  思っていた(のは私だけ?)。  中年男が死んだ妻の不倫をその事故で知り、未練たらたらで職権乱用しながら調  べ回る。一方、中年女性は子供がいるためもありさっぱりしたもの。さっさと仕  事や、次の恋に惑わされていく。  中年カップルにはお勧めかな?疲れきった夫婦が見ると離婚したくなりそうな作  品。反対に現実逃避になってしばらくお互いに我慢できる効果も期待できるか  も。  この手の映画では脚本がどうのとか、演技、撮影がどうのこうのといってもしか  たがないので、短文で。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆聖なる嘘つき その名はジェイコブ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★☆☆☆☆    監督:ピーター・カソヴィッツ    出演:ロビン・ウィリアムズ、アーミン・ミューラー・スタール       (ちょい役でマチュー・カソビィッツも出演)  少々遅くなったが、今年に入って新宿「シネマスクエアとうきゅう」で見た。  監督は、「憎しみ」「アサジンズ」で日本でもおなじみのマチュー・カソビィッ  ツの父親。マチューは、78年に父親の作品に出演して映画デビューを飾ってい  る。  作品は、多少ユーモアを織り交ぜたゲットーが舞台の映画。コメディータッチと  くれば「ライフ・イズ・ビューティフル」を思い出すが、あの名作には程遠い駄  作。  感動?ラストでのエピソードで、多少するくらいかな。ただし誰も泣いていな  い。笑い?ほとんど無理。笑えない。演技?ロビン・ウィリアムズは適役とは言  えない。しゃべりすぎの彼が余計なセリフを読んでいるようだ。彼得意のアドリ  ブがどこまで入っているのかは分からないが、恐らく結構オーバーアクション  や、短い一言を挿入していると思われる。  「シャイン」でお馴染みのアーミン・ミューラー・スタールは私が好きな演技派  俳優の一人だが、この映画ではドクター役で出演。残念ながら決して完璧な演技  とは言えない。ちなみに彼は、74年の「嘘つきヤコブ」にも出演している。こ  の74年の映画は、ベルリン映画祭の銀熊賞、主演男優賞(ウラディミール・ブ  ロドスキ)を受賞している。  チラシの裏にはロビンに対して「オスカー本命」との言葉があったが、本命とす  れば今年のオスカーに期待はできまい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ジャンヌ 愛と自由の天使☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   「映像の魔法使い」ジャック・リベット監督特集(キネカ大森)   主演:サンドリーヌ・ボネール  「美しき諍い女」以来久しぶりにジャック・リベットの作品に触れた。昨年夏に  千石の三百人劇場で行われた特集上映の再映となるキネカ大森でのこの企画。1  月2〜5日までが本作品の上映。引き続き6〜9日までが後編の「ジャンヌ 薔薇  の十字架」上映。10日〜14日が「パリでかくれんぼ」。しかしこの記事がス  クリーンキッスに掲載されるころには全ての上映は終了しているだろうから、次  の再映を待つしかない。  これは題名から分かる通りジャンヌ・ダルクの物語。前編117分、後編121  分、計3時間58分の大作だが、1本づつ見る事に違和感もなく、前半だけでも  この映画の魅力は体感できるだろう。  ちなみに、三百人劇場で特別上映されたジャンヌ完全版「ジャンヌ・ダルク I  戦闘 II 牢獄」では計5時間38分という超大作。  さて、「愛と自由の天使」は唐突に話が始まる。序章がないのだ。一切の余分な  説明を省き、いきなり「だまって映画を見ろ、見れば分かる」と訴えかけている  かのよう。これは映画なれしている人ですら違和感を覚えるのではなかろうか。  ジャンヌが何者で、何をしてきて、これから何をするつもりなのかといったあら  すじを先に説明するようなセリフや映像が一切ない。映画なれしていない人には  もうこの時点でこの映画を受け入れられないのではないだろうか。とにかくなに  も実感がないまま、ジャンヌが神からの預言を携え行動を起こしているその姿  を、ひたすら眺めるような感じでしばらく映画は進んでいく。  まず、ジャンヌダルクがフランス王太子に謁見するため、自分を王太子の元へ連  れていってくれと騎馬隊長に訴えているシーンから映画は始まる。彼女はこの時  点では我々にとっても、兵士達にとってもただのいんちき女だ。その訴えがしば  らくして功を奏する。彼女は神の使いの如く神に導かれた者として行動を起こし  ていると、なぜか(?)納得してしまった兵士達と馬に乗り数日の道のりを行  く。どうして彼らが彼女をそう認めるにいたったのかといった具体的なセリフ、  シーンは映像から見て取れない。もちろん、多少それを匂わせる程度のセリフは  あったが、そんなことで信じるとは考えられない。  この様な手法はまるでドキュメンタリーのようだ。実際にこれが細部まで実話で  あったとすれば、この訴える場面だけでも長い経緯があるだろうし、それを端的  に編集することができない場合、さっさと話を展開させてしまったほうが手っ取  り早いという事になる。いっそうこの導入部分をカットしてしまう手もあるが、  その場合行動を起こす前のジャンヌに触れる事なくして奇跡的な行動を説明する  には不十分となるし、ジャンヌの以前の姿としてどこかでくだらない回想を挿入  するような事になってしまうだろう。つまりこの行動を起こし始めた場面は重要  だし、それを大袈裟なセリフでさっさとまとめてしまっては単なるドラマになっ  てしまう。監督はそれを嫌ったに違いない。  この後もひたすらドキュメンタリータッチで編集され、淡々と話は展開してい  く。完全版と違って、この短く編集された「ジャンヌ」はジャンヌ本人を映し出  すことを中心として構成されている為、ジャンヌに対して感情移入がしやすく、  その反面、筋書きが蛋白になっているようだ。  王太子に会う事ができ、同様になぜか王太子はジャンヌを信じる。何やら神のみ  ぞ知るという王の秘密を知っていたからだ。しかし、当時の王太子の権力は宗教  には勝らなかった為、その後司教、司祭達によってジャンヌが異端者(魔女)で  あるか、預言者(予言ではない)であるかの判断をくだす為の宗教審問が行われ  る。その数日間、ジャンヌは非常に普通の人間的な態度と、神を疑う事なき堂々  たる態度を見せている。  ここでジャンヌが自分を認めない司祭達に対してのいらつきから、椅子に座り床  に届かない足をぶらぶらさせる行為などつねに細部にまで監督の目が行きとどい  ていることを感じさせられる。よくあるドラマチックな映画とはまったく異な  り、セリフ、態度がひたすらドキュメンタリーと見間違わんばかり。もちろん、  BGMもないこの映像に退屈する人も多いだろうが、じっくり見れば見るほどこの映  画の素晴らしさが目につく。反面「映画は娯楽」として考えれば最低で眠たくな  る映画の代表といってもよかろう。  しばらくして司教はジャンヌを疑うべき理由が見つからないという反証的な結論  から王に助言し、イギリス軍に立ち向かうための兵士を与えられる。  このシーンに関してもう一つ付け加えると、装飾や衣装、セットには華やかさが  ほとんどない。私はこの時代の文献を読破している訳でもなく、とりわけ詳しい  ということでもないが、これが実情に近いということに確信を持ってしまう。  1400年代の実情なんて簡単に分かるわけはないが。  いよいよ戦闘は始まり、その場面でも同様にひたすらリアルさのみが目につく。  デザインされた過剰な装飾はなく、金ぴかの武具もない。擦りきれているような  衣装、傷だらけの甲冑。武具や装飾のくもり方、傷の具合がまるでヨーロッパの  城や、博物館に展示されている物をそのまま使っているかの如く。どこからどう  見ても本物のよう。また、この時代の兵士は日当制で、それに関するセリフもあ  る。  攻撃の合間に城塞の堀の土手で兵士が休んでいる姿。その戦う姿や、人数。ドラ  マチックにするために迫力を前面に押し出す映画とは全く異なり、真実を追究し  ているようだ。  戦闘シーンでは史実に基づいた戦術が繰り広げられる。あまりに激しさのない、  弱々しいその戦闘は一見退屈なのだが、細部までしっかり演出された映像は画面  の中の誰を見ても一人一人が感情を持って行動している、つまり本気で闘いを繰  り広げているようにしか見えない。ここでも見れば見るほどドキュメンタリーと  見間違う。こちらまでジャンヌ(サンドリーヌ・ボネール)は本当に神の声を聞  いたと信じてしまいそうだ。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ジャンヌ 薔薇の十字架☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ジャンヌ(サンドリーヌ・ボネー)が王太子に謁見する。この場面、恐らく実際  の城でロケしているのだが、部屋の奥にかかるタペストリーや、椅子、棚など部  屋の小物まで実にリアルな風合いがある。  ただし当時の実際の状態を想像すると多少痛みすぎでいるのではないかと思う。  城の石壁にしても痛みすぎている。しかし、痛みすぎている城を使って撮影する  場合、ある程度調度品も同じように古臭い方が違和感なく溶け込むだろう。ま  た、痛みすぎているとしても当時の建築技術、石切り技術ではこの程度だったの  かも知れない。  ジャンヌの導きどおり、シャルル七世王太子はランスで教皇(?)から王冠を頂  き、正式にフランス王となる。この戴冠式の様子はまた一段と美しいシーンだっ  た。どこかの歴史的な教会でロケされており、その中でシンプルな衣装、華やか  な刺繍のマントなどをまとった王や司教達の姿が絵画のように映し出されてい  る。ライティングの光量が上手い。  その後はロードムービーのように戦闘とともに場所を変えていく。ラ・シャペ  ル、コンピエーニュ、サン・ドニ。各場面、場面を真っ黒なブラック・フレーム  が繋いでいるが、全く違和感なく自然に映画は進み続ける。  パリを攻撃するが、深い水を湛えた外堀にはばまれ思うように前進できない。そ  こでは城塞からの矢がジャンヌの足を貫く。矢が飛ぶ音、地面に刺さる音、盾や  甲冑に当たる音など、そのきれいなことまたしても驚きだ。BGMがない分、足  音や衣の擦れる音に集中できるせいだろうか、その場にいる雰囲気だ。  その後、シャルル王はジャンヌ一行のパリ攻撃を中止させ、ジャンヌの快進撃に  影がかかる。  マルニでの戦闘でついにジャンヌは捕まってしまい、ソム湾を船で移動し、ルー  アンで捕虜となる。イギリスと同盟を結ぶこの地ではシャルル王は認められず、  戦闘の主導者として戦犯扱いだ。ここで宗教裁判が行われ、カトリック司教達に  異端者扱いされ回心させられるが、結局濡衣を着せられる格好でボワール城に投  獄。刑はパンと水のみを与えられる終身刑。牢屋では鎖でつながれ、看守達に襲  われる。痛々しい姿だ。  撮影に関して一言いえば、長回しと短いカットが効果的に使い分けられている。  カメラワークも極端に動きを抑えたり、人物を追って目線のように動き回った  り、その場所にいる人物達の心理状況を適確に表現している。  夜、明け方、暗い部屋などの場面ではフィルター効果だろうか、映像が青色に彩  られ時間的な雰囲気を映している。夜の寒さと、明け方の寒さは異なるが、それ  がそのまま映画に現れているのには驚いてしまった。  どこをとっても誉めることしかできない。  5月30日「昼前に火刑に処す」「体が灰になる。むしろ首を切って!」脚本の  セリフが面白い。2メートルの薪の上に縛られ、火が点けられる。ジャンヌの顔  に苦痛が表れ、「ジェジュ!」(フランス語でジーザス((キリスト))だ)顔  に黒い灰が付き、火の勢いが増していく。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆中国映画の全貌2000:遙か、西夏へ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★★★☆☆    97年西安映画    監督:ルー・ウェイ(芦葦)    主演:    三百人劇場  「タイタニック」がワールド・プレミア上映された97年東京国際映画。この年の  パンフレットには紹介されているが、結局当時「セブン・イヤーズ・チベット」  の上映に抗議して中国はこの作品と「火の鳥」の上映をキャンセルしてしまっ  た。その後両作品とも新宿などで公開されている。  ルー・ウェイは「さらば、わが愛/覇王別姫」、「レッド・チェリー」の脚本  家。  11世紀の中国西部、西夏。税の徴収の為馬に乗り漢民族の小さい村にやってき  たタングート族10人の騎馬隊。税はお金ではなく、男児10人だった。(連れ  帰って兵士に育てる)そこへ、近隣の契丹人が現れ、慌てて逃げ出した彼らは、  騎馬隊のボス・頭領が酔っ払ったあげく子供を1人放置してしまったために妊娠  中の気狂い女を連れて行く事に。  この帰途の道が映画の主題となっている、帰り道を描いた珍しいロードムー  ビー。  旅の途中、女は男の子を出産した後置き去りにされる。しかし、女は騎馬隊を徒  歩で追いかけていく。生まれたばかりの乳児は馬の乳を飲まず、発熱してしま  い、手におえない男達は乳児の世話の為に女を連れて行くことに。女の命懸けの  母性愛に頭領は何かを感じ始める。途中何度か契丹人と戦い、6人の仲間が死ん  でいく。  数週間の道のりの後、一向は西夏に着くがそこで彼らの中に起こった感情の変  化。  このロードムービーはまるで西部劇のように、馬上アクションあり、人間ドラマ  あり、女、酒、勇気と、感動するまでではないが、見終わって"じーん"とさせら  れる。  この映画の人物達は風貌が独特で面白い。その地の(その時代の?)民族的な髪  型、衣装、子育て、家屋、食生活までも多少垣間見ることができる。旅の途中の  キャンプで天幕(テント)をはる様子から、馬で子供を運ぶ時の籠、小物にも注  意したい。刀、水袋。非情に興味深い。  また、この映画は決してアメリカや日本で撮影できないと思うが、その理由に子  供達の扱いが挙げられる。というより、子供達の扱いが本当に乱暴な時があり驚  いてしまう。入浴の後服を着せられるまでの間、ぶるぶる震えているのが見え  た。子供を抱き上げて屋根から飛び降りたり、走り回ったり、馬上では左右に籠  をつるし、その籠の中に子供が入ってものすごい揺れている。  あのような撮影は今となっては中国かインドにしかできないだろう。  一言で中国映画をまとめることはできないが、普段中国映画を毛嫌いしている人  でもこの映画なら楽しめるだろう。  アジア映画を見ない人でも、日本のサムライ映画、西部劇、マカロニ・ウェスタ  ンが好きな人には納得できる作品。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆7☆中国映画の全貌2000:項羽と劉邦 その愛と興亡☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★★☆☆☆    チャン・イー・モー(張芸謀)総監修    監督:スティーブン・シン  3時間に及ぶ、お馴染み項羽と劉邦の戦いを描いた中国の歴史大河ドラマ。中国  歴史小説が好きな人は見なくては。私のように嫌いな人でも結構楽しめる185  分ではあるが。  演技とか、撮影がどうのこうのは一切抜きにして、暇つぶしにはなるし、数千人  (?)を動員したと思われるあの戦闘シーンにはほれぼれ。実際に髪の毛が燃え  た人、足や腕を折った人もいた様子で、これまた中国映画、インド映画にしか作  れないアクションが満載。  「お金の為なら命懸け」のスタントを拝めます。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆8☆中国映画の全貌2000:レッド・チェリー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    95年北京映画    監督:イエ・イン  オールロシアロケ。出演者も、主役の少女チュチュと少年ルオ以外はほとんどロ  シア人とドイツ人。  40年から45年、中国の文化革命を逃れてモスクワのイワノフ国際学院に連れ  てこられたチュチュとルオがたどる、第二次世界大戦中の数奇な運命を描いた実  話。  チュチュは戦争を生き延び、56年に中国に戻った後、90年63才で亡くなっ  た。背中に生涯消えることのなかった刺青を背負って生き続けた、想像を絶する  人生だ。  学院の夏休み、チュチュ達はベラルーシでのサマーキャンプ中にドイツ軍に迫撃  される。逃亡を図るも捕らえられ、将軍によってヤコブレフ修道院に送られる。  そこで奴隷のように使われるが、次第に狂気と化す将軍によって背中にドイツを  象徴する"鷹と十字架"を刺青される。戦争映画で子供が受けるひどい扱い、戦争  以外でも様々な虐待を受けることがあるが、この映画ほど惨い体験もないだろ  う。実話である事の恐怖に襲われる。  ロシア人はドイツ兵によって躊躇なくあっという間に銃殺されるし、チュチュ達  が奴隷として働いている中の映像も目を覆いたくなるほどの恐怖を感じた。  一方、ルオは兵士として前線に行くことを志願して、チュチュ達一行とは離れば  なれになるが、それが幸いしてモスクワで少年達と生き延びていく。そのモスク  ワで両親を亡くした少女ナディアと共に過ごすが、ドイツ兵を巻き込んだ自殺を  思われる死に方で爆死する。もしかしたらどこかで生き延びているかも知れない  という気にもさせる映像だが、死んでしまったのだろう。  最後にそのナディアがチュチュにルオの事を伝えるのだが、実際にルオの口から  チュチュと別れた後の体験を聞いたわけではないためだろう、チュチュと別れた  後のルオの数年間は多少ドラマチックに演出されているようだが、決して大袈裟  とまではいかない。  私もアメリカ映画、ヨーロッパ映画で散々第二次世界大戦を主題にした映画を見  てきたが、この映画のもつ迫力は実話であったことからくる以外にも、その撮  影、編集が影響している。素直なカメラワークは、常に主人公達をもっとも見や  すい位置に置き、時に彼女らの目線で映し、時にその場にいたドイツ兵の目線で  映像を捉える。アメリカ映画の手の込んだ映像に飽きがきている中、新鮮な映像  に感じた。もちろん当時95年とすれば、この感覚はなかっただろうが、見た時  期もタイミングが良かったようだ。  また、淡々と物語りが進んでいく中、チュチュとルオのいた別々の場所が同時性  をもって交互に映し出される。2ヶ所の様子を時間に沿って同時に見ることがで  きれば2人の境遇の差を感じ、余計な説明も省くことができるが、この方法も時  としてその状況や人物関係が理解しにくくなることがあったり、感情移入の妨げ  になることもある。適度な長さで妨げることなかったこの編集は効果的だった。  チェチェ役クオ・カーユイは新人とのことだが、どう見ても演技学校で勉強して  きたようす。熱のこもりすぎた演技が多いが、それでも上手いといわなくてはな  るまい。刺青を落としたい一心で背中を石壁にこすりつけるシーンなど感無量。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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