ScreenKiss Vol.075

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2000年 1月 15日 配信
ScreenKiss Vol.075

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Vol.075

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □グリーンマイル(3月公開予定)   □パゾリーニ映画祭   □アッカトーネ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆スクリーンキスのホームページ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  スクリーンキスのホームページでは、過去のバックナンバーの閲覧やその記事の  検索などが出来ます。また映画祭レポートやインタビュー記事などは写真付きで  ご覧になれます。  メールマガジンだけでは表現できない部分がありますので、こちらも併せてご覧  下さい。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆1☆グリーンマイル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★★★★★  「私はこらえ切れずに4回泣いてしまった。」  このスピルバークのコメント、嘘ではありません。私はこらえきれず号泣して頭  痛まで起こしてしまいました。既にアカデミー賞の呼び声も高いですが、受賞は  ともかくノミネートは間違いないでしょう。  物語はある老人ホームから始まる。娯楽ルームでTVを見ていた老人ポールの目  にフレッド・アステアの映画が映る。それは彼にある忘れがたい奇跡の物語を思  い出させた。そして彼は語り始める。1920年代、刑務所で起こった信じがた  い出来事を。  当時彼がいたのは電気椅子に送られる死刑囚が収容される房。死刑囚が歩く道は  緑色のため、グリーンマイルと呼ばれていた。そこに双子の少女を殺したとされ  る巨漢の黒人、ジョン・コーフィーが送られてくる。頭は弱いが心優しいこの男  が本当に人を殺したのか?彼の死刑執行が迫られる。そんなときある奇跡  が・・・  こういった回想シーンから始まる感動物語はありきたりであるが、本作において  は、後に彼が年老いてホームにいることにも深い意味があり必然的にそうなった  ことが解る。  前作、「ショーシャンクの空に」が同じ刑務所を舞台とし、原作も同じくス  ティーブン・キングの為、同じようなストーリーを想像していたが、前作よりも  よりキングのホラー的、かつメルヘンチックな要素が強く、「死刑」というなん  とも重い題材を扱っていながらも、どこかほのぼのとした雰囲気がある。芸をす  る鼠、MR.ジングルスの登場も何とも愛らしく、そういった雰囲気作りに一役買っ  ている。  とはいっても、グリーン・マイルから死刑へのシーンは手に汗握るほどの緊迫感  があり、作品にメリハリをつけている。  ほかの囚人達もみな個性豊かで面白い。なんとなく「カッコーの巣の上で」を思  い出させます。  意外だったのが、下ネタ?!が結構多いこと。トム・ハンクスのトイレのシーン  にご注目。こんなに表情豊かに放尿(失礼。)するなんて。いや〜、やっぱり上  手いですね。申し訳ないですが今回の役で一番うまい!と思ったのは一連のトイ  レシーンでした。  むしろ印象に残ったのは脇役のキャスティングの豪華さ。よくもこんなに演技派  をそろえられたものです。黒人囚人ジョン・コーフィを演じるマイケル・クラー  ク・ダンカンは素晴らしいの一言。セリフこそ少ないが表情(特に目)と巨体だ  けでこんなに人を暖かい気持ちにさせるなんて!彼以外この役は考えられませ  ん。映画館のシーンの彼の表情には鳥肌が立ちました。ポールの同僚、ブルータ  スを演じるデビット・モースもトム・ハンクスを控えめにサポートし、なんとも  好印象。ほかに「ベイブ」の爺さん、J・クロムウェルが出演。アン・ビリーバ  ブルなストーリーにリアリティを持たせる名役者の面々に拍手!「フォレスト・  ガンプ」のゲイリー・シニーズもカメオ出演しています。  同じくノミネートの噂が高い作品に「シックス・センス」がありますが、両方に  共通して言えるテーマは「癒し」と「奇跡」でしょうか。この殺伐とした世の中  で、皆が求めているものが、映画にも色濃く反映されているような気がします。  前作「ショーシャンクの空に」ではオペラ音楽が効果的に使われていましたが、  本作で同じ役割をするのが映画。「映画」と「音楽」は本当に人に希望を与える  ものなのですね。ますます映画が好きになりそうです。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆パゾリーニ映画祭☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    パゾリーニ映画祭    プラス ワン・レイトショー    −パゾリーニ衝撃の全貌−  渋谷などで特集上映されたものの銀座シネパトスでの再映。  今年は1月8日から「アッカトーネ」、12日から「マンマ・ローマ」と続き、  2月19日からは「ソドムの市」、26日から「パゾリーニ・スキャンダル」  が、それぞれ8時40分からレイトショー上映。  私のように見逃した人にはお勧めの企画だ。ただしこの映画館は多少汚く、地下  鉄の音が伝わり、設備も十分とは言えないので、映画館嫌いの人が行くとさらに  嫌いになってしまう心配がある。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆アッカトーネ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★★☆☆☆    1961年    脚本、監督:パゾリーニ    出演:フランコ・チッティ(アッカトーネ役)  パゾリーニのデビュー作。  先にストーリー全紹介  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  イタリアの都市のスラムが舞台。この地にも開発の波が押し寄せ始めている中、  スラムは取り壊されて、新興住宅のアパートメントが立ち並び始めていた。  主人公アッカトーネは、"ひも"で、彼女を毎晩路上に立たせることで食費を捻出  している。弟はプロレタリア(賃金労働者)だが、アッカトーネの仲間達からは  その事を馬鹿にされる。  アッカトーネとその仲間達は働くことを馬鹿にしながら、日々ぶらぶらと腹を空  かせている。  そこへアッカトーネの娼婦がトラブルで投獄され、生活費にこまった彼は元彼女  アシェンサに声を掛ける。しかし、彼女の弟や父親に罵倒され殴られ、すごすご  と引き返すはめに。  そこへ、ステラという新しい女。彼女が純粋な女で、処女と知った時、彼に少し  変化が現れる。  しかし彼自身は働くことをせず、酒を飲み、いつものような方法でステラも娼婦  に仕立て上げようとする。  しかし、ステラの純朴さが邪魔をして上手く行かない。ステラへの感情に戸惑い  を感じながらも、彼女に恋したアッカトーネはあばら屋で一緒に暮らすことにす  る。  ステラの為に自分で仕事をしようと、弟の紹介で日雇い労働にでかけるも、帰り  に仲間から罵声を浴びて喧嘩。  働くことが自分には無理と知りながらも、ステラに娼婦をさせることを拒んでし  まう。  その夜夢を見る。自分の死の葬式をしている場面だった。仲間達の声は彼には聞  えなかった。彼の死を仲間達が哀しみ、彼はその葬式に戸惑いを感じながらも墓  地に向かう。その門の前で赤ちゃん2人を見掛ける。自分とステラの生まれ変わ  りか。墓地に入ろうとすると、門は閉められ、自分は墓地に入れない。壁から除  くと、自分の墓穴を日陰に掘っている墓掘り人。彼に向かい、日向に穴を掘るよ  うに伝える。  翌日ついに泥棒をしている知合いに交わる。しかし、投獄されている女から告発  された彼は、警察が彼を見張っている事に気付かない。配達のトラックからハム  をしこたま盗み、仲間といっしょにリアカーを引いている時警察の車が道をふさ  ぐ。  アッカトーネはステラの為か、バイクを盗んで逃げるが、カーブを曲がって車と  事故を起こし、投げ出されてしまう。仲間が近寄るが、目を閉じてしまう。  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  今回は全体のストーリーを書き込んだ。まずこの作品は61年のイタリア映画  で、よく言われる"ネオ・リアリスモ"は45年から50年位に代表作が生まれて  いるから、時代は少し進んだ事になる。当時パゾリーニは39歳。デビュー作と  して考えれば、やはり彼の見てきた映画の影響というものが少なからず生じてい  るのではないだろうか。  この映画はネオ・リアリスモ(イタリアン・リアリズム)ではないようだが、か  なり現実的な描写、魅力的な目線が映し込まれていることには間違いない。  まず、アッカトーネのズボンは、ファスナーが壊れているようだ。スラムで遊ぶ  子供達の遊びは、石や瓦礫を投げたり、瓶を壊したり。そこには笑顔がない。泥  棒に対しては抵抗がある「ひも」達だが、どちらが悪いとも言えないのになにか  最低限のプライドを持っているらしい。  彼のあばら屋はベッドが2台あるだけだが、そこには子だくさんのインド人  (?)女性が一緒にくらしている。  ブルジョアを横目で見つつも、プロレタリアを馬鹿にしている彼ら。  後半になればストーリーにも面白さが生まれているが、前半は退屈。編集の余地  を感じる。白黒の映像も光りのバランスが悪かったり、白と黒との画面上の割合  に不満がのこる。  どうしようもない奴だったアッカトーネが日雇い労働をし、仲間達から罵声を浴  びながらも、ステラへの愛情に目覚めていく過程は上手い。  夢のシーンで赤ちゃんがでてくるが、過去の自分を捨てる生まれ変わりを象徴  し、ステラへの愛情が増していることの印でもあろう。意味の深い葬式の夢が映  画を一気に引き締めた。  その後のアッカトーネを見張る警察の目のアップには迫力と、今後の顛末を想像  させる。  アッカトーネが警察から逃れようとするのも恐らくステラがいたからだろうし、  無情にもステラへの愛情が悲劇を生んだ格好になり映画は終わるが、それはステ  ラにとって良かったのかもしれない。しかし1つの愛がなくなる瞬間でもあるか  ら、簡単に割り切ることができない。  終始アッカトーネのだらしなさに憤りを感じるのだが、どこかやるせない気分ば  かりが残ってしまう映画だった。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼