ScreenKiss Vol.077

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2000年 1月 21日 配信
ScreenKiss Vol.077

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Vol.077

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □映画ミニ・ニュース   □太陽に暴かれて   □息子の告発   □トラベラー   □パンと裏通り >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆お願い☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ □スタッフ募集(ボランティア)  福岡市で「班女」と言う三島由紀夫の演劇を今年の6月後半に上演する予定で  す。この演劇では役者を募集しています。   ◇花子:20〜27才の女性       芸者で、愛している男性を待ち続けている。   ◇由夫:23〜35才の男性       花子に返ってくると約束した男性。  夕方7時以降に週3〜4日くらいリハーサルを行います。  興味のある方は1月25日までにinfo@screenkiss.comまでご連絡ください。 □ホームページ  スクリーンキスのホームページでは、過去のバックナンバーの閲覧やその記事の  検索などが出来ます。また映画祭レポートやインタビュー記事などは写真付きで  ご覧になれます。  メールマガジンだけでは表現できない部分がありますので、こちらも併せてご覧  下さい。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆1☆映画ミニ・ニュース☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■「バッファロー66」で大ブレイクした個性派V.ギャロですが彼の過去の作品  について知る人は案外少ないのでは?  まず意外にも大河ロマンに出演しているのがウィノナ・ライダー、メリル・スト  リープら豪華キャストと共演の「愛と聖霊の家」この作品で彼はウィノナの腹違  いの兄を演じ、革命運動で捕まったウィノナを目隠しにし、拷問にかける変態  チックな役を演じています。ギャロのフェチっぽい持ち味が妙にハマっている。  次に、作品としてもオススメなのが「黒猫・白猫」の監督、エミール・クストリッ  ツアのベルリン映画祭受賞作品「アリゾナ・ドリーム」で、彼は主演のジョ  ニー・デップの友人で、「ゴット・ファーザー」や「北北西に進路を取れ」がお  気に入りの映画おたく青年を演じています。ちなみにこの頃の呼び名はヴィンセ  ント・ガロでした。(笑)  どちらも脇役ながら、彼の個性をフル活用しているところが凄い。両作品とも貴  重なヒゲなしギャロが見られます。 ■米映画芸術科学アカデミー理事会は、ウォーレン・ビィーティーにアービン・ソ  ルバーグ記念賞を授与すると発表しました。  この賞は、質の高い映画を送り続けてきた製作者に与えられるものです。3月  26日の第72回アカデミー賞受賞式でお目にかかれることでしょう。いよいよ  アカデミーですね。この為にケーブルテレビに入っているといっても過言ではな  い私ですが、待ち遠しい。仕事を休んで1日中テレビにかじりつきたい! __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆太陽に暴かれて☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★☆☆☆☆    1996年/109分    監督、脚本:イム・ホー    出演:チャン・ユイ    96年ベルリン映画祭監督賞・国際批評家連盟賞受賞    中国映画の全貌2000より  ベルリン映画祭と私は相性が悪い。映画のストーリー展開に納得できなかった  し、どうもすっきりできなかった。撮影では目を引くシーンもいくつかあっただ  けに残念。  映画は1920年代。中国の北部、貧しい村で生きるティエンヨーと妻ヨー  ヨー。その日の食べ物にも困るありさまで、ヨーヨーは空腹のあまり倒れてしま  うが、中隊長パンハオの情夫に助けられる。  ティエンヨーを夫として愛してはいたが、甲斐性ない男は魅力に欠けていたよう  だ。彼の容姿も見るからに貧しく、締りのない口元はあまりに情けない。ところ  がヨーヨーは艶やかで、色気が漂っている。つまり、ヨーヨーだけを見ていると  彼らの生活苦が全く伝わってこなかった。  パンハオはヨーヨーを気に入り、ティエンヨーを脅して彼女を10日間借りる。  金銭欲に刈られているパンハオは列車を襲い人質を取るは、人殺しはするは、一  見するとただのヤクザ者だが極悪人。悪人としての姿は差し置き、男らしさから  ヨーヨーは彼を愛し始めていた。このヨーヨーの気持ちは分かる。ただし、彼女  の表情からはそれが分からない。  ヨーヨー役のチャン・ユイは、ティエンヨーを見る目とパンハオに抱かれる時の  表情が全く一緒で、困っているのか、喜んでいるのか、愛しているのか、嫌って  いるのかが全く表現されていなかった。あれほど美しく、眉間み皺をよせた表情  が自然なチャン・ユイだが、演技が下手なのではなくそのシーンで必要とされて  いる演技が分かっていないかのよう。これは彼女だけの問題ではなく、監督達の  演技指導にも問題があると思えてならなかった。  パンハオは政府に捕らえられ、足から吊るされる。処刑の直前、なぜか神は彼に  味方してしまう。つまり雷が彼を救い、そのおかげで人質は彼によって殺され  る。そんな彼をヨーヨーは次第に愛せなくなる。熱が冷めて現実に気付くのだ  が、ここでも彼女の表情からはそれを理解することが難しい。ひたすらいつも同  じ表情で、変化がない。  最後にヨーヨーはみずからけじめをつけるように、パンハオを殺してしまうのだ  が、そこでようやく表情の変化が現れる。自身をもってその選択を実行している  姿だけは、適確に演じられていた。  映画を見終わって感じた印象、なぜか分からないけどすっきりしない映画。実は  彼女の演技だけが問題だったと気付くのに数時間かかった、消化の悪い映画だ。  あらためて考えると、基軸となるストーリーや撮影が上々だっただけに、彼女の  演技があればもっと評価できる映画だった。霞がかった路地に羊が消えていく  シーンや、ヨーヨーの顔がカラーから白黒に変わるシーンは上手い。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆息子の告発☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★★★☆☆    1994年 香港・長春映画    監督、脚本:イム・ホー    1994年東京国際映画祭(京都大会)グランプリ・監督賞受賞    中国映画の全貌2000より  簡単にストーリーを紹介すると、息子2人と娘1人の5人家族。父親は小学校の  校長、母親は家で豆腐をつくり、マイナス2−30℃にもなる中子供達と一緒に  売り歩く。  父と母は仲良くない。母は命を助けられた樵(きこり)の青年と不倫。しばらく  して父親が突然の病死。母は樵と再婚し、長男には父を殺したと疑われる。10年  後、成長した長男は母を父の殺人犯人として告訴する。警察が村にやってきて、  父親の墓を掘り返した結果、毒を検出する。母は死刑。  実話だそうだ。中国ではこの長男の行動に賛否半数づつだったとか。日本でも判  断は分かれる行動だろう。たしかに母は殺人を行った。父は善人だった。母の勝  手で殺されたのだ。  一方その事件から10年たち、弟と妹は成長した。母が殺人鬼となれば、彼らの  将来は大きく崩れてしまう。妹が「お兄ちゃん達はまだいい。私はどうなる  の?」と泣き叫ぶが、まさにその通りで、その責任を長男は無視したようだ。  長男は家族兄弟を捨てて都会で一人暮らしていた。そんな長男の仕打ちに、弟と  妹はこの後も長男と打ち解けることができないのではないだろうか。映画も長男  と彼らのその後の関係には触れない。実話であればこそこれ以上は知らせる必要  もないのだが、長男の映画での性格ではそのまま兄弟に会うこともないのだろう  と感じた。残されたのは不幸な3兄弟。  長男は「良心の為に母を訴える」と言うが、本心は単に父の面影の為だったに違  いない。長男の行ったことは法規上正しく模範的な行動と言われるべきだろう  が、我々が素直に割り切って納得できないのは、兄弟にやさしく接して、彼らの  納得を得られるシーンがないためだろうか。  中国映画祭で上映されている作品はそれなりに国際的な評価が高い作品ばかりだ  が、それは単にストーリーや演技が良いのではなく、撮影、ライティング、演出  などをとっても魅力的だ。  この映画でも長男が鶏を蹴り勢いよく飛び去った後、豆腐をつつくシーンがあっ  たり、表情を際立たせる明るいアップ。ガラスを突き破って手を伸ばすといった  驚きのシーンがあったり、馬をつなぐロープに足を引っかけて躓いてみたり。何  よりも印象的なシーンは豆腐を作る納屋での湯気。熱気と外の寒さが入り交じ  り、まるでその場にいるかのような臨場感を映像から感じることができた。あの  立ちこもった湯気に私自身が曇ってしまいそうだった。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆トラベラー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★★★☆☆    1974年 モノクロ 72分    キアロ・スタミ特集上映より □ストーリー  テヘラン市からはなれた南部の町。勉強嫌いなサッカー少年ガッセム。テヘラン  で行われるサッカーの試合を見にいくために何とかしたい。  その為彼は学校をサボり、親の金を盗み、写真を撮ると少年をだまし、挙げ句に  草チームのミニサッカーゴールを敵方に売り払って346リアル稼ぐ。  そのお金で100リアルの夜行バスに乗り、テヘランへ一人旅だ。2回目のテヘ  ランで、興奮のあまりねむれずに夜景を見ている。  着いたはいいもの、入場券は直前で売りきれてしまいダフ屋から200リアルの  チケットを買う羽目に。  早速席を取ったはいいが、試合開始までまだ3時間ある。その為この総合グラン  ドの中の体育館やプールをうろつく。芝生で横になると疲れから睡魔に襲われて  そのまま寝入ってしまう。だました少年たちのことや先生に摂関される悪夢を見  る。夢の中では歓声が聞えている。  しばらくして目が覚めるともう試合は終わっていた。  さて、イランにもダフ屋がいるんですね。どこの国でも成り立つ商売のようで。  イラン人もかなりのサッカー好きですから。  ガッセムの友達アクバルは、ガッセムの行動に着いて行けなくなってしまうので  すが、彼の表情もガッセムに劣らず最高でした。  ガッセムが学校で先生に叱られて大泣きしている声が、授業中の教室に響きわた  るのですが、ちょうど心臓について説明している最中でした。生徒達の心臓もど  きどきしていたことでしょうね。ちょっとした演出です。  カメラの前に立つ小学生達のポーズや、表情が微笑みなしにはみることができま  せん。イラン映画の少年ってなぜこんなに愛らしいのでしょうか?                                 立野 浩超   「風が吹くまま」公開記念   アッバス・キアロスタミ特集上映   渋谷ユーロスペースにて   1月15〜17日:「パンと裏通り」「トラベラー」     18〜21日:「友だちのうちはどこ?」     22〜24日:「ホームワーク」     25〜28日:「クローズ・アップ」     29〜31日:「そして人生はつづく」     2月1〜4日:「オリーブの林をぬけて」    見逃した作品を映画館でみましょう! __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆パンと裏通り☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ★★★☆☆ 70年 モノクロ 11分 □ストーリー全紹介  イランの土壁が続く路地裏。少年が平たいパンを2枚抱えて缶蹴りしながら歩い  ている。突然大きい犬が吠えかかり、驚く少年。Y字路の角までもどりしばらく様  子を見るが、犬はその場に座り込んでしまった。  行き交う羊や、ロバを引く人、自転車の人が通りすぎるが、犬の道を通る人がい  ない。待ちくたびれてあくびをする少年。後ろからは鶏や他の犬の鳴声が聞えて  いる。  そこえ老人が歩いてきた。そして、犬の方に進んでいく。ここぞとばかり、老人  にぴったしくっついていく少年。ところが、老人は犬の手前を左手に曲がって門  に消えてしまった。  とっさに少年は犬にパンをちぎって投げたら、犬がぺろり。  犬はなついて少年について行く。ところが少年が門にはいって扉を閉めると、犬  は淋しそうに座り込む。  そこへ、他の少年が大きなおわんにいっぱいのヨーグルトを持って向かってき  た。口にはつまみぐいしたらしく、ヨーグルトの白い線が。  犬が突然吠えかかる!  さて、この短篇映画は、起承転結がきれいにはいった4コマ漫画的な映画。すっ  きりして時間も適切。飽きる前にそれぞれのシーンが終わって行き、次のアク  ションにはいっていく。  BGMも適切な雰囲気を醸し出し、イラン映画には珍しく耳と目で楽しめる。  イランに行くとしょっちゅうヨーグルトを食べることになる。昼飯の前菜、夕食  の前菜に。お酒のつまみに。イスラム教ですからお酒は内緒ですが。少年はきっ  とお椀をもっていってヨーグルトを買った帰りだったのでしょう。あの驚きよう  ならひっくり返したかも。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー! 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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼