ScreenKiss Vol.122

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Vol.122

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □アメリカン・ビューティー   □太陽は、ぼくの瞳   □食神   □スウィート・アンド・ローダウン >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆アメリカン・ビューティー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     AMERICAN BEAUTY     ★★★☆☆     1999/122分     監督:サム・メンデス     脚本:アラン・ポール  決して魅力的な映画ではないし、演技のうまさを実感できる映画でもなければ、  十分楽しめるだけの要素を感じる映画でもない。なぜかアメリカではあんなに  ヒットしてしまって、オスカーまでかっさらった結果、日本でもそれにならって  流行っている。  かなりブラックユーモアがちりばめられているからそこを笑える人にとっては  ちょっとしたコメディー程度に楽しめる。また、エンディングにかけて拳銃をと  りまく数人の動きに目が離せなくなるので、最後まで集中して見れるのはよいこ  とだが、それにしてもこの手の映画で思いだすのはやはり「アイス・ストー  ム」。私にとっては先にそれを見ているので、決して2番煎じと言うわけではな  いが、そっくりだと言わなくてはなるまい。  ただ、1つ問題があり、この「アイス・ストーム」との類似性については、私の  文章よりおもしろおかしく納得できる1文が存在あった。Weeklyぴあの中で連載  している柳下毅一郎の『激殺!映画ザンマイ』で、クリスティーナ・リッチに絡  めて書かれていたのだ。だからこの場合、あえて彼に影響された文章を書くのを  やめて、  http://www.ltokyo.com/yanasita/diary/00021.html  を紹介することにとどめておこう。残念ながら彼に裏金をもらっている訳ではな  い。また、このサイトでも連載の記事が読めるわけではないのですが、日記のな  かの文章でその雰囲気が味見できるでしょう。  ちょっとだけ内容に関して付け加えると、この映画は2家族の物語。片方は都会  のストレスに耐えきれなくなり崩壊する。一方の家族はアメリカ軍人の厳格な部  分だけを持った父親が導き、同じく崩壊してしまう。  現代のストレスを描いた映画としては、たしかにつぼを押さえている。ケビン・  スペイシー演じるレスターがハンバーガー屋の店員に転職する際に言った言葉  「できるだけ責任のない仕事につきたい」や、車の中で自己暗示を掛けている妻  キャロリン。職場でストレスを感じている人にとっては、頭が痛くなるほど理解  できるブラックユーモアだ。  それしか魅力のない映画になんでこんなに人が入ってしまうのだろうか?                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆太陽は、ぼくの瞳☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     THE COLOUR OF PARADISE     ★★★★☆     1999/イラン/90分/モノラル/ビスタ     監督:マジッド・マジディ(運動靴と赤い金魚)     出演:モフセン・ラマザーニ、ホセイン・マージゥーブ     99年モントリオール国際映画祭グランプリ  目が見えない子供が主人公だと知っている我々にとって、まずオープニングでそ  れを実感する。スタッフの名前が黒い画面に緑色のペルシャ語で浮きあがる間、  子供と先生の声が流れている。盲目である事を一瞬にして観客に感化させる。  テヘランの全寮制盲学校にかようモハマド。父ラメザンは田舎で編んだキリムを  売ってわずかな稼ぎを得たり、季節労働で稼いでいるようだ。  学校が3ヶ月の夏休みになると、家族が子供を迎えに来るのだが、モハマドだけ  とり残される。遅れてやって来たラメザンは息子を引き取りたくないと先生に言  う。  テヘランからバスで1晩ゆられ、さらに山道を馬で進みようやく田舎に着く2人  は、姉バハレと妹ハニエ、おばあちゃんの待つ家に着く。カスピ海ぞいの森の中  の村で、花で染めた羊毛でキリムを織っている村だ。  この村の美しさは、イランの自然の魅力を感じさせるに十分なほど。都会ではな  く田舎の人。土壁を塗りかえるシーン、麦畑の緑、森の湿気、村の生活が彼らに  よって描かれていく。  モハマドはテヘランの学校の事を「世界の果てにある学校」と言うが、この言葉  も面白い。本当に居たい場所には居られないという、彼の気持ちを考えさせられ  る。そして、その息子の為にラメザンも自分のしたいことができないと感じてい  る。  さらに、おばあちゃんはその2人の事が答えのない人生の難題となっている。誰  もが幸せな生活を過ごしているとは言えないようす。家族の構図が次第に浮かび  あがるころ、すっかり映画の魅力にはまっていく。  父は再婚の準備をすすめるのだが、おばあちゃんの許しはまだ得られていない。  理解しあえていない母と息子は、父であり同時におばあちゃんの前では息子であ  るという人間くささがある。この時点で、モハマドよりじつは父ラメザンの感情  がこの映画の重要な位置をしめていることに気付かさせられた。  さらに、ラメザンは息子にたいして殺意すら抱いているのではないだろうかと感  じるシーンが随所に現れる。その為に感じる不安がエンディングまでつづき、緊  張感があっておもしろいし、その時のラメザンの表情は演技とは思えないほど。  ラメザンが「生まれたときから父親はいなかった」と母に対して叫ぶシーン。愛  情に恵まれなかった自分を母に訴える事で、複雑な親子関係、彼らの苦しみを間  接的に説明している。セリフは少なめだが、過剰に説明しすぎる分かりやすい映  画とは対極に、映像から想像して、頭の中で自分でストーリーを組み立てる必要  がある映画となっている。  そして、雨の日に無理をしたことで、おばあちゃんは衰弱して亡くなってしま  う。まぎわに彼女の見せる笑顔は魅力的で、この後の展開を想像させられる。婚  礼まぢかだったころのこの事件によって、「この結婚は不吉だ」として断られる  ラメザン。彼はますます追いやられていく。  この辺りの彼の演技は、今年約90本みた映画の中でもっとも上手い演技だっ  た。また、ラメザンとモハマドが並んで森を歩く全てのシーンは、ルコントの  「タンデム」(TANDEM)で感じた寂しい2人の姿と並ぶほどの表現力で、視線は  画面からはなれることができない。どことなく「テンデム」のミッシェル(ジャ  ン・ロシュフォール)に似ているラメザン。  また、この村での映像は、カメラが撮らえることのできる自然の最も美しい映像  といってもいいと思う。昨年のフランス映画祭で上映された名作「これが人生」  (C'est Quoi LaVie)の山(森)の映像にまさる映像だった。必見!「これが人  生」はロードショウ公開されていないが、超お勧め映画です。  さらに映像表現は続く。雨で水流の増した川に流される姿は、小細工なしでここ  まで迫力がだせるものかと、最近の過剰な特撮を見直す必要も感じる。  雨でできた水たまりにとりのこされたフナ、キツツキの木を打つ音、獣の遠吠  え、さらに体が引っ掛かったカメ、ロードムービーで見られるような印象深い表  現がたくみにとりいれられた映画だ。  まだ時期早々で、エンディングの内容を説明するつもりはないが、彼らの神に対  する考え方が美しく描かれる点は感動。今までのイラン映画が幼稚だと感じる人  がいれば、この映画は大人向きだから大丈夫。絶対に見に行ってください。  ちなみに、★を1つ減らした理由は、子供の描き方がファンタジーすぎて、一瞬  たじろいでしまうから。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆食神☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     1996/92分     監督:リー・リクチー&チャウ・シンチー     脚本:チャウ・シンチー     出演:チャウ・シンチー、カレン・モク  「食神」と呼ばる食通の周(チャウ・シンチー)は、その高慢さから仲間に裏切  られて没落する。落ちぶれた末、屋台の女主人、姉御(カレン・モク)に出会  い、その名も『爆裂 小便肉団子』で再び食の世界に舞い戻ろうとする。しかし、  彼を陥れたやつらは邪魔をして・・・。  カレン・モクの超不細工メイクは、気持ちが悪くなるほど。96年だから既に人気  爆発のカレン・モクが、チャウ・シンチーのおばかなコメディーに容姿をすてて  挑むあたりもすごい。  抱腹絶倒とはこの映画のことで、ちょこまかしたところにパロディーも盛り込ま  れている。  そんなことに全く気付かなくても、ビィジュアル要素だけでも十分笑えます。  日本の漫画「ミスター・味っ子」や、「料理の鉄人」のパロディーもあり、日本  人にも分かりやすい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆スウィート・アンド・ローダウン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Sweet And Lowdown     ★★★★★     1999年アメリカ/日本公開未定     監督:ウディ・アレン     出演:ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン  「近頃のウディ・アレン作品にいま一つ納得いかなかった。」「『セレブリ  ティ』にはがっかりした。」と、お嘆きの皆様、お待たせしました!久々に彼の  テイストを満喫できる映画の登場です。  1930年代に活躍した偉大なジャズ・ギタリスト、エメット・レイ(ショーン・ペ  ン)を、彼を知る人々の証言を元に回想していくスタイルなのだが、その1人とし  てウディ本人が出ているのが嬉しい。  興味があるのはギターだけ、芸のためなら女も泣かす、趣味といえば汽車がいく  のを眺めたりネズミを撃ち殺すことだったりする変わり者の役どころを、オス  カー候補にもなったショーン・ペンがコミカルに演じ好印象。(こうしてみると  本年のアカデミー主演男優賞候補はいずれも劣らぬ名演技だったことに気づかさ  れる。)デットマン・ウォーキングの時とは全く違う表情を見せている。  また、彼がナンパして同棲生活を送ることとなる口のきけない洗濯屋の娘ハティ  を演じる、これまたオスカー候補のサマンサ・モートンの表情だけの演技は見  事。いや、表情だけというより、セリフがない分歩き方、しぐさなどでハティの  人となりを巧みに表現しているのである。この2人の関係がなんとなくフェリー  ニの『道』を彷彿とさせていい感じ。もう1人の女としてユマ・サーマンがまるで  デートリッヒを思わせるエレガントないでたちで登場するのも見所。  また所々に過去のウディ作品で見たような場面が登場するのがご愛嬌。雰囲気的  には『ブロードウェイのダニーローズ』に近い気がするが、ハティの住まいが  ジェット・コースターのふもとだったり、あれ、これって・・・と思える場面が  多々登場。これは彼のファンへの目配せですかね。  せつないラストが泣かせるし、演技も音楽も素晴らしい。サントラは必聴です。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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