ScreenKiss Vol.125

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □if (tokyo interdependent film forum)   □中川信夫特集   □地中海映画祭   □ハンギング・アップ   □突然炎のごとく >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆if (tokyo interdependent film forum)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  世界のインデペント映画の紹介を行うifの次回予定です。ScreenKissは全面的  にifをバックアップいたします。 ■ハイデーマリー・ゼブラドニック監督作品(オーストリア)  「STIEGEN」(25分)  「SCHATTEN DER OBJEKTE」(5分) ■アーロン・ウールフォーク監督作品(アメリカ)  「EKI」(13分)  「KUROI HITSUJI」(25分)  各監督パネル参加  司会:クラリッサ・カール  会場:赤坂区民ホール(最寄り駅:青山一丁目駅)     港区赤坂4-18-13 Tel: 03-5413-2711  日程:2000年6月17日(土)     18:30 開場     19:00 上映会  入場無料 ■ラウンジパーティー  BULLET'S(港区西麻布1-7-11, Tel.: 03-3401-4844)  (夜9時から朝5時まで)  入場料:1000円  ライブ:PHAT      AMRTA MAGENTA  DJs:Shinichiro Hirata, Qupe, Kia, Takaharu, Kimken, Meg-B & Harry  協力:オーストリア大使館、Church Records __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆中川信夫特集☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   中川信夫〜怪奇との戯れ、死の幻影(イリュージョン)〜  昨年は没後15年、今年、生誕95年を迎える中川信夫監督。代表作『東海道四谷怪  談』を始め、怪談、恐怖映画の先駆け的存在の、この監督の特集上映が行われ  る。  『リング』『CURE』等の新しい恐怖映画の波に伴い、彼の作品への熱狂的な再評  価と、劇場でほとんど見る機会のなかった“幻の作品”への上映希望の声から生  まれた、貴重な特集といえる。期間中はゲストによるトークショーも予定。  期間中に迎える6月17日の監督の命日は、酒と豆腐を愛した彼に因み「酒豆忌」と  名付け、偲ぶ会も催される。  【酒豆忌】(中川信夫監督を偲ぶ会)   日時:2000年6月17日(土)12:00~17:00(出入り自由)   場所:JR大森駅東口西友大森店5F バンケットホール(劇場と同じフロア)   会費:1,000円  ■上映期間:5月27日(土)〜6月23日(金)   キネカ大森(03-3762-6000)   http://www.bitters.co.jp/  ■上映作品(9作品)   『エノケンのとび助冒険旅行』   1949年/81min/スタンダード・モノクロ   出演:榎本健一、ダイゴ幸江   『怪談 累が渕』    1957年/62min/スタンダード・モノクロ   出演:若杉嘉津子、丹波哲郎、北沢典子、和田孝、花岡菊子、横山運平   6/18(日)上映後トークショー   鈴木清順(映画監督)x桂千穂(脚本家)   『亡霊怪猫屋敷』   1958年/69min/大シネスコ・パートカラー*ニュープリント   出演:細川俊夫、北沢典子、中村竜三郎、江島由里子   『憲兵と亡霊』   1958年/75min/新東宝スコープ・モノクロ   出演:天知茂、久保菜穂子、中山昭二、三原葉子   『女吸血鬼』   1959年/86min/新東宝スコープ・モノクロ*ニュープリント   出演:三原葉子、天知茂、池内淳子、和田桂之助   『東海道四谷怪談』   1959年/76min/新東宝スコープ・カラー   出演:天知茂、若杉嘉津子、江見俊太郎、北沢典子、池内純子、      大友純、花岡菊子   5/28(日)上映後トークショー   江見俊太郎(出演俳優)x聞き手:宇田川幸洋(映画評論家)   6/17(土)上映後トークショー   渡辺宙明(『怪談累が渕』『亡霊猫屋敷』『東海道四谷怪談』音楽)   『地獄』   1960年/101min/新東宝スコープ・カラー*ニュープリント   出演:天知茂、沼田曜一、三ツ矢歌子、大友純、山下明子、中村虎彦、      宮田文子   5/27(土)上映後トークショー   沼田曜一(出演俳優)x宮川一郎(脚本)   『怪談蛇女』   1968年/85min/ワイド・カラー*ニュープリント   出演:河津清三郎、賀川雪江、山城新伍、西村晃、月丘千秋、丹波哲朗   『怪異談 生きてゐる小平次』   1982年/78min/スタンダード・カラー   出演:藤間文彦 、石橋正次、宮下順子  タイトルだけでも、おどろおどろしい感じのするラインナップ。所謂ホラー、ス  プラッターには極端に弱い私が、勇気をもって見てきたのは、代表作の『地  獄』。とりあえず、「怪」とか「霊」とかいう字の含まれていない作品を選んだ  のだ。  大学生の田村が、友人の清水を同乗中、轢き逃げをする。以降、清水の周囲では  親や、フィアンセとその両親、轢き逃げの犠牲者の家族等、そして最後には自分  も全て死んでしまい、地獄に落ちるが・・・というゲーテの『ファウスト』を翻  案した作品。  ・・これから怖いぞ〜、と内心びくびくものだったが、オープニングクレジット  にヌードの女性が配されていたり、女性を撮る際のカメラアングルがやけに足元  からだったり、と随分と色っぽいのに吃驚してしまった。  地獄のイメージと言えば黒澤監督の『夢』や、R.ウィリアムズが出演していた  『奇跡の輝き』、コミカルなW.アレンの『地球は女で回っている』、果てはJ.レ  ノの某飲料メーカーCMまで様々だが、この作品では古典的な地獄風景が描かれて  いて面白い。それでいて、田村の共犯になる事で彼に「魂を売ってしまった」清  水を描く事で、見事に『ファウスト』的な要素を結び付けている。  しかし内容的には、今見ても決して古臭くない。肝心な?地獄のお仕置きシーン  は、当時としては革新的かもしれない撮影を用いたり、鬼らしき人のメークが京  劇のようだったり、とあまり「痛そう」でなくてほっとした。  赤いパラソル、赤い服、そして赤い血・・・と「生」の舞台での生々しさを強調  する事で、かえって地獄の静謐な部分が際立っている。後半、清水の故郷で登場  する、しつこいまでの汽車の往来シーンは、線路自体がこちらと彼岸の境目・・  つまり現世の三途の川・・を表現しているのだろうか。  全員に罪があり、登場人物全てが死んでしまう、というラストはまるでハムレッ  トのようだ。(こうして見ると、地獄に落ちない人間なんていないんじゃないか  と思える。それにしても、何故全員死亡時刻が午後9:00なのだろう)  出演者には物故者が多いし、注意して見てると「ふみきりちうい」とか、今でい  うところのラブホテルらしきところの料金が「休憩400円、宿泊700円」などと書  かれていたりして、時代を感じるのも面白いだろう。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆地中海映画祭☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  5/19(金)〜6/4(日)まで、赤坂の国際交流基金フォーラム(赤坂ツインタワー  ビル)にて『地中海映画祭』が開催されている。(関連:Vol.116)  今回の映画祭は「地中海」で繋がるという共通点でまとめた、非常に珍しい試み  だ。地中海に面した国々の中から、「日本での上映があまりない」「その国での  話題作」「なるべく日本では初めて紹介される、若手監督作品」の3点に焦点を  当てて選択したそうだ。  期間中は12カ国、24作品の上映と、7人の監督と映画研究者の計8人が来日し、舞  台挨拶、ティーチ・イン、シンポジウムなどが行われる。  なお、来日ゲスト等の変更、登壇予定の確認は以下にて確認頂きたい。  http://www.jpf.go.jp/  また、この映画祭は、今回の東京を皮切りにこの後3年間、全国の公共施設等を  巡回の予定。現在のところは、上越、大分、広島、萩などでの上映が決定してい  る。会場と35mm上映可能な設備、等の条件が揃えば、貸し出しは可能なので、興  味を持たれた方は是非、以下で確認の上、問い合わせを。  http://www.acejapan.or.jp □記者会見 ■池澤夏樹:作家  以前、ギリシャに住んだこともあり、テオ・アンゲロプロス監督作品の字幕は全  て担当した。今回の映画祭は「地中海」を中心に据えたところがとてもユニー  ク。ヨーロッパ、南欧、東欧等、違う文化圏を結び付けているのが「地中海」で  あるわけだが、多様性とともに、これらの国々の共通性もあるように思える。  現在居住している沖縄では、ほとんどがアメリカ映画だが、この映画祭での作品  はこうしたアメリカ映画にない「人間を感じられる映画」が多く、とても楽しみ  だと思う。 ■とちぎあきら:映画研究者、東京国立近代美術館フィルムセンター客員研究員  作品選定に協力し、現地へも赴いてきた。「地中海映画祭」と言っても地中海が  映画に出てくるわけではないが、今回の選定に当たり、出来るだけ新しい作品  で、かつ、若手、という根幹の基準に以下の点を加味して考えた。  1)トルコ、エジプト、ギリシャ等の伝統的に映画産業がなりたってきていた  国々に関しては、逆にその伝統的な流れから少しはずれた、日本で言えば「イン  ディペンデント」系の若手の作品を選んでみた。  2)テュニジア、モロッコ等、あまり映画産業が盛んでない国に関しては、逆に  とてもナショナルシネマというか、特徴のある作品を選んだ。  3)アルジェリア、レバノン、シリア等、制作本数が極端に少ない国に関しては  「この作品は是非!」と思えるものを選んだ。  とちぎ氏にはパーティで、色々と質問してみました。  作品選定の為の現地への取材は昨年で、トルコ、ギリシャ、テュニジア、モロッ  コ、シリアを各3日の滞在という強行スケジュールだったそうだ。移動時間を考  えると各国2日間で約10本の映画を見たという。文化庁等の協力で効率よく見た  というが、かなりタイトだ。  シリアは国内で上映される作品はほとんどがインド、香港、エジプトの娯楽作品  で、自国の作品は年間2〜4本ほどの製作しかされておらず、大体がアート系作  品として未公開になる場合も多いのだそうだ。  娯楽作品のヒットは自国の映画も多い、トルコやモロッコでも同様で、トルコで  はマフィア、モロッコではコメディがヒットしている。しかし、モロッコは一方  で1999年のベルリン映画祭で特集が組まれたり、テュニジアでも『ある歌い女の  思い出』のムフィーダ・トゥラートリ監督が新作を今年のカンヌに出品していた  り、と世界でも注目されてきている。  アルジェリア、エジプトに関してはビデオで選んだ。アルジェリアは3本、エジ  プトは若手、新しい製作年のものから5〜6本の中からチョイスした。  作品選びの旅を「いや〜楽しかったですよ」と仰るとちぎ氏も、この様子ではか  なりのハードスケジュールだったことだろう、と思った。 ■ジアド・ドゥエリ監督:Ziad Douelri/レバノン『西ベイルート』  内戦の為1984年から渡米し、タランティーノ、ロドリゲス監督等の撮影助手をし  てきたという監督は、英語で語ってくれました。  今回はこの作品の為に数年ぶりに帰国してみた。改めて中東に魅力を感じたが、  同時にアメリカ人にはこの世界は到底理解されないだろうと思った。そこで、こ  の脚本を誰に向けて発信するか、と考えた時、ヨーロッパ人よりむしろアメリカ  人の為に書こうと思った。これが、今回の作品を撮ろうとしたシンプルな動機と  なった。  映画製作に関しては、内戦の勃発(1975)で全て中断されてしまった。内戦終了  後、今は経済的にも大分回復してきてはいるが、やはり製作費の捻出が困難で、  大抵は海外にその資金援助を求めている。自分は在住している事から、米国へ援  助を求めたが、アメリカ以外の国の映画に資金を出す筈もなく、結局フランスに  求めた。 ■アブドルラティフ・アブルハミド監督  :Abdullatig Abdulhamid/シリア『魂のそよ風』  モスクワ国立映画学校出身の監督は、その長編処女作『ジャッカルの夜』は1992  年の「中近東映画祭」で日本に紹介された。ダマスカスの映画総局に勤務。  シリアでは、映画製作に関わる唯一の期間は「国」。1年に2〜2.5位。民間の製  作もあるにはあるが、大体がビデオか、TV関係。機材等は整っていても、資金の  面が困難と言える。  日本映画は商業的、伝統的映画の2つのジャンルが紹介されているが、ダマスカ  スでは映画祭などで、「映画週間」としてまとまって日本映画を見られる機会が  ある。  今迄ドキュメンタリー2本と、長編4本を製作し、日本の映画祭から声がかかっ  た事もあったのに、来日が果たせなかったので、今回の上映で日本の観客の反応  が楽しみ・・・と言う監督。初来日という事で日本の印象を尋ねてみたら「経済  的、社会的にも洗練された国。人的な被害があっても負けない、日本人のポジ  ティブな所が好き」なのだそうです。(どこを見ての感想なんだろうか?)  この作品はシリア国内でも大ヒットしたもので、観客は特に女性。中にはリピー  トの人もいたそう。ひとことで言えば「愛のなかった時代の愛の映画」。女性  ファンもさぞかし多いことでしょうね?聞くと、「大勢いすぎて困ってしまう。  もうここでも日本人の女性ファンが出来てしまったしね」・・・と、ちょっとお  茶目な親しみの感じられる雰囲気の方でした。 ■モハメッド・シュウイック監督  :Mohamed Chouikh/アルジェリア『砂漠の箱舟』  アルジェリア国立劇場の設立者。舞台、俳優としての活動後、TV、劇映画の監督  に。髪の毛はシルバーグレーながら、なかなかダンディな雰囲気の漂う方でし  た。  アルジェリアではこの10年間程、辛い時代を経験している。それで、この時代を  「血の時代」と呼んでいるが、この映画はそうした時代につくられた。  日本でアルジェリア映画が紹介されるのは、今回が初めてではないかと思うが、  この機会に是非、地中海文化について知って欲しいと思う。  日本映画は商業的な映画(空手とか忍者を扱ったもの。アルジェリア警察は覆面  をしていることろから、「忍者」は日常語として定着しつつあるのだとか)と伝  統的な作品が紹介されている。  以前は年間5〜6本はモロッコ等と共に共同製作なども行われ、作品は海外でも  受賞しているものの、現在は国の期間による製作で、やはり資金の点で今は難し  い。社会主義国とはいえ、検閲はなく、表現の自由があるが、製作費がないの  で、主にヨーロッパの国々に援助を求めている状況。  以前アンナバで「地中海映画祭」を開催した事があるが、長続きしなかった。し  かし、こうした映画祭ではカルタゴ映画祭が1番大規模かもしれない。自分自身  は子供向け映画の映画祭で審査員をしている。 ■ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督:Nuri Bilge Ceylan/トルコ『五月の雲』  大学では電気工学を学んだものの、電気技士としては1度も働いた事のない、イ  スタンブール生まれの41歳・・・という自己紹介でした。大学の授業では専ら写  真に興味を持ち、フィルムの世界に入ってしまったのだそうです。  長編第1作『カサバ-町』(1998年)はベルリン映画祭、東京国際映画祭でも高い  評価を得た。今回の作品はこの『カサバ-町』の撮影シーンといったところ。今回  も両親、旧友、親戚などが出演している。  あとで、短時間お話する機会があり、少し質問をしてみました。それによると、  来日2回目の印象は「人々は親切だし、街も奇麗」、好きな日本の監督は小津と  たけし。たけしには、東京国際映画祭で会ったそうで、才能がある、と。小津作  品はトルコでも劇場公開しているそうです。  そして、スクリーンキスの概要をお話して、読者の皆さんに何かメッセージを、  とお願いしたところ、「アメリカ映画の波及によって、毒されないでください」  との事でした。  バックパックを背負ったまま、うろうろしている...という印象が強かった監  督ですが、流暢な英語を操るなかなかハンサムな方でした。  もし、彼の作品(『カサバ』も含めて)について何か質問されたい方、監督に質  問がある方がありましたら、是非映画祭終了後にでもスクリーンキス宛にメッ  セージを送ってください。筆者の方で確実に監督にコンタクトを取ります。 ■ゼキ・デミルクブズ監督:Zeki Demirkubuz/トルコ『第三のページ』  『群れ』等で知られるゼキ・オクテン監督の助監督を経て、長編2作目の『イノ  センス』が多くの映画祭で上映され、注目された。  小柄で濃い?顔立の監督、何度も国際交流基金への感謝を述べて、何とも控えめ  な感じの方でありました。  日本映画では小津、黒澤がご贔屓。特に小津作品は人道、人道精神に富み『東京  物語』では、言語や形、色を超したものだと思ったそう。  スケジュールの都合で前半には以上の5人の監督が来日。後半は2人の監督(ユ  スリー・ナスラッラー/エジプト、フェリッド・ブーゲディール/テュニジア)  と映画研究者のマグダ・ワセフが来日の予定。  それにしても、地中海という括りにすると何とたくさんの国々があることか!地  理を頭に描くだけでも精一杯のところ、各監督のお名前とご出身を一致させるの  がこれまたえらく大変でした。そして、パーティなどでは「英語が通じるのだろ  うか?」とこわごわ?接近してみたり、なかなかドキドキ、ハラハラの瞬間でし  た。  なかなか見る機会が少ない国の作品もあるので、是非この期間に見てみてくださ  い。今回の上映作品で公開が決定しているのは1作品だけなのも残念なところで  す。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ハンギング・アップ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Hanging Up     ★★★☆☆     2000年/アメリカ(日本公開未定)     監督:ダイアン・キートン     出演:メグ・ライアン、ウォルター・マッソー  メグ・ライアン主演でコメディーと言うとついラブ・ロマンスを想像しがちだが  これは珍しく姉妹と父親の関係を描いたもの。しかも父親の介護といったシリア  スなテーマも含んでいる。  イベント・プランナーのイヴ(ライアン)は仕事と家庭を両立させ、ごく普通に  暮らしていたがある日、母親と離婚した身勝手な父親が病で倒れる。しかし雑誌  の編集長でカリスマ的なキャリア・ウーマンである姉ジョージア(ダイアン・  キートン)やソープ・オペラの端役を務める妹(リサ・クードロー)はちっとも  協力してくれない。ワガママな人達の電話攻撃に苦しめられるイヴは父との関係  を思い出し・・・  まず、キャスティングがいい。それぞれ性格の違う3人姉妹を演じる女優達がま  さにハマリ役といった感じなのでウソ臭い感じがしない。また父親役のウォル  ター・マッソーは出番こそ少ないが貫禄充分といった感じで甘口になりがちな女  性映画のスパイス代わりになっている。彼レベルになるといるだけで映画が引き  締まる。  ただ残念なのはメグのチャーム・ポイントとも言える笑顔のシーンよりもヒステ  リックに怒鳴るような場面が多かったこと。彼女ってキツイ台詞が本当に似合わ  ない。のほほん茶ですからね、なにせ。またラストにかけて急に子供の頃の回想  シーンとかお涙頂戴のエピソードをテンコ盛にするのはちょっと安直過ぎる気  が・・・(でも泣かずにはいられないのだが。)  ただやはり、センス抜群のキートンが監督・出演しただけに家のインテリアや  ファッションはすぐにでも真似したくなるものばかり。特にメグが犬と戯れる  シーンの白のタンクトップにドローストリングのパンツの組み合わせはこれから  の季節にピッタリ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆突然炎のごとく☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Jules et Jim     1961/フランス/108分/白黒     監督・脚本:フランソワ・トリュフォー     出演:ジャンヌ・モロー、オスカー・ウェルナー、アンリ・セール  ヌーヴェル・ヴァーグ特集と名うって連載してきたが、5回目にあたる今回で  ヌーヴェル・ヴァーグの紹介は終えようと思う。5回目は、最後を飾るに相応し  い監督フランソワ・トリュフォーの『突然炎のごとく』。以下、本文に続く。  時代は第1次世界大戦前。パリを舞台にオーストリア人ジュール(オスカー・  ウェルナー)とフランス人ジム(アンリ・セール)が知り合う。互いに芸術愛好  家だった事から親友になる。やがて2人はカトリーヌ(ジャンヌ・モロー)とい  う女性に出会い魅了される。後にジュールはカトリーヌに結婚を申し込み、2人  で祖国に戻り新婚生活を始める。そんな折、戦争が勃発しジュールとジムは祖国  の軍隊に動員される。やがて戦争も終わり無事帰還した2人は再び連絡を取り合  う。数年ぶりにカトリーヌとジュールを訪ねるジムだが、カトリーヌとジュール  の間に溝があるのを感じる。ある日、ジムはジュールからカトリーヌと結婚して  くれと頼まれる。ジムを交えての3人の同棲生活が始まる。  この作品は話もいいが、何と言ってもジャンヌ・モローのコケティッシュな魅力  に尽きると思う。トリュフォーの繊細な演出と巧く絡み合って美しく輝いてい  る。  『突然炎のごとく』はトリュフォーの長篇第3作目にあたる。トリュフォーは  「第3作というのは、本当にこの道に踏み出す第1歩というべきもの」と言い、  この作品を作るのが夢だったとも語っている。この作品には原作があり、アン  リ・ピエール・ロシェが1953年に発表した『ジュールとジム』がそれである。原  作者ロシェは出版当時すでに70歳を過ぎていた。ロシェは生涯に2冊の小説を発  表したが、もう1つは2年後に出された『二人の英国女性と大陸』というタイト  ルであり、トリュフォーが後に『恋のエチュード』というタイトルで映画化して  いる。  最後に、ScreenKiss第117号でご紹介した『女と男のいる舗道』の劇中に、今回ご  紹介した『突然炎のごとく』が出てきています。どこだったか覚えていますか?                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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