ScreenKiss Vol.138

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Vol.138

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ジャン=ジャック ・ベネックス監督記者会見   □犯罪の風景   □グラディエーター   □袋小路 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ジャン=ジャック ・ベネックス監督記者会見☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  『IP5』から8年。ジャン=ジャック ・ベネックス監督の新作長編が、つい1ヶ  月前に完成した。日本での公開は来年だが、「今年でフランス映画祭も8回目。  この8年間、自分の作品を持って来られなかったのが辛かった」という監督、  「数分間とはいえ、今回は初めての劇場上映。これを、今迄私の作品を支持し続  けてくれた、日本の観客へのプレゼントとしたい」。  記者会見の後、フランス代表団の舞台挨拶に先立って、数分間のプロモーション  上映が行われた。   モータル・トランスファー   MORTAL TRANSFER   監督:ジャン=ジャック ・ベネックス   出演:ジャン=ユーグ ・アングラード、エレーヌ・ドゥ・フジュロール  精神分析医のデューランドは仕事にも人生にも退屈している。そこへ、神秘的で  セクシーな患者、オルガがやってくる。清純な見かけと反対に、窃盗癖と奇妙な  愛の交わし方を持っていた。夫はうんざりする程の金持ちだ。そして、デューラ  ンドが目覚めた時・・オルガはカウチで死んでいた。すべては、ここから始まっ  た・・・。  『DIVA』のような不思議が色合いに、『ロスト・チルドレン』のような近未来的  感覚。それにブラックなユーモアが加わって、つい、先が見たくなるようなプロ  モーションビデオだった。今回の作品のジャンルは、ある意味では「エロティッ  クなコメディ」という。  「人が笑うという事は、自分の作品を好きで笑っている、という確信が持てるの  でコメディが好き。もし、これがシリアスなものだったら、観客の顔つきから  は、退屈なのか、感動しているのか読み取りにくい。それに、人間、ある程度の  年齢になると、笑う事が大切になってくる」・・・と言うベースの上に分析医を  登場させて「不思議な世界に引き込まれる精神分析医のポートレートが描きた  かった」そう。  原作はジャン=ピエール・カテニオンの同名小説。ピュアな外見ながら「死」の  象徴である女性と、外見と裏腹に「生」を意味する女性、という対立した2人の  存在が面白い。  今回は『ベティ・ブルー』以来2度目となる、ジャン=ユーグ ・アングラードと  の仕事については、丁度F・トリュフォーとJ・Pレオーの関係に似ている。ジャン  =ユーグ ・アングラードの中に監督自身を見い出しているし、性格の面も似てい  る。シンプルで寛大、そして情熱的なジャン=ユーグと、同様に尊大な人を嫌う  監督はいいコンビのようだ。  通常は主役に同じ俳優は起用しない、という監督。「同じ人と同じ情熱を持てる  かというと、困難なのと一緒。だが、彼に関しては例外」なんだとか。  カンヌで初めてこの作品に触れてすっかり虜になった、配給会社、アミューズの  宮下社長は心底嬉しそうだった。来年の公開が待ち遠しいものだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆犯罪の風景☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     SCENES DE CRIME      2000年/100min/カラー     監督:フレデリック ・ シェンデルフェール     出演:シャルル ・ベルリング、アンドレ・デュソリエ     第8回フランス映画祭横浜  友人との待ち合わせに行ったままマリ−は失踪し、数日後死体となって発見され  た。ここ数年に亘って発生している若者・・とりわけブロンドの美人・・の殺人  事件の一環らしい。被害者は頭部と手首を切断されている。この事件に挑むの  は、ファビアンとゴメズの2人の刑事。苛酷な仕事と、家庭の崩壊から急死して  しまったゴメズの後、一人犯人を追い詰めたファビアンは・・・。  ゲストは監督の、フレデリック ・ シェンデルフェール、製作のエリック・ネ  ヴェ。監督の実父は『317小隊』等のピエール・シェンデルフィール監督。クライ  ムストーリーを得意とした父のアシスタントをしていたが、今回が初の長編劇映  画という。  連続失踪、殺人、という内容は実際の事件に酷似しており、とてもリアルなス  トーリーらしい。首なし死体の検死シーンも結構リアルで、「つくりもの」と分  かっていてもちょっと腰がひけた。が、それに伴うP・コーンウェルの「検死官」  シリーズを彷佛とさせるような科学捜査のシーンは、なかなか興味深い。  残酷、凄惨な事件と、その担当刑事達の私生活。被害者の家族同様、刑事も犯人  のある意味、犠牲者といえるのかもしれない。呆気なく迎えるゴメズの死は、監  督に言わせれば「観客に衝撃を与える事で一つの感動を生む」という事から仕組  まれた演出だそうだ。  アメリカの「サムの息子」的事件を扱いながら、この作品には「ありがちな」派  手な演出がなく、事件を淡々と辿る事で、より身近な恐怖が感じられる。殺人を  している犯人も、一見ごく普通の男だし、その動機も明確には明かされぬままラ  ストシーンを迎える。  観客は何とはなしに結末の居心地の悪さを残したまま、劇場の暗闇に放り出され  るような気分を味わうだろう。そうなったら、監督の術中にはまった証拠だ。こ  れこそが、現代の「闇」の部分の感覚なのかもしれない。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆グラディエーター☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Gladiator     2000年/アメリカ/155分/シネスコ     監督:リドリー・スコット     撮影:ジョン・マシスン     出演:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス  古代ローマを舞台に展開されるスケールの大きい作品。出だしから戦闘シーンで  始まるのだが、ここが映画の山場だと言ってもいいくらいのシーンである。  数々の映画で戦闘シーンがある中において、このシーンでのスケールの大きさ  (CGを使ってはいるだろう)はもちろんのこと、特に目を引いたのが戦闘をして  いる場面での映像。やや駒落し気味の映像(これは主にキャメラのシャッター開  角度を45°にして撮影)がテンポのいい編集によって迫力のある素晴らしい映像  として結実している。  それにしても、このように戦闘場面を表現したリドリー・スコットには恐れ入り  ましたの一言。と同時に、この人ほどビジュアル感覚の優れた監督はいないと思  う。まさにこの映像は私にとって新鮮でした。  しかしCGに関しては、映像に溶け込んでるシーンとそうでないシーンがあり、こ  の辺りの使い方には少々残念な部分があった。最近の映画全般に言えるのだが、  CGの使い方にはもう少し慎重になってほしい気がする。  で、肝心のストーリーはというと実にストレートで分かりやすい。だから話自体  に深い部分はなく、そういう意味ではハリウッド娯楽そのもの。その点で先が読  めるだけに、逆に個人的には少々物足りなさも。そして最近のハリウッド作品に  多い、2時間を超える155分。しかし、よくまとまった十分楽しめる作品である。                                   ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆袋小路☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Cul-De-Sac     1966/フランス/113分/白黒     監督・脚本:ロマン・ポランスキー     出演:ドナルド・プレザンス、フランソワーズ・ドルレアック、        ライオネル・スタンダー     1966年ベルリン映画祭金熊賞  ロマン・ポランスキー特集の3回目は、カトリーヌ・ドヌーヴの実姉のフランソ  ワーズ・ドルレアックが出演した『袋小路』。以下、本文に続く。  古城に住む1組の夫婦の元に逃亡中のギャングがやってくる。強引なギャングの  態度にびくつき何も言えない夫。かたや言い返す妻。ギャングは住み込んで仲間  の助けを待つが、来るのは夫婦の知り合いばかり。勝手気ままに振舞うギャング  に憤りをおぼえ、夫婦はスキをみて銃を奪う計画を立てる。  全篇に渡り夫婦の住む古城を舞台に物語は進行して行く。古城に住みながら鶏を  飼育しているアンバランスさや登場人物の変わった風貌に、ポランスキーらしさ  を垣間見れる。  ヌーヴェル・ヴァーグ同様、ポランスキーの作品には長回し撮影が随所に見られ  ると以前お話したが、この作品は今までよりも長い時間ワンカットで撮られてい  る箇所があった。浜辺でギャングが定期便を見て仲間が来たと勘違いするシーン  は、なんと7分間もの間ワンカットで撮られていた。  冒頭にも述べたが、フランソワーズ・ドルレアックはカトリーヌ・ドヌーヴの実  姉であり、1967年にジャック・ドゥミ(ヌーヴェル・ヴァーグのセーヌ左岸派の  1人で、第113号で取り上げたアニエス・ヴァルダの夫)が監督した『ロシュ  フォールの恋人たち』で姉妹共演を果たしている。しかし、同年交通事故により  25歳の若さで夭折している。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼