ScreenKiss Vol.157

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Vol.157

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ロンドン映画情報   □パーフェクトストーム   □最後通告   □カサブランカ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ロンドン映画情報<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Sweet and Lowdown     1999/アメリカ/95分     監督:ウッディ・アレン     出演:ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン  ウッディ・アレンの新作は、'30年代、まさに「ジャズ・エイジ」を舞台に、自惚  れ強く、でも天才肌のジャズ・ギタリストRay(ショーン・ペン)と、彼を優しく  情熱的に愛する口の聞けない女の子Hattieについての物語である。  ウッディ・アレンがジャズ好きであることはつとに有名だが(彼のジャズ・バン  ドのツアーについてのドキュメンタリー「ワイルドマン・ブルース」も現在ロン  ドンで限定公開されている)、この作品からは彼のジャズに対する「熱い」とい  うよりは「あたたかな」愛情が感じられる。  物語の所々に、ジャズ・ファンがRayの人となりをインタヴュー形式で語るシーン  が挿入されており、ウッディ・アレンも「本人役」として出演している。  公開に合わせてロンドン入りしたアレン監督。テレビのトーク・ショーにも出演  しプロモーションに励んでいた。彼の作品は皮肉屋のイギリス人にとても人気が  あり、この作品のレビューもべた褒めしたものばかりだったが、その評判を全く  裏切らない、彼の数ある「傑作」のひとつになるであろう作品である。  ショーン・ペン(主演男優賞)とサマンサ・モートン(助演女優賞)が共に今年  のオスカーにノミネートされたが、ショーン・ペンの演技は「円熟」という言葉  が相応しい。今まで見たどの彼とも違う彼であり、そしてとびきり魅力的な一面  を惜しげなく見せてくれる。彼が只者ではないことは既に証明済みであるが、今  回は「こんな手も持っていたのか!」と、その懐の深さに驚かされた。  サマンサ・モートンも只者ではない。日本ではまだ露出が少ない彼女だが、昨年  からイギリスでは立て続けに出演作が公開されている。  この作品ではあどけなさを残した可憐な演技が光っており、その愛らしさは「天  然」なのかと思いきや、現在イギリス公開中の「Jesus's Son」を見て、彼女が変  化(へんげ)可能な「本物」であることを確信した。昨年秋公開の「Dreaming of  Joseph Lees」辺りから注目され始めた。  美人、というよりはキュートな彼女だが、日本人受けする顔であることは確か。  細い体に爆発力を秘めた女優である。まだ22歳だが、俳優Charlie Creed-Milesと  の間に一女をもうけている。今後期待の注目株。                                 hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆パーフェクトストーム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     THE PERFECT STORM     ★★★☆☆     2000/130分/シネスコ     監督:ウォルフガング・ペーターゼン     出演:ジョージ・クルーニー、マーク・ウォールバーグ、        ダイアン・レイン     http://www.warnerbros.co.jp/movie  貴方も私のように船や海が嫌いになるかもしれません。本当にあんな嵐や波があ  るのでしょうか。  サラウンドEXのおかげで前後左右から嵐の音が響き渡り、それなりに臨場感を感  じますが、もっと背後と左右のスピーカーの音量をあげてほしい。画面は前方に  あるから正面から音が聞えるのが自然なのでしょうが、もしあの場面にいれば360  度同じ音量で聞えるはずでしょ。だから白々しくても後ろの波音を大きくした  り、船が左右揺れる度に音も揺らしてくれればさらに臨場感がでると思います  よ。  この映画にはそんな楽しみしか残っていない。  最近は魚の地位もすっかり上がってしまい、映画撮影においてもなかなか無様な  姿をさらすことがなくなりました。この映画もせっかくカジキマグロを釣り上げ  てもなんだか魚の臭いがしてこない。撮影にも問題があるのでしょうが、臨場感  がたりない船上のシーンには不満を感じます。  さらにチンプなセリフは「いいかげんにして早く嵐よ、来い!」といいたくな  る。犠牲者の方には失礼な感情ですが。それでも、この映画はそういう風に作ら  れていますよ。  海水の湿気を感じることもなく、単に波にもまれる姿が印象的な映画ですし、  ヨットの3人とヘリコプターの救助隊の印象が強く、漁船の6人は中途半端。嵐  に突っ込む前に船上で並んでいるシーンが印象に残る程度でした。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆最後通告☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     VOLLMOND     ★★★★☆     1998/スイス/ヴィスタ/124分     監督:フレディ・M・ムーラー     出演:ハンスペーター・ミューラー、リロ・バウアー     1998年モントリオール映画祭グランプリ  不思議な雰囲気がただよう映画。月明かりやスイス山岳地帯の美しい映像の中  に、幻想的なストーリーを組み込んだ映画はまるで童話のよう。さすがモントリ  オール映画祭と言いたくなるほど渋いグランプリ作品です。  大袈裟にならない程度に誇張された登場人物は一人一人普通の大人で、彼らの仕  事部屋の電話や机回りのインテリアには本人の性格が表されているよう。  12件の共通点は家庭内問題。夫婦の問題といってもよいのでしょう。子供が家  に帰りたくなくなるような両親が子供達を子供の世界に追いやってしまったので  しょうか。子供にとっての親とは?子供の世界と大人の世界の違いとは?そんな  ことを理解しようとしない不器用な大人達が描かれますが、それが現実なので  しょう。  自然の迫力と自然の中に異様な姿でそびえたつ人工的な建築物は、この物語の主  題の一つになっていると考えられるでしょう。  ライブTVという存在が大人をいじめる大人として描かれ、同時に観客を多少イラ  イラさせることで飽きさせない。  動物園のゴリラを見ながら、「檻の中の動物がかわいそう」という少女に、「え  さを与える人の物」と言い放つ父親。それに対して少女は「私は母親の物だね」  と。この会話にこの不思議な映画の鍵が隠されているようです。一緒に旅立つこ  とのできなかった少女エミがかわいそうでした。  この映画には具体的に言葉で指摘される問題提起が見当たらないし、明確な答え  も用意されていない。あくまでも見る人が感じ取っていく映画だから、個人差が  生じるかもしれないですが、問題の存在すら忘れてしまった大人達へ、その問題  の存在を訴える映画でした。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆カサブランカ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Casablanca     1942/アメリカ/103分/白黒     監督:マイケル・カーティス     出演:ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、        ポール・ヘンリード、クロード・レインズ、        ドゥーリー・ウィルソン、コンラート・ファイト     1943年度アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞  ボギー特集の最後を飾るのは名作『カサブランカ』。始めにハードボイルド作品  に限定して紹介すると話したが、どうしても外す事が出来なかった為変更させて  頂く。未だにアメリカをはじめ世界各国で愛されている作品で、ファンが選ぶ映  画投票では必ずと言っていいほど1位に推される。余談ではあるが、個人的にも  「好きな人と一緒に観たい映画は?」と聞かれたら真っ先に『カサブランカ』と  答えるほどのお気に入りである。以下、本文に続く。  第2次世界大戦の最中、フランス領モロッコのカサブランカには戦乱のヨーロッ  パを離れアメリカへ渡ろうとする人々で溢れかえっていた。その地でカフェを営  むアメリカ人リック(ボギー)のもとに、ナチスの強制収容所から逃れてきたレ  ジスタンスの闘士ヴィクター・ラズロ(P・ヘンリード)とその妻イルザ(I・  バーグマン)が、アメリカへの通行許可証を手に入れる為やって来る。再会し互  いに驚くリックとイルザ。なぜなら、リックとイルザはかつてパリで愛し合った  仲であった。専属ピアニストのサム(D・ウィルソン)の弾く思い出の曲“As  Time Goes By”が流れる中、2人の愛は再燃する。  ボギーのかっこよさやバーグマンの美しさ、ストーリーは勿論の事、この作品が  未だに支持を受けてる要因の1つにセリフや音楽のおしゃれさを挙げる事が出来  ると思う。「君の瞳に乾杯」や昨夜はどこに?と聞かれて「そんな昔の事は覚え  ちゃいない」と言い、今夜は?と聞かれ「そんな先の事は解らない」と答えるセ  リフはあまりにも有名。空港での「俺達にはパリがある」のセリフも完璧。  さらに、名曲“As Time Goes By”の使い方も2人の気持ちの高まりを効果的に描  いてくれている。この“As Time Goes By”はトム・ハンクスとメグ・ライアン主  演でお馴染みの『めぐり逢えたら』にも使用されているし、マライア・キャリー  が“Without You”をカバーした事で知られるニルソンがスタンダード曲を集めた  アルバムで唄っているほどのポピュラーソング。  またこの作品には、ボギーやバーグマン以外にも名優が出演している事でも知ら  れる。警察署長ルノーを演じたC・レインズは、本作やフランク・キャプラ監督  の『スミス都へ行く』でアカデミー助演男優賞にノミネートされたほどの演技  派。また、ドイツ軍少佐を演じた名優C・ファイトは『カリガリ博士』で夢遊病  者を演じ、1920年代のドイツ表現主義映画を代表する俳優。  また、第152号で紹介した『三つ数えろ』で音楽を担当したM・スタイナーがこの  作品でも音楽を担当している。  この作品は、1943年度のアカデミー賞で作品賞を始め3部門受賞したが、他にも  主演男優(ボギー)、助演男優(C・レインズ)、撮影、編集、作曲(M・スタ  イナー)部門の計8部門ノミネートされた。  最後に、ウッディ・アレンが主演した『ボギー!俺も男だ』という映画がある。  その作品の原題はという。『カサブランカ』のセリフを題

 名に使ったと言われているが、実はその言葉は劇中使われてはいない。勘違いし

 ている人が多いわけだが、[作られた]セリフの存在、またそれを使われたセリフ

 として認識している人がいる事は、時代を超えて『カサブランカ』が評価される

 だけでなく、作品に対する人々の独自の思い入れが詰まっているのだろう。

                                吉田 浩二

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