ScreenKiss Vol.164

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Vol.164

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 1   □ナッティ・プロフェッサー2/クランプ家の面々   □アキ・カウリスマキ監督来日   □俺たちに明日はない >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 1☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  8月30日、小雨降る中、第57回ベネチア映画祭は開幕した。実際には29日からプレ  ス上映は始まっていたのだが、映画祭ムードは華やかなセレモニーと共に盛りが  りはじめた。  オープニング作品はクリント・イーストウッド監督・主演作品「Space  Cowboys」。主演の「おじさん宇宙飛行士」を演じる4人、イーストウッド、ト  ミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェイムス・ガーナ—の4人  が勢ぞろいした。今年はクリント・イーストウッドが功労賞(金獅子賞)を受賞  するため、オープニング作品だけでなく、「Tributo a Clint Eastwood」とし  て、彼をフィーチャーしたカテゴリーも設けられ過去の作品が数多く上映されて  いる。  ヴィスコンティの作品「ベニスに死す」で有名な、リド島のビーチの向かい位置  するセレモニー会場Sala Grandeには、多くの報道陣、観客が集まり、巨大スク  リーンではスターや盛装した招待客が花道を通って入場するシーンがライヴで大  写し。イタリア国営チャンネルでも生中継され、この映画祭のイタリアでの注目  度を物語っていた。  北野武監督も29日にベネチア入りし(北野監督のベネチア入りの情報もテレビで  報道された)、オープニングセレモニーの花道に颯爽と登場した。今回コンペ対  象外の作品として公開される北野監督の作品「Brother」の注目度はとても高い。  「HANA-BI」で既に金獅子賞を受賞している監督であるが、その注目度・知名度は  想像以上であった。この映画祭に集まっている報道陣だけでなく、一般客を含  め、北野監督を知らない人はいないのでは?という程である。  (ただ少々残念なことに、北野監督が花道でインタビューを受けている途中に  「ジャ—ン」とシャロン・ストーンが登場してしまったため、映像はそこでシャ  ロンさまに移ってしまった、、、。シャロン・ストーンはイーストウッドに功労  賞を渡すプレゼンターとしてセレモニーに出席。イタリア語を交えて挨拶し、終  始にこやか、プロに徹したスターぶりであった。)  「Brother」の上映は9月1日(プレス試写)と9月2日(一般上映)。評判や観客の  反応も追ってレポート致します。  ウッディ・アレンの「Small Time Crooks」、ロバート・アルトマンの「Dr.T and  the Women」、サリー・ポッターの「The Man Who Cried」、エド・ハリスの監督  作「Pollack」等、話題作目白押しの11日間。会場の雰囲気、大作から日本ではな  かなか見られない国の作品まで、生の情報を引き続きお送りいたします!お楽し  みに!                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ナッティ・プロフェッサー2/クランプ家の面々☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Nutty2:The Klumps     ★★★☆☆     2000年/アメリカ(日本今秋公開予定)     監督:ピーター・セーガル     出演:エディ・マーフィ(6役)、ジャネット・ジャクソン  お馴染みエディ・マーフィが特殊メイクを駆使し、5人家族プラス1人を演じ分  けるコメディの続編。7月の最終週に全米ナンバーワンを記録。(しかしアメリ  カ人てこのテの映画が好きだよなあ。)  前作では食事のシーンで顔見せ程度にしか家族が出てなかったのだが、本作では  マーフィ自身が、自分の家族への感謝の念を込めて演じたというだけに、とにか  く家族(といっても彼自身なんだけど。)が大活躍。すなわち、彼の演じ分け  と、ハリウッドの特殊メイク技術をじっくり楽しめるつくりになっている。  冷めかけたピザがおいしかった…とはどこかで聞いた言葉だが、今更エディ・  マーフィなんてと思っていたが、彼のコメディアンとしての才能は凄い!と再確  認してしまった。どう見ても全員違う人に見えるのだから。  今回は『ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ』ブームを受けてか!?老人パワー炸  裂。マーフィ自身が演じる彼の祖母が、マーフィー演じるバディに欲情して暴走  するくだりはとにかく笑える。彼女(?)もパワフルだがその横で黙って座って  るだけのじい様の表情は絶品。彼を見てるだけで爆笑の涙もの。  畳み掛けるように訪れるギャグの数々はあたかも昔懐かしい『おれたちひょうき  ん族』やドリフのギャグを思わせ、アメリカンコメディが苦手でも思わず笑って  しまうベタさ炸裂。(下らないと言われちゃあそれまでだが。)数々の映画のパ  ロディもあり。がその分オリジナル性に欠ける面もあり・・。  残念なのは思いのほかキュートな(そして薄化粧な)ジャネット・ジャクソンの  活躍の場が少ないこと。マーフィと家族のドタバタに比重が行きすぎて、ヒロイ  ンの影が薄い。  ちなみにジャネットを始め、R・ケリー、フォクシー・ブラウンなどを網羅したサ  ントラはかなりイケてます。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆アキ・カウリスマキ監督来日☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  上映中の『白い花びら』は今どき?珍しいサイレント映画。こんな事を考えるの  はアキ・カウリスマキ監督。これに何と弁士が付いての上映会が1度催された  時、「やっとの事で」顔を見せた監督と弁士の質疑応答。あまりに面白かったの  で今更ですがちょっとご報告します。  「敗者決定版!」のふれこみで上映中の『白い花びら』。「映画は喋りすぎる」  として敢えてサイレントに挑戦した訳だが、絵だけの表現はかなり厳しいもの  だったようだ。だが、これに弁士による解説が付いての上映だから観客はかなり  判りやすいものだった。弁士はベテランの澤登翠氏。独特の語り口と解釈でリズ  ムをつくり、適度に笑いの要素を交ぜながらの熱演だった。  監督とは細かい内容についての打ち合わせは一切なかったそうだが、新作のサイ  レントに初挑戦という事でかなり難しかったようだ。「悲劇と背中合わせのおか  しみを表現しようと、主人公を客観的に突き放してみる試みをした。彼の妻への  愛情が男女を超えて自分の身体の一部のような存在になっている、と解釈し敢え  て昔っぽい語り口は止めて新たに現代寓話的に仕上げてみた」のだという。  結果、時々「教訓。鈍い男は痛い目にあいます」的な皮肉っぽい語りとなった。  これをストレートにコメディを解釈してしまった観客もいて、監督に「これは悲  劇ですか?喜劇ですか?」と質問して「メロドラマとして撮ったのだけど、もし  コメディと思われてしまったのならセップクしたい気分だ」とおどけていた。  弁士付きの効果の程は別として、この日の観客の反応は弁士なしの時より笑いが  多かったそうだ。  さて、カウリスマキ・ワールドの魅力の一つは、あの何とも言えない「間」の取  り方だが、この作品でも健在だ。更に過去の表現と類似する場面も登場して、マ  ニアにはたまらない。主人公がゴミ捨て場で死ぬところや、コンパチカーの伊達  男などは『真夜中の虹』にも見られる。  また、警察署のシーンでちょっと見えるサミュエル・フラーは丁度撮影中に亡く  なった彼のメモリーに挿入したそうで、丁度『浮き雲』で常連だったマッティ・  ペロンパーの死を悼んで子供の頃の写真で登場させたのにも似ている。  それにしても、監督自身かなりユニークな人柄だ。初期の作品には自分も顔を出  しているものもあるが、かなりの美形だったのにも関わらず?今は太って赤ら  顔。それもそのはず、実は酒びたりがたたって?上映前の記者会見をすっぽかし  た位の無類の酒好き。何しろ「三日酔い?で高熱の為」という配給会社の冷や汗  弁解を覆し「高熱が出た事なんて1度もないんだ。自分自身ジャーナリストの出  身だから嘘ついてもばれるのがわかっているからね」と缶ビール片手に登壇した  のだ。  更にホール壁に大書された「禁煙」の表示をよそにトレーのような灰皿にすっぱ  すっぱ。挙げ句「コールミー、サケサン」。アルコールは一定量を超えるとしら  ふと同じさ、と豪語して最後にはファンから贈られた酒壜を宝物のように抱きか  かえての退場。ウイットいっぱい、自分を演出出来る、かなり知能犯な監督でし  た。  たまたまこの日、記者会見をすっぽかされた同志?にギリシャの人がいて、その  人が言うには「彼は酒を飲まないと死ぬ程寒い国だから仕方ないけど、寒いとこ  ろが嫌いでポルトガルに住んでいる。たまにギリシャにも来るけど1度だって記  者会見が実現した事はないんだ。ある時なんか自分ですっぽかした記者達を、す  まなかった、と呼んでおいて再び酒宴。これで質問されるのを免れたんだって  さ」  ちなみに個別のインタビューでは、ノリノリになると制限時間をたっぷり超えて  ハリウッド批判に気炎を吐いていたそーです。またへべれけでもいいから会って  みたい魅力的な人でした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆俺たちに明日はない☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Bonnie and Clyde     1967/アメリカ/105分/カラー     製作:ウォーレン・ベイティ     監督:アーサー・ペン     出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、        ジーン・ハックマン、エステル・パーソンズ、        マイケル・J・ポラード     1967年度アカデミー助演女優賞(E・パーソンズ)、撮影賞  いつも連載の形をとってお伝えしているが、今号から第4回目としてアメリカ  ン・ニューシネマの作品をお伝えする。先ずは、雑誌“TIME”に、  「ニュー・シネマ。暴力・・・セックス・・・芸術! 自由に目覚めたハリウッ  ド映画の衝撃」と見出しを飾ったほど強烈な印象を残した『俺たちに明日はな  い』を取り上げる。以下、本文に続く。  刑務所出のクライド(W・ベイティ)とウェートレスのボニー(F・ダナウェ  イ)が出会い、多くの銀行を襲い、破滅するまでの物語。この作品のモデルの  「ボニーとクライド」は実在の人物で、映画同様にテキサス州を中心に銀行を荒  しまくったカップルだ。彼等は実際12人に及ぶ人々を殺害している。しかし、彼  等の生き方に共感するのか未だ人気は衰えない。  劇中ラストの87発の銃弾や警察との撃ち合いのシーンの迫力は見事。この作品は  今観ても全く色褪せていない。今に通じる激しい銃弾、撃たれて血が滲むという  のはこの作品からと言っていい。  この作品によって名前が知られ、以後スターとして活躍して行く俳優が2人い  る。フェイ・ダナウェイとジーン・ハックマン。2人共この作品以後大活躍し  て、共にアカデミー賞(ダナウェイ『ネットワーク』’76、ハックマン『フレン  チ・コネクション』’71&『許されざる者』’92)を受賞している。この作品で  製作を兼ねているW・ベイティは、ある程度スター級の俳優として活躍していた  が、彼も前述の2人同様この作品以後の経歴は素晴らしい。後に演技部門ではな  いが、監督(『レッズ』’82)としてアカデミー賞を受賞している。  また、脚本を担当した2人のうちの1人ロバート・ベントンは、70年代終わりに  名作『クレイマー、クレイマー』で監督と脚本を担当し、2つのアカデミー賞を  受賞している。  この作品は、1967年度のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞(W・ベイ  ティ)、主演女優賞(F・ダナウェイ)、助演男優賞(G・ハックマン)、助演  男優賞(M・J・ポラード)、助演女優賞(E・パーソンズ)、オリジナル脚本  賞、撮影賞、衣装デザイン賞の10部門にノミネートされ、うち助演女優賞と撮影  賞の2部門受賞した。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー! 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼