ScreenKiss Vol.166

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Vol.166

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 3   □最終絶叫計画   □サイクリスト   □行商人 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 3☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  毎日スターが来場し、華やぎを添える映画祭であるが、初のハリウッド作品  「Brother」を引っさげ、真木蔵人、Omar Epps、プロデュ—サーの森氏、Jeremy  Thomasを引きつれてのベネチア入りであった北野武監督は最も熱く迎えられたゲ  ストの一人であった。  まず30日のオープニング・セレモニーに出席。9月1日にはメイン会場Sala Grande  の前でイタリア国営放送Raiのインタヴューを真木蔵人と北野監督が別々に受けて  いた。  午後6時台、8時台、10時台に行われる一般観客を対象とした上映が最も最も盛り  あがるため、夜は会場への花道に登場するスターを一目見ようと人々が集まって  いる。インタヴューはそんな中、午後9時前後に公衆の面前で行われていた。  先にもお伝えした通り、北野監督の知名度・人気は大変なものである。会場の周  りに取りつけられた柵の周りに人が集まってきては、監督の写真をおさめようと  する観客を数多く目にした。  9月2日の「Brother」の一般上映での反応も上々であり、地元新聞でも好意的なレ  ヴューが掲載された。  非常にバイオレントな作品である。ともすればコントラバーシャルな作品である  はずなのに、特にその点を否定的に指摘する意見を聞かないのが私には意外なほ  どであった。  記者会見にも数多くの報道陣が集まったが、時にはジョークを交えつつ、基本的  には丁寧且つひょうひょうと質問に答えていた監督の姿が印象的であった。(余  談だが、記者会見というのは残酷なもので、ガラガラの会見と満員の会見とどち  らかしかない。しかし、ベルリンに比べ、ベネチアはスターの来場に関してなか  なかリラックスした面持であり、ハリソン・フォードの会見でさえ「我先に」的  ムードがない。何となく余裕さえ感じられる雰囲気の会見場である。)  「最初から今回ははっきり暴力的な映画を作ろうと決めていた」という北野監  督。「自己犠牲」、「美しく死ぬ」等の武士道から来る作法をゆがんだ形で都合  のよいように取り入れたのがやくざの世界、と説明していたが、今回の作品には  「指詰め」、「切腹」、やくざの「しきたり」等、非常に日本的やくざの世界が  描かれている。  それら一つ一つが日本的エキゾチズムとして受け入れられるのであろうか?私に  は少々残酷すぎる作品であり、且つ物語の中にその残酷性に対する必然性を感じ  なかったのだが、その点も含めてすっと受け入れられているこちらでの反応が非  常に印象的であった。  「映画は楽しめるおもちゃ。撮影を始める頃にはもう(そのテーマに)飽きてい  て、普段は撮影を段取り通りにこなすだけ」なのだそうだが、今回は初のアメリ  カでの撮影であり、余裕なく掛かりきりになったとのこと。  「世界のキタノ」として確実に認知されている監督であるが、「(悲しいシーン  では)笑ったほうがより悲しくみえることもある」「(死を目の前にして)遊び  のシーンをいれることにより、死に対する怖さが余計高まる」という監督の言葉  を聞き、私達日本人が大事に持ちつづけている感覚を、映画を撮る場所が日本で  あろうと外国であろうと、きっと持ちつづけてくれるのではないか、と思った。  映画に対する熱い情熱があってこその現在であるはずなのに、そんなところを  すっと蓑の下にかくして、あくまでも肩に力の入っていない北野監督の佇まい。  そんな監督だからこそ今この華々しい成果があるのかもしてない。                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆最終絶叫計画☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Scary Movie     ★★★☆☆     2000年/アメリカ     監督:キーナン・アイボリー・ウェイアンズ      出演:アンナ・ファリス、シャノン・エリザベス     http://www.nifty.com/zekkyo/  予告編は死ぬほど笑ったのに、本編を見たら実は予告以上の場面が殆どなくて  ちょっと残念。アメリカンおバカ映画の王道ともいえる下ネタの連発にはさすが  に食傷ぎみでウンザリ。さながらホラー・パロディ版『アメリカン・パイ』とい  う感じか・・。しかし細かいネタは結構良い。  例えば主演の女の子がなんとかカントリークラブという日本語のロゴTシャツを  着ていたり、そんなどうでもいいことが笑える。マスクの表情が変わるのも可愛  くて良い。  映画ファンとして、上手い!と思ったのは『アミスタッド㈼』の予告編ネタや、  『スクリーム2』のオープニングをパロったシーン。映画館でしてはいけない  バッド・マナーのオンパレードに、殺人鬼でなくてもブチ切れ必至。皆様も映画  館ではケイタイの電源は切りましょう!  またラストは意外に渋い映画から引っ張ってきていて、(ネタばれになるので言  いませんが。)結構映画ファンにも結構満足できる作りになっている。下らない  といえば下らないが、あれだけの数の映画をネタに使っている割にまとまりがよ  く脚本的には上手いのかも。  しかし、ヒロインのシンディが本当に味気のないコで残念。やっぱり金髪のカワ  イコちゃんに演ってもらいたかったなあ。でもそこは『アメリカン・パイ』きっ  ての巨乳アンドお色気娘、シャノン・エリザベスでカバー。早くも自分の魅力を  生かしたキャラを確立した感あり。めざせパメラ・アンダーソン?!  そして何より嬉しかったのは『バーシティ・ブルース』以来、かなり自分のなか  でホットな存在、ジェームス・ヴァン・ダー・ビークが特別出演してる事。ホン  トは2つ星にしてもいいんだけどいい男にはつい甘くって。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆サイクリスト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     1976/ソヴィエト/100分/シネスコ     監督・脚本:エミーリ・ロチャヌー     音楽:エウゲニー・ドガ     24回サンセバスチャン映画祭グランプリ  馬泥棒のゾバールはいつものように軍隊の馬を盗み出しお尋ね者になる。(派手  な馬使いはいいが、映像が地味)そんな自由な生活を変えるのは女とばかりに、  軍隊に追われながら逃げこんだ森の中で情熱的なジプシーの女ラッダに恋をす  る。(この時点では情熱的ではなかったが)  しかし魔女と呼ばれるラッダはゾバール以上に自由を求めていた。(1人娘の性  分か)ゾバールが囚われの身になっても処刑直前に仲間が命をかけて救い出す。  (仲間が死んで行く中、冷淡な彼)そして、ゾバールの愛はますます混乱してい  き、ついには悲劇的な結末を向かえる。(なぜ?こうなるの?)  ロシア圏の映画を見たことがない人には少々厳しい100分でしょう。それでもイン  ド映画同様、新鮮な一面を新発見する人もいるのかもしれませんね。  かのマキシム・ゴーリキが24歳の時に書いた処女作「マカール・チュドラー」を  原作に、ジプシー達の激しく魅力的な悲哀伝説を描いた作品。  正直言って随分退屈してしまいました。話を整理するとおもしろそうなのに。ま  ず馬泥棒のゾバールに男性的な魅力を感じない。死にゆく仲間に対する感情が描  かれないからだろうか、男らしさや格好よさがない。ついでに、ヒロインのラッ  ダの歌声よりも回りの女性に魅力を感じてしまう。主役がぼやけているのは、常  に画面に大人数が登場する為。しかも歌や踊りは皆魅力的だから。こんな2人の  恋愛に興味を感じないのもしかたない。  ミュージカルタッチで進むストーリーはマカロニウエスタンとフランス映画をま  ぜたよう。首つり台からの逃亡劇なんてまさしくマカロニな世界。そのくせ、乗  馬のシーンでは撮影テクニックが感じられない。カメラの位置もよくない。残  念。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆行商人☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Peddler (Dasforush)     ★★☆☆☆     1987/89分/ビスタ/イラン     監督:モフセン・マフマルバフ  それぞれ独立した3話構成。社会派と呼ばれるにふさわしい内容で、社会的な現  実をえぐりだすオムニバス。  第1話「幸せな子供」  スラムに暮らす貧しい夫婦。椅子もなく朽ちかけたバスが彼らの家。いとこの結  婚か、栄養不足が原因で産まれた3人の子供は足が不自由。4人目を身ごもり、  父親は子供の幸せを願って捨てることを計画する。  妻を入院させそのまま病院に置いて帰るはずが、妻は施設を教えてもらい赤ちゃ  んを連れて帰る。施設の方が幸せになれるという期待は、施設の実状をまの当た  りにした途端打ち砕かれる。そこは障害児を牢獄に縛りつけているようなとこ  ろ。治療もされず、おしこまれた子供たちはママと叫ぶばかり。  モスクに捨てようとするがなかなかうまくいかない。金持ちに拾われれば幸せに  なるだろうと、ようやく金持ちの家に置いて行くことにしたが…。  イランのスラムや障害児を登場させ、不十分な福祉に対して警告を発する。この  夫婦の行動も強く非難しているが、おどおどするばかりの夫と涙するばかりの妻  には同情してしまう。  施設のことは現実を知らないから言いようがないが、本当にこんなところなのだ  ろうか?だとしたら大問題だが、貧しい国では施設があるだけましとも考えられ  る。しかし、ちゃっかりその後プール付きの家に住む金持ちを映すことで無理な  く我々に訴えかけている。  貧しい彼らにとって逃げ道のない生活、それを包み隠さない映像で照らし出しな  がらも、同情するようにしむける訳ではない。オープニングとエンディングのホ  ルマリン漬け赤ちゃんの映像が堕胎の隠喩となっていると感じた。  第2話「老婆の誕生」  車椅子に座りっきりの老いた母を介護する青年。母の年金が生活の糧。青年は  ちょっと頭が弱い。母はすでに死んでいるかのように1点を見つめるだけで、話  すことすらできない。  彼は年金をもらいにいく日、交通事故にあってしまう。そして入院している間に  母は…。  交通事故。つまり、ひき逃げされるのだが、その後さらにひどいことに。それは  非現実的に見えて、実はイランだけではなくどこの国でも起こり得る事。だから  恐ろしい。親切な人ばかりがいる国なんてないのだから。  第3話「行商人」  肉屋が羊の首を切る。その下では市が開かれ、行商人が大声で客を集めている。  その中の1人、ホセインがギャングに連れて行かれる。恐怖のあまり自分の死を  想像してしまうが、考え過ぎかもしれない。  次第に想像が現実に近づいていくが、自分の身を守る手段を思い付かないホセイ  ン。彼の考え過ぎか、それとも…。  殺される羊が隠喩となる。羊の映像に目を背ける人はベジタリアンになるのだろ  うね。毎日こんなに肉を食べていても、流れる血には目を背けたくなる。それが  人間の血であったら?監督が映画で何を見せたいのか、それはこの映画をみて感  じることそのままなんだろうな。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー! 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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