ScreenKiss Vol.178

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Vol.178

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □イラン映画最新情報第1回   □ウカマウ集団に聞く   □ペパーミント・キャンディ   □ことの終わり   □カノン >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆イラン映画最新情報第1回☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  イランに暮らす女性Ms. L. J.から生の最新情報を、英文のままお届けします。イ  ラン映画が好きな方もそうでない方にもぜひ読んでいただきたい、ちょっと貴重  でスクリーンキスらしい記事です。英語を勉強している彼女が分かりやすい(分  かりにくい?)簡単な表現で書きます。英語の苦手な方もちょっと読んでみてく  ださい。反響によっては翻訳をつけますから、ご意見・ご感想はお気軽にメール  でどうぞ。  Red Band  監督:Ebrahim Hatami Kia  The story happens in war worn areas. A woman has not left her ruined  house. This brave woman defenses her properties against others. In this  way two men appear in her life. Both of them have different  personalities. They felt in love with her. They do heroic tasks to show  their real love. The story is co mpletely different from the war films.   It is really soft. Finally, you canno t see the woman will choose which  one? You should use your imagination. By L.J. __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ウカマウ集団に聞く☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  アテネ・フランセ文化センター 10月14日  「コンドルの血」「鳥の歌」2本の上映、ホルヘ・サンヒネス監督ティーチイン  この「ウカマウ」という名前、知っている方が少ないでしょうから簡単に説明し  ます。60年代よりボリビア、ペルー、エクアドルなどのアンデス先住民(イン  ディオ)を描いた映画を撮り、差別撤廃や民族の文化を色濃く表現した映画を撮  りつづけている集団。時には国内政権に対して、時にはアメリカ政府や多国籍企  業に向かって明確なメッセージ(主張)を送りつづけている。  今回見逃した方にも朗報です。12月16日より、東京のシネマ下北沢にて「ウカマ  ウ集団の軌跡」と題した特集上映。全作品(長編8本、短編2本)が上映されま  す。  http://www.cinekita.co.jp  さて、この日上映された2本を簡単に紹介しよう。  コンドルの血  ★★☆☆☆  69年/白黒/82分  アンデスの村に平和部隊のアメリカ人が怪しげな病院を建てた。そこでは村人に  知らされることなく多産の女性に不妊手術を施していた。コカの葉占いでそれを  知った村人は、アメリカ人に復讐する。  しかしその事件で警察は村の男数人を見せしめに虐殺してしまい、瀕死のイグナ  シオは妻パウリーナによって町の弟の所に連れて行かれる。しかし、輸血血液す  ら買えない彼らに治療はなされないまま、死を迎えることに。そして、その怒り  から彼らは銃を手にすることになる。  現実の出来事を題材にし、部隊追放の起因となった作品。映画の持つ力が思う存  分発揮された訳だから、反面独裁政権のプロパガンダ映画の恐ろしさも考えてし  まう。一方、最後のカットが銃を掲げているシーンで終わることから、我々は無  条件に彼らに賛成できなくなってしまう。ただ単に先住民に対するひいき目で作  られているだけではない、監督と集団の方向性を感じる作品。楽しめる映画とは  いえないが、この最後のカットを向かえるまで席は立てない。  鳥の歌  ★★★★☆  95年/100分/カラー/ビスタ  16世紀のスペイン人のアンデス社会征服という歴史を批判的に描こうとする映画  撮影スタッフ。ロケ地に選んだその村では、映画のクライマックスになるはずの  「鳥の歌の祭り」が近づいていたが、スタッフと村人の亀裂も大きなものになっ  てしまい、夜襲までされるはめに。  インディオの為になる映画を作っている自分たちが村人から追い出されるという  事が理解できない監督、アクシデントに見舞われ幻想をみたプロデューサー、イ  ンディオに恋をしてしまったその弟。個人主義ではない調和を重んじる共同体で  ある村人、その1人1人に許可を取ることの必要性をようやく理解し、祭りの撮  影は許されるが、彼らに鳥の歌は聞こえなかった。  町に帰る日、村人から「いままで許可を求めた人などいなかった」という感謝と  ともに村精一杯の贈り物を受け取る。村を後にする彼らの表情からは、村を好き  になれなかった者、理解しかけている者、いまだ差別的な者、そして村を愛した  者がいることが分かる。  夜襲の中、狭い室内で慌てふためくスタッフ。この撮影は臨場感や緊張が持続し  レベルが高い。しかし、景色を捕らえるカメラはうまいとはいえないし、祭りの  シーンも雰囲気がどこか白々しいカットとなっている。  また、撮影スタッフが村に入るやいなや、プロデューサーが差別的な言葉を繰り  返すあたりは、我々から見るとあまりに非常識で、こんな人達が真剣に映画作り  に取り組んでいるのが疑問に感じる。最初は村人に溶け込もうとするシーンがあ  れば話にリズムが生まれるのだが。  イラン映画、キアロスタミ監督が好きな方にはお勧めできる。アフリカ映画と同  様に低予算、少ない機材で奮闘しているようだが、水準はイランの方がずいぶん  高い。この作品には過激な政治的メッセージはない。観客に分かりやすい形で社  会の現実を明らかにするなかで、映画として楽しめるストーリー展開もあり、渋  谷あたりで短館上映しても十分観客動員を見込めるような気がする。  がんばれ、南米。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ペパーミント・キャンディ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Peppermint candy     1999年/日本・韓国/129min/カラー/35mm     監督:イ ・チャンドン     出演:ソル ・ギョング、ムン・ソリ、キム・ヨジン     2000年韓国・大鐘賞5部門(作品、監督、脚本、新人男優、助演女優)     http://www.uplink.co.jp/     10月21日(土)〜キネカ大森他にてロードショー  40歳で全てを失ったキム・ヨンホ。20年振りに再会した嘗ての工場仲間との河原  での再会・・・そして・・鉄道の高架橋に登り、背後に迫る列車の音と共に彼の  脳裏にはその人生が走馬灯のように甦る。自殺を決意した3日前・・事業での成功  と家庭不和・・拷問をも厭わなかった刑事時代・・新米刑事で結婚したての自  分・・光州事件に遭遇した兵役の頃・・初恋に心ときめいた20年前の同じ河  原・・。  この作品は初の日韓合作映画で、日本では昨年のアジア・フィルムフェスティバ  ルで上映された(Screen Kiss No.71参照)。一人の男の20年間の人生に韓国の歴  史を重ね合わせた、辛く切ない物語。常に彼の心の奥にいる初恋のスニム。彼女  は歴史という大波にもまれる彼を見守る守護神のような存在だ。誰もが思う人生  の「If」・・・。それは時に無意味と言われるが、第二のヨンホにならない為に  もたまには大切な事なのかもしれない。  この8月、監督のイ ・チャンドン氏と主演のソル ・ギョング氏が過密スケジュー  ルの合間に来日した、というのでアテンドをした配給会社アップリンクの野下さ  んからその時のお話を伺ってきた。  彼女は昨年の日本での上映の際に、作品に感動し、主演のソル ・ギョングの演技  に一目惚れして、とうとう公開まで持ち込んだ人。迫真の演技を見せた彼も、素  顔はとてもシャイで、一言で言うと「格好いいけど、可愛い!」のだそう。しか  も実は歌が得意で日本語もかなりOKという。  この作品で大ブレイクした彼は、今は出演オファーが絶えないが(今年の東京国  際映画祭でも『ユリョン』『燃ゆる月』に出演)昨年の来日時、ロビーで大勢の  人からサインを求められるという初めての体験に頭痛がしたそうだ。今回も数誌  の撮影でポーズの要求にとまどっていたとか。しかし178cmに厚い胸板の彼は、な  かなか素敵だったそうな。  さて、監督に「外から見ると砂漠のようだが、内面に豊かな水をたたえているよ  うな人間」とまで言わしめたソル ・ギョングとは・・・。  カメレオンのような彼とはいえ、2人の女性の人生を踏みにじり、冷たい仕打ち  を平気で出来るヨンホ役は性格的に演じていて辛かったという。また、撮影が映  画の順番通りどんどん若返っていく事や、軍隊のシーンは肉体的にも大変だった  ようだ。大学で初めて演技に目覚めたというものの、貪欲さはない。しかし様々  な映画祭に招待された中、カルロヴィ・ヴァイ映画祭で審査員を勤めたアッバ  ス・キアロスタミ監督から「素晴らしい映画」と言われたことがとても嬉しかっ  たそうだ。  一方、イ・チャンドン監督は、教師、小説家などを経て映画界入りしただけに、  とても話が上手だったという。落ち着いた物腰と、真摯な態度に魅せられてつい  インタビューが長引いてしまった事が多々あったとか。  彼は基本的に「人生は美しい」ものだ、という考えから主人公ヨンホの過った人  生選択を打ち出す事で、彼の失った純粋さ、美しさ・・人生の中で大切なも  の・・を表現した。また、彼の人生に関わる二人の女性は、ヨンホの内面を反映  させたのだそうだ。  ヨンホの人生を左右した外的要因としての「光州事件」は、監督自身も精神的に  政治への不信感などの深い影響を受けた事件。事件当時は戒厳令がしかれ、現在  も国防省は詳細を全面開示していないという。  主役の選考にあたっては、オーディションでなく「呼ばれて」来たソル・ギョン  グに、当初あまり好印象を持っていなかったようだ。しかし、ソル・ギョング自  身も言っているように監督は常に彼を「信じる」事で自信を持たせ、彼の持てる  力を引き出した。彼との出会いは「運がよかった」という。  この作品を何度も見ようという、リピート運動まで起こった大成功のあとの、気  になる次回作は今のところ、まだ監督の頭の中。人生におけるファンタジーにつ  いてのものにしたい、という構想だけはあるようだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ことの終わり☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The End Of The Affair     ★★★★☆     1999年/アメリカ     監督:ニール・ジョーダン     出演:レイフ・ファインズ、ジュリアン・ムーア  隣人の妻と出会うなり一目で恋に落ち、激しい戦火のさなかで情愛をくりひろげ  る小説化のヘンドリック。そして愛しているといいながらある日を境に一切逢瀬  を絶ってしまった女サラ。  彼女には他の男がいるのか?自分とはただの遊びだったのか。嫉妬が高じて探偵  を雇った男が知る真実とは。  劇場に着くなり中年カップルが列をなし、映画が始まるや否や出会ったばかりの  不倫カップルの濃密なラブ・シーンが描かれる。ヤバイ。これって『失楽園』映  画なの??とあくびが出かかったが・・・。  しかしこんな心配も杞憂に終わった。なにせ物語はこの2人の関係が突然終わり、  一体何故?というサスペンスタッチで進行していく。  そしてその謎解きが終わったらおしまいかというと、そうではない。いやそこか  らが新の物語の始まりだったのだとは。  もはやニール・ジョーダン作品には欠かせない、スティーブン・レイ演じる夫が  なんともいい。無口で無表情なのに、そこから妻への情熱、愛がひしひしと滲み  出る様は圧巻。その彼が唯一取り乱すシーンは泣ける。  また、男への真の愛ゆえにただの『情事』を信仰に高めていく人妻、サラを演じ  るジュリアン・ムーアの表情が良い。情愛に溺れる女から、聖母のような顔への  変化が見事。  『隣人』との情事というタブーを犯しながらも、真の神への愛から奇跡が起こる  ラストは『奇跡の海』さながら。『こと(情事)の終わり』というタイトルの意  味について深い!と唸らされる大人のための映画。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆カノン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Seul contre tous     ★★★★★     1998年/フランス/93分/シネスコ     監督、撮影:ギャスパー・ノエ     照明、映像:ドミニク・コリン     出演:フィリップ・ナオン、ブランダン・ルノワール     1998年カンヌ国際映画祭・批評家週間賞  この監督のデビュー作「カルネ」の続編にあたる作品。  まず目を見張るのが映像。荒れた感じの画調で全体に殺伐とした雰囲気を作り出  している。クラッシュズームなる素早い寄りや時折出てくる文字の映像、そして  爆発音にも似た効果音などの視覚効果を駆使しながら、強烈なインパクトと共に  深い印象を残す。  作品自体は、問題作と言われるだけあって確かに際どいシーンが出てはくるもの  の、そういう表面的な映像表現がこの映画では手段であって目的ではないだけ  に、そこに意識を奪われると結構キツい印象になる。愛への障害にモラルをもっ  てきたことで、本質的な愛の部分がより際立ってくるラストは観ていてクリアな  気持ちにさえなった。  でも、考え方次第でやっぱり ATTENTION になってしまうのか?                                  ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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