ScreenKiss Vol.181

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Vol.181

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □東京国際映画祭『ラン・フォー・マネー』   □イラン映画最新情報第4回   □映画にみるブランド品の使い方   □最愛の夏   □欲望という名の電車 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ラン・フォー・マネー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Kag Para Kag     ★★★★☆     トルコ/100分/ヴィスタ/1999年     監督:レハ・エルデム     出演:タネル・ビルセル  イスランブールの商店街でシャツ屋を営むセリムには、妻と愛娘がいる。まじめ  で正直な彼はある夜、タクシーで前の客が忘れていったかばんを拾うが、その中  には米ドルの札束が。そのお金は銀行行員が着服したものらしい。45万ドルを彼  がどうやって使うか、そのお金が彼に与えた影響とは。しだいに性格までも変  わってしまい、我が身を滅ぼしていく男の話。  「もし1億円拾ったらどうする?」この話題は世界各国共通ですよね。夢や現実  の入り混じった複雑な答えがあることでしょう。  この映画はその答えを映し出しているだけの単純なストーリーです。しかし退屈  しない理由はその緊張感。セリムが感じる苦悩をタネルは的確に演じている。お  金を着服した男と再会してしまうというアクシデントも用意されていますが、と  にかくタネルの表情に注目してもらいたい。微妙に変貌していく彼の顔は必見で  すね。常にびくびくしながら、お金をどこに隠すか悩みつづける彼の態度や身の  こなしまで、無表情の中にも深みがある。  残念ながらこの手の作品では、観客動員が見込めそうにないから一般公開するの  は無理だろう。映画祭を逃がすと見る機会がありそうにない。映画祭で貴重な事  はこういった良質の作品がスクリーンで見られること。  最後にティーチインで監督に「もし45万ドル拾ったら?」の質問。「映画を撮り  ます」との返事は観客を沸かしていた。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆イラン映画最新情報第4回☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  特集記事の4回目にして最終回は少々短い文です。皆様の応援さえあれば、さら  に今後に続くことでしょう。  Leila  監督:Doryoush Mehrjooi  Leila Hatami has played in this film. She is a daughter of Ali Hatami  who is one of the really famous directors. He died 3-4 years ago. His  films have be en excellent and popular for people with technical  knowledge till now.  By L.J. __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆映画にみるブランド品の使い方☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  今や押しも押されぬブランド大国ニッポン。コギャルからオバサマまでブランド  物を持ってない人はいないのでは?という勢いだが、アメリカでは今だステータ  ス・シンボルとなっているようだ。そんなブランド物がどんな風に映画に使われ  ているか見てみましょう。 □ルイ・ヴィトン  ブルース・ウィリス主演のクライムコメディの新作『ホール・ナイン・ヤード』  で殺し屋である彼の妻が愛用しているのがここんちのバッグ。と、いっても自家  用機に乗り込むシーンでいくつものバッグやトランクを子分であるマイケル・ク  ラーク・ダンカンに運ばせているのである。いくら立派なカバンも自分で重そう  にもってはカッコ悪い!お付きに持たせてこそ相応しいのかも。  同じようなシーンがエディ・マーフィ主演の『星の王子様ニューヨークへ行く』  にもありました。  また、『スリー・キングス』では敵国イラクから徴収したここのバックに金塊を  たんまり入れて持ち出すシーンが風刺が利いていて良かった。 □カルバン・クライン  この名前を聞いてまず思い出すのが『バック・トゥー・ザ・フューチャー』現代  から60年代にタイム・トラベルした主人公マーティンがここのロゴ入りパンツ  をはいていたのを見て、若かりし日の彼のママは彼の名前が『カルバン・クライ  ン』なんだとカン違い。新しいブランドだから誰も知らないというわけ。  いっぽうアメリカ版コギャルの生態を描いたコメディ『クルーレス』では下着さ  ながらのボディコンドレスに身を包んだアリシア・シルバーストンが、パパに注  意されて一言。『だってカルバン・クラインなのよ』  この2本の映画に60年代ティーンと、現代の違いがかいま見られる。 □シャネル  このブランドのもつリッチなイメージを逆手に取っていたのがデンゼル・ワシン  トン主演の『ザ・ハリケーン』。  名ボクサーとして一躍有名になった彼が無実の身で逮捕される。刑務所で獄衣を  着るのを拒んだ彼が、獄中で付けていたのがここのネクタイ。次第に汚れてぼろ  ぼろになっていく様子から彼の失意が見て取れる。実に上手い使い方といえる。  また、ジュリア・ロバーツが本人さながらの女優を演じた『ノッティング・ヒル  の恋人』ではカジュアルなスニーカーにパンツという姿ながら、帽子にここのロ  ゴが入っていることでまさに女優!の雰囲気をかもし出すことに成功していた。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆最愛の夏☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     黒暗之光     ★★★★★     1999年/台湾     監督:チャン・ツゥオーチ     出演:リー・カンイ     1999年東京国際映画祭グランプリ  ケンカした相手と「もう口も聞きたくない」と思っていたのについ話しかけてし  まったり、すごく悲しいのに思わず微笑んでしまったり。人間ってそんなもの、  というのをすごく自然に表現した映画。  主人公カンイを取り巻く環境は知能障害を持つ弟、盲目の両親、そしてヤクザの  子分のBFなど、かなりヘビー。  それでいてこんなにもこの映画が身近に思えてしまうのは、この映画で描かれる  のがあくまで誰もが体験するような日常的な出来事だから。  ごはんの支度をしたり、片思いの彼を誘ってデートしたり、ゴミ捨てにいって、  帰り道にアイスを食べたり…。  私達大人に取っては『夏休み』という時間自体がノスタルジック。そんな特別な  時間における特別な人との出会い、別れ。子供のころの甘酸っぱい感情を思い出  さずにはいられない。  主人公がつらい現実のなかにも希望を忘れず淡々と生きる様はイラン映画を思い  出させる。  もはや豊かになりすぎてしまった現代の日本で、忘れかけていた何かを思い出さ  せてくれる映画。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆欲望という名の電車☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     演出:栗山民也     出演:樋口可南子、内野聖陽、七瀬なつみ     会場:新国立劇場中劇場(東京初台)     期間:10月20〜11月11日 // ストーリー //  欲望という名の電車に乗って妹ステラのところでやってきたブランチ。裕福な家  庭に生まれた2人だが、家に残って教師をしていたブランチは一族の没落を目の  当たりにし、夫の死、破産が彼女を変えていった。一方ステラは、ニューオリン  ズの貧しい地区でポーランド移民の粗野な夫スタンレーとの暮らしに幸せをみい  だしていた。上流気取りの態度が気に食わないスタンレーは、ブランチの過去を  暴き、彼女の新しい恋人までも遠ざけてしまう。虚言と酒が彼女の拠り所とな  り、追い詰められ神経の擦り減った彼女に精神病院の迎えがやってくる。  さて、「映画好きの見た舞台」としてちょっといろいろ書いてみました。映画と  舞台は物語を演じている点では大差がありませんし、1つ1つ考えて行くと非常  に似ているのですが、出来上がったものを見ると明らかに異なる芸術ですね。  今回主な登場人物3人の演技を目にして、正直言ってしまりのない演技だと感じ  てしまいました。しかし、普段演劇を見慣れていない私にとっては、この3人の  演技レベルが日本演劇界の中でどのくらいの評価を得られるのかが分からないの  です。演技のレベルは決して低くはないと分かるのですが、なにせ演出にも問題  があり、盛り上がりのない劇でした。  劇中、いくつか演技ポイントを感じたので、そのシーンについてのコメントです。 1)ブランチの登場  演技よりも立体的なセットが印象的。舞台上に広がるステラの部屋の中。その後  ろにかかる、割れた色ガラスの向こうには駅から続く道があり、前面で演じてい  る人に目をとられながらも、ガラスの向こうを亡霊のように歩く白いドレスを着  たブランチの登場はハッとするほど印象的。そして「欲望という名の電車で来  た」と話す。題名が入っている台詞だからこそ、その部分を強調することなくさ  らりと読みあげるだけで十分印象に残る。出だしは好調だった。 2)ステラの妊娠を聞かされるブランチ  ここは、3通りの演じ方がありますよね。まず、『さらりと流してしまう方法』  これは面白くもなんともない。『妊娠を幸せの象徴としてとらえ、妹の幸せと自  分の不孝を比べてショックを受けるブランチ』、その逆に、粗野なスタンレーと  の生活に同情しているブランチにとっては、妊娠してしまった妹を強く同情して  しまうという解釈。  結局さらりと流されました。印象薄い演技です。細かい感情の変化が感じられな  いし、ブランチを始めみんながいつもテンションが高いだけの演技ではつまらな  いですよね。 3)ドレスの背中のボタンをしめてもらうシーン  ここもさらりと流されました。ほんの一瞬、見逃しそうなほど一瞬のブランチと  スタンレーの態度の変化がありますが、結局その後の激しい動きに飲みこまれて  しまう。印象が残りにくいよ。 4)入院の為につれていかれるブランチと悲しむステラ  言わずと知れたエンディングです。ステラの悲しみ、ブランチの悲しみ。奥行き  のあるセットが雰囲気を十分だしていただけに、演技がセットに飲み込まれたよ  うでした。演技しなくてもセットが物語るほど。演技と演出の歯車がかみ合わな  いようで、残念。  私には、「舞台の演技はオーバーアクションだ」という先入観があるのですが、  今回の舞台でもそれを実感しました。意図的に演じているからには演出家と役者  の問題ですし、映画でもわざと派手な身振りで演じることがあります。演じない  事を主題とした舞台もあるのですから、舞台だからという訳ではなく、「そのよ  うに演じているから」という事が重要です。それをおおげさだと感じれば、評価  はマイナス・ポイントにすべきですね。もうすこし普通に演じてほしい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼