ScreenKiss Vol.183

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Vol.183

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ウーマン・オン・トップ   □フォーシーズンズ・オブ・ザ・ロー   □クレイドル・ウィル・ロック   □キャラバン   □アインシュタインの脳(EINSTEIN’S BRAIN) >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ウーマン・オン・トップ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Woman On Top      2000年/アメリカ/92min/カラー     監督:フィナ ・トレス     出演:ペネロペ ・クルス、ムリロ・ベネツィオ、        ハロルド・ペリノーJr     第13回東京国際映画祭協賛企画・カネボウ国際女性映画週間     12月中旬公開予定  ブラジルの港町で生まれ育ったイザベラは、医者も祈祷師も匙を投げる程のひど  い乗り物酔い。でも料理の腕はピカ一。美貌の彼女はレストランオーナーのトー  ニョと一口?惚れで結婚するが、料理だけでなく何でも「トップ」・・ダンスも  運転も(こうすると酔わない)そして愛を交わすときも全て彼女のリード。その  状況に嫌気がさして夫はちょっとうまみ食い。傷ついた彼女はサンフランシスコ  でTVショー「情熱のクッキング」に起用され、一躍人気者になるが・・・。  上映に先立ち、来日出来なかった監督からのメッセージ。「映画製作は男女を問  わず、その製作費の問題がとても大変です。女性が映画製作に不向きと一般的に  思われていた時代もありましたが、最近は女性の能力も認められてきました。映  画は素敵な世界を見せますが、人間性においてもとても大切なものも教えてくれ  ます」。  ちなみに今年のカンヌ映画祭で上映された際、登場した監督はとても素敵で  ファッショナブルな人だったそうだ。  海の女神に運命を委ね、優しいオカマに支えられたシンデレラ・・・優しい気持  ちになれる大人の洒落たお伽話だ。突然料理の腕があがってフォッグがたちこめ  ると、不思議な幻想を想起させる『バニラ・フォグ』や、料理人の気持ちが料理  に反映してしまう『赤い薔薇ソースの伝説』など、この作品に似た映画はたくさ  んある。  が、ここでは自然と共存するブラジル人(というよりは、イザベラの故郷の港町  の人々が、というべきか)の逞しさや、そこから来る大らかな明るさが根底に流  れている。イザベラの料理もレシピはない。感じるままに生み出された産物なの  だ。だからTVショーのラストでは必ず「愛する人と食べると最高」と締めくくら  れる。  対照的に登場するのは、常に上役や視聴率に縛られる、あくまで人工的な産物の  TV業界。自然から生まれた彼女の料理とは、もともと相容れない存在なのだ。番  組の製作者も視聴者も、狙いは料理より彼女のナイスバディ。何が何でもマネー  な世界。このお伽話の奥は深い。  このところ注目株のラテン音楽もノリよく場面をひきたてて、楽しい気分になれ  ます。レストランそっちのけでイザベラ奪還に繰り出すトニーニョと楽団員が、  とぼけたいい味を出しているのも見どころ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆フォーシーズンズ・オブ・ザ・ロー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Four Seasons of the Law      1999年/ギリシャ/178min/カラー/35mm     監督:ディモス ・アヴデリオディス     出演:アンゲリキ ・マランティ、タキス・アゴリス、        アンゲロス・パンテララス     第13回東京国際映画祭・シネマプリズム  1960年のギリシャ、キオス島。フィールドガードの死で、困った村は監視人の派  遣を要求するが、なり手がない。そこで政府は条件のいいサラリーで公募し、4  人が立候補するが・・・。夏には臆病な、秋には権威主義的な、冬にはギャンブ  ル狂の、監視人がやってくる。そして春に来た監視人は・・・。  何とも牧歌的なのどかな風景の中で起きる珍騒動。小さな村を舞台に1年間が  ヴィヴァルディの「四季」にのって展開されていく。ここまでモロに音楽を使う  のも珍しいような気がする。ギリシャでイメージされる青い海、白い壁はほとん  ど見当たらず、代わりにギリシャ人気質がとてもよく表現されている。  冒頭から独特の音楽と詩。ものの本によれば、アメリカの古典学者、エディス・  ハミルトンがギリシャ人について「彼等は悲しむことがない。ちょっとセンチに  なるだけだ。」と語っているそうだが、その辺が歌にも表れている。夏の臆病な  監視人が犬を失って失意の時に、歌と踊りに慰められるところがあるが、これは  そうした性癖を端的に表しているシーンだと思う。  秋の権威主義的な監視人も、官僚主義の強いと言われる(そんな国はゴマンとあ  るでしょうが)ギリシャの特徴のデフォルメなのかもしれない。一方「休暇の合  間に働いている」と言われる国民の代表が冬の監視人なのだろう。  つまるところ、人生をエンジョイする事にかけてはピカ一の国民。その総まとめ  的存在で登場するのが、最後の春の監視人だ。彼は過去の3人が出来なかったイ  モ泥棒を見つけただけでなく、あろう事か彼女に惚れてしまうのである。激怒し  たボスにクビを宣告されても、かえって嬉しそうに制服を返却してしまう。これ  でやっと自由に人生を楽しめる・・。  美しい自然を眺めながら、何時の間にか忘れてしまった人間本来の生き方の原点  を思い出させてくれる作品です。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆クレイドル・ウィル・ロック☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Cradle will rock     ★★★★     1999年/アメリカ/134分/シネスコ     監督:ティム・ロビンス     撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ     出演:エミリー・ワトソン、スーザン・サランドン、        ジョン・タトゥーロ  アメリカ大恐慌時代のニューヨークを舞台に、「クレイドル・ウィル・ロック」  の上演を目指す人々を中心に展開される群像劇。  とにかくラストの演劇シーンは素晴らしい!それまでに向かう過程も、それぞれ  の人物を過不足なくコンパクトに描き、暗い時代背景も絡めつつ、ユーモアを交  えながら展開していく。そして映像に関しては、出だしから長回しの映像で始ま  るのを筆頭として流れを切らずに人物の動きや雰囲気を捕らえた、刺激的で計算  されている、そして印象に残る、素晴らしい撮影です。  レベルの高さを感じさせる作品で、まさにザッツ・エンターテイメント!観る際  にはこの1930年代の時代背景をある程度、頭に入れておくといいかも。パンフ  レットがまたユーモラス。                                 ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆キャラバン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Caravan     ★★★★☆     1999/108分/スコープ/フランス・ネパール・イギリス・スイス合作     監督:エリック・ヴァリ  長老ティンレー率いる老人グループは4日遅れで、若者カルマ率いるキャラバン  を追っていく。ティンレー達は危険を冒して近道を進み、カルマに追いつき、追  い越していくが、その先には神託を超越した自然の猛威が待ち構えている。若者  は老人を救い、世代の交代を向かえる。  映画の前に舞台挨拶をした監督いわく、「1つのラブストーリーから映画は生ま  れる。私はトルポ村に恋をしたからこの映画が生まれた。」 実際に映画を見る  と彼の言いたい事がひしひしと伝わってくる。  ドキュメンタリーのような風景映像、山にこだまするような音の響きの中で物語  は、若者と長老、そして長老の孫という3世代の中でめぐる伝統と地位の継承の  葛藤を描き始める。  テレビ番組の秘境物が好きな人は絶対に楽しめる。距離感がなくなるほど澄んだ  天然色の映像は5000mを超える高山での撮影を行った為でしょう。フランス人の  好きな東洋神秘と密教の味つけがなされていますが、いやらしいほどではなく、  外国人のもつヒマラヤ山脈へのあこがれを十分映像で表現している。  ちなみに監督は「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のユニット・ディレク  ターです。納得ですよね。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆アインシュタインの脳(EINSTEIN’S BRAIN)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     ドキュメンタリー/1994/65分/イギリス     監督:ケヴィン・ハル     出演:杉元賢治(近畿大学助教授)  杉元教授がアメリカに渡り、『保存されているアインシュタインの脳』を探しも  とめる。結果的にロード・ムービーとなっていく。  これがなかなか面白い。なにせ天然ボケで英語が苦手な杉元教授(失礼しまし  た)が、わずかな情報をもとに脳を持っていると言われるトーマス・ハーヴェイ  教授を探し、アメリカ各地(ロス、ミズーリ、オークランド、カンザス)を車で  まわる。  アインシュタインのTシャツを買うわ、銅像には登るわ。出会った人には唐突に  挨拶も程々で「アインシュタインの脳を探している。どこか知っていますか?」  なんて聞きまくるのだった。奇人としか思えない行動や発言にも意外や意外、ア  メリカ人達の反応がやけに冷静で親切。  出だし10分程であっけなく脳が見つかると思いきや、単なる写真や資料だけだっ  たり、質問された老教授の話はやけに長ったらしかったり。本当にドキュメンタ  リーかいな?と疑ってしまう。  さらに笑えるのが『アインシュタインの脳』だ。結局ハーヴェイ教授に出会いホ  ルマリン漬の脳を見せてもらうことができるのだが、すでにぼろぼろだし、研究  なんてしてなさそう。宝物として保管しているだけで、いくつものパーツに刻ま  れた脳はアインシュタインの物だという証拠もない。  おまけに「子供のころからの夢」だからと言って脳の一部を切り分けてもらうこ  とになるが、台所から包丁とまな板を持ち出し、キノコでも切るように適当に切  り分けるハーヴェイ教授。ハエがたかるのは必見だ。興醒めしそうな現実だが杉  元教授は違った。念願かなった彼には安堵の表情が・・・。  アメリカのカラオケバーで「北空港」という演歌をアインシュタインに捧げると  言って歌う教授は日本映画の新しいヒーローかも知れない。(冗談)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼