ScreenKiss Vol.184

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

  ,.`☆
  .;^☆ S C R E E N K I S S
.’

Vol.184

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □アリ・ザウア   □プリンセシーズ   □エゥ・トゥ・エリス   □ウーマン・オン・トップ   □キャラバン記者会見 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆アリ・ザウア☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Ali Zaoua     2000/モロッコ/95min/1:2.40     監督:ナビーユ・アユーシュ     撮影:ヴァンサン・マチアス     出演:ムニーム・クバーブ、ムスタファ・アンサリ、        イシャム・ムスーヌ     2000 東京国際映画祭 シネマプリズム 10/29上映  ストリート・チルドレンとして生きる3人の少年が、行動を共にしていた仲間の  1人を対立するグループ同士の抗争で失う。その亡骸を3人で丁重に埋葬しよう  と決意し、様々な困難にぶつかりながらも、少しずつ実現に近づいてい  く・・・。  これが長編2作目にあたる、ナビーユ・アユーシュ監督の新作。まず本作を製作  するにあたって、ストリートチルドレンに関するリサーチに約3年を費やしただ  けのことはあり、作品の端々にその厳しさが感じられ、強く胸に伝わってくる。  かといって、重苦しさや悲壮感はそれほど強く残らない。  この点は、現実の厳しい側面ばかりでなく、少年たちのささやかな夢や希望と  いった内面にも目を向けている、監督の温かいまなざしであり、これこそが作品  をより懐の深いものとしているように思う。  さらに、劇中に出てくるアニメーションが、少年たちの望みを表現するのに素晴  らしく魅力的で、どことなく切なくて印象深い。そして、出てくる少年たちは実  際にストリート・チルドレンだったこともあり、その表情には説得力にも似た力  強さを感じる。その表情をしっかりとらえ、落ち着いた映像も心に残る。とても  いい作品です。                                  ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆プリンセシーズ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Princesses      2000年/フランス・ベルギー/100min/カラー/シネスコ     監督:シルヴィ ・ヴェレイド     出演:エマ ・ドゥ・コーヌ、ジャン=ユーグ・アングラード、        カロル・ロシェ     第13回東京国際映画祭・コンペティション     2001年公開予定  ソフィ、24歳。大人になりきれない自分に気付いている時、失踪中の父親が殺人  容疑者となり突然事情聴取をされる。そこから彼女の人生は大きく変わる事にな  る・・。腹違いの姉の存在、父親からの金の無心、何故かつきまとう謎の男、刑  事との関わり・・・。父を追って姉妹はいつしか心を通わせていくが・・。  引っ込み思案で、少しトロいソフィと、短気で投げやりなヴィルジニー。正反対  のに見える2人の「お姫様達」が、実は女好きで暴力をふるう憎っくき?父親の  血を紛れもなくひいていた・・・。ドメスティック・ヴァイオレンスの中で育っ  た子供がまた、そうした親の性癖を繰り返すことが問題になっているが、まさに  そんな感じ。ある意味、暴力は弱さをカバーしようとする行為なのかもしれな  い。  父の託したダイヤの出所や、それを狙うシモン(この貧相な変態男を、あのジャ  ン−ユーグが薄気味悪く演じている)と彼が殺害したミュリエルの関係等、  ちょっとサスペンスがかっていて、謎のまま終わってしまう点はちょっと後味が  今ひとつ。  それにしても、主演の2人、ご苦労様!と声をかけてあげたくなる位よく走って  いました。しかもそれをハンディカメラが追うので、見てる側としては乗り物酔  い状態に。しかし、パリからアムステルダムと、ロケーションの移動と共に空気  の色も微妙に違って見えたのは、撮影に技あり!でした。  主役の一人、エマ ・ドゥ・コーヌのパパは『嘘の心』に出演していたアントワー  ヌ・ドゥ・コーヌ。1998年のフランス映画祭で来日している。パパもなかなかハ  ンサムだったけど、娘もチラシによれば「フランスで爆発的人気を呼ぶアイドル  スター」なのだそう。日本でブレイクするでしょうか。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆エゥ・トゥ・エリス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Eu Tu Eles (Me You Them)      2000年/ブラジル/107min/カラー/35mm     監督:アンドルッシャ ・ワディントン     出演:ヘジーナ ・カゼ、リマ・デュアルテ、ステニオ・ガルシア     第13回東京国際映画祭/シネマプリズム・ラテンアメリカ映画小特集  男の子を生んで3年めに実家に帰ると、毋は亡き人に。そんなダレーンにプロ  ポーズしたのは、新居を構えた老人オズィアス。彼は1日中ハンモックの中でラ  ジオを聞きながら、ダレーンにあれこれ命令するばかり。家計を支えるのは彼女  の働き。ヤギを買いに来た商人や、オズィアスの従兄弟で居候になったゼジー  ニョ、そして労働現場で知り合った若い風来坊シーロとの間に次々と男の子が生  まれるが・・・。  田舎の主婦の投稿で、2人の愛人と夫の4人が一つ屋根の下で暮らしているとい  うラジオの情報でヒントを得たという監督。実際はブラジルは男性優位な社会な  ので、こんな話は希有なケースだそう。他人と巧くやっていくためには、どこか  で折り合いをつけなくてはいけないもの、そんな事を描きたかったという。  妻の不貞にも気付かないほど無関心でもあり、ある意味盲目的に寄り掛かってい  ていながら、「男」「家長」としての面子だけは保とうとする夫。そんな従兄弟  の横暴な振る舞いに、疑問を抱きながらも居候の座にいるゼジーニョ。案外  ちゃっかりしているのはこの男かもしれない。  彼等の均衡を破るライバルは、若くてハンサムなシーロ。彼を挟んで従兄弟同志  が結託するところも笑える。そして、一種滑稽な男達を巧くコントロールしてい  る肝っ玉母さんのダレーン。「原始、女性は太陽であった」と宣わった平塚雷鳥  先生のお言葉が頭をよぎってしまいました。タイトルも頷けます。  出ている俳優は粒ぞろいの芸達者だが、ダレーン役の女優がどこにでもいそう  な、ごく平凡な(つまりステレオタイプの美人でない)女の人なのが、より現実  味を帯びて面白い。「貧しいブラジルばかりが報道されて不満だ」と言っていた  客席のTV局の方もいたが、この作品は時代不祥、ロケ地不祥な感じがいいような  気がする。  とはいえ、「撮影前の緻密な現場検証と、建造物をリアルに見せる工夫」に苦労  した、とは美術監督のトニーさん。その甲斐あって面白い絵になりました。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ウーマン・オン・トップ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Woman On Top     ★★★☆☆     2000年/アメリカ(12月中旬公開予定)     監督:フィナ・トレス     出演:ペネロペ・クルズ     第13回東京国際映画祭協賛企画・カネボウ国際女性映画週間  情熱的な恋で結ばれた夫トニーニョと、ブラジルでレストランを営む女性シェ  フ、イザベラ。(ペネロペ・クルズ)。  料理の腕と美貌はだれにも負けないのに結婚後は『縁の下の力持ち』に甘んじて  いた。しかし最愛の夫の浮気が発覚。終身の彼女は親友のいるサンフランシスコ  へと旅立つが、彼女の料理が一躍話題となり・・。  料理を武器に男を虜にする女の話は珍しくもないが、本作の面白いところはこの  料理といういかにも『女を家庭に閉じ込めるもの』を通じて彼女が自我に目覚め  て行くという過程だろう。  また、コテコテのウーマン・リブ映画に有りがちな突っ張った感じがなく夫を思  い出して泣いたり、新しい恋に踏み切れなくて迷ったりと等身大(というか、弱  い)女性像であるところがペネロペの繊細な美しさに合っている。  赤いボディコンドレスで町を闊歩するペネロペは歩くフェロモンといった感じだ  が夫トニーニョ役の男性の、ラッセル・クロウ張りの色男ぶりにも是非注目を。  ブラジルの明るい太陽を思わせるような、果物、花、お料理などの色彩も美し  く、『匂い』を目で見せる手法も面白い。食欲、恋といった人間の基本的な欲求  を呼び起こすパワーがある。  ロマンチックなボサノバも全編に流れ、ラテン・ブームのツボもちゃんと抑えて  いる。  倦怠気のカップルも、空腹なときにカップルでこの作品をみればバッチリ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆キャラバン記者会見☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     1999年/フランス・ネパール・イギリス・スイス/108min/カラー/     シネマスコープ     www. gaga.ne.jp     第13回東京国際映画祭:特別招待作品(Screen Kiss Vo.183参照)     11/25〜シネマライズにて公開 記者会見出席者:エリック・ヴァリ監督  この映画で一番言いたかった事は「大人になってからの夢は、子供の頃の夢を実  現させる事。その為には多少のリスクを冒してでもやり通す事」という。それが  端的に表れているのは次の台詞だそうだ。「2つの道が君の前にある時、難しい  方を選べ。それが君を最良に導いてくれる事だから」  監督はフォトグラファーでもあるが、監督業との兼ね合いはほぼ問題ないとい  う。即ち、フレーミングのセンスや、色、光といった要素は写真と映画は共通し  ていて、映画になるとこれに動きが伴うだけだからだ。ただ、精神的には映画の  方が興行的な問題まで考えなくてはいけないので、ある面責任が重い。その責任  の為にも映画作りはしていきたいが、一方で1人でカメラを担いで歩く事も、い  つも現実という地に足をつけていたいので続けていくつもりだ、との事だった。  この映画を撮って変わった事と言えば、この映画の世界での成功により、外人観  光客がヒマラヤを訪れるようになった事。また、出演者はほとんどが、撮影後に  は元の生活に戻って行ったが・・勿論出演料で多少裕福にはなったが・・・子役  の子供はギャラを1度に支払う代わりにカトマンズの学校に行きたい、という事  で現在通っている。また、カルマ役のハンサムな彼はパリに出て現在俳優の修業  中という。  何れにせよ、この映画は現地ネパールでも大ヒットし、出演者も大満足だったそ  うだ。ラストのフォトセッションの時、それまで落ち着いて受け答えしていた監  督が急にそわそわしだした。いつもはカメラの後ろにいるのに、多数のフラッ  シュを浴びて落ち着かないのだそうだ。それでも眼鏡をはずした方がいいので  は?等とても気遣いの人でした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   ClickIncome  (http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   emaga (http://www.emaga.com/music/intro/film.html) ◇◇サービス______________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。   http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585 ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、[email protected]へ ◇◇協力・提携_____________________________◇ ◇   AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/) ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   mailto:[email protected] ◇◇スタッフ______________________________◇ ◇   【編集長】      【記事執筆】      【ヨーロッパ支局】    中津川 昌弘     鳥野 韻子       hana               立野 浩超               ゆたか               MS. QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存
スポンサーリンク