ScreenKiss Vol.193

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Vol.193

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □綺麗なお母さん   □倦怠   □ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ   □チャーリーズ・エンジェル   □都会のアリス >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆綺麗なお母さん☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     1999/90分/     監督:スン・ジョウ     出演:コン・リー     2000年モントリオール国際映画祭主演女優賞  先天的な聴力不足の障害をもつ息子ターを普通の学校に通わせたいとがんばる母  親スン。夫とは数年前に離婚しているが、まだ彼に未練が残る。がむしゃらに働  いて、息子に言葉の発音を教え、家事をこなしながら生活するが、普通校の校長  はターの発音が不十分ということから判断し入校を許可しない。  もちろん映画は、中国国内の不十分な福祉を訴えるというストーリーではない。  それだけだったらコン・リーがこんな庶民的な衣装で奇抜な赤い野球帽をかぶっ  て新聞配達の役なんてやるだろうか。町の様子も現代中国の庶民臭さであふれて  いる。  美人と言われた学生時代。結婚して幸せどころか人より不幸を感じながら、普通  の生活が得られないことに不満を持っている母親が、障害をもつ息子を受け入れ  るまでのストーリー。「こんな息子を生んだせいで夫にも別れられた」と考えて  いる彼女が、現実を受け入れ、「人と違う」事を認めるまでの葛藤が、学校入学  という節目でもって描かれていく。  終始息子に対する愛情が描かれているのだが、一部のセリフで息子に対して複雑  な感情があることに気づく。この辺りが脚本の上手いところだ。一方撮影は、時  たま起こる事故や喧嘩を撮るときに、被写体との距離を保ちながらハンドキャメ  ラが走る走る。手ぶれが感情を表し、気持ちが画面ににじみ出る。  「障害児の学校では障害の程度がいろいろで・・・だから普通校へ」時たま考え  させられる問題発言だ。  決してきれいな衣装を着るヒロインの役どころではなくても、女優の仕事として  は魅力がある映画で、大女優はこういった映画で演技に磨きをかけていくのだろ  う。かといって決してコン・リーの演技に魅力を感じた映画わけではないが、死  の概念を息子に説明するシーンや、夫の新しい奥さんよりも自分がいいと友人に  説明するシーンは好きだ。しかし夜のシーンでしらじらしく明るいライティング  には興醒めした。補聴器を買うお金の種明かしなど、ハリウッド的な誰でも理解  できるように説明が付け加えられる点、万人うけのためにはしかたないかもしれ  ないが、好きではない。                                 立野 浩超  第3回彩の国さいたま中国映画祭  会場:埼玉県浦和市 埼玉会館  11月25、26日、12月2、3日の4日間  日本初公開になる長編4本(1本はアニメーション)と長編2本、短編3本の上  映。当日券900円と格安。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆倦怠☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     L'Ennui     ★★★★☆     1998/フランス     監督:セドリック・カーン     出演:シャルル・ベルリング、ソフィー・ギルマン  冒頭の出会いのシーンでセシリア(ソフィー・ギルマン)が主人公マルタンに  (シャルル・ベルリング)いう台詞、「人を愛するのに理由が要るの?」この台詞  が後半、上手く生きてくる。  華奢で、キュートでセンスが良い、というフランス人女性のイメージを正反対に  したような主人公セシリア。何を聞いても「解らない」とあいまいな返事しかな  く、会話も成立しない。  下着も着けずに家に来るなり裸になり、前戯もなく文字通りヤルだけやって帰っ  ていく。『何事にも理由がある筈だ』と信じて疑わない男は彼女が自分を愛して  いると錯覚する。  前妻ソフィーと彼女の対比も良い。常に小奇麗なファッションに身を包み、知的  な会話も楽しめ、美しい。こういう女性と上手く行かなかった男がなんの魅力も  ない小娘のセックスに溺れてストーカーに成り下がり、結婚までも望む始末。セ  シリアの冒頭の台詞のような自分の行動を男は自分でも理解できない。  『ダメージ』『ロリータ』など男が小娘に狂わされていく作品はよくあるが、ラ  ストはとことん破滅するというイメージとは違いタイトル通りのアンニュイな感  じが残る。  心理ドラマとしては非常に面白いが、共感できるかといえばノー。ストーカー男  も異常だが、H大好き少女も理解不能。  余談だけど、このテの映画って絶対避妊してるところを見たことがないけどなん  で誰もできちゃったりしないんでしょう??映画業界ってヌードとか暴力シー  ン、はたまた喫煙シーンなどにはうるさいくせにこういうことにはこだわらない  んでしょうかね。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Breakfast of champions     ★★★     1999/アメリカ/109min/ヴィスタ     監督:アラン・ルドルフ     撮影:エリオット・デイヴィス     出演:ブルース・ウィリス、ニック・ノルティ、アルバート・フィニー     すでに公開終了(ビデオで出る?)  お茶の間でも人気で、自動車販売会社の社長であるドウェイン・フーバー。そん  な彼も今の生活に行き詰まり、拳銃を口にくわえ自殺しようとするが、それもま  まならない。いったい自分は何者なのか、人生の意味とは何なのか・・・。その  一方で、全く売れない作家のギルゴア・トラウト。そんな彼にある日、ドウェイ  ンのいるミッドランド・シティで開催されるアート・フェスティバルへの招待状  が届く。何で今さら俺なんか、と疑問を持ちつつも、出席するために旅立  つ・・・。そんな二人が運命の糸に導かれるように出会うのだが・・・!?  ブルース・ウィリスのコメディなんですが、こういったジャンルではちょっと記  憶にない。内容も、漫画チックな映像を挿入したり、誇張した大げさな演出、出  てくる登場人物が一癖も二癖もあるキャラクターばかりで、まさにドタバタ劇。  どの人物も人生の生き方にどこか迷っていて、そんな中から出てくる人間の部分  を面白おかしく描いている。  とにかく見所は、ブルース・ウィリスが薄い髪を振り乱しながらの馬鹿な演技は  もちろんなのだが、ニック・ノルティはもっとイッてる。これこそちょっと記憶  にない。よくこんな馬鹿な事を真面目に演じてるかと思うと、この人たちはやっ  ぱり一流なんです。一点の曇りもない。凄みさえ感じる。全体的には少し知的に  したテリー・ギリアムっぽい印象?                                   ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆チャーリーズ・エンジェル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     charlie's angels     ★★★     2000/アメリカ/98min/シネスコ     監督:マックジー     撮影:ラッセル・カーペンター     出演:キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー  1976年にあったTVドラマのリメイクであるけど、タイトルバックや序盤あたり  は、それを意識したTVドラマ的手法の映像を折り込み、うまく逆手にとってい  る。全体的に下らない内容と言ってしまえばそれまでだけど、ここまで開き直っ  て堂々とやってしまえば面白い。  アクションも今はやりのワイヤーを使ったアクロバティックな動きが入り、序盤  の格闘シーンなどは激しさあり、スピード感ありで、見ごたえ十分。確かに3  人、頑張ってます。さらに、ノリのいいロックナンバーを使ってる音楽が、うま  く映像とマッチして、作品にテンポのいい流れを与えている。リメイクといいつ  つ、上手い具合に今っぽさも詰め込んでる、この監督のセンスあり。  エンジェル3人の魅力も出ていて、素直に結構楽しめる作品。                                   ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆都会のアリス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Alice in den Stadten     1974/西ドイツ/112分/白黒     製作・監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース     出演:リューディガー・フォーグラー、イェラ・ロットレンダー、        リザ・クロイツァー  映画館でのリバイバル上映、またビデオや衛星テレビ等で観る事が可能な過去の  作品群を、連載の形でお伝えしているが、第5回目にあたる今回から、戦後の東  西分裂後、長らく低迷していたドイツ映画に新しい風を吹き込んだ、いわゆる  ニュー・ジャーマン・シネマを取り上げる。以下、本文に続く。  ドイツ人ジャーナリストフィリップは、アメリカの風景を取材し、物語としてま  とめなければならないにもかかわらず、写真ばかり撮っている。エージェントか  ら非難され、原稿料の前借りを拒否され金に困る。ドイツに戻る決意をするが、  空港でストライキの為ドイツ便欠航を聞かされる。同じようにドイツに戻ろうと  していた、母子と知り合い、アムステルダム行きの予約を済ませる。翌日、旅立  つ時になって、同部屋で宿泊していた母子の母親から、娘のアリスと、先にアム  ステルダムに戻るようにとのメモを渡される。アムステルダムに着いたはいい  が、待っても母親が現れない。アリスを重荷に感じ始めたフィリップは、彼女の  祖母を探す事にする。  今年、大ヒットをした『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を監督した、W・  ヴェンダースの初期の代表作。自分自身の分裂に悩みながら、少女と旅するうち  に救済される物語。ヴェンダースは、「車やジュークボックスや自動販売機の出  てくる映画」を撮りたかったと述べている。  アリスを演じるイェラ・ロットレンダーが非常に良い。わがままで生意気だが、  フィリップ同様我々も彼女と接していくうちに、救われていく気がする。次第  に、彼女の姿を画面に求めるようになっていく。名子役と言われた俳優は何人も  いるが、大人より力強く、自意識に溢れた役柄は今まで見た中で彼女が初めて  だ。  劇中、偉大なアメリカ人監督ジョン・フォードに対するオマージュが見られる。  撮影中亡くなったこの巨匠に尊敬の念を表する意味で、フィリップがモーテルの  テレビで見る映画『若き日のリンカーン』や新聞にJ・フォード死去の記事が書か  れているシーンに見て取れる。  また今作は、ヴェンダースの「ロードムービー3部作」の1つと言われている。  残りの2作は、『まわり道』と『さすらい』。今作と合わせて見てみるのも面白  いだろう。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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