ScreenKiss Vol.195

バックナンバー

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

  ,.`☆
  .;^☆ S C R E E N K I S S
.’

Vol.195

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:グリンチ   □トーキョーシネマショー2001   □タイタス   □老親   □ホワット・ライズ・ビニース >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:グリンチ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Grinch     ★★★★★     監督:ロン・ハワード     出演:ジム・キャリー     ナレーション:アンソニー・ホプキンズ  クリスマスを口実に彼女とホテルにしけこもうとしてるそこのあなた、子供には  プレステ2でも買っとけば、機嫌とれっか。とか油断しているお父さん、クリス  マスは何の日でしょう?そう、キリスト様の誕生日ですね。  つまりキリスト教の素晴らしい教えを愛する人に伝えるチャンスでもあるわけで  す。(クリスチャンであるかないかは別として。)『孤独は罪』とか『隣人を愛  せよ』とか。で、そんなことを楽しく、夢一杯に伝える映画が登場しました。ア  メリカの子供なら誰でも知っている絵本『グリンチ』の映画版です。  始まるや否やまるでディズニー・ランドのトゥーン・タウンのような、可愛らし  い町が登場、架空の町フーヴィルを舞台にクリスマス大っきらいなグリンチが、  なんとかブチ壊そうとする話なんだけど、とにかく夢がある。  衣装の一つ一つや、少女の部屋にあるツリーやバレリーナがまわるレコード・プ  レイヤーといった小物達がじっくり作りこまれていて、さすがディズニーランド  やラスベガスを生んだ国の映画という感じ。  ジム・キャリー主演だからってお馬鹿映画と勘違いしてはいけません。むしろこ  れは心優しい少女を主人公にし、キャリーはあくまで控えめ。(と、いいつつモ  ノマネや独特の腰使いで思いっきり笑わせては繰れるんだけど。何故か野○沙○  代に似ている気がする。)  いじめの問題やクリスマスの本当の意味などを解りやすく楽しく伝える作品で、  久しぶりに子供に見せるべき映画の登場といった感じ。おしつけがましさもな  い。  この映画を見て泣いたり笑ったりしている子供達を見て世の中捨てたもんじゃな  いなあ、と私も涙を抑えられなかった。  クサイけど是非大好きな人と見て欲しいですね。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆トーキョーシネマショー2001☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     『第13回東京国際映画祭』協賛企画     11月28日、東京商工会議所東商ホールにて     司会:襟川クロ  仕事半休とって行ってきました。なにが行われるかといえば、109本の予告編を3  時間以上かけて一挙に上映するという企画。すでに試写会が終わっている映画や  予告が映画館で流れているものも多く新鮮ではないのですが、サム・ライミ監督  の「ザ・ギフト」(THE GIFT)は国内初の映像が流されました。また、改めて予  告編作りの難しさを感じましたね。おもしろそうな予告編だとやっぱり見に行き  たくないますが、反対につまんなさそうなものも多いので・・・。ハリウッドの  大作でもしかり。  ジャン=ジャック・アノー監督の「スターリングラード」は今立てつづけに主演作  品が公開され、東京でもっとも新鮮な俳優ジュード・ロウの主演。  「CHOCOLAT」は監督ラッセ・ハルストレムで、主演がジュリエット・ビノシュと  ジョニー・デップという異色の組みあわせにも関わらず、誰か1人を好きな人は  絶対に見に行きたくなるでしょうね。  マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオという組み合わせの  「ギャング・オブ・ニューヨーク」はディカプリオの演技の才能を判断できる映  画になるでしょう。「ギルバート・グレイプ」で演技派と呼ばれた彼ですが、そ  の後はいつも叫んでいるだけのいやな男になっちまったぜ。  「シックス・センス」のM.ナイト・シャマラン監督は再度ブルース・ウィリス  と組み、「アンブレイカブル」です。予告を見るかぎり、またしても大きな落ち  (秘密?)が用意されていますね!  「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」のガイ・リッチー監督  の才能を認めてブラッド・ピットが主演を申しでたらしい「スナッチ」は必ず見  ましょう。はずさない予感が予告編からもひしひしと。予告編にだまされること  も多いのですが、これは間違いない!  ガス・ヴァン・サント監督の「FINDING FORRESTER」には年老いても今だ渋い  ショーン・コネリーが主演し、小説家と天才アスリートの友情という感動作をつ  くったかと思えば、反対にいくつになっても若く見えるロバート・レッドフォー  ド監督は「バガー・ヴァンスの伝説」でマット・デイモンと組んで、浮浪者と落  ちぶれたゴルファーの友情作品を作っている。この映画はゴルフ物ですが、  「ティン・カップ」が好きな人はぜひ。私は決して見に行かないでしょう。  もちろんミニ・シアター系、単館系にも魅力的な作品があります。  アンジェイ・ワイダ監督は「パン・タデウシュ物語」を引っさげて。「ラン・  ローラ・ラン」で渋谷系映画の新しい時代をつくったトム・ティクヴァ監督は主  演に再度フランカ・ポテンテを向かえ「DER KRIEGER UND DIE KAISERIN」(ザ・  プリンセス&ザ・ウォリアーズ)を送りこみます。  私の好きな男優ジョン・タトゥーロは「THE LUZHIN DEFENCE」と「オー・ブラ  ザー!」に主演(助演)。エミリー・ワトソンやジョージ・クルーニーと共演、  しかも「オー・ブラザー!」はコーエン監督です。  色男(私好み)のスキート・ウーリッチは「楽園をください」(アン・リー監  督)でトビー・マグワイヤ、ジョナサン・リース・マイヤーズと競演。トビーは  別として色男ばかりですね。あ、トビーの演技は好きですよ。  ジャン=ユーグ・アングラードは「EN FACE」(フェイシング)と、「MORTAL  TRANSFER 」(モータル・トランスファー)の2作品が上映されます。「モータ  ル・トランスファー」は監督ジャン=ジャック・ベネックスと聞いて見たくない人  がスクリーンキスの読者にいらっしゃるでしょうか?  中近東映画が好きな方にはイスラエルの巨匠アモス・ギタイ監督の「キップー  ル」が公開される予定ですし、ポルトガル映画祭2000で「クレーヴの奥方」(マ  ノエル・デ・オリヴェイラ監督)を見逃した私のような人は、銀座テアトルシネ  マで公開予定がうれしい。  スペインの芸術家カルロス・サウラ監督は「GOYA」(ゴヤ)で画家ゴヤに迫る。  好きな監督が好きな画家の作品を撮るとは、ちょっと複雑な気分です。  きりがないのでこの辺で。あ、イラン映画「サイレンス」もお忘れなく。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆タイタス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     TITUS     1999年/アメリカ/162min/カラー/シネマスコープ     監督:ジュリー ・テイモア     出演:アンソニー ・ホプキンス、ジェシカ・ラング、アラン・カミング     www.gaga.ne.jp  戦争ごっこをしている子供。屈強な男が子供を抱えて連れていった先はコロシア  ム。兵士達の行進、ゴート族を制覇した英雄タイタスの登場。子供は彼の孫にな  る。この戦争で息子の大半を失った彼はゴート族妃タモラの長男を処刑する。折  しも次期皇帝選出に揺れるローマ。タイタスの推薦で帝位に着いたサターナイナ  スはタモラを妃に迎える。が、それはタイタスファミリーの悲劇の始まりだっ  た・・・。  拷問、レイプ、殺人、カニバリズム・・と、シェイクスピア作品の中でも特に陰  惨を極めると言われる作品の映画化である。監督は舞台『ライオンキング』の演  出でトニー賞に輝いたジュリー ・テイモア。3時間近い長尺を飽きさせる事なく  ラストに導く手腕はさすがである。古代ローマを舞台にしながらも、現代やナチ  スといった様々な時代を交錯させつつ、フェリーニやパゾリーニ、ゴダール的手  法をわざと取り込み、更にCGを駆使して時空を超えた普遍的な人間の業(ごう)  を見せる。  が、タイタスの孫が悪の結晶のような赤ん坊(アーロンとタモラの息子)を抱い  て未来に踏み出すラストシーンは人間の「善」の部分を思い起こさせ、この悲劇  的ストーリーに一筋の光を与えている。  各所に見られるショッキングな場面は、歌舞伎的ケレン味を感じさせる演出で乗  り切っている。舞台的手法と映画的手法を上手に組み合せ、それに合わせて登場  人物達も演技を変えている。特に主役のA.ホプキンスは前半の重厚な演技に対  し、後半の復讐劇ではコミカルでさえある(コック姿はハンニバルレクター  だ)。  又、対称的な人物の配し方が巧い。とりわけ対極にある2人の女性が印象的。性  的魅力を存分に発揮する悪知恵に長けたタモラと、清純で仔鹿のようにタモラの2  人の息子(虎)の餌食になったラヴィニア。彼女はまたタイタスの唯一の娘とし  て彼の優しさの象徴でもある。レイプされた上に舌と両手を切られてなお、凄惨  な美しさがある(ローラ・フレイザーが魅力的)。  毎年誰かが何処かで演じているシェイクスピア。時代を超えた普遍的な人間描写  が人々を魅了し続けているのだと、この作品から再び納得してしまいました。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆老親☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     2000年/日本/112min/カラー/スタンダード     監督:槙坪夛鶴仔     出演:萬田久子 、小林桂樹、草笛光子、米倉斉加年、榎木孝明     12月15日まで岩波ホールにて公開中  成子47歳。7年前、東京で癌を患う実父の世話の最中に斑鳩の義母が倒れ、没後は  義父の世話をしてきた。実父の最期には会えなかった。その間東京に単身赴任し  ていた夫は、今回兄弟もいる大阪勤務内定。が、成子は離婚届を差し出す。世田  ヶ谷に居を移した成子の元に、家出した義父が居候を決め込む。猛特訓のお陰で  義父も留守番が出来るようになった矢先、足の痛みが悪化。車椅子の退院と共に  大阪に戻り帰らぬ人に。その体験記が売れ始めた成子の元に今度は実母がやって  くるが・・。  親の介護=総領、長男の嫁は当たり前、専業主婦なら言わずもがな。という女性  に対する世間一般の常識が非常識になるのは何時の事か・・という大きなテーマ  をこれほど迄に客観的に、時にコミカルにまとめた原作者と監督に拍手だ。原作  は門野晴子氏の『老親を捨てられますか』『寝たきり婆あ猛語録』。介護保険制  度実施を前に様々な媒体を賑わしていた著作である。キャストの競演も楽しめ  る。  親の世話は何故女性なのか?の疑問の前にその悪循環を美徳のように連綿と次世  代に押し付けてきたのも女性達であった。一方で家事に手を出すのは女々しい事  のように仕立てられた男達。作品でも老齢の域に入った息子の車椅子を押す母親  が登場するが、ここには世話する側が倒れる事が計算されていない。こうした理  不尽な常識で一番得をするのは、欠陥だらけの社会福祉行政かもしれない。  幸い(と言うべきか)祖父母はボケる事なく往生してくれた私にとって、実のと  ころ、成子の体験は考えるだに恐ろしい。老人の世話もさることながら、大きく  頷いてしまったのは、封建的な奈良の地域性や特有の表現。Yesと言う口と裏腹な  行動。同じ狭い国土の人間なのに理解しあえないのだ。慇懃無礼な親類、近所の  態度に遂に啖呵を切ってしまう成子の心境が痛いほど判る。  そうした文化を乗り越えて理解しあえた義父と成子に対し(成子との同居で義父  は彼女をママと呼ぶようになるのも面白い)、憎まれ口が彼女の生ける証とは言  え、毋娘でありながら素直になれない母親。数年経てばそのうち、映画が他人事  ではなくなるだろう・・そんな気持ちもあって映画館に足を運んだ。そんな思い  の同年齢がいると思いきや、老親当人が何と多かった事か。ちょっと考えさせら  れた現実でした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ホワット・ライズ・ビニース☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     What Lies Beneath     ★★★★☆     監督:ロバート・ゼメキス     出演:ミシェル・ファイファー、ハリソン・フォード  有能な研究者である夫ノーマン(H・フォード)と溺愛する娘と共に海辺の美しい  家で暮らすクレア(M・ファイファー)。そんな幸せそうな暮らしも娘の大学寮へ  の転居を境に変わり始める。誰もいないはずの家に『何か』の気配を感じ出す彼  女、時同じくして隣家の妻メアリーの姿が見えなくなり、クレアは彼女の幽霊が  いるのではと思いこむが・・・。  古いのに塵一つないように整然と片付いた部屋、常に霞がかかった海の風景、そ  して異様な光を放つ白いバスルームと、恐怖を煽り立てる演出が上手い。  娘ケイトリンが家を離れる日に着ていた濃いピンクにパンダ柄のTシャツ、それ  を最後に画面から明るい色が消える。そういう視覚的効果が否応無しにクレアの  孤独感を醸し出す。  幽霊の姿が見えそうで見えないため、出るか出るかという緊張感が常に続く上、  もしかしたら本当はクレアがおかしいだけなのでは、と私達にも感じさせる。た  だの恐怖映画に終わらず、『仮面夫婦』といういかにも原題社会的な問題も浮き  彫りになってくる。  とまあ、終盤までは本当に恐く、常に緊張の高まった状態が続くが、ラストだけ  が『ケープ・フィア』の如くしつこくなるのが残念。  ちなみに夫の名前ノーマンは『サイコ』の主人公と同じ。ゼメキス監督の目配せ  が見えるようだ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   ClickIncome  (http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   emaga (http://www.emaga.com/music/intro/film.html) ◇◇サービス______________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。   http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585 ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、webmaster@ScreenKiss.comへ ◇◇協力・提携_____________________________◇ ◇   AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/) ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   mailto:webmaster@ScreenKiss.com ◇◇スタッフ______________________________◇ ◇   【編集長】      【記事執筆】      【ヨーロッパ支局】    中津川 昌弘     鳥野 韻子       hana               立野 浩超               ゆたか               MS. QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼