ScreenKiss Vol.210

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Vol.210
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □Movies-High! NCWセレクション Bプログラム   □ユリイカ   □ぼくの国、パパの国   □ハムレット   □フリークスも人間も >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆Movies-High! NCWセレクション Bプログラム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  13日(土)よりBOX東中野で公開中の、「Movies-High! NCWセレクション」。第  208号で、Aプログラムの作品をご紹介したが、今回は20日(土)から上映されるB  プログラムの作品をお伝えする。以下、上映順。 ■あのときかもしれない   2000/14分/カラー   監督・脚本:今西祐子   出演:栗原雅子、桂毅  同じ大学の伸冶に恋するさちだが、なかなか思いを告げられずにいる。夏の午  後、仲間4人で花火をする事になり、勇気を出して伸冶を映画に誘おうとする  が、伸冶は彼女を連れて来ていた。  荒削りな点が目に付く。大事なカメラを伸冶が置き忘れていたり、さちのキャラ  クター設定が子供っぽい。また、浴衣に花火ときたので、てっきり花火大会にで  も行くのかと思いきや手持ち花火で遊ぶだけ。セリフにもあったが、浴衣でなく  ともいい。イマイチ主旨が伝わってこなかった。  しかしながら、内気なさちの心情を、メモ帳やカメラを用いて表現している点が  なかなか面白い。メモ帳に向かって写真を撮り、自分の気持ちを伝えようとする  シーンのアイディアは秀逸。その後に続くさちのセリフと相成り、効果を挙げて  いる。 ■ポイント   1999/20分/カラー   監督・脚本:モリヒト   出演:志水晃、藤友久美子  壁マニアの妹の失踪をきっかけに上京する兄。妹の部屋には山積みの壁写真  が・・・。手掛かりになる一枚の写真を頼りに、兄は妹を探し始める。  始めと終わりの浜辺のシーンが美しく印象的。とりわけ、浜辺にそびえ立つ壁は  脳裏に焼き付いて離れない。このシーンを見て、『2001年宇宙の旅』の黒石板を  思い出した。そのくらいインパクトあった。  『ninoude monkey』といい、誰もが思い付かないような事柄を題材に、1つの作  品を作ってしまう発想力、観察力の鋭利さはお見事。 ■畳の桃源郷   2000/28分/カラー   監督・脚本:森義隆   出演:永井拓郎、筧尚子   2000年水戸短編映像祭審査員奨励賞  うだつの上がらない3人の男。六畳一間で同性(?)生活をしている。ある日、飽  田のかつての恋人直佳が転がり込んで来る。直佳を交えた4人の生活が始まり、  彼等の生活に変化が訪れる。  周到な脚本、抜群の編集、と見所多い作品。特に、3人の男が、自転車に乗る直  佳を追い駆けるシーンで、3箇所に切り貼りした編集テクは目を細めるほど。  また、六畳という空間が、人物の心にも重なるように見え、効果を挙げていた点  も見逃せない。 ■揚力の日   1999/17分/カラー   監督・脚本:和田浩之   出演:石川太郎、操上謙太   2000年水戸短編映像祭グランプリ  車の中で昼食をとっていた2人の営業マンの前に、ビルの屋上から男が墜落死す  る。その男の襟首には、ハンカチがマントのようについていた。それを見て後輩  の営業マンが、かつて自分もビルから飛んだ話を始める。  この作品も、上記『畳の桃源郷』と同じく編集がいい。それと、滑空するという  独創性の高い発想も特筆に値する。  また、エレベーターのシーンは、笑いを誘う作りでありながら、人物の葛藤が巧  く表現されていて見応えあった。ラストの意外性もさる事ながら、そこに至る展  開部からの作りがよく描かれていて、思わず手に汗握るほどだった。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ユリイカ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     EUREKA     2000年/日本/217min/クロマティックB&W/35mm     監督・脚本・編集・音楽:青山真治     出演:役所広司、宮崎あおい、宮崎将、斎藤陽一郎     2000年カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞・エキュメニック賞     1月20日(土)よりテアトル新宿にて公開  九州で発生したバスジャック事件。生き残ったのは運転手の沢井と乗客の直樹と  梢兄妹だけ。マスコミの目を逃れるように沢井はふらりと旅に出、直樹兄妹の家  では毋親が家出、父親は自殺。漸く戻ってきた沢井にまとわりつく刑事。地元で  は沢井の帰郷と同時に連続殺人事件が発生していた。学校にも行かず兄妹だけで  暮らす2人の元へ同居する沢井。2人の従兄、秋彦と4人はバスであてどない旅  に出るが・・。  カンヌでの受賞と共に、実際西鉄バスで起きたハイジャック事件との酷似からも  話題になった作品がいよいよ公開する。しかし、事件はきっかけにすぎない。こ  こに登場する人物達は皆病んでいて、彼等は現代人の代表ともとれるかもしれな  いのだ。  事件のショックを受けている子供達を守り切れなかった親、悪夢から漸く解放さ  れたと思った沢井も延々と自分の人生に痕跡を残しつづける事件の執拗さからは  逃れられないでいる。そして口をきかず子宮回帰のように楕円形のラグに丸く眠  る兄妹(これが何とも美形は実の兄妹)。  EUREKAとは、ギリシャ語で「発見」の意。見失った自分探しの旅。唯一事件とは  無関係の秋彦のの発言は浅薄な世間一般の代表だ。バスの側面を叩くとき3人に  だけ通じるリズム。この映画ではこれといった劇的な音楽を一切排除している。  時に聞こえるピアノの透明な音が彼等の心境を照らしているのかもしれない。  そして全編を被う柔らかな色彩。これがモノクロネガで撮影してカラーポジにプ  リントする「クロマティックB&W」の成果らしいが、見る側は色のない世界に確  実に色を想定してしまう。そして梢の台詞と共に色付けされた映像と、ダイナ  ミックな俯瞰撮影で一挙にラストに流れ込む。3人の心に漸く色が戻った瞬間。  行く先々で発生する殺人事件。沢井が直樹を自転車に背中合わせで乗せて質問す  る。冒頭で沢井がバスジャック犯の人質となった時と同じスタイルだ。「人を殺  してはいけないのか?」・・直樹の無邪気な答に現代の様々な事件の真髄が見え  ているようで怖いシーンだ。3時間37分はあっという間。ただ九州弁のせいか?  時々言葉がわからないのが残念だった。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ぼくの国、パパの国☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     east is east     1999年/アメリカ/96min/カラー/1:1.66ヴィスタ     監督:ダミアン ・オドネル     出演:オーム ・プリー、リンダ・バセット、ジョーダン・ルートリッジ     2000年英国アカデミー映画賞、カンヌ国際映画祭第1回メディア賞     1月20日(土)より恵比寿ガーデンシネマにて公開  「ジョージのイングリッシュ・フィッシュ&チップス」の経営者でパキスタン人  のジョージとイギリス人エラは子供7人との大家族。パパの意向でパキスタン式結  婚式をさせる筈だった長男は、式の最中に逃亡して帽子デザイナーで成功、男と  同棲。末っ子ザジはひょんな事から未割礼が発覚し、病院で施術。懲りないパパ  は、今度は秘密裏に次男、三男への見合いを強硬したが、当日、相手の家族の態  度にママが激怒。子供&ママVSパパの闘いは・・・。  作品と同様の家庭に育った脚本のアユーブ・カーン・ディンは、まんま末っ子ザ  ジ。彼はいつもフードを被ってさながらカメラを覗くように、家族を「観察」し  ている。ラストの騒ぎでちぎれたフードは彼の成長を象徴しているようだ。  タイトルは詩人キップリングの有名なバラードの一節で、決して融合する事のな  い東西、しかし互いに認め合う東西・・と続くのだそうだ。ここでは両親に代表  される東西だけでなく、移民排斥派の政治家イーノック・パウエルや一家に侮蔑  の視線を送る隣人・・といった相反する要素を巧く取り込み、更に一切を越えた  家族の「愛」の物語として一気にまとめている流れは見事。  ママと子供達がTVで宇宙の番組を見るシーン。それぞれの胸には「孤独」の文字  が浮かんでいたに違いない。一見独善的なパパも、実は英国にもパキスタンコ  ミュニティにも馴染めない孤独を感じていたのではないか。パキスタン人との結  婚を強要しながら「自分は英国人と結婚してる癖に」と言う息子の鋭い指摘には  反撃出来ない。そんな一家の中での孤独・・空威張りのパパはちょっと哀れ。  喧嘩すると「第1夫人を呼び寄せてやる」という彼だが、ママに床屋の椅子何か  買って来る等見え見えのゴマのすり方が可愛い。そしてお転婆な一人娘ミーナ、  ゲイの長男、真面目な2男、ナンパ男の3男に唯一信仰心厚い4男、ゲージツ家  気取りの5男・・と子供達も全員個性的。  そこへパパの友人の娘・・出っ歯の長女と首なし次女やパキ蔑視の隣人の孫なが  らミーナに憧れるど近眼のアーネスト、5男に憧れる肥満児ペギー・・と多様な  人物が交錯して漫画チックな面白みを加えている。なお、国際結婚のカップルに  は割引きがあるそうですよ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ハムレット☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Hamlet     2000年/アメリカ/112min/カラー/ヴィスタ     監督・脚色:マイケル ・アルメイダ     出演:イーサン ・ホーク、カイル・マクラクラン、        ダイアン・ヴェノーラ     http://www.shochiku.co.jp/     1月20日(土)より恵比寿ガーデンシネマにて公開  ニューヨークのマルチメディア大手、デンマークコーポレーション社長が急死し  た。後継者は弟のクローディアス。彼は故人の妻、ガートルードと結婚するが甥  のハムレットからは信用されない。映画監督希望のハムレットは友人達の協力  で、亡霊となった父から真相を聞き、狂気を装いながら伯父の手口を映画にして  発表する。ハムレットの存在に危険を感じたクローディアスは一計を案じる  が・・・。  カメラを片時も手放さず、ニットキャップに無精髭、ペントハウスで活動し、オ  フィーリアへのプレゼントもあひるのガーコ・・という今風若者ハムレット。企  業の御曹子の設定はカウリスマキ監督の『ハムレット・ゴーズ・ビジネス』でも  使われていたが、彼の見ているビデオや劇中で発表される彼の作品『マウス・ト  ラップ』ではふんだんに歴代のハムレット役者も登場して、それだけでも飽きな  い。  しかも製作がミラマックスなので、悩めるハムレットが歩くビデオショップでは  『クロウ2』がデモビデオというお遊び付き。J・ディ−ンをさりげに登場させて  ハムレットの心境を写すところなど、徹底的に映像を使いこなしている。伯父が  仕組んだハムレット暗殺計画もPCの改ざんで難なく切り抜け、連絡はファック  ス。そこまで「現代」していて台詞だけ古典というギャップがまたいい。いくら  文明が進んでも人の心は同じという訳か。  歴代では初めて、ほぼ原作通りの年齢というイーサンの若々しい演技もよかった  が、革コートでペプシ販売機に消える亡き父サム・シェパードもカッコイイ。そ  してブルーのマニキュアにヘソ出しルックのオフィーリア役の新進女優、ジュリ  ア・スタイルズや、級友ギルデルスターン役で、目元が姉ユマにそっくりのデカ  ン・サーマン、そしてぷっくりした唇が何ともセクシーなカール・ギアリー  (ホーレイショ役)等若手俳優の演技も見どころ。今から目をつけて将来の活躍  を楽しみにしましょう。  グッゲンハイムを舞台に取り入れたり・・と発想はなかなかだったのにラストは  あまりにバズ・ラーマン監督の『ロメオ+ジュリエット』的で惜しいかも。まさ  に「意図は我々のものでも結果が一人歩きをする」でした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆フリークスも人間も☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Of Freaks And Men     1998/ロシア/35mm/セピア/93min/1:1.66     監督:アレクセイ・バラバノフ     撮影:セルゲイ・アスタホフ     出演:セルゲイ・マコヴェツキー、ディナラ・ドルカロワ、        リカ・ネヴォリナ、ヴィクトル・スホルコフ     http://www.uplink.co.jp/     2001年2月17日(土)より     ユーロスペース、吉祥寺バウスシアターにてレイトロードショー  今世紀初頭のサンクトペテルブルク。有能な鉄道技師ラドロフと高名な医師ス  ターソフ、二つの幸福なブルジョワ家庭。そこに、女性のお尻を鞭打つ写真の製  作をするヨハンとその仲間たちが、ラドロフの娘リーザやスターソフの養子で  シャム双生児のコーリャとトーリャに近づくことで、一見平穏そうなこれらの家  庭が徐々に崩壊していく・・・。  まず目をひくのが、とても美しいセピア色の映像。普段、映画ではあまり見られ  ないこの色によって、この作品の時代性や全体に漂う妖しい雰囲気を上品に浮き  立たせていて、とても印象深い。  本作を撮る最初のきっかけとなったのが、ハンブルグのエロティック博物館に  あった1850年のセピア色の写真で、そのイメージに従ってセピア色に撮った、と  監督自身語っているが、この作品の映像にも至るところに写真的な美しさが感じ  取れる。  ブルジョワ家庭が破滅していく過程で、人には決して言えない倒錯した性欲が暴  かれ、浮き彫りにされていくなど、インモラルな何とも危うい感覚。そして、そ  の崩壊と顛末に何とも言えぬ怖さと哀しさ。  登場人物も、モンゴル人のシャム双生児が特異な存在として不思議な魅力を放  ち、ヨハンが何とも寡黙だがそれが逆に得も知れぬ怖さとなっている。それか  ら、リーザ役のディナラ・ドルカロワは、日本でも公開された「動くな、死ね、  蘇れ!」(監督:ヴィータリー・カネフスキー/1990)の少女役で出演し、本作で  は、より大人になった姿を見せている。  この作品は、1998年カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品され、大絶賛をうけ  た。バラバノフ監督自身は、1997年の「BRAT(仮題)」が、その年のカンヌ  国際映画祭のある視点部門に出品され、ロシア国内でもNO.1ヒットを収めるな  ど、世界的に注目された。そして本作が、彼の日本初公開作品になる。                                  ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇今日の偉人_____________________________◇ ◇  Macaulay Culkin (マコーレ・カルキン)  映画ホームアローンで一躍人気を得、天才子役として数々の映画に主演するが、  さすが天才だけあって、もうアル中になったと言われる。 ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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