ScreenKiss Vol.211

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Vol.211
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □サンフランシスコ映画情報Vol.2   □シベリア超特急2   □浅田彰セレクション「若者よ、目覚めよ!」   □はなればなれに   □素晴らしき哉、人生! >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆サンフランシスコ映画情報Vol.2☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  SFの映画館はその殆どがいわゆるシネマ・コンプレックスであり、いわゆるミ  ニ・シアターなるものは希。  とはいえ、マニアックな映画ファンだって絶対にいるし、ミニシアターだってあ  る筈と思ってたらありました、へイト・アンド・アシュベリー通りに。  伝説のバンド、グレイトフル・デッドゆかりの地として知られるこの通りは彼ら  のグッズ(デッド・ベアなど)が並ぶ可愛らしい雑貨やさんや古着屋、ベジタリ  アン・レストランなどが並び、日本でいえば下北沢のような雰囲気か。  そこにある映画館『RED VIC』では日替わり、週がわりでメニューを組み、少し前  に上映されたメジャー作品からヨーロッパ作品の特集上映など新旧ジャンルを問  わない作品を紹介している。  詳しい上映内容は映画館で発行している新聞で解る。(周辺の喫茶店などにも置  いてある。)  この1、2月の上映予定作品から幾つか例に挙げてみると、独映画『ラン・ロー  ラ・ラン』、仏映画『ロスト・チルドレン』、ブラジル映画『オルフェ』、日本  映画からは『月光の囁き』『ゴジラ』、新作メジャー系からは『チャーリーズ・  エンジェル』などが上映され新旧国籍ジャンル問わず実に多種多様である。  また、いわゆる単館系の作品でもヒットさえすればメジャーと同等に扱われるの  もアメリカならでは。  日本でも大ヒットを記録した『ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ』はシネコンプ  レックスでメジャー作品と並んでロングラン上映された。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆シベリア超特急2☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     SIBERIAN EXPRRESS 2     ★★★★☆     2000/日本/106分     監督・脚本:Mike Mizno(水野晴郎)     出演:水野晴郎、草笛光子、淡島千景  いまや伝説となった「シベリア超特急」。味をしめた水野晴郎が挑んだ第2作  は、2匹目のドジョウとなるか?  上映館は東京の人にはちょっと有名な、地下鉄の音が響く劇場、銀座シネパトス  でした。そう、もう理解されましたよね。列車の中にいる臨場感があふれる映画  館なのです。が、しかし、この第2作はホテルが舞台。おお、意外や意外。その題  名からは想像を絶する設定。そして、密室殺人事件に挑む、しかも自分に不利な  状況下の山下将軍。「緊張から手に汗にぎり」、ではありませんよ、残念なが  ら。なんと、館内大爆笑でした。  映画好きの撮った映画、映画好きだからこそ撮れた映画。今日から私は尊敬しま  す、水野さん。  しかし、まあ、彼のセリフのへたくそなこと。有名俳優達が決してうまい演技を  している訳ではないですが、彼が話しをするたびに館内が大爆笑でしたよ。まさ  か、それも演技のうちだったか?これがこの映画の最大の魅力といってもいいで  しょう。  ぼやけたフォーカスといい、雰囲気ぶち壊しの音楽といい、しらじらしすぎる  『オデッサの階段』(「戦艦ポチョムキン」より)のパロディーといい、それが  またこの超自主制作映画のいいところです。(誉め言葉)  さらに主演といってもいい須藤温子('97年全日本国民的美少女コンテスト・グラ  ンプリ)が可愛らしくてよかった。涙が目の真ん中から落ちるシーンは必見  (?)。  おまけに、エンディングで「シベ超3」を宣言する辺り、もうたまらん。ぜった  いに見に行く。映画って、本当にいいもんですね。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆浅田彰セレクション「若者よ、目覚めよ!」☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ■ベトナムから遠く離れて     1967年/仏/116min/カラー、モノクロ/35mm アラン・レネ他    ■北緯17度ベトナム戦争実録     1968年/仏/113min/モノクロ/35mmブローアップ ヨリス・イヴェンス他    ■東風     1969年/仏・伊/95min/イーストマンカラー/16mm ジガ・ヴェトルフ集団    2001年1月27日(土)よりシネセゾン渋谷にて順次レイト公開  とてもお勉強な映画が束になっているのが今回の浅田先生のセレクションであ  る。が、私はこのうち2作品「だけ」しか見ていないのに、正直に言うとすっか  り疲れてしまった。ベトナム戦争自体がよく分かっていない上に、監督の思想や  ら政治的風刺まで盛り込まれていて頭がどっと疲労してしまったのだ。  しかし、これはベトナム戦争を思考しなくては・・・という脅迫観念を捨てれば  結構普遍的な問題として考えさせられる作品群である。アラン・レネ、クロー  ド・ルルーシュ、アニエス・ヴァルダ、ジャン=リュック・ゴダール等の錚々た  る監督が「帝国からの侵略と闘うベトナム人民への連帯」をコアにして作られた  『ベトナムから遠く離れて』などは、その製作自体が驚嘆に価する。  何しろ彼等は映画による政治的エッセイを全員無報酬という条件で参加している  のだ。この中ではゴダールのようにカメラを回す自己の姿のみを映しながら自分  はフランスから参加する、という表明に終わる者もいれば、爆撃下のハノイを撮  りつづけたドキュメンタリー作家のヨリス・イヴェンスのように実録で勝負する  者もいる。  更に被写体も、筆でのみの抗議に終始する自分への歯がゆさを延々と述べる作家  や、焼身自殺という手段に訴えたアメリカ人の未亡人、闘争を語るカストロ、ア  メリカの大規模な反戦デモなど、それぞれの反応は「ベトナム」という枠を越え  て「戦争」への態度という点では現代に置き換えても通じるものがあるのではな  いか。  『東風』になると共産主義と資本主義を対比させての展開とはなっているが、こ  こでは最早ベトナムから「遠く離れた」抽象的な表現の積み重ねだ。フランスの  5月革命を背景にしているものの、かなり実験的作品に仕上がった。繰り返され  る膨大なナレーション、時々入るヒス音や鮮やかな色彩、・・監督集団のコアに  ゴダールが見隠れするのも面白い。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆はなればなれに☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     BANDE A PART     1964年/フランス/96min/モノクロ     監督・脚本:ジャン=リュック ・ゴダール     出演:アンナ ・カリーナ、サミー・フレイ、クロード・ブラッスール     www.bowjapan.com     2月3日より銀座テアトルシネマにて公開  インテリジェンスな物腰のフランツと、要領がよくて目はしのきくアルチュール  は親友同志。英語学校でフランツがちょっと気になるオディールに一目惚れした  アルチュールは、早速あの手この手で陥落。更に彼女が同居するヴィクトリア夫  人の恋人のものらしき大金の横領までも企む。割をくった感じのフランツだが、  この話に便乗し見事強奪に成功した3人。が、一人現場に戻ったアルチュール  は・・・。  3年程前の「アニエスbは映画が大好き」という映画祭でこの映画が上映された  際、既にチケットが完売だった。悔しがっていたら、その映画祭に先駆けて来日  したサミー・フレイのトークショーの事を知り、いそいそ出掛けた。凛々しく太  い眉は健在で、想像していたより小柄な彼は優しい瞳が印象的。ぼそぼそした喋  りと真っ黒な髪はフランツそのままだった。  確かその時が、この作品の日本初公開。ゴダール自身も言うように『勝手にしや  がれ』の続編という貴重な作品だ。車に乗る3人を正面から、そして背後から画  面一杯に横並びで見せる。タータンチェックの巻スカートにフランツのハットを  被ったアンナ・カリーナを挟んで、いつもスーツのフレイとカジュアルなセー  ターのブラッスールがやはり横並びでダンスする。街角のカフェの名前は「万事  快調」・・。  文句なしに楽しめる。が、実は監督自身がとても楽しんでいたのではないだろう  か?やる事だけは立派な犯罪者である筈の彼等だが、度胸だけのアルチュールと  小心者のフランツの、計画性のないお間抜けぶりは天下一品。アメリカの観光客  の記録を破るべく、ただひたすらルーヴル美術館を駆け抜ける3人(9分45秒を少  しだけ更新した!)。凄い英語でハムレットもどきのラブレターを書くアル  チュール。  「人々は一体になろうとせず、はなればなれで不信を抱く。宿無しだろうと大き  な家に住もうと」3人組もアルチュールの死でペアになり、南を目指す彼等はこ  うした「普通の」大人になってしまったのだろうか?                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆素晴らしき哉、人生!☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     It's a Wonderful Life     1946/アメリカ/130分/白黒     製作・監督:フランク・キャプラ     出演:ジェイムズ・ステュワート、ドナ・リード、        ヘンリー・トラヴァース、トーマス・ミッチェル、        ライオネル・バリモア  映画館でのリバイバル上映、またレンタルビデオや衛星テレビ等で観る事が可能  な過去の作品群。現在に至っても、影響を及ぼし続けるそれらの作品を連載する  形でお伝えしているが、フランク・キャプラ特集の最後を飾るのは、アメリカで  毎年クリスマス・シーズンに放映されるという、名作中の名作『素晴らしき哉、  人生!』。  小さな田舎町。大学入学を目前に控えたジョージ(J・ステュワート)は、世界旅  行に行く予定だったが、小さいながらも会社経営をしていた父の急死により、再  建の為断念する事になる。また、町で悪名高い富豪のホッパー(L・バリモア)の  乗っ取りを防ぐ為に、大学行きすらも断念。代わりに弟を大学へ行かせる事とな  る。小さい町の小さい会社で毎日を送る彼の心は、常に外の世界を見ていた。  4年後、弟が大学を卒業、後を継がせると同時に自分のやりたい事に着手しよう  とするが、弟は結婚していただけでなく、義父のもとで働く事になっていた。失  望の彼の慰めになったのは、幼馴染みのメアリー(D・リード)だった。やがて、  2人は結婚し、子供をもうける。しかしそれは、ジョージにとって、町を離れら  れない事を意味していた・・・・。  夢と現実・・・・。誰しもが抱える悩みだ。志半ばに敗れるジョージの姿に、自  らを重ね合わせる人もいる事と思う。経済的に余裕なく、食べる為に働く人が多  い世の中において、やり切れない思いで生活をしている人、夢と現実のはざ間で  もがき苦しんでいる全ての人に、日々の生活に対する潤いと勇気を与えてくれる  作品だ。  第209号でご紹介した『オペラハット』もそうだが、キャプラは、人間の本来ある  べき姿、生き方というのを常に提示している。彼自身のメッセージが、基本的な  事を描いている事から、時代を経た現在においても、十分理解出来ると同時に  様々な事を教えてくれる作品として、観る者の心を打つのだと思う。  今作の出演者は、そうそうたる顔ぶれだ。大スターと呼べるのはJ・ステュワート  だけだが、演技派として知られた名優が顔を揃えている。D・リードは、1953年ア  カデミー作品賞『地上より永遠に』(読み:ここよりとわに)でアカデミー賞受  賞、ジョージの伯父を演じるT・ミッチェルは1939年J・フォード監督の『駅馬  車』でやはりアカデミー賞受賞、L・バリモアは名門バリモア家で知られる名優  (ちなみに、『チャーリーズ・エンジェル』のドリュー・バリモアは、この名門  の血を引いている)。2級天使クラレンスを演じたH・トラヴァースも、当時脇役  ながら活躍した俳優として知られる。  好きな映画、思い出の映画、もしくは影響を受けた映画は、人によって様々だと  思う。あえて「好き」「思い出」「影響」と分けるならば、私事で恐縮するが、  今作は最も「好き」な映画である。かのスティーブン・スピルバーグ監督も、今  作をナンバーワンに挙るほどのお気に入りだそうだ。  最後に、今作は1946年度アカデミー作品、監督、主演男優(J・ステュワート)、  編集、録音賞の計5部門のノミネートを果たした。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇今日の偉人_____________________________◇ ◇  Christopher Reeve (クリストファー・リーブ)  スーパーマンのクラーク・ケント役で一躍スターに。映画の出演もなくはない  が、主にテレビドラマに出演。 ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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