ScreenKiss Vol.236

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Vol.236
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハンニバル   □テヘラン悪ガキ日記   □ショコラ   □ジーザスの日々   □サーカス >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハンニバル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     HANNIBAL     ★★★★☆     2000/アメリカ/131分     監督:リドリー・スコット     出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア  FBIのクラリスとイタリアに逃亡中のレクター博士。次第にFBI(クラリス)に追  い詰められるが、逆にクラリスを追い詰めていくかのように迫ってくるレク  ター。そして、狂気の殺人事件が・・・。  私の場合、この手の映画に4つ★をつけることは滅多にないと思いますが、それ  でもこの映画の完成度には惚れぼれする。巨大なブタを説明することなく印象付  けてみたり、国際電話の相手を想像しお互いが裏紙に落書きしたりする細かい描  写。プロットの出来のよさです。アルマーニやグッチがぴったりはまる美術のセ  ンス。オープニングのミック・リムジーによるビデオアートのような映像。アメ  リカの懐の広さを感じさせるロケーションや、演技する前にその容姿が話しかけ  てくるようなはまり役の役者達。  ジュリアン・ムーアは私好みではないが、胸の大きく開いたドレスを着こなす姿  はアンソニー・ホプキンスの洗練された姿に引けをとらない。  さらに私好みで言えば、ホプキンスも好きではない。人間味の薄い無愛想な表情  は差別的でもあるが、それでも映画への貢献度の面から言えば、決して代役では  生み出すことの出来ないマッチングを感じる。(続編だからでもあるが)  キャメラワークは目立たないが、映像から得られる不安や恐怖はそのスクリーン  に映し出される静物の映像に得るところが多い点から考えると、催眠術のように  忍び寄る。  もちろん腕から血を滴らせて逃げのびる姿は想像しがたいとか、出入国がいとも  簡単に行われる点、朝まで残ったローソクの長さなど気になる点もあるが、それ  でも面白さに紛れる程度だし、この程度の強引さがなければ映画はなりたたな  い。  ちなみに、海外で羊の脳みそのスープを食べたのを思い出した。そのスープには  脳みその破片がリアルな形のまま浮いていた。カニバリズムがおいしそうに感じ  るからR-15(15歳未満入場お断り)なのだろうか?!                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆テヘラン悪ガキ日記☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     監督:カマル・タブリーズィー     出演:ファテメー・モタメド=アリア     1998/イラン/90min     99年ベルリンこども映画祭グランプリ     99年カナダこども映画祭グランプリ  テヘラン市の少年院。そこにやってきたソーシャルワーカーのミナ。何度も窃盗  で少年院へ出入りを繰り返しているメヘディ君。ミナが少年達へ愛情持って接す  る内に、メヘディ君は彼女が母親になってくれると信じてしまう。それは理想の  母親像であり、安らぎの家庭への入り口だった。一方、そんな少年を理解できな  いミナは混乱し、少年への接し方に戸惑う。彼が巻き起こす事件が次第にミナ自  信のストレスと重なっていく。  複数の子供映画祭でグランプリを受賞しているこの作品、映画としての完成度は  未熟だが、子供映画として限定的に考えるのなら、映画好きの大人が考えるよう  な視線では説明できない魅力がある。  しかし、イラン映画が年間数本公開され、映画祭ではさらに10本近くが見られ  る東京では、いいかげんに飽きてきた。イランの映画に飽きたのではなく、子供  が主人公で、「正しい道」を行くポジティブなストーリー(つまり検閲に通るス  トーリー)に飽きてきた。  だから、イラン映画ファンにはお勧めしません。  撮影や演出といった面のおもしろさというより問題提起とその解決の難しさを見  せる映画。もちろんイランだけの問題ではない事柄で現実味はあるが、ドキュメ  ンタリー性が欠ける作られたストーリーだ。  おおげさな演出やBGMは昼のサスペンス番組級で残念。反面、子供には分かりやす  いだろう。自然に寄り添ってきたような汚い野良猫や、トラックの中で思い出す  父親の姿、八百屋の主人の悪人ヅラは魅力的だ。  いったい何歳の子供に見せるべき映画かと悩んでしまうが、大人がおしつける意  味では「子供映画」と呼べるのだろう。大人向け絵本の趣向に近い。そのくせ、  大人の満足を得られる部分はわずかだ。  イラン映画では近日公開される、「ダンス・オブ・ダスト」(アボルファズル・  ジャリリ監督)が98年東京国際映画祭で公開されて以来の一般公開。いつもの単  館上映で、地方での上映は不明だが、映画祭で見逃している人には必見。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ショコラ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Chocolat     ★★★★☆     2000年/アメリカ     監督:ラッセ・ハルストレム     出演:ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリン、ジョニー・デップ  1950年代、フランスの保守的な村ランスクネにミステリアスな母娘ビアンヌ(ビ  ノシュ)と、アヌーク(ビクトワール・ディビソル)がやって来る。おりしも断  食期に入っていた村でチョコレートショップ『マヤ』を開いた2人。美味しい  チョコレートは次第に村人の心を開いていくが、戒律を好む村長らは顔をしかめ  るのだった・・・。  今、アメリカで一番地名度が高いヨーロッパ女優は、ペネロペ・クルスとこの  ジュリエット・ビノシュらしいが、共に料理で人の心を惑わせる和み系の役で人  気爆発となった。最近のアメリカ男はエリン・ブロコビッチみたいな強い女に食  傷気味なのか?こういうしっとりした上品な色気と、甲斐甲斐しい雰囲気は、日  本男性の心をも虜にしそうである。  で、映画のほうはというと、これまた和み系、癒し系映画と言えばこの人の感の  ある、ハルストレム監督が綺麗にまとめたといった感じで、前作『サイダー・ハ  ウス・ルール』や『ギルバート・グレイプ』ほどクセのある脇役やどろどろした  設定がないぶん、万人受けしそうな絵本の世界のように仕上がっている。(そこ  がファンとしては物足りなくもあるのだが・・・。)  また、『ポネット』でベネチアを騒然とさせた天才少女ビクトワール・ディビソ  ルが演じるアヌークという少女、戦争で足を負傷したカンガルーという架空の友  達と話をしたりするのが、何となく『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』のライ  カ犬のエピソードを思い出させ、ほんと、監督の子供使いの巧さにうなってしま  うのでした。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ジーザスの日々☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     LA VIE DE JESUS     1997年/フランス/96min/カラー/シネスコ     監督・脚本:ブリュノ・デュモン     出演:ダヴィッド・ドゥーシュ、マージョリー・コットレール     http://www.bitters.co.jp/     1997年カンヌ国際映画祭カメラドール特別賞、ジャン・ビゴ賞     5月12日(土)よりBOX東中野にて公開  失業中で癲癇のフレディの楽しみは恋人マリーとのセックスとバイク、それに鳴  き声コンテスト用小鳥の調教。仲間との悪ふざけ。が、ある日マリ−に近付いた  アラブ人カデールを暴行の上殺害してしまう。  舞台は監督の故郷でもある、フランスの田舎町バイユール。本当にここには何も  ない。雨ばかりの冬、けだるい夏。フレディの毋が営むダイナーのTVだけが外界  とこの町を繋ぐ術かもしれない。そこに住む、仕事もなく退屈で仕方ない青  年・・。日本でもあり得る光景ではある。出演者もここの求職者ファイルから選  ばれた、というから一種のドキュメンタリー的な印象さえ感じる。  冬景色の中に長髪で登場した彼は、映画が進むにつれて徐々に行動をエスカレー  トしていく。そして夏を迎え腕の入れ墨も露わに超短髪になったフレディのどう  しようもない閉塞感は、人種偏見という突破口をみつけた途端に力を得て暴れ出  す。ラザロの復活の絵を背景に、病室で友人の兄のエイズ死を目の当たりにして  動揺していた青年が心の内に飼っていたに違いない悪が表面化する。  墓地、教会・・と2作目にも取り込まれている、さりげない宗教的暗示。人間の  弱さを憎しみに矯めて暴発する彼の限りない拳。犠牲となったカデールへの過剰  な暴行はマリ−への横恋慕に対する復讐ではない。剥き出しにされた原罪とも言  える人間の姿だ。カデールの目に映った空と、フレディが警察を飛び出して犯行  現場で眺める空がシンクロする。同じ空を見た同じ人間のそれぞれの末路。  ラストで流すフレディの涙は、人間が「後悔」する事の出来る動物である事を物  語る。彼の本当の意味での人生はここから始まるのかもしれない。過度な説明的  要素を一切排して単純な風景の中に淡々と語られる、この作品はだからこそ見る  側に深い衝撃を与えるのだろう。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆サーカス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Circus     ★★★★☆     1928/アメリカ/72分/白黒     製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン     出演:マーナ・ケネディ、ハリー・クロッカー     1928年アカデミー特別賞(C・チャップリン)  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回は、チャップリン特集の3回目として『サー  カス』をお伝えする。  金もなく行くとこもなくただぶらついてる放浪者チャーリーだが、運良く金を得  る事となる。しかしこの金は、スリが紳士から一度盗んだものなので、チャー  リーがスリと間違われる事になる。警察に追われる事となったチャーリーが逃げ  込んだ先は、サーカス一座のテント。突然始まったチャーリーと警察とのドタバ  タ劇に、観客は拍手喝采。チャーリーは、サーカスの団長に見初められ一座の1  人となることに。  ドタバタ短編喜劇を数多く作ってきたチャップリンは、長篇を作るようになって  から社会的作品を連発するようになる。その為今作は、初期の短編に見られるド  タバタの要素を盛り込んだ最後の作品と言っても良い映画。彼の作品に見られ  る、チャーリーが恋するヒロイン、そのヒロインに乱暴を加える男、そしてヒロ  インと結ばれる美男子という構図も、今作以後影を潜める。  サーカスを利用したドタバタ劇や後半の綱渡りシーンは、チャップリンの天才的  身軽さで観る者に笑いを提供してくれているが、今作も、団長である父親が娘に  対して行う虐待や、経験ないチャーリーが綱渡りをやるシーンで、チャーリーの  事を気遣う仲間に、保険をかけてあるとあっさり言い放つ団長の冷淡な態度に見  られるように、チャップリンは人間の暗部もしっかり描いている。  今作で、後年の映画監督に影響を与えたと思われる箇所がある。先ず、美男の綱  渡り芸人レックスが技を披露してる時、彼に恋したヒロインとヒロインに恋する  チャーリーが並んで腰掛け、その様子を眺めている場面。レックスが落ちないよ  う祈るヒロインと落ちる事を祈るチャーリー。カメラに向かって並んで座ってる  為、2人の表情を同時に見る事が出来る。この構図は、エルンスト・ルビッチの  1933年『生活の設計』で使われている。それとラストシーン。このラストは、ポ  ツンと1人立ち尽くし、寂しげな表情を浮かべるチャーリーの姿が非常に印象的  だが、直後、カメラに背を向けて去って行く。この動きは、明日への希望ないし  新たな出発といったものを表していて、数多くの作品に影響を与えたものだ。  最後に、チャップリンは今作で1928年度の第1回アカデミー賞の特別賞を受賞し  ただけでなく、喜劇監督賞(第1回に限り存在)と男優賞の2部門のノミネート  も受けた。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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