ScreenKiss Vol.238

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Vol.238
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:セイ・イト・イズント・ソー   □ベンゴ   □JSA   □ディボーシング・ジャック   □モダン・タイムス >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:セイ・イト・イズント・ソー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Say It Isn't so(原題)     監督:ジェームス・B・ロジャー     出演:ヘザー・グラハム、クリス・クライン、サリー・フィールド  保健所で働くギリー(クライン)は腕はヒドイが最高に美人の美容師ジョー(グ  ラハム)と恋に落ちる、が、彼女が実の姉かもしれないと分かり、失意のジョー  は他の男性と結婚することになるが・・・。  美男美女プラス演技派のサリー・フィールド、それにこのストーリでロマコメと  思ったら大間違い!実は『メリーに首ったけ』を余裕で越すような、超おバカ、  お下劣コメディなのである。(ファレリー兄弟もプロデュースに参加。)  確かにクリスは『アメリカン・パイ』で、ヘザーは『オースティン・パワーズ』  で既にお馬鹿映画体験済みですが、今回はよくここまでやったなあ・・・という  ほど。しかしガンプのママや、『プレイス・イン・ザ・ハート』など良妻賢母の  イメージの強いサリーがここまでお下劣演技に徹するとは以外でした。  クリスはポスト・キアヌの呼び声も高いけど、そういえばキアヌもデビュー当時  はお馬鹿映画に出まくってたし、2枚目が避けて通れない道なのかも?!  それにしても、『メリーに首ったけ』でもそうだったけど、いわゆるハンディ・  キャップドの人をネタにするような場面は「いいのか?」と思う反面、差別のな  いアメリカだからこそ自然にギャグに組みこめるのかも、とも感じられ、改めて  日本の遅れを感じてしまったのでした。  映画自体は下品ですが、ヘザーのファッションは超カワイイし、キャラ達もどこ  か憎めない、可愛げのある映画です。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ベンゴ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Vengo     2000年/スペイン・フランス/89min/カラー/シネマスコープ     監督・脚本:トニー ・ガトリフ     出演:アントニオ ・カナーレス、オレステス・ロドリゲス     http://www.vengo-jp.com/     2001年セザール賞最優秀映画音楽賞     5月26日(土)よりシネマライズ他全国順次公開  愛娘ペパを亡くしたカコ。彼の兄、マリオは幼馴染みのカラバカ家のサンドロを  殺して行方をくらましている。不自由な身体のマリオの息子、ディエゴを息子の  樣に可愛がるカコ。パーティ好きな彼の為に一流のダンサーや歌い手を呼んでは  歌と踊りに酔いしれる日々。だが、復讐を誓うカラバカ家はディエゴの命を狙う  が・・。  冒頭のアラブ音楽とフラメンコが出会うシーン。これはインド経由とエジプト経  由でアンダルシアに合流した、ロマ民族の流れを意味する監督の狙いがあったと  いうが、とにかく迫力のシーンだ。グラスを叩くだけのリズムに長い髪を振り回  して取憑かれたように回りながら踊る女達。丁度ルルーシュの『しあわせ』に出  てきたトルコの熱狂派の踊りのようだ。ここでは歌詞に字幕がない。でも、身体  に染みるものがある。  随所に出て来る歌と踊り。プロの音楽家とプロダンサー、アントニオ・カナーレ  スが主役を張っているのも魅力ではあるが、出演者のほとんどがアンダルシアで  生活している「普通の人々」。濃〜い顔立と生まれながらのリズム感でまったく  違和感を感じさせない。何時でも何処でも踊りたい時が舞台。台詞にまでリズム  が感じられる。ラストでカコが絶命するシーンですらエンジン音がリズムを刻ん  でいる。  即興もある印象的な音楽の中には、監督の手によるメロディもある。ロマの血を  ひく監督ならでは、である。これまでもロマを題材にした作品が目立つが、この  作品にも各所に彼お得意の手法が見隠れする。空と大地を広角で捉える鮮やかな  色彩感覚。白い壁と強い光。そして時折挿入される、何とも言えない可笑しみ。  彼は必要以上に説明をしない。ペパは何故死んだのか、マリオは何故サンドロを  殺したのか、カコは死ぬ気で店を売ったのか・・。現代における「予告された殺  人の記録』のように衆人の中で平然と殺人が行われる。これがロマ式だよ、と言  わんばかりの復讐劇はさておき、パワフルな音楽の洪水に浸って欲しい。  実際も運動神経に障害を持つディエゴ役オレステス・ビリャン・ロドリゲスは監  督の親友。これが演技である事を忘れてしまいそうな程楽しんでいるようで、彼  の明るい表情とダンスについ引き込まれてしまう。魅力的なキャラクターだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆JSA☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Joint Security Area     2000年/韓国/110min/カラー/シネスコ     監督・共同脚本:パク・チャヌク     出演:ソン ・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ     http://www.jsa-movie.com     5月26日(土)より日比谷スカラ座他全国東宝洋画系にて公開  38度線の共同警備地区(JSA)で起きた殺人事件。が、事件の生存者である南北の  兵士達の証言が異なる。そこで中立国監督委員会が派遣した韓国系スイス人の将  校、ソフィにより調査が進められるが、一向に進展しないばかりか自殺者まで出  て、彼女は解任される。しかしその裏には彼女自身のアイデンティティも深い関  わりが・・。そして、彼女が解きあかした意外な事件の真相とは?  その昔、板門店を中華料理屋だと勘違いしていた私。考えてみればベルリンの壁  はよく報道されていたのに、この地域の事はほとんど知らなかった。作品に登場  するJSAは勿論オープンセットだが、撮影後も観光名所として保存されるというか  ら、それを見るだけでも価値のある映画だ。  ポリティカルストーリーとちょっと重いイメージを抱いていたが、作品全体にあ  るのはヒューマニズムだ。しかし冒頭のシーンの森の梟が啼き、銃声と共に空い  た穴に一条の光が射す・・この緊張感と続く銃撃戦の模様からはとてもこれから  ナイーブなストーリーが展開されようとは想像出来ない。  そしてXファイルなどでお馴染みのタイピング音で表示されるデータリングがサス  ペンス作品としてのイメージをももりたてている。事件の謎解きに加え、調査を  する人間自体も最後に第3者でいられなくなる、という凝った演出も凄い。  「相手のおならが聞こえる程」の距離でしかないJSA。地続きに住む同じ言葉の同  じ民族を人工的に分断する事の愚かしさ。何度も登場する夜空や月は、人間の分  断に関係なくどちらから見ても同じ・・「温かいな」・・南北兵士が抱き合う  時、北側の士官が言うこの言葉が印象的だ。漫画家の故園山俊二氏の初期の名作  に「国境の二人」というのがある。『JSA』に感銘した人なら是非見てほしい作品  だ。  そしてこの作品では、バックに流れる音楽が一人のキャラクター並の重要な役割  をしている。「いい音楽」は言葉の壁や思想をも越えて人々を魅了する。ここで  は80年代中盤に活躍、31歳で自殺した伝説のフォークシンガー金光石の歌がメイ  ンに流れる。あまりに場面とマッチしていて胸に響く。加藤登紀子氏が感銘して  この主題歌を日本語カバーした気持ちに納得である。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ディボーシング・ジャック☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Divorcing Jack     1998年/イギリス(北アイルランド)/110min/カラー/ヴィスタ     監督:デヴィッド ・キャフリー     出演:デヴィッド ・シューリス、レイチェル・グリフィス     1999年ファンタスポルト映画祭批評家&最優秀脚本賞     6月上旬よりシブヤ・シネマ・ソサエティにてレイト公開  飲んだくれのダン・スターキーはタブロイド紙のコラムニスト。辛辣な筆致で有  名だ。彼が偶然知り合った大学生マーガレット。ある時ピザを買って帰ってみる  と彼女は血まみれ。最期の言葉は「ディボーシング・ジャック」。過って彼女の  毋を殺し、彼は指名手配に。IRAや警察やアルスター・・と様々な人種を敵に回し  つつ妻迄誘拐された彼は、その原因がマーガレットからのプレゼントだと気付く  が・・・。  昨年、ケルトフィルムフェストで公開され、一般の目に触れないのが惜しいとつ  くづく感じていた作品がついに陽の目を浴びる!主人公は多分に原作者、コリ  ン・ベイトマンの分身的であるそうだが、演ずるデヴィッド・シューリスが実に  はまっている。頭はいいくせにはみ出し者の愛すべきダンは、ちょっとしたスケ  ベ心が災いしてどんどん危ない世界に否応なく流されていく。このカッコ悪さが  いい。  比べて女性達のカッコいい事!いかれ亭主を追出し、泥棒猫にはジャガイモをぶ  つける(この辺もアイリッシュ!)ダンの妻。昼は看護婦、夜は尼僧姿のスト  リッパー(これもカトリック的?)のでひょんな事からダンの助太刀をする  リー。そしてぶっ飛びのタクシードライバー。それでも皆ダンを愛してる。  マーガレットの謎のデスメッセージは、(ユニオン)ジャックからのディボース  (=離婚)と考えるとなかなか意味深だが、とかく重くなりがちなアイルランド  問題をこれ程までに第三者的に嘲笑した作品は珍しいだろう。それでも政治の裏  に関わってしまったダンの言葉が胸を打つ。「何が個人だ。個人、個人と言いな  がら個人を大切にしないから抗争が起きるんだ!」。  首相選挙をバックに、様々な怪しい人物が入り乱れる中、世界一運の悪い男であ  るダンだけが、実は政治的思想や派閥を離れた唯一「人間的」な存在として描か  れているのだ。だから時々彼の放つシニカルな台詞が際立つ。ともあれ全編駄洒  落や遊び心一杯の音楽に溢れ、スピーディな展開は文句なしに楽しめる。  原作は各国でも大絶賛され、ダン・スターキーを主人公にした第2弾の作品も出  ているそうだ。この分では柳の下でもいけそうな気がして、早くも映画化を期  待。そうしたら間違いなくディビッド・シューリスの持ち役になるに違いない。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆モダン・タイムス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Modern Times     ★★★★★     1936/アメリカ/87分/白黒     製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン     出演:ポーレット・ゴダード、ヘンリー・バーグマン、        アラン・ガルシア  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回はチャップリン特集の5回目として、傑作  『モダン・タイムス』をお伝えする。  大工場の工員として働くチャーリー。だが、ベルトコンベアで運ばれて来るネジ  締めを続けるうちに、腕の動きが止まらなくなり精神病院に入れられる。やがて  退院したはいいが職がない。街に繰り出すチャーリーに今度は、警察に工員のデ  モ隊のリーダーと勘違いされ刑務所に送られる。刑務所で脱獄を防いだ事から特  赦をもらい出所する事になるが、得た仕事も思うようにうまくいかない。そんな  折、やはり職がなく食べ物にも不自由している少女(P・ゴダード)と出会い、  チャーリーは苦しくとも前を向いて生きる決意をする。  製作当時、すでに映画界はトーキーに完全に移行を果たしながら、優れたパント  マイマーであるチャップリンはセリフを用いる事を拒否。当然今作もサイレント  に仕上がっている。だがラスト近く、誰にも意味不明な無国籍語をもって歌声は  披露している。  今作に見られる工場内の巨大な歯車に挟まれたチャップリンの姿は、学校の教科  書にも出て来るほど誰もが知っている有名なシーン。それだけを見ると、歯車の  間を泳ぐような優雅さや笑いを感じるが、実は現代文明を痛烈に批判したものな  のだ。また、世の男性にとって職業選択の際に分かれる、いわゆる組織の歯車と  して生きるか否かという問題は、この有名なシーンから生まれた言葉なのかと想  像してしまう。  今作でチャップリンは、歯車が1つ欠けただけで作業全体に影響し、それが会社  への不利益になる事を皮肉を込めて完璧に描いているが、劇中見られる工場の社  長が作業のスピード・アップを指示する箇所や、機械的労働による犠牲者を病院  送りにする箇所から、人間的扱いに欠け、ちっぽけな歯車1つにしか従業員を見  ていない大組織の在り方を批判すると同時に、1人の人間の尊さを謳い上げても  いる。  今作は、人間の機械化を批判した作品と冒頭でも述べたが、実はこの内容、フラ  ンスの監督ルネ・クレールが、1931年製作の『自由を我等に』ですでに機械化文  明による非人間性を描いていた。公開当時チャップリンに対し非難の声が挙がっ  たが、クレールは「偉大なチャップリンに影響を与える事が出来て光栄」とだけ  声明した。同時代の監督からも尊敬されるほど、チャップリンの偉大さが分かる  エピソード。  次回は、チャップリン映画初のセリフ作品『独裁者』をご紹介します。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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