ScreenKiss Vol.247

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Vol.247
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □レクイエム・フォー・ドリーム   □白夜の時を越えて   □姉のいた夏、いない夏   □すべての美しい馬   □横浜フランス映画祭2001特集     ロベルト・ズッコ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆レクイエム・フォー・ドリーム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     REQUIEM 4 A DREAM     2000/アメリカ/104min     ★★★★☆     監督:ダーレン・アロノフスキー     出演:エレン・バースティン、ジャレッド・レト、        ジェニファー・コネリー  スタイリッシュ? パワフル? クレイジー? この映画を表現するには洗練さ  れたドラッグ・ノベルズを書ける人が必要だね。俺なんかじゃダメだ。言葉をあ  てはめるだけの才能があれば、新しい小説を生み出せるよ。それだけ新しい映  画。  ストーリーや映像が未知の物っていうことではないね。どちらかと言えば、冷静  に考えれば印象が薄い。だけど、なぜか全く異なった世界を堪能した気分にさせ  られる。  今までのドラッグ映画には恐怖を感じることはなかったね。ばからしい映像と、  トリップ中の幻が大げさな印象を残すだけ。  ところがこの映画は見ていて体がこわばってしまう。座り直したりするのを忘れ  るくらい。体が姿勢を変えたくても、恐怖から身動きできないカエル状態。  カメラの位置に注目して見ると、いかに監督が映像にこだわって撮影をしている  かが分かる。「死角がない映像」とでも言おうか、スクリーンに映し出される映  像のどこをとっても魅力を感じてしまうのが不思議だ。  チョコレート・マニアの母親の指先は、演技をこなしている女優の指先で、映画  に適度な冷気を演出した。しかしこの映画の内容では大きな賞はとれないだろう  けど、指先と髪型の変化に伴う表情の変容は必見。  タイロンが唯一存在感の薄い主演者となっているが、彼の行末にも注目したい。  ある意味、最も冷静な状態のまま地獄を味わう彼は、将来を考えるとき最も不幸  な一生を味わう素質が十分だ。肌の色は、まだまだ差別の対象になるという問題  もある。  変幻自在の映像にはとにかく感心する。監督の映像に対する取り組みは、多少大  げさなところがあるだろうが、映画を未来に導いてくれるかのようだ。  ドルビーの迫力で迫りくる冷蔵庫には目をそらすなよ! あの臨場感。冷蔵庫を  主役にして、「アタック・オブ・ザ・キラー・冷蔵庫」を撮影してもおもしろそ  う。  それにしても、全編通じてショックを持続できる映画も珍しい。いままでのド  ラッグムービーを退屈に感じていた人にもこの映画だけは納得できるはず。  こんなに胸糞悪くなる映画は、本当にR-15が適切。16歳以上は必見だけどね。  (歳をごまかしたらダメだよ)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆白夜の時を越えて☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Fire Eater     1998年/フィンランド/100min/カラー&モノクロ/35mm     監督:ピルヨ ・ホンカサロ     出演:エリナ ・フルメ、ティーナ・ヴェックスレム、エレナ・レーベ     http://www.uplink.co.jp./     1998年ロサンゼルス国際映画祭グランプリ、     1998年ロカルノ国際映画祭特別賞     7月14日よりシアター・イメージフォーラムにて公開中  ヘルシンキの夜の酒場で一人の少女が歌い、父親の酒代を稼ごうとしている。み  かねたヘレナは彼女と歌うと、少女はどこまでもついてくる。ヘレナは回想す  る。彼女の双子の妹イレネとの生活・・祖母に育てられ、毋の迎えでサーカス団  入り。イレネの事故・・。そして今また廃屋となった嘗ての住処で彼女は少女に  火食いの芸を見せる・・。  薄暗い夜道、火の明るさだけが頼りの廃屋・・モノクロの画面は現在のヘレナの  心境。ややセピアっぽい色調の、だがカラーの思い出は彼女のイレネとの幸せで  もあり母親に疎外されていた孤独との屈折した子供時代を表して、叙情的な作品  に仕上がっている。  「男と寝ないと身体に悪いのよ!」と、たるんだ身体でなお男を呼び込む母親に  一度は捨てられた姉妹・・幼い2人を育てたレーニン信奉者の祖母の勝ち気な性  分が、その大人しく内気な中に燃えていたヘレナ。美しいがそれを武器に出来  ず、その派手さと裏腹に脆いイレネ。見た目とのギャップがそれぞれの人生を狂  わせていく。  「人間は才能ある人間とそれに仕える人間がある」・・イレネの空中ブランコの  陰に一人、火食い芸を練習するイレネ。こうした2人の人生に戦後直後のフィン  ランド、ハンガリーといった国々の事情がさり気なく交錯する。  フィンランド映画といえばカウリスマキのイメージが強い私には、女性的で詩情  緒溢れる作品に映った。私事ながら、今夏1晩だけヘルシンキを訪れた。夏は  9:30Pm過ぎても鳥目である筈の?カモメや鳩が町を旋空する程、夜は長く明る  い。ラストで少女を追う決意をした時、初めて彼女の中の季節が変わったに違い  ない。原題のFire Eaterは勿論彼女の十八番だがこの邦題はなかなか。繊細な音  楽も見逃せない。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆姉のいた夏、いない夏☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Invisible Circus     2000年/アメリカ/93min/カラー     監督・脚本:アダム ・ブルックス     出演:キャメロン・ディアス、J・ブリュースター、        クリストファー・エクルストン  両親と姉の幸福な暮らしは父の過労死後、画家志望で自由な考えの持ち主だった  彼の影響を受けた姉のヨーロッパでの客死で一変。姉を慕う妹は数年後、彼女の  自殺の真相を探りに姉の足跡を辿る。今はパリに住む姉の元恋人と共に最期の現  場で彼女が知った真実とは・・。  こんな奇麗なお姉さんだったら妹はシスコンになるだろうな〜とつくずく思う映  画。ラストで流す子供時代のストップモーションは、かくれんぼしてる姉妹が、  父の呼び掛けに思わず立ち上がる妹とそれを止める姉。ある意味従順な妹と、意  思を貫く姉の性格と彼女達の将来が伺えるシーンだ。  さて、原題は姉のヒッピー仲間の芸人達と、彼女を愛した妹や恋人にだけ見える  彼女の幻影。そして彼女が目指した自由な世界獲得の為の活動の儚さと脆さ。邦  題との落差を何とかして欲しいものです。姉妹があまりに似ていないのも、こぎ  れいすぎるキャメロン・ディアスのヒッピーも、荷物の割に着替えが多いような  ブリュースターにも目をつむるから何とかして・・という感じでした。  大いなる野望を抱いて旅立った姉の死因を探る妹、というプロット自体はサスペ  ンスフルなのだが恋人以外に一人位は彼女を知る人がいても良さそうなものなの  に、最初から最後まで恋人「しか」真相を知らないというのも現実味もなく、芸  がない気がした。  出演者は過激派のリーダーにモーリッツ・ブライプトロイ、姉の恋人にクリスト  ファー・エクルストン、その妻にイザベル・パスコ等各国の曲者が顔を揃えてい  る。特に筆者の個人的なお気に入り、クリストファー・エクルストンはどう見て  も『デス&コンパス』当時の様なロンゲで登場、彼女の最期の地点を目指すうち  に段々と憔悴していく樣は完璧でした。  それにしても彼、声といい、発音といい、横顔といい、どこかレイフ・ファイン  ズに似てる気がするのはレイフ贔屓の筆者の目の錯覚でしょうか?                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆すべての美しい馬☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ALL THE PRETTY HORSES     ★★★☆☆     2000/アメリカ/116min     監督:ビリー・ボブ・ソーントン     出演:マット・デイモン、ヘンリー・トーマス、ペネロペ・クルス     http://www.spe.co.jp/movie/alltheprettyhorses/  最近ほとんどの映画には宣伝用のホームページが作られているが、この映画のサ  イトは非常にお勧め。こざっぱりしていて、欲しい情報は網羅。  監督と主演俳優にかたよることなく、スタッフに関する情報もあり、予告編も流  れる。  この映画、物語はそれほどお勧めではないが、スタッフの力量がすばらしい。  まず、ジーンズだ。トーマスは10cmのロールアップではいている。デイモンと  トーマスが並んで腰掛けているシーンでは、そのブルーが眩しい。これ、じつは  1949年当時の本物のリーバイスだそう。高そうだね。  衣裳デザイナーのダグ・ホールは本物のよさを知っている男と言えよう。『アメ  リカン・ヒストリーX』、『NYPD15分署』など他の作品ではピンとこないけど。  撮影監督はバリー・マルコヴィッツ。西部の雄大な風景と、自然の色合いをクリ  アーに撮影している。砂埃でくすんでいそうな擽地の緑があれほど色あざやかに  写しこまれるとは。  太陽の光り、雲の形と、自然相手によくぞ戦ったというシーンが前半に多々見ら  れる。  一方編集では、馬を馴らすシーンを大袈裟にカット割りしすぎて残念。最大の見  せ場なのに、役者達が実際にはできない事をスタントマンがやっているから、ご  まかすしかないのだね。主演の2人は乗馬の練習をかさねたらしいが、やはり怪  我が恐いからね。  ちょっとオーバーなストーリーで興醒めしてしまう箇所があるが、なんとか楽し  める。ペネロペははまり役でかわいい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ロベルト・ズッコ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Roberto Succo     2001年/124min/カラー     第9回フランス映画祭横浜     監督:セドリック・カーン     出演:ステファノ ・カセッティ、イジルド・ベスコ、        パトリック・デリゾラ  16歳のレアはヴァカンスで出会った青年、カートとデートを重ねるが時々彼は  「仕事」で遠出をするようだ。彼はある時は優しく、しかし次の瞬間レアを拒絶  したりする。そんな彼との交際に疲れた彼女は高校の新学期と共に彼に別れを告  げる。その頃、彼が「仕事」で不在の時に重なるように不可解な連続殺人事件が  発生していたのだが・・・。  ゲストは監督と製作、主役の2人で計5人。『倦怠』の記憶も新しい監督はなか  なかのハンサム。主演のS・カセッティはズッコと同じイタリア人で、パリを旅行  中スカウトされたという期待の新人。I・ベスコはアニエスb映画祭で上映された  『少女』の頃を比べるとかなり大人っぽく肉体的にも貫禄が付いた感じ。  さて、この人物、フランスを震撼させた「実在」の殺人鬼という事でつくりもの  でないだけにかなりのインパクトがあった。更に単なる「実話物」に留まらず、  犯人の軌跡を淡々となぞっていく点で背後に監督の冷めた視線を感じる。監督は  「犯罪の動機を見つける事の難しさ」をテーマにしたというだけあって、現在多  発している同様の事件の原型を見ているようだ。  もっともズッコの場合「強いて言えば両親を殺した最初の犯罪にだけは、動機を  認められる。また精神病という説明も不十分ではあるが、女性に認められたいの  に認められないと思った時に殺人を犯すのではないか」と監督自身、分析してい  る。  それにしても、単なるツーリストであったカセッティをスカウトした人は凄い目  利きだ。理由も一貫性もなく突発的に殺人を犯すズッコに成り切るには「1テイ  ク毎に心理をつくっていった」と言うが、ズッコが切れまくっている時の瞳孔の  開いたような異常な目や、レアと性的に充実出来ないまま次第に焦躁感が高まっ  ていく樣は演技とは思えない迫力だった。あまりにインパクトの強い役が最初に  くると往々にして似たような役がまわってくるようだが、次回は少し力を抜いて  性格俳優として活躍していって欲しいと思う。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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