ScreenKiss Vol.251

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Vol.251
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:エボリューション   □眺めのいい部屋(ニュープリント完全版)   □ビバ!ビバ!キューバ   □夏至   □ロマンスX >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:エボリューション☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Evolution     ★★★☆☆     2001年/アメリカ(日本今秋公開予定)     監督:アイバン・ライトマン     出演:デビット・ドゥカプニー、ジュリアン・ムーア     http://www.countdown.com/evolution/  映画自体は知らなくても、タクシーの窓に張ってあるステッカーなどでロゴマー  クを見た人は多いはず。三つ目のスマイルマークのあれです。監督の過去の作品  ゴースト・バスターズのロゴマークもかなり可愛いかったよなあ。こういう戦  略、上手いですね。  ストーリーのほうは、ある日UFOで有名なニューメキシコ(最近はTVショーのロズ  ウェルなどでもお馴染みですね。)に隕石が落下、そこには信じられないスピー  ドで進化(エボリューション)をする生き物が含まれており・・・。といった感  じでそう新し味のあるストーリーではない。  キャラも、テーマ曲も『ゴースト・バスターズ』みたいな印象に残るかわいいも  のが殆どないのが残念。どこかで見たことのあるような生き物ばかりで新鮮味が  ないように感じられた。ただ明らかに対抗馬となる『ジュラシック・パーク』  『猿の惑星』を意識したかのようなキャラには笑った。(アメリカの公開時期は  重なっている。)  その分人間のキャスト達は魅力的。普段はカタイ表情の多いXファイルのドゥカプ  ニーがなんとおケツまで丸出しのおとぼけぶりを披露。役者としての幅を広げた  もよう。  幅を広げたといえば毎回唸らされるのがジュリアン・ムーア。出来ちゃた婚のマ  マさん、セクシーなポルノ女優から、不倫を清いものへと導く聖女、はたまたエ  リートFBI捜査官と全く違う役を演じ分けてきた彼女だが、今回はエリートであり  ながらも、ちとおっちょこちょいなカワイイ女というまたまた新しいキャラをご  く自然に演じてチャーミング。すっかり惚れなおしてしまった。  映画全体のムードメーカーとしては消防士志望のホテルマンを演じるショーン・  ウィリアム・スコットが一役買っている。『アメリカン・パイ』『ロードトリッ  プ』といった一連のお馬鹿映画の常連だが、今回の作品がメジャー入りの大きな  一歩といえそうだ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆眺めのいい部屋(ニュープリント完全版)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     A Room With A View     1985年/イギリス/117min/カラー/35mm     監督:ジェイムズ・アイヴォリー     出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ジュリアン・サンズ、        ジュディ・デンチ     www.cinemacafe.net/theater/gtc     1987年英国アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演女優賞、                最優秀助演女優賞     1987年アカデミー賞脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞 他     8月14日(火)〜9月1日(土)ル テアトル銀座にて公開     9月1日(土)〜銀座テアトルシネマにてレイトショー  20世紀初頭。英国の良家の令嬢ルーシーは、旅先のフィレンツェで英国人ジョー  ジと父に出会う。帰国後セシルと婚約した彼女は近くのヴィラを借りた父子に再  会。ジョージのルーシーへの想いは募るばかりだが、ルーシーも自分の本当の気  持ちに目覚め始めて・・。  紅顔の美青年ジュリアン・サンズ、少女のあどけなさを残すヘレナ・ボナム=  カーター、そして後の『エイジ・オブ・イノセンス』的ハイソな佇まいを見せる  ダニエル・デイ=ルイス。今やベテランの域に入っている俳優達の何と若々しい  事。アイヴォリー監督の感性溢れる美しい場面、プッチーニを多用した名曲の  数々・・美しい映画のお手本が全部ここに詰まっている。  舞台は20世紀初頭だが、人を愛する時の心は時代を越え万国共通。ジョージの苦  しさ、ルーシーの戸惑いが手に取るように伝わって来る。貴族社会の比較的封建  的なイメージが強い男性達が、ここでは心の真実を述べる。ルーシーと出会うま  では「宇宙の事を考えて」いた息子を優しく見守り、愛を素直に表現する事を教  えるジョージの父。それを受けて実行する息子。堅物で女心に疎いが根は優しい  セシル。  牧師風を吹かせて説教する事もなく、飄々とした存在のビーブ牧師がまたいい味  を出している。そしてちょっとずれていながら人のいい、従姉妹のシャーロッ  ト。ここでは悪人が一人も出てこない。古典的なラブストーリーながら登場人物  の誰かにきっと自分を重ね合わせてしまう筈だ。  「真実は美とあなた」と言うジョージの言葉には男性のロマンティックさが集約  されている。旅先という非日常は恋を生みやすい。ましてそこがイタリアだと  『旅情』でもそうだったように「どんな堅物もロマンティックにする」マジック  があるようだ。今秋は同監督の『金色の嘘』も公開される。こちらはイタリア紳  士が絡むラブストーリーだが、併せて見てみると面白いかもしれない。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ビバ!ビバ!キューバ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Un Paraiso Bajo Las Estrellas     1999年/キューバ、スペイン/90min/カラー/1:1.85     監督・脚本:ヘラルド・チホーナ     出演:タイス・バルデス、ウラジミール・クルス、アンパロ・ムニョス     www.vivaQ.net     1999年新ラテンアメリカ映画祭観客賞     9月上旬より銀座シネ・ラセット、新宿シネマ・カリテにて公開  ハバナ最大のキャバレー、トロピカーナ。そこのトップダンサーを毋に持つシ  シーは、父に内緒でオーディションに合格。偶然出会ったセルヒートと恋仲にな  るが、彼はもしかして実の兄かも・・。そうとは知らぬ二人は結婚、シシーは臨  月を迎えて周囲は大騒動。この二人を軸に、惚れっぽく嫉妬深く、そして明るい  キューバ人達の人間関係をダンスシーンを盛り込みながら展開する究極のエンタ  テインメント。  パワフルでゴージャスでコミカルなキューバ版『踊るマハラジャ』なこの作品が  やって来た!舞台のトロピカーナはガイドブックにも載っている実在のキャバ  レーで、ここでのダンスシーンは必見です。  が、ダンスが売りだけかと言うと、これがちょっとしたミステリー仕立てにも  なっている。しかもその原因が、不倫に離婚に再婚と何でもありの人間関係の複  雑さから来るからややこしい。最後には6kgもの赤ん坊まで産まれるおまけ付き。  だが、そうしたハチャメチャなストーリーに社会主義、経済事情、宗教観といっ  た隠し味をさりげに利かせているところはミソ。  コテコテのキャストはなかなかだが、赤い鬘を被って踊る太めのダンサー、シ  シーはまさしく山本リンダだし、彼女の恋するハンサム・・と言うことになって  いるセルヒートはどう見ても杉本哲太。こうしたどうしようもなく個性的な登場  人物の中でも特異なのは、実際にこのキャバレーの舞台監督を勤めるアルマンド  役のサンティアゴ・アルフォンソ。いやらしい憎まれ役を好演している。  深く考えないで思いきり楽しんでしまいましょう。それにしてもコパカバーナが  Hottest spot in Havanaじゃなかったのでしょうか?ちなみにトロピカーナは約  35ドルから鑑賞出来るそう。ドル表示のところを見ると、やっぱり台詞の通り  「地獄の沙汰もUSドル」なんですね。  ノリノリの音楽は勿論サントラ有り。しかも8月のカリビアンカーニバルなどラテ  ン系ライブの半券を映画館に持参すれば割引をしてくれるそう。この機会にラテ  ンな世界にどっぷり浸かってみては?                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆夏至☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     a la verticale de l'ete     ★★☆☆☆     2000/フランス・ヴェトナム/112min     監督:トラン・アン・ユン     出演:トラン・ヌー・イエン・ケー、グエン・ニュー・クイン、        レ・カイン     撮影:リー・ピンビン(「花様年華」)     http://www.ge-shi.com  あなたはフランス映画を見たいのですか? ヴェトナム映画を見たいのですか?  この映画はフランス映画です。ヴェトナム映画ではありません。ヴェトナムを舞  台にしたフランス映画。  映画として100%フランスの色に染まっていますから、フランス映画嫌いな人には  お勧めできませんよ。素朴なアジアの映像を期待する人には「あれっ?」  まあ、ご存じの通りヴェトナム映画は数少ないし。アメリカがヴェトナムを舞台  にした映画を作るとなると99%戦争物ってな具合ですから。  いかにもこの作品が貴重に見えてきますね。もっと素朴なアジア舞台のドラマを  作ってほしいという私の欲求は無視され続けています。『インド夜想曲』が私の  お勧めですね。けっして素朴ではないのですが、外国人の視線の映像と割り切っ  ています。ストーリー事態がそうですけどね。  最近アジア各国共同で、本当のアジア映画を作る動きが盛んです。ヴェトナムに  もそれに期待したいところですが、お国の事情はもっとシビアかもしれません。  単にヴェトナム・ブームにのって、タイミングのいい公開だからでしょうか、非  常に込み合っていました。  という次第で、「楽しめた」とは思えないこの映画の苦い後味。どうも、芸術点  をねらっただけの映画で、ストーリーの持つ本当のよさが活かしきれなかった。  しかもですよ、音楽がじゃまをする。唐突に始まるBGMはまだしも、その音楽が  シーンの変わり目で唐突に途切れる。  確かに場所も時間軸も移動しているのですから、音楽が唐突に途切れることには  合理性があるでしょうよ。でも、印象までもが唐突に切られるようで、ちょっと  いい雰囲気に浸っていたとしてもかき乱されてしまう。落ち着けないんです。  映像の調子はそれまでと一向に変わらないのに、音楽が耳ざわりに感じるのはマ  イナス要素です。いっそうの事、BGMをなくした方がイメージに正確ではないで  しょうか。  顔のアップを落ち着きはらって撮影する監督。「スタート」の掛け声で撮影を始  める感覚が見えみえです。カメラを設置して、役者を並べて、細かい点まで気を  使って、「この構図なら芸術点がもらえるぞっ」となった時点で撮影を始める。  それが嫌みなほど。  機材こそ写っていないが、「そこには機材が山ほど置いてある」と知らせるかの  ような映像が生まれました。自然体で演じて、それを陰ながら撮影してこそあの  三姉妹の気持ちを表現できたのではなかったかな。  でも、スクリーンの中の色は本当に奇麗。青や赤。あんな色の写真を撮ってみた  いと感じるよ。この辺はポイント付けたい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ロマンスX☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     1998年/カラー/95分/フランス映画     監督・脚本/カトリーヌ・ブレイヤ     出演/キャロリーヌ・デュセイ、サガモア・ステヴナン  フランスをはじめ、世界各国にセンセーションを巻き起こした衝撃作。動物の基  本的本能に関わるテーマであるからか、賛否が分かれるようだ。私の周りでは  「理解できない!」「なんでこんな作品をわざわざ作るんだ!」などというよう  な意見がある一方で、「こういう部分はみんな持っている」「共感できる」など  といった肯定的な意見も同じくらい耳にする。私は自分でも意外ながら後者の肯  定派のようだ。  小学校教師のマリー(キャロリーヌ・デュセイ)はポール(サガモア・ステヴナ  ン)と同棲中である。2人の部屋は真っ白。潔癖の象徴なのだろうか?ポールはマ  リーの身体に興味を抱かず、セックスレスの日々が続く。別にポールは性的不能  なのではなく、単にセックスに興味がないだけなのだ。ポールはこんな言葉を吐  く。「抱けば君を蔑み愛せなくなる」。愛する人にセックスを拒まれた悲しみ  に、手当たり次第に好きでもない男に抱かれるようになる。しかしこの行為に愛  はなく、単に性的に満足したいがためである。その時のマリーの台詞。「私を抱  く男を見たくない。私はただの穴でいたい。」そうした行為で楽しく過ごした  後、陽気な気分でポールの家に帰る。上半身裸で読書していたポールは珍しくマ  リーに性欲を覚える。「今夜は気分じゃないの」といいながらも彼の上に乗り腰  を動かすマリー。「あなたは私の代わり。女なのよ。私は男。あなたを抱くの。  こうやって...」。ポールは突然マリーをはねのける。しかしこの1度の行為でマ  リーは妊娠してしまう。  R-18指定ではあるものの決してポルノ映画ではない。動物の基本的本能と倫理観  に関する非常に深いテーマである。冒頭で述べた否定的な感想を持つ人たちは、  たぶん”女が辱められる作品”という印象を強烈に持ってしまったのだろう。つ  まりポルノ映画にしか写らなかったのかもしれない。しかしそれらの淫らな行為  はマリーが望んだものであり、またその行為によってマリーは精神的に解放され  ていく。つまり逆なのである。自暴自棄になった女がやけくそになって性行に走  り、男共に辱められるの「モノ」的な存在に落ちぶれるのではなく、逆に女が性  行に快感を覚え、満足感を得ようとする非常に積極的な「生」の行為なのであ  る。表現が過激で誤解され易いが、それが故に痛いほど「生」を感じられる作品  である。結婚をはじめとして恋人関係も同棲関係も、男と女がパートナーとして  生きる以上、本来それは対等の立場でなくてはならない。これは、関係が対等で  なかったときに、女が積極的に自分を求めた作品である。倫理的には正しい行為  とは思えない。しかしそれだけ自分を求めることに貪欲に行動するマリーは実に  清々しいラストを迎える。パートナーと対等でいられないカップルは必見の作品  である。                                  多田 直 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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