フランス映画祭って

フランス映画祭

この映画祭は、フランスでも封切りされたばかりとか、または封切り前の作品を見られる貴重な機会でもありますが、フランス語を学ぶ人たちにとっては、また別の意味で、足を運んで損はないイベントです。来日ゲスト達のユーモアたっぷりの舞台挨拶や観客との質疑応答の内容が逐一、一流の通訳達によって訳されていく、その様子を目の当たりにできるしあわせ。フランス好きの人には、実にたまらない場なのです。

映画の中のフランス語は、大変くだけた言葉を使っている事も多いので、少し分かるだけでも大変なものなのですが、こんな言い方もするのだなあと、ふと心に残る言い回しなどを見つけて帰るのもまた、楽しいです。

例えば、「ヴィーナスビューティー」の一節で、こういうのがありました。Tu as boutonne mardi avec mercredi!(ボタンをかけ違えているわよ)これは、月曜と火曜でもいいのかとか、二つずれていたら、火曜と木曜と言うのかなど、いろいろ思いが巡ってしまいます。ごく普通に使われるのかどうか、この辺は知り合いにでも聞いてみようと思いますが、脚本家の方の独自の言い回しなのなら、思わず「それ、いただき!」ですね。

映画的にいいわるいは別として、個人的には、最後の上映作品「ヴィーナスビューティ」が一番、心にこたえました。一本でも心にささる作品があれば、それだけで充分、映画祭全体の印象もよくなるもの。やはり何本も見れば好き嫌いはあるので、気分的には最終上映までは、今年はちょっと好きなのないなあと思っていましたが、クロージングの「ヴィーナス…」にはあまりに感動してしまったので、思わず手を挙げて質問したい、というよりも監督や俳優さん達にお礼を言いたい衝動に駆られてしまいました。

なんて言おうか頭の中を整理しているうちに、時間切れになってしまったのですが、中には、フランス語でご自分で質問される方もいらっしゃって、自分の勇気の無さを反省させられます。

時間も限られているので、運が悪ければ発言できずに終わったりもしますが、きっと毎年楽しみにされている方も多い事でしょう。ちなみに、この質疑応答のおまけがあるので、いい作品はよりおもしろく、あれ?と思う作品でも逆に、質疑応答が非常におもしろかったりして、それなりに楽しめますよ。

毎年、フランス語検定の時期と微妙に重なり、行きたいのに行けない方もいらっしゃるかもしれませんね。私も悔しい思いをした事があります。余裕があれば、気分転換にちょっと出かけるのも決してマイナスにはならないと思います。サイン会などに並ばれたり、そうでなくてもふっと、その辺をゲストの方が歩いていたりする場合もあるので、フランス語で話し掛けるチャンスは日常に比べて何十倍もあるはずだと思います。あとは、度胸の問題。

映画を見るだけではない、必ずそれ以上の思い出をつくって帰れる横浜フランス映画祭。みんなにもっと教えたいような、そっとしておきたいような…何とも複雑な心境です。

松山 弥代