監督に注目!クロード・ミレール

フランス映画祭

第7回横浜フランス映画祭にむけてご紹介するフランス映画監督シリーズの最終回です。名前は同じクロードでも、かたやトリュフォーの弟子、かたやコメディ映画監督の代表格。

そう、フランス映画と一口に言っても、実は監督のタイプもさまざまなら、映画のタイプもさまざまなんですね。

◇クロード・ミレール/Claude Miller上映作品 「冬の少年」

1942年パリ出身。日本に紹介されたときは「小さな泥棒」を引っさげていたため「トリュフォーの弟子」という点がやたらクローズアップされたが、ロベール・ブレッソンやゴダールの助監督もつとめた地金入りの映画人で、いい意味で職人気質を感じさせる監督だ。弱者や地味な存在に眼差しを向けるのが特徴。今回の出品映画も子供の世界を取り上げている辺り、彼らしいのでは?

おすすめ作品1.死への逃避行(83)イザベル・アジャーニ/ミシェル・セロー/サミー・フレイ/ビデオ=廃版実はおすすめってわけではない。アジャーニが殺人を繰り返す話なので見ていてしんどいし。が、どちらかといえばさっぱりタイプのミレールでもこんな作品つくるのかと、監督の意外な一面は覗ける。それにアジャーニがはまり役。

トリュフォーの「アデルの恋の物語」といい、「殺意の夏」といい、彼女ってほんとに悲劇向きな女優なんですねえ。

2.なまいきシャルロット(85)シャルロット・ゲンズブール/ベルナデット・ラフォン/ジャン・クロード・ブリアリ/ビデオ=カルチュア・パブリッシャ-ズ圧倒的に男性監督が多いせいか、思春期入口の少年の話は沢山あっても少女の話は少ないし、あれば性の目覚めのほうにテ-マが向き勝ち。その点、コロンブスの卵的存在なのがこの映画だ(ジャンヌ・モローも作ってはいますがね)。

ゲンズブールのシロウトっぽいけど下手でない演技には、ジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンズブールの子、という七光りを払拭させるものがある。

3.小さな泥棒(88)シャルロット・ゲンズブール/ラウール・ビルレー/ビデオ=廃版師匠トリュフォーの遺した企画を弟子のミレールが監督して話題になった作品。たしかにテーマはトリュフォーなんだけど、あのまったり絡みつくような映像ではない。トリュフォーのファンには中途半端に感じられる映画かも。

4.伴奏者(92)ロマーヌ・ボーランジェ/リシャール・ボーランジェ/ビデオ=フロムスクラッチオペラ歌手のピアノ伴奏者という、自らは脚光を浴びることのない女性を取り上げ、彼女の心の動きを細やかに描く。ボーランジェも彼女としては珍しい「耐える女」役で健闘してます。