リトル・ボイス

作品紹介

★★★★

面白い映画はいつもイギリスからやってくる。(これは誉めすぎか?)この脚色でできあがる最高の物を、監督を始め、カメラ、音楽、役者他みんなで作ったといえる映画。

さて、この映画の主人公はLV(リトルボイス)。ゴールデン・グローブ主演男優賞をとったものの、レイ・セイ役のマイケル・ケインはその他の役者達と同じく助演にといってもいいだろう。助演といってもユアン・マクレガーにしてもブレンダ・ブレッシンにしても3人とも主役といっても間違いではないほど、4人の演じる役柄には個性があり、演技はみんな統一されたようなオーバーな表情で演じている。これも演出ではないだろうか。

英国映画の演技は、舞台(演劇)からの影響か、押さえた表現よりも多少オーバーな表現を使うことがある。さらに、リトルボイスのように笑いを誘うような箇所がある場合はオーバーな演技があった方が効果的で面白味を増す。記憶に新しい大ヒット作「フル・モンティ」でも大味な演技で、それが笑いをさそう重要なファクターとなった。

だいたいこんな役によくぞユアン・マクレガーが出演してくれたものだ。鳩レースに夢中な電話工事員(BTテレコムのワゴンに乗っている)で、かつ無口な青年。ラコステの格好悪いジャケットを着て、おどおどしているとは。

初日、翌日の土日には先着でユアン・マクレガーのショートフィルムのビデオプレゼントがあり、私が行った午前10時30分の段階で300本のビデオは”ぎりぎり”といわれた。その後も続々と列ができていき、12時30分の上映開始まで列は役400人にもなったようだ。

もちろんそのビデオはもらえたので、ベルリン映画際ショートフィルム銀熊賞をとったその内容に関しては他のコーナーにてお届けします。

座席数約220席で、初日から2日間立見が続いたようだ。しかもその先着順のプレゼントがあったおかげで初回の上映ではとんでもない人数が立ち見になった計算になる。つまり席数約220のところに、ビデオ300本をチケットを切った後で渡すわけだから、その全員が映画を見るとして80人の立ち見(通路座り見)がでていたのではなかろうか。

後ろには2重の立ち見客の列ができ、両端にはそれこそ前方までぎっしりと並んでいた。

これは映画館側にクレームしたい。300人並んだ場合行き着く結果は明らかなのだから、一度に300本の配布ではなく2回に分けるとか、各回に分けるとかしてもらいたかった。

300人の列ができそうだというのは、朝9時ごろには確定的だったわけだから、その時点でもなにかアイデアをだせたはずだ。チケットを切った後で渡すということは、全員が見るという事につながるとは考えなかったのだろうか?また、300人がこないだろうと考えたわけか?

「超人気映画だから立ち見があれだけでてもしかたがない」とすませてもらいたくもない。ビデオを配布し終わってからもまだ間際まで入場者がいて、完全に劇場の定員がオーバーしている中で入場規制をしないことは問題だろう。立って見るにも人ごみでスクリーンが完全には見られない状態は、観客のことを考えている映画館とはいえない。あれだけの立ち見では、座っていても不愉快だろうし、入場あとの1時間、トイレにいくにも大変だった。それこぞ掲示されている劇場定員272人を超えていて、防災の面でも問題があるのではないだろうか。

それでもやはりシャンテシネは、最良の映画館の一つということを付け加えておこう。これからもシャンテ系映画を発掘していってもらいたい。

立野 浩超