第7回フランス映画祭横浜’99上映作品

■ヌーヴェル・イヴLA NOUVELLE EVE1998年/94分共同脚本・監督:カトリーヌ・コルシニ出演:カリン・ヴィアール、ピエール・ル・ラジョ、カトリーヌ・フロ

シングルライフに満足している30才のカミーユ。彼女は突然恋に落ちた相手は社会党の活動家で妻子持ちのアレクシス。愛する男性を手に入れるために、あれこれ策を講じて体当たりする女心が、コミカルなのに切なく胸に迫り、主演のヴィアールも一気に注目された。

■冬の少年LA CLASSE DE NEUGE1998年/98分監督:クロード・ミレール出演:クレマン・ヴァン・デン・ベルグ、ロックマン・ナルカカン

冬休み、山のスキー教室へやって来た空想好きな少年が、隣の村の子供が行方不明になるという事件に遭遇する。『なまいきシャルロット』『小さな泥棒』のミレールが、きめ細かに演出したサスペンスの中で、子供達の自然な姿と多感な内面を瑞々しく描く。配給 シネマパリジャン

■ヒューマニティL’HUMANITE1998年/150分監督:ブリュノ・デュモン出演:エマニュエル・ショット、セヴリーヌ・カネル、フィリップ・テュイエ

他人の痛みも我がことのように感じてしまうナイーブな青年。しかし刑事としての日常は彼を絶望させ、それは人間の原罪意識にまで発展していく。『ジーザスの日々』で97年カンヌ映画祭カメラ・ドールを受賞、衝撃的なデビューを飾ったデュモン監督の2作目。

■アステリクスとオベリスクASTERXET ET OBELIX CONTRE CESAR監督:クロード・ジティ出演:ジェラール・ドパルデュー、クリスチャン・クラヴィエ、ロベルト・ベニーニ

今は昔、フランスにガリア人達が暮らしている頃。魔法の薬の力で国を支配しようと企む悪役(ベニーニ)を向こうに回し、アステリクスとオベリスクが大活躍!?国民的大人気コミックを最高のキャストで映画化し、今春フランスで大ヒットした待望の話題作。

■ロートレック(原題)*後日、邦題が決定しますのでご確認くださいLAUTREC監督・脚本;ロジェ・プランション出演:レジス・ロワイエ、エルザ・ジルベルシュタイン、アネモーヌ

貴族の嫡男として生まれた天才画家ロートレックはゴッホ、ドガ、ルノワールらやモンマルトルのダンサー、娼婦達にインスパイアされ、才能を開花する。そして画家を志すシュザンヌと運命の恋に溺れていくロートレックの涙と笑いの人生。配給 日本ヘラルド

■新しい肌PEAU NUEVE1999年/98分監督:エミリ・ドゥルーズ出演:サミュエル・ル・ビアン、マルシアル・ディフォンザオ・ポ、カトリーヌ・ヴィナティエ

アランは30歳。すでに家庭を持っている。ところが突然、生活の変化を夢見て、何の計画もなく建設現場監督となるための職業訓練を受けることを決意。そこで彼は一人の青年マヌーと出会う。主演は『コナン大尉』で注目を浴びた若手俳優のサミュエル・ル・ビアン。

■少年たちPETTITS FRERES1998年/92分監督・脚本:ジャック・ドワイヨン出演:ステファニー・トゥリー、イリエス・セフラウイ、ムスタファ・グマン

義理の父親とそりが合わず、愛犬キムを連れて家出した18歳のタリアは、同年代の4人の兄弟と知り合う。彼等はタリアの愛犬キムを盗もうと思いつくが・・・『ポネット』のドワイヨン監督がマイノリティの少年たちへの共感と共に、心の真実を描く珠玉の一篇。

■ロベールとは無関係RIEN SUR ROBERT1998年/105分監督:パスカル・ポニツェール出演:ファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・キベルランヴァレンティナ・チェルヴィ

コラムニストのディディエは、軽い気持ちで書いた記事のせいで人生が急降下。『美しき諍い女』『パリでかくれんぼ』の脚本家としてすでに活躍中のポニツェール監督がしゃれた台詞と小気味よいテンポで、人生の尊さをさりげなく描くヒューマン・コメディ。

■幸運と必然(原題)*後日、邦題が決定しますのでご確認くださいHASARDS OU COINCIDENCES監督:クロード・ルルーシュ出演:アレッッサンドラ・マルティネス、ピエール・アルディティ

バレエ・ダンサーで女優でもあったミリアム。別れた夫との思い出を胸に、ヴェニスを旅する彼女の前に温かい人柄の画家ピエールが現れる。美しいダンスシーンとロケーションに彩られ、ルルーシュ監督の新しい傑作と呼び声も高い”癒しと再生の物語”

■父の跡をたどってJE REGLE MON PAS DSURLE PAS DE MON PERE1999年/88分監督:レミ・ウォーターハウス出演:ジャン・ヤン、ギヨーム・カネ、ロランス・コート

父と再会する為に全てを賭ける決意をした青年。しかし、父は冷たく彼を拒絶。そのため青年は身を偽って、密かに父のそばに潜り込む。主演のギヨーム・カネは最新作『ザ・ビーチ』でレオナルド・ディカプリオと共演している若手注目株。

■カーニバルKARNAVAL1998年/88分監督:トーマ・ヴァンサン出演:アマール・アブダラ、シルヴィ・テチュ、クロヴィ・コルニヤック

北の港町、ダンケルク。青年ラルビは新しい生活を求めて南仏に旅立とうとするが列車に乗り遅れ、そこで一組の男女に出会う。カーニバルの熱気溢れる2月のダンケルクを舞台にした色鮮やかなラブ・ストーリー。この映画で旋風を起こした女優シュルヴィ・テチュは必見。

■今日からスタートCA COMMENCE ALIJOURD’HUI1999年/117分監督:ベルトラン・タヴェルニエ出演:フィリップ・トレトン、マリア・ビタレシ、ナタリー・ベキュ

幼稚園の園長でもあるダニエルは、ある夜、父兄が置き去りにした少女と赤ん坊を家に連れ帰る。その行為は規則違反だったために議会からも追求を受け、彼は妻と共に体制と闘いはじめる。名匠タヴェルニエがフランス社会にある官僚的な体制を厳しく見つめた感動作。

■これが人生?CEST QUQI LA VIE?1999年/115分監督・脚本:フランソワ・デュペイロン出演:エリック・カラバカ、ジャック・デュフィロ、イザベル・ルノー

農家の暮らしに不満を抱いている息子ニコラ。父の自殺をきっかけに、ニコラは新しい場所での人生を切り開こうとするが、かつての祖父たちが住んでいた土地でマリアという娘に出会う。アンゲロプロス監督の話題作『永遠と一日』のイザベル・ルノーが出演している。

■ベル・ママンBELLE MAMAN1999年/102分監督:ガブリエル・アギオン主演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ヴァンサン・ランドン、マティルド・セニエ

結婚式のその日、新郎アントワーヌの心を一瞬にして虜にしたのは、なんと花嫁の母親だった・・・。個性的な大物キャストに囲まれて、『ペダル・デゥース』のアギオン監督がまたまた放つアブナイ世界。主演のドヌーヴは劇中でラップも披露している。

■カジモドQUASIMODO D’EL PARIS1998年/100分監督:パトリック・ティムシット出演:パトリック・ティムシット、メラニー・ティエリー、リシャール・ベリ

教会の鐘つきで気の優しいカジモドが、女性ばかりを狙った連続殺人事件の容疑者に。名誉挽回、カジモドの真犯人探しが始まる。「ノートルダムの鐘」を大胆に飛躍させた独創的なセンス溢れるコメディ。『ペダル・デゥース』などの人気俳優ティムシットが初監督。

■幸せな日々NOS VIES HEUREUSES1998年/145分監督:ジャック・マイヨ出演:オリヴィエ・ピ、アラン・ベイジェル、カミーユ・ジャイピー、サラ・グラパン、サミ・ブアジラ

退院したばかりのジュリー、モロッコからやって来たアリ、失恋したエミリー、コックのルーカス、写真が趣味のセシル、攻撃的なジャン・ポール。6人の友人たちの人間関係をデリケートに描く。短篇映画で数々の国際的な賞を受けたジャック・マイヨの期待の初長編。

■大浸水TOUT BAIGNE1999年/90分監督:エリック・シヴァニャン出演:イザベル・ジェリナ、フランソワ・モレル、パスカル・エルベティエリー・ニコラ

奇人変人が集まっていた駅が突然浸水!?しかも、そこで妊婦が産気づいてしまった!?『パパラッチ』でおなじみのイザベル・ジェリナをコメディアンヌに迎えて、舞台喜劇で有名なエリック・シヴァニャンが初監督したドタバタコメディ。

■ボーダーラインMILLE BORNES1999年/103分監督:アラン・ベイジェル出演:エマ・ドゥ・コーヌ、ピエール・ベリオ、ラファエル・クレブゼール、広田玲於奈(特別出演)

「僕の痛いをベニスに運んで欲しい」という死んだ仲間の遺書を実行するために集まった、5人の青年と1人の少女。高校時代からの親しい仲間達の友情と、悲劇から立ち上がる力を描いた物語。特別出演の広田玲於奈はエンディングテーマも演奏している。

■ギャルソンヌLE DERREIRE1999年/102分監督・主演:ヴァレリー・ルメルシェ出演:クロード・リッチ、デュードネ、マース・ケラー

ようやく捜し出した父親はバリバリのホモセクシャルだった。この事実をうけいれる最良策として彼女が思いついたのが、自分を彼の”息子”と思わせ、コテコテのゲイファッションに身を固めること。ルメルシェのキュートでファニーな監督デビュー作。

■ヴィーナス・ビューティ(原題)*後日、邦題が決定しますのでご確認くださいVENUS BEAUTE (INSTITUT)1998年/105分監督:トニー・マーシャル主演:ナタリー・バイ、ピュル・オジエ、サミュエル・ル・ビアン

エステティック・サロンで働くアンジェルの恋愛を中心にその同僚達たサロンの経営者など女性達に焦点を当てた軽妙なドラマ。トリュフォーの『緑色の部屋』での名演が印象的なナタリー・バイ主演。『髪結いの亭主』を彷彿とさせる最新ヒット作。配給 アルシネテラン

■短篇映画特集LE COURTS METRAGES長編デビューを前にした若手監督たちの作品を中心にした短篇特集

ScreenKiss Vol.016

1999年 3月 30日 配信
ScreenKiss Vol.016

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Vol.016

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■ 英国映画祭レポート

 ◆英国映画祭第2部
  エブリバディ・ラブズ・サンシャイン
  10/31(土)*’99年春公開予定

  第2部からは東京国際映画祭の開催と連動して会場を澁谷東急から主にシアタ
  ーコクーンに移しての上映。この作品の監督、アンドリュー・ゴス氏とこの後
  の上映予定の「マーサ・ミーツ・ボーイズ」の監督ニック・ハム氏、そしてブ
  リティッシュ・カウンシルのマイケル・バレット氏が登壇してのオープニング
  となった。なお、「エブリバディ・・・」は今回の映画祭での上映がワールド
  プレミアとなる。

  上映開始前に2監督に最近の英国映画の躍進ぶりについて、その理由を一言ず
  つ。

  イギリスにはロケーションにふさわしい風景や場所が多いのと多方面で新しい
  人材が生まれていることと、そうした新しい人材を生み出す市場や宣伝等フィ
  ルムリリースに変化がしょうじてきている事からだろう。

  作品内容

  出所して来た2人の男をカメラが俯瞰で捉える。ヤクザな世界から足を洗おう
  としているレイと再び2人で仕切る事を楽しみにしている従兄弟のテリーだ。
  レイは得意のダンスで身を立てようと仲間達とステージで踊ることに意欲を燃
  やし、恋人も出来る。が、2人の収監中に勢力を拡大したチャイナマフィアと
  の抗争を押し進めようとしているテリーはそんなレイを見て面白くない。次第
  にテリーのレイへの執着ぶりは狂気をきわめ、レイを独占する為には手段を選
  ばなくなる。そして、、、狡猾な参謀役にデビッド・ボウイを配し、マンチェ
  スターの裏社会をクールに描いている。

  舞台挨拶:アンドリュー・ゴス

  ・監督自らの体験がベースという事だが、何故映画化しようとしたのか?

  体験から、、と言っても私自身は別にチンピラではないよ。(笑)だが、マン
  チェスターという土地の厳しい人間関係を傍観者として見てきたのでそれを描
  こうとした。イギリスといってもヒュー・グラントやケネス・ブラナーのよう
  な紳士ばかりいる国ではない、というこうした面も分かってもらいたかった。

  ・映画化に困難だったことは?

  俳優陣は皆友人なのでとてもやりやすかったが、一番困ったのは資金面だった。
  特にこれは裏社会の事を描いているので余計銀行が渋った。

  ・俳優にデビッド・ボウイやゴールディ等の有名人を起用した訳は?

  ゴールディは元々友人で、キャラクターもぴったりだったし、育った環境も自
  分と似ていた。従兄弟という難しい役を巧く演じてくれた。

  デビッド・ボウイに関してはあれだけのスーパースターを使うと現実性がなく
  なりそうな気がしたが、レコーディングを一緒にしたこともあるし、彼自身、
  驚くほど入念な役作りをしてくれた。

  ワールドプレミアという事で何となくわくわくして見に行ったが内容はかなり
  シリアス。しかし冒頭の乾いたカメラワークからしてかなりスタイリッシュな
  作品でとてもクールな仕上がりになっている。全体の抑えたライティングも良
  い。

  「フェイス」とまた違った表現の裏社会だ。別枠の「ブリティッシュ・カルト
  &クラシック」部門で旧作を8本上映していたが、そこでも「地球に落ちて来
  た男」や「戦場のメリー・クリスマス」で出演していたデビッド・ボウイ。

  さすがにその頃の美貌?はなかったが、何となく白いものが混じった無精ひげ
  を生やして、しかし昔気質のスマートなギャングを演じていた彼、映画の中で
  ポケットチーフを台紙に縫いつけているシーンには何となく笑えた。

  オープニングという事もあって花束の贈呈何ぞ行われたのだが、記念撮影に彼
  のたっての願いとかで観客をバックに2枚撮った。これはお母さんに「僕は日
  本でもこんなに有名何だよ!」と見せたいからだそうだ。結構ポーズ決めたり
  してお茶目だった。

  (そういえば一昨年前にイランのアボスファズル・ジャリリ監督がアジア秀作
  映画週間のラストを飾った時、主演の男の子から依頼されたと言ってこちらは
  ステージから観客を撮影させてくれ、と自前のカメラを取り出してシャッター
  を切っていた)

  写真で見ると両監督はほとんど同じ位の身長なので、大きさを感じないかも知
  れないが、実は彼等はかなりの大男なのである。と、言ってもハム監督には近
  くでお会いしていないので実感が湧かないのだが、ゴス監督はたまたま終映後
  しばらくしてコクーンの前に戻ったら2~3人のファンにサインを求められて
  いたのでちゃっかし私も便乗した。

  で、そばに行ってみて吃驚、見上げるような背の高さなのだ。映画の中でもダ
  ンスシーンでその脚の長さは充分堪能したものの間近で見ると、私のお腹の高
  さ位から脚が生えている!

  サインして貰っていたらたまたまオーチャードホールの正面玄関辺りで突然悲
  鳴がわき起こり「何で悲鳴何だ?」という彼にスタッフの人が「誰か着いたん
  でしょう」

  (この時は「アルマゲドン」で来日したブルース・ウィルスやベン・アフレッ
  クが丁度到着したところだったのだが)と説明するとちょっと背伸びをして
  「誰か来たみたいだ」。そう、彼の目線ではどうやら見えてたらしい。これが
  彼にとっては初監督作品という事だが次回作が楽しみだ。

 ◆サンセット・ハイツ 11/7(土) *公開未定
  ゲスト: コルム・ヴィラ(監督)

  作品内容

  荒廃した近未来の北アイルランド。町中の不良少年達は自治組織(といっても
  その行動は暴力的でほとんどギャングとして怖れられている)の大人達に輔導
  され、重犯は再犯しないよう、その脚を撃たれたりの制裁を受けていた。その
  頃幼児連続殺人犯が横行し、最愛の息子も犠牲者となった父親の為、対立して
  いる2つの自治組織が犯人探しに一時休戦して手を組む。

  犯人と目されたのはは孤独でどこか変わった老牧師だった。彼等はサンセット
  ハイツと呼ばれる処刑場に彼を連れていき射殺するが、それでも幼児殺害は止
  まらない。

  牧師の飼っていた犬が犠牲者の子供の下着をくわえてきたり、彼に酷似した風
  体の男がみかけられたりしたため念のため死体を暴いたところ死体は消えてい
  た。第2第3の容疑者が浮かぶが彼等も殺されてしまう。挙げ句牧師の名前で
  ホテルにチェックインも確認される。

  果たして続く幼児殺人事件は牧師の怨念の業なのか、それとも・・。意外な結
  末が。’98 年カンヌ映画祭での上映で「ユージュアル・サスペクツ」風ストー
  リーが評判となった作品という。

  ティーチ・イン

  ・作品化にあたってどんな苦労があったか?

  ロケーションの多い脚本だったので(ちなみに脚本も監督)予算不足に悩んだ。

  ・ベルファスト出身の観客からの発言:北アイルランドというと政治的な問題
  に焦点が当てられる場合が多いがこの作品では、その点あまり強調していない
  点が良い。

  政治的な事よりスリラーとしての作品にしたかったから IRA 等の関連は出して
  いない。

  観客はアイルランド人だけではないのだから映画の中でその辺の状況を説明し
  なくてはならない。例えばロミオとジュリエットを宗教劇として描いたらあま
  り映画的でないのと同じだと思う。

  ・タイトルのサンセットハイツは実際に存在する場所か?

  実際はない。イメージとしてはストーンヘィンジ風に舞台をつくってみた。

  ・何故容疑者として牧師を登場させたのか?

  孤独で少し頭の変な老人となるとそうしたもののターゲットになりやすい。キ
  ャラクターとして頭に思い描いていたのはフランス」中世に実在したジール・
  ド・レイという人物。彼は約400人の子供を殺害した史上初のシリアルマー
  ダー。相手がかなり手強い者でなくては対立するギャングが手を結ぶはずがな
  い。

  ・アイルランドが舞台の作品に容疑者として牧師を登場させたのには理由があ
  るのか?

  ベルファスト辺りでは今日でもレイ・プリチャーと呼ばれるレイ(説教を書い
  た看板)を下げた無資格の牧師が辻説法していたりする。そういういい加減な
  意味でプロテスタントとしての牧師を起用した。

  ・近未来という設定だが、ここでは北アイルランドは独立していて EU にも加
  盟しているようだが(車のナンバープレートから)何故犯罪都市としての舞台
  を監督ご自身の出身地を選んだのか?

  未来都市としてはリドリー・スコットも「ブレード・ランナー」でロスを舞台
  として使用しているし、映画においての未来は必ずしもその通り実現する訳で
  はない。神話的に未来を描いてみたかった。

  ・とてもドキドキするような恐いシーンにふと笑いを誘う部分が多々見られる
  がこれはわざとか?

  これでもカットしているのだが主人公が緊張してるシーンにコミカルな部分を
  加えている。

  ・ラストの方で車椅子からピストルが出てくるなど変わった仕掛けがあったが
  何かヒントがあったのか?

  今 45 才位の男で彼が 20 年程前車椅子で犯罪を犯していた。それがヒントと
  なっている。

  パンフレットの説明には悪いが「ユージュアル・サスペクツ」ほど込み入った
  どんでんがえしではないが、次のシーンは気味悪いかも・・・と思わせるとこ
  ろが多くて痛い場面の嫌いな私には十分怖かった。

  実はこの上映は朝 10:35~で低血圧で朝に弱い私としては前売りを買う勇気が
  なかったのだが、上映未定の文言に弱い体質?と怖いものみたさ?には早起き
  も可能だった。

  その怖いシーンにはわざとコミカルなものを取り入れた、という事だったがこ
  の「怖い」と「笑い」は表裏一体だとよく言われる。日本でも公開された「シ
  ューティング・フィッシュ」のステファン・シュワルツ監督も前回の映画祭で
  「コメディの次はサスペンスを撮るつもり。

  対極にあるようだけど同じなんだよ」と言っていたのを思い出した。さて、映
  画祭期間中に開催された国際シンポジウムにもゲスト出演していたヴィラ監督。

  監督は北アイルランドの出身だがヒッチコックといい、彼といい英国近辺?の
  サスペンス監督は怖いものをつくる割にご自身は何となく親しみのある感じの
  人が多いのだろうか。

  そういえば体格のいいところも共通しているかも。写真はバッチリとカメラ目
  線で、これはちょっと話をしてからお願いしたらポーズしてくれたところ。ウ
  ィットのあるキュートな人柄で、「とても楽しめましたよ。でもとても怖かっ
  たですよ」と言うとニヤッと笑って「怖がってくれた何て、それでは僕は大成
  功だったわけだね」と喜んでくれました。

 □ D □  フェアリー編

 ◆フェアリー・テイル~ア・トゥルー・ストーリー~ 
   11/3(火)*’99年春公開予定
  ゲスト:チャールズ・スターリッジ(監督)

  作品内容

  英国で20世紀最大の謎といわれる「コティングリー妖精事件」これは第1次大
  戦下従姉妹のエルシーとその家に預けられたフランシスが森の中の2人の秘密
  の場所で美しい妖精達を見ることに端を欲する。

  エルシーの父のカメラを借りて彼女達は妖精を写真に収めることに成功するが、
  大人達はそれを信じない。そこで妖精の研究家としても名高いコナン・ドイル
  に相談するとどうやら紛れもなくその写真は“本物”らしい事がわかる。

  やがて媒体に掲載された少女達の記事から執拗な新聞記者により場所が特定さ
  れてしまい妖精捕獲ツアーまで出る始末。これには静かに森で暮らしていた妖
  精達も引っ越しを考えざるをえない。ドイルの友人の有名なマジシャン、フー
  ディーニのショーを見るためロンドンへ行った少女達は人気者になるが・・・

  ティーチ・イン

  監督の飛行機が到着遅延のため上映時間も多少送らせた関係から当然ティーチ・
  インも遅れ、その為私事ながら次の鑑賞予定の時間とのかねあいでティーチ・
  インを最後まで聞くことが出来なかった。ご了承頂きたい。

  ・何故これを作品に選んだか?

  英国では「フェアリー・テイル」といえば普通子供のお伽話の事、つまりファ
  ンタジーを意味するが、そこに副題のトゥルー・ストーリーが付属する事でそ
  の矛盾の面白さがあったから。

  ・俳優陣の中にハーベィ・カイテルやメル・ギブソンといった人々を起用した
  訳は?

  メルはアメリカにスタジオを構えていてなかなかスケジュールが合わなかった
  が、たまたま1日だけの撮影だったので出演してもらえた。感動的なシーンに
  彼の出番はフェアリーテイルにふさわしいと思った。

  (ラストでフランシスが待ち望んでいた父が戦地から戻って来て彼女を抱き上
  げるシーンだが)また、ハーベィ・カイテルはコナン・ドイルを演じたピータ
  ー・オトゥールと共に重要な役回りだがドイルが作家でとてもロジカルなのに
  対してフーディーニは対称的な位置で良いコントラストとなっている。)

  まるで絵本から抜け出たような背景と可愛らしいフェアリー。とても夢のある
  題材ながら結構皮肉が利いている。今でも同じ光景が見られるであろう野次馬
  的な観光客による自然破壊。

  その観光客を誘致する抜け目ない業者達。ついオウム事件の際の上九一色村の
  様子などが目に浮かんでしまった。一方捕虫網まで持ち出す彼等の足下では「
  これはたまらん」とばかりに荷車に家財を積み込んで移動するフェアリー達。

  ドイルもフーディニも実在の人物で対極にある立場に見える2人がこの少女達
  の理解者という点も面白い。ドイルの父が病院でフェアリーの絵を描いていた
  のは有名で一昨年辺りだったか「妖精展」を見にいった時彼の絵を見た。

  また、私がフーディニを初めて知ったのはたまたま見ていたTVでトニー・カー
  ティスが彼の自伝的映画に出演していた時だが、仕掛けがあるイリュージョン
  が売り物の彼がフェアリーも手品も信じる心の共通性で捉えている点も面白い。

  監督は飛行機の遅延で空港に到着した途端車で文化村に直行。そのため「日本
  の印象は?」などと聞かれても「私が日本で見たのは成田とここ文化村だけで
  す」と言っていた。ちょっとお疲れ気味の感じでした。

 ◆フォトグラフィング・フェアリーズ:11/7(土)*’99 公開予定
  ゲスト: なし

  作品内容

  写真家のチャールズは新婚1日目にして新妻をクレパスから救出出来ず、後悔
  と失意の日々を過ごしている。そこへフェアリーを撮影した写真の鑑定の仕事
  がやってくる。子供が撮影したというその写真は当時の技術を駆使しても確実
  に本物と思われ、特に子供の瞳に反映している像は妖精そのものだった。

  その頃第1次大戦で子供を失った親などを中心に超常現象の研究会が開かれて
  いたが、その中にはコナン・ドイルもいた。彼と意見交換したりしながら次第
  にチャールズは妖精に引き込まれていき、ついに自分も妖精の姿を撮影しよう
  と撮影現場に居を移す。

  妖精を写した子供の家は牧師の家庭で彼はとても嫉妬深く、妖精を見たくて木
  に登り転落死した彼の妻への責任の一端はチャールズにあるとして撮影装置を
  破壊してしまう。

  妖精を見るためには特殊な花が必要だが、それを食べたチャールズは妻の幻影
  をも見えてしまった。以来死に取りつかれていた彼は牧師の死の罪をかぶり死
  刑を受け入れる。絞首刑の後に彼の見たものは・・・

  この作品はこの日時で1回しか上映がなかったので何も考えないで見てしまっ
  たが、奇しくも同じ事件を扱った2つ目の作品。

  「フェアリーテイル」でのフェアリーと違ってこちらは特殊な花による一種の
  幻覚作用のような描き方でその動きがとても目まぐるしい。その動きをシャッ
  タースピードを速める事で捉えようとするチャールズ。

  こちらの作品では発見者の少女達を巡る大人と思惑というより、それをベース
  としたラブストーリーだ。絞首刑後の映像はまるでそれまでのすべてが彼の白
  昼夢だったようにもとれる。

  ベン・キングスレー演ずる嫉妬深い牧師や TV シリーズ「シャーロック・ホー
  ムズ」でワトソン役でお馴染みのエドワード・ハードウィックがこの中ではそ
  の生みの親のコナン・ドイルを演じていたりと達者は俳優陣が脇を固めている。

                                鳥野 韻子

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第7回フランス映画祭横浜’99

今年も恒例の横浜フランス映画祭が始まります。6月10日(木)-13日(日)の4日間、今年は7回目を迎え、御馴染みのパシフィコ横浜で開催される。

日程:6月10日(木)~13日(日)場所:パシフィコ横浜料金:前売り券 1000円当日券  1200円

今年は指定席もあるそうです。ウェルカムセレモニーとクロージングは1500円(当日は1700円)

チケット発売日は5月14日

■公開予定の映画作品紹介

□ Asterix et Obelix contre Cesar「アステリックスとオベリックス対シーザー」

原作はフランスのマンガ「Asterix et Obelix」の完全映画化。監督は「フレンチ・コップス」「アルレット」のクロード・ジディ。出演は主演2人にクリスチャン・クラヴィエ、ジェラール・ドパルデュー。悪役には今年のアカデミー賞でオスカーを得たロベルト・ベニーニが扮している。109 minshttp://www.asterix.tm.fr/lefilm/

□ Belle Maman 「美しいママ」

「ペダル・ドゥース」に続いて、ガブリエル・アギオン監督のラブ・コメディが今年もセレクトされた。この作品はキャストに注目。カトリーヌ・ドユーブ、ヴァンサン・ランドン(今年も来るか?)ステファーヌ・オードラン。102 mins

□ Ca commence aujourd’hui 「それは今日始まる」

ベルトラン・タベルニエ監督の作品は、フランス映画祭ではこれまで3本上映されています。今回の映画もドキュメンタリー・タッチで小学校の教師を主人公にした社会派ドラマ。117 mins http://cacommenceaujourdhui.com/

□ La classe de neige「雪のクラス」

「伴奏者」「オディールの夏」に続くクロード・ミレール監督の新作です。ロマーヌ・ボーランジェが出てるかって?残念でした。出ていません。心配性のニコラは学校のスキー教室へ行くことになった。そこで起きた事件とは・・・?96 mins

□ Le Derriere「お尻」

サチャ・ギトリの原作を映画化した監督主演作品「カドリーヌ」に続いて、ヴァレリー・ルメルシエがまたまたコメディに挑戦。自分の父親がゲイであることを知った娘(ルメルシエ)は、「ゲイの世界」を覗いてみたくなり、ある決心をする。彼女が取った行動とは!?102 mins

□ Hasards ou coincidences「偶然と一致」

これは、噂では今年の来日団の団長を務めるクロード・ルルーシュ監督の最新作です。日本でも「男と女」「愛と悲しみのボレロ」「レ・ミセラブル」等ヒット作があるルルーシュ監督。自分の奥さんを主演にしたこの作品はロードムービとか。期待しましょう。120 mins

□ Je regle mon pas sur le pas de mon pere「私は父に歩調を合わせる」

新人監督のレミー・ウォーターハウスは撮った父親と息子のロードムービー。主演:ギヨーム・カネ、ジャン・ヤン、ローレンス・コート88 mins

□ Karnaval「カーナバル」

トマ・ヴァンサン監督作品。主人公ラルビは父親との大喧嘩の後、マルセイユへ家出する。ダンケルクでカーニバルを見たラルビはベアと言う女に出会って・・・88 mins

□ Lautrec「ロートレック」

題名が示す様に、画家トゥルーズ-ロートレックの伝記映画。ロートレックと言えば、「赤い風車”Moulin Rouge” 」と言う映画がすぐに思い浮かぶ。ホセ・フェラーがロートレックを演じたジョン・ヒューストン監督作品である。これをビデオで見てから本国フランス製の本作品を見るか?キャストで唯一識別出来たのはエルザ・ジルベルシュタインだけだった。監督もロジェ・プランションと聞いたことのない人だ。125 mins

□ Mille bornes「1000の境界」

死んだ友人の葬式に集まった友人:男5人と女が一人。死んだ友人は最後の願いとしてビデオを残していた。その願いとは、自分の死体を安置所から盗み出し、イタリアのベニスまで運んでくれと言うものだった・・・103 mins

□ La Nouvelle Eve「新しいイブ」

女流監督のカトリーヌ・コヌシーニの作品。30年間独身だったカミーユが遂に理想の男性に巡り会えたが、彼は子持ちの妻帯者だった。やはり「不倫」するしかないのか?94 mins

□ Petit freres「小さな兄弟」

「ラ・ピラート」「ピストルと少年」そして、去年はあの「ポネット」でヒットを飛ばしたジャック・ドワイヨン監督の最新作です。家出した 13 才の少女と彼女を取り巻く4人の少年。92 mins

□ Quasimodo d’el Paris「パリのカジモド」

個人的には筆者が一番楽しみにしているのがこの作品。カジモド(ノートルダム・ド・パリのせむし男)の話は何度となく映画化されている。最近ではあのディズニーもアニメ化した。さて今回は去年の映画祭でも受けていた「パパラッチ」のパトリック・ティムシットが監督主演で、あのモンティー・パイソンを連想させるタッチで映画化した。100 minshttp://quasimodo-film.com/

□ Rien sur Robert「ロベールに関しては何もない」

脚本家として有名なパスカル・ボニツエール脚本・監督作品。数年前「Encore」と言う題名の彼の監督作品が東京映画祭で上映されたので、見に行った。あの作品が気に入った人にはいいかも。ファブリス・ルキーニ、ミシェル・ピコリ、サンドリーヌ・キベルラン、ベルナデット・ラフォン107 mins

□ Venus Beaute「美しいビーナス」

マリオン・ベルヌー脚本、トニー・マーシャル監督作品。とにかくこの作品は出演している女優人が凄い。ナタリー・バイを筆頭に、ブル・オジエ、昔のファンが泣いて喜びそうなミシュリーヌ・プレール、エマニュエル・リバ、トリュフォー作品以来のクロード・ジャドなど。ストーリーは現代女性が直面する様々な問題:仕事、嫉妬、自殺などを取り上げる。105 mins

□ Tout baigne「全て水浸し」

エリック・シバニアン監督作品。家が水浸しになってしまった。しかもこんな中、子供が生まれそうなの。一体どうしよう?

□ Peau neuve「新しい肌」

アニエス・B制作。もしも別人になることが出来たら?アランはある日決心する。家族、仕事も捨てて、新しい運命を模索した彼に用意されていたのは?監督:エミリー・ドゥルーズ。

□ Nos vies heureuses「私たちの幸福な生活」

ジャック・マイヨ監督作品。6人の若者の人生スケッチ。イヤな物ばかりのこの世の中で、好きな物を見つける喜びとは?

□ L’humanite「ヒューマニティ」

「ジーザスの日々」を撮ったブルーノ・デュモン監督の最新作。

□ C’est quoi la vie「人生って何」

フランソワ・デュペロン監督作品。家族崩壊で自分の居場所がなくなったニコラは祖父母が残してくれた農場へ行く。そこで、マリアと言う女性と出会い、彼は自分の新たな居場所を見つけることになる。