ScreenKiss Vol.030

1999年 6月 21日 配信
ScreenKiss Vol.030

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Vol.030

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  ■ 横浜フランス映画祭特集 ■
  開催前から強力に特集していた横浜フランス映画祭の特集です。今回は映画祭
  全体のレビューと短編映画の紹介を致します。次回は映画一つ一つの紹介を行
  いますので、ご期待を!

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┃1┃今年も横浜フランス映画祭
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 もう毎年恒例となっている横浜フランス映画祭も横浜市の主催する最大規模のイ
 ベントとなって、フランス人でもメディア関係者であれば、この時期に横浜と言
 うと映画祭ということが判るようになるほどだ。

 面白いのは、確かフランスのユニフランス会長の代理で出席した人のスピーチで
 例年「梅雨」の時期なのに、今年は天気が良いという内容が出たのは、少し驚い
 た。
 
 色々なシステムが少々変わったらしく、取材する側にはとまどいもあったが一般
 観客としてはそれ程違いはなかったかも知れない。それにしても、あまり行かな
 いパシフィコ横浜と「あの」警備員の顔を見るとまた横浜フランス映画祭にやっ
 てきたなと実感する。

 今年はあまりめぼしい俳優が来なかったせいか、サイン会場での混乱も少なく、
 うるさいと言うイメージの警備員も非常に静かだった。終了後に「あの」太った
 警備員も最後にはスタッフの女の子と一緒に記念撮影をしたりとすごくはしゃい
 でいたのが、印象的だった。

 作品に関しては、僕自身非常に考え事が多かったので、映画に集中することが出
 来なかったのかも知れないが、全体的に面白い作品が少なく、フランス映画らし
 いやたらセリフの多い作品が目立った。日本ではほとんど公開されないコメディ
 ー作品を期待していたのだが、量も少なく「大笑い」できる物は残念ながら無か
 った。

 今年は俳優が監督をした作品の上映が特に気になり、コメディースターのパトリ
 ック・チムシットの初監督作品や女優バレリー・ルーメルシェのメガフォンを取
 った作品が上映された。一般に「こんにちは」などという程度の簡単な挨拶程度
 の日本語しか話さないが、彼女は舞台挨拶で全て日本語で読み上げたのは、なか
 なかやるもんだと感じた。

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┃2┃フランス映画祭を振り返って
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 毎年6月の恒例となったフランス映画祭横浜も今回で7年目を迎え、10 日~13
 日の4日間、桜木町のパシフィコ横浜は大勢の人で賑わった。

 梅雨とはいえ、連日真夏日の中、9:00台からの1本目の上映もほぼ満席という盛
 況ぶりで、初のレイトショーも、かなりの観客が席を埋めていたのには吃驚した。

 今年はジャンヌ・モローに始まる歴代の女優に代わり、初の男性監督、クロード・
 ルルーシュが団長として来日した。ルルーシュといえば『男と女』~『男と女嘘
 つきな関係』まで、長いキャリアでたくさんの人々を魅了してきた監督だ。その
 せいか、観客の年齢層も幅広く、彼の作品『幸運と必然』のチケットは早くから
 完売してしまった。

 普段スクリーンでしか目に出来ない、俳優や、滅多にその声も聞けない?監督や
 プロデューサーといった人々と身近に接する機会があるのも、この映画祭の魅力
 のひとつ。

 今年はカンヌでグランプリを受賞した『ヒューマニティ』のブリューノ・デュモ
 ン監督や、コメディの大御所のクロード・ジティ監督も最新作『アステリクスと
 オベリスク』を引っ提げて来日。『ペダル・デュース』以来大ブレイクのパトリ
 ック・ティムシットは監督と主演をこなした『カジモド』と共に・・・と多彩な
 顔ぶれだった。その他、ヴァレリー・ルメルシェ、アラン・ベイジェル等、ティ
 ムシット同様俳優出身の監督が目立った。

 一方、俳優陣は、先の『ヒューマニティ』で主演女優賞のセヴリーヌ・カネルや、
 サイン会でまでも、慌ただしくインタビューを受けていたサミュエル・ル・ビア
 ン、若手成長株のギヨーム・カネやロランス・コート等、次代を担う、元気な人
 々の来日が多かった気がする。

 以前に比べ、ヨーロッパの作品もかなり配給されてきているが、まだ単館上映が
 多い事から、アメリカの俳優に比べると、彼等に対する一般的な認識度が低い。
 そんな中、早くもこうした旬な人々といち早く出会えるのも映画祭のメリットだ
 といえる。

 勿論ヌーベルヴァーグ世代にはお馴染みのナタリー・バイの来日も、ファンには
 懐かしいものがあるし、来日こそなかったが、ジェラール・ドパルデュー、ファ
 ブリス・ルキーニ、カトリーヌ・ドヌーヴ等のベテラン俳優達も健在だ。

 さて、今回上映作品約 20 本のラインナップだが、硬質な社会派から、ドタバタ
 コメディまで、バランスよく散りばめられていた。

 『冬の少年』は一見サスペンスの形式をとりながら、『今日からスタート』は丹
 念なリサーチの上で、それぞれ現代のフランスを反映している。『幸運と必然』、
 『幸せな日々』のような作品ではフランス映画らしい、心の襞を繊細に描いてい
 た。

 また、アメリカ映画のような大仕掛けこそないものの、SFX を駆使した『アステ
 リクスとオベリクス』や、人気舞台の映画化『大浸水』などは、かなりの装置と
 思われた。こうしたコメディでは、他に大胆な解釈の『カジモド』や、可愛らし
 い『ギャルソンヌ』等それぞれに楽しめた。個別の作品については、あとで詳細
 を報告。

 今回気になった事といえば、このところ、映画人口が増えていると言われている
 中で、ベテランのジャック・ドワイヨン監督が、“予算の関係で”16mm 撮影を余
 儀なくされた、とその新作『少年たち』の舞台挨拶で述べていた事だ。無論、彼
 の手にかかれば、フィルムの質を越えて作品としてはなかなかのものだったが。

 今年はリザーブシートが設けられ、チケットの獲得に苦戦したところもあったが、
 始まってみると、観客のエチケットもよく、また会場係も例年に比べ穏やかだっ
 た気がする。

 来年は8回目。どんな映画祭になるかが今から楽しみだ。

                                鳥野 韻子

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┃3┃横浜フランス映画祭
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 この映画祭は、フランスでも封切りされたばかりとか、または封切り前の作品を
 見られる貴重な機会でもありますが、フランス語を学ぶ人たちにとっては、また
 別の意味で、足を運んで損はないイベントです。来日ゲスト達のユーモアたっぷ
 りの舞台挨拶や観客との質疑応答の内容が逐一、一流の通訳達によって訳されて
 いく、その様子を目の当たりにできるしあわせ。フランス好きの人には、実にた
 まらない場なのです。

 映画の中のフランス語は、大変くだけた言葉を使っている事も多いので、少し分
 かるだけでも大変なものなのですが、こんな言い方もするのだなあと、ふと心に
 残る言い回しなどを見つけて帰るのもまた、楽しいです。

 例えば、「ヴィーナスビューティー」の一節で、こういうのがありました。
 Tu as boutonne mardi avec mercredi!
 (ボタンをかけ違えているわよ)
 これは、月曜と火曜でもいいのかとか、二つずれていたら、火曜と木曜と言うの
 かなど、いろいろ思いが巡ってしまいます。ごく普通に使われるのかどうか、こ
 の辺は知り合いにでも聞いてみようと思いますが、脚本家の方の独自の言い回し
 なのなら、思わず「それ、いただき!」ですね。

 映画的にいいわるいは別として、個人的には、最後の上映作品「ヴィーナスビュ
 ーティ」が一番、心にこたえました。一本でも心にささる作品があれば、それだ
 けで充分、映画祭全体の印象もよくなるもの。やはり何本も見れば好き嫌いはあ
 るので、気分的には最終上映までは、今年はちょっと好きなのないなあと思って
 いましたが、クロージングの「ヴィーナス…」にはあまりに感動してしまったの
 で、思わず手を挙げて質問したい、というよりも監督や俳優さん達にお礼を言い
 たい衝動に駆られてしまいました。

 なんて言おうか頭の中を整理しているうちに、時間切れになってしまったのです
 が、中には、フランス語でご自分で質問される方もいらっしゃって、自分の勇気
 の無さを反省させられます。

 時間も限られているので、運が悪ければ発言できずに終わったりもしますが、き
 っと毎年楽しみにされている方も多い事でしょう。ちなみに、この質疑応答のお
 まけがあるので、いい作品はよりおもしろく、あれ?と思う作品でも逆に、質疑
 応答が非常におもしろかったりして、それなりに楽しめますよ。

 毎年、フランス語検定の時期と微妙に重なり、行きたいのに行けない方もいらっ
 しゃるかもしれませんね。私も悔しい思いをした事があります。余裕があれば、
 気分転換にちょっと出かけるのも決してマイナスにはならないと思います。サイ
 ン会などに並ばれたり、そうでなくてもふっと、その辺をゲストの方が歩いてい
 たりする場合もあるので、フランス語で話し掛けるチャンスは日常に比べて何十
 倍もあるはずだと思います。あとは、度胸の問題。

 映画を見るだけではない、必ずそれ以上の思い出をつくって帰れる横浜フランス
 映画祭。みんなにもっと教えたいような、そっとしておきたいような…何とも複
 雑な心境です。

                                松山 弥代

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┃4┃「これが人生?」に関して
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 今年の一番はこれ。

 まずこの映画は、前半と後半に大きくわけられる。前半、田舎の青年二コラ(エ
 リック・カラヴァカ)とその家族、友人の間で繰り広げられる退屈なエピソード
 はごく普通の田舎を撮った映画の世界で、映画をたくさん観ている人達には退屈
 してしまうだろう。

 ここをどうのこうのと言っても意味がないくらいに退屈ないくつかのエピソード
 を我慢して観ていくだけ。ひたすらこの後の為に人物関係を把握し、この田舎が
 どんな所かをイメージし、自分がそこに住んでいたかの様な想像力を働かせて後
 半に備える。

 ただし、何度も言ってしまうがあまりその手助けにはならないひ弱な人物描写と、
 暗い映像には不満を感じる。こういった前置的な説明は様々な映画に見られるし、
 確かに必要な部分と言えるからそこを省くことも出来ないし、ここで退屈させな
 い映画のみが傑作とよばれる様になるのだから、傑作の数少なさを考えると、い
 やはや難しい。

 小説でも同じ事で、これは半分どうしようもないことなのかも知れない。編集し
 なおし、時間を10分もけずれば、テンポよく進んでいくのではないだろうか。
 (今後この映画の長さに関しても皆さんの意見を聞きたい。)

 もちろん前半ということもありなんら考えることなく観つづける人もいるだろう。
 その場合、後半の圧倒的な美しさと迫力に、前半のことを忘れてしまうことだろ
 う。そのうちスムースに話は流れ、後半に続いていく。

 後半とは、祖父母と一緒に田舎暮らしを始めるあたりからだが、とたんに映像が
 冴えわたり、スト-リーにテンポがうまれ、人間性の捕らえ方が研ぎすまされて
 いく。この変化はまるでニコラの心境の変化に重ねて描いているのではないかと
 期待してしまうくらいにもの凄い力を感じる。

 ニコラが大人になっていくという事かもしれないし、自然の持つ迫力なのかもし
 れない。こう書いていると、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を思い出
 す。ストーリーは全く違うものだが主人公の心境にどこか結びつくものを感じる。

 同時に、自然をバックに写し出される主人公ニコラやマリア(イザベル・ルノー)
 の体がまるで絵画の中の人物の様に美しく表現される。ミレーか、コローか、映
 像芸術といっても差し支えない名場面が続き、どっぷりとストーリよりも映像に
 浸ってしまう。まさしく、鳥肌がとまらないのだ。

 これは決して監督の手腕だけでつくり出したのではなく、カメラ(撮影)をまわ
 した日本人カメラマン(テツオ・ナガタ)の手腕が大きく、映画の中のカメラワ
 ークの大切さを感じさせるし、めったに映画を観ない人達でも簡単にカメラの重
 要性を理解できるだろう。

 日本映画の貧弱なカメラワークと比べると、本当に日本人による撮影かと疑って
 しまうのも無理ないだろう。

 鍬で草を刈るニコラを前斜め下から仰ぎ見て撮る場面、マリアと2人で歩く秘密
 の場所の金色に輝く羊歯、潅木、土の美しさ。(ウッディ・アレンの「ブロード
 ウェイと銃弾」でセントラルパークのベンチのシーンを思い出さずに入られない
 。)山の中腹から見下ろす谷間の煙り(霧)がかかる風景。実に美しい。しかも
 この光量だと、テレビでは再生しきれないだろう。映画館だからころ表現される
 この深い色合い。決してテレビ(ビデオ)では理解出来ない深い感動が湧き起こ
 っていく。

 エンディングに関してもうなにも言う事が無い。見ていない人は必ず見なければ
 ならない名作の登場である。

 しかし残念な事に、配給未定であり、実際配給されたとしてもいままでの例から
 考えると1年、2年先になるだろう。

 その時また私も観にいくに違いない。

                                立野 浩超

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┃5┃短編映画集
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 「何も言わずに」★(1)
 監督があのバンサン・ペレーズ。映画の質がどうのこうのというよりも、スタッ
 フはとりあえずプロ揃い。有名人が金を集めて(だして?)つくったお遊びとし
 か見えない。ストーリは10分の短編に適してはいるが、全く冴えない。ラスト
 シーンが大きな落ちとなっていて、その部分の言いたい事はわかるが、その落ち
 が分かってしまう。つまり、落ちていないのである。

 それまでのシーンには昨今のありきたりのフランス青春映画の様な表現シーンが
 続くだけで興ざめする。感情を入れすぎな演技は感情を壊してしまうのが監督に
 はわかっていないかの様に。恐らく、演技をしている時と、他人の演技を冷静に
 判断する監督という立場で眺めている時の違いを把握していないのだろう。

 これは俳優が監督をした場合良く見られる現象だ。他人の演技を冷静に見る目を
 養わなければいい作品を撮る事はできないだろう。よく言われるが写真を撮る時
 には、ファインダーでいいと感じても、もう一歩前に出てシャッターを押す方が
 いい。これと同様で、完成した映画を映写すると、そのシーンの雰囲気がずいぶ
 ん違ってくるのだから、それを想像できないうちはいい作品なんか撮れない。

 ペレーズは監督なんかやらずに役者人生を終えれば良いのではないだろうか。彼
 の事を好きだからこそ厳しく言いたい。

 「カミーユ」★★★(3)
 シングルライトで撮影し、カメラもハンドカメラを使用しドキュメンタリータッ
 チを目指している。狭い室内で撮影していると思われるが、映像には奥行きと迫
 力がある。シングルライトであるために深い影ができていた為か?いかに撮影が
 ライティングに左右されるかがよく分かる作品で、この監督(ファブリス・ゴベ
 ール)のセンスの良さを感じる。脚本も手がけているので、彼の今後の作品は楽
 しみだ。

 特にカメラが捕らえる子供の視線がすばらしい。子役はかなり幼い子供で、十分
 意識して演技ができる歳ではないだろうから、監督の苦労がうかがえる。

 10分を切る短編では物足りない一品で、長編に組み立てる事も出来るようなス
 トーリー。8分30秒の中によくこれだけ凝縮した物だと思う見事な作品。

 3星の理由は、総合的な評価ではまだまだぎくしゃくする部分がある為。しかし
 このまま行くと、次回作はすばらしい人間ドラマになるのではないだろうか。

 「蝿戦争」★★★★(4)
 短編として上手くまとめた一品。細部にこだわり、きちんと撮影しているので評
 価が必然的に高くなる。

 台所まわりの小物の汚さ、乱雑さがリアル。3分40秒で終わるが、この終わり
 方も短編アニメ的なにやっとしてしまうきれいな落ちがある。

 「ママの贈り物」★(1)
 映画を普通に撮るという事は非常に難しく、多くの監督が様々な場所に異常なほ
 どに凝り固まってしまった為台無しになった作品は多くあるが、これも普通にと
 ることの面白くない一面ばかりがでてしまった。

 普通であるという事は確かに難しいが、脚本、撮影、演技、監督のセンスなどす
 べてが普通であれば、その時映画はいかに面白くないかを如実に表現してしまっ
 た。

 特に短編にはある種の期待を持ってみる事が多く、その期待を全く満たされない
 場合は評価が著しく悪くなってしまう。最後のほくろのシーンでアニメとの合成
 (もしかしてCGかもしれないが)を行っているが、雑であるが為に画面が見づ
 らくなってしまう。最後に抱く印象が一番深く残る為、厳しい1つ星。

 「マーズ」★★★(3)
 映画というよりミュージッククリップ。ストーリーより、色合いを楽しむ映画。
 映画という言葉は当てはめたくない。デジタルな世界が堪能できるし、ドルビー
 のいい音が響く一品。映画祭ではなく、現代美術館のビデオアートに入れたい作
 品。

 「最後の手段」★★★(3)
 脚本は上手い。撮影はごく普通だが、これが普通よい一面であろう。脚本という
 優れた所がひとつある為、あとは普通にとる事で作品の質が上がっていくという
 事を見せてくれた作品。

 エレベーターの中の撮影にはもう少し緊張感もほしい。エレベーターの外の映像
 がまとまっているだけに、中の撮影に工夫がほしかった。

 エレベーターといえば、「死刑台のエレベーター」を思い出しますね。

 「最後の発明」★★★★(4)
 監督(ロロ・ザザール)は東ヨーロッパやロシアのアニメーションにかなり影響
 されているのではないだろうか?実写アニメーションだが、まるで良く出来たク
 レイアニメと見間違わんばかりのアニメ的な部屋の色合い。

 また監督が一人出演もしているが、顔つきと役柄が大変マッチしている。まさし
 くこの作品のための顔つきをした役者。最初から自分が演じるつもりで脚本を書
 いたのだろう。

 脚本にはもう一人、フランク・メーニュの名前も入っているが、各部の詳細な台
 所用品の動きに関するアイデアをだしているのではないだろうか。本当に渋い一
 品。

 「ブラインド」★★★(3)
 色合いが実にきれいですね。日本人監督にしては撮影上の色合いがいい。自分で
 制作費を負担し、足りない部分(ほとんど?)の金策に走ったとの事でしたから、
 その辺のこだわりは十分撮影のピーター・ログレコに伝えたのではないだろうか。
 もし監督のこだわりではなく、カメラマンのこだわりであったなら、次回作には
 たいした期待ができなくなる。カメラマンの次回作には期待するだろうが。

 日本映画の場合、どの映画もウルトラマンや、昼のメロドラマと同じ色合いで、
 それが日本映画を面白くなくさせている要因だ。タケシでさえ、映像の色合いが
 いかにも日本的で、どの場面も明るすぎる。メリハリを感じない。

 この作品では、32mmで撮った場面は多少明るすぎると思うが、それでも細部
 の色合いは奇麗にでているし、ストーリーがこれらの奇麗な色合いを欲するよう
 に感傷的だ。

 アメリカ留学中の監督がまわりのスタッフをアメリカでかき集めた結果生まれた
 だけなのかも知れないが。とにかく監督(小西未来)のために言う。お願いだか
 ら日本にもどって、松竹でとるな。

 という事で、映画を見ていると本当にこれだけの上映時間が必要なのかとよく疑
 問におもいます。「ホームドラマ」という映画を渋谷で見た方もいらっしゃると
 思いますが、これは1時間程度でよかったのではないでしょうか?

 「Uボート・ディレクターカット」は本当にノーマル版よりおもしろくなったの
 でしょうか?「シェイクスピアの恋」はこの時間でも物足りないくらい内容の濃
 い作品だったとも思います。(ただし、シェークスピアを読んだ事のある人向き
 だが。)

 映画は興行的な理由からか、たいていは約2時間に編集してしまいますが、それ
 がいかに映画作りを難しくしているかを最近感じます。もっと監督の自由に時間
 を設定できれば、よりテンポのいい作品が生まれると思う。

 映画の時間に関する皆さんの意見をお待ちします。

 最後に、批判されてしまった監督よ、あの「タイタニック」ですらめちゃくちゃ
 にけなす人がいる事をお忘れなく。(私はその一人です。)

                                立野 浩超

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┃6┃空想家、ギョーム・ドパルデュー
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 「見方によれば、僕はいつも心の中で自分との闘いをやり過ぎていたかもしれな
 い。自分が夢見ていた世界とは、あまりのもかけ離れたところに僕は居たんだ。
 子供の頃のように、今も夢見ている。でも、今分かったんだ。失敗を認め、謙虚
 になるべきだと。

 人に指図され、操られる立場だとしても、僕は国家にも、軍隊にも従う気なんて
 ないのさ。線を引くようなやり方には、吐き気がするよ。僕のことを空想家だと
 思うかもしれないけど、それでいいんだ。僕は、空想家なのさ。」

 レオス・カラックスの新作映画「Pola X」の主人公ギョーム・ドパルデューは、
 ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche)でこんな風に
 語っている。

 レオス・カラックス(フランスの映画監督)
 代表作:ボーイ ミーツ ガール、汚れた血、ポンヌフの恋人
 「Pola X」は、彼の8年ぶりの新作、カンヌ映画祭に出品されている。

 ギョーム・ドパルデュー: 1971 年生まれ、フランスの映画俳優、父親は俳優の
 ジェラール・ドパルデュー

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┃7┃スターの出演料
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 1,000 万フラン(日本円で約2億円)、これは、ジェラール・ドパルデュー、
 クリスチャン・クラヴィエ、ジャン・レノらの、一回あたりの出演料なのである。
 またこの金額は、フランスの映画界の最も高額な出演料のリストのトップに、こ
 の3人を位置付けることとなった。これは、雑誌「ペルソ(Perso)」が行った調
 査によるものである。
 
 ジュリエット・ビノッシュのオスカー賞の受賞は、かなりの先輩であるダニエル
 ・オートゥイユの 600 万フランに対し、彼女がスクリーンに現れる度に、なんと
  800 万フラン手にすることを可能にした。
 
 その下となると、大御所のカトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ランヴァン、ク
 リストフ・ランベールがいる。映画に出演して得る金額 400 万フランは、このベ
 テラン俳優たちに巨大な映画ファミリーの貧乏な親のような印象を与えている。
 
 その他の映画俳優では、キアラ・マストロヤンニやヴァンサン・エルバズが、3
 0万フランしか手にすることが出来ないのに対し、ドミニク・ブラン、ヴァンサ
 ン・カッセルは、50万フランも受け取っている。
 
 終わりに方には、ポルノ俳優が姿を現している。イタリア出身の男性ポルノ俳優
 ロッコ・シフルディの場合、出演料は3万フランを上回ることはない。わかり切
 ったことだが、イタリアの女好きは、お金のためではなく、楽しみのために働い
 ているのだ。

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ScreenKiss Vol.029

1999年 6月 10日 配信
ScreenKiss Vol.029

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Vol.029

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■ 第11回フランス映画祭横浜:スタッフ・キャスト紹介

<監督編>
 ここでは、実際に映画祭でお目にかかった事のある監督に限定してみました。

●ブリュノ・デュモン:『ヒューマニティ』
 哲学教師、広告業界、ジャーナリスト等を経て10年程前から40本以上の企業向け
 作品を制作。フランス映画祭でも上映された長編第1作『ジーザスの日々』(97年
 )はカンヌ映画祭でカメラドールを受賞。独特のカメラワークでルティーンな日
 常と、そこで起こる事件を演出していた。この作品では、今回の作品と同様に素
 人の俳優を起用。来日していた主役の女優さんは、映画に出るのも、飛行機に乗
 るのも、当然に本に来るのも初めて、と言ったのが印象的だった。

 今回の作品は今年のカンヌにおいてグランプリと主演男優、女優賞を同時受賞し
 ている。この作品はカンヌで観客の途中退席が最も目立った映画だったという。

 97年は、今回と同じ製作のジャン・ブレアも来日。2人とも落ち着いた印象だっ
 た。青い目に静かな表情をたたえた、なかなかハンサムな人だった。

●クロード・ジティ:『アステリクスとオベリスク』
 カメラマンとして映画界入り。フィリップ・ノワレ、ティエリー・レルミットが
 ベテランと田舎出の新米警官を演じた『フレンチコップス』ではセザール賞監督
 賞受賞。『アルレッティ』で来日の折は、何だかとても腰の低い、目立たないお
 じさまのイメージだった。

 それでも、カメラを向けると、今書いたばかりの自筆のサインを手にポーズして
 くれるサービス精神のある静かな人柄に好感が持てた。

●パトリック・ティムシット:『カジモド』
 スタンダップ・コメディアンとして人気を博す。舞台で5編の人間喜劇的ワンマ
 ンショーを成功させた事も。『女と男の危機』で少しおつむが弱いが、気のいい
 アラブ系の男性を、『ペダルドゥース』では、華やかなドラッグクイーン、『女
 優マルキーズ』のグロ・ルネ、『見憶えのある他人』で、完全犯罪を目論む犯人、
 『僕はパリに恋をする』や『パパラッチ』の平凡なサラリーマン等、芸域は広い。
 今作品で監督デビュー。

 映画祭では原題『都会のインディオ』で上映された『僕はパリに恋をする』で来
 日。

 舞台挨拶でも、サイン会でもとにかくエネルギッシュな人で、変てこな日本語を
 連発しては周囲を笑わせていた。

 ちなみに、筆者は『女と男の危機』で一目惚れ。この映画の為に数回映画館に通
 った旨を話すと、異常に喜んでくれた彼、「キスさせてください」ってノリノリ
 でやって来てくれました。まんまるい顔に、まんまるい目をくりくりさせて、ニ
 コニコと。人なつこい、とっても愛嬌のある可愛い人でした。ころんとした体型
 と小柄を売り物にした役が多いが、実際はそれほど小柄でもない。

 『パリの天使たち』にもちょろって出ているので、探してみて。

●ヴァレリー・ルメルシェ:『ギャルソンヌ』
 『おかしなおかしな冒険者』のヒロインで人気者に。コメディを中心に活躍。映
 画祭には初監督作サッシャ・ギトリの『カドリーユ』で来日。女性らしい可愛ら
 しい演出と色彩で、主演も兼ねていた。

 3枚目の役どころが多いが、素顔は色白ですごく美人。すらりとしたプロポーシ
 ョンで、ドレスもパンツも着こなしていた。

 静かな口調で、会場内では気さくにサインに応じるなど、好感度抜群の人だった。

                                鳥野 韻子

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ScreenKiss Vol.028

1999年 6月 8日 配信
ScreenKiss Vol.028

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Vol.028

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■ 横浜フランス映画祭特集

  ――監督に注目!

 その3.クロード・ミレール/クロード・ジディ

 第7回横浜フランス映画祭にむけてご紹介するフランス映画監督シリーズの最終
 回です。名前は同じクロードでも、かたやトリュフォーの弟子、かたやコメディ
 映画監督の代表格。

 そう、フランス映画と一口に言っても、実は監督のタイプもさまざまなら、映画
 のタイプもさまざまなんですね。

 ◇クロード・ミレール/Claude Miller
  上映作品 「冬の少年」

  1942年パリ出身。日本に紹介されたときは「小さな泥棒」を引っさげていたた
  め「トリュフォーの弟子」という点がやたらクローズアップされたが、ロベー
  ル・ブレッソンやゴダールの助監督もつとめた地金入りの映画人で、いい意味
  で職人気質を感じさせる監督だ。弱者や地味な存在に眼差しを向けるのが特徴。
  今回の出品映画も子供の世界を取り上げている辺り、彼らしいのでは?

  おすすめ作品
  1.死への逃避行(83)
    イザベル・アジャーニ/ミシェル・セロー/サミー・フレイ/
    ビデオ=廃版
    実はおすすめってわけではない。アジャーニが殺人を繰り返す話なので見
    ていてしんどいし。が、どちらかといえばさっぱりタイプのミレールでも
    こんな作品つくるのかと、監督の意外な一面は覗ける。それにアジャーニ
    がはまり役。

    トリュフォーの「アデルの恋の物語」といい、「殺意の夏」といい、彼女
    ってほんとに悲劇向きな女優なんですねえ。

  2.なまいきシャルロット(85)
    シャルロット・ゲンズブール/ベルナデット・ラフォン/ジャン・クロー
    ド・ブリアリ/ビデオ=カルチュア・パブリッシャ-ズ
    圧倒的に男性監督が多いせいか、思春期入口の少年の話は沢山あっても少
    女の話は少ないし、あれば性の目覚めのほうにテ-マが向き勝ち。その点、
    コロンブスの卵的存在なのがこの映画だ(ジャンヌ・モローも作ってはい
    ますがね)。

    ゲンズブールのシロウトっぽいけど下手でない演技には、ジェーン・バー
    キンとセルジュ・ゲンズブールの子、という七光りを払拭させるものがあ
    る。

  3.小さな泥棒(88)
    シャルロット・ゲンズブール/ラウール・ビルレー/ビデオ=廃版
    師匠トリュフォーの遺した企画を弟子のミレールが監督して話題になった
    作品。たしかにテーマはトリュフォーなんだけど、あのまったり絡みつく
    ような映像ではない。トリュフォーのファンには中途半端に感じられる映
    画かも。

  4.伴奏者(92)
    ロマーヌ・ボーランジェ/リシャール・ボーランジェ/
    ビデオ=フロムスクラッチ
    オペラ歌手のピアノ伴奏者という、自らは脚光を浴びることのない女性を
    取り上げ、彼女の心の動きを細やかに描く。ボーランジェも彼女としては
    珍しい「耐える女」役で健闘してます。

 ◇クロード・ジディ/Claude Zidi
  上映作品 「アステリクスとオベリクス」

  1934年、パリ出身。今ではフランス・コメディ映画の代表格といっていいだろ
  う。カメラマン、撮影技師を経て、監督に手を染めたのが1970年代前半。以来
  若干の例外を除きコミカル路線まっしぐらである。日本では「ザ・カンニング」
  シリーズで当たりを取った。笑いはアメリカ的で、ばかばかしいけど分かりや
  すい。シュワルツェネッガー主演「トゥルー・ライズ」の原作も彼とか。

  おすすめ作品
  1.ザ・カンニング IQ=0(80)
    ダニエル・オートゥイユ/マリア・パコム/
    ビデオ=カルツア・パブリッシャーズ
    大学入試テストのバカロレアに合格するべく、あれこれカンニング作戦を
    展開するリセの学生の苦心惨澹?物語。そんなことやってるヒマに勉強し
    ちゃった方が早いんじゃないのと思わせるくらい大胆かつユニークなカン
    ニング方法を次々「発明」してくれる。今では風格が備わりつつあるダニ
    エル・オートゥイユが若くて笑えます。続編「ザ・カンニング2アルバイ
    ト情報」もあり。

  2.フレンチ・コップス(84)
    フィリップ・ノワレ/ティエリー・レールミット/ビデオ=廃版
    肩書をかさに甘い汁吸い放題の「悪徳警官」ノワレと、田舎から来た若い
    警官レールミットがおりなすドタバタ。二人の掛け合いときたら、頭はハ
    タき合うわでほとんどど突き漫才のごとし。しかしフランスの警察機構の
    実態を暴く、といったら大げさだが、案外、鋭く社会を切り取っている。

  3.ふたり(89)
    ジェラール・ドパルデュー/マルーシカ・デートメルス/
    ビデオ=日本コロンビア
    ウーッ。これがジディの作品とは知らなかった。なぜなら、シリアス系の
    恋愛ドラマだから。愛し合っているが結婚には踏み切れない二人。しかし
    女性の側には惨事が待ち受けていて……。ストーリーはややご都合主義的。
    ドパルデューの恋愛物に興味のあるヒトはどうぞ。

  4.アルレット ラスベガス恋物語(97)
    ジョジアーヌ・バラスコ/クリストファー・ランバート/ビデオ=JVD
    余命いくばくもないラスベガスの大金持が1度も会ったことのない娘に全
    財産を譲るという。側近たちは遺産欲しさにジゴロのランバートを使って
    娘バラスコと結婚させ、彼女を殺そうと目論見る――。

    美男と醜女(そこまでヒドくないですが)のありがちなラブ・コメディ。
    が、バラスコ勤めるトラック野郎相手のレストランの日々は、日本で紹介
    されないフランスを垣間見せてくれる。

   まだまだ紹介したい監督はいますが、今回はひとまずこの辺で。
   横浜フランス映画祭の報告記事もお楽しみに。

                              続く(quittan)

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■ 第11回フランス映画祭横浜:スタッフ・キャスト紹介

<男優編>

●ピエール・ラジョ:『ヌーヴェル・イヴ』
 『SOUVENIRS SOUVENIRS』でセザール賞最優秀新人賞受賞。その後クロード・ソー
 テ『ギャルソン』等。舞台でも活躍。

●エマニュエル・ショッテ:『 ヒューマニティ』
 今年のカンヌ映画祭でグランプリ受賞のこの作品では、男優賞と女優賞も同時受
 賞。例年だと賞が重ならないような配慮がなされてきたカンヌでは異例のこと。

 女優賞のセブリーヌ・カネールも、冷凍野菜工場に勤務していたところをスカウ
 トされたというし、ショッテも映画出演までは失業中で、クランクアップと共に
 また失業という。ちなみに監督のブリュノ・デュモンは前作でもアマチュアを起
 用している。

●ジェラール・ドパルデュー:『アステリクとオベリクス』
 フランスを代表する俳優。もともと、少年院の問題児だったが、その才能を発見
 した教師に俳優を勧められたという。舞台で活躍していたが、映画は『バルスー
 ズ』以来注目を集め、カンヌ映画祭では『シラノ・ド・ベルジュラック』で主演
 男優賞。舞台版は来日公演も行った。

 『グリーン・カード』『仮面の男』等、最近はアメリカ映画にも進出している。
 なお、87年のカンヌでグランプリを受賞しながら賛否両論の嵐に見舞われた、
 モーリス・ピアラ『悪魔の陽の下に』でも主演の神父を演じている。

 『1942コロンブス』『愛の報酬/シャベール大佐の帰還』等のタイトルロー
 ル、『カミーユ・クローデル』のロダンなどコスチュームプレーや『隣の女』『
 終電車』といった恋愛物等、様々な役柄に挑戦してきている。

 アニエス・ヴァルダ『百一夜』で『ダントン』を演じた際のギロチンの撮影につ
 いてのコメントを述べているのも面白い。

 今回の作品は原作がコミックという事だが、マリー・ジランと共演した『さよな
 らモン・ペール』などのコミカルで可愛い中年、という役柄も得意とするところ
 だ。

 毎回来日を期待されては、このところ実現していない。東京国際映画祭のファン
 タスティック映画祭部門で上映された『俺たちは天使だ』の時は、来日がかなり
 確実っぽかったが、自家用機が墜落。どうも日本と相性が悪いんだろうか?

 息子のギヨームは『めぐり逢う朝』『めぐり逢ったが運のつき』『嘘つきな彼女
 』等に出演。レオス・カラックス『ポーラX』が最新か?

●クリスチャン・クラヴィエ:『アステリクとオベリクス』
 リセのクラスメートだった、ミッシェル・ブラン、ジェラール・ジョニョー、テ
 ィエリー・レルミットと劇団スプランディドを旗揚げ。作家、演出家、俳優とし
 て活躍。フランスで大ヒットし、セザール賞候補にもなった『おかしなおかしな
 訪問者』等、ジャン=マリー・ポワレ監督とのコンビ多数。

 パトリス・ルコントの初期の作品『レ・ブロンゼ』のシリーズではジェローム医
 師役で出演。Tバックの水着が気味悪かった。『おかしなおかしな訪問者』ではジ
 ャン・レノの家来の役だったが、あまりにうるさく、しつこい演技には疲れると
 ころがある。

●ロベルト・ベニーニ:『アステリクとオベリクス』
 アカデミー賞はじめ数々の賞に輝いた『ライフ・イズ・ビューティフル』がヒッ
 ト中の話題の人。トスカーナ地方に生まれ、最初はスタンダップ・コメディアン
 として活躍。

 ベルナルド・ベルトリッチ、コスタ・ガブラス作品等に出演後、ジム・ジャーム
 ッシュ『ダウン・バイ・ロー』で国際的に有名になる。同監督の『ナイト・オン
 ・ザ・プラネット』ではイタリアのタクシー運転手、『ジョニーの事情』でもマ
 フィアとそのそっくりさんの運転手、フェリーニの遺作『ヴォイス・オブ・ムー
 ン』では詩人、と様々な役柄をこなす。

 イタリアのウディ・アレン、90年代のチャップリンと称され、名実ともに“イ
 タリアの宝”と呼ばれる地位を築いている。

 独特の喋りと軽い身のこなしが得意業。

●レジス・ロワイエ:『葡萄色の人生 ロートレック』
 『読書する女』に出演中をロジェ・プランション監督に見い出され本作の主演に
 抜擢された。

●サミュエル・ル・ビアン:『新しい肌』
 コメディ・フランセーズに在籍し『SALE COMME UN ANGEL』を機に映画界入り。『
 トリコロール/赤の愛』『フランスの女』等に出演。

 映画祭で上映された『コナン大尉』でセザール賞新人賞にノミネート。『たれ込
 み屋』等に出演後、今回上映作品『ヴィーナス・ビューティ』でジャン・ギャバ
 ン賞受賞。

●ファブリス・ルキーニ:『ロベールとは無関係』
 18才で出演した映画で演技が認められ、『クレールの膝』以来エリック・ロメ
 ール作品の常連に。『恋愛小説が出来るまで』でジャン・ギャバン賞受賞。

 『愛の報酬/シャベール大佐の帰還』『可愛いだけじゃダメかしら』『ボーマル
 シェ/フィガロの結婚』『愛と復讐の騎士』等出演作多数。

 その飄々とした演技もさることながら『ボーマルシェ/フィガロの結婚』での来
 日でのサービス精神も素晴らしかった。素顔は穏やかな素敵なおじさまでした。

●ジャン・ヤンヌ:『父の跡をたどって』
 ジャーナリスト、ミュージックホールの台本書き、ラジオ番組のプロデューサー
 を経て映画界入り。『インドシナ』でセザール賞助演男優賞にノミネート。

 『ボーマルシェ/フィガロの結婚』、映画祭で上映された『ならず者の子どもた
 ち』等出演作多数。

●ギヨーム・カネ:『父の跡をたどって』
 11才の時からサーカス学校の講師に招かれ、4本の舞台、TV映画に出演。短編
 映画『SANS REGET』では監督も。パトリス・シェロー『愛する者よ、列車に乗れ
 』、最新作はレオナルドディカプリオと共演した『ザ・ビーチ』等に出演。

 映画祭で上映された『バラクーダ』ではジャン・ロシュフォールを相手に、彼に
 監禁され、悪夢の様な体験をする青年を演じていた。来日が楽しみな一人。

●フィリップ・トレトン:『今日からスタート』
 コメデイ・フランセーズに在籍しながら『ランジェ・ノワール』『ひとりぼっち
 の狩人たち』等に出演。タヴェルニエ『コナン大尉』ではセザール賞最優秀男優
 賞受賞。フランスではジャン・ギャバンに人気を比べられる程とか。

●ヴァンサン・ランドン:『ベル・ママン』
 『ベティ・ブルー/愛と激情日々』の人の好いおまわりさん、『セ・ラ・ヴィ』
 での主人公の不倫相手、『ガスパール』の心に傷を負った男性等役柄も様々。『
 女と男の危機』や映画祭でも上映した『フレッド』『パパラッチ』等ではちょっ
 とくたびれた中年も。昨年上映した『肉体の学校』ではゲイの役で、いつも男っ
 ぽい役が多いだけに、なかなか美しかったのは以外?

 第一回の映画祭(『女と男の危機』)と昨年(『肉体の学校』『パパラッチ』)
 と二回の来日をしている彼、日本語を喋れるふりをするようなお茶目なところも
 あるらしいが、実際は英語、イタリア語もOK。監督業にも意欲的で、脚本にも着
 手している模様。内容は政治家になりたがってる男の話とか。

 演技派の彼だが、どうも大勢の前では緊張するのか、舞台挨拶でチック症気味に
 なってしまうのが気の毒だった。なかなか眼光鋭い、意外にマッチョな感じの人
 でした。

●リシャール・ベリ:『カジモド』
 コメディ・フランセーズでの舞台経験を積み、アヌーク・エメを相手に主演デビ
 ュー。その後映画界でも活躍、『愛しきは女/ラ・バランス』のヒットで脚光を
 浴びる。クリスティーヌ・パスカル『小さな王子様が言った』でセザール賞主演
 男優賞にノミネート。パスカルとは『不倫の公式』でもコンビを組む。今回の作
 品でコンビのパトリック・ティムシットとは『ペダル・デゥース』でも顔合わせ
 している。

 エイズ撲滅のメッセージを30人3分間で描いたオムニバス映画では、初の監督
 に挑戦した。

 刑事、アクション、シリアスドラマまでこなす彼だが、もうひとつの才能は音楽。
 ジャック・ドゥミのミュージカル『都会のひと部屋』では、歌とダンスを披露。
 歌ではCDも発売されているとか。幼少時の音楽学習の経験から引き受けた『無伴
 奏「シャコンヌ」』では、クレーメルのビデオで猛練習を重ね、ヴァイオリニス
 ト、アルマンを演じた。

 『不倫の公式』で来日した時の彼は、黒い地味な服に身を包み、ぼそぼそと話す
 低音の声はなかなかセクシーだった。飾らない、職人的なアーチストという印象
 だった。彼にアテンドした、ある配給会社の方によれば、ダンディながら、実は
 とても茶目っ気たっぷりの人で、”oiu”という発音がとても魅力的だったそうだ。
 (声の魅力に弱い筆者は、以来根強い彼のファン。彼のCDをみつけた方御一報く
 ださい)

●オリヴィエ・ピ:『幸せな日々』
 ローダン・ベネギ『パリのレストラン』で主人公の友人の一人を演じ、またセド
 リック・クラピッシュ『猫が行方不明』ではギャランスと同棲するホモの青年を
 演じていた。舞台演出家、俳優、自作の戯曲も上演するたくさんの顔を持つ人。

                                鳥野 韻子

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ScreenKiss Vol.027

1999年 6月 6日 配信
ScreenKiss Vol.027

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Vol.027

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■ 横浜フランス映画祭特集

  ――監督に注目!

 その2.ジャック・ドワイヨン/ベルトラン・タヴェルニエ

 第7回横浜フランス映画祭にむけてご紹介するフランス映画監督シリーズその2
 はドワイヨンとタヴェルニエです。タイプは違うがどちらもフランス映画らしい
 作品を撮る監督ですね。

 ◇ジャック・ドワイヨン/Jacques Doillon
  上映作品 「少年たち」

  1944年パリ出身。ドラマ的であるよりは、日常のシーンを切り取ったかのドキ
  ュメントっぽいシチュエーションの中で人間の悲劇性や心理、哲学的テーマを
  浮き彫りにしていくのが特色。初期の作品は観念的でけっこう独りよがり的だ
  が、最近は俄然円熟してきた。余談ながら、現在の私生活でのパートナーはジ
  ェーン・バーキン。

  おすすめ作品
  1.ラ・ピラート(84)
    ジェーン・バーキン/マリューシカ・デートメルス/フィリップ・レオタ
    ール/ビデオ=無
    筆者は未見。しかしドワイヨンといえば必ず挙げられる作品で、ぜひ見た
    い。アルマという女性を軸とした、男女入り組んでの複雑な人間関係とか。
    まさにフランス映画的

  2.家族生活(85)
    サミー・フレイ/ジュリエット・ビノシュ/マロ・ゴイエ/ビデオ=廃版
    父親と10代の娘の一風変った自動車旅行。互いに嫌ったりすねたりしつつ
    も結局互いの愛を求めあう。家族って何だろうという問いへの一つの答え
    か。このときのビノシュからはよもや国際女優になるとは予想もつかなか
    った

  3.女の復讐(89)
    イザベル・ユペール/ベアトリス・ダル/ビデオ=廃版
    交通事故死した男の妻と愛人の女の戦い。妻が圧倒的に陰湿で強く、愛人
    を追いつめていく。「女は怖い」を実感させられる映画。底意地の悪さ、
    女の残忍さを演じたら天下一品のユペールがハマリ役だ。原作はドストエ
    フスキーの『永遠の夫』

  4.15歳、無秩序な妖精(89)
    ジュディット・ゴドレーシュ/ジャック・ドワイヨン/メルヴィン・プポ
    ー/ビデオ=廃版
    15歳の少女、ボーイフレンド、その父親の危うい関係。父親役ドワイヨン
    がボブ・ディランをしょぼくれさせたオッサン風で、少女への言い寄り方
    もヘンタイなオッサンしてる

  5.ピストルと少年(90)
    リシャール・アンコニナ/ジェラルド・トマサン/クロチルド・クロー/
    ビデオ=廃版
    愛情に飢えた少年が生き別れの姉に会うため暴挙に出る。酔いどれの母親
    の無責任を責めたくなるぐらい、彼の純情さ、胸の痛みが伝わってくる作
    品

  6.ポネット(96)
    ヴィクトワール・ティヴィソル/デルフィーヌ・シルツ/マリー・トラン
    ティニャンャン/ビデオ=日活
    母親が交通事故死したのだが、幼いポネットには死というものが分からな
    い。で、彼女は素朴に、しかし非常に真剣に考える、死とは何かと。ポネ
    ットが本当に可愛いし、演技とは思えないほど真に迫っている。ドワイヨ
    ンの監督としての力量もスゴイ

 ◇ベルトラン・タヴェルニエ/Bertrand tavernier
  上映作品 「今日からスタート」

  1941年、リヨン出身。ワーナー・ブラザースで広報を担当していたという経歴
  をもつ。63年に「キス!キス!キッス!」を撮っているが、正式デビューと言
  えるのはやはり84年の「田舎の日曜日」だろう。寡作(全7作)で佳作、比較的
  地味ながら、1作ごとに目新しさを盛り込むことも忘れない。その辺に広報のキ
  ャリアが生きてるってことか。

  おすすめ作品
  1.田舎の日曜日(84)
    ルイ・デュクリュー/サビーヌ・アゼマ/ビデオ=廃版
    老いた画家と、その田舎家に集まって来る子供や孫のある日曜日の風景。
    昼間は楽しくても夕方には引き潮のように賑やかさが家から去り、後には
    老人の孤独が残る。印象派の絵を彷彿させる映像が美しい

  2.ラウンド・ミッドナイト(86)
    デクスター・ゴードン/フランソワ・クリューゼ/フィリップ・ノワレ/
    ビデオ=WHV
    天才サックス奏者デイルと、彼に魅せられ彼のために生きようとする男フ
    ランソワの物語。ジャズの世界のけだるさをさらりと描いており、音楽も
    映像も心地いい。フランソワ役のクリューゼがダスティン・ホフマンに似
    てて、健気さが哀れを誘う

  3.愛を求めて 素顔の貴婦人(89)
    フィリップ・ノワレ/サビーヌ・アゼマ/ビデオ=廃版
    時は第一次大戦後。行方不明の夫を探しに来た貴婦人にノワレ扮する少佐
    が心惹かれるが、思いをうまく伝えられず。実は彼女も彼に惹かれていて、
    さらに夫には秘密があってと、ひねりを利かせた大人の恋愛物。ノワレは
    武骨な軍人よりトロいやもめって感じでイマイチ冴えない

  4.ダディ・ノスタルジー(90)
    ダーク・ボガード/ジェーン・バーキン/ビデオ=廃版
    南仏を舞台に、娘と余命いくばくもない父親とが恋人のように仲むつまじ
    く過ごす楽しい日々。これ見てつくづく思ったが、タヴェルニエって絵に
    なる風景を選ぶセンスがバツグンにいい。サントラのジャズもなかなかで
    すよ
                              続く(quittan)

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                                    □

■ 第11回フランス映画祭横浜:スタッフ・キャスト紹介

<女優編>

●カリン・ヴィアール:『ヌーヴェル・イヴ』
 1966年生。『ダニエルばあちゃん』でデビュー。『デリカテッセン』等の端役を
 経て出演作は20本を超える。『不倫の公式』で来日した時は、割と小柄で可愛い
 感じながら、ハイウエストの服のせいか、ちょっぴりマグロちっくなスタイルに
 見えた。

 この時は監督のクリスティーヌ・パスカルも一緒で仲良し姉妹のようだったのが
 印象的だった。(彼女はその後自殺してしまったのが信じられない)

 やはり映画祭で上映したニコール・ガルシア監督の『お気に入りの息子』にも出
 演していた。また、昨年文化村で開催していた食の映画を集めた作品中『ファー
 ストフード』にも黄色い髪の女の子の役で出ているのを発見した。

●カトリーヌ・フロ:『ヌーヴェル・イヴ』
 アラン・レネ監督『アメリカの伯父さん』で映画デビュー。最近では映画祭でも
 上映された『家族の気分』『変人達の晩餐会』、短篇の『サンマルタン運河』等
 でその姿が見られる。丸顔に大きな目の可愛い女優さんだ。

●レテシア・カスタ:『アステリスクとオベリスク』
 1978年生。15才でスカウトされ、ゲス、ゴルチエ、シャネル、サンローラン等の
 モデルとして成功。この作品が女優デビューとなる。

●エルザ・ジルベルシュタイン:葡萄酒色の人生『ロートレック』
 モーリス・ピアラ監督の『VAN GOGH』でセザール賞有望若手女優賞受賞。

 『ミナ』『カストラート』『恋人たちのポートレート』等に出演。映画祭では『
 正装のご用意を』『ねじれた愛』が上映。後者で来日した。素顔は小柄で笑顔の
 可愛い静かな人だった。舞台挨拶では一生懸命に日本語で挨拶しようとする姿も
 印象的。

●アネモーヌ:葡萄酒色の人生『ロートレック』
 フィリップ・ガレルの映画のタイトルがそのまま芸名になった。

 『恋の邪魔者』『夢見るシングルス』等パトリス・ルコントのコメディに出演。
 『フランスの思い出』でセザール賞主演女優賞受賞。最近は『女優マルキーズ』
 等。映画祭では『ならず者の子どもたち』が印象に新しい。97年より監督業にも
 乗り出しているとか。

●サンドリーヌ・キベルラン:『ロベールとは無関係』
 『おせっかいな天使』等の端役から映画祭でも上映された、『アパートメント』
 『カドリーユ』『ボーマルシェ フィガロの結婚』や『哀しみのスパイ』等に出
 演。清楚な感じの美人。

●アレッサンドラ・マルティネス:『幸運と必然』
 元バレリーナ。ルルーシュ監督の香水のCM出演をきっかけに、現在は監督夫人。
 『レ・ミゼラブル』等に出演。最近は『男と女嘘つきな関係』での女医役が記憶
 に新しい。

●ロランス・コート;『父の跡をたどって』
 『彼女たちの舞台』で主役に。他に『ヌーヴェル・ヴァーグ』『二十歳の死』等。
 『夜の子供たち』ではセザール賞有望若手女優賞、『アンコール』ではジャン・
 ヴィゴ賞を受賞している。

●シルヴィ・テスチュ;『カーニバル』
 第10回東京国際映画祭でグランプリを受賞した、ドイツ映画『ビヨンド・サイ
 レンス』では、最優秀ドイツ女優賞獲得。同作品はアカデミー賞にもノミネート
 された。爽やかな演技が印象的だった。

●イザベル・ルノー:『これが人生?』
 舞台で活躍の後『恋する女』『ルイ、少年王』等の映画に出演。最近ではカンヌ
 映画祭でグランプリ受賞のアンゲロプロス監督作品『永遠と一日』。カトリーヌ
 ・ブレイヤ『堕ちてゆく女』での年上の女性も恐ろしかった。今年のカンヌ映画
 祭オープニングを飾ったミハルコフ監督作品にも出演している。

●カトリーヌ・ドヌーブ:『ベル・ママン』
 いわずと知れたフランスの代表的女優。初々しい『シェルブールの雨傘』、『昼
 顔』等から最近は『インドシナ』『夜の子供たち』など。来日の折には毎回“女
 王様”ぶりが取り沙汰されるが、今年のカンヌ映画祭でもレオス・カラックス監
 督作品に出演していた彼女、記者会見を欠席した。ドヌーヴの不在理由を聞かれ
 た監督が、何やら苦しい言い訳をしていたのが印象的だった。

 彼女が50才位の時に出た『恋路』という作品の中で、若い頃ミスコンで優勝し
 た時のドレスを当時の恋人に着てみせるシーンがある。これがなかなか美しいの
 で未見の方是非。『私の好きな季節』も併せてお薦め。

●リヌ・ルノー:『ベル・ママン』
 レズの老女を演じているというから、多分、昔歌手でならした人だと思う。シラ
 ク大統領の親友だとか。

●マティルド・セニエ:『ベル・ママン』
 姉は『赤い航海』『フランティック』等のエマニュエル。『オディールの夏』で
 姉と共演し、デビュー。他に出演作は『恋人たちのポートレート』『ドライ・ク
 リーニング』。今回の映画祭上映作品『ヴィーナス・ビューティ』にも出演。

●エマ・ドゥ・コーヌ:『ボーダーライン』
 父は昨年の映画祭に『ねじれた愛』で来日したアントワーヌ・ドゥ・コーヌ。映
 画出演は96年。フランスのアイドルとか。

 娘のことがわからないので、父親のアントワーヌさんについて一言。ジャーナリ
 スト出身の彼はテレビで活躍し、長寿番組の司会で人気。実際の彼はきちんとし
 た印象で、英語もOK。パンフには英語で言葉を添えてくれた。なかなかハンサム
 な人だったから、娘も美人だろう・・と勝手に想像してる。

●広田レオナ:『ボーダーライン』
 現在NHK『元禄撩乱』に出演中の彼女は、78年にモーリス・ベジャール主催のベ
 ルギー国立芸術学校、MUDRAに初の日本人として入学した実力派。MUDRA在籍中は
 世界中を主役で公演。事故で足を傷めてからバレエを断念。『だいじょうぶマイ
 フレンド』で映画デビュー。

●ナタリー・バイ:『ヴィーナス・ビューティ』
 トリュフォー『アメリカの夜』で本格的に映画デビュー。彼の作品には『恋愛日
 記』『緑色の部屋』にも出演。『勝手に逃げろ/人生』でセザール助演女優賞受
 賞。『愛しきは女/ラ・バランス』では主演女優賞受賞。

 第4回フランス映画祭で上映された『ならず者の子どもたち』にも出演していた。
 その時で50才近かったが、相変わらず美しかった。

                                鳥野 韻子

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ScreenKiss Vol.026

1999年 6月 3日 配信
ScreenKiss Vol.026

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Vol.026

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■ 横浜フランス映画祭特集

  ――監督に注目!

 その1.クロード・ルルーシュ

 第7回横浜フランス映画祭もいよいよ開幕間近です。今年もコメディあり、ラブ
 ストーリーありサスペンス物あり。上映作品がバラエティに富んでいて、「フラ
 ンス映画の今」を知ることができるのが嬉しいですね。

 ところで、映画を見るなら予備知識があるとさらに楽しめるのではないでしょう
 か。そこで今回上映予定の作品の中でもベテランを中心に、何人か監督のプロフ
 ィールなどご紹介していきます。

 ◇クロード・ルルーシュ/Claude Lelouch
  上映作品 「幸運と必然」(仮題)

  映画祭のオープニング上映作品で、指定席はすでに売り切れという超人気。実
  は彼、今年のフランス代表団の団長なのである。男性の団長は初めてらしいが、
  中年以上の日本人には知名度が高い監督だから、団長に選ばれなかった方が不
  思議なくらいだ(もっとも団長=女性だったから仕方ないか)。

  1937年パリ出身。66年に発表した「男と女」でカンヌ映画祭グランプリを獲得
  し、68年に第10回冬季オリンピックのドキュメント「白い恋人たち」で世界的
  名声を得る。どちらもフランシス・レイによる映画音楽が有名。後者はスキー
  場などで一度は聞いたことがあるのでは?

  その後幾つかの佳作を撮ったが81年の「愛と哀しみのボレロ」で再び脚光を浴
  び、今やフランスの大御所的存在である。

  ルルーシュの作品はセリフが少なく音楽と叙情的な映像で綴ったものが多い。
  また「愛と哀しみのボレロ」以降は「遠い日の家族」にしろ「レ・ミゼラブル」
  にしろ、戦争、歴史とその中で生きた庶民たちに目を向けており、その眼差し
  は客観的だが暖かい。

  おすすめ作品
  1.男と女(66)
    アヌーク・エーメ/ジャン・ルイ・トランティニャン/ビデオ=WHV
    シャバダ、シャバダバダ、シャバダバダ、というサントラでお馴染み。妻
    を失ったレーサーと夫を亡くした女の大人の恋物語

  2.白い恋人たち(68)
    ドキュメント/ビデオ=無
    フランス・グルノーブルでの第10回と冬季オリンピックの模様をドキュメ
    ントした作品。競技をリアルに追うのではなく、ロマンティックな音楽を
    バックにした映像詩

  3.恋人たちのメロディー(71)
    カトリーヌ・アルグレ/シャルル・ジェラール/ビデオ=無
    筆者はレンタル・ビデオで見たんだけど。3人の労働者の友情話。詩的で
    しかもドキュメントタッチ

  4.愛と哀しみのボレロ(81)
    ジョルジュ・ドン/ジェラルディン・チャップリン/ダニエル・オルブリ
    フスキ/ビデオ=廃版
    第二次大戦前後の世界4都市の営みを、ヌレエフやカラヤンなどをモデル
    に描いた一大叙事詩。モーリス・ベジャール振り付けでジョルジュ・ドン
    が踊る「ボレロ」はあまりに有名

  5.恋に生きた女ピアフ(83)
    エヴリーヌ・ビックス/ジャン・クロード・ブリアリ/ジャック・ビルレ/
    ビデオ=廃版
    エディット・ピアフとボクサー、マルセル・セルダンの悲恋物。といって
    もわりと淡々としてます

  6.遠い日の家族(85)
    エヴリーヌ・ビックス/アニー・ジラルド/ジャン・ルイ・トランティニ
    ャン/ビデオ=廃版
    第二次大戦中のユダヤ人一家の過酷な運命を描いた作品。映像が詩的、音
    楽が叙情的な分、悲惨さが身にしみる

  7.ライオンと呼ばれた男(88)
    ジャン・ポール・ベルモンド/リシャール・アンコニナ/ビデオ=廃版
    裸一貫で生き成功お収めた男が新しい人生を求めて大西洋横断を企てるが、
    人生を捨て切れず。ベルモンドが俳優としての新境地を開拓。シブいです

  8.レ・ミゼラブル 輝く光の中で(95)
    ジャン・ポール・ベルモンド/アニー・ジラルド/ミシェル・ブジュナー/
    ビデオ=WHV
    『レ・ミゼラブル』を現代化。第二次大戦を絡めて描く。ここでもベルモ
    ンドが裸一貫でかつ実直な男を好演

                              続く(quittan)

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■ シネマノート

 日本インディペンデント映画祭レポート
 (1999年5/2~4:有楽町・朝日ホール)

 日映協、つまり日本映画製作者協会が毎年この時期開催していた「日映協フィル
 ムフェスティバル」が今年から‘93年初回と同じ「日本インディペンデント映
 画祭」として第六回目を迎えた。

 毎年テーマを決めての開催で、今年のテーマは「いま、映画プロデューサーは?
 」。1日だけだが、私は今年初めてこの映画祭に行った。この映画祭の魅力は何
 と言っても料金。3日間有効フリーパスで2000円、1日フリーパスでも10
 00円なのだ。

 ちなみにディスカッションや受賞式を一作品とカウントして、毎日5本、3日間
 で15本、つまり1日パスでも1本200円、3日パスに至っては133円とい
 う破格プライスだ。(但し肉体的に無理だろうけど)

 朝11:00から夜19:15の開始までの長丁場なので、その間半券さえなく
 さなければ、出入りも自由。但し連続して見たい場合は休憩時間が短いので、外
 出は無理だ。

 今年は「HANA-BI」や「踊る大捜査線」といった比較的新しい作品や、「ルーキー
 ズ・ゴト師株式会社」といった初上映もあってこの金額はかなり美味しい。

 しかも、作品によっては製作や監督、出演者も登壇する。そして、初日には製作
 者達によるパネルディスカッション、最終日には製作者の選ぶ新人監督賞の発表
 とその作品の上映がある。

 今年の最優秀新人監督賞・優秀新人監督賞には以下の作品が選ばれた。

 最優秀新人監督賞:けんもち聡 監督 「いつものように」
 優秀新人監督賞:合津直枝 監督 「落下する夕方」

 残念ながら毎日は見ることが出来なかったが、今年初めて参加してみたこの映画
 祭のうち5/3に上映された中から見た3本の映画についてレポートする。

 <1> ちぎれ雲~いつか老人介護~ 製作:山村晋平、相沢徹
     監督:山口巧 (’99年・110分)

  物語:
   広告会社OL百合子。早朝ジョギングで出会った友人のお婆ちゃんは徘徊。会
   社へ向かった駅前では、「行きたくない」と喚くお婆さんを無理に老人ホー
   ムで行かせる家族。会社では、両親介護の為に退職する上司。百合子の祖父
   も脳梗塞で半身附随となり、退院後は引き取る事に。そんな折、件のお婆さ
   んはホームを脱走し、ひょんな事から百合子は彼女を通して福祉の現状に直
   面する事となるが。

  ひとこと:
   確かに高齢化社会の現状だけでなく、家庭、地域社会、性といった様々な問
   題点を提起していながら巧く時間内にまとめている。

   それに、出演者の熱演は素晴らしく、とりわけ、年老いても、恋する人間の
   美しさを体現してくれた、南美江さんには拍手だ。

   しかし、冒頭で「文部省推薦」の文字が輝いていたのに、ちょっと嫌な予感
   がしていた。典型的な高齢化社会の例を並べたてて、ラストは介護福祉士を
   目指す明るい百合子であった・・・となるわけだが、問題点を盛り込みすぎ
   て「『介護福祉士』を目指す君達へ」みたいな仕上がりになってしまった。
   教材として使用して、現場の生の声と併せて講演会に使用する、とかいうケ
   ースにはうってつけだろう。

   知り合いに特別養護老人ホーム経営者がいる。この方は早くからこうした施
   設と地域社会の関係に積極的に取り組んでいて、近所の幼稚園等の子供や親
   が気軽に足を踏み入れられるような「楽しい」施設を目指している。

   横浜にあるこのホームは「さくら苑」という“正式”名称の他に「Y2共和国
   」という呼び名をつけて、入居者の中から“姫”が選出されている。寝たき
   りをなくす為の様々な工夫や、最近では高齢者の共同生活も試みている。

   アニマルコンパニオンシップを導入していた事から知ったのだが、行ってみ
   て楽しく感じるホームは初めてだった。しかし、学生時代のボランティアで
   見てきた暗いイメージは、今回のこの作品に象徴されるのと全く同じだった。

   重く、地味なテーマなだけに扱いが難しいと思う。その点、この作品は問題
   提起という意味では分かりやすいし、今度実施される介護保険制度を考える
   先駆になるとは思う。勿論、さくら苑とて楽しい事ばかりではないが、こう
   したホームが実際存在する事も、百合子の未来の為にも触れたら良かったの
   ではないかと思った。

 <2> 生きたい  製作:新藤次郎
     監督:新藤兼人 (’99年・119分)

  新藤次郎氏 舞台挨拶

   この作品は、新藤兼人監督がウイルス性感冒に罹患して失明寸前と思われて
   いた頃書いたシナリオによる。目がだめになる前と思われたか、急に書きま
   くり、急遽準備していた別作品を中止しこちらを先に撮影した。

   新藤兼人監督は、今年87才になったばかりだが、80才を過ぎて初めて自
   分が“老人”だと気付き「午後の遺言状」やこの作品のように自分を含め、
   老人としての内部から高齢者を見るという作風に変化した。

   ダンカンの「生きない」、黒澤監督の「生きる」等、類似したタイトルが多
   く、当初はこの題ではなかったが、監督の発案でこれになった。暗くなりが
   ちな老人問題だが、これは見た後、明るい気持ちで帰れる作品。

   ゴールデンウイーク明けから新作「三文役者」がクランク・インの予定。実
   はこれが延期したシナリオで、亡くなった殿山泰司氏の半生を描いたもので
   主役は竹中直人。(苗字が同じだから監督と親戚、と仰る氏の言葉は果たし
   て本当?)

  物語:
   70才の安吉が長野の「姨捨」駅にいる。東京へ戻った彼は行きつけのバー「
   ペペル・モコ」に行くが、このところどうも失禁が多く、店を追い出された
   後泥酔して道に倒れていたところを、通り掛かりの医師と出会う。

   この病院で失敬した民話「姥捨て山」に夢中になった彼。ここから場面は彼
   が読み進む物語の内容をモノクロで、彼の現実をカラーで同時に進行してい
   く。

   安吉は長女で40才の躁鬱病の娘、徳子と暮らしているが生活費は主に彼の
   年金。現状を見兼ねた医師に老人ホーム行きを勧められ、一旦は入所してみ
   るが・・・

  ひとこと:
   高齢化社会の一端を担っている病院の現状や、家族愛を寓話的に描きながら、
   そこには鋭い監督の目が光っている。とにかくキャスティングが凄い。当初
   から彼を頭に描きつつ脚本を書いていたというだけあって、まさに適役の安
   吉役の三國連太郎。

   リア王のごとく3人の子供に見捨てられながらも、親馬鹿ぶりが哀しい父だ。
   リアと異なり長女が面倒を見る、といってもこちらも自分の頭の蠅を追うの
   が精一杯。彼女を演じる大竹しのぶ。変な病院長に看護婦といった現実に比
   べ、妙にリアルな民話サイドの長老、津川雅彦に小柄ながらしっかりした
   “姥”の吉田日出子。

   この辺りの皮肉も効いて、人生賛歌に仕上げた手腕は見事だ。長老が聾唖者
   という設定やカラスの使い方も巧みだ。

 <3> カンゾー先生 監督:今村昌平
     製作:飯野久・松田康史(’98年・129分)

  飯野久氏・柄本明氏 舞台挨拶

   制作費集めが大変で、この作品よりロープライスの「うなぎ」を先に撮影し
   た。現在、監督はシナリオ執筆中で、内容はまだ秘密。(飯野氏)

   途中、配役交代があったが、2~3日のうちに決まった事だったので、かえっ
   て嬉しかった。この作品では日本アカデミー男優賞を受賞。と同時に報知、
   キネマ旬報、日刊スポーツ等各部門で受賞したが、(どの受賞も嬉しいが)
   キネ旬は印象的だった。(柄本氏)

   *実は、私は昨年の東京国際映画祭で飯野氏を目の当たりにするまでは、お
   名前からして男性かと思っていた。小柄で、可愛い感じの彼女がこんなパワ
   フルな活動をしているなんてなかなか想像が出来ない。

   その、飯野氏に頭があがらないと言いつつどこかマイペースの柄本氏は、「
   最近は『元禄繚乱』等にもご出演中でお忙しいところを・・・」という司会
   者に「いやぁ役者何て暇ですから」と照れ笑い。12日からカンヌへ行く予定。

  物語:
   敗戦間近の広島上空を米軍が飛行している。眼下では、今日も医師の赤城が
   往診鞄を手に走り続けている。この地域では栄養失調による肝臓病患者が蔓
   延しており、ほとんどの診断が「肝臓病」。そのため彼は通称「カンゾー先
   生」と呼ばれている。

   両親を亡くした少女を助手として押しつけられた彼は、久しぶりに出席した
   学会で肝臓病研究の重要さを提言して会場から喝采を浴びる。これをきっか
   けに彼の研究熱は過熱。怪我をしたオランダ人脱走兵を手当した、ある日軍
   部の手入れに遭う。

   親友の外科医を失い、全てが泡沫に帰した時、8月6日を迎えるが・・・

  ひとこと:
   生臭坊主が胴に入ってる唐十郎はじめ、フランス映画『パリのレストラン』
   や『ペダル・ドゥース』でお馴染みのジャック・ガンブランがオランダ人に
   扮していたり、山本晋也監督が竹槍訓練を指導していたり、絶妙なキャステ
   ィング。

   人の命を助ける医者は誠に戦争とは相容れない職業だ。カンゾー先生の言う
   通り栄養を摂って休んでいれば肝臓病にはならない。つまり、戦争という病
   原菌がなくならなければどんなに研究が進んでもどうにもならない事なのだ。
   研究に夢中になっている間に患者が亡くなってしまい、改めて初心に立ち返
   って走りつづける赤城医師。彼の見上げる鴨居の上の額には「走れ・・片足
   が折れなばもう片方で走れ・・両足折れなば膝を折っても走れ・・」という
   ような内容が書かれている。

   冒頭とラストと2回も出てくるのだが、誰かの有名な言葉なのだろうか?

   確か今村監督の父も医者だったから、彼の父親像を反映しているのかもしれ
   ない。それにしても、臨終の患者に肝臓摘出を承諾させ、坊主と一緒に墓堀
   までして解剖するところは、江戸時代の腑分けに賭けた杉田玄白等を彷彿と
   させる。

   本人達が真剣なだけに妙に滑稽だ。『黒い雨』と比べて見るのも、戦争と今
   村ワールドを理解する一助になるだろう。

 <4> ルーキーズ・ゴト師株式会社 
     監督:中田 信一郎
     製作:張江 肇・石川富康・鈴木ワタル (’99年・90分)

   ここでの上映が初上映というのに惹かれ、少し頑張ったものの、この頃には
   かなり目が疲労してきた。何となくパチンコのジャラジャラ音を聞くのも面
   倒になり、舞台挨拶もそこそこに遂に退場してしまったが、聞いたところま
   で報告。

   「ゴト師株式会社」シリーズは今回で7作目。元は「パチンカー」連載の漫
   画の映画化。大学生が単位と引き替えに無理に引き込まれたパチンコ部。他
   校等とのパチンコ選手権に出場したり・・・という話・・・らしい。(すみ
   ません)

   中田信一郎氏(監督)、川岡大次郎氏(俳優)、伊藤裕子氏(女優)舞台挨
   拶

   撮影中の苦労といえば、パチンコホールの撮影が夜中だった事。大抵は夜の
   12:30から朝の8:00までで、これ以外の時間で撮影するには200~300万の営
   業保証が必要となる為やむを得なかった。楽しんで見て欲しい。(中田氏)

   実は私生活ではパチンコをした事がなく、今回の撮影のために初めて挑戦し
   た。意外とシンプルな印象を受けた。青春映画として楽しんで欲しい。(川
   岡氏)

   1月の寒い時期の撮影だったのが大変だった。(伊藤氏)

   *今回の上映は完成披露を兼ねており、一般には6月下旬に東京で、7月に
   大阪で公開予定。

  ■この映画祭も既に6回目だそうだが、つい見逃してしまった作品をビデオと
   さして変わりない料金でスクリーンで見られるのはかなり得した気分。いつ
   も?GWが暇な人は1度出掛けてみては如何?

                                 鳥野韻子

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