ScreenKiss Vol.048

1999年 9月 29日 配信
ScreenKiss Vol.048

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Vol.048

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ(2)   □シネマノート:エリザベス   □ノッティング・ヒルの恋人   □シンプルプラン   □ヴァンドーム広場   □神さまへの贈り物 >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ(2)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  前回に引き続き「日本映画名作鑑賞会」のスケジュール第2弾です。  11月2日(火)~20日(土)に京橋の東京国立フィルムセンターで開催されるこの  催しに、今年は日本映画製作者協会からのご好意により、「ScreenKiss」の読者  の方から、各日10名様、合計150名様を特別にご優待して頂ける事になりました。  【チケットプレゼント応募要項】  ■官製(普通)葉書に以下につき明記の上、お申し込みください。   1)郵便番号   2)住所   3)氏名(フリガナ)   4)年齢   5)職業   6)E-mail address   7)ご希望の日(1枚につき1日)   8)好きな邦画   9)好きな監督(邦画に限定)   10)ScreenKissへのご意見、ご要望等  ■応募締切 :10月1日(当日消印有効)  ■応募者多数の場合は抽選になります   当選者の発表は10月25日までに招待状の発送をもってかえさせて頂きます。   当選者には「1日フリーパス」が送られます。  ■お申し込み   〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-16シナリオ会館6F   (協)日本映画製作者協会 芸術祭係(ScreenKiss)    ■お問い合わせ    作品に関して:03 (3582) 2654 (協)日本映画製作者協会   その他   :03 (3544) 5115 芸術祭 '99事務局   何れも土曜、日曜、祭日を除く11:00~16:00 ■日本映画名作鑑賞会  □期間:11月2日(火)~20日(土) ■『新藤兼人の世界』  スケジュール等はScreenKiss Vol.  参照 ■『新しい風 日本映画 '99』  平成11年11月16日(火)~20(土) *各回、開場は開演30分前(なお、途中入退場券、フリーパス提示により、出入可) 《11月16日(火)》  ◇12:00~『銀河の魚/クジラの跳躍/ファンタスマゴリア』 全66分   監督:たむらしげる   声の出演:永瀬正敏、利重剛、永井一郎   絵本などを中心に活躍する作家、たむらしげるのファンタジーアニメ。   ガラスの海に住む老人が、ある日半日かけて行われるクジラの跳躍に遭遇する。  ◇13:30~『てなもんや商社 萬福貿易商社』 97分   監督:本木克英   出演:渡辺謙、小林聡美、香川照之   腰掛け気分で貿易会社に就職した女性が成長していく樣を描いたコメディ。   (ScreenKiss Vol. 13参照)   ◇15:30~『頑張っていきまっしょい』120分    監督:磯村一路   出演:田中麗奈、真野きりな、中嶋朋子  '76年の四国、松山。悦子の高校にはボート部がない。それなら、と仲間を集めて  発足。が、新人戦で大敗。コーチもつき、2年め、2回目の新人戦に挑む。  □11月17日(水)  ◇12:00~『大怪獣東京に現わる』 133分   監督:宮坂武志   出演:桃井かおり、本田博太郎、角替和枝  東京に謎の巨大原子怪獣が出現したニュースで、パニックに陥る福井県の住民達。  九州からのカメ怪獣の出現で、原子怪獣は福井に向かった!そして・・・。  ◇14:30~『しあわせになろうね』 115分   監督:村橋明郎   出演:渡瀬恒彦、有森他美、風間杜夫  不景気で解散を余儀なくされた山室組。組長も組員も解散後の「しあわせ」な生  活を夢みていたのも束の間、組員が対立している組長の殺害をしてしまった!解  散どころでなくなってしまった彼らの運命は・・・。  ◇16:45~『卓球温泉』 110分   監督:山川元   出演:松坂慶子、牧瀬里穂、桜井センリ  夫婦の会話もなくなった主婦、園子。ラジオDJの「家出でもしゃちゃえば?」の  一言で、本当に家出をして、さびれた温泉町へやってきた。町興しとしての一大  イベント、卓球大会へ向けて、園子も一役かう事になって・・・。  □11月18日(木)  ◇12:00~『UNLUCKY MONKY』 106分   監督:サブ   出演:堤真一、吉野公佳、大杉漣  銀行強盗を計画した男は、別の強盗からの金を入手するが、偶然女性を刺殺。金  を埋めた、同じ場所に敵対組織の死体を葬ってしまった村田組の男達と出会う  が・・・。  ◇14:10~『生きない』 100分   監督:清水浩   出演:ダンカン、大河内奈々子  借金苦に疲れた人々の二泊三日の沖縄ツアー。保険金目当ての自殺ツアーの添乗  員、新垣。ところが、一人だけツアーの真実を知らない女性がバスに同乗してお  り・・・。ダンカンが初の映画脚本を手掛けた作品。  ◇16:10~『リング』   監督:中田英夫   出演:松嶋菜々子、中谷美紀、真田広之  巷に勃発する原因不明の突然死。見た者を確実に7日間以内に死に追いやるとい  う、呪いのテープの存在の噂は、人々の間で急速に広まった。偶然、そのビデオ  を見てしまった浅川は、夫に相談するが、彼もまた見てしまい・・・。続編『ら  せん』と共に公開されたホラー。  □11月18日(金)  ◇12:00~『The Artful Dodgers(アートフル・ドヂャーズ)』 96分   監督:保田卓夫   出演:いしだ壱成、西島秀俊、佐藤タイジ  WowWow製作による「J・MOVIE・WARS」シリーズの1本として、ニューヨーク大学  映画科出身の保田卓夫が監督デビューした作品。前編NYロケのインディーズ作品。  ニューヨークで毎日を「アートフル」=やりたいように、「ドヂャーズ」=すり  ぬけて生きている売れない画家、ポルノ小説家、ストリートミュージシャンの3  人。今年も御寒いクリスマスを迎えようとしている彼らの元に一人の少女が現れ  て・・・。  ◇14:00~『Beautiful Sunday』 93分   監督:中島哲也   出演:永瀬正敏、尾藤桃子、ヨネヤママコ、山崎努  とある、マンションの日曜日。住民達はキャッチボールをしようとしている、会  話のない夫婦、鏡にの自分に陶酔するOL、ストーカー芝居をする男、奇妙な老夫  婦、そして変な大屋。老夫婦は宇宙へ帰り、殺し屋はゴミ捨て場で死に、また1  週間が始まるのだった。  ◇16:00~『中国の鳥人』 118分   監督:三池崇史   出演:本木雅弘、石橋蓮司、王麗黎  翡翠輸入の為の中国出張へ出た商社マン。彼に同行したヤクザ。案内人に連れて  こられたのは雲南省の奥地。そこでは鳥人になる為の学校があった。信用を得る  為鳥人になろうとする、商社マンだったが・・・。  □11月20日(土)  ◇12:00~『キリコの風景』 105分   監督:明石知幸   出演:杉本哲太、利重剛、小林聡美  詐欺の前科がある村石。彼は、別れた妻を探して函館に来た。彼には人々の心を  癒すという不思議な力があり、行く先々で人々を癒していくが・・・。  ◇14:15~『落下する夕方』 106分   監督:合津直枝   出演:原田知世、渡部篤郎、菅野美穂  江國香織の原作を『幻の光』のプロデューサー、合津直枝の監督デビュー作。恋  人から突然別れを言い出されたリカ。彼の心を奪ったのは不思議な少女、華子。  何故かリカの部屋に住み着いた華子と、それを追ってきた彼との3人の生活がは  じまるが、ある日華子が急死してしまう。  ◇16:20~『ユキエ』 93分   監督:松井久子   出演:賠償美津子、ボー・スベンソン、羽野晶紀  ユキエは朝鮮戦争時、米軍パイロットだったリチャードと結婚。バトンルージュ  に嫁してからは1度も帰国していない。2人の息子も独立したが、リチャードは  旧友に騙され財産を失う。名誉回復に奔走する彼の唯一の理解者だったユキエが  突然アルツハイマーになってしまう。正気と病気の狭間に、ユキエ自身も苦しむ  が・・・。  吉目木晴彦の芥川賞受賞作「寂寥郊野」の原作を新藤兼人が脚本にまわり、プロ  デューサーの松井久子がメガホンをとった作品。愛する者への「スロー・グッド  バイ」を描いた夫婦愛の物語。  気持ち悪系が苦手な筆者は、当然『リング』は未見ですが、こちらの「新しい風」  シリーズ15本のラインナップもなかなか。これだけまとめて見られる機会は滅多  にありません。  特に「新藤兼人の世界」で幕を開けた、今回の「日本映画名作鑑賞会」。彼が脚  本にまわった『ユキエ』は特集ラストに相応しく、しっとりとした味わいがある  でしょう。皆様、ふるって御応募くださいね。そして、めでたく優待に当たった  あなた、ご感想をお待ちしています。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆シネマノート:エリザベス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  監督:シェカール・カプール  出演:ケイト・ブランシェット、ジョセフ・ファインズ、     クリストファー・エクルストン ?ストーリー  時代は1550年代。英国は熱心なカトリック信者のメアリー女王の統治下、容赦な  いプロテスタントへの弾圧が行われていた。所謂“ブラディ・メアリー”である。  が、スペイン国王との間には子供なきまま、他界する。メそこで、アリーへの謀  反のかどで、1度は捕らえれた義妹のエリザベスが王位に就く。  奸知に長けたノーフォーク卿、政略結婚をまとめようとするスペイン大使やフラ  ンス大使。そんな中、頼りにしていたダドリー卿までをも含む、彼女への謀反が  発覚して・・・。  インド人の監督、オーストラリア人のエリザベスと側近(ジェフリー・ラッ  シュ)、英語の台詞で初出演の元サッカー選手(エリック・カントナ)や生っ粋  の?フランス人俳優達(ファニー・アルダン、ヴァンサン・カッセル)・・・と  何と個性的で国際的な英国史劇だろうか。  残るイギリス人俳優たちも、出身地が異なり、おまけに古い宮廷言葉だから、こ  れは台詞面を考えても凄く大変だったに違いない。あまり英語は得意でない筆者  だが、やや?BBCを聞いているような“かたい”英語が耳に心地よかった。  それにしても、よくまぁ、という位の曲者俳優を集めたものだ。コスチュームに  欠かせない、大ベテランのJ.ギールグッド、女装が決まってた?ヴァンサン・  カッセル等。これで、ファインズ兄弟両方と共演した事になる、ケイト・ブラン  シェットは実に堂々としていた。(兄のラルフとは『オスカーとルシンダ』で共  演)  歴史的な部分は大幅に改ざんされているが、"History"でなくHi(高度な)Story  と考えれば、充分楽しめる。その昔(?)高校で歴史の講師なんぞしていた、筆  者は最初の授業で、「人々が語り伝えたお話・・これが歴史」何て偉そうに話し  ていたことがあります。  だから、立場が変われば、お話の内容も違ってくるわけで、それをまた、映画と  いう娯楽にするのだから、この程度なら赦されてしまうだろう。まぁ、興味のあ  る方は『1000日のアン』とか『オルランド』を見てみるとか。参考までに、本で  は小西章子さんが書いた「華麗なる二人の女王の闘い」は面白く読めるのでお薦  めです。  そんな歴史的な内容より、エリザベス1世のコワイ女のイメージがある中、この作  品では歴史に翻弄され、「普通の」女として生きられなかった、ある意味、政治  の犠牲者となった女性の苦悩を前面に出している。  登場人物達の衣装を見るだけでも一見の価値がある。各役者の個性と、残されて  いる肖像画の雰囲気を両方生かしていて、素晴らしい。  エリザベスは、その心境や境遇に合わせて、色やデザインに変化が見られる。  若々しいレッド中心のドレスから、凝ったつくりの深みのあるカラーのものへ変  わっていく。  そして、その子ちゃんも吃驚の白塗に国家の花嫁となった白い衣装。その昔日本  でも白塗りをしていた時代は、暗い中に顔がぼ~っと浮かぶように、とか表情を  悟られない為とか言われていたが、彼女も多分後者の理由も考慮しての事だろう。  また、それらの衣装を一層雰囲気あるものにしているのは、レンブラントの絵画  のような光だ。後半の暗殺シーンでは、この暗がりが一層無気味さを引き立たせ  る。  同時に音楽の使い方も秀逸。恋をしているエリザベスには軽いダンスの音楽。そ  して、ラストは荘厳なモーツアルトの「レクイエム」。それも第1楽章の”キリ  エ”以前までを使用しているところも、憎い演出だ。  それにしても、知らずにこの映画をエリザベスの誕生日(9/7)に見に行った  と、後で知っと時はとても吃驚でした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ノッティング・ヒルの恋人☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ★★★★  ベストフレンズ・ウェディングに続き、ジュリア・ロバーツの当たり役。彼女の  魅力を充分に堪能できる作品だ。  ストーリーはローマの休日を彷彿とさせる(と、いうか最後の記者会見のシーン  などはまんま。)ロマンティックなラブ・ロマンスだが、それを甘ったるくせず、  現実味を持たせたのは脚本、セリフの面白さ、となおかつ脇をかためるクセのあ  る俳優陣の力だろう。なかでもルーム・メイトを演じた、リス・エヴァンスの  すっとぼけた演技は最高。  またキャスティングも作品の成功の理由の一つ。いかにもハリウッド・スターの  イメージの強いジュリアをまんまスター役に起用し、「演技はヘタだから」なん  てセリフを言わせてみたり最近かつての美青年時代の影の消えうせたヒューに対  し、「ハンサムな顔も崩れてきて・・・」みたいなことをいったり。まさにハマ  リ役ですね。  また、注目したいのは、劇中のアナ・スコット(ジュリア)のファッション出会  いの場面、シャネルのベレー帽に黒のパンツでバシっと決めながらも足元は黒の  スニーカー。まさに女優とはかくあるべきという完璧なスタイリング。またゴー  ジャスなドレスから「アニーホール」のダイアン・キートンを彷彿とさせるマ  ニッシュなスーツ姿も観られます。  ラスト近く告白のシーンではごくフツウのセーターにタイトスカートのシンプル  な姿で現れ「恋する普通の女」を上手く演出していました。次回作「プリティ・  ブライド」でのウエディングドレスの着こなしも今から楽しみです。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆シンプルプラン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  http://www.toho.co.jp/towa/simpleplan/welcome-j.html  ストーリー:★★★★  演出   :★★  原作は、世界で2,200万部売り上げたベストセラー本。作者はもともと脚本を勉強  していたとのことで、この原作本も本人の手によって脚本に書き換えられた。  ブリジット・フォンダが演じる図書館で働いている普通の田舎主婦の迫力を始め、  登場人物全員のリアルな風貌、言動はおもしろい。アメリカ映画には時としてこ  の手のリアルさが欠けることがあるが、ブリジト・フォンダの演ずる冴えない主  婦は必見。まるでイギリス映画のリアルさがある。彼女のインタビューで、「あ  の髪型(前髪だけをそろえた長髪)にしたのは、裕福ではない主婦にとっては美  容院にお金をかけられない。その為手間がかからない現実的な髪型をしているも  のだと思ったから。」とのこと。  ストーリーの必然性はなかなか説得力があり、殺人がなぜ起こったかを十分理解  できる。つまり映画を面白くする為に出演者に強引に犯罪をやらせているのでは  なく、たしかにこの場面ではこうするだろう、やらざるをえないだろうと言える  ことを行わさせている。ごくあたりまえの行為に見えてしまう。見ているこちら  も、その5億円というお金の魅力がいかほどかを理解できるため、気持ちがわか  らなくもないといった感じだ。  見終わった印象、ポスターの雪の白、現金が動くストーリー、変人な登場人物と  いい、「ファーゴ」のイメージに近い。また、若干スローなテンポで話が進展し  ていくため、退屈に感じる箇所がある。それはリアルであるがゆえに起こる現象  といえよう。ノンフィクションに見られる退屈さがあったが、もちろんこれは  フィクションである。そこの評価で好みが別れるのではなだろうか。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ヴァンドーム広場☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  総評:★★★  カトリーヌ・ドヌーブへの評価:★★★★★  カトリーヌ・ドヌーブ主演の仏映画。  映画ファンの中でもフランンス映画と聞くとそれだけで見にいかない人は多いだ  ろう。その様な人がこのメールマガジンを読んでいるとは思えないが、この映画  はそういう人にもぜひ見てもらいたい。なぜならまさしくこの展開、この映像が  フランス映画であるから。  ストーリーはサスペンスタッチで犯罪の臭いを漂わせつつ、人間模様が絡みあっ  た重厚なドラマに仕上がっている。まさしくフランス映画といえる展開がエン  ディングを迎えると、エンディングタイトルを見ながらじっとストーリーを振り  返らざるを得ない。  ただし、多少ストーリーの真意を映像から読みとるという作業が必要な為、「何  も考えずに見れるアクション大作が好き」という人にはやはり受け入れられない  可能性が高かろう。もちろんアクション映画を馬鹿にするつもりはなく、私は  シュワルツネッガーの新作「公開を何よりも待ち遠しく感じている一人だ。  どうもこの映画は、カトリーヌ・ドヌーブの為にあるという雰囲気すらあるが、  それほど役柄とドヌーブのイメージがぴったしはまっている。彼女の役柄だけで  はなく、まわりの設定、風景すら彼女のためにあるのではないかと思えるほど見  事なできばえ。  さらに、若くて美しい女優エマニュエル・セニエと、歳をとってもまだ魅力的な  ドヌーブの対比すら面白い。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆神さまへの贈り物☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  イラン映画としての評価:★★  キネカ大森・イラン映画特集2より  この映画は、96年の作品。英題(おそらく現題直訳)は、「BAG OF RICE」とい  い、米袋のこと。(そのままの方がいい)  日本ではお米といえば10kg程度のビニール袋か、丈夫な紙の袋だが、イランな  どの国では現在ナイロン繊維の麻袋のような大きい袋を使用するのが一般的だろ  う。(ちょっとしたことだが、国により違うものだから)  映画の中ではこの米袋を1000リアルで買う場面がある。(約20円相当)ま  た、少女ジェイランがおじさんからもらうコインは100リアル。(何も買えな  い)  この映画は日本との合作と歌ってあり、どこまで日本人の手が加えられているか  が不明だが、イラン映画といえば…といった要素で作られている。(日本はお金  を出したかけか?)  つまり、イラン映画といえば、少年少女、ミニロードムービー、うろうろして問  題が起こる。その度に誰かが交わり、最後は家に帰る。(それはキアロスタミの  映画か)  この映画、まずは幼い姉妹がパンを買いに行くシーンから始まる。(いきなり喧  嘩している)パン屋の列、焼き立てを順番待ちして買う姿、そのまま何枚かを手  でもって帰る姿。(ごく普通の情景)  また家の回り、パン屋の道すがら、どこもかしこも真中に溝があり、ちょろちょ  ろと水(下水か雨水か)が流れている。(これも当たり前の風景)イランという  のはスキー場があるくらいだから、冬は寒い。まだ学校に通えない歳ごろの妹  ジェイランは毛糸の帽子をかぶっている。(その姿がかわいらしい)  となりのおばあさんマスメさんのめがねもリアルだ。(小道具ではなく、自前の  物としか思えない)  その後の粗筋はなんだかんだと話しは進み、となりのマスメさんがお米を買いに  いくのに、ジェイランは一緒にでかける。ジェイランがだだをこねて、無理やり  一緒にいくことになったのだが。そしてバスにのり、町中をうろうろし、さまざ  まなトラブルにみまわれる。自分達で招いているとしか思えないトラブルなのだ  が。その合間で街の風景がうつしだされ、いくつものモスク、レリーフなどが映  し出される。(これがきれいで、見ごたえある)最後はお決まりに解決し、家に  帰って幸せに幕を閉じる。(笑顔で終わり)  この映画を細部まで見ていると、さまざまな興味深い物を目にする。(まるで観  光でもしているかのごとく)  まずは、家でお茶を出す場面、後ろの方にティーポットが置いてある奇妙な形の  湯沸かし器。恐らくどこの家でもこれを持っているだろう。下にガスを当て、真  中の丸みを帯びたあたりに水をいれ沸かす。真中あたりに蛇口が付いているので  ポットにそのままの状態でお湯を注げる。そのポットは最上部においておけば、  余熱で保温できる。(いくらいってもイメージは難しいだろう)  ジェイランがしきりに公園に行きたがるが、実際宗教的に娯楽がそれほど多い国  ではないためなのか、町中に大きな公園がいたるところにあり、老若男女が週末  にあたる金曜日には公園にくりだす。(木、金曜日が、日本の土日曜日にあたり  休みになる)  道路の端に両手で箱を支えるような形をした六角形の黄色い箱が写るが、これは  募金箱。私がテヘランにいった時、「いったい誰がいれるものか?」といった矢  先に中年の男性がコインをいれていた。(機能しているらしい)  映画の話題というよりもイランの話題になってしまったので、映画に関していえ  ば、多少オーバーな演出が目障りに感じる。カメラアングルもちょっと臭い。も  うすこし素直に撮影しておけばよかったのに。  最後に、先日キネカ大森で見た時にフットライトのカバーが破損していて、電球  の明かりがそのまま目に入るため、至急修理してほしいと思ったものだが、本日  9月23日までにまだ修理されていなかった。(残念)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.047

1999年 9月 21日 配信
ScreenKiss Vol.047

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ(1)   □シネマノート:Four Fresh! '99+2 後編   □オランダ映画祭 '99   □ハリケーン・クラブ >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ(1)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ここ数年秋に文化庁の主催で開催されている「日本映画名作鑑賞会」が、今年も  11月2日(火)~20日(土)に京橋の東京国立フィルムセンターで開催されます。  会期中は、古今の37作品の上映に加え、今年は新藤兼人監督の講演や、トーク  ショーも予定されています。  毎年大好評のこの企画は、入場無料の上に各回150席と限定されている為、入場は  原則的に葉書応募者からの抽選のみとなります。  そこで、今年は日本映画製作者協会からのご厚意により、「ScreenKiss」の読者  の方から、各日10名様を特別にご優待して頂ける事になりました。  何と合計150名様を優先的にご招待。この機会に日頃見慣れない作品、また見損ね  た、もう1度見たい作品に是非チャレンジしてください。  【チケットプレゼント応募要項】  ■官製(普通)葉書に以下につき明記の上、お申し込みください。   1)郵便番号   2)住所   3)氏名(フリガナ)   4)年齢   5)職業   6)E-mail address   7)ご希望の日(1枚につき1日)   8)好きな邦画   9)好きな監督(邦画に限定)   10)ScreenKissへのご意見、ご要望等  ■応募締切 :10月1日(当日消印有効)  ■応募者多数の場合は抽選になります   当選者の発表は10月25日までに招待状の発送をもってかえさせて頂きます。   当選者には「1日フリーパス」が送られます。  ■お申し込み   〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-16シナリオ会館6F   (協)日本映画製作者協会 芸術祭係(ScreenKiss)    ■お問い合わせ    作品に関して:03 (3582) 2654 (協)日本映画製作者協会   その他   :03 (3544) 5115 芸術祭 '99事務局   何れも土曜、日曜、祭日を除く11:00~16:00 ■日本映画名作鑑賞会  □期間   『新藤兼人の世界』     平成11年11月2日(火)~13(土)     但し7日(日)8日(月)は休映    2日(火)トークショー:11:00~         新藤兼人監督、俳優の三國連太郎氏、映画評論家の草壁久四郎氏    6日(土)新藤兼人監督講演:11:00~   『新しい風 日本映画 '99』     平成11年11月16日(火)~20(土)  □会場    東京国立近代美術館フィルムセンター    (営団地下鉄銀座線「京橋」駅下車1番出口より徒歩2分)  □入場無料、無料パンフレットを配付  □スケジュール   『新藤兼人の世界』 平成11年11月2日(火)~13(土)    各回、開場は開演30分前    (なお、途中入退場券、フリーパス提示により、出入可)  □11月2日(火)  ◇11:00~ トークショー   新藤兼人監督、俳優の三國連太郎氏、映画評論家の草壁久四郎氏   第21回モスクワ国際映画祭グランプリ作品『生きたい』の主人公を演じた、三   國連太郎氏をゲストに迎え、今なお現役監督として活躍し続ける新藤兼人監督、   「世界えの映画祭をゆく」の著者であり、映画評論家でもある草壁久四郎氏の   三者対談を予定。  ◇12:00~『生きたい』 119分   日本の古い民話「姥すて伝説」と現代の老人問題を交錯させて描く人間ドラ   マ。(ScreenKiss Vol. 26参照)   ◇14:00~『裸の島』95分   1961年モスクワ国際映画祭グランプリ作品   人間の生きていく厳しさが感動的に描かれている。台詞は一言もない。  □11月3日(水)  ◇11:00~『本能』 103分   人間の一切の装飾を捨てた原始にかえって、性本能から愛の深淵を追求する野   心作  ◇13:15~『人間』 116分   4人の漁民の遭難を背景に飢餓と不安をのりこえて生き抜こうとする人間の真   の姿を描く。  □11月4日(木)  ◇11:00~『裸の十九才』 117分   希望に胸膨らませ上京した少年は、大都会のメカニズムの車輪に巻き込まれ、   遂には殺人を犯してしまう。  □13:30~『北斎漫画』 119分   春画の大家としても知られる葛飾北斎と娘、お栄の一生、ふんけいの友、滝沢   馬琴との交流を描く。  □11月5日(金)  ◇11:00~『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』 150分   溝口健二と一緒に仕事をした俳優、スタッフ、友人たちのインタビューを通し   て、溝口の人生を描こうとしたドキュメンタリー作品。  ◇14:00~『原爆の子』 100分   終戦以来、広島を離れていた孝子は、当時の園児達に会ってみたくなり、消息   を訪ね歩くが・・・。  □11月6日(土)  ◇11:00~『新藤兼人監督 講演会』  ◇12:00~『愛妻物語』 96分   新藤兼人監督が自ら書き下ろしたシナリオによる監督第一回作品。  ◇14:05~『午後の遺言状』 112分   別荘に避暑にやって来た大女優が出会う出来事の数々を通して、生きる事の意   味を問うドラマ。  □11月7日(日)・8日(月)休映  □11月9日(火)  ◇11:00~『第五福竜丸』 110分  日本人漁夫がビキニ環礁で遭遇した水爆実験の被害事件を描いている。  ◇13:20~『竹山ひとり旅』 123分   津軽三味線の名人、高橋竹山の放浪の半生、苦難の半生を追って風雪の中に生   き抜いた竹山のこころを描く映画詩。  □11月10日(水)  ◇11:00~『落葉樹』 105分   老作家が少年時代を回想する中で、亡き毋への追想と思慕が描かれる。  ◇13:15~『薮の中の黒猫』 108分   平安末期の伝承説話に発想して、争乱の中の民衆の人間像を幻想的なイメージ   で描く。  □11月11日(木)  ◇11:00~『かげろう』 103分   一つの猟奇犯罪を巡って瀬戸内海の島の美しさの陰に潜む因習と貧困、女の愛   憎の執念を描く。  ◇13:15~『縮図』 135分   我が国の封建制の典型である芸者の世界をリアルなタッチで描き出したものと   して注目された作品。  □11月12日(金)  ◇11:00~『さくら隊散る』 110分   被爆で命を落とした移動演劇隊「櫻隊」の足跡を再現ドラマと縁の人々の証言   で描くドキュメンタリー。  ◇13:20~『賛歌』 111分   盲目のお琴と佐助、二人の愛の世界は闇の中にあった。愛の「献身」と「掠   奪」の中に人間のエゴイズム、愛の極限を見事に描き出している。谷崎潤一郎   原作。  □11月13日(土)  ◇11:00~『鬼婆』   雑草のようなたくましさで自由奔放に生き抜いた、民衆の力強い生命力を描い   ている。  ◇13:20~『墨東奇譚』 111分   永井荷風の半生を描いた作品。  次回は『新しい風 日本映画 '99』のプログラムをご紹介します。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆シネマノート:Four Fresh! ’99+2 後編☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  映画美学校の生徒さん達のフレッシュな作品を紹介する、Four Fresh!。  今年は第一期高等科生の作品を加え『Four Fresh! '99+2』としてユーロスペー  スにて公開中です。  後編は、Bプログラム作品3本をご紹介致します。  後日、『意外と死なない』と『薄羽の蝶』の監督のインタビューを掲載します。  スケジュール等詳細はScreenKiss Vol.44を参照ください ■Bプログラム  9月25日(土)~10月1日(金)  ◇『薄羽の蝶』カラー/16mm/23分(+2)   監督・脚本:原瀬涼子   出演   :上野友希、辻本裕子、児玉数夫  シナリオ、演出において、女性ならではのシャープな感性が評価された作品  ストーリー:  友人の結婚式に出席しても、どこか虚しい気分の由美子。電話の祖母は彼女を幼  馴染みの友人と間違えている。そんな祖母に逢いたくないと、母の説得を振りき  り、祖母の誕生日に口実を設けてしまう。が、その日、ふと電車で席を譲った老  人から水色の紙で作った蝶を手渡される。その途端、何とも言えない気分が由美  子を襲い、彼女は祖母のもとに急行する。  コメント:  蝶のように、花びらのようにキラキラと祖母の周囲に舞い落ちるもの。これは彼  女の美しい思い出かもしれない。まるで、「花のもとにて我死なん」と言った西  行のような、祖母に対する黄昏の表現なのかもしれない。  ぼけた祖母を叱る叔母。ひたすら念仏のように「ごめんなさい」と繰り返す祖  母。叱るほど心を閉ざし、益々ぼけに逃げるようになるという。相手を理解する  心が老人介護の第1歩とはいえ、なかなか出来ない事ではある。  由美子はラストで、自分を孫と言い張らず、祖母の思いたい相手・・幼馴染み・  ・に成り変わり返事をしてあげる。電車の中の一片の蝶が由美子の心を変えたよ  うに、この事が祖母の心を穏やかにする事は間違いない。美しい画面と繊細さを  備えた秀作だ。 ◇『犬を撃つ』カラー/16mm/32分 (Four Fresh! '99)   監督・脚本:木村有理子   出演   :堀江慶、山内知栄、糸井光琳   しっかりとしたシナリオと的確な演出が高い評価を得た作品  ストーリー:  大学生の裕紀は、子供の頃の“あの日”のまま空家となっている実家に戻る。同  じく毋に呼び出された姉の麻紀も訪れていた。毋は夜になってもやって来ない。  子供の頃姉の見た“あの日”の光景は何だったんだろうか。確実なのは、その日  以来父の姿を見ていない事。台所で寝込んだ裕紀は、怪しい物音に引かれ、庭に  出てみると・・・。  コメント:  まるで絵画のような光と影の使い方は見事だ。逆光による影、闇と雨、雫などの  水の音が無気味にマッチして、怖さを演出している。サスペンスタッチの手法  は、確かにこの「Four Fresh!」の選考基準である「観客を動揺させる」を充分  満たしている。是非次回の+2で新作を見たいものだ。それにしても、誰かこの  タイトルの意味を教えてください。 ◇『集い』カラー/16mm/30分 (Four Fresh! '99)   監督・脚本:遠山智子   出演   :富田瑛子、廣瀬美葵、堀田文子   個性あるシナリオと卓越した映像センスが高く評価された作品  ストーリー:  出口ならいくらでもあるんだよ・・・・。出口が判らないままに、少女、宇辺千  は、とある家に辿り着いた。その家に住む奇妙な住人達。マシュマロに憑かれて  いる女、秋崎。火燵に執着する男、平田。千を眠る姿で迎えた家の主である、老  女、小野。その住人達によって、千は、それが当然であるかのように受け入れら  れ、自らも家の住人になっていくのだが・・・。  コメント:  不条理劇風の何だか無気味な作品だ。いきなり滑り込んでしまった別世界。そこ  で、普通の子なら、泣いて駄々をこねる筈が、千は決して泣かない。食事時の行  儀が悪くて、叱られても、食べるものは、しっかり食べる。  出口へ案内してくれた秋崎の手を自らの意志で振りほどき、さらに住人におさ  まってしまう樣は、まるで安倍公房の『砂の女』のようだ。ほとんどの舞台が火  燵という設定もユニーク。  故意的とはいえ、登場人物の台詞が聞き取りにくいのが、残念だった。老女役の  堀田文子さんの、とても初出演と思えない堂々とした演技に拍手。  どれもなかなかの力作で圧倒された。出演者も、勿論、校内で調達してる事も多  いが、プロに混じって全く別の世界の仕事のプロが俳優に挑戦してたりして、と  てもユニーク。  こういった作品を昼間に公開するのは、難しい事かとは思うが、レイトショーだ  と、客層、観客数も限定してしまうので勿体無い気もする。実は筆者も、レイト  だと帰宅の足の心配等でどうしても腰が引けてしまってい、興味があっても行け  なかったというのが現状。  こうした作品はやはり、商業ベースに乗らない自由さもあり、だからこそユニー  クな面が見い出せるといった事を考えると、レイトショーというのも仕方ない  が。ただ、この中から誕生した未来のプロも、最初のこうした「fresh」な感覚  を大事にしていって欲しいものだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆特集上映【オランダ映画祭 ’99】☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  オランダ船リーフデ号が大分県に到着したのは、1600年の4月。2000年は日蘭友  好400年に当たります。そこで '98年より3年間に亘り開催されている「オラン  ダ映画祭」。今年は2回目です。東京を皮切りに順次全国を巡回する予定。  オランダ映画といえば、最近は『アントニア』『キャラクター・孤独な人の肖  像』に続き、『アムス→シベリア』『ドレス』等が公開されています。  今回は日本初公開作品のプレミア上映4本他、滅多に見られない「短編アニメー  ション・アンソロジー」やアートフィルムの総集編「ダンスフィルム」などの作  品が上映されます。コンクな5日間、是非足を運んでみては?  昨年の第1回目の時、ふらりと出掛けた筆者は、結構その面白さと珍しさに引か  れて今回も楽しみにしているところです。勿論、上映後はレポートをお届けします。 ■スケジュール  期間:9月22日(水)~9月26日(日)  会場:赤坂・草月ホール(地下鉄銀座線・半蔵門線 青山一丁目)  料金:前売り 1回券¥1,200         3回券¥3,000 チケットぴあにて発売中     当日  1回券¥1,400         3回券¥3,600  お問合せ:  オランダ映画祭実行委員会事務局 ぴあ(株)映画事業部内  TEL 03 (3265) 1425   (月曜~金曜 10:00~18:00 土日、祭日休み) ■タイムテーブル  □9月22日(水)   13:30~ 『ダンスフィルム』   16:30~ 『短編アニメーション・アンソロジー』   19:00~ 『失われたトランク』 *オープニング・ナイト/監督来場予定  □9月23日(木)   11:30~ 『三人のプレーヤー』   13:30~ 『密航者』   16:30~ 『失われたトランク』   19:00~ 『19.99ギルダーの夜』  □9月24日(金)   11:30~ 『短編アニメーション・アンソロジー』   13:30~ 『ダンスフィルム』   16:30~ 『三人のプレーヤー』   19:00~ 『密航者』  □9月25日(土)   11:30~ 『短編アニメーション・アンソロジー』   13:30~ 『三人のプレーヤー』   16:30~ 『19.99ギルダーの夜』   19:00~ 『ダンスフィルム』  □9月26日(日)   11:30~ 『密航者』   13:30~ 『19.99ギルダーの夜』   16:30~ 『失われたトランク』 ■作品紹介  □『失われたトランク』1998年/95分  ベルリン映画祭正式招待作品   監督:エロン・クラッペ   出演:マクシミリアン・シェル、イザベル・ロッセリーニ  70年代初頭、19才のチャヤは乳母としてユダヤ教徒との家に働く。5才の失語症  の少年とその両親の心をつかんでいく。そんなある日、少年がチャヤにだけは話  をするようになるのだが・・・。  俳優としての活躍も目覚ましい、エロン・クラッペの監督デビュー作。  □『密航者』1997年/90分   '97年マンハイム国際映画祭グランプリ受賞   監督:ベン・ファン・リースハウト  ウズベキスタンとロッテルダムの合作映画。近隣の綿向上での過度の灌漑から、  すっかり干上がってしまった湖。男の住む漁村は、ソビエト崩壊後、壊滅的な貧  困に瀕している。アメリカへの密航を計画した彼が辿りついたのはロッテルダム。  優しい家族の元で、ベランダに住まわせて貰っていたが、ある日強制送還された  彼の見たものは、水をたたえた湖だったが・・・。  □『三人のプレーヤー』1998年/90分   監督:エディ・エストール  アムステルダムで人気のジョーダンを舞台とした、3部作のラスト。オランダ映  画界を徹底的にパロった、オランダ版「ザ・プレイヤー」。  □『19.99ギルダーの夜』1997年/90分   監督:マリー・ドミニカス  1000年をテーマとした、才能ある若き監督達による4つの長編映画「ルート2000  プロジェクト」シリーズの1本。  2000年直前の、1999年最後の日に、高級ホテルが企画したサービスとは、新婚  カップルを豪華なスイートに、たったの19.99ギルダーで泊めるというものだっ  たが・・・。 □『短編アニメーション・アンソロジー』:全5作品  世界的なアニメーター、ポール・ドリエッセンの新作をはじめとする、オランダ  アニメの総集編。長編映画に並映する作品群と、7月末から開催された「第7回  キンダー・フィルム・フェスト・ジャパン」で上映する作品群の2種類のプログ  ラミング。  ◇『3人のお嬢さん』1998年/10分30秒   監督:ポール・ドリエッセン 3人の紳士が3人の令嬢を救おうと奮闘するが、物事は悪い方向へ向かってしまい・・。  ◇『バイオレンス・ガール』4分   監督:クルスティー・ムスクール  暴れまわり、激怒する小さな女の子。彼女の怒りを鎮める事が出来るのは・・・  ?ドアの開く音がして・・ママが帰ってきた。  ◇『ふくろうのうた』1998年/11分12秒/モノクロ   監督:ティス・プーツ  ふくろうと女の子を中心に、古いゴシック教会の修復と、そこに棲む動物達の生  活を工事の進行に合わせて展開していく。  ◇『グレッグ・ローソン短篇集』1997年/1分24秒   監督:グレッグ・ローソン  ◇『こわいのはどっち?』『恐怖の映画館』『大都会』『海』『腹ぺこのうた』  監督はCGを駆使して製作するコミカルなショート&ショートを得意とする、新進  アニメーター。パートナーのリー・ロスとの共同でアニメスタジオを経営してい  る。作品集の形で上映するのは、今回がワールドプレミア。  ◇『フーガ』1996年/11分   監督:ハンツ・ネセスティン  ピアノを弾いていた男は窓辺に彼の過去が現れるのを見る。子供の頃の夢が蘇  る。メランコリックな男の人生を描くアニメ。  □『ダンスフィルム』: 全5作品  現代オランダのダンス・シーンが生んだダンスフィルムの秀作を一挙上映。ス  テージライヴでもなく、ミュージカルでもなく、映像とダンスの創り上げる芸術  世界。  ◇『橋を渡る』1999年/9分/モノクロ   監督:ノード・ヘ・ケンス  1999年ロッテルダム映画祭でワールドプレミア上映され好評を博した。  アレックス・コックスの『3人のビジネスマン』と併映されたダンス・バージョ  ン。実景の中で踊る3人のビジネスマン。向こう岸へ1番早く渡れた人は?  ◇『アナザー・アナザー』1999年/8分   監督:ベア・デ・ヴィッサ  ルディ・ヴァン・ダンツィングの自宅での振り付けの模様を挿みながら、足の振  出しを純化してみせる。  ◇『密室のタンゴ』1998年/14分    1998年オランダ映画祭金の仔牛賞受賞(最優秀短篇映画)   監督:クララ・ファン・ホール  居間のパーティは、炭坑の梺のアパートに場面が変わり、2組の夫婦が踊るタン  ゴは実は幻想にすぎない孤独なものだった。  ◇『ブラインドサイド』1999年/25分   監督:マリー・ドミニカス  ◇『19.99ギルダーの夜』と同じ監督の手によるダンスフィルム。   アメフトチーム、ザ・アムステルダム・クルセイダーズとクリスティーナ・デ・   シャテル・ダンス・カンパニーのダンサーが出会い・・・。  ◇『海のソナタ』1998年/5分   監督:ヤニカ・ドライスマ  監督はダンサー、女優。海を背景に、水の上での重力、肉体的限界、時間、場所  等の制限を受けずに踊る。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ハリケーン・クラブ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  母親が服役中の15歳のマーカス(ブレンダン・セクストン・サード)は、万引  きをやってその日暮らし。彼は14歳のメレーナ(イザドラ・ヴェガ)と親しく  なる。彼女の母親は、暴力を振るう父親に愛想を尽かして出ていってしまった。  その父親が、子供を真っ当に育てたいがために、今度はメレーナを半ば暴力的に  躾けている。 マーカスは、ニューヨークから抜け出したくて仕方ない。メレー  ナとマーカスは一緒にアラスカの親戚へ行こうとする。現状を逃れて、仲良く2  人はいわば道行きである。ニューヨークという現実は彼等に無力感だけを与え、  手応えのある将来を夢見させてくれない。そこで、見知らぬ土地へと旅立つのだ  が、それは現実からの逃避であり、江戸時代に見せた心中と同じ心理である。  映画は2人がアムトラックに乗って、シートに並んで腰掛けたところで終わる。  「こんな事をしたら、父親に殺される」と父親の影に怯えての旅立ちだが、その  父親はすでに死んでいる。もちろん、メレーナは父親の死をまだ知らない。その  後でどんな場面が展開されるかは、観客の想像にまかされている。父親に殺され  るかも知れないと言う危惧を抱いてまで、父親の元を離れていく娘。それが現実  だとはいえ、何という悲劇だろうか。  観客は、この父親にはまったく同情しない。自分では愛情表現として、子供や奥  さんに自分の価値観を押しつけているのだ。決して愛情がないわけではない。暴  力が彼の愛情表現なのだ。むしろ、誰よりも強い愛情を持っているだろう。とり  わけ奥さんに逃げられてからは、メレーナがこの世でたった1人の分身である。  可愛くないわけがない。しかし、彼は相手の意志を大切にするという、愛情の表  現の仕方を知らないのだ。自分の愛情だけを押しつけ、相手の願望を省みない。  古き良き家族が支配的だった時代には、男女の役割や家族の役割が決まってお  り、それに合わせて人は生活していた。男女で性別役割が固定していたし、立場  で生き方が決まっていた。役割や立場から逸脱することは、将来の生活ができな  くなることを意味していたから、親たちにとって子供を鋳型にはめることこそ良  識ある教育だった。そのため、親たちはそのパターンにはまるように子供たちを  育てた。そのために躾が厳しく言われた。暴力的な躾も肯定されたし、子供たち  も渋々ながらそれに従った。この父親はそうした時代の価値観から逃れられな  い。彼が考える厳しい教育、それが子供の幸せを保証すると考えている。  今やそうした役割分業や立場でものを考える発想は役に立たなくなっている。そ  れを子供たちは敏感に察知して、親が体現する既成の価値から逃れたくて仕方な  い。それは具体的には家庭からの脱出だし、父親からの逃避である。メレーナに  しても、父が死んだことを聞かされれば、動揺はするだろう。しかし、だから逃  避行をやめるかと言えば、決してやめることはないだろう。  肉体関係を予感させながら、性交をともなった恋愛までいかない年齢。揺れ動く  感情に翻弄されて、旅立つ15歳と14歳の2人。かつては旧弊な田舎の生活を  嫌って、都会へと旅立ったものだが、今や都会の生活が子供たちに夢を与えな  い。マーカスは喘息持ちで、いつも吸入器を持ち歩いている。都会の生活者であ  り、都会を知っている子供たちには、都会が希望を与えてくれず、いまだ見ぬ場  所は青空の田舎なのだ。しかし、田舎も近代化の波は押し寄せ、田舎にも彼等の  求めているものはない。近代の生活は厳しい。子供たちは、それについて来るこ  とができない。  近代は若者が担った。だから近代の象徴である都市へと、子供たちは旅立った。  しかし、近代が先鋭化し、出口がないように感じ始めている。肉体労働の時代に  は、肉体的な劣者が差別され、オチコボレだった。頭脳労働が優位の社会では、  劣等生は落ちこぼれる。しかも、頭脳労働の社会での規準がまだ見えない。弱い  部分へと社会のしわ寄せが来る。自立した大人たちにとって、子供は必要不可欠  のものではない。子供は親の癒しであり、いわばペットなのだ。子供は自己存在  の手応えを求めて彷徨わざるを得ない。  モーガン・J・フリーマンという若い監督作品だが、繊細で現代的な感覚に優れ  た美意識にあふれている。平凡な日常に社会の歪みを鋭く見抜き、非凡な映画に  仕立てているのは、サンダンス映画祭で入選するには充分な力量である。「マク  マレン兄弟」と同じ系列に属する映画だが、対象とする年齢がもう少し低くて、  子供の自立というきわめて現代的な視点である。  1997年のアメリカ映画。                                    匠 雅音                    http://www.netpro.ne.jp/~takumi-m/ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.046

1999年 9月 19日 配信
ScreenKiss Vol.046

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Vol.046

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □フォールームス   □上海ルージュ   □ラスト・アクション・ヒーロー   □バダック・砂漠の少年   □マンハッタン殺人ミステリー   □「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆フォールームス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★  9/21(火) 深夜1:50~フジテレビ  タランティーノ、ロバート・ロドリゲスなど今をときめく4人の監督のオムニバス  作品。  見所はティム・ロス(大好き!)の軽妙な身のこなしと、バンデラスの濃ゆ~い  演技。  バンデラスというと,つい男前系の役を想像しがちですが、この映画のような濃す  ぎるよ~って役をもっと演ってもらいたい。ちょっとサリーちゃんのパパに似て  ると思うのは私だけか?!  あと、あの「フラッシュ・ダンス」のジェニファー・ビールスがアブナイ役で出  演しているのも笑える。ヘンタイ夫に椅子に縛り付けられるような役をやろうと  は当時誰が想像しただろう・・・  作品全体の出来としては監督個人の差もありそんなに良いとは思いませんが、四  星なのは個人的なタランティーノへの思い入れから。ラウンジ風音楽のサントラ  もオススメです。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆上海ルージュ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★★  9/24(金)深夜1:00~NHK総合  1930年代、上海を舞台にマフィアの愛人をめぐる切ない物語を愛人の付き人と  なった  少年の目を通して描く。アカデミー賞にもノミネートされた撮影の美しさが見所。  ふだん可愛らしい印象の主演のコン・リー(ラーメンのCMでもお馴染み)がこ  こでは気性が激しいながらも本当は一人の恋する女である愛人の役を見事に演じ  ている。  まさに彼女の演技の見事さに魅せられる一本だ。また一人の少年の目を通して描  いたことで、暗黒街に生きる男女達の非情さ、哀しさなどをよりいっそう引き立  てており  文句のない演出。中国映画初心者でも解り易く、観やすい作品である。私自身大  のお気に入りの作品で劇場公開時に2回映画館で観てしまった。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ラスト・アクション・ヒーロー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ★★★★ 9/25(土)午後9:00~フジテレビ  映画だけが友達の少年が、ふとしたことから映画の中に迷い込み、憧れのヒー  ロー(シュワちゃん)と共に冒険を繰り広げて行く、というまさに映画ファンの  ための映画。  映画の中が舞台なだけに、ゲスト出演も豪華。また映画のパロディ的な要素も  多々みられ、映画オタクな私やあなたにとってはそれを見つけるのも楽しみの一  つになることでしょう。やはりハリウッド映画は夢がなくっちゃ!と思わせる一  本。  ちなみに余談ですがこの映画でシュワの娘を演じたブリジット・ウィルソンとい  う女優さん、アメリカ娘!って感じでなかなか可愛かったのに、その後B級映画  でしかお目にかかっていない。極めつけは松田聖子のハリウッド進出作「サロ  ゲート・マザー」。  とほほ…                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆バダック・砂漠の少年☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  キネカ大森のイラン映画特集より  ストーリーの評価:★★★  総合点 :★★  この映画は、『運動靴と赤い金魚』のマジッド・マジディ監督が92年に撮った  映画。面白味はあるが、多少編集の強引さが気になる。7年前で且つ、イランで  作られた映画と考えると十分大作だから、アジア・インド映画に興味がある人は  ついでに見る事をお勧めしたいが、公開が終了後はビデオもないだろうから、お  目にかかることが難しいだろう。  イラン映画というよりも、インド・パキスタン系の味が混ざっているストーリ展  開で、いままで日本で見られてきたイラン映画の系統からは離れている点にも興  味がもてる。  イランの日常的な風景はテレビや旅行のガイドブックなどでもなかなか知る機会  がなく、特にテヘラン以外の田舎町の映像は目にすることが少ない。また、経済  制裁を受けている国や、貧困国に旅行をする人も少ないだろうから、何を着て、  何を食べて、どんな町の雰囲気なのかといったことを知る事もむずかしい。イラ  ン映画を見るとほんの一部であれそれを目にすることができる。  この映画の中では、悪玉の親分が子供達を使って国境線にはられた有刺鉄線の隙  間から密輸取り引き(貿易tいってもよかろう)をしている。イランという国は、  貿易が制限されているため現在でも外国製品を輸入したり、持ち込んだりするこ  とが難しい。しかし実際は多くの製品、それこそコーラから、布地までが手に入  る。ごく普通に商店で売られている。ただし、輸入をする事はまだまだ難しく、  そこでこうした密輸が影では頻繁に行われているのが実情だ。その一例を垣間見  れるわけだ。  また、労働力の為の人身売買、少女を買っていくサウジアラビア人、走っている  バイクや、ピックアップトラック、衣装など一つ一つがドキュメンタリーのよう  にリアルだ。そんな問題行為を主体に、少年達が相変わらず頑張っている姿は最  後まで印象的で、飽きがこない。  今年のモントリオール映画祭ではマジディ監督の作品『カラー・オブ・ゴッド』  が、97年の『運動靴を赤い金魚』以来の2度目のグランプリをとった。これは  世界的なブームといってもいいのではなかろうか。引き続きイラン映画に関して  ScreenKiss上でもお届けする機会が増えるだろう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆マンハッタン殺人ミステリー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ キネカ大森のウッディ・アレン特集より マンハッタン殺人ミステリー (私は、冷静にアレンの作品に★をつけることができない。) とにかく映画館でアレンの過去の作品を見直す、いい機会がやってきた。キネカ大森だ けでなく、常に映画館のアンケートでは「アレンの特集を!」と書いてきたのが効果 あったというわけではないだろうが、最近の作品をメインに10本再上映。 隣人が心臓発作でなくなった。それに疑問を感じた夫婦が始めた探偵ごっこが思わぬ展 開に…というストーリは良くできている。コメディーファンだけでなく、ミステリー ファンでも楽しめるのではないだろうか。 尚、撮影(カルロ・ディ・パルマ)を始め、美術(サント・ロクアスト)、衣装(ジェ フリー・カーランド)、編集(スーザン・モース)など、アレン映画に欠かせないス タッフがそろっており、毎回見事な作品を生み出す連中に拍手喝采。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆「日本映画名作鑑賞会」とプレゼントのお知らせ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ここ数年秋に文化庁の主催で開催されている「日本映画名作鑑賞会」が、今年も  11月2日(火)~20日(土)に京橋の東京国立フィルムセンターで開催されます。  会期中は、古今の37作品の上映に加え、今年は新藤兼人監督の講演や、トーク  ショーも予定されています。  毎年大好評のこの企画は、入場無料の上に各回150席と限定されている為、入場は  原則的に葉書応募者からの抽選のみとなります。  そこで、今年は日本映画製作者協会からのご厚意により、「ScreenKiss」の読者  の方から、各日10名様を特別にご優待して頂ける事になりました。  何と合計150名様を優先的にご招待。この機会に日頃見慣れない作品、また見損ね  た、もう1度見たい作品に是非チャレンジしてください。  【チケットプレゼント応募要項】  ■官製(普通)葉書に以下につき明記の上、お申し込みください。   1)郵便番号   2)住所   3)氏名(フリガナ)   4)年齢   5)職業   6)E-mail address   7)ご希望の日(1枚につき1日)   8)好きな邦画   9)好きな監督(邦画に限定)   10)ScreenKissへのご意見、ご要望等  ■応募締切 :10月1日(当日消印有効)  ■応募者多数の場合は抽選になります   当選者の発表は10月25日までに招待状の発送をもってかえさせて頂きます。   当選者には「1日フリーパス」が送られます。  ■お申し込み   〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-16シナリオ会館6F   (協)日本映画製作者協会 芸術祭係(ScreenKiss)    ■お問い合わせ    作品に関して:03 (3582) 2654 (協)日本映画製作者協会   その他   :03 (3544) 5115 芸術祭 '99事務局   何れも土曜、日曜、祭日を除く11:00~16:00 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.046

1999年 9月 16日 配信
ScreenKiss Vol.046

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Vol.045

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □プレゼント・フィルム:リトル・ボイス   □親愛なる日記   □黄昏に瞳やさしく >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆プレゼント・フィルム:リトル・ボイス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★  面白い映画はいつもイギリスからやってくる。(これは誉めすぎか?)この脚色  でできあがる最高の物を、監督を始め、カメラ、音楽、役者他みんなで作ったと  いえる映画。  さて、この映画の主人公はLV(リトルボイス)。ゴールデン・グローブ主演男  優賞をとったものの、レイ・セイ役のマイケル・ケインはその他の役者達と同じ  く助演にといってもいいだろう。助演といってもユアン・マクレガーにしてもブ  レンダ・ブレッシンにしても3人とも主役といっても間違いではないほど、4人  の演じる役柄には個性があり、演技はみんな統一されたようなオーバーな表情で  演じている。これも演出ではないだろうか。  英国映画の演技は、舞台(演劇)からの影響か、押さえた表現よりも多少オー  バーな表現を使うことがある。さらに、リトルボイスのように笑いを誘うような  箇所がある場合はオーバーな演技があった方が効果的で面白味を増す。記憶に新  しい大ヒット作「フル・モンティ」でも大味な演技で、それが笑いをさそう重要  なファクターとなった。  だいたいこんな役によくぞユアン・マクレガーが出演してくれたものだ。鳩レー  スに夢中な電話工事員(BTテレコムのワゴンに乗っている)で、かつ無口な青年。  ラコステの格好悪いジャケットを着て、おどおどしているとは。  初日、翌日の土日には先着でユアン・マクレガーのショートフィルムのビデオプ  レゼントがあり、私が行った午前10時30分の段階で300本のビデオは"ぎり  ぎり"といわれた。その後も続々と列ができていき、12時30分の上映開始まで  列は役400人にもなったようだ。  もちろんそのビデオはもらえたので、ベルリン映画際ショートフィルム銀熊賞を  とったその内容に関しては他のコーナーにてお届けします。  座席数約220席で、初日から2日間立見が続いたようだ。しかもその先着順の  プレゼントがあったおかげで初回の上映ではとんでもない人数が立ち見になった  計算になる。つまり席数約220のところに、ビデオ300本をチケットを切っ  た後で渡すわけだから、その全員が映画を見るとして80人の立ち見(通路座り  見)がでていたのではなかろうか。  後ろには2重の立ち見客の列ができ、両端にはそれこそ前方までぎっしりと並ん  でいた。  これは映画館側にクレームしたい。300人並んだ場合行き着く結果は明らかな  のだから、一度に300本の配布ではなく2回に分けるとか、各回に分けるとか  してもらいたかった。  300人の列ができそうだというのは、朝9時ごろには確定的だったわけだから、  その時点でもなにかアイデアをだせたはずだ。チケットを切った後で渡すという  ことは、全員が見るという事につながるとは考えなかったのだろうか?また、3  00人がこないだろうと考えたわけか?  「超人気映画だから立ち見があれだけでてもしかたがない」とすませてもらいた  くもない。ビデオを配布し終わってからもまだ間際まで入場者がいて、完全に劇  場の定員がオーバーしている中で入場規制をしないことは問題だろう。立って見  るにも人ごみでスクリーンが完全には見られない状態は、観客のことを考えてい  る映画館とはいえない。あれだけの立ち見では、座っていても不愉快だろうし、  入場あとの1時間、トイレにいくにも大変だった。それこぞ掲示されている劇場  定員272人を超えていて、防災の面でも問題があるのではないだろうか。  それでもやはりシャンテシネは、最良の映画館の一つということを付け加えてお  こう。これからもシャンテ系映画を発掘していってもらいたい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆親愛なる日記☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     '94年カンヌ映画祭優秀監督賞受賞作品   9月18日(土)~10月1(金)シネマカリテにてレイトロードショー  連日21:00~  劇場窓口で前売り券を購入した方全員にポストカードプレゼント  1993年/イタリア・フランス合作/カラー/101分  監督・出演:ナンニ・モレッティ  出演:ジェニファー・ビールス、アレクサンダー・ロックウェル、     レナート・カルペンティエリ  ■ストーリー  映画監督のモレッティが日記風に綴る、3話からなるオムニバスコメディ。  □第1部:ベスパに乗って  愛車ベスパに乗っての、モレッティ的ローマ案内。憧れのジェニファー・ビール  スに出会うも、「変な人」と思われたり。パゾリーニの殺害現場の海岸では、言  葉もなく記念碑をみつめる。  □第2部:島めぐり  静かな仕事場所を求めて、旧友とシチリアの小島を巡る。が、30年以上もテレビ  を見ていなかった、この友人が、突然テレビの魔力にとり憑かれたから大変。  □第3部:医者めぐり  原因不明の痒みに襲われたモレッティ。あらゆる「専門医」から「特効薬」果て  は漢方まで、様々な医者を巡った末、診断は何と癌だったが・・・。  ■コメント  実はこの上映、10月2日(土)より公開の、モレッティの新作『エイプリル』の前  座なのです。勿論、後日『エイプリル』についてもご紹介しますが・・・  第1部では、ミュージカルの構想を練るシーンや、ふらりと入った映画館で『ヘ  ンリー』を見てしまった後の感想、第2部では、島で出会う、子供達への各家庭  での接しかた、等をお見逃しなく。この辺をおさえておくと、『エイプリル』を  見た時に面白さが倍増すること、間違いなしです。  それまでのほとんどの作品は、主人公がミケーレ。で、この作品から名前まで、  本人がもろ登場します。  テレビ中毒に罹った友人の為、わざわざアメリカ人観光客に、ドラマの続きを聞  いてやったり、第3部でぽつんと言う台詞「医者は話し方は知ってるが、聞き方  は知らない」等の中に、彼流の皮肉がたっぷり。  奇病と医者というと、頭に浮かんだのは、台湾映画の『河』。ある日突然、首が  曲がってしまった主人公を治療すべく、ラストは寺のお祓いまで受けさせようと  する父。考える事は世界共通ですね。  楽しい音楽もいい。『赤いシュート』も手掛けた、ニコラ・ピオヴァーニのしっ  とりとした音楽が流れる、第1部のラスト。一切の台詞を排して、流れるこの音  楽は実に効果的です。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆黄昏に瞳やさしく☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  1990年/伊・仏合作/カラー/99分  9月18日(土)より東急シネマスクエアにて公開   監督:フランチェスカ・アルキブジ  出演:マルチェロ・マストロヤンニ、サンドリーヌ・ボネール、     ジョルジョ・ティラバッシ  ■ストーリー  老教授ブルスキが、薄暗い書斎で、1977年に孫のパペレと過ごした日々を、もう  会うことのない彼女宛に、手紙を書きつつ回想している。  パペレは両親の離婚の危機の中、その寂しさから自分が2人いると思い込み、空  想の世界を生きている。そして、今、祖父のブルスキに一時預けられる事となっ  た。ブルスキは、古くからの家政婦と毎日を規則正しく過ごしており、彼にとっ  てもパペレとの同居には戸惑うものがあった。  利発な孫との生活が楽しくなってきた頃、息子の嫁・・パペレの毋・・ステラが  突然やってきて、3人の“家族”生活が続く。が、自己の生活を優先させようと  する彼女とブルスキは何かと対立する。  そして、とうとう、ステラはパペレを連れて、2度とこの家に戻らない旅に出た。  ■コメント  アルキブジ監督の、あの『かぼちゃ大王』('92年)より前の作品である。『かぼ  ちゃ大王』の中で、全身麻痺の女の子役が、今回のパペレだ。大御所、マストロ  ヤンニを相手に、多重人格に近い症状の賢い4才の女の子、という難役をこなし  ている。  彼女のこれからの成長が楽しみだ。  また、重厚な演技を要求されたマストロヤンニは流石だ。表情ひとつで、その場  の空気を変えてしまう。一方、個性的なフェイスのサンドリーヌ・ボネールは、  したたかな女を良く出していた。  両親の離婚の危機に、精神バランスを崩す娘、というテーマは次の『かぼちゃ大  王』でも引き継がれた訳だが、今回の作品では、もうひとつ、背景となる1997年  という年がキーワードになっている。  「1977年は、私の生涯で最高に悲しくも美しい年だった・・・」と、ブルスキは  孫への手紙にしたためる。ブルスキにとっては、人生の“黄昏”であり、イタリ  アもある意味、“黄昏”を迎えている年といえる。  黄昏時は、次に来る夜の長い時間とを繋ぐ、短く美しい時間。息子が田舎暮らし  を決心して家族が一同に集う、あの美しいシーンに集約される。ブルスキにとっ  ては、それは、長い事忘れていた時間だ。  妻をなくし、長年の研究課題であるプーシキンの論文も、未完成のまま、ひたす  ら判で押したような生活に身をゆだねていた彼にとって、久々の精神の高揚だっ  たに違いない。  一方、イタリア情勢と、ステラの生き方がシンクロしていく。彼女は、大学教授  のブルスキを旧体制の代表として捉え、毋としての役割を要求する彼を、疎まし  くさえ思うこともある。不況、失業がまん延しつつある時、そうした世情に背を  向け、自分の時間を守る彼には反発さえ覚える。  お互い、微かな愛情を感じつつ、最後まで折り合う事の出来なかった2人を、伝  統的な左派と、この頃台頭しつつあった過激派左派との対立としても象徴してい  る。  「私はその流血の前にこの物語を終わらせ、この映画を異なる方向へ進んでいく  異なる世代間の、精神的な移り変わりを描いたものにしました」(1990年12月18  日 La Nazione紙より)・・・と、監督が語るように、翌年からは、過激派テロ  組織による暴動や、政府要人の暗殺等が勃発している。  色々な意味で、対立するものの間に置かれた少女パペレ。成長した彼女の、お爺  ちゃんからの手紙の感想を、是非教えてほしいものだ。映像も綺麗な、しっとり  とした作品です。 鳥野韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.044

1999年 9月 14日 配信
ScreenKiss Vol.044

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Vol.044

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □プレゼント・フィルム:マトリックス   □プレゼント・フィルム:ノッティングヒルの恋人   □プレゼント・フィルム:マルクス兄弟特集「マルクス一番乗り」   □シネマノート:Four Fresh! '99+2 前編 >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆プレゼント・フィルム:マトリックス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  http://www.whatisthematrix.com/japan/  ★★★★  既にwww.whatisthematrix.com/japanはご覧でしょうか?結構凝ったつくりのこの  サイトは、映画の秘密を垣間見る事ができるお勧めです。(しかし結構重たいの  で56Kモデムでないと。)  カンフーを取り入れたワイヤースタント(ワイヤーワーク)と毎秒1万2千コマ  をあやつるマシンガン撮影の魅力は映画が始まると共にいきなり登場する。この  映像を見るだけでも価値がある。  独創的なストーリーの枠組みもあり、このSFはSFファンでなくても問題なく  すんなりと入り込めるのではなかろうか。  視覚効果監修のジョン・ゲイターいわく、「「アキラ」や「北斗の拳」を目指し、  日本のアニメがやっている動き表現したかった。」と。いまハリウッドはジャパ  ニメーション(日本のアニメーション)を研究していることに間違いない。  緑のコンピューターをイメージさせるカラーは見ているうちに脳裏に焼き付き、  自分の中でも次第に理解していくWhat is The Matrix の答えと共に、マトリック  スがここに存在しているのではないかと錯覚させるだろう。  但し、日本的というか中国的なイメージのシーンになるとやはりハリウッドの一  番弱いところ。いいかげんなインテリアは惨めだ。なさけない掛け軸、建築に泣  かされる。  3部作のうちの第1話というこのストーリーはまだ始まったばかりで、実際この  映画を見終わってすぐさま第2話を期待してしまった。次回作では未来での戦闘  が続くのだろう。第1話だけでは「ブレードランナー」に及ばないSFという評価  だが、2、3話で完結した暁にはもしやそれを超える事ができるのかもしれない。  第2話しだいでは第3話が今回のSTAR WARS EPISORD 1のようにシリーズのように  迎えられることもあるのではなかろうか。反対に第3話が作られないという可能  性も十分にあるが。  実際そのころにはさらにCGはグレードアップしているから、今回の映像を超えた  ものが生まれるのは間違いないわけだから、それをいかにコントロールしていく  か、まとめていくかが監督の手腕だ。ただ使うだけではろくな作品がうまれない。  今見てもまだ新鮮に感じる「ブレードランナー」や、その他の名作がなぜそうな  のかという辺りに答えがかくされているのだろう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆プレゼント・フィルム:ノッティングヒルの恋人☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  http://www.shochiku.co.jp/cinema/nottinghill/  ★★★★  恋愛映画という枠の中で考えて★4つの評価をつけました。ハリウッド系のお決  まり「恋愛映画」なんて、という人には耐え難い映画なのかもしれませんね。  休日の気分転換にはたしかにハリウッド映画のハッピーエンドがよい。仕事のス  トレスを感じて憂鬱なときに、暗い不幸な「ニル・バイ・マウス」的な映画を見  たいとは思わない人が多いことは間違いないだろう。自分をどん底に落としてし  まうかもしれない。  ただ反対に、人の不幸をみていかに自分がまだましなのかを知った方がいいとい  う人にはその逆か。  ジュリア・ロバーツは結構好きな女優で、ヒュー・グラントも少し魅力を感じる  俳優で、ロンドンの本屋(しかもトラベルブック専門店!)という設定にも憧れ  を感じて、「ああ、できすぎの恋が実りハッピーエンドを迎える映画だろうな」  と確信していてもとりあえず見てくる事にした。  実際私はたまにこの手の恋愛映画を見たくなる。たいていは魅力を感じない設定、  主演者で気にもとめない映画ばかりだが、いざ気になり始めるとどうにもこうに  も見にいかなければ損でもした気分だ。ジュリア・ロバーツはアメリカでも日本  でも人気があり、あの大口開けた笑顔がなぜかひかれるという人も老若男女とわ  ず多いらしい。  ヒュー・グラントの人気がいかほどかは知らないが、それなりの顔立ち、役柄の  性格では好感がもてる雰囲気で、もしかしてこんな事もありえるのではと一瞬考  えてしまった。(あくまでも一瞬だ)  共同庭園のベンチでのシーンは日本人のなかの理想的なイギリスがあるし、階段  ばかりの細長い青い扉の家は安いB&B(ベット&ブレックファースト)のイメージ  だし、安宿なんて知らなくてもリッツホテルがでているし、車で疾走してくロン  ドンの表通りには2階立てバスが走っている。ついつい「今度の年末はロンドン  か?」と思ってしまう。  素直に評価して、きちんと笑いが織り込まれていて、ほんのりジーンとくる場面  もあり、すっきり終わるところを評価したい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆プレゼント・フィルム:マルクス兄弟特集「マルクス一番乗り」☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ★★  特に若ければ若いほど、彼らの映画をオンタイムに見ていた人、ビデオですら見  ている人は少ないだろうし、日本でそれほど人気があるとも思えない。  マルクスといえばWoody Allenとつながるのは私だけではなかろう。アレンの映画  では彼の両親がグルーチョのマネして眉毛&髭&デカ鼻に黒縁眼鏡をかけて出演  していたりする。(題名を忘れてしまったので、ぜひ教えてください。)  そう言えば、めがねに髭がついたあの東急ハンズなどでも見かけるおもちゃはマ  ルクスからきているらしい。  この映画を含めて彼らの一連の作品は純粋なコメディーで、とにかく「笑ってな  んぼのもん」という世界が広がる。劇場内に笑いがなければ映画は失敗といわん  ばかりだ。さて、我々(?)若い世代はこの映画でどれだけ笑えるのだろうか。  私はにやける程度で、大笑いが出来なかった。単に、それだから★2つの評価に  なった。それではまわりの反応はというと、かなりまちまちでそれほど人が多く  きていなかったこともあり、その反応が適切な評価につながるとも思えない。  コメディーの原点に近い彼らの演ずるドタバタ劇、走りまわり跳びはねり体中で  表現するギャグは、無声映画であったとしても笑いをさそうことが多いだろう。  しかし今となってはテレビや、ちまたにあふれるコメディアンの笑いと大差がな  いと思う。もちろん時代からいえば今のコメディアンがマルクスのまねをしてい  る、影響をうけているといえるのだが実際研究しているわけでもなかろう。それ  こそ、見たことも、名前も知らないという人ばかりだろう。  昔の映画を面白いと感じることはたしかにあり、今でもそれを超えられないと感  じることがある。その場合はもちろんみなさんに強くお勧めするのだが、この映  画のようにコメディーの場合いかに笑えるかが重要だから、笑いを求めている人  にはお勧めするほどでもないだろう。  マルクス兄弟の名前も聞いたことがないという人には特にお勧めしない。彼らの  作品に興味がある人、名前を聞いたことがある人にはぜひ一度映画館で体験すべ  きだろからお勧めする。  ただ、重ねて言うが私はそんなに笑えなかった。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆シネマノート:Four Fresh! ’99+2 前編☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  映画美学校の生徒さん達のフレッシュな作品を紹介する、<Four Fresh! >が、  昨年に続き、今年も渋谷のユーロスペースでこの秋、レイト公開されます。監督、  撮影は勿論、製作等に至るまで全て、学校の生徒によるものです。この機会に、  是非新しい才能をみつけに出掛けてみませんか?  作品については、2回に分けてご紹介します。後日、『意外と死なない』と『薄羽  の蝶』の監督のインタビューを掲載します。 □スケジュール  ◇日時    :9月18日(土)~10月 1日(金)   Aプログラム:9月18日(土)~ 9月24日(金)   Bプログラム:9月25日(土)~10月 1日(金)   上映時間  :連日21:00~  ◇劇場    :ユーロスペース          渋谷駅南口下車2分、JTBさくら通り上がる          TEL 03-3461-0211  ◇料金    :前売り鑑賞券 ¥800          当日一般 ¥1000、学生 ¥900   劇場窓口、チケットぴあにて発売中 □イベント情報   9月18日(土):Aプロ初日3作品監督による舞台挨拶   9月24日(金):Aプロ最終日3作品の監督トークショー   9月25日(土):Bプロ初日3作品監督による舞台挨拶  10月 1日(金):Bプロ最終日3作品の監督トークショー  詳細は映画美学校 TEL 03 (5205) 3565  

□Four Fresh! ’99+2とは?
 97年にスタートした映画美学校(アテネ・フランセ文化センターとユーロスペー
 スの共同プロジェクト)の、初等科から誕生する4本の短編映画が「Four
 Fresh!」。初等科は16mmは初めての人対象で基礎から学ぶ、実践的なコース。そ
 の中のシナリオ課題と、ビデオ課題の総合評価で選ばれ、10日間の撮影と、約1ヶ
 月の編集で完成させたもの。

 選考基準は「完成度の高い作品より、未知の可能性を感じさせる作品」、「観客
 を納得させるのではなく、動揺させるようなもの」。

 このようにして、年令、経歴も様々な生徒達による“劇場公開を前提とした短編
 劇映画”として「Four Fresh! 99+2」が誕生した。今年の「+2」というのは、第
 一期高等科生による、さらなる技術的飛躍を目指した2本の実習作品を講師陣(筒
 井武文、塩田明彦、高橋洋、等)の高い評価のもと、併映される事になったもの。

 今回上映される『意外と死なない』『薄羽の蝶』は今年のPFF(ぴあフィルムフェ
 スティバル)の「特集1・日本映画の未来を観よ!」の中でも公開した。

 なお、昨年の「Four Fresh!」からは『怯える』(古澤健監督)が、クレルモン
 フェラン国際短編映画祭に、『鼻の穴』(稲見一茂監督)がオーバーハウゼン国
 際映画祭に招待されるなど、高い評価を得ている。

□作品紹介
 Aプログラム:9月18日(土)~9月24日(金)

 ◇『意外と死なない』カラー/16mm/42分
   監督・脚本:大九明子
   出演   :億田明子、けーすけ、愛染恭子

  シナリオ、演出力ともに独特のセンスが評価された作品

 ストーリー
 子供の頃から“痛い”事の大嫌いな月子は小学校教師。抜けた歯を見せる子、予
 防注射に泣く子。そんな時必ず頭を過るのが、月子の「痛い思い出」。中学、高
 校での性教育や、初体験。その“痛い”初体験以来ストーカーと化した、嘗ての
 恋人。そして今、“出来ちゃった結婚”しようとしている、同僚マユの日に日に
 目立つお腹を見る度、危険な衝動に駆られる彼女だが・・・。

 コメント
 月子の「イ~テテテ」は女性特有の痛みで再現されている場面が多く、見ている
 側としては、多分女性の方が感覚的に理解出来る気がする。こうして考えると、
 女性は結構「痛い」一生を余儀無くされているようだ。

 渡辺淳一氏が嘗て、『解剖学的女性論』の中で、女性は男性と異なり、「痛くな
 いですよ」と安心感を与えるだけで、実際はかなりの痛みに耐えられると言って
 いた。しかし、月子には通用しなかったわけだ。

 が、彼女の痛みへの怒りは、マユへの暴力的幻想に集約されるが、もっともしぶ
 とく、ある意味で暴力的なのはマユの方かもしれない。

 それにしても、にたついてる癖に存在感のあるストーカー男や、ちゃらんぽらん
 な教師達など、なかなかのキャスティング。月子役はテレビ出演等タレント活動
 もしている監督自身。無理矢理高音をひねり出して「小さい秋みつけた」を熱
 唱?してみたり、途中登場するミニチュアダックスのウエンズ君も堂々配役に名
 を連ねているところなど、茶目っ気のある方とお見受けした。

 ◇『黒アゲハ教授』カラー/16mm/30分
   監督・脚本:福井廣子
   出演   :水谷郷、倉沢愛、山崎剛太郎

  シナリオの独特な世界が高く評価された作品

 ストーリー
 定年を迎えた金森教授の研究室で、本の整理を手伝うマモ君。古本の甘い匂いは、
 幼少時の“物憂げ坂上”を彷佛とさせた。幻聴に悩むカナコは、そこでの幼馴染
 み。

 そこで良く見た黒アゲハと、まるでアゲハ蝶のような美しい肌の金森教授。そし
 て花の蜜の様な古本。カナコはバスで金森教授を補虫網で捕らえる。古本屋でア
 ルバイトするカナコと立ち寄ったマモ君と教授。そこには黒アゲハが舞っていた。

 コメント
 ScreenKissの常連さんはお気付きでしょうか?この作品で金森教授を演じている
 のは、嘗て「バックステージ」にご登場頂いた、字幕翻訳の山崎先生です。(
 バックナンバー20参照)

 まさにぴったりの役処で、これが俳優初仕事と思えないほどはまってました。た
 だ、外出のシーンでは、トレードマークのソフトがなく、何となく普段の魅力が
 出し切れなくて残念だった。

 「古い書物の端っこの甘くなったところだけが、黒アゲハの食べ物なの。活字を
 混ぜてはだめ。教授の寿命を縮めるから」こういった“嗅覚”“味覚”。アゲハ
 が舞い、眩しいようなバスの中の“視覚”。そして蝶の羽のような“触覚”。ま
 さに「感覚的」な美しい作品。

 偶然、試写会で隣に座られた山崎先生は、しきりと照れていらしゃいましたが、
 場内が明るくなり、前の方の席にいた女性達がふと振り返って「あ、あの教授役
 の人だ。すご~い、若いね」と感心していました。先生は「最初で最後の映画出
 演」などと仰っていますが、この分ではオファーが殺到?するかも。

 この作品のロケーションには、先生の御自宅も使われたそうです。実はその辺の
 事情も含め、先生には今、インタビュー第2弾を交渉中です。乞う御期待!

 ◇『よろこび』カラー/16mm/32分
   監督・脚本:松村浩行
   出演   :遠山智子、西山洋一、泉雄一郎

  音、光、構図、キャメラの動き等、徹底した映画表現に対するこだわりが高い
  評価を得た。

 ストーリー
 水辺で笛を吹くグループに献金した為、殴られた父。父を殴ったグループと偶然
 出会ったアオシギ。彼女は昼間、「リズム社」で規則的にドラムを叩く仕事をし
 ている。退職した同僚の後に入社した“自称”ロカビリー崩れが、新米の日給¥
 1,000也を父同様“施し”たため殴られたのだ。が、このグループと共に、退屈な
 毎日を脱却すべく行動を共にするが・・・。

 コメント
 不思議な感覚の映画だ。父と猫のいる家庭の雰囲気も、少しばかり現実味がない
 し、「リズム社」の仕事も怪しい。そこの女社長がそれ以上に怪しい。アオシギ
 が勉強する、天文学ラジオ講座もそれ自体怪しい。不思議なキャラクター達とア
 オシギの生き方に『よろこび』は見いだせるのか。

 主演のアオシギ役は『集い』の監督。視線がなかなか決まっている。ちなみに、
 今回の6作品の内、これが唯一の男性監督作品。

 Bプログラムについては、後編でご紹介します。

                                鳥野 韻子

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              MS. QT MAI

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ScreenKiss Vol.043

1999年 9月 11日 配信
ScreenKiss Vol.043

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Vol.043

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □PFFアワード'99ノンストップ上映2DAYS!    プレゼントもあります。 >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆アイズ・ワイド・シャット☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  □チケットプレゼント   ScreenKiss読者の皆様を各日10名様、上記イベント(9/18・9/19 PFFアワード   99)にご招待致します。応募方法は下記の通りです。   たくさんの応募をお待ちしています。   下記の情報とアンケートの回答を書いて、   ◇あなたの住所, 氏名, 年齢, 職業, 電話番号   ◇希望の上映日 A)9/18 B)9/19のどちらか     (プレゼントチケットは1日のみ)   ◇アンケート    1)ぴあフィルムフェスティバルについてはご存知でしたか?      A)知っていたが行った事はない      B)行った事がある    2)ScreenKissはどの位読まれていますか?      A)創刊以来ずっと      B)今年に入ってから      C)ここ数回      D)今回初めて    3)どんな記事に興味がありますか?(自由回答)    4)今後どのような内容を希望しますか?(自由回答)   なお、発表はプレゼントの発送をもって代えさせて頂きます。   応募先 :[email protected]   タイトル:PFFチケットプレゼント係   締切  :9月12日(日)24:00 必着        (メール配送などの遅れがありますので、お早めに)   当選された方は是非、鑑賞された作品の感想等を御寄せくださいね。    なお、PFFアワードについてや、各賞の選考基準等に関しては、ScreenKissバッ  クナンバー34号を御覧ください。  □『あおい夏』1998年/カラー/8mm/25分  監督・脚本・編集:渡辺充浩  出演:中村雪子、高田信吾、土屋直子  ◇ストーリー  夏のだるい日射しの中で、延々繰り広げられる男女4人の人間関係。それぞれが、  変化を求め、それでいて離れられない青春のひとコマ。  ◇コメント  思う事を素直に表現出来ない、相手への接しかたが、そして自分自身の事さえ、  よく分かっていない。そんな若者の心境を、夏の時間の中に凝縮させた。男女2人  が塀越しに飲む一杯の水。相手との距離を反映しているようで面白い表現だった。  ちょっと間抜けな音楽もご愛嬌だ。ただ、惜しむらくは、台詞が聞き取りにく  かった点だろう。  □『シアワセの記号』1998年/カラー/Hi-8/85分   審査員特別賞・ブリリアント賞(日活)受賞   監督・構成:三好曉    出演:高岡敬子、杉崎竜人、神谷光治  ◇ストーリー  街で見かける“幸せそうな”若者は、どうして幸せなんだろうか?何を基準に幸  せと言い切れるのだろうか。そんな素朴な疑問からスタートした監督は、大勢の  若者にその質問をぶつけていく。そうした若者の中から一人の女性に長時間密着  して、彼女と監督自身の信頼関係が生まれる頃、ひとつの結果が見えてくる。ド  キュメンタリー形式の作品。  ◇コメント  作製していたのが、昨年だったため丁度今年の7月が、いわゆる「世紀末説」。そ  んな絡みもあって、“今が楽しければ充分”という若者達の刹那的な回答が目  立っていた。そんな彼らの答を、今年7月に見ているというのも、不思議な気分  だった。  多くの大人が「今どきの若者は・・」と眉根を寄せるだけで、彼らだって個々に  悩んでいるものの、現実と対峙する勇気が少しばかり足りないだけなのだ。  「どうして?」と執拗に質問する監督。究極の自分探し。密着取材された一人の  女性の成長記でもある。(ラスト近くで事実は小説よりも・・・を実感する彼女  の身辺の変化には見ている側も驚きだった。その後の彼女についても気になる)  ただのドキュメンタリーに終わらず、途中、高校教諭や幼稚園教諭の談話、そし  てニュースや漫画を巧みに取り入れているところが秀逸。ハンディカメラのぶれ  が惜しいところだ。  □『5月2日、茶をつくる』1998年/カラーDV/25分   グランプリ受賞   監督・脚本・撮影・編集・小嶋宏一   出演:山崎祐作、萩原豊、澤井真也  ◇ストーリー  専門学校に通いながら、家業でもある、茶つくりを師匠に習っている祐作。進路  もなかなか決まらず、鬱々とした思いを託すように茶作りに力を込める。そして、  八十八夜の5月2日、師匠と共に新茶の仕上げにかかる。  ◇コメント  一面の茶畑や、ひたすらに茶を手で摘む作業・・・出だしはまるでNHKのドキュメ  ンタリーフィルムのような雰囲気だ。茶つくり名人の草履と、祐作の踵を潰した  運動靴の対比。焦躁感と不安を無心に茶作りに没頭していく事で見事に昇華させ  ていく過程が簡潔に描かれている。背景に見える「茶手揉道場」「一葉入魂」と  いった額からも緊張感が伝わる。手揉みのシーンは茶の香りが漂ってきそうだ。  茶の仕上がりの所で初めて入る音楽と、寡黙な名人と出来たての一杯を飲み干し  た後の「うまいっす」の一言がとても効果的。題材選びも良かった。  □『ウワバミの絵』1998年/カラー/8mm/31分   監督・脚本・演出・出演:山下真由子   出演:樋口わかこ、森美華、吉田絵理  ◇ストーリー  男友だちから貰った1冊の本、「星の王子様」。大人には帽子にしか見えないが、  ウワバミが象を飲み込んでいる絵なのに・・・。そんな柔らかな心を取り戻すよ  うに東京タワーへ向かうマユコ。その下の公園には、公園番付?をしている3人の  女の子がおしゃべりをしている・・・。  ◇コメント  『シアワセの記号』にも見られたような、他者との関わりに不器用な、現代の若  者をよく表現している。針ねずみのように、一定間隔を保っていなければ相手も  自分も傷ついてしまう、それでいて一人ではいられない...。結構な年令の女  の子が塊で、公園のブランコ目指して走りより、我がもの顔に使用する樣は、そ  んなアンバランスさを描いているのだろうか。  説明が多すぎる感じもするし、演出の為か台詞が見事に棒読みなのが気になった。  □『福田さん』1998年/カラー/DV/41分   監督・脚本・出演:宇田敦子   出演:福田史、内山ありさ、玉井章子  ◇ストーリー  福田さんの日常を切り取った、4話のエピソードから構成されている。  「日曜日」実家から送られた蟹を、友人を招待して一緒に食べる。  「かけら」友人の手作りの茶腕を割ってしまい、別の茶碗をプレゼントするまで。  「バドミントン」引っ越しの為1度捨てたバドミントンで、友人と童心にかえって    遊ぶ。  「何でもない日」部屋に遊びに来た友人と、お菓子とお茶で話をする。  ◇コメント  これといった音楽もなく、淡々と福田さんの目を通した日常を描いているだけの  ものだが、“こういう人いたよね”と、子供時代や学生時代等を通じて思い出せ  るような気分になってくる。お人よしで、ちょっと割が合わないような立場で、  でもそばにいるような...。友人役で出演している監督本人も、気負わない演  技でグーでした。 ?『失跡-1998年の補足』1998年/カラー/DV/45分  企画賞(TBS)受賞   監督・脚本・編集:横川兄弟   出演:平田亜希子、大九明子、岡本真太郎  ◇ストーリー  恋人に裏切られたOLケイ。自分をターゲットとした殺し屋を雇った途端、彼女の  日常は一変した。漠然とした日々を送っていた時と異なり、常に緊張を強いられ  るが、生活に張りが出てくるが・・・。彼女は逃げ切れるのだろうか?  ◇コメント  設定は、あのカウリスマキの『コントラクト・キラー』か?という思いも頭をか  すかに過ったものの、中心は逃走劇。屋上から、下水道から、彼女は走る、走  る・・冒頭でも恋人の裏切り現場を押さえるために、自転車を漕ぎまくっていた  し、見ている側も疲れそうな感じだ。まったく、トライアスロンのようにタフさ  を競うのが、殺し屋から逃走だったとは・・・。  下水道の場面は、少し長過ぎて『第3の男』風の緊張感が薄れてしまったのが残  念。空家に来たカップルが彼女の隠れてるベッドの上でよろしくやっている間、  刺さるスプリングにじっと耐える様は、『愛情萬歳』のリー・カンションみたい  で笑える。  全体に抑えたトーンとヒロインの台詞が極端に少ないのは、スリリングさの演出  に役立った。出演者の一人、大九明子さんは、『意外と死なない』で監督デ  ビューし、7月のぴあフィルムフェスティバルでは、特集上映“日本映画の未来を  観よ”の中で上映された。ちなみに監督の横川兄弟は複数の人間でなく一人。  □『にくいあなた』1997年/カラー/16mm/23分  技術賞(IMAGICA)受賞   監督:継田淳   出演:伊藤賢治、前川拓也、鈴木由実子  ◇ストーリー  大学生ばかり狙う連続殺人鬼と、切腹のアングラ映画を作製しようと集まった、  所謂アーチスト志望の学生達。女優志望の女は、リアルさを出すために本当に腹  を切ると言い出すし、撮影担当の男は“自分の感性が許さない”と土壇場で降番。  そこへ、例の殺人鬼が押し入って・・・。  ◇コメント  「寂しかったから」という殺人鬼はじめ、皆どこか自己中心的で、おかしい。が、  その変さ加減を“こだわり”とか“才能”だとかと勘違いしている。監督は、こ  うした“クリエイター志望の勘違い連中”に向けて、冷ややかな視線を向けてい  るんだそうだが、こうした連中はどこの世界にも存在している。  大袈裟に言えば社会全体の風潮とも言える、こうした世界を巧くまとめた作品だ。  それにしても、殺人鬼のマスクが非常にちゃちくて面白い。『カンヌ映画祭殺人  事件』というおバカな映画、ご覧になった事のある方、どこか似てると思いませ  んか?  □『昼下がり』1998年/カラー/β-cam/52分   監督・脚本・撮影・編集:小野靖之   出演:鹿島直弘、新川勝博、加藤恵子  ◇ストーリー  精神を病んでい入院中だった親友、岡村の妻と関係してしまった岸。退院後も岡  村は岸を頼りにしているが、どこか邪険にされる。2人の住む地域で交番のピス  トルが盗まれ、自警団が結成される。自警団に参加した岡村だったが...。  ◇コメント  実は、この作品選考に漏れたのが筆者的には非常に残念だった。テーマは友情、  コミュニティ、弱者への対応、と結構盛り沢山。岡村は自警団に迎え入れられ、  自分なりの場所を得られたと感じ始めた途端、入院の過去を責められた挙げ句、  彼らの中にいた犯人の隠蔽にまで使われてしまう。  狭いコミュニティの中に潜む狂気。脈々と続いている“内輪”意識と“排他性”。  ここには、ルコント監督の『仕立て屋の恋』に似た恐怖がある。いつ被害者が、  加害者にされるかもしれない現実。そこそこのサスペンスフルな演出と、はっき  りしたキャラクター描写はなかなかだ。  □『他、3本。』1998年/カラー/DV/48分  審査員特別賞&音楽賞(TOKYO FM)受賞   監督・脚本:川合晃   出演:伏原正康、江籐公威、藤田裕樹  ◇ストーリー  映画館を舞台に、ヤクザと彼らに借金を返せない男、殺し屋、麻薬売人が拳銃、  麻薬、それぞれの受け渡しに使用したトイレを軸に大騒動。一方、映画館の受け  付けでも、何やら男女関係のすったもんだが・・・。この2人で時間経過を刻み  ながら、話は一気にラストに突入。  ◇コメント  スピーディな展開と、それぞれの役者のはまった演技に思わず身を乗り出したく  なる作品。これは、文句なしに面白い。今回見た作品中では、一番完成度が高い  ように思う。ひょっとして、このまま公開してもイケるんではないだろうか。  それぞれの独立したエピソードが、きちんとひとつに纏まる展開は、計算され尽  くした脚本の勝利。借金男がトイレに立て篭り、逃げ出す算段をするところや、  ラリッた殺し屋が、日本刀のつもりで吸引具(と、いうのだとうか)を使ってパ  フォーマンスする樣は、先が分かっていても可笑しい。  ストーリーの展開や小道具が、確かに『パルプフィクション』的ではある。ラス  トで、仕方なく死人を背負って歩く羽目になる麻薬売人の様子を、台詞だけに止  めたのは大正解。内容で想像するだけで、観客それぞれにラストシーンが浮かん  でいるはず。『太陽がいっぱい』ではトムに実際、死人とお友達を演じさせてい  たけど。  ファーストシーンから、映画それ自体を使って遊んでいるが、ミュージックク  リップ風なラリラリシーンもなかなかで、彼の次の作品も今から楽しみだ。  □『バッド デット』1998年/カラー/8mm/23分   監督・脚本・撮影:郡司正人   出演:菊池徹、福原大介、岸田研二  ◇ストーリー  大学の授業料を使い込み、同級生の菊池に50万の借金をしている福原。利息が膨  らみ、菊池の取り立ては日増しに厳しくなる一方だ。友人、岸田の紹介で怪し気  なバイトに出掛けるも、ほうほうのていで退却。何故か菊池に肩入れし、福原に  不利な発言を繰り返す謎の女。彼女を誘拐して借用書を破棄させようとする  が・・・。  ◇コメント  無表情で無言、とんがったヘアスタイル・・とくれば菊池の感じはまさに「レニ  ングラード・カウボーイズ」。さては、カウリスマキを意識したか、と思ったの  も束の間、鈍臭い福原の存在が妙なリズムを刻んでくれていた。タイトルは、  「まずい借金」とでもいうのだろうか、まさにダイレクトで可笑しい。アイデア  は面白いが、笑いの質をもっと洗練してくれれば、もっと良かったのに。  □『PORTAMENTO(ポルタメント)』1998年/カラー/DV/24分   監督・脚本・撮影・編集・音楽・効果:林拓身   出演:木村一郎、織原恵美、加藤淳一  ◇ストーリー  A「お中元のお返しは届いたか?」→B「おいしかったです」→C「いつも変な機械  が来るんだよな」→D「湿気が凄いの(くぐもった声)」・・・と電話を媒介に、  6部屋の住人が繰り広げる行動を、尻取りのようなゲーム感覚で連係させていく  ストーリー。それでいて、ラストシーンは再びファーストシーンに戻っている不  思議な作品。  ◇コメント  実に手が込んでいる。電話の主を俯瞰で捉える様子は、乱歩の「屋根裏の散歩者」  や『硝子の塔』のような、覗き見的感覚をひき起こす。途中挿入される野球の  シーンも一瞬本当のTVと錯覚してしまったし、おかしな機械も現実に存在してい  ても変でないし・・・と言った全編に漂うフェイクさが面白い。  DVで撮影し、全てMac内で編集されたという制作方法は、今後増えるのではないだ  ろうか。実は、この作品も筆者的には一押しだった。短い時間に要領よくまと  まっているし、映像もスタイリッシュ。監督の更なる躍進を願っています。  □『風は吹くだろう 』1998年/カラー/DV/111分  準グランプリ受賞   制作・監督・脚本・編集・出演:白石晃士、近藤太   出演:笠井曉大、松梨智子、佐野敬子  ◇ストーリー  一時同じ劇団に所属していた、夕希子と町田。2人は同じマンションの隣通しと  なっていたが、夕希子の浮気が原因で別れた。映画監督志望の町田は、2人の出  会いから別れまでをドキュメンタリーとして考証していく事を思い付き・・・。  ◇コメント  初めのうちは、ふられた男の未練たらたら的な、情けないビデオ・・・と誤解し  てしまう。映画は自己満足の賜物とはいえ、究極の自己満足作品だ、と。が、こ  れが曲者。とりあえず、別れた原因糾明と冷静な自己判断、そしてそれらの虚し  さから、もともと脆い男女関係に対するこうした行動の馬鹿らしさ、といったも  のをあぶり出している。音も映像に合っている。  フィクションとノンフィクションの境界が不鮮明になっていくにつれ、脚本の巧  みさに騙されていた事に気付く、という手のこんだ作品だ。  □『ランナーマン』1998年/カラー/16mm/15分  観客賞受賞   制作・監督・脚本・編集・出演:中村隆太郎   出演:達弘介、足立学、藤原洋介  ◇ストーリー  その高校の弱小陸上部は、大会に出たいが部員が不足だった。そこへ、今迄見た  事のない“生まれながらのランナーマン”を自負する男、田中が入部する。自己  の実力の過信からか、体調管理で失敗した田中は、大会でも惨敗。果たして陸上  部の未来は・・・?  ◇コメント  大袈裟なアクション、臭い台詞、いきなり登場する派手な背景・・・と、この作  品の魅力は、そうしたわざとチープな感覚。今時の映画と異なり、CGを使用せず、  オーソドックスな手法で、人間が演じているところが、逆に新鮮。出演者も決し  て巧いとはいえない演技だが、ラストも『ディディエ』みたいで、結構爽やかな  印象を残している。  □『夏将軍 』1998年/カラー/DV/40分   監督・脚本:木下涼子   監督・撮影・編集:上田啓嗣   出演:葉隠みどり、蔵谷貴輪、冨田恵実  ◇ストーリー  ケーキ屋でバイトする志麻子。定職もなく、ぶらぶらと1日を過ごす少女。その  少女と同居している、料理上手な女性。志麻子は思い立って、夏休みを過ごすべ  く、島に独り旅する。素朴な島民や単調な時間の流れでの中で、リフレッシュし  た彼女にはまた、いつもの日常が待っている。    少女は身体が女性への1歩を踏み出し、同居人はありったけの料理を彼女に残し  て姿を消す。「好きな人に、好きな料理を食べてもらうのが、私の幸せ」と。  ◇コメント  『あおい夏』にも見られたようなだるさと、季節の変わり目に向かう区切りとい  う晩夏の時を主人公それぞれの心境と対比させている。バックミュージックが、  一昔前のテレビドラマのような感覚で、夏のひとときを表現している。ここに登  場する3人の女性は、生活環境こそ異なるが、何か新しいことが起こるのを待っ  ている。そうした意味では、志麻子以外は生活内容を明かしていないところは賢  明な設定だったといえよう。  □『テーブルトーク』1998年/カラー/8mm/85分  審査員特別賞受賞   監督・脚本:三内徹   脚本・出演:中野良一   出演:こんみゆき、松谷要作、鈴木葵  ◇ストーリー  料理の巧い兄と学生の妹は、マンションの一室で仲良く暮らしている。そこへ、  父の居所を探して、葵という少女が尋ねてくる。父の知らせた住所が兄妹の部屋  だったのだ。葵に同情した兄は“第3者を家に入れない”という暗黙のルールを  破り、暫く彼女を同居させる。妹はそんな兄に反発して、恋人の元へ外泊の日が  続く。2人で続けてきた、当たり前の生活に微妙な変化が訪れて・・・。  ◇コメント  『秘密と嘘』にインスパイアされたという、この作品。何でもない生活を延々と  写していく、という手法は似てはいるものの、第3者の少女の2人の生活への馴  染み方が、安倍公房原作の『ファミリー』みたいで少々無気味な気がした。  部屋で定位置のカメラが捉える椅子とテーブルの位置が、兄妹間の状況を表すよ  うに、話の進行に従って微妙に変化している。同様に、洗濯物からもそんな様子  が伺える。そうした細かい工夫の積み重ねが、この作品に深みを与えている。  □『プロゴルファー虎木』1998年/カラー/S-VHS/48分   エンターテインメント賞(レントラックジャパン)受賞  ◇ストーリー  下着泥棒の頻発に「下着窃盗犯捕縛方」が設置され、長官の時田と下着泥の老舗、  駒沢一家の助次郎が協力して犯人逮捕に全力をあげる。助次郎は、兄の伝蔵が老  舗の家名を汚す仕事をしているのを恥じての協力だったが・・・。  ◇コメント  のっけからギャグ満載で・・結構・・疲れる。それでいてバックには、“ペール  ギュント”などのクラシックが優雅に流れる、このギャップ。画面繋ぎが早く、  矢継ぎ早のギャグで、ストーリーのちぐはぐさが薄れている。お遊びがそのまま  映画になった感じだ。  監督は余程のカンフー好きとみえて、時田(監督本人)と西日暮里の対決シーン  がえらく長い。ジャッキー・チェンばりのアクションは、かなり練習した模様。  それだけでも努力賞ものです。  ?この度PFFアワードを“全て”見るという機会に恵まれ、最初は小躍り級に嬉し  かったのですが、すぐにこの考えが甘い事を痛感しました。  16本、合計726分(約12時間)の鑑賞は、結構へたばってしまいました。が、最初  の選考の段階では、何と440時間分(応募総数914本)、その中から約40時間分の  作品に絞られた上、最後にこの16本に絞られたというから、審査員の皆様のご苦  労が、骨身にしみて理解したわけです。  しかし、それだけにきっと“あと一歩”のところで、惜しくも選に漏れてしまっ  た作品もあったでしょうから、ここだけの話、「何だこの程度か~」という安心  感を求める為にも1度御覧になられるのに、いい機会だと思います。  また、今迄観客サイドだけだった方も、ひょっとして、これを機に作り手になっ  てみたくなるかもしれません。  何れにせよ、百聞は一見にしかず・・です。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.042

1999年 9月 8日 配信
ScreenKiss Vol.042

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □アイズ・ワイド・シャット   □オースティン・パワーズ・デラックス   □恋は嵐のように   □セレブレーション   □シネマノート:PFFアワード'99ノンストップ上映 >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆アイズ・ワイド・シャット☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  公開前からキワい噂ばかりが飛び回っていたが、オーストリアの作家が原作なだ  けにまるでクリムトの絵画を思わせるような美しい作品だった。  特に公開に際して一番問題になったという仮面舞踏会の世界は、見終わって数日  たった今でも脳裏に焼き付いており、「シャイニング」の双子姉妹の映像、「時  計じかけのオレンジ」のレイプシーンなどと同等に、いかにキューブリックが言  葉や音声で訴えかけるのではなく、映像のみで人の心に恐怖の染みを作るのが上  手い監督かを改めて感じた。  内容的には、夢物語のようでありながら、ある意味非常に現実的な物語である。  性への憧れと不安、死の恐怖など、人間なら誰もが一度は体験するであろうテー  マだからだ。この作品が彼の遺作となったのは感慨深いところだ。  と、ここまで賞賛しておいてなんだが、残念なのがやはり、キャスティングだ。  ニコール・キッドマンは確かにビジュアル的には美しいし、冷たく無機質なふん  いきが役にはあっているとは思う。だが、ひとたびセリフを口にすると舌足らず  な声が幼稚に聞こえ、オープニングのダンスシーンなどは「酔っているの」とい  うセリフを口にしなければ、ただの頭の悪い女にしか見えない。  もともと過去の作品「冷たい月を抱く女」が火曜サスペンスなみの作品に成り下  がっていて、こういう繊細な役を彼女が出来るのだろうか、と心配だったのだ  が…  また、トム・クルーズに関して言えば、確かにいつものように頑張っているのだ  が…その「頑張ってます」的演技がやはりこのような静かな作品には向かないの  ではないか。  そもそも色っぽさを見え隠れさせなければいけない作品なのだから適度な色気と  演技力、そして知性を兼ね備えた役者、たとえばレイフ・ファインズやジェフ  リー・ラッシュ、ユマ・サーマンやエリザベス・シューあたりにこの役をやって  もらえれば更に作品の格も上がるとおもうのだが…                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆オースティン・パワーズ・デラックス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  相変わらず飛ばしまくってくれました!特に前半、放送禁止用語炸裂のTV  ショーのシーンは涙が止まりませんでした…またシアトルのスペースニードルに  あるスターバックスが悪の本拠地になってたり、ホントに芸が細かい。男性自  身!の呼び方がこんなにあるなんて!と英語の勉強になったりもします。  また今回は、オースティン自身よりも、悪役勢がパワフルで笑わせてくれました。  エーヴィルとミニ・ミーのジャスト・ア・トゥ・オブ・アスのデュエットは最高。  残念なのは笑いがあまりに前半に集中しすぎているのと、オースティンとフェリ  シティのロマンスがすんなり行きすぎなところ。まあ前作のお相手は90年代キャ  リアウーマンで、今回は60年っ子っていう差は有りますが…  最近私が最も注目してる女優がヘザー・グラハムなのですが、彼女「ブギーナイ  ツ」以来、コスプレさせたら世界一、まさにオタクの星ですね。これからもどん  どん、看護婦だの、マクドナルドの店員だの演ってほしいものです。まさにベイ  ビ~っていう呼び名が似合う世界一!  次回作はレズビアンの役とか。女の私でもたまりません。                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆恋は嵐のように☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★  こんなものだろう、と覚悟して観たものの、やはりサンドラブロック作品だった  か…という感じ。いやこの作品に関しては彼女は悪くない、と思う。  もともとさほど美人ではないから正統派の役よりはこういうドタバタ系の女の方  が合っているとは思うし、アンチ・サンドラの私でさえ可愛く思ったほどだ。    ではなにがいけないのか、ベン・アフレック、彼も決して悪くない。童顔マッ  チョな雰囲気が優柔不断男にはもってこいだし、もともとアクションからコスプ  レ系までこなせる演技力の俳優である。    要するにストーリーそのものが問題なのだ。相次ぐ災害も最後の方にはしつこく  なりすぎてリアリティが全くないし、さんざん結婚に対する批判をしておきなが  ら結局モトサヤか?!    ストーリーの流れとして、サンドラとベンのハッピーエンドは無理にせよ、もう  少しラストで2人の関係をクローズアップさせ、いかに彼女の存在が素晴らしかっ  たかをアピールするべきではなかったのだろうか。    一体サンドラ・ブロックの存在は何だったのだろう?それともホントにただのマ  リッジ・ブルーとはどういうものかを描きたかっただけの映画なのだろうか?                                 MS. QT MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆セレブレーション☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  先週の記事より反論を頂いたので、その方からの評をこちらでご紹介いたします。  ScreenKissでは、読者の方からのご意見もご紹介いたしますので、我はと言う方  はご投稿ください。(ご期待に添えないこともあります)  父親の60歳の誕生日に、子供や親戚が集まってお祝いを開く。一見どこにでも  ある平和な風景である。しかし、そこで繰り広げられたのは、尋常ではない親子  の対決だった。車の鍵を隠された親戚たちは、親子対決の観客兼審判として残る  ことを、強制されてしまった。  宴会の場での長男クリスチャンの告白に驚きながらも、母親はそれは作り話よね  と言いながら、そうした話は内輪の時にして欲しかったと言う。良識にあふれた  人たちは、問題のある時は当事者同士で充分に話し合うのが良いという。家庭内  の問題の時は、家庭内で充分に話し合えと言うわけだ。ちょっと見は正しそうな  発言だが、家庭内での人間関係が上手くいっていないから、問題が起きたことに  彼等は気づいていない。家庭が問題を起こしたのだ。犠牲者を生み出した家庭  が、独力で問題を解決できるはずがない。  親の体験を子供に伝えることが有効性を失ってきた現代、親の恣意は次世代の教  育に障害になってきた。そのため、旧来の躾を廃して、子供の生きる力をそのま  ま伸ばそうという、社会的な空気が生まれてきた。それがこの映画の背景であ  る。この映画は最近公開された「ファザーレス」と同じ主題である。  家庭内の顔と家庭外つまり社会的な顔は、本人の中で一体化しているので、家庭  内の顔だけを直すわけにはいかない。とくに親はすでに長く生きてきたので、彼  や彼女自身の生き方全体にかかわってくる。小さな時にできた親子関係は、長い  間にわたって固定し、親が本当に現役を退くまで上下関係は続く。生まれたとき  から作られてきた親子関係は、実に強固である。だから、そう簡単には関係が変  わるわけがない。家族が対決するときは、この映画のように観客が必要なのだ。  この父親のように、子供たちに近親相姦をしていたり、また虐待していたりすれ  ば、問題は簡単である。今や、いくら家庭内の問題とはいえ、外の人たちもそれ  に介入する。しかし、家庭的にも良くできた人で、社会人としても品行方正だ  が、親子関係が破綻したとなると、その非難はすべて子供の方へ来る。立派なご  両親なのに、どうしてあんなお子さんができたのでしょうね、と言うわけだ。暴  力を振るう親など、親に問題がある場合のほうが解決は簡単だろう。親は子供に  愛情を持っているとみんなが思っているから、ことはやっかいなのである。  ロバート・デ・ニーロとシャロン・ストーンが演じた「カジノ」でもそうだった  が、非の打ち所のない素晴らしい夫で、妻の言うことは何でも聞き、妻をいたわ  る。それでも荒れていく妻。これでは妻の方が、悪く言われて当たり前である。  親子でも同じで、この映画でも父親はホテルの経営者で、立派な社会人である。  立派な親と子供の関係こそ、子供には何とも言いようのない重圧であり、桎梏な  のである。親子関係の本質が、少しづつだが理解され始めたので、こうした映画  がつくられる。 この映画でも、家族の絆を確認しようとしながら、そのそばか  らこぼれ落ちていってしまう様が、良く描かれていた。近親相姦や暴力は論外と  しても、親もどう子供に対して良いか判らない。男性だけが人間だった時代か  ら、女性も人間だと言ったフェミニズムを経て、今や子供も人間なのだ。子供は  未成熟であるがゆえに親に監督権があるのではなく、親は子供という命を一時的  に預かっているだけなのである。子供は子供のままで自立した人間である。  この映画は、手持ちのカメラで撮られたようで、画面が簡単に転換し、カメラが  狭いところにも入っていっていた。舞台は田舎のホテルだけ、出演者は全員でも  40人くらいと、きわめてこじんまりと制作されている。技術的には感心しない  ことが多かった。それでも見るに耐えるのは、やはり主題を支える問題意識のせ  いだろう。  トマス・ヴィンターベア監督はドグマ95に属し、純潔の誓いに署名しているの  だそうだ。それは、「すべてロケで撮る」「セットを組んではいけない」「音楽  を使ってはいけない」「人工照明の禁止」「手持ちカメラ」などと言った十戒を  守るのだそうだが、まったくナンセンスな話だ。ドグマ95に属するラース・  フォン・トリアー監督が作った「奇跡の海」は、最悪だったではないか。  技術の選択肢は多い程良く、技術に溺れることによって、画面の緊張感が薄れる  としたら、ただ下手だというに過ぎない。この映画で、照明不足により顔にモア  レのようなものがかかって妙な効果がでていたが、あれは単に怪我の功名だろ  う。SFXなどを使ったからと言って、良い映画ができるわけではないのは確か  だが、技術を嫌うことなく技術に溺れることなく、きちんと主題を押さえてって  欲しい。1998年のデンマーク映画で、怪しげな技術ながら現代的な鋭い問題  意識にもとづいた優れた映画であると思う。  本文全体は下記にて公開  http://www.netpro.ne.jp/~takumi-m/セレブレーション.htm                                  匠 雅音 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆シネマノート:PFFアワード’99ノンストップ上映☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  以前御紹介した、7月の「第21回ぴあフィルムフェスティバル」のうち、「PFF  アワード'99」入選作品のアンコール上映が決定しました。前回見逃した方、も  う1度見たい方、是非この機会に若い才能を見に来ませんか?  今回は主催のぴあ(株)のご好意で、ScreenKiss読者の方に各日10名、計20名樣  に1日フリーパスチケットをプレゼント!応募条件はラストにありますので、お  見逃しなく。  ■PFFアワード'99ノンストップ上映2DAYS!のご案内  「東京国際フォーラム・PFFシアター'99/9月」(9/17~19)で「PFFアワード'99」  入選作品を2日間に渡って連続上映するプログラム「PFFアワード'99ノンストッ  プ上映2DAYS!」を企画しました。映画祭終了後、様々な所からあった反響、リク  エストに応える形での実現です。  日時:9月18日(土)・19日(日)  会場:有楽町・東京国際フォーラム・映像ホール(Dブロック1F)  料金:前売1日券 2500円当日1日券 3000円     日にち指定券です     1日フリーパスチケットになります  チケットは「チケットぴあ」又は、お近くのファミリーマートの「ファミネット」  でお求め下さい。  □上映スケジュール   9月17日(金)    19:00~  世界傑作短編集            シネフィル・イマジカ特選 アイルランド短編作品集   PFFアワード'99ノンストップ上映!   9月18日(土)    12:30~  あおい夏     13:05~  シアワセの記号(ポルタメント)    14:35~  5月2日、茶をつくる*    15:20~  ウワバミの絵    15:55~  福田さん    16:40~  失跡-1998年の補足    17:50~  にくいあなた*    18:20~  昼下がり    19:20~  他、3本。   9月19日(日)    12:30~  バッド デット    13:00~  PORTAMENTO    13:30~  風は吹くだろう*    15:40~  ランナーマン*    16:00~  夏将軍*    17:00~  テーブルトーク*    18:30~  5月2日、茶をつくる    19:00~  プロゴルファー虎木   ◇途中、5分~20分の休憩を含みます   ◇予定開始時間の為、当日、多少の動きがあることもあります。   ◇*は監督来場予定作品  □チケットプレゼント   冒頭でお知らせした通り、ScreenKiss読者の皆様を各日10名様、上記イベント   (9/18・9/19 PFFアワード99)にご招待致します。応募方法は下記の通りです。   たくさんの応募をお待ちしています。   下記の情報とアンケートの回答を書いて、   ◇あなたの住所, 氏名, 年齢, 職業, 電話番号   ◇希望の上映日 A)9/18 B)9/19のどちらか     (プレゼントチケットは1日のみ)   ◇アンケート    1)ぴあフィルムフェスティバルについてはご存知でしたか?      A)知っていたが行った事はない      B)行った事がある    2)ScreenKissはどの位読まれていますか?      A)創刊以来ずっと      B)今年に入ってから      C)ここ数回      D)今回初めて    3)どんな記事に興味がありますか?(自由回答)    4)今後どのような内容を希望しますか?(自由回答)   なお、発表はプレゼントの発送をもって代えさせて頂きます。   応募先 :[email protected]   タイトル:PFFチケットプレゼント係   締切  :9月12日(日)24:00 必着        (メール配送などの遅れがありますので、お早めに)   当選された方は是非、鑑賞された作品の感想等を御寄せくださいね。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.041

1999年 9月 3日 配信
ScreenKiss Vol.041

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Vol.041

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>☆ C O N T E N T S ☆------------------------☆<   □黒猫、白猫(山下 裕)   □黒猫、白猫(立野 浩超)   □運動靴と赤い金魚   □クアトロディアス   □映画館で映画を見よう:銀座テアトル西友 >☆------------------------☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆黒猫、白猫☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★★  「この映画は見事に突き抜けている。そしてきっと誰にも真似できない」  まず思ったことである。  この作品の監督、エミール・クストリッツァなる人物を初めて知ったのが「アン  ダーグラウンド」であり、私は勉強不足で、この映画しか知らない。これを観た  ときには、「よく、こんな話思い付くなー」など思い、「しかし実写との合成が  見え見えでひどいなー」など当時「フォレストガンプ」を観てしまっていたため  の比較によるチープさを感じたり、でもラストシーンの地面が流れていくという  今も自分に残る強烈なインパクトと共に、独特で一度聞いたら忘れないあの音楽。  こんな印象がその時あったと思うが、その当時私の中では特に好きな映画でもな  く、この監督の存在はもう記憶の中で消えつつあった・・・。  と、そんな時に「黒猫、白猫」。監督の名前を見れば、あの監督。その中身はと  いえば、話といい、登場人物といい、とにかくぶち切れている。まあ、ラストに  向かって、目隠ししながらトラヴァントが時速300キロキープで農道を突っ走  る、そんな感じです。そして、これまた登場人物が濃縮ソースのようなキャラで  ある。その中でも個人的には、車椅子(らしいが)に乗っているゴッドファー  ザーと呼ばれるじいちゃんは最高です。それから、前作のように意味不明な楽団  がやはり出てきて、あの音楽もやはり健在、そして狂喜乱舞のごとくやはり踊  る。・・・と、ハチャメチャな映画である一方感じたのが、パンフレットに載っ  ている写真を見て、1カットの画が絵画的、アート的とでも言うのかとても魅力  がある。劇中のシーンでも、船が出ていく川のシーン、ひまわり畑のシーン、そ  して林の中のシーンなどは画的にも、とても印象深かったです。    観終わってみて、この映画はまさしくあの「アンダーグラウンド」の、あのエ  ミール・クストリッツァの、紛れもない作品であった。でも自分の中でその昔の  印象とは大きく変わっていた・・・。いま一度、あの「アンダーグラウンド」を  観て、昔の作品も観て、そしてまた「黒猫、白猫」も。                                  山下 裕 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆黒猫、白猫☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  「この映画は見事に突き抜けている。そしてきっと誰にも真似できない」厳しく  つけて☆は3つまでだろう。エンディングにかけての盛り上がりは評価したいが、  それまでの退屈さ、コメディーとしては評価できないところがマイナス点。    「黒猫・白猫」はコメディーであるかどうか?大爆笑している人がいるかどう  か?私にとってこの映画はどこからどう見てもコメディーではなかった。コメ  ディーというジャンルの中にこの映画を置くとすると最低レベルだろう。映画館  のなかはほぼ満席だったがほとんど笑い声は聞えず、見終わった観客達のなかで  笑いながら帰っていった人もほとんどいなかったということが正直に評価してい  る。(これは私が見た回だけだったのだろうか?)確かに日本人は映画館の中で  大声で笑うことがすくないが、そのことを十分わかってのことだ。    しかしコメディーの範疇を広げて解釈すると、皮肉や、ブラックユーモアのたぐ  い、風刺というものもあり、その中には収まりそうだ。ただ、それらにはメッ  セージ性が必要ではなかろうか。「黒猫・白猫」には「アンダーグランド」(★  ★★★★)のように宗教・民族的な重たいメッセージはほとんど感じられず、そ  の為タッチが軽くなっている。また、一人一人の人間の面白味は深いものがある  が、笑えるほどではない。    さて、雑誌の映画紹介の写真、コマーシャルですぐに気付く点は、色の美しさ。  これは全体を通して言えることだが、必ずしもきれいな場所で撮影している訳で  もなく、衣装が多彩な色使いをしている訳でもなく、どちらかといえば小汚い場  所、衣装でのぞんでいるのにもかかわらず、色彩豊かで発色のいい映像に仕上  がっている。まるで輝くような色が映し出されている。コメディーとしては空回  りするような演出のなか、結婚式のごちゃごちゃでイダ(ブランカ・カティチ)  が踊る場面の美しさは、クストリッツアならではだろう。「アンダーグランド」  でも同様の美しいシーンがあったが、「黒猫・白猫」中の必見のシーンだ。    評価したいのは山々だが、期待が大きすぎたせいもあるだろう。ここは厳しく誉  めすぎない程度で書き終えよう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆運動靴と赤い金魚☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★  イラン映画といえば・・・。確かにまず出てくるのが、アッバス・キアロスタミ。  でもこの映画はキアロスタミっぽくなくて、まず個人的には好都合であった。そ  して最近の、特にアメリカ・ハリウッド映画などではまずお目にかかれないだろ  う、何とも素朴な映画だった。多分、相当低予算であるだろうし、それでもしっ  かり映画は作れるということでは素晴らしい。    さらに、この映画で素晴らしいのは子供の表情であると思う。それにしても主役  の兄妹がよく泣き、悲しそうな顔をするのだが、その表情だけでつられてか同情  してか心がジーンとしてしまった。それでいて時折見せる笑顔がまた素晴らしい  のである。ただ、この映画は子供の表情の豊かさという部分が圧倒的に強くて、  それを除いたら・・・と考えると、どうもピンとこない。観終わって、実際、何  か物足りなさというのか何というのか・・・。ストーリーで引き付けるという要  素がもうすこしあればなのか。何か児童映画といった感じだった。まあ、でもあ  の表情を観るだけでも十分か。                                  山下 裕 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆クアトロディアス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ★★★★  粗筋などに関してはBOX東中野のHOME PAGEに詳しく載っているのでご存知ない方  はそちらからどうぞ。http://www.mmjp.or.jp/BOX/database/quatro.html  魅力的な映画は、出演者が有名だとか、監督が大物だからとか、原作者が文学賞  をとったなどという事とはまったく関係がない別のところで生まれている。  しかし残念ながら映画を観にいく場合の映画選びの重要な要素とは、そういった  事柄ばかりで、観客数もその3つの要素に大きく影響されている。たまには人の  意見に耳を傾けて、今週末観にいく映画、借りるビデオを決めてもらいたい。  クアトロディアスは残念ながらすでに公開は終了していて、レンタルビデオに頼  るしかないので、リバイバルに期待しましょう。  南米映画は仏映画よりもよっぽど見る機会が少ないが、最近はアカデミー賞から  みで「セントラルステーション」、サンダンス映画祭からみで「フラミンゴの季  節」と上映が続いた。「クアトロディアス」も97年アカデミー外国映画賞にノ  ミネートされていた。  もちろん南米ばやりというわけではないが、今後も各配給会社には南米映画へも  目を向けていってもらいたい。  それと同時に、国際交流協会が主催する映画際(特集といったほうが正確だが)  でも積極的に取り上げてもらいたい。最近主催回数が減ったように感じるのは気  のせいだろうか?  「クアトロディアス」を見終わると南米のパワーを感じる。この映画はチラシの  裏側にあるサン誌の批評「この四日間(クアトロディアス)は見る者全員に忘れ  られない四日間になる!!」とか、スティーブン・スピルバーグの「ブルーノの  最高傑作だ!」といった言葉があらわす通りで、期待を裏切らない。いつもの当  てにならない宣伝文句ではなかった。  これはノンフィクションをもとにした映画だが、その為に生じる退屈さを排除す  るための努力を感じる。まず他面な側面からの演出。首謀者、誘拐された大使、  目撃者、警察といった一人一人が重要な主役となっている。独唱で生じる押し付  けがましさがないため、冷静に一人の目撃者として、または仲間としてこの映画  を見続けることができる。  また、話の抜き出しが上手いため、首謀者フェルナンドの人生感にも共感ができ  たり、反対に具体的に批判ができたりすることだろう。物足りなくもない、説明  しすぎでもない上手い脚本がそこにはある。  映画を撮るにあたり、誘拐首謀者達にたいしてあまり友好的になりすぎることも  なく、反対に批判的でもなく、感情をあまり入れない撮影をしている。もちろん、  中立ではないことは、チラシや予告編に使われていた写真で首謀者が握りこぶし  で腕をあげ、ピースサインをかざしている姿を使用していることが暗示している。  もちろん、その曖昧に近い立場が、この事件が与えるメッセージや、原作が訴え  たかったことをぼやけさせてもいるようだ。  あまり政治的にどうのという内容でもなく、単純に犯罪物映画としてみればいい  のではなかろうか。実話ならではの迫力があるから、ハリウッド映画の犯罪物と  は大きく雰囲気の違う映画として満喫できるだろうし、ギャグを織り交ぜている  わけではないためリアルな恐怖がある。  2流ホラー映画よりも恐いかもしれない。まだまだ残暑厳しいいまごろにはお勧  めの一品です。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆映画館で映画を見よう:銀座テアトル西友☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  立地/  銀座テアトル西友は、京橋駅からは近いのだが、JR有楽町駅や地下鉄銀座 駅か  らだと徒歩10~15分と、ちょっとかかる為、銀座エリアには珍しく「こ こ  の映画館の為にわざわざ外出しました」という自己主張ただよう客が多い。   (深い意味はありません。)  銀座の他の単館系/  シネスイッチや、シャンテシネでは眠りにきているのでは? とか、ちょっと臭  い人がいて不快に思うこともあるが、銀座テアトル西友にはあまり見かけない。  また、マナーの良さも格別で、客層のよさが伝わってくる。立地条件のよさと言  うか、ここの回りにはその手の人も少ないのだろう。  館内設備/  自動販売機では紙パックジュースを販売している。映画館では飲食を しないも  のという前提に立てば十分だろう。飲食を積極的にすすめる最近のシネマコンプ  レックス形式はそれでいいのだろうが、個人的には食べ物は止めてもらいたい。  ただ、咽が乾くと落ち着いて映画をみれなくなる事と、あまり音もしない点では  飲み物くらいは許可してほしいものだ。全くの飲食禁止の館内は確かに臭いもな  くきれいなのだが、必ず一長一短あるものですね。  トイレは男性用は十分あり、待ち時間なし。  女性用はちょっと少ないようだが、この規模の映画館ではしかたないのでは?   チラシのコレクションも多く、関連企画として写真やイラストが壁にかかること  も多い。  館内は段差が十分あり、どの場所からも実に良く見える。画面のサイズと、館内  の大きさが一致していて、端でも後ろ側でも本当に見やすい。もちろん、最前列  では見上げてしまうし画面に近すぎて見難いが、それでもまだ我慢できる。満席  になれば座布団をかしてくれるので、階段通路に座れるが、ここからでも画面は  見やすい。  係員は2階席と呼んでいるが、階段4段程度の段差で別れているだけで、2階席  も1階もない1フロアーの映画館。他の映画館の2階席の用に、1階の上に重な  るように張り出しているのではない。  今後の企画/  ScreenKiss Vol. 039で紹介しています。特色があり、面白味のある企画ですね。  各作品の評価はさておき、レイトやオールナイトで過ごす時間は格別ですから、  ぜひ足を運ばれることをお薦めします。(仕事帰りは眠たくてつらいこともあり  ますが、、、。)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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