ScreenKiss Vol.067

1999年 11月 30日 配信
ScreenKiss Vol.067

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □グレン・グールド 27歳の記憶   □ストレンジャー・ザン・パラダイス   □ダウン・バイ・ロー   □エイミー (AMY)   □ゴースト・ドッグ   □ウェイクアップネッド   □200本のたばこ   □運動靴と赤い金魚 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆お願い☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■スクリーンキスのホームページがリニューアルいたしました。  スクリーンキスは映画を愛して止まない人々のために、単なるデータや紹介文で  はなく、独特な記事を提供してきました。今までホームページは単なる看板、バ  ックナンバーの置き場所と化していましたが、メールマガジンでは表現しきれな  い部分や写真などを含めて紹介していくようになりました。  新しいコンテンツ  □映画祭  スクリーンキスの特徴である映画祭レポートを写真付きで紹介しています。また  映画祭で出会ったスターの写真を簡単な解説付きで閲覧できるようになりました。  □インタビュー  今までスクリーンキスで行ったインタビューを写真と一緒に見ることが出来ます。  □バックナンバー検索  今まで発行された記事を検索できるようになりました。 ■あちゃら「メールマガジン大賞」への投票をお願いいたします。  ScreenKissはイサイズ・あちゃら「メールマガジン大賞」へ参加しています。  是非投票をお願いいたします。  投票はこちらへ。  メールマガジン大賞・人気投票フォーム  
 

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>>☆1☆グレン・グールド 27歳の記憶☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督・製作:ロマン・クロイター、ウルフ・ケニッグ    16mm/モノラル/B&W/58min/1959年 カナダ    11/20(土)〜銀座テアトル西友にてモーニング&レイトショー    連日21:20〜(終映22:30) 土日祝10:00〜(終映11:00)    一般\1500 学生\1300 (水曜・シニア\1000) 内容:  22歳で録音した『ゴールドベルク変奏曲』が大ベストセラーとなり、以降も世界  中から大絶賛されながら、32歳でコンサート活動から身を引いたピアニスト、グ  レン・グールド。彼はその後、50歳で亡くなるまでレコードだけを発表し続け  た。  ピアノ選びから始まる録音風景。カナダの自宅での練習風景や、友人との語ら  い、愛犬バンクォーとの日常、といったOffの様子を収めた前編。それに続き、  ニューヨークでの録音風景に見る音、音楽へのこだわりを、後編で『イタリア協  奏曲』に凝縮してみせている。 コメント:  『images』『The little Bach Book』『Great Pianists of the 20th Century』  『Glenn Gould Live in Leningrad 1957』『Glenn Gould at the Cinema』これ  は、筆者がこのフィルムを見たあと購入してしまったCDである。  実は彼の名前とゴールドベルクはセットで記憶にあるのだが、晩年録音した同曲  のCDでジャケットの彼が妙に偉そうで、つい敬遠していた。が、このフィルム以  降、気づいたら大ファンに変身していた。プレビューから3ヶ月、ピアノのCDな  ど買う気が全くなかったのが信じられない位、いまだ毎日どっぷりはまってい  る。  フィルムでは、まず彼自身の独特の個性に惹かれる。まだ27歳というのに、  ファッションには無頓着で、超のつく寒がり。よく見るとハンサムなのに髪もボ  サボサ。そんな彼が、結構写真に執着して、演奏中の撮影に決めのポーズをする  ところなど笑える。  そして、そのカメラというメカとの距離が、実は人間を前にしたコンサートよ  り、録音という、機械に近いという彼の考え方と結びつく事に気づく。60年代、  丁度様々なメカニックが進歩していった時代、言ってみれば時代の申し子でも  あったと言える。映画音楽に、積極的に関わったのもこんな理由からかもしれな  い。そういえば、同じ頃、カラヤンも録音技術には少なからず関心を寄せていた  一人だった事も思い出される。  彼は40代終わり頃、よく放送関係に出演する際、扮装をしていたという。つま  り、彼は非常にシャイな性格で、何かちゃかしたり、自分でない何かになる事で  照れ隠しをしているのだ。その片鱗がフィルムでも伺え、そうしたことが後年の  彼の「変人」というレッテルに結びついたのだと思う。  愛犬に演奏旅行先から葉書を出してみたり、とてもお茶目な性格だ。その彼が唯  一正直に感情を吐露出来る手段がピアノだったのだと思える。バッハへの「尊  敬」から、ペダルを踏まないよう脚を組み、あの陶酔しきった表情でハミングし  ながら演奏する様子はまさに、周囲になにもない彼だけの世界になっている。  (初期のレコードには彼のハミングが拾われている)  音楽に対しては、型破りな彼もどこか孤独な陰が見える。これは、カナダに生ま  れながら超寒がりなくせに「北」を愛してやまない・・多分、彼を音楽へと導い  た毋の思い出等があるのだろう・・そんな心情に所以するのではないかと思う。  彼の天才的な音楽はCDでも聞けるが、このフィルムでグレン自身を知ってからで  はその響きも異なって感じるかもしれない。実際、私自身、音楽以前の「彼」と  いう素材に惹かれてから聞いたその音には、彼以外にその音を出す事が考えられ  ない。シャイで動物好きで、少し悪戯が好きで、寂しがりで。音楽の才能を除け  ばグレンと重なる部分があって、余計惹かれているのかもしれない。  フィルムの中で演奏する曲は、クラシックファンならずとも1度位は耳にした事  があろうものも多く、よく「皆が知ってる曲程難しい」と言われるの事が実感出  来る。  今生きていればまだ67歳。バーナード・ショーみたいな皮肉屋さんか、案外お茶  目なピアノの先生あたりになっていたかも。惜しい事である。  にわかファンとして・・・彼の入門CDとしては、筆者も持っている『images』  (SONY/SRCR1919〜20)がお薦め。バッハとそれ以外の2枚組で、シンプルながら  写真集もついています。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ストレンジャー・ザン・パラダイス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ジム・ジャームッシュ    84年/白黒    脚本:★★★★★  文句無しの脚本は、古さを感じさせない。  カンヌ、ロカルノ、全米映画批評家協会賞とそれぞれ受賞した作品はさすが何年  経っても色あせないものだと実感する。(例外も多々あるが。)  また、この映画の単純な撮影方法は新人監督達に勉強になるのではなかろうか。  カメラは人物をゆっくり追いかけて動くが、へたな小細工なしにそのまま映して  いる。その場所に自分が立っていたら、恐らくそれを見るだろうというものを、  そのまま撮影しているようで心地いい。きょろきょろしすぎないカメラワークも  落ち着いたストーリーに合っている。  各シーン(ワンショット)とシーンの間はブラックフレーム(真黒な画面)でつ  なぎ、私には多少この黒い画面が場所によっては長すぎると感じたが、それでも  不快ではない。許せる程度の不満というところだ。  モノクロ映画の良さの一つに、勿論映画館で見る場合に限るのだが、映画館の中  が真暗になると館内自体がモノクロの色合いになるため、館内全体がスクリーン  上の映像に融合していく点がある。例えば部屋の中でのシーン。画面の端が暗い  場合、そのまま館内に融け込んでいき、自分達が部屋にいるような臨場感を覚え  ることがある。(あまり明るい部屋のシーンではだめだが、モノクロ映画にはそ  こまで明るい部屋はありえない。)  カラー作品ではこのような感覚をあまり感じられないし、全編を通して感じ続け  ることは不可能ではないだろうか。カラー作品の場合はあくまでもスクリーン上  だけで流れていくようで、音響の迫力(効果)では臨場感を強く感じることがあ  るが、映像に対する一体感は少ない。  役者の質で言えば、ジョン・ルーリーは上手い。演技ではなく、地で行っている  のだろうが、それにしてもあの帽子、ポロシャツのセンス、サスペンダーといっ  た小道具があまりにもあの個性的な横顔に似合っている。私は映画以外で彼を見  たことがないが、まるでピーター・フォークが刑事コロンボのごとく、ジョン・  ルーリーはウィリーだった。  常夏のフロリダの気候を感じる映像ではなかったが、クリーブランドの寒さは上  手く捕らえていた。ニューヨークは部屋の中ばかりでコメントしがたいが、貧乏  なアパート暮らしの感覚は伝わってくる。  ジム・ジャームッシュのファンは日本に多いことだろう。西部劇好きな私が  「デッドマン」では寝るほど退屈し、衛星テレビで見た「ナイト・オン・ザ・フ  ラネット」にはあくびがとまらなかった私だが、これでようやく皆さんと同様、  「ゴースト・ドッグ」に期待が生まれた。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ダウン・バイ・ロー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:ジム・ジャームッシュ    86年/白黒    脚本:★★★★★  I SCREAM, YOU SCREAM, WE SCREAM, FOR ICECREAM!  ザックとジャックはそれぞれ同様に顔見知りにはめられて警察にとっつかまった  不運なやつら。刑務所の同じ房に入れられる。そしてそこにもう一人、イタリア  人のロベルト(ボブ)がくる。彼は偶然殺人者になってしまった。ザックと  ジャックはなんとなく似ているのだが、片言英語しかはなせないボブはなんとな  く不思議な性格。この3人がなぜか一緒に脱獄。地獄のような湿地帯を抜け、天  国の様な結末が。  この映画はおそらく、低予算だから選択の余儀なく白黒になったのだろう。しか  し、白黒で十分満足させられる。馬鹿にしているのではなく、カラーでなくても  十分満足できる映像を見せてくれるということ。もちろん、カラーで撮影されて  いたらそれを否定するような意見はでてこなかっただろうが、「白黒の作品をカ  ラーでみたい」と感じることはなかった。本来白黒のもつ表現力は、写真(カメ  ラ)が好きな人には理解できるだろう。それを生かす為には写す物(対象)に十  分注意しなくてはならないのだが、この映画のオープニングでスラムの様なさび  れたほとんど人のいない町を車から撮影している場面など、まさしく白黒のため  の風景だった。  シンプルな分かりやすいストーリーは、一見退屈してしまうようだが、すっきり  していい。間抜けな3人組みが起こすちょっとした騒動が、にやけてしまう程度  に面白い。  3人に友情が生まれるとまではいかないのだが、それでも信頼に近いものが少し  生まれる。人物の性格をうまく生かして演出している為に、セリフ一つ一つが  しっくりきている。  アメリカらしいストーリー展開、アメリカ的な人物像のザックとジャック、アメ  リカを象徴するようなイタリア人移民のロベルトの性格がうまく噛み合っている  すっきりとした脚本のもと、抑えた表情でひょうひょうと演技をするトム・ウェ  イツとジョン・ルーリー、きっちりコメディアンとして演技をこなすロベルト・  ベニーニと現在の奥さんニコレッタ・ブラスキ。役者達は皆はまり役で、最後に  ジム・ジャームッシュの才能がそれらを上手くまとめた映画。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆エイミー (AMY)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    感動:★★★☆☆    総評:★★★☆☆    監督/脚本:ナディア・タス    脚本/撮影:デヴィッド・パーカー    音楽   :フィリップ・ジャド(『スピリット・エンズ』)    出演   :アラーナ・ディ・ローマ(エイミー)/          レイチェル・グリフィス(タニア)/          ベン・メンデルソン(ロバート)/ニック・パーカー(ウィル)    オーストラリア映画/97年/カラー/103分/ドルビーステレオSR    99年 カンヌ・ジュニア映画祭 グランプリ    98年 ブリスベン映画祭 最優秀作品賞    98年 ハートランド映画祭 最優秀作品賞    98年 リヨン国際映画祭 ヤングコンペ審査員賞    98年 アメリカン・フィルム・インスティテュート         最優秀女優賞/最優秀脚本賞 □ストーリー  少々おちゃらけぎみのキャラクター達が住むメルボルンのダウンタウンに引っ越  してきたタニアとその娘エイミー。父親(ロックスターのウィル)の感電死以  来、エイミーは耳が聞えず、口もきけない。しかし、向かいの家の売れないロッ  ク歌手・ロバートがテラスで弾き語る歌声とギターの音に、なぜかエイミーは反  応を示す。そして、彼らの行動はエイミーと母親に大きな変化を与える。  この映画を見て感動するかどうかは人によって大きく異なるだろうが、啜り泣き  している人もいた。暗くならずにすむハッピーな感動を得る事ができるだろう。  また、この映画は子供向けの色合いが濃く、演技や舞台設定のセサミストリート  のような明るさは好き嫌いが分かれるだろう。親子連れを対象としていると考え  た場合、適切な設定だが、私の場合毛嫌いはしなくても、好きではない。  エイミーを案じて、保護の為に執拗に追いかける福祉局の2人組みは、誇張さ  れ、滑稽でもある。この2人を少々悪人のように見せているいるのは、彼らの仕  事の重要性が間違って伝わってしまいそうで恐い。この映画でも結局母親の行動  には反省すべき点が出てくるのだから、福祉局もまんざらではなかった。  父親・ウィルを演じるのは、オーストラリアの人気ロックバンド"The Reptiles"  のヴォーカル・ニック・パーカー(最近"The Damn Mermaids"に移籍とのこと)  で、劇中で演奏する曲はすべて彼の書き下ろしオリジナルだ。彼を知っている人  にとってはそこも見所だろう。  アラーナ・ディ・ローマ(エイミー)は、シドニー出身の八歳。現在小学4年生  だが、歌声と純な演技は魅力的。日本で子役といえば、"何とかスクール"に通っ  ているような子供達という場合が多いのだろうが、擦れた大袈裟な演技はそのま  ま日本の大人の役者に共通している。教える側に問題があるのだろう。  特に評価したい映画ではないが、見終わった後なんとなく劇中のいくつかの歌声  や、リズムが頭から離れない。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ゴースト・ドッグ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    脚本:★★★★☆    演出:★★★★☆    総合:★★★★★  先週のジム・ジャームッシュ特集を2本見て以来、いい映画を見た後に感じる余  韻に浸っていたが、この気分は引き続きこの映画を見るために準備されたかのよ  うだった。細部まで満足する内容ではないが、それでも十分いい映画だった。  まず、この映画で主題になっているのは「葉隠」。私はほとんど知らないから、  それには触れないでおこう。  サムライや武士道とか、どうもアメリカのジャポニズムには日本人にとっては的  外れに感じることが多い(ほとんど)のだが、これも真剣に見れば日本的ではな  いだろう。しかし、それでもジャームッシュ映画の場合はどことなく笑えること  を意図しているかのようで、フォレスト・ウィティカー演じる殺し屋ゴースト・  ドッグのとぼけた行動と、古き悪しき老いぼれギャングや、町の住民たちによっ  て、まさしく上手い演出と変わっていく。  今回の撮影はあまりぱっとしなかった。空を群れなしてとぶ鳩の撮影では、カ  ラー作品の良さが全く伝わってこない色合い。このシーンを差し込むことが重要  で価値のある行為なのだが、撮影(色合い)が足を引っ張ったかようだ。  音楽には好き嫌いがあるだろうが、画面とのマッチングは十分だろう。迫力はな  いにしても、真剣味が伝わってくる程度にリズムがはやく、ゴースト・ドッグの  体系(でっぷりした、決して筋肉質ではない)にはこの程度がよかったのだろ  う。  「黒人ギャングの名前、インディアンの名前、その後に呼ばれる殺し屋の名前」  これは映画を見た人には分かるだろうが、こういったセリフの面白さと、黒い野  良犬を見つめるゴースト・ドッグ、アイスクリーム屋のフランス語しが離せない  ハイチ人、カートゥーンばかりみているボスと、小細工が満載だ。  フォレスト・ウィティカーの演技はごく普通のものだったが、老ギャング達は上  手かった。名優達(老人達)の演技は動きが鈍く、ゆっくりとした行為のなかに  哀愁がただよい、地味ながらも細かい気配りを感じる。  ぜひ見てもらいたい映画だが、派手な映画では決してなく、どちらかというとイ  ギリス映画の雰囲気か。(鳩のせいではない)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆ウェイクアップネッド☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  これまたブリティッシュムービー。いやー、最近本当に多い。それにしてもこの  映画、アメリカでは25週を超えるロングランヒットしたらしいです。  ストーリーは、アイルランドの小さな村で誰かが宝くじに当たった。だがその当  選した老人ネッドは喜びあまってショック死。ネッドは身寄りがないので、この  ままだと賞金を国にとられるため、同じ村の老人マイケルとジャッキーがその賞  金をネコババしようとすることで、やがては話が村全体に・・・。  ブリティッシュムービーでありながらこの映画の舞台はアイルランドで、劇中出  てくる空撮での映像がとても雄大で引き立つ。さらには音楽も、古今アイルラン  ドのミュージシャンの起用、アイルランドの伝統楽器を用いたサウンドなど、も  うアイルランド一色。  とにかく軽いテンポでストレート。終始それが貫かれている。観終わった後には  何も残らない。でもこれはコメディとして本当に何も考えず、とにかく観てる時  に楽しむといった映画。まあ、出だしで地球全体から入るあたり、そんなことは  一目瞭然かも。あと、老人マイケル役のイアン・バネンがいい味出してます。何  かもうにじみ出てくる存在感ですね。  たまにはこういう映画で息抜きもいいのでは。アメリカでヒットしたのも観てみ  ると妙に納得。                                   ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆7☆200本のたばこ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  非常に時期的な作品ですねー。ねらってます。あらすじは簡単にいえば、大晦日  (英語だとニューイヤーズイヴだそうで)にあらゆる男女が一緒に過ごす相手を  探すといった、コメディっぽいラヴストーリーなんです。  俳優陣もベン・アフレック、ケイシー・アフレック(兄弟で出てる)、コート  ニー・ラヴ、クリスティーナ・リッチなどといった若手スター大競演だそう  で?、どれが主役というわけでなく様々な人が出てきてストーリーが展開してい  く。  この作品に関しては、特に目新しいものもなく、ストーリーもひねっているわけ  でもなく、それぞれの登場人物のエピソードを楽しむ感覚で、軽い映画です。何  の感動も心に残るものもないでしょう。たぶんアメリカ人はこういう映画がまた  好きなんですね。個人的には出だしのタイトルバックが好きですね。  MTVがからんでるので、その辺のにおいがあったと思うし、あまり気にはなら  なかったのですが、やはり音楽もポイントになるのでしょう。  もう十二月ですし、こういう映画はカップルで行って観てください。あと寂しい  気持ちにならないためにも、一人で観に行くのはあまりオススメできません。                                   ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆8☆200本のたばこ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   ★★★★☆  実はクラブ通い大好き!の私としては実に楽しめる作品でした。MTVがバックアッ  プしているだけに、なにせ音楽がイイ。のっけから終わりまで、ノリノリの80  年代ミュージックで彩られ、あたかも自分もクラブ(当時はディスコか。)や  パーティに参加している気分に。  舞台は80年代前半のニューヨーク、大晦日。なんとかして新年を共に迎えるお  相手を探そうとする男女の奮闘を描いたストーリーですが、 日本でも一時、ク  リスマスにパートナーがいないのは恥ずかしい、みたいな風潮があったのでその  気持ちはよ〜く解る。  登場人物達が揃いも揃って不甲斐ない一面を持っているのも、リアリティがあっ  てイイ。ニュージャージー出身が故か、今一つクールになりきれない素朴なパン  ク少年トム(ケイシー・アフレック)や、パーティーに皆を招待するも、誰も来  ず酔いつぶれるモニカ(リバーフェニックスの元彼女、マーサ・プリンプトン)  など、こういうのって、あるある〜!って感じ。  特筆すべきはやはり、今や童顔巨乳の頂点を極めた、クリスティーナ・リッ  チー。太って何が悪いのよ!ってな程、最近の彼女の活躍ぶりはめざましいけれ  ど、この作品でも童顔に厚化粧、はすっぱなセリフの得意技を披露。でもスラン  グ使って下品な事を言ってても、その声の可愛さや、赤ちゃんみたいなオデコの  おかげでどうしても可愛く見えてしまうんだな。他の女優達はこぞって整形した  り、豊胸したりしてるのに素でこれだけ勝負できるとは、さすがアダムス家の  娘。肝がすわってます。  もう一つ、ファッションがとにかく笑える。パステルカラーや原色に花のデコ  レーションみたいなハデハデ衣装、ミストでばっちり固めちゃいました、みたい  なヘアスタイル、大きめなイヤリングなど、今では誰も着ないような、テイスト  のものが一杯。  決して良い子はマネをしないように。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆8☆運動靴と赤い金魚☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   ★★★★★  この作品は97年度のモントリオール映画祭にてグランプリを受賞しています  が、私は同年、この映画祭に行ってまいりました。  残念ながらこの作品は当時見ることができませんでしたが、他の作品のレベルの  高さからみても、この作品は受賞するに値する作品だと思います。  イランの監督、映画、といえばキアロスタミの名がまず浮かびますが、彼の児童  映画がややドキュメンタリー・タッチに進むのに比べ、この映画はかなりドラマ  仕立て。  でも1つの靴を2人で分け合う貧しい兄弟、という設定を決して「一杯のかけそ  ば」的な美談に仕立てあげるわけでもなければ、お涙ちょうだいの哀しい話しに  しているわけでもない。まさに子供の視点で描かれているからこそ、見るものも  一緒に笑ったり、泣いたり、ドキドキしたり童心にかえって楽しむことが出来る  では。  シャボン玉のシーン(汚れた靴を2人で洗うシーン)は本当に心が洗われる思  い。原題が「チルドレン・オブ・ヘブン」なのも、まさに、という感じです。  子供というのはお金がなくても楽しむことが出来る天才。そしてイラン映画界  は、お金をかけなくても、爆発シーンやお色気シーンがなくっても素晴らしい映  画を生み出す天才、なのです。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   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QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.066

1999年 11月 20日 配信
ScreenKiss Vol.066

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Vol.066

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □London film festival   □シックスセンス   □ぼくたちはここにいる   □カスケーダー   □『グレン・グールド 27歳の記憶』公開記念オールナイト >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆お願い☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  あちゃら「メールマガジン大賞」への投票をお願いいたします。  ScreenKissはイサイズ・あちゃら「メールマガジン大賞」へ参加しています。  是非投票をお願いいたします。  投票はこちらへ。  メールマガジン大賞・人気投票フォーム  
 

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>>☆1☆London film festival☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  「日本公開されるかも?」と思われる作品を2本、London film festival上映作  品から紹介します。どちらもまだ日本ではビッグ・ネームではない、若手監督の  作品です。 □「One more kiss」(Vadim Jean 監督)  毎年夏にスコットランドで盛大に開催されるエジンバラ・インターナショナル・  フェスティバル(スコットランドで行われる大規模な芸術祭)で「観客賞」を受  賞しているこの作品。何故か一回きりの上映(通常2回)だったロンドン・フィ  ルム・フェスティバルでの舞台挨拶には、監督をはじめメインキャスト数名が壇  上に上がり会場を賑わせたのでした。  既に賞を受賞しているせいなのか、上映前の挨拶に立ったラフな格好・気さくな  態度の監督からは、すでに自信のようなものが感じられ、そのせいか安心して見  始めたのですが・・・。 ストーリー  サラ( Valerie Edmonds )はニューヨークでキャリアを築いていたのだが、ガン  に冒され余命幾ばくもないことを知り、最期の時をかつての恋人サムと過ごすた  め、イギリスの片田舎の海辺の町にある実家に戻ってくる。しかし、サムは既に  結婚し、久しぶりの父との再会は気まずくぎこちないものだったが、サラはそこ  で残された日々を精一杯生きようとするのだった・・・。  鳴り物入りでの上映で、期待し、かつ安心しきって見始めたのだが、私には少々  感傷的過ぎた感があった。(しかしこの作品は「観客賞」を受賞し、多くの一般  の人々の賛同を既に集めたことを思うと、私の見方が意地悪過ぎるのかもしれな  い。)  と、は言いつつも、この作品に覆う静けさ、重い色使いは忘れられない。冒頭と  ラストのマンハッタン、イギリスの北東地方の海辺された風景の一コマ一コマ  が、それぞれを切りとって写真として残したいと思うほど、深く静かに美しかっ  た。  ストーリー自体はそれほど目新しいとは思わないが、飽きさせず感動を誘うとこ  ろは監督の腕だったと思う。失敗すればただの「センチメンタルなメロドラマ」  になりかねない話を、美しく上手くまとめている。  主演のvalerie Edmonds、決して美人ではないけれどある種の魅力に溢れている。  映画で見るより実際は大柄だったのには驚いた。逞しい腕を隠さず、タンクトッ  プ姿。潔し。 □The Virgin Suicides ( Sofia Coppola 監督 )  監督は名前の通り、フランシス・フォード・コッポラ監督の娘。「ゴッド・  ファーザー?」でアル・パチーノとダイアン・キートンの娘にして、アンディ・  ガルシアに一目惚れされてとろけるように愛されてしまう美味しい役をウィノ  ナ・ライダー蹴散らしてお父さんから貰ってしまった、幸運なひと。  と同時に「映画史上最悪のミスキャスト」に必ず挙げられてしまう、不幸なひ  と。キアヌ・リーヴスと一緒に「空騒ぎ」のプレミアに現れて、「キアヌの彼  女!?」と騒がれたこともありましたが、全ては「今は昔」、過去の事です。  ここ数年はデザイナーとして知られていて、日本でも「ビームス」や代官山のフ  ラッグ・ショップで彼女の作品が手に入ります。ティーン雑誌「オリーブ」読者  にとっては「憧れのお姉さん」的カリスマ人気がある彼女。既に写真のフィール  ドでは活動していたそうだが、本作はそんな彼女の長編監督作。  70年代アメリカ、静かで保守的な郊外にある住宅地。5人のブロンド・ゴー  ジャス姉妹の「自殺」にまつわる物語を、そんな彼女達に「のぼせて」しまった  男の子達の視点で語られている。Jeffrey Eugenides の原作を監督自身が脚色し  ている。  一度でも「Milk Fed」(ソフィア・コッポラの洋服のブランド名)のTシャツを買  おうと思ったことのある”あなた”、あなたが期待したとおりの映像が、期待通  りすぎて拍子抜けしてしまうくらい そ・の・と・お・り に見ることが出来る  作品です。ホップでキュートで、ちょっと垢抜けないところが実は抜群に垢抜け  ているこの作品、「オリーブ」読者は勿論のこと、「cut」とか「studio voice」  辺りのビジュアルに力が入った雑誌の読者にはお勧め。  物語の途中に時折差し込まれる、ポートレイトのような映像。彼女のデザインし  ている服のシンプルさとは異なるガーリッシュな面持ちの映像+ファッションだ  けれど、彼女がこれまで作り上げてきた「おしゃれでさりげなくかわいい」雰囲  気は充分堪能できます。  彼女がこれからどのフィールドで活動してゆくのか分からないけれど、でもず〜  〜〜っとこの路線で勝負出来るかは疑問。次の一手はいかに??  しかし、偉大なお父さんの子だけあって、人脈は相当なものと見た!5人姉妹の  両親はジェームス・ウッズ、キャスリン・ターナー(ものすごく太ってしまいま  した。暫く彼女と気づかなかった・・。)、主役の娘はキルスティン・ダンスト  (美しく成長しました)、ダニー・デビートなんかも顔を出し、「パラサイト」  でアイドルになったジョッシュ・ハーティネットはかなり思いきったいでたちで  登場してます。ナレーションはジョバンニ・リビニ。お父さんは勿論手伝ってく  れてるし、special thanks のところにジョッシュ・チャールズ等、知った名前も  あったりと、なかなか豪華。  セレブリティの娘にして、自分もセレブリティとなってしまった彼女だけど、  きっといろいろ意地悪言われるんだろうな。頑張って下さい。                                    hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆シックスセンス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  この映画、かなり評判が良くて期待して観に行ったんですが、見事に期待は裏切  られませんでした。  この映画は観ていない人のためにも、あまり多くを語るべきではないのですが、  たぶんどうなるかは観ている時には分からないと思います。私も予想がつきませ  んでした。  とにかくこの脚本は良く出来ている。それに雰囲気を持たせながらしっかり  107分観せた、インド出身であるM・ナイト・シャマランの素晴らしさ。あ  と、ジョナサン・デミ作品(「羊たちの沈黙」、「フィラデルフィア」など)で  の撮影を担当しているタク・フジモトも映像でしっかり作品を伝えている。そこ  から?か分からないが、フィラデルフィアという街を舞台にしたのも雰囲気づく  りにとても効果大(確か「エクソシスト」の舞台もフィラデルフィアだったよう  な?)。  役者にしても、ブルース・ウィリス以外は全く知らない人だったが、それもプラ  スに働いていると思う。もうあえて言わなくてもいいと思うけど、子役のハーレ  イ・ジョエル・オスメントは素晴らしい。この子役を見つけてきた時点でもう三  分の一は成功が見えていたと言ってもいいぐらい。それに加えてブルース・ウィ  リスの演技も、今までアクション映画が多かったのであまり見えてこなかった  が、とても素晴らしいと思う。誰だか分からないけど、母親役の人の演技も良  かった。  と、あらゆる良い要素が集まって初めていい作品になるのだが、やはり脚本の重  要性というものを改めて思い知らされる、そんな映画でした。この作品は来年の  オスカーに必ず絡んでくるのでは。                                   ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ぼくたちはここにいる☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    面白さ:★★☆☆☆    総評:★★☆☆☆    94年の香港映画    キネカ大森にて  相変わらずキネカ大森はいい。しかし、この映画は94年と古い為か、少々人の  入りが悪いようだった。  コメディーの中に、ゲイとエイズの問題を折り混ぜて最後には涙を誘う作品。し  かし、これで泣ける人はいないのでは?感動はちょっこっとするかもしれないけ  れど、変に白々しい。  時たま大笑いできるシーンがあり引き込まれるが、シリアスな演技に変わるとま  た退屈し、次の笑いを待ち構えてしまう。  役者はみんなはまり役なんだけど、少々舞台が小さく窮屈な演技。3人がシェア  して暮らすアパートメントはなんだか地味で、現実的すぎるからいけないので  は。部屋の中の場面が多い為、もっと派手な色・雰囲気の部屋が必要だったと思  う。その他の舞台も事務所と、デート先の店、近所の町とわずか。広がりがな  く、演技もへんにゲイを演じる事にこだわりすぎているかのよう。本当に狭い香  港で、狭い窮屈な映画になっている。  3人それぞれのゲイ生活の悩みには思わずにやにやしてしまうだけに、ツメの甘  さが残念な作品。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆カスケーダー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  予告編を見て、相当なバカ映画なんだろうなー、と思った人。  バカ映画でもとにかくアクションだらけでスゴソー、と思った人。  たまにはバカ映画を観るのもいいかもね、と思っている人。  こういったバカ映画に期待をもって行こうとしている人は、きっと肩透かしを食  らうことうけあいです。そう言っている私自身がそうでした。たぶん、ハリウッ  ド映画っぽいものが好きで、何の期待もしていなかった人が観たら、それなりに  面白いと思う・・・・のだろうか?  まあ一言で言えば、この映画を作ったハーディー・マーティンスはマジメだった  のでしょう。一つ一つの画の見せかたにしても、ストーリーにしても、登場人物  のキャラクターにしてもまとまっている。が、それから先がない。そこでクロー  ズアップされるのが、この映画の売りであるアクションシーン。確かに豪快で、  迫力もある。ただ、この売りも106分の平凡なストーリーで拡散されたかのよ  うである。  ドイツ映画でもこういうのが撮れるんだ、という域を脱することができませんで  した。うーん、やるんだったらストーリー無視でもいいから、徹底してアクショ  ンシーンで勝負してほしかった・・・。                                   ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆『グレン・グールド 27歳の記憶』公開記念オールナイト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  日時:11月20日(土)  当日のオールナイトでは『グレン・グールド 27歳の記憶』の上映はありませ  ん。        23:40〜『グレン・グールドをめぐる32章』  1:30〜『レッド・バイオリン』  4:00〜『チェリビダッケの庭』  チケット販売22:30〜 開場23:20〜 当日券のみ\2500均一  銀座テアトル西友(http://www.cinemabox.com/ 03-3535-6000)  芸術の秋(というか、そろそろ冬ですが)に、クラシックファンにはおいしい3  連発のオールナイト。もし間に合うようでしたら是非いらしてみてください。ク  ラシックファンならずとも、これを機会にはまるかもしれません。(筆者など  は、もう小躍り級のものです)20日からの『グレン・グールド 27歳の記憶』も  併せて見るのも面白いでしょう。  蛇足ながら、『グレン・グールドをめぐる32章』はサウンド・トラックもありま  すが、最近発売されたCD『Glenn Gould at the Cinema』にも、納められ、こちら  は「スローターハウス5」の中で彼の弾くバッハの作品も同時に楽しめます。 □『グレン・グールドをめぐる32章』  1993年/93min  監督:フランソワ・ジラール  出演:コーム・フィオール、ユーディ・メニューイン  グレン・グールド関連フィルムという事で登場。  ここでいう32章とは、グールドの代名詞的な音楽、バッハの『ゴールドベルク変  奏曲』の構成(主題のアリア+30の変奏+ダ・カーポのアリア)を意味してい  る。グールドにはカナダの舞台俳優コーム・フィオールが扮しているが、年代順  にオムニバス形式でエピソードを綴っていく中、仕事仲間や友人が登場してセミ  ドキュメンタリー風になっている。  勿論全編に流れるのはグ−ルド自身のピアノ。バッハの『ゴールドベルク変奏  曲』の他シベリウス、スクリャービン等も盛り込まれている。 □『レッド・バイオリン』  1998年/130min  監督:フランソワ・ジラール  出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジェイソン・フレミング、グレタ・スカッキ  上記『グレン・グールドをめぐる32章』と同じ監督の音楽映画という事で登場。  4世紀に亘り5カ国を旅した伝説の名器「レッド・ヴァイオリン」。この楽器の  魅惑に惑わされた人々は、人生を狂わせていく事になる。ヴァイオリン演奏は  ジョシュア・ベル。作曲は管弦楽から映画音楽まで幅広くこなしているアメリカ  の作曲家、ジョン・コリリアーノ。冒頭に流れる美しい「アンナのテーマ」はい  つまでも忘れがたい。  『グレン・グールドをめぐる32章』に続く劇場映画3作目となる、ジラール監督  は芸術ビデオ会社での経験後、ミュージック・ビデオ等を数多く手掛け、オペラ  ディレクターも務めるなど幅広い活動を行っている。昨年の来日時に聞いたとこ  ろ、彼自身もピアノ演奏が好きという事だったが、この作品では「楽器のキン  グ」ヴァイオリンを取り上げたかったという。  また、ヴァイオリン演奏のベルは、今年、自身のコンサートでも来日。『レッ  ド・ヴァイオリン』からの曲目も入っていた。ジラール監督から聞いたベルの話  をすると、とても楽しい経験だったと言っていた。(いい奴だった〜)本人も一  瞬出ているそうだ。作品中、音楽家ポープの演奏シーンはオクトパスと言われる  方式で、ベルが手だけ出演して撮影されたものだとか。(言ってみれば二人羽織  りみたいなもんか?)  今作品は昨年の東京国際映画祭では最優秀芸術貢献賞を受賞。この作品での  ティーチ・インの内容はScreenKissバックナンバー15-01を御覧ください。 □『チェリビダッケの庭』  1996年/147min  監督:セルジュ・イオアン・チェリビダッケ  出演:セルジュ・チェリビダッケ  こちらは、グレン・グールドと正反対にレコーディングを拒否し続けたというセ  ルジュ・チェリビダッケの名指揮を収めたドキュメンタリー作品。アムステルダ  ム映画祭で審査員特別賞を受賞している。監督はマエストロの子息。なお、この  作品で聞けるのは以下の曲目。  モーツァルト:弦楽四重奏ニ短調KV421、交響曲第41番ハ長調「ジュピター」         レクイエム ニ短調KV626  ハイドン:交響曲第92番ト長調「オックスフォード」、弦楽四重奏曲ト長調  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲ニ長調Op18第3  シューベルト:交響曲第5番変ロ長調  ブルックナー:交響曲第9番ニ短調  バルトーク:オーケストラの為の協奏曲                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.065

1999年 11月 17日 配信
ScreenKiss Vol.065

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □東京国際映画祭:クリミナル・ラバーズ   □記事訂正:Vol.63:キッシュ島の物語   □母の眠り   □将軍の娘 / エリザベス・キャンベル >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆お願い☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  あちゃら「メールマガジン大賞」への投票をお願いいたします。  ScreenKissはイサイズ・あちゃら「メールマガジン大賞」へ参加しています。  是非投票をお願いいたします。  投票はこちらへ。  メールマガジン大賞・人気投票フォーム  
 

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>>☆1☆東京国際映画祭:クリミナル・ラバーズ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:フランソワ・オゾン    総評:★★☆☆☆  この映画は彼の目的に沿って忠実に作られ、スタッフ、出演者達は彼が意図する  通りに動いていったという印象を受けた。出来あがったものは、大人の為の童話  (映画)。  各シーンは、撮影に整然とした意図を感じる。つまり、"殺人シーン"ではきちん  と恐ろしく感じるように撮っていて、血が゛ドバッ"と飛び散りスプラッター映画  のよう。その殺人前のアリスとサイードの"セックスシーン"では色気たっぷりに  シャワールームで過激にやっている。またアリスとリュック(恋人)の"セックス  "の場合は愛を込めて、バンビやウサギまでが彼らの回りで飛びはねる。森の木こ  り(または鬼)の風貌は毛むくじゃらで威嚇するようなばかでかいブーツをはい  ている。言葉少なく、笑顔もない。彼の料理した食事はさばいたウサギをぶち込  んだシチュー。その後は人肉煮込み。  最後に警察が登場し、森で2人が警察に狩られ、追いつめられた挙げ句アリスは  射殺され、リュックは捕まり、鬼は叩きのめされるのだが、この警察の行動が一  気に現実に引きもどしている。  さて、ティーチインでも質問があったので、1ヶ所疑問の残る場面に関して考え  よう。  死体といっしょに地下牢に入れられたアリスが、数日後に死体を指して「足がな  い」と言う場面だ。この場面に関して質問されたプロデューサーは、オゾンは  「鬼が人間を食べる」ことを意図しているとのことだったが、そのシーンではも  う2つの解釈もできた。つまり、単にネズミがかじったとする面白くも何ともな  い捉え方。また、一緒に閉じ込められていたアリスは食事を与えられず腹がへっ  ていた為、彼女が食べてしまったということ。ネズミは問題外の解釈方法だから  さておき、アリスが食べたとすると女性の異常性を表しているともとれるが、そ  の場合は男性が一緒に逃亡した後セックスをするということが自然ではなくなる  のではなかろうか。面白い考え方で、殺人を首謀する狂暴性が表現されて面白  い。  しかし、やはりそうではないらしい。リュックはその直前に何か分からないが  「うまい肉」を食べさせられている。そして、の死体を見た後吐き出してしまっ  た。やはり、鬼が切り取り料理に使ったに違いない。鬼が警察に叩きのめされて  いるシーンの説明には、人間を食べた為としたほうが自然だろう。個人的にこう  いった、考えれば明確な答えが得られるが、とっさにそのシーンを見ていくつか  の選択支を感じるようなシーンは好きだ。すべてが説明されるよりも答えを求め  ようとして映画にのめり込めるし、その効果として退屈に感じることがなくなる  と思う。  一方、私にとって評価が低い理由は、アリスとリュックが木こりに捕まってから  逃げ出すまでのテンポが悪いこと。一気に速度が落ちるかのように話が単調にな  り、その家の中での数日間に時間を掛け過ぎている。90分の映画でかなり時間  を絞って編集されている点は評価したいのだが、もう少し削るべきカットがある  のではないか。  しかし、これ以上短くすると短篇映画にみなされてしまうため興行的に厳しいだ  ろう。こうやって文章にしていると実際の時間に比例するかのような編集は評価  したいし、もちろん森の家は重要な場面で物語の最大の山場であり、短い時間で  語っては最後の場面に結び付かないだろう。しかしそれにしても実際に鑑賞中は  退屈してしまい、なにか大きなハプニングでもないのかとじっと期待し続け、そ  れを裏切られしまう。物語の密度の変化は映画として重要問題で、一本調子は好  みではないのだが、この映画の場合変化が多きすぎる。童話ならば子供が退屈し  ないようなテンポで、一環して期待を裏切ることなくハプニング(恐怖、驚き)  の連続だが、この映画は寓話的な意味を重視しすぎている。  意識して童話を作ったが、意識しすぎたためにつまらない童話になってしまった  のではないだろうか。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆東京国際映画祭:キッシュ島の物語☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ScreenKiss Vol.063にて内容に間違いがありましたので、訂正いたします。 第1話 ギリシャ船 ◆ストーリー  浜辺近くに打ち上げられている難破船の辺りはいろいろなものが流れつく。今日  はダンボールだった。そのダンボールを拾い集め、波打ぎわのあばら屋の飾り付  けにしようとするが、妻がそれを硬く拒んでいる。妻はすっかり塞ぎ込んでしま  いどうやら憑き物のせいだろうと、霊媒師のところへ連れていくことに。霊媒師  いわく、「ダンボールをとるか、妻をとるか」。妻を捨てるなんてことは考えら  れないためしぶしぶダンボールを捨てる羽目に。船の上で乾かしていた物も海に  投げ入れていると、妻の口元には笑みがこぼれる。  ◇コメント  祈祷という宗教伝統的な側面、しかもこの様式はキッシュ島あたりのものらしい  から、そのドキュメンタリー(再現)的な面白味はある。ダンボールが近代消費  社会の象徴でありつつ、祈祷が伝統文化の象徴で、その狭間で生きる人々への応  援とも取れよう。短編としての物語の充実度は評価したい。 第2話 指輪 ◆ストーリー  キッシュ島に仕事を求めてやってきた青年。水か何かをローリー車に入れる小屋  に住み込んで働くが、小銭を貯める為に魚を釣ったり、貝殻を売ったり。しばら  くしてショッピングセンターに指輪を買いに行く。男性用だが自分でつけるもの  ではない。嫁いでいく妹が持参する結婚指輪だった。  ◇コメント  青年が頭を使い小銭を稼いでいく過程は面白い。海外貧乏旅行をする時にでもま  ねしてみたくなる程。  キッシュ島というのは、イラン革命以前のシャーの時代はカジノや、豪華リゾー  トホテルがあった島。現在はFREE PORTに近い状況で、この島に訪れては通常購入  ができないか、密輸でしか売られていないような外国製品を買って帰るのです。  そのショッピングセンター内部が一瞬映り、旅行なれしている人にはどのような  雰囲気かが理解できるのでは?  最後に貯まったお金で妹の為に指輪(正確には妹の結婚する相手の為)を買うの  だが、ホッとさせる終わりかたの中にも社会的な問題を含ませているようだ。 第3話 ◆ ストーリー  玄関扉を背中に背負って白い砂漠を歩きつづける不思議な父親。その後ろから郵  便配達人が自転車で追い掛けている。手紙を渡す為に声を掛けると、立ち止まり  その扉を開いて応対する。手紙の内容は1番地の家に暮らす娘に宛てた恋文だ。  彼の扉には“1”というプレートがある。つまりここが1番地だ。その手紙を受  け取って破り捨てる典型的な父親。そしてまた扉を背負って歩きつづける。(こ  の時点ではまったく意味不明)しばらくして、その後ろから黒いベールをかぶっ  た女性が、黒いヤギを無理矢理引きずり父親の後を追い掛けている。娘だ。  再び郵便配達人がやってきて、再度手紙を手渡そうとするが、受け取りを拒否さ  れる。そして、不思議な楽団が訪れるが、最後は浜辺に着き、小船でやってきた  商人にその扉を売り払おうとするが、粗末な扉は売れなかった。 ◇コメント  扉は何を象徴しているのか。恐らく深い意味はなく、全てを売り払った後最後に  残るものとして描いているだけだろう。イランといえば、キアロスタミの「友達  の家はどこ」でも描かれていた装飾された木の扉(又は、鉄の扉)が一般的だ  が、その扉を売り払う前の数日間を描いているとも考えられる。勿論、砂漠を横  断して浜辺に来ている商人に売るために運んでいるとなるが、果たしてその行動  になんの意味が?  時として、短編映画に深い意味を求めることは必要ない場合がある。つまり、単  に滑稽であればいい場合もある。そうすると、この行動にたいして我々は不思議  とすこし笑顔を浮かべていて、それが監督(脚本家)の意図したものだったのか  もしれない。 ◆短編集としての総評  この「キッシュ島の物語」は全6編からなる短編集であったが、上映されたのは  その内3本のみ。恐らく多くの人は、中途半端な短編集と感じたことだろうが、  他に3本の作品があると知って、その3本もまとめて上映される日を待ちわびる  ことだろう。  1本1本は、短編映画としてみれば決して駄作ではないが、なにぶんキッシュ島  の魅力も十分現されている訳でなく、各々の短編が一つの表題のもとまとまりが  ある訳でもなく。とにかく中途半端に感じる。これが単に独立した短編映画とし  ての上映であれば、それなりに違う解釈ができたと思う。しかし、来日していた  ナセール・タグヴァイ監督(1話「ギリシャ船」)の言葉を聞く限り、6本の短  編それぞれ違う側面のキッシュ島を描いていて、キッシュ島の全体的なイメージ  を捕らえるために役立つようだ。  キッシュ島の観光局からの依頼で作ったという事が頭に残ってしまうと、この映  画は島の宣伝用ではないかと思われるが、そんな内容の短編はなかった。つま  り、映画文化振興の一貫としてお金を出してもらったのではなかろうか。  ただこの短篇集がどうであれ、引き続きイラン映画に注目せざるを得ないことに  は間違いないと確信を持っている。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆母の眠り☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    感動度:★★☆☆☆    総評 :★★☆☆☆  この演技でメリル・ストリープがアカデミー賞主演女優賞ノミネートとは、アカ  デミー・ノミネートという事に対する評価を下げざるを得ない。  共演している娘役のレネエ・ゼルウィガーは、デビュー当初は「インデペンデン  ト女優の星」と呼ばれ、その後トム・クルーズと共演した"ザ・エージェント"で  メジャーに名前を連ねた。雑誌の表紙もかざり、一躍ハリウッド女優と呼ばれる  ようになった。今回の演技では、辺りさわりのない程度。まあ、メリルの演技に  添った表現をしているといえよう。  何を隠そう私がこの映画をみた理由は、その"ザ・エージェント"以来彼女の写真  をスクリーンセーバーにするくらいのファンだったため。(ちなみに今は、スペ  インの女優ペネロペ・クルスだ。)  頬の赤み、目の回りの白さ、特徴ある丸みを帯びた唇。垢抜けない田舎娘的な雰  囲気がいい。今回の役柄は、実家から離れ独りニューヨークでジャーナリストと  して働いている娘エレン。その彼女がガンと宣告された母親の介護の為に実家に  もどり、そこで始めて理解する母親の生き方。  病気の母親と、仕事ばかりしている父親という設定がありきたりだからか、娘の  回想を差し込む手法が興ざめなのか、ぱっとしない。田舎娘がニューヨークの  ジャーナリストという設定もありきたりで、彼女が追った記事も安っぽい。ス  タッフ全員まじめな人間が作った映画という雰囲気。  謎を残して母親は死んでいくのだが、その時母親には立ち上がる体力は残されて  いなかったはずだから…。あまり詳しく書くとまだ見ていない人の楽しみをとる  事になるのでこの位にしておくが、これは変な終わり方だった。あまり細部を気  にせずにポップコーンとコーラでも食べながらみれば感動するかも。(ただし、  場内は静まり返っていますが。)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆将軍の娘 / エリザベス・キャンベル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    娯楽映画:★★☆☆☆    総評  :★★☆☆☆  ハリウッド(娯楽)映画としては、娯楽性に今一つ物足りなさを感じる映画。犯  人を特定する考察にも無理がないだろうか?  将軍の娘・エリザベスの殺人現場で行われた犯人達の行動をジョン・トラボルタ  扮する捜査官が推理するというストーリになっているのだが、推理に行き着く為  の証拠が不十分で、勝手に結末に結び付ける為に映画が映像を差込み説明してし  まったような感じ。  またハリウッドのいやらしいところなのだが、いちいち撮影にこまごまと味付け  をしすぎている。例えば捜査官の車が現場に駆けつける際、車を正面から捕らえ  るのだが、車が止まる直前に低い位置から撮影しているカメラが横にスライドし  ていく。迫力がでるわけではなく、意味があるわけでもない。単にそれによっ  て、観客の視線に飽きがこないようにという配慮にすぎない。「いちいち動く  な!」といいたくなる。  主役のトラボルタの演技も最悪で、役柄もふざけた感じがまとわりついていて、  もっと真剣な映像がほしかった。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.064

1999年 11月 12日 配信
ScreenKiss Vol.064

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Vol.064

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ロンドン・フィルム・フェスティバル   □ぷちっと・ぱぱらっち (1) >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆記事の訂正とお願い☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ □訂正とお詫び  Vol.060掲載の「映画に見る60年代ファッション」の内容に一部間違いがござ  いましたのでご連絡致します。  ■アメリカン・グラフィティー   誤:コッポラ監督の名作青春映画ですが   正:ジョージ・ルーカス監督の名作青春映画ですが  記事執筆にあたっては充分、内容確認をしているつもりですが、このように記事  に関しまして、間違いや疑問点を感じられた場合は、ご遠慮なくご連絡頂きたく  思います。読者の皆様から勉強させて頂くことも多々あるかと存じます。  お詫びと共にこれからのご支援をよろしくお願い申し上げます。 □あちゃら「メールマガジン大賞」への投票をお願いいたします。  ScreenKissはイサイズ・あちゃら「メールマガジン大賞」へ参加しています。  是非投票をお願いいたします。  投票はこちらへ。  メールマガジン大賞・人気投票フォーム  
 

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>>☆1☆ロンドン・フィルム・フェスティバル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  11月3日から始まったLondon film festival 、セレブリティの面々がオープニ  ング・ガラ会場に入っていく華やかな様子は翌日のニュースで何度も放送され、  オープニング作品として公開されたアン・リー監督の「ride with the devil」も  好評だったとのこと。  翌日4日(木)から本格的に上映が始まり、のべ25本前後の映画が4会場7館  を中心に公開されています、、と書くと何だかとても賑やかな感じですが、それ  ぞれの会場はセントラル・ロンドンではあるものの、最寄の地下鉄の駅も別。渋  谷をあげて映画祭ムードの東京国際映画祭のような一極集中型とは少々違った趣  です。  私が4日(木)から週末(6日・7日)にかけて通った劇場街レスター・スクエ  アーにあるOdeon West End という映画館は、一目で「ここが映画祭の会場です」  と分かるように映画祭の公式ポスターが大きく掲げられ、スクエアー(広場)内  に映画祭専用のチケットブース(「スケルトン」になっていて、そこそこ垢抜け  ているから結構目立つ)もあったりはしているものの、向いの映画館で、映画祭  などそ知らぬふりで上映している「シックス・センス」の巨大看板のほうがどう  見ても目立っており、映画祭は「おとなしめに賑やか」というところ。  上映は午後1時半前後から始まり、最終回は午後9時前後。昼間の回は当然の事  ながら「そこそこ」程度の人入り。でも、夜6時以降の回は連日満員の様子で、  夜の賑わいを見て初めて「ああ、映画<祭>」という実感がありました。  前回のレポートで、「ゲストなし、上映のみ」と書きましたが、、、基本的には  そうなのですが、ええ、やっぱりそこは映画祭。ゲストが来場する作品も多数あ  り、何だか私は少しほっとしたのでした。2回上映される作品がほとんど。夜の  上映にはゲスト付きの確立が高い模様。  カナダ映画「The five senses」(私は面白く見ましたが、日本公開は難しいか  も)は午後4時の回にかかわらず、 Jeremy Podeswa 監督か来場,上映前の挨拶  と、上映後のQ&Aがありました。そんなに多くないお客の内、かなりの人が上映後  にQ&Aがあるのを知りながらも映画終了と同時に席を立ってしまい、残されたお客  に「切ない」連帯感があったと感じたのは私だけ(笑)?これも映画祭の醍醐味  のひとつかも?とは思うけれど、夜の回が賑わってくれるようにと祈ってしまっ  たわたくしです。  エリック・ゾンカ監督(11月5日、昼・夜2回上映。夜の回は分からないが、  私が見た昼の回にはゲストなしのシンプル上映)の「small thief」は、「天使が  見た夢」がイギリスでも好評だったためか、昼の回にしては、そこそこ優秀な人  の入り。  必ずや日本でも公開すると思うので、ミーハー的観点からの情報をひとつ。主演  の男のコNicolas Duvauchelleは必見です。太る前のレオ(「ロミオ&ジュリエッ  ト」以前っていうことです)のひょろっとした少年期後半のみの美しき「線の細  さ」と、(顔は似てないけれど)最近いい感じのエドワード・ファーロングの  「陰り」、ナイーヴさもあるにもかかわらず、(矛盾しているけれど)何処と無  く残酷さを併せ持った「粗さ」があり、「ああ、こういう子、探せばいるの  ね、、」と嬉しくなってしまったけれど、でも今後上手く成長出来るかはかなり  疑問。それゆえ尚更必見。  5日(日)、予定より一時間以上遅れて9時半からの上映となったマイケル・ウ  インターボトム監督の新作「wonderland」。満員でした。短い監督の挨拶の後、  作品の上映。上映後のQ&Aは監督だけでなく、プロデューサーやメインキャスト  等、10人近いゲストが舞台に並び、豪華なものとなりました。  「ワールドプレミア」としての公開だったので、普段は冷静沈着そうな監督やず  らりと並んだ俳優陣の少し上気した雰囲気が感じられ、最終回での上映ゆえの時  間を気にする必要のない気楽さもあってか、Q&Aは結構長かったです。  しかしこのQ&A、舞台上と客席との距離の近さに私は驚いてしまったのでした。質  問する観客のラフな話振り、合間にチャチは入るはで、「和やか」というには少  しシニカルな、でも会場全部で話しているような「同じ高さの目線」での雰囲気  は、私には新鮮な体験でした。  終了後の退場は、ゲストも観客も一緒。ゲストも列を作って出口に向かい、ロ  ビーで長々立ち話、出口から一般客同様歩いて会場から出て行ったようなのに、  それを知りつつも素通りしていく観客のドライぶりもなかなか興味深し。  ゲストの人気度、アイドル指数にもよるのだとは思うけれど(イギリスはアイド  ルが育つ土壌がある国です)、個人主義とよく言われるイギリス人気質と、劇場  が散りばめられた演劇の街故の、演劇人との距離の近さの合体の結果なのか  (?)、「遠い所」からわざわざやって来てくれた、というのとは一味違った感  覚でゲストを見ている観客の態度がなかなか私には面白かったのでした。でもこ  の辺はまだ探索の余地あり。もう少し観察してみます。  さて、この作品「wonderland」も必ずや日本で公開されると思うので、詳細はそ  の時に。少々の情報と私見を書かせてもらえば、「ノッティング・ヒルの恋人」  もロンドンの一面を上手く描いていると思うのですが、この作品もまた違う一面  の、でも紛れもまく「ロンドン」の姿が見られます。  「ウエルカム・トゥ・サラエボ」に深く感激した一人のわたくしなので、どうし  てもウインターボトム監督といえば「ウエルカム・、、」と思ってしまうけれ  ど、「バタフライ・キス」から「I want you」まで見てきて、少々のセンチメン  タルさという共通点を除けば、実は「ウエルカム・、、」は監督の作品の中では  どちらかといえば例外作だったのかも?  関連した数組のカップル・家族の3日間の小さな事件を集めた物語。人物構成も  あまり斬新さは感じないし、日々の暮しのコラージュのような面持ちゆえ、物語  を貫く軸のようなストーリーが有るわけでも無いから、この雰囲気の酔えるか酔  えないかが「かぎ」のように思ってみていたのですが、、、。しかし、私は「酔  えなかった」のに退屈することもなく見つづけ、驚いたことに涙がにじんできた  シーンさえあって、、、その辺の「見せ方」が監督の力量なのかもしれません。  でも、この作品のどことなく漂うメランコリックな「甘さ」(ストーリーはけし  て甘くない日々の現実についてなのですが)を「否定」する人がいてもそれはそ  れで納得でくるような気もします。でも、「甘すぎない」ところの妙、とどうし  ても書き添えてしまいたくなるのが、やはりこの映画のすごさなのかも。心底共  感した登場人物の一人のことをが何とも忘れられないせいなのか?  幸せな人は一人も出てこない。皆どこかに痛みを抱えた人達。この作品のタイト  ルは「不思議の国(wonderlad)のアリス」からのもの。やっぱりそれでもこの世  界は「wonderland」なのかも、と少し悲しく、でも少し嬉しく思うまさに「セン  チメンタル」な感をもってしまったわたくしでありました。  London film festival レポート、まだまだ続きます。                                    hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ぷちっと・ぱぱらっち (1)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  パパラッチ程の突貫撮影の勇気も根性も気力もないが、映画祭等でゲストとの接  触の機会があれば、勿論“お願いして”写真を撮らせてもらい、運がよければ何  か話をしたい・・・そんなミーハー感覚で接した彼等の、私なりの印象をこの  コーナーでお伝え出来れば、と思って書いてみた。たとえ、束の間のコミュニ  ケーションでも、彼等の素顔をちょっぴり垣間見る事が出来る気もする。  スクリーンでは2次元でしか把握出来ないが“実物”を目の当たりにすると、ま  た、イメージが違う点も面白い。私は身長が170cm。で、並んでみると大体の  サイズがわかる。スクリーンでは小柄に見えてた人が実は大柄だったり、華奢な  感じの人が実際は逞しかったり、意外な発見があるのも楽しい。  もともと、このタイトルは女性映画週間ディレクターの大竹洋子氏がジャンヌ・  モローさんからつけられたあだ名。この話を伺って、タイトルに拝借した。(勿  論許可済みです)  実は、謙遜でも、何でもなく私はフランス語がわからない。自慢じゃないが、単  語だって10個位しか知らない。しかし、ここ数年この単語だけで何故か乗り  切ってきた。が、今年は随分と英語でも対応してくれる“優しい?”ゲストが多  くてコミュニケーションが取りやすかった。(ついでに言うとに私は英語もさし  て喋れない)下手すると、サインまで英語を書いてくれたりして。  フランス映画祭の魅力は、“面さえわかれば”その辺りを歩いている時や、サイ  ン会場でも(場内整理かかりにどやされなければ)ちょっと話をする機会がある  事。彼等はパーティ以外では、至ってラフな感じでいる事が多いから、その人の  普段の感じや、洋服の趣味もわかって面白い。  今回は先日開催した第7回フランス映画祭を作品別に。その後はその他の機会で  逢った人々の事も書いていければ、と考えている。  ファッションに限って言えば、監督は両極端で、普段からやたらびしっと決めて  る派と、ずーっとリラックスしてます派と両極端だった感じが。  対して女優はと言えば、毎回感じるのは、華やかなイメージの彼女たちの事、普  段もさぞや、華々しくと思いきや、TシャツにGパン、ノーメークでその辺を闊歩  してる。どうやってても“女優”というオーラが発散してるケースもあるけれ  ど、今年はこの手合いは見かけなかった。  アクターはほとんどがリラックス派。普段はTシャツにスニーカーが大半。ま  た、気のせいか今年のゲストはサウスポーが多かったような。 ■『幸福と必然』  クロード・ルルーシュ:Director   フランス映画祭史上初の男性団長。と、敬意を評してトップに出しましたが、実  は凄いタイトなスケジュールでサイン会もパスの為、全然話しなど無理。『男と  女』があまりに有名で、凄いおじいさんと思いきや、まだ60才そこそこ。白髪  まじりの短めの髪、長身でスリムな体型。少し嗄れた声で、上映後の質問等に律  儀に答える姿は、何だか学校の先生のようだった。 ■『ヌーヴェル・イヴ』  カトリーヌ・コルシニ:Director  大きな目、鼻、口、と全てが大づくりな顔立の彼女。一見コワモテだが、実はそ  うでもなかった。カメラを向けた時何故かフラッシュが作動しなかったのだが、  もう1度ポーズしてくれたり、の心遣いが。  ピエール・ル・ラジョ:Actor  形のいい頭頂部が綺麗に反射していて、しかもとっても“濃い”という印象なの  だが、サインには可愛いお花まで書き添えてくれたりして。ふと、サインが途切  れてk空白の時間に何となく居合わせてしまった私、「ど、どうしよう」という間  の持たなさに慌てたのを察して、ことさら丁寧に花を書き直してくれました。 ■『冬の少年』  クロード・ミレール:Director  『オディールの夏』では、確か、遊園地のシーンでちょこっと顔を出していた監  督。この人、縦も横もでかい。手もでかい。ついでに言うと字もでかい。態度  は・・でかくない。観客のひとりひとりに丁寧に接していてとても感じが良かっ  た。  エマニュエル・ベルコ:Actress   作品では、主人公の少年の先生役なんだけど、よ〜く見てると、それほどの年令  差がないみたいだった。ノーメークのせいか余計地味な印象の彼女だが、少年を  思い遣る立場ながら、少年の憧れの対象よいう微妙な役どころは流石。堅い演技  で伸びていって欲しい女優さん。  クレマン・ヴァン・デン・ベルグ:Actor  子役から活躍してるという彼、道理で堂々とした物腰。彼の出演作を見て、いつ  か起用するかも、とメモしておいたという監督。共演のベルコも、彼の事を「と  てもプロ意識が高く、いくらふざけていても、一旦カメラが回り出すとびしっと  役に入っている」と言っていた。  映画の中では壊れそうにデリケートな役どころだったが、実際はちょっと生意気  ざかりの男の子という感じ。澄んだ瞳は私のご贔屓のG・コラン君の小さい時を彷  彿とさせ、サウスポーのところまでそっくりで将来が楽しみ。第2のコラン君に  なって欲しいものだ。 ■『ヒューマニティ』  ブリュノ.デュモン:Director  2年前に『ジーザスの日々』で来日した時は、何と寡黙な人・・というイメー  ジ。しかし、こういっては何だが、出演者よりかっこいい、という印象だった。  作品も硬派で、地味ながら心に訴えるものがあった。そこへ、今回はカンヌでグ  ランプリ。しかし、静かな印象は変わらない。青く澄んだ瞳、きっと結んだ口と  ちょっぴり眉間のしわ。作品は熱く語っても、無駄な事は言わない、そんな骨っ  ぽい感じが魅力。(すかしてるだけ・・という声もあるが)  180cm程の長身を革ジャンで包んで登場。「とてもいい作品でした。次回作が  楽しみです」と言うと、ばつが悪そうに、「え、ありがとう」。カンヌの受賞も  淡々と受け止めて(今年は特にとやかく言われたし)、マイペースな印象が素敵  だった。  セヴリーヌ・カネル:Actress   舞台挨拶で、「今回のカンヌの受賞は作品をつくった皆のものです。初めて出演  した映画で女優賞を獲った事で、若干のやっかみもありましたが、本当に夢のよ  うでした。今後はどうするかまだわかりません」と述べた彼女。この一言に万感  の思いが感じられたが、とても新人とは思えないような毅然とした態度が印象的  だった。  とても大柄な人。作品では不可欠のものとはいえ、かなり厳しい演技が要求され  たにも関わらず、堂々とこなしている。彼女を見ているとこのまま、芸能界の空  気に染まらないでいて欲しいような、でもこうした女優さんもいて欲しいような  複雑な心境になってしまう。 ■『アステリクスとオベリクス』  クロード・ジティ:Director  前回の『アルレット』に続き2度目の来日。前回は写真をお願いすると、わざわ  ざ、サインしたばかりのパンフのページを開いてポーズしてくれる心遣いに感激  したものだが、その時の朴訥とした雰囲気ではなく、今回はどこかしら、上品な  風格のイメージに。縞縞シャツで舞台に登場した姿は背も高く、がっちりした体  格でとても60半ばとは思えない若々しさだった。真夜中のパーティにも顔を出  していたし。  どこから、こんなドタバタコメディをひねり出すのかと思うような静かな人物  だ。今年は自分でもコンパクトカメラを手に、セレモニーでは舞台から写真を  撮っていて、サイン会でも嬉しそうにそれを取り出しては撮影していた。2年前  の写真をプレゼントすると、他のゲスト(レティシア・カスタ)に2年前の自分  と言って、懐かし気に見せていた。1枚の写真へのサインをお願いすると、全部  の写真にもサインしてくれようとする、気遣いの人。  レティシア・カスタ:Actress   フランス版の『エル』等ではそのカバーを飾る回数はだんとつのトップ・モデ  ル。少し明るめのブラウンのヘアに、ブルーに瞳、透明感のある肌が美しい。意  外と小柄でおとなしい印象。 ■『新しい肌』  エミリー・ドゥルーズ:Director  監督にしておくには勿体無い美人。どうみても矢印にしか見えないサイン。でも  「これ、三角?」という阿呆な質問にもにこにこと、「Dのつもり」。  サミュエル・ル・ビアン:Actor(『ヴィーナス・ビューティ』)  何だかこの人、のべつインタビューされていて、何とサイン会にまでけばけばマ  イクが追い掛けていた。無造作なライトブラウンの髪の毛にでーんとした鼻。女  性から「かっこいい!」の歓声があがっていたけれど、良く見ると少しお目めが  離れていて、笑うとこれが下がってしまうのも御愛嬌。カメラを向けるとすぐ  ポーズしてしまうところはサービス精神旺盛。日本の滞在は楽しかったそうな。  マルシアル・ディ・フォンゾ・ボ:Actor  小柄ながら、くっきりした黒めがちな目とダークヘア彼。何故かサインでは、  “BO"とラストを下線つきで強調。これが、また30とか80に見えてしまって、  「何で30なの?」と阿呆質問をしてしまった。呆れた顔もせず、説明してくれ  ました。いい人だぁ。 ■『少年たち』  ジャック・ドワイヨン:Director  髪はぼさぼさ、やや猫背(170cm位のところに、これだから余計低く見え  る)、服装にもやや無頓着で、何となく風采のあがらない感じのこの人こそ、ド  ワイヨン監督。しかし、地味な印象ながら、1度話をしてみると、その優しい心  遣いに参ってしまう筈。落ち着いた声、生真面目な態度。  インタビュー時、通訳の方が一生懸命日本語に訳して下さっている間、ちょっぴ  り暇な監督を激写。撮影中もお茶目なリアクションだった彼、「フランス語わか  らないんです」という私に流暢な英語で「じゃ、フランス語で書こう」とすらす  らとサイン。“ちょっとおかしなカメラマンだね”と書いてくれた・・・らし  い。  腰が痛くて長時間座ることが苦痛、という。容体を尋ねると、ここ数年の持病と  か。ディレクターチェアに座ってばかりだからでは?と言うと、「そうかもね」  との事でした。たまたま翌日ロビーで御会いしたので、インタビューのお礼を言  うと、覚えているとは思えないものの、にこやかに応じてくれ、しかも私の大き  な荷物を気遣ってくれる(前日お泊まりだったので大荷物でした)優しさ!作品  の子供達の演技の自然さは“優しいおじちゃん”への信頼なのかもしれない、と  実感した一瞬。 ■『ロベールとは無関係』  パスカル・ポニツェール:  実は、彼と製作の人が舞台に登場すると、2人とも神々しいばかりに、おつむが  光っていた。でも、より一層輝いていた方が監督。元々は脚本家としてのスター  トだったらしいが、ティーチ・イン等ではなかなかひねりの効いた答えをしてい  たし、作品中で、ちょっぴり登場するなどなかなか茶目っ気がある。  この作品の次がオープニングセレモニーを控えていて、サインは諦めるつもり  だった。で、その辺をぽーっとひと回りして会場へ戻ってみたら、まだサインし  てる。そこで、ちゃっかり、しんがりに並んでサインを貰ってしまった。メル  シーと言う前に「最後までよくいたね」と感謝されて?しまった。ちょっとこそ  ばゆかった。 (つづく)                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.063

1999年 11月 10日 配信
ScreenKiss Vol.063

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □東京国際映画祭:キッシュ島の物語   □東京国際映画祭:風が吹くまま >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆東京国際映画祭:キッシュ島の物語☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 第1話 ギリシャ船 ◆ストーリー  浜辺近くに打ち上げられている難破船の辺りはいろいろなものが流れつく。今日  はダンボールだった。そのダンボールを拾い集め、波打ぎわのあばら屋の飾り付  けにしようとするが、妻がそれを硬く拒んでいる。妻はすっかり塞ぎ込んでしま  いどうやら憑き物のせいだろうと、霊媒師のところへ連れていくことに。霊媒師  いわく、「ダンボールをとるか、妻をとるか」。妻を捨てるなんてことは考えら  れないためしぶしぶダンボールを捨てる羽目に。船の上で乾かしていた物も海に  投げ入れていると、妻の口元には笑みがこぼれる。  ◇コメント  祈祷という文化は世界各国であるが、この祈祷も独特な物で興味深い。(それだ  け) 第2話 指輪 ◆ストーリー  キッシュ島に仕事を求めてやってきた青年。水か何かをローリー車に入れる小屋  に住み込んで働くが、小銭を貯める為に魚を釣ったり、貝殻を売ったり。しばら  くしてショッピングセンターに指輪を買いに行く。男性用だが自分でつけるもの  ではない。嫁いでいく妹が持参する結婚指輪だった。  ◇コメント  祈祷という宗教伝統的な側面、しかもこの様式はキッシュ島あたりのものらしい  から、そのドキュメンタリー(再現)的な面白味はある。ダンボールが近代消費  社会の象徴でありつつ、祈祷が伝統文化の象徴で、その狭間で生きる人々への応  援とも取れよう。短編としての物語の充実度は評価したい。 第3話 ◆ ストーリー  玄関扉を背中に背負って白い砂漠を歩きつづける不思議な父親。その後ろから郵  便配達人が自転車で追い掛けている。手紙を渡す為に声を掛けると、立ち止まり  その扉を開いて応対する。手紙の内容は1番地の家に暮らす娘に宛てた恋文だ。  彼の扉には“1”というプレートがある。つまりここが1番地だ。その手紙を受  け取って破り捨てる典型的な父親。そしてまた扉を背負って歩きつづける。(こ  の時点ではまったく意味不明)しばらくして、その後ろから黒いベールをかぶっ  た女性が、黒いヤギを無理矢理引きずり父親の後を追い掛けている。娘だ。  再び郵便配達人がやってきて、再度手紙を手渡そうとするが、受け取りを拒否さ  れる。そして、不思議な楽団が訪れるが、最後は浜辺に着き、小船でやってきた  商人にその扉を売り払おうとするが、粗末な扉は売れなかった。 ◇コメント  扉は何を象徴しているのか。恐らく深い意味はなく、全てを売り払った後最後に  残るものとして描いているだけだろう。イランといえば、キアロスタミの「友達  の家はどこ」でも描かれていた装飾された木の扉(又は、鉄の扉)が一般的だ  が、その扉を売り払う前の数日間を描いているとも考えられる。勿論、砂漠を横  断して浜辺に来ている商人に売るために運んでいるとなるが、果たしてその行動  になんの意味が?  時として、短編映画に深い意味を求めることは必要ない場合がある。つまり、単  に滑稽であればいい場合もある。そうすると、この行動にたいして我々は不思議  とすこし笑顔を浮かべていて、それが監督(脚本家)の意図したものだったのか  もしれない。 ◆短編集としての総評  この「キッシュ島の物語」は全6編からなる短編集であったが、上映されたのは  その内3本のみ。恐らく多くの人は、中途半端な短編集と感じたことだろうが、  他に3本の作品があると知って、その3本もまとめて上映される日を待ちわびる  ことだろう。  1本1本は、短編映画としてみれば決して駄作ではないが、なにぶんキッシュ島  の魅力も十分現されている訳でなく、各々の短編が一つの表題のもとまとまりが  ある訳でもなく。とにかく中途半端に感じる。これが単に独立した短編映画とし  ての上映であれば、それなりに違う解釈ができたと思う。しかし、来日していた  ナセール・タグヴァイ監督(1話「ギリシャ船」)の言葉を聞く限り、6本の短  編それぞれ違う側面のキッシュ島を描いていて、キッシュ島の全体的なイメージ  を捕らえるために役立つようだ。  キッシュ島の観光局からの依頼で作ったという事が頭に残ってしまうと、この映  画は島の宣伝用ではないかと思われるが、そんな内容の短編はなかった。つま  り、映画文化振興の一貫としてお金を出してもらったのではなかろうか。  ただこの短篇集がどうであれ、引き続きイラン映画に注目せざるを得ないことに  は間違いないと確信を持っている。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆東京国際映画祭:風が吹くまま☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:アッバス・キアロスタミ    総評:★★★★★(満点)  キアロスタミ監督の最新作は、いままでの作品とくらべてその完成度で群を抜い  ている。年々成長していくイラン映画の中で、やはり彼がその牽引者であろう。  世界の映画祭が認めた監督で、世界に通用する作品を生み出せる優れた監督だ。  イラン映画界の中でもおそらく獲得する予算も余裕があるのだろうし、イラン  人、またイラン映画人の中でも人気抜群なようだ。  その彼がやりたいように自由に作った作品は、彼のよさばかりが表に立ち、いっ  さいの嫌みや退屈さを感じない。また撮影がすごい。(これはすでに見られた方  には同意していただけると思う。)下手なズームを使ったり、不自然な色合い、  無駄なイメージショットを省き、必要なシーンしかない。あくまでもミニマリズ  ムに徹しているかのようだ。  ほとんど絵画の域に達するほどの美しいシーンをいくつか発見した。終盤、町医  者のバイクに2人乗りして畑の中の道を突っ走る場面や、町中の一見些細と思わ  れるようなショットの中に。また、車が発進した後を牛や、鶏がスクリーンを横  切る場面、携帯電話を受信しようと丘の上を走りまわってベーザードがフレーム  から外れると老婆がその中心に現れる場面など、計算したのではなく、偶然そう  なって、それを編集段階で発見して使用しているとしか思えないカットがあっ  た。  ちょっとコメントから外れて雑談になるが、町医者の乗るバイクの後ろに取り付  けられたBOXには赤い三日月のマークが書いてあります。映画のチラシでも分  かりますが、これは赤十字と同じ意味のマーク。正式には国際赤十字・新月社連  盟といわれる国際赤十字は、ジュネーブ条約で赤い十字架のマークと、イスラム  の新月をもじった赤い新月マークを正式採用しています。さらに現在、イスラエ  ルの為にあのユダヤ教の"ダビデの星"(三角形を2つ組みあわしたマーク)をと  りいれるかどうかでもめている。  さて、本題にもどり、一部多少長すぎると感じたシーンは、ベーザードが髭を剃  るシーン。ここでは、実際に半分くらい剃り終えるまでワンカットで鏡の中から  撮影しているような演出だが、しつこく感じる。カットが長いことに問題がるの  ではなく、髭を剃ることを見る楽しさが飽きに替わってしまうのだ。あまりきれ  いなシーンでもなかろう。もう少し短くするか、撮影の位置を変えて変化をつけ  るかしてはどうだろうか。  また、携帯電話が鳴るたびに車で丘の上の墓地に登る繰り返しのシーンは、ほと  んど同じ位置からなんども撮影しているようだが、位置をかえることで更に風景  の広がりを感じることができたのではないだろうか。もちろん、このシアダレ村  は背後を山に覆われた位置関係にあり、他の位置からの撮影が難しかったとか、  反対にそれ以上の広がりがないという意味を持たせたいという捉え方もできなく  はないが、キアロスタミ監督は繰り返すことの面白さを演出していたと考えたほ  うがいいだろう。背後からの撮影、車を追ってい行く撮影、丘の上からやってく  る車を撮影するなどどれも簡単な方法だが、どこか1場面でもそうなっていれば  「またこのシーンか」と一瞬であれ退屈に感じることがなかったはずだ。  勿論これらは撮影監督への不満ではなく、編集と撮影場所(位置)選択の問題だ  ろう。とはいえ、このイランの田舎の自然を、人物の表情を見事に捕えているこ  とに違いはなく、たわわに実る麦の穂の黄金色、大地の色、白い壁と青いドアと  いったあたりには本当にほれぼれする。  脚本も単調になりそうな話の中にいろいろとちりばめた話題が入り交じっていて  面白い。基本的には死を待つ話なのだが、エンディングでみせる複雑な心境の意  味深さや、取り囲む人間一人一人の性格に同時に引き込まれていてく。  これは必見だ。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.062

1999年 11月 8日 配信
ScreenKiss Vol.062

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Vol.062

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □東京国際映画祭:大佐に手紙は来ない   □東京国際映画祭:コンペティション受賞結果 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆東京国際映画祭:大佐に手紙は来ない☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    総評:★★☆☆☆  映画を見ていると、この映画を演劇で見たいとることがある。イギリス映画界で  は多い事だが役者が演劇出身であったり、ロケーションがほとんど1ヶ所であっ  たり、セリフ重視の作品であったりする場合だ。そんな映画だった。 ◆ストーリー  どうやって食べていけるのか分からないくらい貧乏な老夫婦。軍隊の恩給(年  金)を待ちわびているのだが、一向に通知がこない。最愛の息子は闘鶏場で殺さ  れた。その息子が飼っていたシャモを唯一の心の糧として生活する大佐と、その  事が心の傷となっている妻。  生活苦の為にそのシャモを闘鶏に出す事や、終いには売ってしまうことまで考え  るが、結局息子の影を手放す事ができない。そして物語は大佐のプライドが貫か  れることにより終わりを迎える  勿論、このストーリーにたいしても見方が違う人がいるだろう。さて、ガルシア  =マルケス原作で"大佐"という言葉、物語の雰囲気でいえば政治色が強い印象が  あるが、実際は政治・体制批判的なものを感じなかった。この映画の主題は老夫  婦の尊厳。 ◆役者の演技に関して  大佐は不幸な境遇に立たされていても希望を感じさせる役柄。それを明快なセリ  フ回しとテンポいい動きで演じている。ベージュのスーツをサスペンダーで着込  み、こぎれいにしているのだが、背中の曲がりぐあいや動作も明確でテンポがい  い。一方、妻の演技はねっとりして、表情が暗く視線もきつい。子供に嫌われる  タイプの嫌な老婆そのままだ。髪型もばさばさの白髪が気味悪く伸びていて、ブ  ラシをかける時も美しさを感じない。彼女のその表情により役柄を意図的に演技  じきっている。  しかし、回りを固めなくてはならないはずの役者の演技は悪かった。娼婦役のサ  ルマ・ハエックは婦人に食料品を手渡そうとするシーンと最後の闘鶏を見に来て  いるシーンで表情に適切な感情が表れていないようだ。つまり、手渡すシーンで  はセリフを読むのに必至になりすぎて表情をコントロールできていないし、闘鶏  ではそれまでの彼女の立場を無視するような明るい笑顔だけを見る事ができる。  動作も映画的ではなく舞台で演じているかのように体を回したり、足を踏ん張っ  てしっかりとその場に立ちすぎている印象。  背中が痒くなるくらいにじめじめした家、一貫して暗い映像にはそれなりのリア  ルさがあるのだが、途中で飽きがくる。朝日に映える大佐のベージュのスーツ  は、撮影において適切なレンズ/光源の選択であったと思う。  映画としてはぱっとしなかったのだが、ぜひ舞台に場所を変えてみてみたい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆コンペティション受賞結果速報!!☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  16:30〜17:15 オーチャードホールにおいてコンペティション部門の結果が発表  された。受賞結果は以下の通り。  東京グランプリ:『ダークネス&ライト』  審査員特別賞:『虹鱒』  最優秀監督賞:マーサ・ファインズ(『オネーギン』)  最優秀女優賞:マリア・ガリアナ(『アローン〜ひとり』)  最優秀男優賞:カルロス・アルバレス=ノボア(『アローン〜ひとり』)  最優秀芸術貢献賞:『ルナ・パパ』  東京ゴールド賞:『ダークネス&ライト』  (35mm長編映画3本以内の監督対象/賞金1,000万円)  東京グランプリ、東京ゴールド賞には、東京都知事賞が併せて授与された。 ■審査委員紹介  上記の結果は、以下の審査委員の選考によるものである。  審査委員長:カレル・ライス(映画監督)  挨拶より  「審査に当たる委員は、年齢、性別、出身地等が実によいバランスで選出された  と思う。このバランスで委員の頭と心に響いた結果はとても良いものだった。ほ  とんどの大事な決断に関しては、満場一致を見たが、その他では互いに論議を重  ねた。我々の仕事が皆さんにも、同感と思って頂けると嬉しい。」  審査委員:  マリルー・ディアス=アバヤ(映画監督)  ペーター・オールベック・ヤンセン(プロデューサー)  フリオ・メデム(映画監督)  松坂慶子(女優) ■受賞者会見 ◇リー・カンイ(『ダークネス&ライト』女優)  「もし何かに選ばれたら、観客と選考委員の皆さんに感謝の意を述べなさいと監  督に言われていました。」と舞台でも2度、監督の代理を務めた可愛いリーさ  ん。実は、この作品、昨日のアジア映画賞も受賞しているので(ScreenKiss Vol  参照)、実質3冠に輝いた事になる。  その後監督に電話で、受賞の事を伝えると、「これで借金が返せる」と言ってい  たとか。  「俳優達の演技が自然だったが、監督からはどのような指示があったのか」とい  う問いに、「撮影にかかった2ヶ月のうち、半分は俳優同士のコミュニケートに  費やされました。盲人、知的障害者の方もいたので、時間をかけて行ったので  す。また、スタートの合図なしに、カメラを回していることもあり、そこが、自  然な感じに撮れているのかもしれません」 ◇パク・チョンウォン(『虹鱒』監督)  「近くの国で、しかも自分が好きな日本での受賞はとても嬉しい。寒い季節の撮  影はとても大変だったが、それが報われた気がする。東京国際映画祭では、前作  『永遠なる帝国』も上映された事があり、2年前はそれまでの3作品が東京と大  阪等で上映されている。  日本での韓国映画の市場はまだ狭いし、日本映画を韓国で見れる機会もまだ少な  いので、これからはもっとそういうところがオープンになっていく事を望んでい  る。個人的には日韓合作映画など撮れたら、と思っている。」  韓国の映画産業について、という質問には「3年前から大手企業が撤退を始め、  銀行系が参入している。ハリウッドのような大作派(80%)と、作家主義の作品  (20%)の2派に大きく分かれるが、前者の製作費が約30億ウォン(約300万ド  ル)に比べ、この『虹鱒』は3億ウォン。作品の完成前に、ビデオ版権を売却し  たり配給会社から出して貰って資金調達をした」と、涙ぐましい話も。 ◇ベニート・サンブラノ   (『アローン〜ひとり』監督。最優秀女優賞、マリア・ガリアナと、最優秀男   優賞、カルロス・アルバレス=ノボアの代理として)  「俳優さん達のお陰でこうして、賞を頂けました。日本の方々へ彼らからキスを  贈ります」と挨拶。  各賞には宝飾のミワより、パール製の蝶ネクタイとネックレスも贈られたが、  ネックレスの値段が、約100万と聞いて「今度から監督を辞めて、俳優しようかな  〜」とお茶目な事を。  そして、「自分の表現したい事を俳優を通して行うので、彼らはとても重要。ア  ンダルシアと東京はとても離れているが、センチメンタルな部分が伝わったこと  が嬉しい。」と述べた。  こうして、俳優が二人も受賞した作品であったが、当初は2人とも監督の考えて  いたキャラクターとは多少異なっていたようだ。マリア・ガリアナはイメージが  異なっていたが脚本を読んで貰った後、1週間後にテストしたら、他の俳優との  間に独特のムードを作っていて起用することにしたそうだ。  また、カルロス・アルバレス=ノボアは、唯一アンダルシア出身でなく方言が出  来なかった。が、彼の提案でアストゥリアス地域のアクセントを採用したとこ  ろ、とても良くなったという。 ◇バフティヤル・フドイナザーロフ(『ルナ・パパ』監督)  大柄な身体に優しい顔が乗った、監督。「作品に注目して貰ったのは、とても嬉  しい。私が喋るより、作品が語ってくれるので」と言葉少なかったが、ドイツ人  のモーリッツ・ブライプトロイさんを俳優として起用した点については、「自分  はいつも気心の知れた人としか組まないし、彼の事はよく知っていたので」と話  していた。  それを受けて、同席した俳優のモーリッツさんも「タジキスタンでの撮影は極め  て大変だったが、出演して良かったと思っている」と述べていた。 ■エントリー全作品紹介  今年は52カ国から457作品の応募があり、数次に亘る予備選考通過の16本を対象に  各賞が選出された。対象作品は以下の通り。コメントは司会進行の襟川クロさん  のものから抜粋。(□付きの作品は東京ゴールド賞対象作品) □『ミッドナイト・アンド・ハーフ』  キューバの映画学校の同級生二人の作品。幻想的でゲーム的感覚の作品。 □『オネーギン』  マーサ・ファインズ初の長編作品。兄レイフはプロデューサーと主演。兄妹で1  度も喧嘩することなく完成させたそう。 □『破線のマリス』  予測のつかない展開でパワフルに見る者を引き付けていく作品。TV界のマジック  による恐怖。 □『ナン・ナーク〜ゴースト・イン・ラヴ〜』  タイで最も有名な伝説をファッショナブルなホラー映画に仕立てた。 □『アローン〜ひとり〜』  キャラクターと俳優のコラボレーションが良い。毋の愛、存在感を感じる作品。 □『ママ』  実際のハイジャック事件をベースにした作品。息子役の俳優達は、人気の美形俳  優達で女性観客を喜ばした? □『虹鱒』  個性的な俳優陣が揃っていた。人間の本性が垣間見られる作品。 □『マリアの息子』  コメディアン、ハミド・ジェペリの初監督作品。ほとんどがアマチュアの出演  者。少年の目を通しての展開が良かった。 □『ツイン・フォールズ・アイダホ』  ちょっぴりシニカルさのあるラブストーリー。 □『スプリット・ワイド・オープン〜褐色の町〜』  インドのマサラムービー盛況の中、ショッキングで現実感のある社会派の作品。  人間にとって大切なものは何かを考えさせられる。 □『アーベントランド〜さすらい〜』  孤独なカップルをカメラが追っていく、独特な作風。 □『ダークネス&ライト』  優しさと寂しさのある、家族の物語。監督はワンシーン毎に釣りをしては、プラ  ンを練っていったとの事だった。 □『大地と水』  監督の自伝的要素が強い作品。 □『ルナ・パパ』  撮影現場はとても国際的でいつも賑やかだったそう。哀しいのにコミカルな不思  議な作品。兄役の俳優が飛び入りで舞台挨拶をしたりして、場内を賑わしてい  た。 □『真夜中まで』  和田誠監督4作目。真夜中の2時間を同時進行させていく変わった手法で観客  引っ張った。 □『クリミナル・ラヴァーズ』  先の読めない展開と、2つの話をラストでひとまとめにした手腕は、まさにオゾ  ンワールド。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.061

1999年 11月 7日 配信
ScreenKiss Vol.061

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □エステサロン ヴィーナス・ビューティ   □東京国際映画祭:アジア映画賞   □東京国際映画祭:『シュリ』緊急追加上映決定!! >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆エステサロン ヴィーナス・ビューティ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  今年の「第7回フランス横浜映画祭 '99」ではクロージング作品として上映された  今作品。監督のトニー・マーシャル、出演のサミュエル・ル・ビアン、ナタ  リー・バイ、マティルド・セニエ等も来日して、作品に関する裏話などを残して  いってくれました。以下にプレスシートからまとめたものをお届けします。  また、この作品は'99年カブール映画祭で「今年のとってもロマンティックな映画  賞」を受賞。若手俳優2人にも賞をもたらしました。  ◆トニー・マーシャル監督の話から(インタビュアー:水原文人)  舞台となったエステサロンは、実際彼女が行っていたサロンから題材を得たとい  う。そして、巷の喧噪を取り入れるべく、パリにエステサロンを仕立ててしまっ  た。「本物」の通行人が外部を行き交っていたわけだ。撮影が進むにつれ、町に  馴染んでしまったこの舞台は、予約を入れようとするお客まで出る始末だったそ  うだ。  そして、エステシャン達の話題や、作品中の出来事は監督が本物のサロンに通う  度に取材した「実話」が元になっている。  この作品の構想は、そもそもナタリー・バイを主役に据えるところから始まった。  だから、元々の題は役名の『アンジェル』だった。その他の配役もある程度は構  想通りだったが、サミュエル・ル・ビアンだけは、彼女のイメージではなかった  らしい。が、彼に対して堅苦しいイメージを抱いていた彼女も、実際本人に会っ  てみるとそんな心配も払拭。彼に決まりとなった。  ◆サミュエル・ル・ビアンの話から(インタビュアー:吉家容子 )  と、次はそんな監督の期待に応えたサミュエル・ル・ビアンのインタビューから  です。彼はこの作品で若手の有望な俳優に与えられる「ジャン・ギャバン賞」を  受賞しています。  '94年以来コメディ・フランセーズに在籍していた彼は、この作品への出演をきっ  かけに劇団を離れた。マーシャル監督は「俳優にとって人生の選択の時」だとし  て、この決断を応援したそうだ。  今回の監督との仕事は、脚本の良さもさることながら、女性監督という事で特に  男性監督にない魅力を感じたという。  彼は俳優になる前は、何と口から火を吹いたりの大道芸人なども経験している。  そうした生活の中から決意して俳優という職業を選んだが、自分自身が演技に  よって別人になれるところに大きな喜びを見出しているという。  次回作はエリック・ロシャン監督の刑事もの。今後も様々な役所をこなしていき  たいと思っているそうだ。  ◇この作品では、彼の他に20才のマリーを初々しく演じた、オドレイ・トトゥが  「今年のロマンティックな新人賞」を受賞している。  リリースにナタリー・バイのインタビューがなかったのが残念でしたが、来日し  ていた彼女は優しい瞳の、美しい人で、アンジェルの芯のある優しさがこの中に  見えました。また、小柄なトニー・マーシャル監督は身体一杯にエネルギーが満  ちているような人で、周りを明るくしてました。  マティルド・セニエは画面からだと、かなり大柄な印象だが、意外とそうでもな  い。セニエ家の特徴なのか、太い眉が印象的でした。  サミュエル・ル・ビアンは、作品のアントワーヌのように大柄で鷹揚。少年の雰  囲気を未だに感じさせるフレッシュな人柄でした。初めての来日ながら、日本が  とても気に入って、ゲスト全員がサインをしたボードには、「ありがとう」とサ  イン。  この作品の上映前には日本語での挨拶も。また、歓迎会のお茶会では結構はしゃ  いでいたそうです。筆者が会った時は、何やらスーパーのビニール袋を下げてぶ  らぶらしていたのに、カメラをみつけるやすぐにポーズを。撮る気のなかった私  も、その人懐っこい笑顔に、ついシャッターを押してしまいました。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆アジア映画賞結果速報!!☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  アジア映画賞:『ダークネス&ライト』(チャン・ツォーチ監督)  スペシャルメンション:『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(三池崇史監督) ■『ダークネス&ライト』(チャン・ツォーチ監督)  今年度のアジア映画賞受賞作品は『ダークネス&ライト』(チャン・ツォーチ監  督)に決定した。受賞式は午後5時より渋谷公会堂にて行われ、監督不在の為、主  演のリー・カンイが受賞式に臨んだ。監督からは受賞の喜びを綴ったメッセージ  が届いた。  審査委員長の映画監督の崔洋一氏からは、この作品について、以下の点が評価さ  れた旨の説明があった。  「新しい方法論に驚嘆させられ、また、ラストのどんでん返しが、とても映画的  で面白い。キャラクターのリアリティ感とヒロインの描き方が素晴らしく、ファ  ンタジーでありながら、自分達ひとりひとりの物語として捉える事が出来る」  受賞後にリー・カンイは「ヒロインから学んだことは、一種の楽観性でした。彼  女との共通点も、よく笑うという点で、監督からも“地のまま演じて”と言われ  ていました」と、よく動く大きな目を輝かしながら語ってくれた。  アート系の高校でドラマコースを選択していたが、主に舞台向けの授業だったそ  うで、映画は今回が初めて。今後の出演予定に関しては、具体的には、未定とい  う事だった。 ■『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(三池崇史監督)  スペシャルメンション(特別賞)は、受賞からもれたので選んだ訳ではなく、映  画祭の性格上、トッププライズだけを良しとする固定観念を嫌うから。また、こ  の作品については審査員間で、今日の日本映画のとらえ方の点で激論が交わされ  たものである。(崔洋一氏)  「人々の好奇心を引き付ける作品」であり、「ジャンルを固定出来なく」「古い  概念より新しい試みを試作した」点を評価された。新しい世代感覚として、世界  へ影響していく事を期待しての特別賞となった。 ■アジア映画賞とは・・・  今年で3回目となる「アジア映画賞」。アジアにおける映画製作の振興と映画作家  の活動を支援すると共に、アジア映画人との交流を促進する事を目的としている。  アジア映画賞は、東京国際映画祭のコンペティション、シネマプリズム、ニッポ  ン・シネマ・ナウで上映される作品のうち、アジア地域で製作された35mm長編映  画を対象としている。  受賞作品には、当映画祭より賞金100万円を贈呈、渋谷区長よりトロフィーが併せ  て贈られる。  今年度は審査委員長の映画監督の崔洋一氏他、審査員は映画評論家のトニー・レ  インズ氏、映画祭コーディネーターのポール・イー氏、朝日新聞記者の深津純子  氏、キネカ大森支配人の平野博靖氏。  本年度の賞の対象は上記2作品の他13作品。上記以外でノミネートされていた3  作品(◇印)について、審査員の寸評を紹介しておく。なお、括弧内は監督名で  ある。  コンペティション部門から  『ナン・ナーク〜ゴースト・イン・ラヴ』(ノンスィー・ニミブット)  『紅鱒』(パク・ジョンウォン)  『マリアの息子』(ハミド・ジェベリ)  『スプリット・ワイド・オープン〜褐色の町〜』(デヴ・ベネガル)  『破線のマリス』(井坂聡)  『真夜中まで』(和田誠)  ◇『ルナ・パパ』(バフティヤル・フドイナザーロフ)  物語のスケールが大きく、好むべきホラ話。お伽話のような中にもリアリティを  感じさせる。  シネマプリズム部門から  『サティア』(ラム・ゴパル・ヴァルマ)  『正義の華』(マノップ・ウドムデート)  ◇『マラナ・シハサナム』  現代社会を普通に生きようとする主人公を、重い視点でクールに描いているもの  の、ケララという場所をモチーフに娯楽性も兼ね備えた作品である。  ◇『フラット・タイヤ』(ホアン・ミンチュエン)  個人の内面を掘り下げ、ドキュメントと虚構の融和がうまくはかられている。ヒ  ロインの心境が現代の台湾を反映してる。  ニッポン・シネマ・ナウ部門から  『火星のわが家』(大島拓)  『金髪の少年』(犬童一心)                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆『シュリ』緊急追加上映決定!!☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  本日上映された『シュリ』は、入場出来なかった観客約1500人程が会場周辺を取  り巻き、緊迫した状態になったため、急遽以下の予定で追加上映が決定した。  シュリ  監督:カン ・ジェギュ  出演:ハン ・ソッキュ、キム・ユンシン  1999年/124 min  11月7日(日)17:30〜(開場:17:00)渋谷公会堂   詳細はホームページwww.tokyo-filmfest.or.jp等でご確認ください)  アジア映画賞受賞式に引き続き、『シュリ』の舞台挨拶が行われた。会場には監  督と主役の二名が来場し、満席の場内を沸せていた。(冒頭に記載したように、  確かに外も物凄い人々が溢れていて、ダフ屋も声をかけまくっていた)  この作品は韓国では『タイタニック』の動員記録を、その半分の日数で塗り替え  たと言われる程の大ヒット。全国民の7人に一人は見たことになるという。タイ  トルの「シュリ」とは、朝鮮半島の川にのみ棲息する淡水魚で、映画ではスパイ  のコードネーム。南北を往復する自由と統一の象徴。  以下舞台挨拶の模様からのレポート  ◇この映画が大ヒットしたのは何故でしょうか?  カン ・ジェギュ監督:  理由はおおまかに3つあると思います。「観客の為の映画という試み」「南北問  題を扱っている事」そして「初めて韓国でつくられたスパイ、アクションもの」  という事です。  ◇最近は日本映画も解禁になり始めましたが、日韓の交流の点は如何でしょう  か?  カン ・ジェギュ監督:  早く全面解禁になるべきだと思います。そして、アジアにおける、韓国と日本と  のマーケットが出来ないかと思っています。技術や資本、共同配給という形での  交流や、共通のアイテムの開発などもいいと思います。  ◇主演のハン・ソッキュさんに伺います。貴方の出演作品は全てヒットするとい  われていますが、その人気の秘密はなんでしょうか。  ハン・ソッキュ:  『シュリ』の前までは独身だったけど、最近結婚したんで、人気が落ちてしまう  かな〜(笑)。観客の方との信頼関係の上での人気だと思います。  出演作は「まず、シナリオを選び」「選び方も視野が狭くならないように、気を  付け」て、「その作品が現在の韓国映画にどのような位置を占めるのか」「その  作品が今の映画界にとってプラスになるのか」を見極め、決定したら「信念を  もって仕事をして必ず、その作品がヒットするように最大限の努力をします」  ◇今回の『シュリ』への出演理由を教えてください。  ハン・ソッキュ:  今の作品で私の出演作は7本目になります。それまでは新人監督との仕事が多  かったのですが『銀杏のベッド』という作品で、カン・ジェギュ監督と出会い、  今回で2度めのコンビです。そこで、監督とは既に信頼関係を築いていましたし、  こういったジャンルの映画は韓国にはなかったので。  落ち着いた雰囲気の監督と、ちょぴりお茶目なハン・ソッキュ氏。日本でも『八  月のクリスマス』でお馴染みのせいか、登壇した途端、会場から歓声があがって  いた。  なお、この作品は2000年の正月第二弾映画として、渋谷東急、銀座シネ・ラ・  セット等での公開が決定しています。  P.S.  緊急速報ついでに、明日のシネマプリズムのクロージング作品『風が吹くまま』  (キアロスタミ監督)。お約束のジグザグ道と子供の登場、禅問答のような台詞  に、美しい風景が目の保養です。主人公のカメラマン氏が来日しています。昨日  の『キシュ島の物語』を御覧になっていたので、終映後につかまえて話をしまし  た。英語が少し苦手のようでしたが、とてもきさくで優しい人でした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.060

1999年 11月 6日 配信
ScreenKiss Vol.060

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Vol.060

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □映画に見る60年代ファッション   □ロンドン・フィルム・フェスティバル   □rfi musique:アリエル・ドンバール   □シックス・センス   □東京国際映画祭:アーベントランド〜さすらい〜 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆映画に見る60年代ファッション☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  映画を観る事の楽しみの一つに、ストーリーはもちろん、スターが身につけるド  レスや世相を体現したファッションをチェックできるという点があると思う。  さてここ最近「オースティン・パワーズ」シリーズの大ヒット、「ポリーマグ・  お前は誰だ」の公開など、60年代ファッションが注目されているように思われ  ます。この時代はまだ女性が可愛い、「ベイビー」であるのが理想だったようで、  映画界も、フェミニンで洗練されたファッションの宝庫なワケです。そんな訳で、  当時の典型的なファッションをチェックできる映画をピックアップしてみました。  ■アメリカン・グラフィティー  言わずと知れたコッポラ監督の名作青春映画ですが、この映画は60年代、といっ  てもまだ50年代の雰囲気残る62年の古き良きアメリカが舞台になっています。で  すので今のコギャルのみなさまに是非見習っていただきたい、トラッドな学生  ファッションの宝庫なのです。 女の子は紺のレタード・セーターにチェックの  スカート、そしてポニーテール(アクセサリーもリボンやハートの小さいペンダ  ントなど控えめで好感がもてる。)そして男の子は、ギンガムチェックのシャツ  にチノパン、ローファーなどいいとこの坊ちゃんふうで、さわやかです。(リチ  ャード・ドレイファスにもこんなにサワヤカな青春時代があったんですねえ。)  ■真夜中のカウボーイ  いっぽう60年代、といっても、この映画や「イージー・ライダー」等、アメリカ  ン・ニューシネマが登場した69年には、前半のようなサワヤカな雰囲気はなく、  どの映画にもドラッグ、貧困、差別などの世相が反映されてくるようになった。  (やはり戦争の影響は大きい。)  この映画は作品としての価値もさることながら、そういった世相を巧みにファッ  ションに反映させています。舞台はニューヨーク、金持ち風のご婦人方は、ブロ  ンドの髪をきっちりカールしミニ丈のシャネル風のスーツを身につけ、プードル  を散歩(犬までがファッションの一部といった感じ。)させているなかで、テキ  サスの片田舎から、カウボーイ・ハットにフリンジの皮ジャン、そしてウェスタ  ンスーツでキョロキョロしながらやってくる、ジョン・ボイドの姿が・・・その  一場面で当時の最先端のファッションと貧しい田舎者のファッションが見事に対  比させられているわけです。(でも、今の東京の町ならカウボーイ・ファッショ  ンの方が浮かないかも。)    ■おしゃれ泥棒  そして60年代、といえばこの人、ヘップバーン抜きでは語れません。なかでも  この作品、タイトル通り、盗みたくなるおしゃれでいっぱいです。黒のスリッ  プ・ドレスに編みタイツ、足元はブーツなんて言うファッションは、今、銀座や  渋谷を歩いていても少しも浮かないし、紺のピーコートにスカーフなんていう着  こなしは、誰でも簡単に真似できると思います。(決して彼女のようになれる、  という保証はしないけれど。)でも、コートの襟がちょっと狭くなっていたり、  髪型がシニヨンだったりするのがいかにも60年代的で、今のファッションよりも  更にお洒落なのです。  ■オースティン・パワーズ  60年代のイギリス大好き!という方には、既に有名ですが、この映画がダイジェ  スト版の役割を果たしてくれることでしょう。  特に第1作のほうは、エンド・クレジットのあたりでエリザベス・ハーレー扮す  る、ヴァネッサのファッション・ショー的な場面が延々と続き、これは60年代  ファッションを愛する人へのプレゼントかな、と思ったりもしました。ビニール  にカラフルな水玉模様のミニ丈のレインコートとか可愛くない人がやったらシャ  レにならないけど、本当、キュートなのです。この作品では、オースティンが9  0年代に行ってしまった、というギャップが見所なので、ヴァネッサのいかにも  90年代、なクールなキャリアウーマンファッションとの対比も楽しいのです。  こうして見るとファッションというのは結構、世相を表す、という点ではかなり  優秀な小道具になり得ますよね。                                    MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ロンドンフィルムフェスティバル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     London film festival 11/3〜18  東京国際映画祭と期を同じくして、こちらも今日11月3日からLondon film  festivalが始まります。私は今回初めてなので、勿論楽しみにしているのですが、  東京国際映画祭を満喫していた私には、何かと「??」と思うことが多いのです。  今日はオープニング・ガラとしてアン・リー監督の新作「ride with the devil」  が上映されるのですが、実は明後日5日から早くも一般劇場公開されてしまうの  です。オープニング故、ゲストも豊富と旨みも確かにありますが、それだけに値  段も高く、チケットは3000円以上。「旨み」と言っても、他の上映にはほと  んどゲストが無いゆえの「旨み」であり、チケット購入時に聞いたところによれ  ばオープニング、クロージング・ガラ以外は純粋なる上映のみ。(インタビュー  や講演はまた別枠。)  しかもその「純粋な上映」も(短編作品が同じ上映されるものもありますが)チ  ケットの値段は一般劇場公開と同じかそれ以上(7.2〜8.5ポンド、1400〜1600円  といったところ)。上映作品数約200、規模も大きいけれど、1000円でブラピやレ  オが見られ、多くの上映にティーチインがつく等、映画祭ならではの華やかさが  楽しめる「東京国際」に慣れたわたくしにはいささか物足りないのです。でも、  まだ行っていないので何とも言えないのですが。東京ではレイフ・ファインズが  来る!との「onegine」、こちらでも上映されますが、多分レイフ様はいらっしゃ  らないでしょう・・・・。  しかも、15,16日に映画祭で上映されるこの作品、なんとこちらも19日か  ら一般劇場公開されてしまうのです!たった3日早く見ることに意味があるの  か?(勿論、公開がまだまだ先の作品も多数あるとは思いますが)。でも、  「onegine」の夜の回の上映は既に完売。やっぱり意味があるのでしょう・・・。  (お金を払っての試写会、もしくは先行上映と考えればいいのでしょうか?)  通常、学生チケットを買える私は1年中5ポンド(1000円弱)で映画をみられる  し、平日午後5時までと月曜日はどこの劇場も4〜5ポンドで見られるこの街。  そこで行われる映画祭。何だかとっても疑問ですが・・・・と、何だが文句のよ  うなことを書いてますが、百聞は一見にしかず。兎に角行って見ないことには。  インディーフィルム等々も多く公開され、「納得、やっぱり映画祭」というプロ  グラムもあり、「ああ、早くみたい!」という興奮も勿論感じています。  例えば、代官山周辺に詳しそうなアート入った系の気のつよそ〜なオリーブ少女  (私も10年以上愛読してますが・・)が「見逃せないわっ」と喜びそうなソ  フィア・コッポラの作品「the virgin suisides」とか。  明日の「the five senses」という(今ヒット中の似たような題名の作品ではあり  ません)カナダ作品を皮切りに、10数本見る予定です。映画祭の華やぎや、ロ  ンドンならではの何かがあるのか?をじっくり見て参ります。  PS:  たった今、(私のとっては)重大かつショックな発見をしてしまった!  「onegine」、私は16日の午後の上映のチケットを買ってしまったのですが、同日  午後7時から映画祭とは全く関係のない(と思われる)インディー系の映画館で  「RALPH FIENNS and Martha Fiennes(監督、同じに姉、もしくは妹) talk about  latest feature ONEGINE with a special preview」なるものが行われる事を知っ  てしまった、、、!!まだ詳細は分からないけれど、映画祭がただの上映だけな  らこっちの方が百万倍魅力的!ではないですか!!  300席以下の映画館だからして、ああそこにレイフ・ファインズ!値段もこちらの  方が安いみたいだし。映画祭チケットに払った8.5ポンド(1700円弱)棒に振って、  こちらもチケット予約すべきか?ここはひとつ大人になって「生レイフ見たか  らってさ・・・」と映画祭で大人しく映画だけ見るか?(でも「サプライズ・ゲ  ストで今日はレイフ・ファインズさんが来てくれました!」なんてことが無いと  も限らないし、、、。)  秋の夜長、ひとり思い悩む私です。                                    hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆アリエル・ドンバール☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ rfi musique  パリ・セーヌ局より、今週はジャン・レノ、アリエル・ドンバールのフランス俳  優のインタビューをお送りします。第2回目はアリエル・ドンバールさんです。 ■アリエル・ドンバール > rfi >>
 アリエル・ドンバールはカリム・ドリディ(*1)の最新作(*2)にパトリッ
 ク・ブリュエル、ミュウ・ミュウ、ミッシェル・ゲラビュル等と共演しています。
 現在フランスには、約8万人の俳優がいますが、彼等全てが知られ、成功してい
 る訳ではありません。この作品はそうした状況の中で、失業中の俳優が恨んで人
 質を取るというストーリーです。

 では、アリエル・ドンバールさんへのインタビューです。

>> Arielle Dombasle >>>>
 カリムは我々、ミュウ・ミュウやブリュエル等に各々の独自の個性をもって役を
 演じるよう求めました。しかし、これはフィクションであり、スタジオで作られ、
 細部まで、じっくり練られたシナリオに基づいた作品なのです。フランスにいる
 約8万人の俳優の中で、成功している、一部以外は、はじき出されている現状が
 あります。そうした、何も持っていない俳優の疎外の話です。

 私にとって興味深かったのは、カリムの映画の中のテーマです。それは、才能が
 ありながら、なかなか日の目を見る事が出来ない男が持つ、有名人、有名故に認
 められ、愛されている人々、への憎しみというテーマです。

 一人の才能豊かな青年が、有名人を人質にとって深みにはまっていくのは、これ
 らの激しい怒り、憎しみ故、というテーマがとてもモダンで興味深いものに思え
 ました。これはイヨネスコの世界に近いものがあります。

 この映画の面白い点は、感情の絶頂を描くことを好む、カリムのありのままの真
 実の映画であることです。

 時には、ピストルを発砲するシーンなどのように、前もって俳優にも知らされて
 いなくて驚かされた事もありました。

 この映画は現実とフィクションの入り交じったものです。俳優達も各々の気位に
 応じて対応していました。私は私生活ではむしろ冷静なタイプですが、ほんの些
 細は事も怖がる方なのです。勿論、私にもあまり楽しいとはいえないアバンチュ
 ールの経験はいくつかあります。そういった事は誰にも起きる事でしょう。人は
 それぞれの持って生まれた性格、感受性でそれらに対応していくものだと思いま
 す。

> rfi >>
 アリエルドンバールさんは、嘗て『ペルスバル』『シナラ』『美しき結婚』『海
 辺のポーリーヌ』等に出演しています。現在、彼女はエリック・ロメールの世界
 を去り、更に多様な世界で活躍する為、クロード・ジティの『アステリクスとオ
 ベリクス』や、最近は仏伊合作映画『ボーバーグ』にも出演。この映画は中央ア
 ジアのモンゴル砂漠で撮影されたウズベキスタンの映画で、この中で彼女はとて
 もミステリアスな役を演じています。

>> Arielle Dombasle >>>>
 私は世の中の様々な事に好奇心旺盛で、自分と異なる世界(プラネット)が大好
 きなのです。モンゴルの俳優、ヌーズベクとの共演はとても新鮮でしたが確かに
 難しくもありました。でも、私が演じていく様々な事の中で、大きな冒険ととも
 に本当の人生を生きる、という体験は素晴らしいものでした。

> rfi >>
 アリエル・ドンバールさんは、たわいない事、軽い事が、楽しさや喜びに繋がる
 と言っています。そうした楽しみ方が、多分、しばしば監督を惹き付ける彼女の
 魅力になっているようです。

>> Arielle Dombasle >>>>
 私は監督との出会いの中で、ものすごい暴力も爆発もないシンプルなストーリー
 の中、彼が何を言いたいのか、何をこの映画に持ち込もうとしているのか、どん
 な想像の世界があり、彼の作品の力はどんなものか、その表現や夢はどんなもの
 なのか、そういう事で私は作品を決めるのです。

 私はコメディを愛しています。というのも、私は笑う事が大好きだからです。『
 アステリクスとオベリクス』では、ドパルジュー、クラヴィエ等が出演し、CG や
 特殊メイクがあり、とにかく楽しいものでした。私にとって軽妙さとは、ソフト
 でエスプリ、知性、滑稽さ、そして楽しさを指すのです。

(*1)カリム・ドリディ
    監督。1961 年チュニジア生まれ。’94 年『ピガール』で長編デビュー。

(*2)『ルール違反』(’97年)
    ’98 年の第6回フランス映画祭横浜にて上映。
    監督のカリム・ドリディも来日。なお、同作品ではアリエル・ドンバール
    も来日。

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                                    □

>>☆4☆シックス・センス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    ★★★★★  本当に、してやられたとはこのこと。話題の「秘密」のラストーシーンに驚かさ  れたのはもちろんのこと、ただの恐怖映画に終わらせないストーリー構成の巧み  さ、とくに登場人物達の心理描写の見事さに驚いたのであった。  中心となるのは四人の人物。いわゆるシックス・センス(死者を見ることが出来  る能力)をもつ少年、その少年を助けようとする心理学者、少年を愛しながらも、  どうしたらいいか解らない母親、そして、仕事一本槍の夫に哀しむ妻・・・  物語は最初、あたかもこの少年を中心に進むサイコ・スリラーのようであり、い  かにこの少年を救えるか、がテーマになっているように見えるが、実は四人が四  人共心に傷を持っており救いを求めているのである。この少年を救うことにより、  いかに皆が癒されていくか、「癒し」こそがこの映画の最大のテーマのように思  える。  離婚、夫婦関係、親子関係、いじめ、児童虐待など、現在アメリカで問題となっ  ている事柄を露骨にではなく、暗にニュアンスとしてストーリーに組み入れ、そ  こから解き放たれることを望む人々を中心に描いたからこそ、本国アメリカで大  ヒットしたのではなかろうか。ただの大どんでん返しや、恐怖感が理由なら、こ  こまで話題にはならないであろう。    子役のH.Jオスメントの演技は各マスコミで絶賛され、言うに及ばないが、(もは  や演技とは言えまい。まさに“素”なのです。)「彼と共演してはボサっとして  はいられないよ。」とのコメントを残したB・ウィリスも、今までのアクション男  優からのイメージチェンジに成功し過去の作品の中で最高の演技をしていたよう  に思える。    監督のM・ナイト・シャマランはインド出身の新人ということだ。だからこそ既存  のハリウッド映画にはない、繊細な作品作りに成功したのではないだろうか。  この映画や、大ヒット中の“マトリックス”のように一筋縄ではいかない作品が  増えつづければ、ハリウッド映画界もより活性化するのでは?  余談ですが、この映画を見た後、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「記憶の扉」  という作品を思い出した。大ドンデン返し系がお好きな方、宗教に興味があるか  たにはオススメです。(同じく心の救いをテーマにした作品です。)                                  MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆東京国際映画祭:アーベントランド〜さすらい〜☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:フレッド ・ケレメン    出演:ヴェレーナ ・ヤッシュ、ウォルフガング・ミヒャエル、       イーザ・ホッホゲルナー    1999年/140 min(コンペ )    11:20〜 オーチャードホール    リピート:11月5日(木)19:20〜 渋谷ジョイシネマ  失業者のアントンと、その恋人レニ。同棲している2人だが、些細の事から喧嘩  してそれぞれの長い夜を過ごす。ニーナの紹介で売春まがいの事をしたり、知人  が歌手をしている怪し気なホテル行くレナ。一方、酒場の梯子の上、そのホテル  の前で門前払いをされるアントン。やがて夜明けになり、再び部屋に戻って来る。  別々に夜を過ごした二人だが、彼らの距離が微妙にすれ違って交錯している。一  見全く異なる夜の時間だったようだが、実は結局回り道をして、再び振出しの彼  らのフラットへ戻る仕掛けが巧い具合に組まれているのだ。  冒頭から、職安での暴行シーンがあり、暗い画面でより憂鬱になりそうな出来事  までが、その場面の中で展開されていく。汚い川の中州で、汚れながら啼いてい  た白鳥や、恐らくは変態に殺されたのであろう、幼い少女の死体。これらの目撃  者となってしまう、アントン。これらは彼の中の無垢な部分を刺激する。  見知らぬ男とのセックスでも満たされない空虚な心を持つレニ。極端に言葉少な  いアントンに怒りを覚えるものの、彼の中の孤独な面に共通点を見い出す。  かなり実験映画のような作風で、最初の方は画面が暗い。ざらざらで、時に不安  定なカメラの捉えるアップ。音楽もポップなものも含まれているが、やはり全体  がアンニュイなムードで、特にニーナがホテルで歌う歌はダミアの「暗い日曜日」  のような感じだ。(来日した女優さんは、このニーナ役の人で、観客の要望に応  じ、舞台でアカペラでこの曲を披露してくれた)  ともすれば目蓋が仲良くなりそうな予感さえしていたが、作品に馴染んでいくう  ちに、何時の間にか140分が経過してた。但し劇場での一般公開は至難の技と思わ  れるので以下に監督ティーチ・インからの抜粋をレポートしておきたい。  撮影にはカメラとフィルムの2台を常に同位置に準備し、人間の視線を意識した  カメラワークをする事で、ドキュメンタリータッチの効果を狙ったという。アン  トン始め、登場人物は台詞が少ない代わりに、仕種や視線、といったものでの表  現を要求されている。言葉より、こういったものの方が正直で、ワールドワイド  に伝えやすいから、という事だった。  映画は現実を反映する鏡のようなものだから、人間を描いていくことでリアリ  ティな事柄を表現していきたいそうだ。  同監督作品『フロスト』(1998年/201min)も今回シネマプリズムで1度上映さ  れているが(11/3)、こちらは日本語字幕なし、という一文で恐れを成し見損ね  てしまいました。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   ClickIncome  (http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   emaga (http://www.emaga.com/entertainment/intro/film.html) ◇◇サービス______________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。   http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585 ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、[email protected]へ ◇◇協力・提携_____________________________◇ ◇   AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/)   Le Petit Bouquet日本語版(http://www.metamondes.com/PetitBouquet/) ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   mailto:[email protected] ◇◇スタッフ______________________________◇ ◇   【編集長】      【記事執筆】    中津川 昌弘     鳥野 韻子               立野 浩超               山下 裕               MS. QT MAI               hana ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.059

1999年 11月 4日 配信
ScreenKiss Vol.059

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Vol.059

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □東京国際映画祭:「太陽」を売った少女   □東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム   □東京国際映画祭:マリアの息子   □東京国際映画祭:ツイン・フォールズ・アイダホ   □東京国際映画祭:マリアの息子   □東京国際映画祭:「太陽」を売った少女   □東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム   □東京国際映画祭:黒い家   □東京国際映画祭:新しい肌 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆東京国際映画祭:「太陽」を売った少女☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    リアルな映像:★★★★☆    アフリカ(セネガル)映画    監督:ジブリル・ジオップ・マムベッティ    (昨年亡くなっている。ご冥福を)  映画はダカール市内で撮影されているようだが、裕福層が主役ではなく、足の不  自由な少女とその回りのストリートチルドレンが主人公。少女は生活費のために  太陽(ソレイユ)という新聞を売り歩く。他に南(シュッ)という新聞があり、  その新聞を売る少年達からは"新聞売り"の新入り扱いされいじめられてしまう。  足が不自由なことも、彼らにからかわれる原因だ。その彼女に味方する少年もい  て、恋とまではいかないが友情が芽生える。  アフリカでは、体の一部が奇形となっている人や、体の不自由な人をよく見ける  気がするが、それは福祉がほとんど存在しないことが1つの原因となっているの  だろう。働けない体の場合は生活費のために路上で座りお金を恵んでもらうしか  ない。必然的に外国人旅行者は重要な客となる為、我々の印象に残ってしまう。  この映画は非常にリアルな映像で、飾りっけない撮影、子供達の顔、服装の汚れ  具合、彼らのはいているサンダル、その他すべてが我々に訴えかけてくるようだ。  まさしく、現実そのままだと思う。アフリカを舞台にしていても、この土ほこり  感が現れない映画が多い中、この映画はそれを目的にして撮影されているのだろ  う。つまり、政府にその福祉を訴え、アフリカの子供達の実情を外国に見せるた  めに。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    インド映画    監督:ムラリ・ナイール  本年度のカンヌ映画祭でカメラ・ドール(最優秀新人監督賞)を受賞している作  品。  それを知ってか、会場は人であふれていた。「『太陽』を売った少女」との並映  となっていたが、皆さんの目的は明らかにこっち。その割には意外にぱっとしな  い作品だと思う。  ■ストーリー  貧しい老人は、ヤシの実を盗んで捕まってしまう。おまけに過去に起こした殺人  事件の犯人にされてしまう。ヌレギヌと思われたが、実はそれが本当に彼の犯罪  だった。死刑の為に用意されたアメリカ製電気椅子は、インドで初めて使用され  る為、村は盛りあがり、犯罪者の老人はまるで英雄扱いされる。挙げ句に死後、  彼の胸像まで立てられる始末。  映画を見た人は気付いていることだろうが、胸像は老人の顔を黒く塗っただけの  代物。最後のアップでそのまぶたが動いていた。単に予算の関係で、特に意味は  ないのだろうが、何となく笑える。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆東京国際映画祭:マリアの息子☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    総評:★★★☆☆    イラン映画としての評価:★★★★☆    監督:ハミド・ジェベリ(風邪でホテルで寝込んでいるらしい)      (失礼ながら、もしや二日酔いでは?)  ■ストーリー  ギャベロン村の少年ラーマンは母親の顔を見たことがない。母親はラーマンを出  産したときに亡くなったのだ。彼は村にあるカトリック教会の司祭と友達になる  が、ある日彼が梯子から墜落した為に起きあがれなくなってしまった。彼は死を  悟ってか、弟に会いたいと言う。彼の為に弟を連れてくる為、一人で町に出かけ  る。カトリックの人たちに助けられようやく探し当てた弟の車で舞戻り、弟は司  祭を町の病院に連れていく。その時、教会の鍵と十字架をラーマンに預けていく。  しばらくして弟の車がやってきたが、そこには司祭の姿はなく、鍵を返して、封  筒をもらう。封筒には司祭と一緒に写した写真と、司祭が母親に似ているといっ  ていたマリアの絵がはいっていた。  この映画は世界中に訴えかけている。宗教が原因の戦争が続く世界で、この村や  町では2つの宗教が共存しているのだ。少年ラーマンは司祭の為に手伝いをし、  司祭はラーマンに教会での祈りを強要する訳でもない。ラーマンは町でであった  カトリックの子供にメッカがみえるオモチャをあげ、司祭はラーマンに十字架を  預ける。司祭が死を知ったラーマンは司祭の為にモスクで祈りをささげる。村の  人もラーマンの行為を素晴らしいと感じている。これこそ、イスラムやキリスト  教の真の教えではないだろうか。他宗教徒を殺せなどといっている訳ではあるま  い。  子供が良く働き、活躍する姿は、何も考えないで見れば教育映画とも見て取れる  が、2つの宗教をここまで融合させて、嫌みなくメッセージを伝える為には子供  達の力を借りざるをえないのかもしれない。  そのメッセージの意味では何らかの賞に価するだろうが、映画としては音のあら  さ、撮影の荒さが気になり、審査員がどの様な基準で審査しているかが分かる作  品になるだろう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆東京国際映画祭:ツイン・フォールズ・アイダホ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    発想   :★★★★★    ストーリー:★★★★☆    総評   :★★★★☆  ストーリーは、シャム双生児の双子が母親探しに来て、娼婦と不思議な関係にな  り、死を乗り越えて新たな旅立ちを思わせるといった感じだろう。  ストーリーというよりも、シャム双生児を主人公に据えた発想は驚いてしまった  し、設定も上手かった。  映画を見て「エレファントマン」を思い出した人も多い事だろう。(まさか、よ  ほど若い人以外で「エレファントマン」をまだ見ていない人も少ないだろう。2  0代後半以上になれば、テレビで何度もお目にかかった事があるのでは!?)  ハリウッドだけではなく各国でこの手の題材は差別という微妙な問題を抱えてい  るため、主題としては取り上げにくいようだが、この映画では双生児を魅力的な  存在にすることで観客の目線をそらしている。「エレファントマン」の場合、醜  さがかなり強調されていたため、同じ病気の患者が差別されたり、興味の目で見  られたりしたらしい。(『神経線惟肢腫』といったかな?難しい名前だ。どなた  か性格にご存知なら教えてください。)  この映画ではそんな余計な心配はいらないだろう。話としてはできすぎた優等生  的な脚本だが、とにかく着眼点の良さに点をあげたい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆東京国際映画祭:マリアの息子☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:ハミド・ジェベリ    出演:モフセン ・ファルサフィアン、ラフィク・テルガブリリアン    1999年/71 min(コンペ )    11:20〜 オーチャードホール    リピート:11月4日(木)15:20〜 渋谷ジョイシネマ  学校の成績も優秀で、牛乳売りでも働くラフマンは、父と祖母の3人暮らし。あ  る日、村で唯一のカトリック教会に運ばれてきた聖マリアの絵に感動し、そこの  老神父と交流を深めるようになる。神父は出産で亡くなったラフマンの毋を知っ  ており、聖マリアと似ていたと、語る。  梯子から落下して骨折した神父を、盲目の友人と世話するが、死期を悟った神父  から、別の土地に住む弟を探して欲しいと依頼され...。  宗教の絡む民族紛争が絶えない今日、こんな地域もあるのかとほっとするような  作品だ。村で唯一の神父とイスラム教徒の少年の心の交流。共に宗教的な行事を  控えていて、それぞれ、その準備に余念がない。そんな折、マリア像見たさに教  会に通う少年に、父は自分の家の手伝いをしないで、他人を手伝っている事を  叱っている。そこで、少年は家にも神父に対しても、きちんとやるべき事はこな  す。  そんな聡明な少年に、神父も心から感謝している。人間関係が、まさに愛と人間  そのもので成り立っている社会だ。両方の宗教が共存している地域を舞台にして  いるそうだが、本来の隣人関係の姿だと思う。  また、ラフマンの友人に盲目の少年がいるが、この子は全ての事を普通の子供と  同じに暮らしている。井戸も掘れば、皆とTVの「Mr.Bean」を見て笑う。全てある  がまま受け止めている村なのだ。実際この子は、大人しいラフマン役の少年に比  べ、始めからとても明るく活発で、その場の雰囲気を和らげてしまう魅力を持っ  ていたそうだ。ちなみにこの子は都会の盲目センターでみつけた、という。  “その純粋な瞳”に惹かれて抜擢されたという、ラフマン役の少年はじめ、全員  が素人の出演者だったが、ほとんどがいつもの職業をそのまま演じているので、  違和感なく撮影出来たようだ。国内で一般受けする最もポピュラーな作品ではプ  ロの俳優が演じているが、こうした芸術作品では、出演者のほとんどがアマチュ  アであるケースが多いらしい。  また、イラン映画のイメージは「子供」を扱ったもの、という感が強いが、実際  は年間作られる、約60本の映画のうち、子供がテーマの作品は10%程度との事  だった。勿論宗教的な制限や、検閲はあるが、主役を子供にしたこれらの作品の  方が海外で訴えるものがあり、海外で上映される作品の80%以上がこの手のものだ  そうだ。  少年の歌う聖歌が、澄んだ朝の空気の中に響く。そんなシーンで始まるこの作品、  後味の実に爽やかな作品である。来日した、監督が気分がすぐれず、とうとう  ティーチ・インにも登場出来なかった。プロデューサーが対応してくれたものの、  早く快復して頂きたいと願うばかりです。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆東京国際映画祭:太陽を売った少女☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:ジブリル ・ディオップ・マムベッティ    出演:リサ ・バレラ、タイル・ンバイ、ウミ・サンブ    1999年/45 min(シネマプリズム )    13:30〜 渋谷エルミタージュ    リピート:11月4日(木)11:00〜 渋谷エルミタージュ  足が不自由だが、家計を助けるためにダカールに出掛けた少女。「ソレイユ(太  陽)紙」を売る仕事にありつくが、そこで、対向紙を売る少年や販売場所を仕切  る少年集団、“疑わしきはしょっぴく”警官等様々な人々に出会う。何があろう  と、気丈に生きていく少女だが、必要な金以外は同じ貧困の人々に与えていた。  ストに「ストリート・チルドレンに」という表示が出る。監督が昨年、惜しくも  急逝してしまって真意は不明だが、多分登場する子供達は本物ではないかと思え  る。と、すればインドネシアの『枕の上の葉』と同様だが、ここには、胸が詰ま  る程の重さがなく、タイトルにある「太陽」のような明るいイメージがある。  勿論、焦点の当て方が異なる所以だが、少女が新聞販売店で書く預かり証にもサ  インの代わりに大きな太陽が描かれ、どんな境遇の人々にも太陽は分け隔てなく  恵みをもたらす、という希望を表現しているのではないだろうか。  逆に言えば太陽の照らす場所には、必ず影が出来るわけで、かなりの悲惨な現実  がこの裏に隠れているのだろう。短い中に現在のアフリカの一部を凝縮させた佳  作。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆7☆東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:ムラリ ・ナイール    出演:ラクシュミ ・ラマン、ヴィスワス・ナラッカル    1999年カンヌ映画祭カメラドール受賞    1999年/60 min(シネマプリズム )  小作人の老人が、貧困と子供への思いから椰子の実を盗んで逮捕される。が、別  件の殺人事件の濡れ衣を着せられ死刑が決定する。  と、その頃アメリカ製の電気椅子導入の問題と選挙戦が重なり、最初老人の助命  嘆願に走っていた島民が、今度は老人をこの電気椅子導入後の第一号となるよう  結束する。名誉ある初の使用者となった老人の処刑は、一大祝典として執り行わ  れ、彼は英雄として島の伝説となった。  冒頭に「ケララの方々に感謝します」という挨拶が出る。という事はこれまた、  アマチュアの出演なのだろうか。上映に当たって、当初関係者の挨拶とティー  チ・インが予定されていたが、急病で中止となった為疑問点がそのままになって  しまい残念である。  年老いた夫婦と、目に入れても痛くない程可愛がっている、まだ小さい一人息子。  この老人の犯した小さな罪。これが死刑になる何て・・・とここまでは「レ・ミ  ゼラブル」的始まりである。  この家族の台詞が極端に少ない中で、状況が徐々に勝手に変化していくおかしさ。  自分が、父が、夫が死刑になると宣告されたのに、段々英雄視されていくにつれ、  彼らの表情がむしろ穏やかになっていく。国賓による処刑のため、島が便利にな  り、これが老人の功績として残されるという皮肉。  これは、特に頭のおかしい島民の話ではなく、世界的に共通する寓話である。こ  こまでシニカルな風刺をつくりあげた手腕に拍手だ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆8☆東京国際映画祭:黒い家☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:森田芳光    出演:内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦、田中美里、石橋蓮司    1999年/118 min(特別招待作品)    15:30〜 オーチャードホール *11月13日(土)〜全国松竹系ロードショー  第4回日本ホラー小説大賞受賞小説の映画化。  ひとりの保険会社社員が、契約者の息子の自殺を巡り体験する恐怖。・・・と、  実は作品を見ていないので、関係者の方々の舞台挨拶を掲載します。  内野聖陽氏  実は一番怖い目に遭う保険金会社の社員役で、心配でしたが森田監督の演出で  どっぷりと森田ワールドに浸れた作品でした。こんなに来場してくださって嬉し  いです。  大竹しのぶ氏  西村雅彦氏と変な夫婦役です。でも、もっと変なのは森田監督です。監督の指示  に従っているうち、喋り方まで変わってしまったような、とても楽しい夏でした。  ついでに今月16日からシアターコクーンで芝居をしますので、そっちも見て下さ  い。(ちなみにこちらは、「パンドラの箱」。稽古の合間に挨拶に来たそうです)  田中美里氏  心理学研究室に勤務している役ですが、怖い役で不安でした。でも、それをこな  せたのは森田監督のお陰です。日常生活にある可笑しさと、恐怖を堪能してくだ  さい。  森田芳光監督  実はここ、東急文化村はとても因縁のある場所です。卒業した小学校の跡地に建  てられているんです。そして、この小学校での思い出は、6年生の時に学芸会の  主役に選ばれて、「よし、将来はスターになるぞ!」と意気込んでいたところ、  何とインフルエンザで学芸会が中止になったという・・。  何てついてない男なのだろう、と悲観していたんですが、こうして今、こんな形  でここで舞台に立ってる訳ですから、神様も恨みを晴らしてくれたんだな、とい  う気がします。人生長く生きていると、いいこともあるもんですね。  貴志祐介氏(原作者)  ホラーを活字にしていく際、心掛けていたのは、映画に負けないようなものにし  ようというものでした。そうして出来上がった作品を、逆に映画化するわけです  から、これは大変な作業だったと思います。  が、森田監督のイマジネーションで、今度は活字では表現出来なかった事が、映  画では可能になっているんです。例えば、表現しにくい「音」「色彩」「光」と  いったもので、それはとても勉強になりました。  「山崎まさよし」を探せ!っていうキャンペーンがあったそうですが、私も実は  この作品に出演しています。みつけたからって、別に何も出ませんが、探してみ  てください。  (原作は83万部以上売れているそうです!)  *皆さん、巧く話をまとめていたけれど、森田監督の因縁譚は場内の笑いを誘っ  ていた。最後に「お約束」の?花束贈呈をされてみなさん、戻っていかれました。  3階席まで満席の大入りでした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆9☆東京国際映画祭:新しい肌☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:エミリー ・ドゥルーズ    出演:サミュエル ・ル・ビアン、マルシアル・ディ・フォンゾ・ボ    1999年/96 min(カネボウ女性映画週間 )    1999年カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞    18:00〜 シネセゾン渋谷  ゲームソフトのチェックの仕事を、ふと退職し、新しい人生を切り開くべくアラ  ンが選んだのは、ブルトーザーの運転手。突然の転職に戸惑う妻をよそに、運転  手の訓連校で知り合った青年と妙に気が合った彼は・・。  この作品は今年のフランス映画祭横浜で上映された作品。この時は監督と、主演  の2人が来日していたのだが、今回のカネボウ女性映画週間では、唯一ゲストの  いない上映となった。しかも、いつも司会進行をして下さる、小藤田氏は体調不  良、高野支配人と映画祭ディレクターの大竹氏は映画祭公式行事に参加中で不在、  と何だかラストを飾る作品としては、ちょっぴり悲しい状況でした。  女性監督で、男性を主人公にした作品、またあまりロマンスっぽいところのない  作品、というのは非常に珍しがられたそうだ。ブルトーザーという小道具(ここ  までくると、大道具か?)は、この作品を構想中に監督の住まいである、マン  ションが工事で騒音の毎日を過ごしているうち思い付いたという。  確かに設定も、厳密に言うと筋書きも何だかよくわからない。が、主人公の心境  には同調出来るところがある。人生、別の線路を歩いてみたい事もあるだろうし、  これが結構、自分でも知らなかった適職であったりする事もあるだろうし。浮気  の虫は飼っていても、妻のは許せず、子供にはメロメロのいいパパ。だけど、ど  こか少年ちっくな我侭さを残しているのは、男性特有ではないだろうか。  横浜では、作品を見ないくせに、ちょっぴりお話だけしたサミュエル・ル・ビア  ンさん。『ヴィーナス・ビューティ』同様、ここでもどっかぬーぼーとした役所  でした。雰囲気は両作品とも、本人と重なるところがあるんですけどね。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.059

1999年 11月 4日 配信
ScreenKiss Vol.059

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Vol.059

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □東京国際映画祭:「太陽」を売った少女   □東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム   □東京国際映画祭:マリアの息子   □東京国際映画祭:ツイン・フォールズ・アイダホ   □東京国際映画祭:マリアの息子   □東京国際映画祭:「太陽」を売った少女   □東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム   □東京国際映画祭:黒い家   □東京国際映画祭:新しい肌 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆東京国際映画祭:「太陽」を売った少女☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    リアルな映像:★★★★☆    アフリカ(セネガル)映画    監督:ジブリル・ジオップ・マムベッティ    (昨年亡くなっている。ご冥福を)  映画はダカール市内で撮影されているようだが、裕福層が主役ではなく、足の不  自由な少女とその回りのストリートチルドレンが主人公。少女は生活費のために  太陽(ソレイユ)という新聞を売り歩く。他に南(シュッ)という新聞があり、  その新聞を売る少年達からは"新聞売り"の新入り扱いされいじめられてしまう。  足が不自由なことも、彼らにからかわれる原因だ。その彼女に味方する少年もい  て、恋とまではいかないが友情が芽生える。  アフリカでは、体の一部が奇形となっている人や、体の不自由な人をよく見ける  気がするが、それは福祉がほとんど存在しないことが1つの原因となっているの  だろう。働けない体の場合は生活費のために路上で座りお金を恵んでもらうしか  ない。必然的に外国人旅行者は重要な客となる為、我々の印象に残ってしまう。  この映画は非常にリアルな映像で、飾りっけない撮影、子供達の顔、服装の汚れ  具合、彼らのはいているサンダル、その他すべてが我々に訴えかけてくるようだ。  まさしく、現実そのままだと思う。アフリカを舞台にしていても、この土ほこり  感が現れない映画が多い中、この映画はそれを目的にして撮影されているのだろ  う。つまり、政府にその福祉を訴え、アフリカの子供達の実情を外国に見せるた  めに。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    インド映画    監督:ムラリ・ナイール  本年度のカンヌ映画祭でカメラ・ドール(最優秀新人監督賞)を受賞している作  品。  それを知ってか、会場は人であふれていた。「『太陽』を売った少女」との並映  となっていたが、皆さんの目的は明らかにこっち。その割には意外にぱっとしな  い作品だと思う。  ■ストーリー  貧しい老人は、ヤシの実を盗んで捕まってしまう。おまけに過去に起こした殺人  事件の犯人にされてしまう。ヌレギヌと思われたが、実はそれが本当に彼の犯罪  だった。死刑の為に用意されたアメリカ製電気椅子は、インドで初めて使用され  る為、村は盛りあがり、犯罪者の老人はまるで英雄扱いされる。挙げ句に死後、  彼の胸像まで立てられる始末。  映画を見た人は気付いていることだろうが、胸像は老人の顔を黒く塗っただけの  代物。最後のアップでそのまぶたが動いていた。単に予算の関係で、特に意味は  ないのだろうが、何となく笑える。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆東京国際映画祭:マリアの息子☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    総評:★★★☆☆    イラン映画としての評価:★★★★☆    監督:ハミド・ジェベリ(風邪でホテルで寝込んでいるらしい)      (失礼ながら、もしや二日酔いでは?)  ■ストーリー  ギャベロン村の少年ラーマンは母親の顔を見たことがない。母親はラーマンを出  産したときに亡くなったのだ。彼は村にあるカトリック教会の司祭と友達になる  が、ある日彼が梯子から墜落した為に起きあがれなくなってしまった。彼は死を  悟ってか、弟に会いたいと言う。彼の為に弟を連れてくる為、一人で町に出かけ  る。カトリックの人たちに助けられようやく探し当てた弟の車で舞戻り、弟は司  祭を町の病院に連れていく。その時、教会の鍵と十字架をラーマンに預けていく。  しばらくして弟の車がやってきたが、そこには司祭の姿はなく、鍵を返して、封  筒をもらう。封筒には司祭と一緒に写した写真と、司祭が母親に似ているといっ  ていたマリアの絵がはいっていた。  この映画は世界中に訴えかけている。宗教が原因の戦争が続く世界で、この村や  町では2つの宗教が共存しているのだ。少年ラーマンは司祭の為に手伝いをし、  司祭はラーマンに教会での祈りを強要する訳でもない。ラーマンは町でであった  カトリックの子供にメッカがみえるオモチャをあげ、司祭はラーマンに十字架を  預ける。司祭が死を知ったラーマンは司祭の為にモスクで祈りをささげる。村の  人もラーマンの行為を素晴らしいと感じている。これこそ、イスラムやキリスト  教の真の教えではないだろうか。他宗教徒を殺せなどといっている訳ではあるま  い。  子供が良く働き、活躍する姿は、何も考えないで見れば教育映画とも見て取れる  が、2つの宗教をここまで融合させて、嫌みなくメッセージを伝える為には子供  達の力を借りざるをえないのかもしれない。  そのメッセージの意味では何らかの賞に価するだろうが、映画としては音のあら  さ、撮影の荒さが気になり、審査員がどの様な基準で審査しているかが分かる作  品になるだろう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆東京国際映画祭:ツイン・フォールズ・アイダホ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    発想   :★★★★★    ストーリー:★★★★☆    総評   :★★★★☆  ストーリーは、シャム双生児の双子が母親探しに来て、娼婦と不思議な関係にな  り、死を乗り越えて新たな旅立ちを思わせるといった感じだろう。  ストーリーというよりも、シャム双生児を主人公に据えた発想は驚いてしまった  し、設定も上手かった。  映画を見て「エレファントマン」を思い出した人も多い事だろう。(まさか、よ  ほど若い人以外で「エレファントマン」をまだ見ていない人も少ないだろう。2  0代後半以上になれば、テレビで何度もお目にかかった事があるのでは!?)  ハリウッドだけではなく各国でこの手の題材は差別という微妙な問題を抱えてい  るため、主題としては取り上げにくいようだが、この映画では双生児を魅力的な  存在にすることで観客の目線をそらしている。「エレファントマン」の場合、醜  さがかなり強調されていたため、同じ病気の患者が差別されたり、興味の目で見  られたりしたらしい。(『神経線惟肢腫』といったかな?難しい名前だ。どなた  か性格にご存知なら教えてください。)  この映画ではそんな余計な心配はいらないだろう。話としてはできすぎた優等生  的な脚本だが、とにかく着眼点の良さに点をあげたい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆東京国際映画祭:マリアの息子☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:ハミド・ジェベリ    出演:モフセン ・ファルサフィアン、ラフィク・テルガブリリアン    1999年/71 min(コンペ )    11:20〜 オーチャードホール    リピート:11月4日(木)15:20〜 渋谷ジョイシネマ  学校の成績も優秀で、牛乳売りでも働くラフマンは、父と祖母の3人暮らし。あ  る日、村で唯一のカトリック教会に運ばれてきた聖マリアの絵に感動し、そこの  老神父と交流を深めるようになる。神父は出産で亡くなったラフマンの毋を知っ  ており、聖マリアと似ていたと、語る。  梯子から落下して骨折した神父を、盲目の友人と世話するが、死期を悟った神父  から、別の土地に住む弟を探して欲しいと依頼され...。  宗教の絡む民族紛争が絶えない今日、こんな地域もあるのかとほっとするような  作品だ。村で唯一の神父とイスラム教徒の少年の心の交流。共に宗教的な行事を  控えていて、それぞれ、その準備に余念がない。そんな折、マリア像見たさに教  会に通う少年に、父は自分の家の手伝いをしないで、他人を手伝っている事を  叱っている。そこで、少年は家にも神父に対しても、きちんとやるべき事はこな  す。  そんな聡明な少年に、神父も心から感謝している。人間関係が、まさに愛と人間  そのもので成り立っている社会だ。両方の宗教が共存している地域を舞台にして  いるそうだが、本来の隣人関係の姿だと思う。  また、ラフマンの友人に盲目の少年がいるが、この子は全ての事を普通の子供と  同じに暮らしている。井戸も掘れば、皆とTVの「Mr.Bean」を見て笑う。全てある  がまま受け止めている村なのだ。実際この子は、大人しいラフマン役の少年に比  べ、始めからとても明るく活発で、その場の雰囲気を和らげてしまう魅力を持っ  ていたそうだ。ちなみにこの子は都会の盲目センターでみつけた、という。  “その純粋な瞳”に惹かれて抜擢されたという、ラフマン役の少年はじめ、全員  が素人の出演者だったが、ほとんどがいつもの職業をそのまま演じているので、  違和感なく撮影出来たようだ。国内で一般受けする最もポピュラーな作品ではプ  ロの俳優が演じているが、こうした芸術作品では、出演者のほとんどがアマチュ  アであるケースが多いらしい。  また、イラン映画のイメージは「子供」を扱ったもの、という感が強いが、実際  は年間作られる、約60本の映画のうち、子供がテーマの作品は10%程度との事  だった。勿論宗教的な制限や、検閲はあるが、主役を子供にしたこれらの作品の  方が海外で訴えるものがあり、海外で上映される作品の80%以上がこの手のものだ  そうだ。  少年の歌う聖歌が、澄んだ朝の空気の中に響く。そんなシーンで始まるこの作品、  後味の実に爽やかな作品である。来日した、監督が気分がすぐれず、とうとう  ティーチ・インにも登場出来なかった。プロデューサーが対応してくれたものの、  早く快復して頂きたいと願うばかりです。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆東京国際映画祭:太陽を売った少女☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:ジブリル ・ディオップ・マムベッティ    出演:リサ ・バレラ、タイル・ンバイ、ウミ・サンブ    1999年/45 min(シネマプリズム )    13:30〜 渋谷エルミタージュ    リピート:11月4日(木)11:00〜 渋谷エルミタージュ  足が不自由だが、家計を助けるためにダカールに出掛けた少女。「ソレイユ(太  陽)紙」を売る仕事にありつくが、そこで、対向紙を売る少年や販売場所を仕切  る少年集団、“疑わしきはしょっぴく”警官等様々な人々に出会う。何があろう  と、気丈に生きていく少女だが、必要な金以外は同じ貧困の人々に与えていた。  ストに「ストリート・チルドレンに」という表示が出る。監督が昨年、惜しくも  急逝してしまって真意は不明だが、多分登場する子供達は本物ではないかと思え  る。と、すればインドネシアの『枕の上の葉』と同様だが、ここには、胸が詰ま  る程の重さがなく、タイトルにある「太陽」のような明るいイメージがある。  勿論、焦点の当て方が異なる所以だが、少女が新聞販売店で書く預かり証にもサ  インの代わりに大きな太陽が描かれ、どんな境遇の人々にも太陽は分け隔てなく  恵みをもたらす、という希望を表現しているのではないだろうか。  逆に言えば太陽の照らす場所には、必ず影が出来るわけで、かなりの悲惨な現実  がこの裏に隠れているのだろう。短い中に現在のアフリカの一部を凝縮させた佳  作。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆7☆東京国際映画祭:マラナ・シムハサナム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:ムラリ ・ナイール    出演:ラクシュミ ・ラマン、ヴィスワス・ナラッカル    1999年カンヌ映画祭カメラドール受賞    1999年/60 min(シネマプリズム )  小作人の老人が、貧困と子供への思いから椰子の実を盗んで逮捕される。が、別  件の殺人事件の濡れ衣を着せられ死刑が決定する。  と、その頃アメリカ製の電気椅子導入の問題と選挙戦が重なり、最初老人の助命  嘆願に走っていた島民が、今度は老人をこの電気椅子導入後の第一号となるよう  結束する。名誉ある初の使用者となった老人の処刑は、一大祝典として執り行わ  れ、彼は英雄として島の伝説となった。  冒頭に「ケララの方々に感謝します」という挨拶が出る。という事はこれまた、  アマチュアの出演なのだろうか。上映に当たって、当初関係者の挨拶とティー  チ・インが予定されていたが、急病で中止となった為疑問点がそのままになって  しまい残念である。  年老いた夫婦と、目に入れても痛くない程可愛がっている、まだ小さい一人息子。  この老人の犯した小さな罪。これが死刑になる何て・・・とここまでは「レ・ミ  ゼラブル」的始まりである。  この家族の台詞が極端に少ない中で、状況が徐々に勝手に変化していくおかしさ。  自分が、父が、夫が死刑になると宣告されたのに、段々英雄視されていくにつれ、  彼らの表情がむしろ穏やかになっていく。国賓による処刑のため、島が便利にな  り、これが老人の功績として残されるという皮肉。  これは、特に頭のおかしい島民の話ではなく、世界的に共通する寓話である。こ  こまでシニカルな風刺をつくりあげた手腕に拍手だ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆8☆東京国際映画祭:黒い家☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:森田芳光    出演:内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦、田中美里、石橋蓮司    1999年/118 min(特別招待作品)    15:30〜 オーチャードホール *11月13日(土)〜全国松竹系ロードショー  第4回日本ホラー小説大賞受賞小説の映画化。  ひとりの保険会社社員が、契約者の息子の自殺を巡り体験する恐怖。・・・と、  実は作品を見ていないので、関係者の方々の舞台挨拶を掲載します。  内野聖陽氏  実は一番怖い目に遭う保険金会社の社員役で、心配でしたが森田監督の演出で  どっぷりと森田ワールドに浸れた作品でした。こんなに来場してくださって嬉し  いです。  大竹しのぶ氏  西村雅彦氏と変な夫婦役です。でも、もっと変なのは森田監督です。監督の指示  に従っているうち、喋り方まで変わってしまったような、とても楽しい夏でした。  ついでに今月16日からシアターコクーンで芝居をしますので、そっちも見て下さ  い。(ちなみにこちらは、「パンドラの箱」。稽古の合間に挨拶に来たそうです)  田中美里氏  心理学研究室に勤務している役ですが、怖い役で不安でした。でも、それをこな  せたのは森田監督のお陰です。日常生活にある可笑しさと、恐怖を堪能してくだ  さい。  森田芳光監督  実はここ、東急文化村はとても因縁のある場所です。卒業した小学校の跡地に建  てられているんです。そして、この小学校での思い出は、6年生の時に学芸会の  主役に選ばれて、「よし、将来はスターになるぞ!」と意気込んでいたところ、  何とインフルエンザで学芸会が中止になったという・・。  何てついてない男なのだろう、と悲観していたんですが、こうして今、こんな形  でここで舞台に立ってる訳ですから、神様も恨みを晴らしてくれたんだな、とい  う気がします。人生長く生きていると、いいこともあるもんですね。  貴志祐介氏(原作者)  ホラーを活字にしていく際、心掛けていたのは、映画に負けないようなものにし  ようというものでした。そうして出来上がった作品を、逆に映画化するわけです  から、これは大変な作業だったと思います。  が、森田監督のイマジネーションで、今度は活字では表現出来なかった事が、映  画では可能になっているんです。例えば、表現しにくい「音」「色彩」「光」と  いったもので、それはとても勉強になりました。  「山崎まさよし」を探せ!っていうキャンペーンがあったそうですが、私も実は  この作品に出演しています。みつけたからって、別に何も出ませんが、探してみ  てください。  (原作は83万部以上売れているそうです!)  *皆さん、巧く話をまとめていたけれど、森田監督の因縁譚は場内の笑いを誘っ  ていた。最後に「お約束」の?花束贈呈をされてみなさん、戻っていかれました。  3階席まで満席の大入りでした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆9☆東京国際映画祭:新しい肌☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    監督:エミリー ・ドゥルーズ    出演:サミュエル ・ル・ビアン、マルシアル・ディ・フォンゾ・ボ    1999年/96 min(カネボウ女性映画週間 )    1999年カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞    18:00〜 シネセゾン渋谷  ゲームソフトのチェックの仕事を、ふと退職し、新しい人生を切り開くべくアラ  ンが選んだのは、ブルトーザーの運転手。突然の転職に戸惑う妻をよそに、運転  手の訓連校で知り合った青年と妙に気が合った彼は・・。  この作品は今年のフランス映画祭横浜で上映された作品。この時は監督と、主演  の2人が来日していたのだが、今回のカネボウ女性映画週間では、唯一ゲストの  いない上映となった。しかも、いつも司会進行をして下さる、小藤田氏は体調不  良、高野支配人と映画祭ディレクターの大竹氏は映画祭公式行事に参加中で不在、  と何だかラストを飾る作品としては、ちょっぴり悲しい状況でした。  女性監督で、男性を主人公にした作品、またあまりロマンスっぽいところのない  作品、というのは非常に珍しがられたそうだ。ブルトーザーという小道具(ここ  までくると、大道具か?)は、この作品を構想中に監督の住まいである、マン  ションが工事で騒音の毎日を過ごしているうち思い付いたという。  確かに設定も、厳密に言うと筋書きも何だかよくわからない。が、主人公の心境  には同調出来るところがある。人生、別の線路を歩いてみたい事もあるだろうし、  これが結構、自分でも知らなかった適職であったりする事もあるだろうし。浮気  の虫は飼っていても、妻のは許せず、子供にはメロメロのいいパパ。だけど、ど  こか少年ちっくな我侭さを残しているのは、男性特有ではないだろうか。  横浜では、作品を見ないくせに、ちょっぴりお話だけしたサミュエル・ル・ビア  ンさん。『ヴィーナス・ビューティ』同様、ここでもどっかぬーぼーとした役所  でした。雰囲気は両作品とも、本人と重なるところがあるんですけどね。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃F┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-1999 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼