ScreenKiss Vol.125

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □if (tokyo interdependent film forum)   □中川信夫特集   □地中海映画祭   □ハンギング・アップ   □突然炎のごとく >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆if (tokyo interdependent film forum)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  世界のインデペント映画の紹介を行うifの次回予定です。ScreenKissは全面的  にifをバックアップいたします。 ■ハイデーマリー・ゼブラドニック監督作品(オーストリア)  「STIEGEN」(25分)  「SCHATTEN DER OBJEKTE」(5分) ■アーロン・ウールフォーク監督作品(アメリカ)  「EKI」(13分)  「KUROI HITSUJI」(25分)  各監督パネル参加  司会:クラリッサ・カール  会場:赤坂区民ホール(最寄り駅:青山一丁目駅)     港区赤坂4-18-13 Tel: 03-5413-2711  日程:2000年6月17日(土)     18:30 開場     19:00 上映会  入場無料 ■ラウンジパーティー  BULLET'S(港区西麻布1-7-11, Tel.: 03-3401-4844)  (夜9時から朝5時まで)  入場料:1000円  ライブ:PHAT      AMRTA MAGENTA  DJs:Shinichiro Hirata, Qupe, Kia, Takaharu, Kimken, Meg-B & Harry  協力:オーストリア大使館、Church Records __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆中川信夫特集☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛   中川信夫〜怪奇との戯れ、死の幻影(イリュージョン)〜  昨年は没後15年、今年、生誕95年を迎える中川信夫監督。代表作『東海道四谷怪  談』を始め、怪談、恐怖映画の先駆け的存在の、この監督の特集上映が行われ  る。  『リング』『CURE』等の新しい恐怖映画の波に伴い、彼の作品への熱狂的な再評  価と、劇場でほとんど見る機会のなかった“幻の作品”への上映希望の声から生  まれた、貴重な特集といえる。期間中はゲストによるトークショーも予定。  期間中に迎える6月17日の監督の命日は、酒と豆腐を愛した彼に因み「酒豆忌」と  名付け、偲ぶ会も催される。  【酒豆忌】(中川信夫監督を偲ぶ会)   日時:2000年6月17日(土)12:00~17:00(出入り自由)   場所:JR大森駅東口西友大森店5F バンケットホール(劇場と同じフロア)   会費:1,000円  ■上映期間:5月27日(土)〜6月23日(金)   キネカ大森(03-3762-6000)   http://www.bitters.co.jp/  ■上映作品(9作品)   『エノケンのとび助冒険旅行』   1949年/81min/スタンダード・モノクロ   出演:榎本健一、ダイゴ幸江   『怪談 累が渕』    1957年/62min/スタンダード・モノクロ   出演:若杉嘉津子、丹波哲郎、北沢典子、和田孝、花岡菊子、横山運平   6/18(日)上映後トークショー   鈴木清順(映画監督)x桂千穂(脚本家)   『亡霊怪猫屋敷』   1958年/69min/大シネスコ・パートカラー*ニュープリント   出演:細川俊夫、北沢典子、中村竜三郎、江島由里子   『憲兵と亡霊』   1958年/75min/新東宝スコープ・モノクロ   出演:天知茂、久保菜穂子、中山昭二、三原葉子   『女吸血鬼』   1959年/86min/新東宝スコープ・モノクロ*ニュープリント   出演:三原葉子、天知茂、池内淳子、和田桂之助   『東海道四谷怪談』   1959年/76min/新東宝スコープ・カラー   出演:天知茂、若杉嘉津子、江見俊太郎、北沢典子、池内純子、      大友純、花岡菊子   5/28(日)上映後トークショー   江見俊太郎(出演俳優)x聞き手:宇田川幸洋(映画評論家)   6/17(土)上映後トークショー   渡辺宙明(『怪談累が渕』『亡霊猫屋敷』『東海道四谷怪談』音楽)   『地獄』   1960年/101min/新東宝スコープ・カラー*ニュープリント   出演:天知茂、沼田曜一、三ツ矢歌子、大友純、山下明子、中村虎彦、      宮田文子   5/27(土)上映後トークショー   沼田曜一(出演俳優)x宮川一郎(脚本)   『怪談蛇女』   1968年/85min/ワイド・カラー*ニュープリント   出演:河津清三郎、賀川雪江、山城新伍、西村晃、月丘千秋、丹波哲朗   『怪異談 生きてゐる小平次』   1982年/78min/スタンダード・カラー   出演:藤間文彦 、石橋正次、宮下順子  タイトルだけでも、おどろおどろしい感じのするラインナップ。所謂ホラー、ス  プラッターには極端に弱い私が、勇気をもって見てきたのは、代表作の『地  獄』。とりあえず、「怪」とか「霊」とかいう字の含まれていない作品を選んだ  のだ。  大学生の田村が、友人の清水を同乗中、轢き逃げをする。以降、清水の周囲では  親や、フィアンセとその両親、轢き逃げの犠牲者の家族等、そして最後には自分  も全て死んでしまい、地獄に落ちるが・・・というゲーテの『ファウスト』を翻  案した作品。  ・・これから怖いぞ〜、と内心びくびくものだったが、オープニングクレジット  にヌードの女性が配されていたり、女性を撮る際のカメラアングルがやけに足元  からだったり、と随分と色っぽいのに吃驚してしまった。  地獄のイメージと言えば黒澤監督の『夢』や、R.ウィリアムズが出演していた  『奇跡の輝き』、コミカルなW.アレンの『地球は女で回っている』、果てはJ.レ  ノの某飲料メーカーCMまで様々だが、この作品では古典的な地獄風景が描かれて  いて面白い。それでいて、田村の共犯になる事で彼に「魂を売ってしまった」清  水を描く事で、見事に『ファウスト』的な要素を結び付けている。  しかし内容的には、今見ても決して古臭くない。肝心な?地獄のお仕置きシーン  は、当時としては革新的かもしれない撮影を用いたり、鬼らしき人のメークが京  劇のようだったり、とあまり「痛そう」でなくてほっとした。  赤いパラソル、赤い服、そして赤い血・・・と「生」の舞台での生々しさを強調  する事で、かえって地獄の静謐な部分が際立っている。後半、清水の故郷で登場  する、しつこいまでの汽車の往来シーンは、線路自体がこちらと彼岸の境目・・  つまり現世の三途の川・・を表現しているのだろうか。  全員に罪があり、登場人物全てが死んでしまう、というラストはまるでハムレッ  トのようだ。(こうして見ると、地獄に落ちない人間なんていないんじゃないか  と思える。それにしても、何故全員死亡時刻が午後9:00なのだろう)  出演者には物故者が多いし、注意して見てると「ふみきりちうい」とか、今でい  うところのラブホテルらしきところの料金が「休憩400円、宿泊700円」などと書  かれていたりして、時代を感じるのも面白いだろう。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆地中海映画祭☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  5/19(金)〜6/4(日)まで、赤坂の国際交流基金フォーラム(赤坂ツインタワー  ビル)にて『地中海映画祭』が開催されている。(関連:Vol.116)  今回の映画祭は「地中海」で繋がるという共通点でまとめた、非常に珍しい試み  だ。地中海に面した国々の中から、「日本での上映があまりない」「その国での  話題作」「なるべく日本では初めて紹介される、若手監督作品」の3点に焦点を  当てて選択したそうだ。  期間中は12カ国、24作品の上映と、7人の監督と映画研究者の計8人が来日し、舞  台挨拶、ティーチ・イン、シンポジウムなどが行われる。  なお、来日ゲスト等の変更、登壇予定の確認は以下にて確認頂きたい。  http://www.jpf.go.jp/  また、この映画祭は、今回の東京を皮切りにこの後3年間、全国の公共施設等を  巡回の予定。現在のところは、上越、大分、広島、萩などでの上映が決定してい  る。会場と35mm上映可能な設備、等の条件が揃えば、貸し出しは可能なので、興  味を持たれた方は是非、以下で確認の上、問い合わせを。  http://www.acejapan.or.jp □記者会見 ■池澤夏樹:作家  以前、ギリシャに住んだこともあり、テオ・アンゲロプロス監督作品の字幕は全  て担当した。今回の映画祭は「地中海」を中心に据えたところがとてもユニー  ク。ヨーロッパ、南欧、東欧等、違う文化圏を結び付けているのが「地中海」で  あるわけだが、多様性とともに、これらの国々の共通性もあるように思える。  現在居住している沖縄では、ほとんどがアメリカ映画だが、この映画祭での作品  はこうしたアメリカ映画にない「人間を感じられる映画」が多く、とても楽しみ  だと思う。 ■とちぎあきら:映画研究者、東京国立近代美術館フィルムセンター客員研究員  作品選定に協力し、現地へも赴いてきた。「地中海映画祭」と言っても地中海が  映画に出てくるわけではないが、今回の選定に当たり、出来るだけ新しい作品  で、かつ、若手、という根幹の基準に以下の点を加味して考えた。  1)トルコ、エジプト、ギリシャ等の伝統的に映画産業がなりたってきていた  国々に関しては、逆にその伝統的な流れから少しはずれた、日本で言えば「イン  ディペンデント」系の若手の作品を選んでみた。  2)テュニジア、モロッコ等、あまり映画産業が盛んでない国に関しては、逆に  とてもナショナルシネマというか、特徴のある作品を選んだ。  3)アルジェリア、レバノン、シリア等、制作本数が極端に少ない国に関しては  「この作品は是非!」と思えるものを選んだ。  とちぎ氏にはパーティで、色々と質問してみました。  作品選定の為の現地への取材は昨年で、トルコ、ギリシャ、テュニジア、モロッ  コ、シリアを各3日の滞在という強行スケジュールだったそうだ。移動時間を考  えると各国2日間で約10本の映画を見たという。文化庁等の協力で効率よく見た  というが、かなりタイトだ。  シリアは国内で上映される作品はほとんどがインド、香港、エジプトの娯楽作品  で、自国の作品は年間2〜4本ほどの製作しかされておらず、大体がアート系作  品として未公開になる場合も多いのだそうだ。  娯楽作品のヒットは自国の映画も多い、トルコやモロッコでも同様で、トルコで  はマフィア、モロッコではコメディがヒットしている。しかし、モロッコは一方  で1999年のベルリン映画祭で特集が組まれたり、テュニジアでも『ある歌い女の  思い出』のムフィーダ・トゥラートリ監督が新作を今年のカンヌに出品していた  り、と世界でも注目されてきている。  アルジェリア、エジプトに関してはビデオで選んだ。アルジェリアは3本、エジ  プトは若手、新しい製作年のものから5〜6本の中からチョイスした。  作品選びの旅を「いや〜楽しかったですよ」と仰るとちぎ氏も、この様子ではか  なりのハードスケジュールだったことだろう、と思った。 ■ジアド・ドゥエリ監督:Ziad Douelri/レバノン『西ベイルート』  内戦の為1984年から渡米し、タランティーノ、ロドリゲス監督等の撮影助手をし  てきたという監督は、英語で語ってくれました。  今回はこの作品の為に数年ぶりに帰国してみた。改めて中東に魅力を感じたが、  同時にアメリカ人にはこの世界は到底理解されないだろうと思った。そこで、こ  の脚本を誰に向けて発信するか、と考えた時、ヨーロッパ人よりむしろアメリカ  人の為に書こうと思った。これが、今回の作品を撮ろうとしたシンプルな動機と  なった。  映画製作に関しては、内戦の勃発(1975)で全て中断されてしまった。内戦終了  後、今は経済的にも大分回復してきてはいるが、やはり製作費の捻出が困難で、  大抵は海外にその資金援助を求めている。自分は在住している事から、米国へ援  助を求めたが、アメリカ以外の国の映画に資金を出す筈もなく、結局フランスに  求めた。 ■アブドルラティフ・アブルハミド監督  :Abdullatig Abdulhamid/シリア『魂のそよ風』  モスクワ国立映画学校出身の監督は、その長編処女作『ジャッカルの夜』は1992  年の「中近東映画祭」で日本に紹介された。ダマスカスの映画総局に勤務。  シリアでは、映画製作に関わる唯一の期間は「国」。1年に2〜2.5位。民間の製  作もあるにはあるが、大体がビデオか、TV関係。機材等は整っていても、資金の  面が困難と言える。  日本映画は商業的、伝統的映画の2つのジャンルが紹介されているが、ダマスカ  スでは映画祭などで、「映画週間」としてまとまって日本映画を見られる機会が  ある。  今迄ドキュメンタリー2本と、長編4本を製作し、日本の映画祭から声がかかっ  た事もあったのに、来日が果たせなかったので、今回の上映で日本の観客の反応  が楽しみ・・・と言う監督。初来日という事で日本の印象を尋ねてみたら「経済  的、社会的にも洗練された国。人的な被害があっても負けない、日本人のポジ  ティブな所が好き」なのだそうです。(どこを見ての感想なんだろうか?)  この作品はシリア国内でも大ヒットしたもので、観客は特に女性。中にはリピー  トの人もいたそう。ひとことで言えば「愛のなかった時代の愛の映画」。女性  ファンもさぞかし多いことでしょうね?聞くと、「大勢いすぎて困ってしまう。  もうここでも日本人の女性ファンが出来てしまったしね」・・・と、ちょっとお  茶目な親しみの感じられる雰囲気の方でした。 ■モハメッド・シュウイック監督  :Mohamed Chouikh/アルジェリア『砂漠の箱舟』  アルジェリア国立劇場の設立者。舞台、俳優としての活動後、TV、劇映画の監督  に。髪の毛はシルバーグレーながら、なかなかダンディな雰囲気の漂う方でし  た。  アルジェリアではこの10年間程、辛い時代を経験している。それで、この時代を  「血の時代」と呼んでいるが、この映画はそうした時代につくられた。  日本でアルジェリア映画が紹介されるのは、今回が初めてではないかと思うが、  この機会に是非、地中海文化について知って欲しいと思う。  日本映画は商業的な映画(空手とか忍者を扱ったもの。アルジェリア警察は覆面  をしていることろから、「忍者」は日常語として定着しつつあるのだとか)と伝  統的な作品が紹介されている。  以前は年間5〜6本はモロッコ等と共に共同製作なども行われ、作品は海外でも  受賞しているものの、現在は国の期間による製作で、やはり資金の点で今は難し  い。社会主義国とはいえ、検閲はなく、表現の自由があるが、製作費がないの  で、主にヨーロッパの国々に援助を求めている状況。  以前アンナバで「地中海映画祭」を開催した事があるが、長続きしなかった。し  かし、こうした映画祭ではカルタゴ映画祭が1番大規模かもしれない。自分自身  は子供向け映画の映画祭で審査員をしている。 ■ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督:Nuri Bilge Ceylan/トルコ『五月の雲』  大学では電気工学を学んだものの、電気技士としては1度も働いた事のない、イ  スタンブール生まれの41歳・・・という自己紹介でした。大学の授業では専ら写  真に興味を持ち、フィルムの世界に入ってしまったのだそうです。  長編第1作『カサバ-町』(1998年)はベルリン映画祭、東京国際映画祭でも高い  評価を得た。今回の作品はこの『カサバ-町』の撮影シーンといったところ。今回  も両親、旧友、親戚などが出演している。  あとで、短時間お話する機会があり、少し質問をしてみました。それによると、  来日2回目の印象は「人々は親切だし、街も奇麗」、好きな日本の監督は小津と  たけし。たけしには、東京国際映画祭で会ったそうで、才能がある、と。小津作  品はトルコでも劇場公開しているそうです。  そして、スクリーンキスの概要をお話して、読者の皆さんに何かメッセージを、  とお願いしたところ、「アメリカ映画の波及によって、毒されないでください」  との事でした。  バックパックを背負ったまま、うろうろしている...という印象が強かった監  督ですが、流暢な英語を操るなかなかハンサムな方でした。  もし、彼の作品(『カサバ』も含めて)について何か質問されたい方、監督に質  問がある方がありましたら、是非映画祭終了後にでもスクリーンキス宛にメッ  セージを送ってください。筆者の方で確実に監督にコンタクトを取ります。 ■ゼキ・デミルクブズ監督:Zeki Demirkubuz/トルコ『第三のページ』  『群れ』等で知られるゼキ・オクテン監督の助監督を経て、長編2作目の『イノ  センス』が多くの映画祭で上映され、注目された。  小柄で濃い?顔立の監督、何度も国際交流基金への感謝を述べて、何とも控えめ  な感じの方でありました。  日本映画では小津、黒澤がご贔屓。特に小津作品は人道、人道精神に富み『東京  物語』では、言語や形、色を超したものだと思ったそう。  スケジュールの都合で前半には以上の5人の監督が来日。後半は2人の監督(ユ  スリー・ナスラッラー/エジプト、フェリッド・ブーゲディール/テュニジア)  と映画研究者のマグダ・ワセフが来日の予定。  それにしても、地中海という括りにすると何とたくさんの国々があることか!地  理を頭に描くだけでも精一杯のところ、各監督のお名前とご出身を一致させるの  がこれまたえらく大変でした。そして、パーティなどでは「英語が通じるのだろ  うか?」とこわごわ?接近してみたり、なかなかドキドキ、ハラハラの瞬間でし  た。  なかなか見る機会が少ない国の作品もあるので、是非この期間に見てみてくださ  い。今回の上映作品で公開が決定しているのは1作品だけなのも残念なところで  す。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ハンギング・アップ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Hanging Up     ★★★☆☆     2000年/アメリカ(日本公開未定)     監督:ダイアン・キートン     出演:メグ・ライアン、ウォルター・マッソー  メグ・ライアン主演でコメディーと言うとついラブ・ロマンスを想像しがちだが  これは珍しく姉妹と父親の関係を描いたもの。しかも父親の介護といったシリア  スなテーマも含んでいる。  イベント・プランナーのイヴ(ライアン)は仕事と家庭を両立させ、ごく普通に  暮らしていたがある日、母親と離婚した身勝手な父親が病で倒れる。しかし雑誌  の編集長でカリスマ的なキャリア・ウーマンである姉ジョージア(ダイアン・  キートン)やソープ・オペラの端役を務める妹(リサ・クードロー)はちっとも  協力してくれない。ワガママな人達の電話攻撃に苦しめられるイヴは父との関係  を思い出し・・・  まず、キャスティングがいい。それぞれ性格の違う3人姉妹を演じる女優達がま  さにハマリ役といった感じなのでウソ臭い感じがしない。また父親役のウォル  ター・マッソーは出番こそ少ないが貫禄充分といった感じで甘口になりがちな女  性映画のスパイス代わりになっている。彼レベルになるといるだけで映画が引き  締まる。  ただ残念なのはメグのチャーム・ポイントとも言える笑顔のシーンよりもヒステ  リックに怒鳴るような場面が多かったこと。彼女ってキツイ台詞が本当に似合わ  ない。のほほん茶ですからね、なにせ。またラストにかけて急に子供の頃の回想  シーンとかお涙頂戴のエピソードをテンコ盛にするのはちょっと安直過ぎる気  が・・・(でも泣かずにはいられないのだが。)  ただやはり、センス抜群のキートンが監督・出演しただけに家のインテリアや  ファッションはすぐにでも真似したくなるものばかり。特にメグが犬と戯れる  シーンの白のタンクトップにドローストリングのパンツの組み合わせはこれから  の季節にピッタリ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆突然炎のごとく☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Jules et Jim     1961/フランス/108分/白黒     監督・脚本:フランソワ・トリュフォー     出演:ジャンヌ・モロー、オスカー・ウェルナー、アンリ・セール  ヌーヴェル・ヴァーグ特集と名うって連載してきたが、5回目にあたる今回で  ヌーヴェル・ヴァーグの紹介は終えようと思う。5回目は、最後を飾るに相応し  い監督フランソワ・トリュフォーの『突然炎のごとく』。以下、本文に続く。  時代は第1次世界大戦前。パリを舞台にオーストリア人ジュール(オスカー・  ウェルナー)とフランス人ジム(アンリ・セール)が知り合う。互いに芸術愛好  家だった事から親友になる。やがて2人はカトリーヌ(ジャンヌ・モロー)とい  う女性に出会い魅了される。後にジュールはカトリーヌに結婚を申し込み、2人  で祖国に戻り新婚生活を始める。そんな折、戦争が勃発しジュールとジムは祖国  の軍隊に動員される。やがて戦争も終わり無事帰還した2人は再び連絡を取り合  う。数年ぶりにカトリーヌとジュールを訪ねるジムだが、カトリーヌとジュール  の間に溝があるのを感じる。ある日、ジムはジュールからカトリーヌと結婚して  くれと頼まれる。ジムを交えての3人の同棲生活が始まる。  この作品は話もいいが、何と言ってもジャンヌ・モローのコケティッシュな魅力  に尽きると思う。トリュフォーの繊細な演出と巧く絡み合って美しく輝いてい  る。  『突然炎のごとく』はトリュフォーの長篇第3作目にあたる。トリュフォーは  「第3作というのは、本当にこの道に踏み出す第1歩というべきもの」と言い、  この作品を作るのが夢だったとも語っている。この作品には原作があり、アン  リ・ピエール・ロシェが1953年に発表した『ジュールとジム』がそれである。原  作者ロシェは出版当時すでに70歳を過ぎていた。ロシェは生涯に2冊の小説を発  表したが、もう1つは2年後に出された『二人の英国女性と大陸』というタイト  ルであり、トリュフォーが後に『恋のエチュード』というタイトルで映画化して  いる。  最後に、ScreenKiss第117号でご紹介した『女と男のいる舗道』の劇中に、今回ご  紹介した『突然炎のごとく』が出てきています。どこだったか覚えていますか?                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.124

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □第53回カンヌ国際映画祭   □横浜フランス映画祭   □東京国際フォーラム・PFFシアター 5月   □ロンドン映画情報 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆第53回カンヌ国際映画祭☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  5月10日より21日まで。  いよいよカンヌの季節。スクリーンキッス読者にとってはアカデミー賞よりカン  ヌ受賞作品の方を重要視しているのではないでしょうか?私はサンダンスを重要  視していますが・・・。  今年は、個人的に好きな監督がコンペティションに作品をだしているので、ずい  ぶん期待しています。  子供主役の名作「ケス」のケン・ローチ、『ドグマ95』のさきがけとなったハ  ンドカメラ撮影がすばらしい「奇跡の海」のラース・フォン・トリアー、私の目  をアジア映画に向けさせた「ブエノスアイレス」のウォン・カーウァイ。  その他、東京国際映画祭ではおなじみとなったイスラエルのアモス・ギタイの新  作、シネマライズで大ヒットした「ファーゴ」のコーエン兄弟、他。  ああ、なんで今日もまた仕事をしなくてはならないのか???  http://www.festival-cannes.fr/cannes2000/va/index.html                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆横浜フランス映画祭☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■23日  9:30-   フレンド   監督:ジャン・ピエール・アメリ  11:30-   故郷への旅   監督:エマニュエル・ファンキエル  14:00-   フィディリテ   監督:アンジェイ・ズラウスキ  17:30-   東、西   監督:レジス・ヴァルニエ  20:30-   趣味の問題(仮)  監督:ベルナール・ラップ ■23日  9:30-   愉快なフェリックス   監督:オリビエ・デュカステル  11:30-   犯罪の風景   監督:フレデリック・シュンデルフェール  14:00-   感傷的な運命   監督:オリビエ・アサヤス  17:30-   他人の味   監督:アニエス・ジャウイ ■24日  9:30-   愛しのシビル   監督:アンヌ・ヴィラセック  11:30-   とびだした女   監督:クリストフ・プラン  14:00-   女が一番憧れる職業   監督:ジェラール・ジュニヨ  17:00-   家族の再会   監督:クロード・ムーリエラス  19:00-   お節介な友人   監督:ドミニク・モル  21:30-   サルサ!   監督:ジョイス・シャルマン・ブニュエル ■25日   9:30-   短編映画特集  11:30-   勇気を出して!   監督:ソルヴェーグ・アンスバック  14:00-   ふたりの教師   監督:アレクサンド・ル・シャルダン  16:00-   パリの確率   監督:セドリック・クラビッシュ  18:00-   ブッシュ・ド・ノエル   監督:ダニエル・トンプソン  20:00-   サン・ピエールの未亡人   監督:パトリス・ルコント __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆東京国際フォーラム・PFFシアター 5月☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    会期:2000年5月26日(金)/27日(土)/28日(日)    会場:東京国際フォーラム・映像ホール(Dブロック1階)    主催:(財)東京国際交流財団、ぴあフィルムフェスティバル事務局 ■仙頭武則プロデューサー映画講座  〜ただ映画であるために〜  『萌の朱雀』のカンヌ映画祭受賞、大ヒット作『リング』『らせん』の製作etc  …。今、日本で最も精力的に映画製作をつづけているプロデューサー、仙頭武則  氏。これまでの映画製作の「常識」を打ち破り、さらに映画に挑みつづけるその  情熱を、作品上映とトークによる全7回で解剖します。  □スケジュール   仙頭武則プロデューサー映画講座〜ただ映画であるために〜   5/26(金)   18:30 仙頭武則プロデューサー映画講座1 〜出発点〜       ジョン・フォード監督作品『わが谷は緑なりき』上映   5/27(土)   11:00 日本短編映画集 〜多彩・女性監督編〜   13:15 仙頭武則プロデューサー映画講座2 〜作家主義〜       石井聰亙監督作品『TOKYO BLOOD』上映   15:45 仙頭武則プロデューサー映画講座3 〜プロデューサー その1〜       「萌の朱雀」メイキング・ビデオ       『検証「萌の朱雀」製作過程を追った500日』   18:30 仙頭武則プロデューサー映画講座4 〜プロデューサー その2〜       ゲスト:青山真治監督       青山真治監督作品『Helpless』上映   5/28(日)   11:00 シネフィル・イマジカ 世界傑作短編集       〜短編アニメーション&フランス短編映画〜   13:15 仙頭武則プロデューサー映画講座5 〜海外映画祭〜       利重 剛 監督作品『エレファントソング』   15:45 仙頭武則プロデューサー映画講座6 〜量は質を生む〜       ゲスト:堀越謙三プロデューサー       監督たちからのメッセージビデオの上映   18:30 仙頭武則プロデューサー映画講座7 〜未来〜  ◎このプログラムでは、会場のみなさまに素敵なプレゼントをご用意しておりま  す。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ロンドン映画情報☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  日本では新作の初日は土曜日だが、ここロンドンでは金曜日である。  毎週金曜日、新しい作品が数本公開されるのだが、「当たりの週」「はずれの  週」があり、話題作がまとまって公開される華やかな週もあれば、何となく生彩  を欠く地味な週もある。  5月12日(金)は、なかなか華やかな週であった。  日本よりちょっと遅れて公開となった「ヒマラヤ杉に降る雪」、恐ろしく遅れて  公開になった「ポーラX」(しかし、スコット・ウォーカー=イギリス人の手によ  るサントラは昨年からもう発売になっている。彼はこの夏のロンドン・ミュー  ジックシーンの仕掛け人でもあるので、その点かなり話題になってもよさそうな  のだが、何故こんなにも作品そのものの公開が遅くなったのか?)、  メグ・ライアンが出てるのにイマイチ話題にならない「Hanging Up」(しかもダ  イアン・キートンが出演・監督している)、セックス・ピストルズのドキュメン  タリー「The fifth and the fury」、コリン・ファース(「アナザー・カント  リー」から時は経ち、すっかりおじさんになってしまった彼だが、ものすごおお  く仕事をしている。テレビ、舞台、映画と幅は広く、派手さはなくとも露出は多  い。ある意味もっとも堅実に成功している英国人俳優なのかもしれない。)主演  の「My life is so far」とそこそこの話題作が並んだが、これは全て「添え物」  でしかなかった。  5月12日の映画シーンはなんと言っても「Gladiator」の一人勝ちであり、この  一作の力のみで「華やか」感を盛り上げてしまったこの週の映画シーンなので  あった。久々に登場した堂々たる「大作」であり、主たる映画関連誌の表紙を飾  り、駅には巨大ポスターが貼られ、メディアへの露出も派手であった。  リドリー・スコット監督とDream Worksによる、紀元前2世紀、古代ローマを舞台  にしたそれはそれはお金のかかった巨大スペクタクル絵巻である。  「将軍」の地位から「観客の人気を得ることのみ」しか自由の身への道のない奴  隷である「剣闘士」となったMaximus(ラッセル・クロウ)の、新皇帝Commodus  (ホアキン・ファニックス)への家族愛を掛けた復讐の物語。この手の兎に角  「大入り満員」を期待された巨作にしては地味な配役な気がしないでもないが、  オスカーにもノミネートされたラッセル・クロウは、「インサイダー」がイギリ  スで3月に公開されたばかりであり、その名残りのある内に公開されたのは成功へ  のカギであったはず。  ロンドンは映画館によって多少チケット料金に差があるのだが、映画館のメッカ  レスター・スクエアの、最も高い映画館(夜の公開は学割もなし、一律9ポンド=  1800円弱)においてさえも、初日は夜の回の上映のチケットが数時間前に売りき  れるほどの好調であった。150分の長編、前半はいささか退屈に感じたわたくしで  あったが、迫力ある剣闘シーン、紅い花びらが黄金色の砂の上に散りばめられた  アリーナ(剣闘場)等、色彩の美しさが楽しめる後半の方が見ごたえがあった。  私はこの5月12日、同じ映画館で公開された「ヒマラヤ杉に降る雪」の方を見たの  だが、「満員」という訳にはゆかなかった。この作品、評判は悪くないが、  「少々スローテンポで長すぎる」との感想が一般的な様である。                                 hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.123

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □オール・アバウト・マイ・マザー   □レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ   □レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う   □ラヴィ・ド・ボエーム   □マッチ工場の少女   □コントラクト・キラー   □トータル・バラライカ・ショー   □アキ・カウリスマキ短篇集 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆オール・アバウト・マイ・マザー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     All About My Mother     1999年/スペイン/101分/シネスコ     監督:ペドロ・アルモドバル     出演:セシリア・ロス、ぺネロぺ・クルス     第72回アカデミー賞外国語映画賞受賞  世界を制したアルモドバルの新作。前評判も高く、期待度も大きい作品。  話の流れは、女手ひとつで育てた最愛の一人息子エステバンを不運な交通事故で  亡くした母親のマヌエラ。息子に明かすはずだったが、結局17年間一度として明  かさなかった別れた父親の存在。その存在を求めるべく、全てを投げ捨て今いち  ど旅に出る・・・。  父親が元男性であったり、そういった性別を超えた者の女性観などアルモドバル  らしいひねりがあるものの、それほど奇をてらった内容でもなく、母親としてま  た女としての存在をストレートな語り口で堂々と観せている。登場人物はしっか  り色付けされてそれぞれ個性的なのだが、特に私の目を引いたのが、やはり主人  公の母親マヌエラ。演じているセシリア・ロスは素晴らしい。観る者に訴えてく  る演技でとても印象に残る。  映像的にも、特にアルモドバル独特の赤と黒を強調した画で、強いインパクトを  残す。全体的にはいい意味でキャメラが目立たず、しっかり作品自体を伝えてい  ると思う。個人的には息子エステバンが交通事故で跳ねられるシーンでの、ス  ローがかったエステバンの見た目の画に強い印象を残す。それ以上に印象深かっ  たのが音楽。ラテン調のメインソングはこの映画に見事にマッチしている。この  映画における音楽の存在はとても大きい。  前評判通りの良さを観てみてどことなく感じる。前宣伝では女性の映画であるよ  うな伝え方をしていたが、男性にも十分伝わるものはあると思う。でもやはり女  性の伝わる感覚とは異なるのだろうか?                                   ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     監督:アキ・カウリスマキ     撮影:ティモ・サルミネン     編集:ライヤ・タルビオ  実力のほどは謎のバンド『レニングラード・カウボーイズ』が繰り広げるロード  ムービー。ニューヨークに渡り、結局メキシコまで下るはめになった彼らの珍道  中が面白い。  ジム・ジャームッシュ扮する中古車屋から買ったおんぼろキャデラックで、アメ  リカ大陸を走りながら、各地で演奏する曲がまた面白い。土地柄を意識した選曲  が彼らの風貌とともに笑いを誘う。  玉ねぎをかじるシーンに切なさを感じるが、続編でも玉ねぎはちょっとした小道  具としてお目見えする。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     脚本・監督・編集:アキ・カウリスマキ     撮影:ティモ・サルミネン  ようするに続編です。  メキシコで成功しかけた彼らも今は犯罪者とアル中の集団となっていた。  彼らを呼び戻すかのように、ニューヨークから仕事の依頼が。メキシコから  ニューヨーク。そしてついには海を渡りフランス上陸から、故郷のシベリアの大  地を目指すいちだい叙事詩(?)となる。  飽きてきたせいか、笑えなくなった。  おみやげに『自由の女神』の鼻を落として持ち帰るという爆笑アイデアはカウリ  スマキのものか!?                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ラヴィ・ド・ボエーム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     脚本・監督:アキ・カウリスマキ     撮影:ティモ・サルミネン     編集:ヴィッコ・アールトネン  「芸術家とは…。」とつい語りたくなる作品だが、中途半端な芸術のような映画  でもの足りない。白黒の映像は美しいのだが、それに勝るストーリーがなく、映  像を見せるだけの映画になっている。  動きやセリフの少ない中でマッティ・ペロンパー他、いつもの役者がしっかり演  技して、どこまでも的を射た映像が続くのには見る価値を感じるが、楽しめる映  画とはいえない。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆マッチ工場の少女☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     脚本・監督・編集:アキ・カウリスマキ     撮影:ティモ・サルミネン  殺人へと導かれる狂気の映画です。恐いですね、恐いですね。  もちろんホラーではありません。人生が切なくなってしまうような哀愁ただよう  作品。北欧の田舎町のイメージが悪いほうで固まってしまうので、これから北欧  を旅行しようとしている人にはお勧めできません。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆コントラクト・キラー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     脚本・監督・編集:アキ・カウリスマキ     撮影:ティモ・サルミネン  ロンドンの水道局で働くフランス人(ジャン=ピエール・レオー)がリストラに。  自殺できない彼が選んだのは、殺し屋に自分を殺させる事。  そのくせあっという間に心変わりしてしまい、知り合った女性と人生を楽しみた  くなる彼だが、はたしてキャンセルは間に合うのか。  演出の味付けはカウリスマキのそれだが、なんだか物足りない。それほど不幸な  人物ではないと感じるためだろうか、他の作品でみられる主人公の顔と比べると  レオーがそこそこの顔立ちをしているためだろうか。  上映時間80分の中を埋めるだけのハプニングは起こるのだが、それでももう少し  切りつめて欲しい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆7☆トータル・バラライカ・ショー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     監督:アキ・カウリスマキ  93年のヘルシンキで行われたレニングラード・カウボーイズ&レッド・アー  ミー・アンサンブルのジョイント・コンサートのドキュメンタリー。  終始前方真中で観客が振っているハートの旗が気になってしょうがないが、面白  味のある選曲、コメディータッチの演出のライブはそれだけでだれが撮影しても  絵になる。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆8☆アキ・カウリスマキ短篇集☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  4本の短篇も今回併映されたが、短篇映画としての魅力はたいしたことない。カ  ウリスマキだから見ていられるという程度。  さてここでまとめとして一言。カウリスマキは短篇より、2時間を超える長編よ  り、60分程度の中編に適した脚本を書く監督で、そこに魅力を感じる。  脚本・監督・編集まで自分でこなすと少々わがままが鼻につくものだが、このカ  ウリスマキの独特の世界像はそこまでしても、編集などを他の人に委ねても、普  遍の雰囲気が維持されている。  ティモ・サルミネンの撮影は面白い構図が目白押し。そのテクニックはモノクロ  において特にうまさを感じる。カラーといっても色合がモノクロに近い点がまた  面白い。その面白さはカウリスマキの雰囲気があってのものだから、他の監督が  彼に撮影してもらったからといって同じようなモノクロが撮れることはないだろ  う。相性が本当にいいのだろう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.122

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □アメリカン・ビューティー   □太陽は、ぼくの瞳   □食神   □スウィート・アンド・ローダウン >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆アメリカン・ビューティー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     AMERICAN BEAUTY     ★★★☆☆     1999/122分     監督:サム・メンデス     脚本:アラン・ポール  決して魅力的な映画ではないし、演技のうまさを実感できる映画でもなければ、  十分楽しめるだけの要素を感じる映画でもない。なぜかアメリカではあんなに  ヒットしてしまって、オスカーまでかっさらった結果、日本でもそれにならって  流行っている。  かなりブラックユーモアがちりばめられているからそこを笑える人にとっては  ちょっとしたコメディー程度に楽しめる。また、エンディングにかけて拳銃をと  りまく数人の動きに目が離せなくなるので、最後まで集中して見れるのはよいこ  とだが、それにしてもこの手の映画で思いだすのはやはり「アイス・ストー  ム」。私にとっては先にそれを見ているので、決して2番煎じと言うわけではな  いが、そっくりだと言わなくてはなるまい。  ただ、1つ問題があり、この「アイス・ストーム」との類似性については、私の  文章よりおもしろおかしく納得できる1文が存在あった。Weeklyぴあの中で連載  している柳下毅一郎の『激殺!映画ザンマイ』で、クリスティーナ・リッチに絡  めて書かれていたのだ。だからこの場合、あえて彼に影響された文章を書くのを  やめて、  http://www.ltokyo.com/yanasita/diary/00021.html  を紹介することにとどめておこう。残念ながら彼に裏金をもらっている訳ではな  い。また、このサイトでも連載の記事が読めるわけではないのですが、日記のな  かの文章でその雰囲気が味見できるでしょう。  ちょっとだけ内容に関して付け加えると、この映画は2家族の物語。片方は都会  のストレスに耐えきれなくなり崩壊する。一方の家族はアメリカ軍人の厳格な部  分だけを持った父親が導き、同じく崩壊してしまう。  現代のストレスを描いた映画としては、たしかにつぼを押さえている。ケビン・  スペイシー演じるレスターがハンバーガー屋の店員に転職する際に言った言葉  「できるだけ責任のない仕事につきたい」や、車の中で自己暗示を掛けている妻  キャロリン。職場でストレスを感じている人にとっては、頭が痛くなるほど理解  できるブラックユーモアだ。  それしか魅力のない映画になんでこんなに人が入ってしまうのだろうか?                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆太陽は、ぼくの瞳☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     THE COLOUR OF PARADISE     ★★★★☆     1999/イラン/90分/モノラル/ビスタ     監督:マジッド・マジディ(運動靴と赤い金魚)     出演:モフセン・ラマザーニ、ホセイン・マージゥーブ     99年モントリオール国際映画祭グランプリ  目が見えない子供が主人公だと知っている我々にとって、まずオープニングでそ  れを実感する。スタッフの名前が黒い画面に緑色のペルシャ語で浮きあがる間、  子供と先生の声が流れている。盲目である事を一瞬にして観客に感化させる。  テヘランの全寮制盲学校にかようモハマド。父ラメザンは田舎で編んだキリムを  売ってわずかな稼ぎを得たり、季節労働で稼いでいるようだ。  学校が3ヶ月の夏休みになると、家族が子供を迎えに来るのだが、モハマドだけ  とり残される。遅れてやって来たラメザンは息子を引き取りたくないと先生に言  う。  テヘランからバスで1晩ゆられ、さらに山道を馬で進みようやく田舎に着く2人  は、姉バハレと妹ハニエ、おばあちゃんの待つ家に着く。カスピ海ぞいの森の中  の村で、花で染めた羊毛でキリムを織っている村だ。  この村の美しさは、イランの自然の魅力を感じさせるに十分なほど。都会ではな  く田舎の人。土壁を塗りかえるシーン、麦畑の緑、森の湿気、村の生活が彼らに  よって描かれていく。  モハマドはテヘランの学校の事を「世界の果てにある学校」と言うが、この言葉  も面白い。本当に居たい場所には居られないという、彼の気持ちを考えさせられ  る。そして、その息子の為にラメザンも自分のしたいことができないと感じてい  る。  さらに、おばあちゃんはその2人の事が答えのない人生の難題となっている。誰  もが幸せな生活を過ごしているとは言えないようす。家族の構図が次第に浮かび  あがるころ、すっかり映画の魅力にはまっていく。  父は再婚の準備をすすめるのだが、おばあちゃんの許しはまだ得られていない。  理解しあえていない母と息子は、父であり同時におばあちゃんの前では息子であ  るという人間くささがある。この時点で、モハマドよりじつは父ラメザンの感情  がこの映画の重要な位置をしめていることに気付かさせられた。  さらに、ラメザンは息子にたいして殺意すら抱いているのではないだろうかと感  じるシーンが随所に現れる。その為に感じる不安がエンディングまでつづき、緊  張感があっておもしろいし、その時のラメザンの表情は演技とは思えないほど。  ラメザンが「生まれたときから父親はいなかった」と母に対して叫ぶシーン。愛  情に恵まれなかった自分を母に訴える事で、複雑な親子関係、彼らの苦しみを間  接的に説明している。セリフは少なめだが、過剰に説明しすぎる分かりやすい映  画とは対極に、映像から想像して、頭の中で自分でストーリーを組み立てる必要  がある映画となっている。  そして、雨の日に無理をしたことで、おばあちゃんは衰弱して亡くなってしま  う。まぎわに彼女の見せる笑顔は魅力的で、この後の展開を想像させられる。婚  礼まぢかだったころのこの事件によって、「この結婚は不吉だ」として断られる  ラメザン。彼はますます追いやられていく。  この辺りの彼の演技は、今年約90本みた映画の中でもっとも上手い演技だっ  た。また、ラメザンとモハマドが並んで森を歩く全てのシーンは、ルコントの  「タンデム」(TANDEM)で感じた寂しい2人の姿と並ぶほどの表現力で、視線は  画面からはなれることができない。どことなく「テンデム」のミッシェル(ジャ  ン・ロシュフォール)に似ているラメザン。  また、この村での映像は、カメラが撮らえることのできる自然の最も美しい映像  といってもいいと思う。昨年のフランス映画祭で上映された名作「これが人生」  (C'est Quoi LaVie)の山(森)の映像にまさる映像だった。必見!「これが人  生」はロードショウ公開されていないが、超お勧め映画です。  さらに映像表現は続く。雨で水流の増した川に流される姿は、小細工なしでここ  まで迫力がだせるものかと、最近の過剰な特撮を見直す必要も感じる。  雨でできた水たまりにとりのこされたフナ、キツツキの木を打つ音、獣の遠吠  え、さらに体が引っ掛かったカメ、ロードムービーで見られるような印象深い表  現がたくみにとりいれられた映画だ。  まだ時期早々で、エンディングの内容を説明するつもりはないが、彼らの神に対  する考え方が美しく描かれる点は感動。今までのイラン映画が幼稚だと感じる人  がいれば、この映画は大人向きだから大丈夫。絶対に見に行ってください。  ちなみに、★を1つ減らした理由は、子供の描き方がファンタジーすぎて、一瞬  たじろいでしまうから。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆食神☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     1996/92分     監督:リー・リクチー&チャウ・シンチー     脚本:チャウ・シンチー     出演:チャウ・シンチー、カレン・モク  「食神」と呼ばる食通の周(チャウ・シンチー)は、その高慢さから仲間に裏切  られて没落する。落ちぶれた末、屋台の女主人、姉御(カレン・モク)に出会  い、その名も『爆裂 小便肉団子』で再び食の世界に舞い戻ろうとする。しかし、  彼を陥れたやつらは邪魔をして・・・。  カレン・モクの超不細工メイクは、気持ちが悪くなるほど。96年だから既に人気  爆発のカレン・モクが、チャウ・シンチーのおばかなコメディーに容姿をすてて  挑むあたりもすごい。  抱腹絶倒とはこの映画のことで、ちょこまかしたところにパロディーも盛り込ま  れている。  そんなことに全く気付かなくても、ビィジュアル要素だけでも十分笑えます。  日本の漫画「ミスター・味っ子」や、「料理の鉄人」のパロディーもあり、日本  人にも分かりやすい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆スウィート・アンド・ローダウン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Sweet And Lowdown     ★★★★★     1999年アメリカ/日本公開未定     監督:ウディ・アレン     出演:ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン  「近頃のウディ・アレン作品にいま一つ納得いかなかった。」「『セレブリ  ティ』にはがっかりした。」と、お嘆きの皆様、お待たせしました!久々に彼の  テイストを満喫できる映画の登場です。  1930年代に活躍した偉大なジャズ・ギタリスト、エメット・レイ(ショーン・ペ  ン)を、彼を知る人々の証言を元に回想していくスタイルなのだが、その1人とし  てウディ本人が出ているのが嬉しい。  興味があるのはギターだけ、芸のためなら女も泣かす、趣味といえば汽車がいく  のを眺めたりネズミを撃ち殺すことだったりする変わり者の役どころを、オス  カー候補にもなったショーン・ペンがコミカルに演じ好印象。(こうしてみると  本年のアカデミー主演男優賞候補はいずれも劣らぬ名演技だったことに気づかさ  れる。)デットマン・ウォーキングの時とは全く違う表情を見せている。  また、彼がナンパして同棲生活を送ることとなる口のきけない洗濯屋の娘ハティ  を演じる、これまたオスカー候補のサマンサ・モートンの表情だけの演技は見  事。いや、表情だけというより、セリフがない分歩き方、しぐさなどでハティの  人となりを巧みに表現しているのである。この2人の関係がなんとなくフェリー  ニの『道』を彷彿とさせていい感じ。もう1人の女としてユマ・サーマンがまるで  デートリッヒを思わせるエレガントないでたちで登場するのも見所。  また所々に過去のウディ作品で見たような場面が登場するのがご愛嬌。雰囲気的  には『ブロードウェイのダニーローズ』に近い気がするが、ハティの住まいが  ジェット・コースターのふもとだったり、あれ、これって・・・と思える場面が  多々登場。これは彼のファンへの目配せですかね。  せつないラストが泣かせるし、演技も音楽も素晴らしい。サントラは必聴です。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □金玉満堂 決戦!炎の料理人   □エディ・ホニグマン   □いとこ同志 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆金玉満堂 決戦!炎の料理人☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     1995/106分     監督・脚本:ツイ・ハーク     出演:アニタ・ユン、レスリー・チャン  笑えることに間違いない。  香港料理界乗っ取りをねらう超人料理集団に狙われた老舗レストラン『満漢  楼』。  そこの一人娘(アニタ)と新米コック(レスリー)が伝説的料理人に助けをもと  めて香港料理界を救う(?)物語。  ちょっと編集の問題で間延びし、訳がわからなくなる箇所があるが、それを除い  てにやにやし続けてしまう。時たま大爆笑。  アニタ・ユンがうるさく感じることもあるのだが、後半の山口百恵風(?)ヘ  アースタイルのかわいさがそれを打ち消してしまう。                                 立野 浩超  「喜劇王」公開記念  キネカ大森 香港アチャラカナイト  4月22日〜5月19日まで 8時からのレイトショー1回上映  「喜劇王」の公開を記念して90年台香港コメディー映画を特集上映  5月6日〜12日まで「金玉満堂 決戦!炎の料理人」  13日〜19日まで「食神」 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆エディ・ホニグマン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  エディ・ホニグマン(Heddy Honigmann)に出会った。  BOX東中野で4月29日から5月12日まで開催された「ヤマガタin東京」は、山形国  際ドキュメンタリー映画祭99から厳選した60本を東京で上映するという企画。  そこでエディ・ホニグマンの作品「メタル&メランコリー」と「アンダーグラウ  ンド・オーケストラ」が上映された。 「メタル&メランコリー」  ペルーでは給料水準が低いために、自家用車を持っている人はTAXIのステッカー  を貼って空いた時間に副業とする。乗り込んだタクシーの中で彼らの事情を聞  き、家で家族に会い、彼らの切実な毎日をあぶりだす。 「アンダーグラウンド・オーケストラ」  地下鉄で演奏しながら、小銭を稼いでいるミュージシャン。彼らにインタビュー  しながら、出身国、なぜパリを選んだのかといったことを聞く。不法滞在であっ  たり、出稼ぎであったり、故郷が内戦地になっていたりと現代ヨーロッパの切実  な状況が見えてくる。  これは山形において前者が95年最優秀賞、後者が99年審査員特別賞を受賞してい  る。  ドキュメンタリー映画(映像)は物語性がかける為に退屈なものと決めつけて、  見にいくこと考えたこともない人。この映画はそんな人でも十分楽しめるだけの  面白さと、社会に対する問題意識からくるメッセージがあり、率直で分かりやす  い。  しかも2作品を見てその共通した作風から感じるのは、エディの監督としての才  能とスタッフの映画作りのうまさ。インタビュー形式で他人と接しながら、彼ら  の中に秘められた自伝的物語を自然に浮きあがらさせる。それはコミュニケー  ションというより、熟練したカウンセラーのテクニックのよう。  聞き出された彼らの人生はドキュメンタリーならではの迫力と奥深い悲しみがあ  り、涙をさそうところまではいかないが、余韻が心地いい。だからついついこう  して記事にしたくなる。  時たまほっとするような映像を適度な長さで差し込むその編集のうまさ、選りす  ぐったそのカットの魅力は映像センスのよさを感じる。1つだけの題材を描くと  こで単調になりがちなところだが、多くのアップでの撮影に対する記念撮影的な  全体像(映像)でメリハリをつけ、我々に満足感を与えてくれる。  スクリーンキッスとして皆さんに紹介するに足りるだけの理由があるのだが、そ  れではどうやって見るのかという点になると、次のエディの作品に期待するか、  海外から通販でビデオを購入するといった限られた方法しかないのは残念だ。最  近は毎年1本の作品を作っているようだから、2001年の山形で再来を期待できる  のかもしれない。常連として。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆いとこ同志☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Les Cousins     1959/フランス/110分/白黒     監督・脚本:クロード・シャブロル     出演:ジェラール・ブラン、ジャン・クロード・ブリアリ、        ジュリエット・メニエル     1959年ベルリン映画祭金熊賞  ヌーヴェル・ヴァーグ特集4回目は、ゴダール同様「カイエ・デュ・シネマ」で  映画批評をしていたクロード・シャブロルの長篇第2作目の作品で、当時大ヒッ  トを記録した『いとこ同志』を取り上げる。以下、本文に続く。  正反対の性格のいとこ同志シャルル(ジェラール・ブラン)とポール(ジャン・  クロード・ブリアリ)。パリに住む遊び人ポールの元に田舎から上京してきた真  面目人間シャルルが住む事になる。  ポールと同じ大学に通うシャルルは、学生クラブでフロランスという女性に出会  う。一目ぼれしたシャルルは愛の告白をするが、女好きのポールにフロランスを  奪われてしまう。挙句の果てがフロランスを交えての3人生活。  フロランスを忘れようと法学士試験の勉強に励むシャルル。一方、ポールは遊び  まくる日々。しかし、試験結果はポールが受かり、シャルルが落ちる。絶望の  シャルルは銃を手にしてポールに銃口を向け引き金を引くが空砲に終わる。  この作品は公開当時大ヒットを記録し、『勝手にしやがれ』や『大人は判ってく  れない』といったヌーヴェル・ヴァーグを代表する作品と肩を並べる程の観客動  員記録を残している。  ポール役のジャン・クロード・ブリアリは、第113号でご紹介した『5時から  7時までのクレオ』にゲスト出演していたが、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する  「カイエ・デュ・シネマ派」の監督達が日の目を見る前に作っていた短編にすで  に顔を出していた。ジャック・リベットの『王手飛車取り』、エリック・ロメー  ルの『クロイツェル・ソナタ』、ゴダールの『シャルロットとヴェロニクあるい  は男の子はみなパトリック』、ゴダールとフランソワ・トリュフォー共同監督作  『水の話』にそれぞれ出ている。  また、端役であるがルイ・マルのデビュー作『死刑台のエレベーター』にも出演  している。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   ClickIncome  (http://clickincome.net/mg_lt/mag/m00000031.html)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   emaga (http://www.emaga.com/music/intro/film.html) ◇◇サービス______________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Backnumber.toを利用したバックナンバー再送信サービスもあります。   http://backnumber.to/list.asp?userid=10007585 ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、[email protected]へ ◇◇協力・提携_____________________________◇ ◇   AntenneFrance(http://www.antennefrance.com/) ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   mailto:[email protected] ◇◇スタッフ______________________________◇ ◇   【編集長】      【記事執筆】      【ヨーロッパ支局】    中津川 昌弘     鳥野 韻子       hana               立野 浩超               ゆたか               MS. QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □第53回カンヌ国際映画祭   □英国アカデミー賞受賞結果   □ぼくは歩いてゆく   □ジャンヌと素敵な男の子 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆第53回カンヌ国際映画祭☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  5月10日より21日まで。  いよいよカンヌの季節。スクリーンキッス読者にとってはアカデミー賞よりカン  ヌ受賞作品の方を重要視しているのではないでしょうか?私はサンダンスを重要  視していますが・・・。  今年は、個人的に好きな監督がコンペティションに作品をだしているので、ずい  ぶん期待しています。  子供主役の名作「ケス」のケン・ローチ、『ドグマ95』のさきがけとなったハ  ンドカメラ撮影がすばらしい「奇跡の海」のラース・フォン・トリアー、私の目  をアジア映画に向けさせた「ブエノスアイレス」のウォン・カーウァイ。  その他、東京国際映画祭ではおなじみとなったイスラエルのアモス・ギタイの新  作、シネマライズで大ヒットした「ファーゴ」のコーエン兄弟、他。  ああ、なんで今日もまた仕事をしなくてはならないのか???  http://www.festival-cannes.fr/cannes2000/va/index.html                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆1☆英国アカデミー賞受賞結果☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  去る4月9日、レスタースクエアの「オデオン」(大きな映画館)にて華やかに  英国アカデミー賞授賞式が行われた。翌日の新聞各誌には関連の記事、写真が一  面に掲載され(立ち話するヒュー・グラントとマイケル・ケイン、鮮やかなグ  リーンのドレス姿の Mena Suvari (「アメリカン・ビューティ」) 等)、この  賞に対する英国国民の注目度の高さを物語っていた。 受賞結果は以下の通りです。  THE ALEXANDER KORDA AWARD  For oustanding British Film of the Year 英国作品賞  EAST IS EAST Leslee Udwin / Damien O’Donnell  (メモ:昨年秋以来延々と上映され続けている大ヒット作。イギリスに住むイン  ド人コミュニティを舞台にしたコメディ。受賞翌日の「The Times」(英国のス  ノッブな新聞)には「Salfordに住む、人種の混ざったチップス店の一家を描いた  低予算映画が、オール・スターキャストの「ノッティング・ヒルの恋人」を負か  した!」という痛快な書き出しの記事が掲載された。日本での公開の可能性はか  なり高いと思われるので、覚えておいて下さい。)  BEST FILM 作品賞  アメリカン・ビューティ   Bruce Cohen / Dan Jinks  THE DAVID LEAN AWARD  For best Achievement in Direction 監督賞  「オール・アバウト・マイ・マザー」 ペドロ・アルモドバル  SCREENPLAY (Original) 脚本賞  BEING JOHN MALKOVICH Charlie Kaufman  SCREENPLAY (Adapted) 脚色賞  The END OF THE AFFAIR, ニール・ジョーダン  (メモ:レイフ・ファインズ、ジュリアン・ムーア主演の第2次世界大戦時を舞  台にしたラブ・ストーリー)  PERFORMANCE by an ACTRESS in a LEADING role 主演女優賞  アネット・ベイニング 「アメリカン・ビューティ 」  PERFORMANCE by an ACTOR in a LEADING role 主演男優賞  ケヴィン・スペイシー  「アメリカン・ビューティ」  PERFORMANCE by an ACTRESS in a SUPPORTING role助演女優賞  マギー・スミス Tea with Mussolini  (メモ:第2次世界大戦時のイタリア在住の外国人達を描いた、実話を元にした  フランコ・ゼフィレッリ監督作。シェール、リリー・トムリン出演。日本公開予  定あり。)  PERFORMANCE by an ACTOR in a SUPPORTING role 助演男優賞  ジュード・ロウ 「リプリー」  FILM NOT IN THE ENGLISH LANGUAGE 外国語映画賞  「オール・アバウト・マイ・マザー」  Agustin Almodovar / ペドロ・アルモドバル  THE ANTHONY ASQUITH AWARD for achievement in FILM MUSIC 音楽賞  「アメリカン・ビューティ」 Thomas Newman  THE CARL FOREMAN AWARD  For Newcomer in British Film 新人監督賞  LYNNE RAMSAY 「ラット・キャッチャー」  (メモ:ScreenKiss105に関連記事あり)  CINEMATOGRAPHY 撮影賞  「アメリカン・ビューティ」 Conrad L. Hall  PRODUCTION DESIGN 美術賞  「スリーピィ・ホロウ」 Rick Heinrichs  COSTUME DESIGN 衣装デザイン賞  「スリーピィ・ホロウ」 Colleen Atwood  EDITING 編集賞  「アメリカン・ビューティ」 Tariq Anwar / Christopher Greenbury  SOUND 音響賞  「マトリックス」 David Lee / John Reitz / Gregg Rudloff /  David Campbell / Dane A Davis  ACHIEVEMENT IN SPECIAL VISUAL EFFECTS 映像効果賞  「マトリックス」 John Gaeta / Steve Courtley / Janek Sirrs / Jon Thum  MAKE UP/HAIR ヘア・メイクアップ賞  TOPSY TURVY Christine Blundell  (メモ:マイク・リー監督。1884年、スランプに陥った二人の舞台作家二人、何  とかオペレッタ「ミカド」を完成させようとするが、、、。オスカーも2部門受  賞し評価はとても高いが、何故か一般受けは悪いようで、この作品を見て「面白  かった」と言う人に私はまだ会っていない、、、。)  SHORT FILM 短編映画賞  WHO'S MY FAVOURITE GIRL Joern Utkilen / Kara Johnston / Adrian McDowall  SHORT ANIMATION 短編アニメーション賞  THE MAN WITH BEAUTIFUL EYES Jonathan Bairstow / Jonathan Hodgson  ORANGE AUDIENCE AWARD 観客賞  「ノッティング・ヒルの恋人」  THE ACADEMY FELLOWSHIPS  マイケル・ケイン  スタンリー・キューブリック  THE MICHAEL BALCON AWARD  For outstanding British contribution to Cinema 英国貢献賞  JOYCE HERLIHY                                    hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ぼくは歩いてゆく☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     DON     1998年/イラン/90min/カラー/スタンダード     監督・脚本・編集・美術:アボルファズル・ジャリリ     出演:ファルハード ・バハルマンド、バフティアル・バハルマンド     1998年サン・セバスチャン審査員賞     http://www.bitters.co.jp/     銀座テアトルシネマにて公開中  両親が出生届を怠った為、IDのない9歳の少年ファルハード。その為学校にも行け  ず、貧しい家計を助ける為に働いている。ID仲介業者には金を持ち逃げされ、父  は麻薬中毒で入院、拾った身分証の利用もばれる・・と災難続きの彼は、自分で  IDを獲得しようとするが・・・。  若年労働者が当たり前なのか、子供の就労者の多さに驚くと同時に、彼等の表情  が既に大人びているのには、更に吃驚した。近所の少女、ファルザネーに見せる  顔には、年下なのに、まさに大人の視線が張り付いていた。そして、不思議な事  にそうした表情に、不安は見えても悲惨さがない。が、時折見せる子供らしい笑  顔と、他人の身分証の件がばれて叱られ、大泣きするシーンには、ややほっとし  た。  対して、子供のほとんどを届け出せず、麻薬に溺れ、息子が仕事の為に漸く借り  受けたタイプライターまで売り払ってしまう、父親の貧相でうつろな視線。収容  施設で息子の差し入れを受け、語る父の悔恨は持続性のあるものか、と疑いたく  なってしまう。  労働に関しては、あまり規制がないように見えるこの国だが、子供の一人旅に  は、えらい手続きが必要なようで、その辺のギャップも興味深かった。しかし、  イラン映画で見かける子供たちはしっかり者が多い。ファルハードも仕事探し  に、父の薬買いに、身分証の手続きに・・とテクテク歩く。しかも、その後ろ姿  には逞しささえ感じる。甘美な子供の時間をプレゼントしたい位だ。  ラストでは、ファルハードの柵越しの表情が写る。彼は果たして少年院送りに  なってしまったのだろうか?それにしては、この笑顔は?と暫し考えてしまう。  そこで、はたと気づくのだ。「また、監督のマジックにやられた!」と。  彼の言う「ドキュ・ドラマ」。出演者は全て本人の役、進行も彼等の生活そのも  の、とドキュメンタリーの形式をとりながら、上手に監督自身のつけた方向に向  かうような流れになっているのだ。どこまでが、「そのまま」でどこまでが「意  図的」か。が、ジャリリ監督のこの独特の手法には、その根底に常に温かい視線  が流れている。  数年前の東京国際映画祭で『トゥルー・ストーリー』を初めて見て以来、彼の作  品に魅せられてしまったのも、この視線のせいだった。(この作品も、配給会社  のビターズ・エンドさんのお陰で見られるようですよ)不思議にはまってしま  う、彼の映画に1度迷い込んでみてください。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ジャンヌと素敵な男の子☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     JEANNNE ET LA GARCON FORMIDABLE     1997年/フランス/98min/カラー/35mm     監督:ジャック・マルティノ(脚本)、        オリヴィエ・デュカステル(演出)     出演:ヴィルジニー ・ルドワイヤン、マチュー・ドゥミ、        ジャック・ボナフ     1998年パリ国際映画祭最優秀女優賞(ヴィルジニー ・ルドワイヤン)     キネカ大森にてレイト公開中  旅行代理店の受付嬢ジャンヌは、沢山の恋人がいたが、メトロで出会ったオリ  ヴィエを運命の男性と感じる。が、彼はエイズ感染者で、彼女の元を去ってしま  う。  今時珍しい?ミュージカル仕立て。清掃夫達のダンシングお掃除はまだしも、中  華料理店で「チンタオ〜」と踊り出すのにはのけぞってしまった。それでも、  ちょっとハスキーな声で歌いながら踊るルドワイヤンの姿はなかなか。  彼女の溌溂とした動きと、笑顔がなければジャンヌは、ただの尻軽女になってし  まうだろう。そう言えば、この作品でフランス映画祭に来日した時の彼女の笑顔  も印象的でした。  鮮やかな色のヘソ出しセーターに、ミニスカート、スリップドレス、そして赤の  チャイナドレス・・・と彼女のファッションを見るだけでも価値があります。  ジャラジャラのアクセサリーを飾ったドレス掛けなんかは、「見せる収納」のお  手本にも。オリヴィエの葬式に向かうシーンで、初めて黒いドレスで登するもの  の、青い花のついたプルオーヴァーを羽織るところが、ジャンヌらしい。  一方、毋(アニエス・ヴァルダ)の輪郭に、父(ジャック・ドゥミ)のお目々の  マチュー君。ジャンヌと正反対の「静」としての存在を巧く表現していました。  同じくAIDSが恋人達に立ちはだかる『野生の夜に』の激しさと比較してみるのも  面白い。  余談ながら、やはりフランス映画祭に来日していた、両監督。何だか雰囲気が似  ていて見分けがつきにくかったです。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.119

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □アニエスb.映画祭パート2   □イグジステンズ   □マーシャル・ロー >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆アニエスb.映画祭パート2☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  5/1〜5/7まで青山のスパイラルホールで開催中の『アニエスb.映画祭パート  2』。1998年の『アニエスb.は映画が大好き』に続き、自らもLove Stream とい  う映画製作会社を持つ、アニエスb.提供の映画祭だ。今回の企画は新人監督に焦  点を当て、7人を選出し、その処女作を上映している。今回は女性監督の作品が  多いのが特徴。  上映作品はフランス映画祭横浜でも上映された、『神のみぞ知る』『新しい肌』  などを初め、昨年のフランス映画祭では『ニコラ』(映画祭タイトルは『冬の少  年』)で来日を果たしたエマニュエル・ベルコの『少女』、同じ時来日したパス  カル・ボニツェール(『ロベールとは無関係』)の『アンコール』など。各作品  に一作づつ短篇が併映される。全て劇場未公開。  上映日前日まで前売りを発売。お買得な7回(全作品)券もある。(但し、引き  換えに際し、全作品の鑑賞日時を設定しなくてはならない) ■少女(La puce/1998年/42min)  監督:エマニュエル・ベルコ  出演:イジルド・ル・ベスコ、オリヴィエ・マルシャル  14歳の少女の初体験。思春期の少女の無意識の残忍さと、彼女を篭絡しようとし  ながら実は翻弄されてしまう、30男の情けなさが如実に出ている。少女の身体を  生々しく映し出す事なく、その表情のアップ等を用いる事で、ここではエロティ  シズムより、困惑する中年と少女の一種の闘いのような仕上がりになった。ト  リュフォーの再来との噂が高いそうだが、ちょっと疑問だ。 ■アンコール(Encore/1996年/96min)  監督:パスカル・ボニツェール  出演:ジャッキー・ベロワイエ、ヴァレリア・ブリュニ・テデスキ  偶然出会った学生や、食餌療法に凝る女性らに翻弄される大学教授のお話。出演  はこの他、ナターシャ・レニエやロランス・コートといった奇麗な女優が揃って  いるが、彼女達に愛される教授といったら・・・。ボニツェールらしい「頭のい  い」シナリオだが、主人公の行動に最後までイライラしてしまった私でした。 ■柔らかな水(Eau douce/1996年/58min)  監督:マリー・ヴェルミラール  出演:ナタリー・リシャール、アントワーヌ・シャペイ  砂利運搬船で暮らす親子の元に、自殺に失敗した男が紛れ込む。船には口を利か  ない元船乗りの老人も同居しており、やがて目的地に着くが・・・。ゆったりと  した運河の流れと陸の人々の生活、そして船内の人間を丁寧に描いていく事で、  家族や社会といった多重構造を見事に集約させている。ヴィゴの『アタラント  号』と比較される、とか。  口を利かない謎のお爺さんの、動かない演技はなかなか。『イルマ・ヴェップ』  等でもバイクの似合ってた、ナタリー・リシャールのバイク姿がここでも見れま  す。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆イグジステンズ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     eXistenZ     1999年/アメリカ/97分/ビスタ     監督:デビッド・クローネンバーグ     撮影:ピーター・サスキツキー     出演:ジュード・ロウ、ジェニファー・ジェイソン・リー     99年ベルリン国際映画祭シルバーベアー賞     http://www.eXistenZ-j.com/  クローネンバーグの新作。予告編、その他の情報でどういう中身の作品なのか非  常に興味深かったのだが。  話の内容はというと、新作ゲーム「eXistenZ」の発表会場で、このゲームの製作  者アレグラが狙撃される。その場にいた警備員テッドと共に逃れ、「eXistenZ」  の正常性を確かめるべく、2人はゲームの世界に身を投じていく・・・。  結論から言えば、この映画に対しての魅力をあまり感じなかった。確かにゲーム  における小道具(バイオポート、ゲームポッドetc)などクローネンバーグら  しさを見せてはいるものの、映画の世界に引きずり込むようなインパクトが今回  の作品はどうも弱い。  それはゲームによる仮想現実という題材が今ではあまり新鮮さがないというのも  十分要因にあるのでは。その割には話の中身、展開で目新しさ、面白さというの  もあまり感じられず。こういった題材の作品でなら、最近あった「ニルヴァー  ナ」の方が個人的には好感が持てる。  あと撮影に関しても、どうも少し明るいというか、非現実的でダークな空間を表  現するのにもう少しコントラストをつけてもと思うところがいくつかあり(こう  いう事は好みもあるとは思うが)、それと今回の建物関係の美術はいかにもセッ  ト撮影という雰囲気がバレていて、少し手抜きでは? と感じることも。  クローネンバーグの作品は結構好きであるが、今回の作品は何となく退屈に感  じ、ある意味さらに歪んだ世界にぶち壊してほしいと思ったりもする。クローネ  ンバーグだけに何か物足りない作品。                                 ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆マーシャル・ロー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Siege     1998年/アメリカ/117分/シネスコ     監督:エドワード・ズヴィック     撮影:ロジャー・ディーキンス     出演:デンゼル・ワシントン、ブルース・ウィリス、        アネット・ベニング  この映画、正直、本当にスケールが大きい。非常に大掛かりな撮影で、いかにも  映画っぽいようなほころびを感じさせず、とてもリアル。よくこんな作品が撮れ  るものだなと改めてハリウッドの凄さを感じる。  だが非常にもったいないのが、エンタテイメントなのか社会派ドラマなのか、中  途半端な印象が強く残った。エンタテイメントというなら盛り上がりの点で派手  というかインパクトの部分が弱く、ドラマというならいまいち人物をしっかり描  ききっていない。  戒厳令という出来事にたどる過程を描いているだけの印象があり、そこにエンタ  テイメントかドラマかどちらかをしっかりと盛り込めれば良かったのでは?  ・・・というよりもどちらも中途半端に盛り込んだようにも感じる。やや淡々と  した全体の印象。  というように作品の中核部分に物足りなさを感じさせるが、その他の点では素晴  らしく、ただデンゼル・ワシントンとブルース・ウィリスに関しては、最近少し  映画に出過ぎではないかという個人的感想と共に新鮮さが感じられなかった  が・・・、些細なことです。  それにしてもやはり作品としての印象という点ではやや薄いか。でも画に関して  は凄いの一言。                                 ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.118

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □真夜中の虹   □NYPD 15分署   □ロゼッタ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆真夜中の虹☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Ariel     ★★★★☆     1988年/ビスタ/35mm/74分     監督:アキ・カウリスマキ     出演:トゥロ・パラヤ、マッティ・ペロンパー、        スサンナ・ハーヴィスト     アキ・カウリスマキ特集 ゴーズ・ニッポン!     渋谷ユーロスペースにて4月29日から5月12日まで  ジム・ジャームッシュに似た雰囲気を感じる作品。「ストレンジャー・ザン・パ  ラダイス」は84年にカンヌとロカルノで受賞、「ダウン・バイ・ロー」は86年に  カンヌ出品。それを考えると十分影響された可能性はあるのだが、カウリスマキ  が単に真似をしているわけではないのは一目瞭然。  一貫した貧乏・不幸ストーリーは彼の性格(本性)が影響しているとしか考えら  れない。  炭坑の閉山で、父親は息子カスネリンにコンバーチブルのキャデラックを与えて  自殺する。カスネリンは貯金を全額おろして町にでる。コンバーチブルはボタン  一つで開閉できるのだが、そのスイッチに気付かずに氷点下をオープンカーで疾  走。  屋台のサンドイッチを食べる時札束を見せてしまい、ヤクザな2人組みに襲われ  全額を盗られてしまう。  日雇い労働をしながら、知り合った子持ちの女。ヤクザな1人を見つけたが、反  対に暴漢とみなされて投獄。脱走し、銀行強盗し金を作って女と息子と3人で貨  物船に乗せてもらう。アメリカ大陸にたどり着けるのか、船上で殺されるのか。  映画の主人公カスネリンは、ドジで有り金すべてを取られてもその事に対して悔  しがったり、自身の行動に後悔することもなく、淡々と前に進んでいく。それが  おかしくもあり、どことなくひかれる。彼らと比べれば自分のストレスもやわら  ぐってもんだ。  決してそのようにはなりたくない登場人物達が繰り広げる、時たま希望のかけら  が見え隠れするストーリーには、なぜかほっとしてしまう。ハッピーエンドで  も、その反対でもないエンディングは、「卒業」をほうふつとさせる。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆NYPD 15分署☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Corrupter     1999年/111分/スコープ     ★★     監督:ジェームズ・フォーリー     出演:チョウ・ユンファ、マーク・ウォールバーグ  ぽっちゃりしたチョウ・ユンファの顔を見ると彼の魅力ってなんだろうか?と思  いつつ、アジア人のハリウッドでの躍進ぶりには感動してしまう。  実は全く見るつもりのなかった後回し映画だったにもかかわらず、ベトナム映画  を続けて見ていた私は、なんとなく疲れをとるために必要な映画になってしまっ  た。しかし、残念。映画は単なるアイドル映画のようで、ユンファをアイドルと  みなして活躍させているだけの映画ではないか。しかも正義の味方としてだけで  は物足りないのか、しっかりと影を加え、男の友情までも描いている。  ドンパチや中途半端な悪役とのこぜりあいには面白さや迫力もありきたりで、も  う飽き飽き。警察とマフィアのつながりはあたりまえのストーリーで、マフィア  の行動もワンパターン。  たしかにユンファが2丁拳銃をぶっぱなすシーンはうっとりしてしまうが、2流  アクション映画といった程度。  ふと西部劇を見なくなってしまった。ガンアクション、ワンパターンの連想で  しょうね。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ロゼッタ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Rosetta     ★★★     1999年/ベルギー・フランス/93分/ヨーロピアンビスタ     監督・脚本:ダルデンヌ兄弟     出演:エミリー・デュケンヌ、ファブリツィオ・ロンギオーヌ     1999年カンヌ国際映画祭パルムドール・主演女優賞  手持ちカメラ。手振れ。船酔い。という順番で、次第に私の機嫌は悪くなってし  まった。固定しないでなぜ手持ちなのか?しかもなぜあんなに手振れさせている  のか?手持ちカメラでも手振れをもっと抑制できるのに。  反面、この手振れが「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のように映画の評価を  高めることになったのだろうから困ったものだ。撮影監督アラン・マルクーンは  「イゴールの約束」でもやはりその感性からか、リアルさを手振れで表現したか  のようだが、この映画ではさらに1歩進んで全編をぶれぶれの手振れで撮影しつ  づけている。だれも彼を止められないのだ。  しかし冷静に考えるとおそらく次からの作品では反対に、カメラを固定して短い  カットを集めたような撮影にはまっていくのではないか。必ず今までの方法に対  して反動があるだろうし、その欲求なしにはこのまま消えていくだけの注目に値  しない撮影監督になってしまうだろう。  一生手振れ好きな撮影監督で終わるかもしれないって?さすがに撮影方法にも流  行はあって、今後デジタルカメラでの撮影が増えていくと確かに手振れが助長さ  れるかもしれないが、それに対抗して大きなカメラでフィルムを使って撮影する  場合、デジタル技術との差別化を演出する形でゆったり大きく動くような撮影が  目立ってくるのではないだろうか。同時にそれが今後の受賞作品の特徴になると  思う。  それにもう一つ大事なことは、観客がみんな船酔いをしない人ばかりとは限らな  い。  もしこの映画を全編固定カメラが撮影していたら、賞はとれなかったのだろう  か?  ロゼッタの風貌、行動に対して★3つ。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ロゼッタ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Rosetta     1999年/ベルギー・フランス/93分/ヨーロピアンビスタ     監督:リュック・ダルデンヌ、ジャン=ピエール・ダルデンヌ     出演:エミリー・デュケンヌ  とても冷たく、厳しい・・・。  そんな言葉がこの映画には当てはまる。ドラマ的演出(よく言う話の盛り上がり  の部分)を排し、とにかく徹底して冷徹な視点で描いているように感じ、ある意  味ドキュメンタリー感覚である。  主人公の少女を演じるエミリー・デュケンヌは、もはや演技?という部分を超え  て、この映画の中で少女そのものとして生きている、そんな印象を残す素晴らし  い存在感。さらにはそんな彼女を演出したダルデンヌ兄弟も素晴らしい。  撮影に関しては全て手持ち撮影である。ここら辺りもドキュメンタリータッチな  のであるが映画的構図もしっかり盛り込まれ、ただ単に臨場感を狙ったドキュメ  ンタリー調の画だけでなく、かといって臨場感を壊さず計算されたとても印象深  い映像であった。特にアップでの少女の顔の表情。少女のたくましさと一方ある  その弱さをしっかり画に捕らえ、印象に深く残る。  とても冷酷に突き放したストーリー。今の平和な日本の感覚でこれが果たしてリ  アルに迫ってくるのかはさておき、手持ち撮影のリアルな感覚をねらった映画は  最近多いが、この作品に関してはそういうものとは同一視してはいけない、力強  い孤高の作品性を感じる。                                 ゆたか __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □オスカー候補の注目女優達   □ベルリン国際映画祭レポート9   □イスラエル映画祭2000   □ヤナの友達   □アーバン・フィール   □ハリケーン >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆オスカー候補の注目女優達☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  いよいよアカデミー賞が発表になりました。受賞作品の詳細は  http://www.oscar.com/  を参考にして頂くことにして、ここでは注目の女優を紹介させて頂きたいと思い  ます。 □ヒラリー・スワンク  『ボーイズ・ドント・クライ』でオスカー初め各賞を総ナメにした彼女。この名  前を聞いて「あれ?」と思った方、そう彼女はTV人気ドラマの『ビバリーヒル  ズ〜』シリーズに子持ちの女性、カーリー役で出演していたのです。母親役とい  うことで他のレギュラー陣に比べ落ち着いた印象。また、映画代表作はミヤギさ  んことパット・モリタで有名な『ベスト・キット4』のカラテ少女。この役柄は  なんとボーイフレンドを不良どもから守るため、自らカラテ修行に入るというも  の。当時はロングのブロンドヘアで、男まさりながらもキュートな印象。こうい  うB級作品で気丈なイメージ作りに成功し、一気にオスカー女優へ。女のコらし  い役も見てみたいですね。 □アンジェリーナ・ジョリー  助演女優賞を受賞した『ガール、インタラプテッド』で受賞。G.W公開のヒット作  『ボーン・コレクター』では儚げな、それでいて強い女性を好演し、正統派美人  女優なのかとおもいきや、彼女の素顔はなかなかユニーク。まず、父親は『真夜  中のカウボーイ』などの個性派名優ジョン・ボイド。自らバイセクシャルを公言  し、華奢な体にはタトゥがいっぱい。『トレイン・スポッティング』でシック・  ボーイを演じた青年との離婚暦もあり。この個性、美貌、そして親譲りの演技力  で新世紀の大スターとなる器をもった人である。 □ジュリアン・ムーアー  もはや留まるところを知らないジュリアン・パワー。今や『ブギー・ナイツ』  『ビッグ・リボウスキ』など、インディペンデント界のミューズといった感じ。  遂に大河ドラマの主人公となった『ジ・エンド・オブ・アフェア』でノミネート  こんなジュリアンだが、ちょっと前まではぱっとした活躍はなかった。アントニ  オ・バンデラス、スタローンと共演した『暗殺者』、できちゃった婚の顛末を描  いた『9ヶ月』など、今の彼女の出演作からは想像もつかないような映画に出演  していた。もっとも『暗殺者』では彼女の演技が一番光っていたが・・・しか  し、こういう娯楽大作でまず名を売ってしまえば後は演りたい役が出来る!これ  は彼女のスマートな戦略だったのかもしれない。  『羊たちの沈黙』の続編『ハンニバル』のヒロインも彼女に決まったもよう。 □トニ・コレット  御馴染み『シックス・センス』の、くたびれた母親役でノミネートのオーストラ  リア出身女優。彼女の場合、何がすごいかというと、役柄ごとの変貌ぶり。まず  一躍スターとなった『ミュリエルの結婚』では役作りの為に20キロの減量なら  ぬ、増量。理想のケッコンに執念を燃やす少女をコミカルに熱演。その後の出演  作『エマ』ではグウィネス・パルドロウの親友役として可憐なコスプレを披露。  (まだミュルエルの片鱗はあったが・・・)そこから一気にあのやつれた影のあ  る役をゲットとは大したもの。  彼女こそ真のカメレオン女優、女版エド・ノートンとでもいいましょうか・・・                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ベルリン国際映画祭レポート9☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  長きに渡りお伝えしてきたベルリン国際映画祭レポート、今回が最終回です。  読んでくださった皆様、どうも有難うございました。 □「One Piece! (ワンピース)」  最後に紹介する作品は好評だった日本作品。「One Piece! (ワンピース)」は  Beta-camで撮影された14本の1話完結の短編からなるトータル72分の作品で  ある。カメラ ワーク、編集、アフレコ一切なし。全て固定されたビデオカメラ  だけで「通し」で撮 影された「そのままの映像」のみで作られた作品である。  後ろに本人が隠れているのも知らず、友達のはずの二人ががんがん悪口を言いま  くる「女友達」等、「もしかしたらこんなことあるかも、、」と思わせる話あ  り、もっと奇怪な話あり、の14本。全てウイットに富んでおり、シンプルにス  トーリーの面白さで引き付けてくれる「アイデアの勝利」、と言うべき作品であ  る。作品の「笑いどころ」にズレはなく、監督が意図した「可笑しい所」がドイ  ツ人観客にきちんと理解されていたと思う。  それぞれ7話づつ監督している矢口史靖(「裸足のピクニック」「ひみつの花  園」「アドレナリンドライブ」)、鈴木卓爾(「裸足のピクニック」及び「ひみ  つの花園」の共同脚本、俳優として「トキワ荘の青春」我孫子素雄役等)両監督  がベルリンに来ており、上映後のQ&Aに臨んだ。  「固定したビデオカメラのみで撮影したのは何故か?必ずしも経済的な理由だけ  ではなかったのでは?」との質問に、「経済的な理由です」ときっぱり言いきり  会場の笑いを誘っていた。(その後「経済的な理由から思いついた手法だった  が、映画撮影にまつわる様々な問題を考えず、ただ演出する喜びを楽しみたかっ  たから」と付け加えていた。)  作品の面白さを納得させられるような、飄々としつつもどこかコミカルな味のあ  る佇まい、話振りの両監督であった。その二人のかもし出すニュアンスをどこま  でドイツ人観客が理解してくれたのかが気がかりだったが、途切れず質問がなさ  れ、会場は和やかな雰囲気であった。  両監督は前週ロッテルダム国際映画祭に参加し、その後ベルリン入りしたとのこ  と。ロッテルダム、昨年出品したトロント国際映画祭に比べ「ベルリンの反応は  静かだった。。。。」と言っていたが、いえいえキビシイドイツ人観客に充分受  け、且つ好評であった。  世界中の映画が集まり、映画とともにあることを喜びとする人々が集った12日  間の熱くも楽しい日々であった。開催国がドイツであったこともありヨーロッパ  作品が最も多かったが、南北アメリカは勿論、アフリカ、アジア映画も日本や中  国だけでなくタイやフィリピンの作品も上映され、本当に様々な世界を映画を通  して見られるすばらしい機会だった。  しかし、やはり映画をリードしているのがアメリカであることを思い知ったのも  事実である。世界各国、特に地元ドイツ、ヨーロッパ諸国からの報道陣も多いの  だが、アメリカからの、しかも大きなメディアからの報道陣の多さ、彼らがかも  し出す雰囲気はまさに「映画のイニシアチブを握っているのはアメリカ」いう事  実を物語るに充分であり、映画祭の華やぎも、やはり「ハリウッド」、もしくは  世界レベルで有名な「スター」が来場してこそなのであった。  古いものと新しいものが混在し、そして文化も人も動いている街ベルリンでのお  祭りは幕を閉じた。「ベルリンの人はそんなにフレンドリーじゃないよ」とベル  リン市民本人に聞いていたのだが、今回街で、会場周辺で、助けてもらったエピ  ソードは沢山ある。「ベルリナーレ(ベルリン国際映画祭の愛称)はお祭りだか  ら、会場にいる人はみんな優しくなっているんだよ」との言葉どおり、確かにメ  イン会場のあるポツダム広場周辺には「皆でお祭りを共有する」興奮にも似た独  特の雰囲気があった。  来年もベルリンに行けますように、と祈りつつベルリン国際映画祭レポートを終  わりにしたい。今回のベルリン滞在を支えてくれた2人の友 Raphael T. Deinert  とRalf Schulz に感謝!                                    Hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆イスラエル映画祭2000☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  去る3月18日(土)〜19日(日)に新橋の徳間ホールにて、3年ぶりに「イスラエ  ル映画祭」が行われた。今回は長編3本、ドキュメンタリー2本、短篇アニメー  ション4本が上映された。  映画祭のキーワードは、正統派ユダヤ教徒と世俗的ユダヤ人、新移民とイスラエ  ルを故郷とする人々、都会の男女等を意識した「関係(relation)」。  新千年紀を迎え、ローマ法皇の聖地訪問が世界的な話題となっている2000年。イ  スラエルも色々な意味で変革の年となるのかもしれない。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ヤナの友達☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    Hahaverim Shel Yana / Yana's Friends    1999年/90min/35mm/カラー    監督:アリク・カプルン    出演:エヴェリン・カプルン、ニル・レヴィ、シュミル・ベン=アリ    エルサレム映画祭ヴォルギン賞(劇映画部門最優秀作品賞)    イスラエル・フィルム・アカデミー最優秀作品賞    イスラエル映画祭2000出展作品  1990年、ロシアからフィムカとヤナの夫婦がテルアビブにやってくる。妊娠中の  ヤナを残し、フィムカはロシアへ仕事探しに。残されたヤナは毎日夫の電話を待  つが、折しも湾岸戦争が勃発。ロシアへの渡航に失敗し、夫の帰国の見込みもな  く仕方なく堕胎したヤナは、金銭的な面も含めて世話になった、同居人のエリと  愛しあうようになる。  監督自身、ロシアからの移民であるそうだが、ここ数年でロシアからの移民は急  速に増加したという。イスラエル政府も、移民対策を講じているものの、作品に  見られるような、様々な事態が生じているようだ。  ヤナを中心に、ロシア移民の先達であるアパートの家主、ローザの、昔の恋人と  の再会、路上でアコーディオンを弾きながら小金を稼ぐ元音楽教師、湾岸戦争に  嫌気がさして、アメリカに渡ろうとする家族。こうしたエピソードを巧みに交錯  させて、一気にラストで合流する物語は、シニカルな笑いも盛り込み飽きさせな  い。監督が多分味わったであろう苦労も、客観的な視線にまで昇華している。  登場人物達は、それぞれキャラクターがはっきりしていて面白いが、中でもロー  ズと恋人の老人は異彩を放っている。特に1度しか台詞のない、この老人の人を  くった演技は秀逸だ。  (ティーチインは後日掲載)                                  鳥野韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆アーバン・フィール☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    Kesher Ir / Urban Feel    1998年/103min/35mm/カラー    監督・出演:ヨナタン ・セガル    出演:ダフナ ・レヒター、シャロン・アレキサンダー、アシ・レヴィ    イスラエル映画祭2000出展作品  新聞の恋人募集欄で知り合ったネリーに夢中の夫、ロビ。賃金未払いの雇い主に  文句の言えないエヴァ。冷えた夫婦を冷ややかに見つめる、息子ヨナ。ここに、  飲酒と暴力癖の末、放浪の旅に出たエヴァの昔の恋人、エマニュエルが居候する  事になり・・・。  ヘブライ語を喋っていなければ、イスラエル映画と気づかない、ありがちなテー  マではある。イスラエルという宗教的なイメージを考えると、異なる側面を垣間  見られる作品、という感じもする。  心のどこかで、危ない男エマニュエルを忘れられないまま、8年間、自分を騙し  て夫婦してきたエヴァ。小心者の癖に不倫するロビ。相手のネリーも、大勢の男  と関係する事でしか存在を確認出来ない。そんなネリーを愛するマルコと、ネ  リーという共通点で同棲するロビ。そして卑屈なバイセクシャルのエマニュエ  ル。  更に元男のマダムやアングラなセックスクラブも登場して、セクシュアリティの  見本市みたいな作品だ。  男達が、悪循環の輪から抜けさせないでいる中、いち早く別の人生を歩み始めた  のが、一番、優柔不断だったエヴァだったのは何とも皮肉な事だ。  「子供は気楽でいいと思ってんだろ!」と啖呵を切る、ちょっと不気味な小学生  のヨナが唯一「客観的な目」の存在として、位置する。目ばかり大きい、大人子  供のような容貌の子役がいい。  監督、出演のヨナタン・セガルは、ユ70年代に一世を風靡した『グローイング・  アップ』シリーズの子役だったとか。以降も様々な映画には出演していたらしい  が、やはりどこの世界でも、子役からの脱皮はなかなか難しいようだ。  前回のイスラエル映画祭では、全作品を鑑賞してくらくらした覚えがある。が、  まだあまりこうした作品を見る機会がなく、「今逃したら、何時見られるか」と  思う気力で頑張った。最近はアモス・ギタイの作品が東京国際映画祭で見られる  ようになったり、大分、機会が増えた。更に、『アーバン・フィール』のよう  に、宗教色のあまり感じられない作品も登場してきて、少しづつだが、やっとイ  スラエル映画も市民権を獲得してきたような気がする。次回の映画祭が楽しみ  だ。                                  鳥野韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆ハリケーン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Hurricane     ★★★★★     監督:ノーマン・ジェイソン     出演:デンゼル・ワシントン     http://www.the-hurricane.com/     ゴールデングローブ主演男優賞     2000年夏公開予定  『黒人』というだけで、罠にはめられ投獄生活を強いられることとなった、実在  のボクサー、ルビン・ハリケーン・カーターの人生を実話を基に映画化した作  品。主題化でもある、60年代のボブ・ディランの名曲『ハリケーン』は彼に捧  げた曲である。  幼少のころ、幼児性愛者から友達を守るが為にした行いで投獄されたルビン。ボ  クサーとして成功した後も、不当な差別は消えることはなく、2人を殺した犯人  として投獄されることに。彼が無実を証明するため執筆した自伝を、古本市で見  つけた黒人青年はなんとか彼を救おうとするが・・・  まず、これが実話だという事に驚かされる。以前アイリッシュへの差別問題を描  いた法廷映画『父の祈りを』を見たときにも感じたのだが、こんなにも残酷なこ  とが現実に起こりうるということに、いいようのない哀しみと怒りを感じずには  いられない。  だが、この映画の素晴らしい点は、こういった作品にありがちな重過ぎる雰囲気  を、青年とハリケーンの心の交流や青年をサポートする陽気なカナダ人たちとの  信頼関係といった明るい場面をはさむことで常にひとすじの希望をスクリーン上  に保っていることだろう。ただ白人を悪者にするのではなく、彼を救ったのもま  た白人であることをきちんと描いていることに好感を持った。カナダ人女性リサ  を演じるデボラ・アンガーは『ゲーム』や『クラッシュ』といったクールビュー  ティの印象とはうらはらに、はすっぱだけど心優しい印象を残し、違う一面を見  せた。青年役のVI・レオン・シャノンの初々しさも役どころにピッタリ。良く見  つけたな、と言う感じ。  今年上映予定のデンゼル・ワシントンの作品はこれで一通り見たことになるが、  文句なしにこの演技が最高だろう。憑かれたように対戦相手を殴り倒すシーン、  絶望の涙、そして垣間見える希望に対するかすかな笑いなど、彼が真の俳優であ  ることを余す所なく見せてくれる。  今とても残念な気持ちで一杯である。今世紀最後のアカデミー賞が発表になった  今日、この素晴らしい演技が評価されなかったことが、解ったからだ。『アメリ  カン・ビューティ』を既に見た人からはその素晴らしさは聞かされている。だか  ら正当な結果であり、仕方のないことなのかもしれない。  しかしながら、過去37年間も、黒人の主演男優賞受賞者が出ていないこと、そし  て例えば『カラーパープル』や『プレイス・インザ・ハート』といった名作が正  当に評価されてこなかったことを考えれば、そこに暗澹たるものを感ぜずにはい  られない。本当に時代は変わったのだろうか。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.101

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベルリン国際映画祭レポート8   □ニコラ   □NYPD15分署 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆0☆お知らせ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ベルリン映画祭のパンフレット応募大変ありがとうございました。  沢山頂きましたが、住所・氏名などをご記入されていない方が多く見られまし  た。該当の方はご連絡ください。本当に欲しいのかな? __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆1☆ベルリン国際映画祭レポート8☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ □Teddy 2000  ユニークな賞を一つご紹介したい。「Teddy 2000」とはゲイ・レズビアン フィ  ルム フェスティバルを組織する9人の国際審査員によって選ばれる、ベルリン  国際映画祭で公式上映されたゲイ・レズビアン フィルムを対象とした賞であ  る。長編、ドキュメンタリー、短編それぞれ与えられる他、HIVとエイズをテーマ  にした作品への「審査員特別賞」が設けられている。「ティディ」の名の通り、  金熊賞・銀熊賞をもじった「くまさん」賞であり、トロフィもコミカルな顔立ち  の金色の太ったくまさんである。  少しでも「ゲイ」を匂わせるものであれば候補対象作であるようで、故に二人の  少年の友情を描いた「独立少年合唱団」も候補作であった(ほんの少しだが、女  の子に興味を持った主人公・道夫にもう一人の少年がやきもちを焼くシーンがあ  る)。  候補対象作はベルリンのゲイ・レズビアン情報誌「Siecessaule」の「Teddy  2000」特別号にて紹介され、この賞独自の受賞式、クラブ・イヴェントも開かれ  た。ベルリンはゲイ・カルチャーの盛んな街であるが、後援している  「Siecessaule」がシティ・マガジンとして有名なものであることもあり、この賞  自体もゲイ・ソサエティではとても有名である。街中で、この賞を告知するポス  ターを本当によく目にした。  この映画祭が市民レベルで根付いている一つの例であると思う。  ちなみに受賞作品は以下の通り。  ◇Teddy for 最優秀長編作品      「Gouttes D'eau Sur Pierres Brulantes ( Water Drops On The Burning   Rocks)」( Francois Ozon 監督)  ◇Teddy for 最優秀ドキュメンタリー作品      「Paragraph 175」( Rob Epstein, Jeffrey Friedman 監督)  ◇Teddy for 最優秀短編作品      「Hartes Brot ( Sticky Dough )」( Nathalie Percillier 監督)  ◇Teddy for 審査員特別賞      「Drole De Felix (Funny Felix)」(Olivier Ducastel,   Jacques Martineau監督)     「Chrissy」( Jacqui North監督)                                    Hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ニコラ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    NICOLAS(LA CLASSE DE NEIGE):Vol.31参照    1998年/フランス/98min/カラー    監督・脚色:クロード・ミレール    原作・共同脚色:エマニュエル・カレール「冬の少年」    出演:クレマン・ヴァン・デン・ベルグ、ロックマン・ナルカカン    1998年カンヌ国際映画祭審査員特別賞    1998年フィレンツェ・フランス映画祭グランプリ    4月1日よりシネスイッチ銀座にて公開  クラス全員がバスで行くスキー教室。ニコラは一人、父の車で向かった。到着し  たものの、父はニコラの荷物をトランクに入れたまま、去ってしまう。内気で想  像力逞しい少年ニコラは、ここで憧れの先生や心を許せる友人に出会うが、彼が  友人に語った「お話」はやがて現実との境が曖昧になっていく。そして、願い事  のミサンガが切れた時・・・。  カンヌの受賞は「最も心を揺さぶられた映画に贈る」という注釈付きだったそう  だが、この「揺さぶられた」は感動した、というより、むしろ「驚いた」という  意味だろうか。確かにこれまでのミレール作品に比べ、かなりタッチが異なるか  もしれない。  冒頭に流れる軽快な音楽と、車の前に続く道。これが、少年の大人へ向かう道に  なろうとは、この時は誰も知らない。監督が、主演のクレマン少年を抜擢したの  は、作品の要にもなる「人魚姫」のお話が上手だったから、という。少年は、声  の代わりに足を貰った人魚のように、心の痛みと引き換えに、現実という真実を  直視出来る大人になったのだ。  監督はまた、この作品を一言で言えば「子供は何も知らないようで、実はよく  知っている」事だと言っていた。自分を溺愛する父なのに、時に殺意さえ感じ  る。少年の、父を乗り越える通過儀礼的な思いに加えて、どこか父に感じる疑  惑。観客はニコラの心になって、父への疑惑が真実かを見極めようとする。が、  彼の空想と現実につきあっているうちに、わからなくなってくるのだ。  雪に包まれた山の美しい光景。木々の間を縫う木漏れ陽や、目を射すばかりの白  い雪原。夢での殺戮シーンには荘厳なミサ曲が流れ、「神の小羊」の歌詞はニコ  ラの存在を象徴するかのようだ。少年の悪夢が悪「夢」で終わらない時・・・。  冒頭のポップな音楽に、ラストの重々しいクラシックを配する事で、更に効果的  になった。  クレマン少年は、作品では繊細でか弱いイメージがあったが、実際は、多少身体  的にも成長したのか、かなり大人っぽかった。一方ニコラの憧れの先生を演じ  た、エマニュエル・ベルコは、役柄より更に顔色が冴えず疲れて見え、なんだ  か、実年齢より老けた感じだった。でも、この2人、今度はベルコ監督で再度共  演するのだそうです。                                  鳥野韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆NYPD15分署☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    The Corrupter    1999年/アメリカ/カラー/111min    監督:ジェームズ・フォーリー    出演:チョウ・ユンファ、マーク・ウォールバーグ、リック・ヤング    4月8日から丸の内プラゼール他、松竹系にて公開  ここ、チャイナタウンを管轄するニューヨーク市警15分署を仕切るのは、何度も  表彰された事のある、ベテランのニック。彼に新しくダニエルという白人の若手  がパートナーとして配属される。2大マフィアが争う中、実はニックは「トン」  側と通じている。ダニエルもこうした実情に慣れてきたある日、彼はFBIに召集さ  れる・・・。  White? and green? ・・・中国系ばかりの分署に、突然配属された白人の若者に  対しての侮蔑の言葉である。昔から、こうした刑事もののコンビといえば、「白  人&黒人」(『夜の大捜査線』)、あるいは「年輩&新米」(『セブン』)が大  体のお約束だった。が、近頃は『ラッシュアワー』のような「アジア&アメリカ  人」的なコンビも増えてきたようだ。アメリカは何故かいつまでたっても、「人  種」の枠にこだわる感じがする。  それに、どういう訳かアメリカメイドのアジアはステレオタイプ的なところがあ  る。この作品でもニック(ユンファ)が、ダニエルに「牛の腸が食えなきゃチャ  イナタウンで生きて行けないぞ」などと言って、これみよがしに箸を使ったり、  変な包丁さばきを見せたりしている。バックの音楽がアジア的なのは、よしとし  ても、何だって中国人は断末魔の叫び声まで、ブルース・リーのような、かん高  い雄叫びになってしまうのだろう。  と、細かなところは目をつぶるとして、二重、三重のトリックが仕掛けられ、サ  スペンスものとしても楽しめるし、カーチェイス場面はフランケンハイマーには  劣るにせよ、アクション映画としても堪能出来る。そしてお定まりの友情付きと  くれば、そこそこ満足感を得られるだろう。  折しも新潟や神奈川で警察のずさんさが取り沙汰されている、今日この頃。「贈  収賄」「堕落」といった意味あいの原題と、作品の人物や日本の現実とを比較す  るのも一興だろう。                                  鳥野韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼