ScreenKiss Vol.170

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Vol.170

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □チキン・チキン・ラン・ラン   □FINAL CUT   □フローレス   □U-571   □われらの歪んだ英雄 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆チキン・チキン・ラン・ラン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Chicken run     ★★★☆☆     監督:ピーター・ロード、ニック・パーク     声の出演:メル・ギブソン、ミランダ・リチャードソン     2000年6月/米、英(日本年内公開予定)  イギリスのウォレスとグルミットのスタッフが、アメリカのドリーム・ワークス  と手を組んで作った初の長編映画。6/23の公開時2位を記録し、その後も大ヒッ  トしたキュートな一作。  養鶏所で卵を生むしかない生活にうんざりするジンジャー(声:ジュリア・サ  ウォーラー)ら雌鳥たちは何度も脱走を企てるも、鬼のようなミセス・トゥイー  ディー(リチャードソン)と旦那にことごとく捕まってしまう。しかも彼らはチ  キン・パイの工場を作ろうとしているらしい。  そんなある日アメリカから来たロッキーという雄鶏(ギブソン)が空を飛べると  思いこんだ彼女らは、飛び方を伝授してもらおうと必死になるが・・・。  これって一見子供向けのようでけっこう深い。舞台はイギリスの保守的な田舎で  家事をするしかない欲求不満の主婦達のもとへ、アメリカのスターがやってきて  一同色めきたつ・・・、と実写版、人間版にしてもいかにもイギリス映画っぽい  コミカルな作品が作れる気がする。男もメル・ギブソンのままでイケるし。  イギリスで一番人気の男性はリッキー・マーティンだった時もあるらしいし、コ  ンサバなイギリス女性はワイルド系に憧れているのかも。そういう意味で日本を  舞台にしてもイケそうな話ですね。  とまあ本題から離れましたが、とても粘土のお人形とは思えない繊細な動きや表  情の豊かさはウォレスとグルミットを超える。背景なども細かく、ピーターラ  ビットのような絵本が好きな方、イギリスの田舎の風景が好きな人は必見。  ただ、動物が主人公、というのは結構アニメとしてはありがちですよね。トイ・  ストーリーなんかに比べると新鮮味はないかも。  それにしても、結局ヒーローはアメリカン。メル・ギブソン、『パトリオット』  に続き、イギリス人のお怒りを買うかもね。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆FINAL CUT☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     1998年/イギリス/93分/ビスタ     監督・脚本:ドミニク・アンシアーノ     出演:ジュード・ロウ、サディ・フロスト(実際の奥さん)、     レイ・ウィンストン(「ニル・バイ・マウス」)  「ジュード・ロウ、死亡」という宣伝文句に興味を持った。  そして映画のエンディング。この驚きは、もしチラシや紹介記事を事前に読んで  いたら感じ得なかったこと。  最近たてつづけにジュード・ロウ映画が公開されていますね。日本での人気は一  気に高まりつつあるようですが、それでもハリウッドの人気役者に比べると地味  な存在ではないでしょうか。やはり日本ではハリウッドで活躍していることが一  番重要なようです。  LONDON駐在ScreenKiss筆者HANAも彼の大ファンですね。私もこの映画の中での彼  を見ていると、あれが実生活ではないと知りながらも、いいやつだなと感じてし  まいました。ドキュメンタリーと見間違わんばかりのリアルさです。  渋谷・シネマ・ソサエティでは9月22日まで「ユアンの次はジュード・ロウ!特  集ですよ」を開催。残念ながら選ばれた作品の質は低かったのですが、この映画  館は特集上映で独自色をだしています。  ちなみに、まだ企画中のようですが、秋には「モフセン・マフマルバフ特集」を  予定しているようです。ぜひ実現してもらいたいのですが、三百人劇場のようす  を考えると、あんまり観客がみこめないかも。98年東京国際映画祭で上映された  「サイレンス」の公開は決定していますが。  先日ベネチア国際映画祭でイラン映画「ザ・サークル」(ジャファール・パナヒ  監督)が金獅子賞を受賞したことですし、それを絡めて宣伝すれば話題も膨らむ  のではないでしょうか。                                 立野 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆フローレス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     1999/111分/アメリカ     監督:ジョエル・シューマカー     出演:ロバート・デ・ニーロ、        フィリップ・シーモア・ホフマン(「ハピネス」)  元警備員のウォルトは脳卒中から半身不随になってしまう。リハビリの為に、近  所のドラッグ・クイーン、ラスティに歌の練習をつけてもらう。犬猿の仲の二人  がいつしか無二の親友になっていく。  なんとなく4つ星。5つは決して無理だが、3つだけではもったいない。好きな  映画ではないが、印象にのこる奇怪な映画。半身不随になってしまったローバー  ト・デニーロの演技が鼻につく人も多いことだろうが、よーく見ましょう、うま  いもんだ。  一方、ドラッグ・クイーンに扮するフィリップ・S・ホフマン。この人、変態系が  本当に似合う。今回の吐き気がしてしまうほど美しいラスティ役は彼の新しい演  技の才能を引き出したようだ。デ・ニーロを相手によくやった。  脚本の物足りなさは否定できないが、その悪い部分は演技や演出、衣装でカバー  した。  エンディングでは、役者を1人1人紹介しながら歌の練習を続ける2人の姿が。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆U-571☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     2000/116分/スコープ  展開は「パーフェクト・ストーム」の潜水艦版、軍事版。エンディングが大きく  異なるだけ。  1本調子で突き進みすぎて、しっかり編集して2時間以内に収まっているけど、  はらはらどきどきが物足りない。映画をたまにしか見ない人で、アクション系が  好きな人は十分楽しめるでしょう。  水中での爆発は興味深い映像。それでも、しらじらしいBGMにじゃまされるシーン  が多く、恋愛映画でも見ているかのようなちゃらちゃらした雰囲気がある。特に  出港時の朝日のシーンで流れる曲にいたっては見るのが恥ずかしくなってしまう  ほど。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆われらの歪んだ英雄☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     1992年/119分/ビスタ     監督:パク・ジョンウォン     出演:アン・ソンギ、キム・ミョンゴン     92年ハワイ国際映画祭グランプリ  ハン・ビョンテが恩師の葬式で回想する小学時代の出来事。それはあたかも現代  社会の構図を象徴するようなクラスであった。クラスの級長であり独裁者のオ  ム・ソクテ。彼に背き、敗れ、そして従順することで権力に守られる心地よさを  得る。担任の先生が変わることで彼のクラスにも革命が起こるが、その時ハンの  中では子供心には消化しきれない何かが残ってしまった。  子供を描いた映画は数多くあるが、近い国韓国だからこそ、共感できる部分が多  い。                                 立野 浩超  韓国映画特選1990-1999  キネカ大森にて9月29日まで  詳しくは、http://www.cinemabox.com/  韓国映画の全貌をとらえるに十分な作品数が上映されています。しかも、9月16-  17日、24-25日は無料です。もう一度言いますよ、ただ。0円。日頃、日本の映画  館は高いといいつつビデオばかり見ている人達には満足いく企画ではないでしょ  うか?作品の質は受賞作品こそ少ないものの、各国映画祭出品作品が集められて  います。「シュリ」以降特に注目を浴びている韓国映画、日本映画と比べてみて  も面白いでしょう。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.169

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 6   □ネクスト・フライデー   □U−571   □卒業 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 6☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  日本では9月9日から公開の「U-571」、アメリカ・イギリスでの公開は既に終了し  ているが、ヨーロッパ各国での本格的公開はこれから。Sogni e Visioni部門(コ  ンペではない)での上映であった。  今回の映画祭中最も豪華キャストがそろった記者会見のひとつであったはず。  Jonathan Mostow監督をはじめ、メインキャストであるマシュー・マコノヒー、  ハーベイ・カイテル、ビル・パクストン、ジョン・ボン・ジョビらが会見に臨ん  だ。  アメリカでは80億ドルのヒットとのことだが、イギリスでのレビューは芳しくは  なく、大作としては大ヒットしたとは言い難い作品であった。しかし先ごろ起  こったロシアの潜水艦の事故が思わぬプロモーションになったことは否めない。  今後公開されるヨーロッパ各国では、ヒットは間違いないであろう。  監督・俳優陣のほうがむしろこの問題を意識しての会見であった。この件ついて  質問がなされる前に、インタビュイーの方から先にコメントし、デリケートな問  題だけに慎重に、しかし先手を打った感があった。  中でも唯一軍隊(海軍)経験のあるハ—ベイ・カイテルのコメントが最も力強  く、皆の意見を代表し且つこの事件に関するコメントを締める形となった。  まず詩の一説を語り、「深い海の底に潜水艦で沈んで行くことを想像してほし  い」と切りだした。「そこで出来る事は、皆で気持ちを共有し、人間  (Humanbeing)であろうとすること」と、少々抽象的ではあるが力の篭もった口  調での発言は、記者の気持ちを納得させるに十分であった。  人間性や知性がたった1度の会見で分かるべくもないが、ハーベイ・カイテルの佇  まいには彼自身を物語る何かが感じられた。  事件のせいもあってか、会見は終始優等生的発言が続いたが、「アメリカ映画に  ハッピーエンド以外の結末の作品はありえるのか?」という質問に、ビル・パク  ストンが「この間の映画では兄を殺したし(注:「シンプル・プラン」)いつも  ハッピー・エンドばかりではない」と言いつつも、「映画は人間としての喜びや  人生は美しいものであることを表現するためのものであり、戦争を含め悲劇が  あったとしても、自分達は前に進まなくてはならないのだから」と続け、「正し  く、且つ勝たなくてはならない」国、アメリカ的なものを非常に感じるコメント  であった。  リゾート・ムードの映画祭、会見もラフな格好で臨むスターが多い中、細身の  スーツ+タイのスマートなきめきめスタイルで登場したのがジョン・ボン・ジョ  ビ。  助演ゆえ、ひな壇では端に座り、発言も控えめであったが、この作品について  もっとも話題となったのは何より、誰より、実は「ボン・ジョビが来る!」とい  うことだった。  今回の映画祭では、会見場での写真は一切禁止、フォトグラファーとして登録し  た人のみ場所を移して写真を撮れる、というルールがしかれ、スターの会見にな  ればなるほど会見での規制もきついのだが、「U-571」御一行様はなかなか寛容で  あった。  会見前にフラッシュを焚かれても「撮られる」べく構えてくれ、会見後、すぐに  映画祭スタッフがひな壇前に立ち並びガードが張られてしまったのだが、ボン・  ジョビなどはわざわざガードの向こうから手を伸ばしてサインに応えていた。  一般観客対象の上映では、上映前にロシアの潜水艦への追悼をこめ、1分間の黙祷  がなされた。                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ネクスト・フライデー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Next Friday     ★★★★☆     監督:スティーブ・カー     脚本・出演:アイス・キューブ     http://www.nextfridaymovie.com     MTVアワードコメディ部門主演男優賞     (2000年1月/アメリカ)日本年内公開予定  今やすっかり俳優業も板についたラッパー、アイス・キューブだが彼が映画ス  ターとして定着するきっかけとなったのがこの作品の第一弾『フライデー』。  前作では働きもせず家でのらくらする主人公クレイグが、ギャングのボス、デボ  を叩きのめしてムショ送りにするまでの話だった。  続編となる本作では復讐心に燃えるデボからグレッグを守るため、父親が彼を親  戚の家に送るところから始まる。  だが一見のどかな郊外も、隣人はラティーノ・ギャングだし、叔父はセックス狂  い、従兄は元恋人をはらませてトラブル続き。そこへデボまでが脱獄してきてさ  あ大変!  犯罪がらみのドタバタシーンはともかく細かいアドリブ的な笑いが良い。例え  ば、叔父が汚れた手をグレッグの服で拭くシーンがあるのだけれど、その間とグ  レッグの目つきが絶妙。セリフなども自然で良い。  また彼の隣人たちが面白い。特にコリアンのおばあさんがいい味。今まで何故か  アジア系の女性って大人しい役が多くて不自然だったけど、このおばあさん、ア  イスキューブ相手にノリノリ。負けてません。  ギャングの兄を持つプエルトリカンの娘を演じるリサ・ロドリゲスはペネロペ・  クルスを彷彿とさせるラテン美女。脇役のおネエ様方を含め、ラテン系は本当に  美女が多いなあ、と感心。  とまあ、マイノリティが大活躍のこの映画のなかで唯一の白人青年ローチを演じ  るジャスティン・ピアーズの使い方も上手い。ラリー・クラーク監督の『キッ  ズ』のキャスパー役ではスケボー片手に活躍してたが、今回も彼はスケボー持っ  てます。でも超ヘタなんだこれが。この辺がニヤリとさせられる。  しかしまあ、アイス・キューブってこれだけ悪ガキ顔だし、映画の中でもヤク  やってラリったりしてるのに何故かほのぼのしていて憎めない人です。脚本も手  がけているし実は知的な人なのかも。目指せ、スパイク・リー。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆U−571☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     2000/アメリカ/116分/シネスコ     監督:ジョナサン・モストウ     撮影:オリヴァー・ウッド     出演:マシュー・マコノヒー、ハーベイ・カイテル、        ジョン・ボン・ジョビ  POINT  潜水艦映画といえば必ず出てくる「U・ボート」。それと比較しても、しっかり  まとめられた展開、見ごたえある映像に、抑えをきかせた演出とかなりイイ線を  いっている。  「U・ボート」ほどの泥臭さ、力強さはあまり感じないのだが、その点がある意  味、ハリウッド的なのだろう。スマートな印象。あと、監督のジョナサン・モス  トウはこれから要チェックです。  この作品も例に洩れず、潜水艦映画には大きなハズレなし!                                 ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆卒業☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Graduate     1967/アメリカ/107分/カラー     監督:マイク・ニコルズ     出演:ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス、アン・バンクロフト     1967年度アカデミー監督賞(M・ニコルズ)  アメリカン・ニューシネマ特集3回目は、サイモン&ガーファンクルの曲が全篇を  美しく彩る名作『卒業』。以下、本文に続く。  大学を優秀な成績で卒業したベン(D・ホフマン)だが、将来の目的が定まらな  い。そのうえ、父親の知り合いでもあるミセス・ロビンソン(A・バンクロフ  ト)とただセックスに耽るだけの無気力な日々を送るようになる。そこへ、ミセ  ス・ロビンソンの娘である大学生エレイン(K・ロス)が休暇の間戻って来る。  エレインと知り合ったベンは、彼女に対して真実の愛を感じるようになる。  冒頭から聴き慣れた心地良い音楽が流れる。サイモン&ガーファンクルの「サウ  ンド・オブ・サイレンス」“The Sound of Silence”。この曲だけでなく「スカ  ボロー・フェアー」“Scarborough Fair”や「ミセス・ロビンソン」  “Mrs.Robinson”も全篇を彩るが、テーマ曲の「サウンド・オブ・サイレンス」  を聴いて映像に引き込まれる方も多いのではと思う。それだけ魅力的な曲だ。ど  の曲も完璧なコーラス・ワーク。ちなみに「ミセス・ロビンソン」は、トム・ハ  ンクスの『フォレスト・ガンプ』にも使われていた。  この作品のラストの花嫁奪還はあまりにも有名だが、1934年製作のクラーク・ゲ  イブル主演、フランク・キャプラ監督による『或る夜の出来事』に似たような展  開を見る事が出来る。時代から言えば、『卒業』の方が後になるので影響を受け  たのではと考えてしまう。しかし、ヒントは得たかもしれないが『卒業』の方が  後世の語り草になるほど魅力的。見ていてスカッとする気分になる。  ダスティン・ホフマン。映画好きの人であれば知らない人はいないほどの超名優  だが、彼は今作が映画デビュー。彼の出現は、映画の歴史の流れから見ると1つ  の事件と言ってもいい。なぜなら、それまでの映画俳優は背が高く、ハンサムと  いうのが常識だった。163cmほどの身長と目立つ鼻。二枚目とはほど遠い。しか  し、監督M・ニコルズは舞台で演じていた彼を見てベン役はホフマンしかいない  と思ったと言う。新しい価値観に移行している時代に出るべくして出たスター。  彼は、今作からアカデミー賞ノミネートの常連になり、1979年の『クレイマー、  クレイマー』と1988年の『レインマン』で2度アカデミー賞を受賞している。  ベンを誘惑するミセス・ロビンソンを演じたA・バンクロフトは、1962年に『奇  跡の人』でヘレン・ケラーの教師アニー・サリヴァンを演じ、アカデミー賞を受  賞している演技派。1964年には『女が愛情に渇くとき』でカンヌ映画祭主演女優  賞も受賞している。  最後に、この作品は1967年度のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞(D・ホ  フマン)、主演女優賞(A・バンクロフト)、助演女優賞(K・ロス)、脚色  賞、撮影賞の計7部門にノミネートされ、そのうち監督賞の1部門受賞した。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー! 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.168

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 5   □サルサ   □黒いオルフェ   □60セカンズ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 5☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  9月4日ベネチアの地元紙「La Nuova」からの映画祭関係記事。本文・翻訳は全て  ミラノ在のTVコーディネーター川田真由美さんによるものです。  *クリスティーナ・リッチの大アップのカラー写真がヴェネチア映画祭の特集記  事のトップ。以下彼女のコメント:「ジョニー・デップとは11年来の友達。当  時彼はウィノナライダーと付き合っていて、私は彼女と一緒に「恋する人魚た  ち」(シェールが母親でウィノナライダーが姉の役)を撮影中だったの。だから  こんなふうに過激なシーン(ラブ・シーン)をやるって、2人とも笑っちゃう。  だって私達はまるで兄と妹みたいなものだから。」  *いまのところ、賞レース候補として挙がってるのは2本。ともに女性監督作品。  サリーポッター監督の「The Man Who Cried」と、クララ・ロウ監督の「La  Divina del 1967」  *ジョン・タトゥーロのコメント:「ジョニーデップとならラブシーンも撮影す  るね」  *出品されている短編作品「Sound」の出演者として、クラウディア・シファーも  リド入りする予定。その到着が待たれる。  *シドニー五輪の混雑を避けるため、ケイト・ブランシェットは来月一杯イタリ  アにとどまることを決めた:「オリンピックがあるからオーストラリアには戻ら  ないわ。がさつで汗をかいた選手達の群れって大嫌い!」  *イタリアのジャーナリストの間で最も評判がいいのはマヌエル・デ・オリヴェ  イラ「Palavra e Utopia」。評判が悪いのは、上から、「Denti」(イタリア作  品)「The Isle」(韓国作品)「I Cento Passi」(イタリア作品)「Dr. T   And The Woman」(ロバート・アルトマン監督、米作品)                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆サルサ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Salsa     ★★☆☆☆     1999年/100分/ビスタ/フランス・スペイン     監督:ジョイス・シャルマン・ブニュエル     出演:ヴァンサン・ルクール、クリスティアンヌ・グゥ  髪を後ろで結び黒縁メガネの地味なナタリー。そんな彼女もクラーク・ケントの  ような婚約者からレミ(ボンゴ)に恋心をうつしていくあたりから風貌と性格が  かわり、一瞬にして髪をおろし胸もあらわにサルサを踊る。どちらの格好も魅力  的な女優です。  ちょっと展開が強引?いいえ、この映画の娯楽性を高める為にはしかたのないこ  とです。もちろんお約束のハッピーエンド?どんなエンディングかは直接見て確  かめてください。  老人の恋を交えながら3世代にわたる恋模様もオツなものでしょう。それでも、  単純なストーリーにはがっかり。踊りにも迫力が足りない。汗をかかないからだ  ろうか、もうすこしカルロス・サウラ監督の映像を研究しろってか。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆黒いオルフェ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Orfeu Negro     1959年/フランス・ブラジル/107分     監督:マルセル・カミュ     音楽:アントニオ・カルロス・ジョビン     59年カンヌ国際映画祭パルム・ドール     60年アカデミー最優秀外国語映画賞  今見ればこれはストーカーが巻き起こした不幸な事故死の物語。浮気な男が女を  たぶらかしたあげく、不幸な末路を向かえるといういつの時代も変わることない  若者の肖像。  しかしここにサンバの熱気とボサノヴァのリズムが入ると、美しくも悲しき悲哀  物語へと変わってしまう。永遠の愛に向かえいれられた男女の運命を見てとれ  る。  ストーリー  怪しい男に追われ身の危険を感じたユリディスは従姉の元に逃げてくる。そこで  市電の運転手オルフェに出会う。オルフェには婚約者ミラがいたが、止めること  のできない一目惚れとカーニバルの熱気が彼らを結び付ける。  ユリディスは死神に扮した男に追われたあげく、オルフェの手で事故死してしま  う。亡骸を手に抱き丘の上の家に帰ってきたオルフェだが、そこでミラの手から  放たれた石は2人を永遠の愛の淵へ突き落とす。  9月9日から10月6日まで、渋谷のシネマライズにて上映  ニュープリント・ポルトガル語(原語)版の公開、しかもリメイク「オルフェ」  の公開に合わせたモーニング・ショー上映。なんと映画ファンのことを考えた企  画だろう。リメイクを見るときはついビデオで昔の作品をチェックしてしまう人  も多いことでしょう。そんな時、ビデオとスクリーンを比べることの難しさに実  感している人にとってはこういった企画で同じスクリーンで2本の映画を比べる  ことができるとは、幸せだよね。これからの映画館は企画で勝負してもらいま  しょう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆60セカンズ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     GONE IN SIXTY SECONDS     ★★★☆☆     2000/118分/シネスコ     監督:ドミニク・セナ     出演:ニコラス・ケイジ、アンジェリーナ・ジョリー、        ロバート・デュバル  中盤までは多いに不満の残る映画。退屈なストーリー。おおげさな演出と、迫力  のない撮影。むだな小道具、炎や火花。  ちょいと頭のたりない弟。彼の兄貴をもてなす姿は誇張された行動でばかばかし  い。見ていて恥ずかしくなってくるよ。  演技に癖のあるニコラス・ケイジはこの映画でも同じ動作を繰り返すばかり。サ  ングラスの形が変わっても同じ顔に見えるし、微妙な表情の変化もいつも同じ。  彼を毛嫌いしている私にとって、この映画を見に行くのにどれだけの勇気を必要  としたことか。それでもなぜか★3つ。  そう、前半のけだるさを打ち消す後半の素晴らしい動きはなかなかのものです  よ。  男の好みはお国が変わっても一緒なのか、私の好みが丁度一致しただけか、67年  型マスタング。理想の車はあれですよね。フェラーリもポルシェも格好いいし、  私の収入では決して手に入らない代物ですが、真にあこがれる車はあのマスタン  グ。ちょいと上がったダックテールの格好よさは皆さんと同意見です。ぽこっと  取れてしまうシルバーで丸いサイドミラーもたまらない。  しかも中盤、車を本格的に盗み始めると映像の色が変わる!物語が本題にはいっ  たことを感じさせる訳だね。セピア色のように60、70年代の色相にしている。色  だけじゃない、カーアクションを撮影するカメラの位置もいいよ。  そしていよいよ懐かしの『洪水調整路』でのアクション。幸せな瞬間です。子供  のころ、「アメリカの川はあんなコンクリートでできているんだ」と訳もしらず  に思っていたあの映像です。最近ではターミネーターなんかでもでてたよね。こ  こんところでさらに★1つ加えました。  それに何といってもこの映画でスフィンクス役のヴィニー・ジョーンズはいい役  者です。「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」のでかい彼だ  と言えばすぐにピントくるでしょう。もちろん最近すっかり男を虜にしつつあ  る、アンジェリーナの唇もたまらない。個人的にはあの両腕のタトゥーとやせた  鎖骨のあたりが嫌いですが。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.167

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 4   □シャフト   □ワンダーボーイズ   □イージー・ライダー >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 4☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  イタリアでの映画祭であるからして当然なのだが、イタリア語が全く出来ない私  は情報収集に非常に苦労している。  映画祭側から毎日リリースされる情報誌は「biennle news」と「Film TV Daily」  の2つ。「biennle news」はイタリア語を基本に部分的に英語訳が掲載され、カ  ラー写真が鮮やかな「Film TV Daily」は全てイタリア語。しかし、フレンドリー  なイタリア人を捕まえては読んでもらい、それをきっかけに友達になるのも又楽  し、である。  この2つの情報誌には、上映情報や作品の概略、来場したスターについてかかれて  いる。直前まで来場が秘密にされているスターも多いのが困り者だが、「biennle  news」の"airport"の欄には、スターの到着情報掲載され、日々の話題になってい  る。  これまでに来場した「スター」はロバート・アルトマンの新作「Mr.T and the  Women」に主演しているリチャード・ギア、ロバート・ゼメキス監督の「What  Lies Beneath」のハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー、「You Can  Count In My」のローラ・リニー、フランスからはイザベル・ユペール、エロ  ディ・ブーシェ等々多数。今後も大物が到着の予定。  サリー・ポッターの新作「The Man Who Cried」の上映には、監督をはじめ、クリ  スチーナ・リッチ、ケイト・ブランシェット、ジョン・タトゥーロと(ジョ  ニー・デップを除いた)メインキャストが勢ぞろいした。  ロシア系ユダヤ人のスージー(クリスチーナ・リッチ)を主人公に、1940年代、  戦争に突入して行くヨーロッパの暗い時代と差別を背景とした少女の成長物語で  あるが、驚く程に評価は真っ二つである。  上映の後「ブラボー」と歓声が上がり、拍手が長く続いたかと思えば、「くだら  ない」「意味なし」といった否定的なコメントもどれだけ聞いたことか。この作  品はコンペ出品作なのであるが、批評家13人による「Film TV Daily」の予想でも  最悪に近い点数が並んでいる。  私的にはこの映画祭でもっとも楽しめた作品の一つである。静かに重々しく流れ  てゆくストーリーに相応しく、音楽、衣装、映像全て木目細かに作られている。  主演のクリスチーナ・リッチの存在感は素晴らしい。危うい少女スター期を超  え、今後も必ずや勝ち残ってゆける女優に成長した。ジョン・タトゥーロやケイ  ト・ブランシェット等、演技力には定評のある俳優陣の中で互角以上に闘い、小  さな体から輝きを放っている。  ケイト・ブランシェットの1930〜40年代、アール・デコの時代を贅沢に反映した  衣装やメイクは豪華の一言。パリに生きるロシア系踊り子の役であるが、憂いの  ある彼女の演技は勿論見事。ジョン・タトゥーロの演技にも貫禄がみなぎってい  た。  しかし、前半の繊細かつ重厚に描かれた素晴らしさに比べ、後半、話の展開が不  自然なほど早過ぎるのだ。時間を計算してストーリーを掻い摘んだとしか思えな  い。本当に残念である。前半を考えれば2時間以上かけて綴られるべき物語を、途  中から流れを変えてとんとんと話を進め、結局97分に収めた、という感じであ  る。  「オルランド」を作ったサリー・ポッターであるからして、この後半の陳腐さを  考えると、やはりこの作品で金獅子賞を取ってはいけない気がする。サリー・  ポッターの実力はこんなものではないはずなのだから。  さて、この映画でジプシーを演じているジョニー・デップであるが、ジョニー・  ファンの皆様、この映画は必見です。ファンでなくとも好きになってしまいそう  な、とても美味しい役である。  寡黙で陰のある男の役なのだが、スージーをいつも優しく、とろけるような眼差  しで見守り、しかも白馬に乗ってる(笑)。「男だってちょっとくらっときちゃ  うねえ、あんな目でみつめられたらさ」と言っていた男性記者がいたが、まさに  その通り。このジョニー・デップを見るだけでも作品の価値は充分あるとみた。  来場したクリスティーナ・リッチはショーとカットの髪がキュートで本当に可愛  かった。ジョン・タトゥーロもクリスチーナもルーツはイタリア系。その事を質  問されると、ジョン・タトゥーロはイタリア語をちょっと話してみせ、クリス  チーナは「イタリア系なのは分かっているんだけど、イタリアの何処がルーツな  のかは分からない」と答えていた。(「リッチ」という名字はイタリアではとて  もポピュラーらしく、映画祭関係者に24人の「リッチ」がいるとのこと。)  豪華キャスト・お金の掛かった作品ゆえ、ある意味非常にハリウッド的いう意見  も多く、特にイタリア人への評判が悪い。しかし前半すっかり酔わせてもらった  私としては、後半の粗さが返す返すも残念である。日本でも必ずや公開されるは  ず。ぜひ憶えておいてください。                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆シャフト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ Shaft ★★★☆☆ 2000年/アメリカ(日本公開今秋予定) 監督:ジョン・シングルトン 出演:サミュエル・L・ジャクソン、クリスチャン・ベール、トニ・コレット http://www.shaft-themovie.com 全米公開時1位(6/16) 黒人青年が路上で殴打され死亡する事件が起こる。彼の恋人の証言から、事件の直前 に青年が、名門の息子ウォルター(クリスチャン・ベール)にからまれていた事を 知った刑事シャフトは、彼を逮捕するも決定的証拠がない上、金も権力もある彼はま んまと釈放されてしまう。唯一の手がかりになる女性(トニ・コレット)も姿をくら ましてしまい・・。 とにかくサミュエル演じる正義の味方、シャフトがクール。 弱きを助け、悪を憎み、美女にはメがないという人情味溢れるキャラはあたかもハリ ウッド版寅さんかいな、という感じだが、スラリとした長身にスキンヘッド、黒のレ ザーコート(しかもアルマーニ!)で決め、颯爽と歩く姿にはホント惚れ惚れ。まさ に『黒いパンサー』といった感じ。"what's my name"など決めゼリフがあるのもヒー ロー作品ならでは。テーマ曲も良い。 また人種偏見主義者のいけすかない男を演じたクリスチャン・ベールがいかにもイイ トコの坊ちゃん系で何ともハマる。『太陽の帝国』の無垢な子供がこんな曲者俳優に なろうとは。 そしてトニ・コレットがまたまた納得の名演技。出番こそ少ないが、彼女がシャフト に事件の真相を打ち明ける場面ではアクション映画とは思えないエモーショナルで繊 細な演技合戦が見られる。良い俳優、女優というのはどんなチャンスも無駄にしない のだなあと感心。 と、キャラクターには魅力があるも、ストーリー自体がありがちで新鮮味がない。一 応仲間の裏切りがあったり、現代のNYらしくラテン系のギャングとの抗争なんかも絡 んでくるのだが、展開が読めるため、盛り上がりに欠けるように感じられた。 とはいえラストは意外に衝撃的で、人種問題や正義の意味について考えさせられる部 分もあり、ただの娯楽映画に終わらないあたりに監督のポリシーのようなものを感じ た。(ちなみに『ボーイズン・ザ・フット』の監督さんです。)                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ワンダーボーイズ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Wonder Boys     ★★★★☆     2000/アメリカ     監督:カーティス・ハンソン     出演:マイケル・ダグラス、トビー・マグワイア、        フランシス・マクドーマンド(ファーゴ)  「2001年オスカー最有力候補!」なんて文字を目にする今日このごろです。信用  ならない宣伝文句ですが、この映画はなかなかいける。  主役でストーリー・テーラーのマイケル・ダグラスはこの映画の中でもっともマ  ズイ演技。彼をつかったことがこの映画の唯一の欠点。  一方ジェームズ役トビー・マグワイアはいい演技。彼の天然サイコキラー的風貌  は多くの映画で利用されているが、「サイダーハウス・ルール」の彼はきれいす  ぎてどうもなじめない。やはりこのくらい怪しい役柄がぴったし。この役で強烈  なのは、自殺したの俳優の名前と手段を覚えている点。彼の為に言うが、殺人鬼  をそろそろ演じてもらいたい。次世代のクリストファー・ウォーケンをめざし  て。めざしたくないかな?  さらに、ハナ・グリーンを演じたケイティ・ホルムズはクリスティーナ・リッチ  やソーラ・バーチを超えた魅力的な女優。3人とも丸顔ですね。「アイス・ス  トーム」ではリッチと共演していた。主演よりも、主演女優をくってしまう癖の  ある助演女優として活躍してもらいたい!ライバル2人には先を超されてるが、  まだまだ挽回の余地あり。なにせ次回作はキアヌ・リーブス主演の「ザ・ギフ  ト」です。  ストーリーは丁寧に描きすぎた為にしつこさを感じるが、冬のピッツバーグの寒  さや車窓からの青みがかった夕方の風景の撮影はみごと。また、EX-WIFEエミリー  があえて登場しない演出はうまい。中年カップルの誕生といったサマリーには原  作のよさを感じる。おもしろみに徹したサービス精神ではなく、リアルなストー  リーが好感をもてる。だいたい誰もが若い教え子と不倫をする訳でもあるまい。  「アイス・ストーム」をみのがした人はぜひお勧めだ。どっちがいいか悩む。  おっと、忘れちゃいけない、犬のポーとサウンド・トラック。どちらも映画にと  けこんでいます。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆イージー・ライダー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Easy Rider     1969/アメリカ/95分/カラー     製作・脚本:ピーター・フォンダ     監督・脚本:デニス・ホッパー     出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン  アメリカン・ニューシネマ特集2回目は『イージー・ライダー』。第164号でご紹  介した『俺たちに明日はない』同様必ずアメリカン・ニューシネマの代表作とし  て取り上げられる作品。以下、本文に続く。  麻薬で一儲けしたキャプテン・アメリカ(P・フォンダ)とビリー(D・ホッ  パー)が南部を目指すロード・ムービー。旅の途中、ヒッピーの暮らす部落に立  ち寄ったり、ニュー・オーリンズの謝肉祭を見たり、酔いどれ弁護士のジョージ  (J・ニコルソン)と出会ったりしながら旅を続けるが、保守的な南部の空気に  息苦しさを感じる。  この作品は、全篇に渡りバイクと麻薬の連続なのでそればかりが目立つがそれだ  けでは無い。傑作と誉れ高いが、当時のアメリカの病める姿を徹底的に暴いた内  容だけに、当時を意識して見ると奥の深い作品だと感じ取る事が出来る。表面的  ないわゆる視覚的な部分だけで見た気になって欲しくない作品。  製作された年が1969年。この年は、音楽に詳しい人ならピンとくると思うが、  ウッドストックというロック・フェスティヴァルが開催された年。音楽も一時代  前のサウンドから変貌し始め、映画同様に新しいスターが出てきた頃だ。『イー  ジー・ライダー』にはふんだんに音楽が使われていたが、最も有名なのが上に述  べたウッドストックにも参加したジミ・ヘンドリクス。この作品は音楽だけでも  時代を強く感じる事が出来る。その他にも、バーズ、ザ・バンド、ステッペン・  ウルフといった音楽史上無視出来ないアーティストも参加している。ちなみに、  バーズはあのビートルズにも影響を与えたグループ、ザ・バンドはジミヘンと同  じくウッドストックに参加し、エリック・クラプトンとも親交があったグルー  プ。ステッペン・ウルフは、この作品のテーマとも言える「ワイルドに行こう」  Born to be Wildという曲で有名。  さて、音楽だけでなく出演者もご紹介したい。主役のピーター・フォンダは名優  ヘンリー・フォンダの息子であり、姉に名女優ジェーン・フォンダを持つ名家の  生まれ。ちなみに、彼の娘はブリジット・フォンダ。デニス・ホッパーは近年悪  役としてならし、K・リーヴスの『スピード』に出ていた。ジャック・ニコルソ  ンは言わずと知れた名優。怪優と言ってもいいが・・・。前述の2人は、『イー  ジー・ライダー』以降アル中になったりと泣かず飛ばずなので、この作品が代表  作となるがニコルソンは違う。脇役で出演していたのもあるが、彼は3度もアカ  デミー賞を受賞するにいたる名優にこの作品以降飛躍して行く。また、このニコ  ルソンと数年後共演する事になる女優が出ていた。娼館の背の高い女を演じた人  だ。名をカレン・ブラックと言い、『ファイブ・イージー・ピーセス』でニコル  ソンと共演しアカデミー助演女優賞にノミネートされたり、ヒッチコック監督の  『ファミリー・プロット』やR・アルトマンの『ナッシュビル』にも出ている70  年代に活躍した人だ。  時代にあった音楽がある。また時代を感じさせる音楽もある。映像も同じかもし  れないが、音楽ほど一瞬にして人を熱くさせたり、リラックスさせたりは出来な  いと思う。それに中学、高校、大学、結婚、出産とか、恋人と聴いた、または喜  び、悩みの日々といったその時の自分を思い出させてくれる。リアルタイムの音  楽を当時使用した映画『イージー・ライダー』。若い世代が、自分が生まれる前  の映画を見て親は当時何をしていたのかを、映画を通じて話し合うのもいいので  はないだろうか。今もって若者に支持される『イージー・ライダー』。勿論この  作品でなくてもいいが、リアルタイムの音楽との結びつきという観点から書いた  事をお忘れなく。  最後に、この作品は1969年度のアカデミー助演男優賞、オリジナル脚本賞の2部  門にノミネートされた。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.166

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 3   □最終絶叫計画   □サイクリスト   □行商人 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 3☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  毎日スターが来場し、華やぎを添える映画祭であるが、初のハリウッド作品  「Brother」を引っさげ、真木蔵人、Omar Epps、プロデュ—サーの森氏、Jeremy  Thomasを引きつれてのベネチア入りであった北野武監督は最も熱く迎えられたゲ  ストの一人であった。  まず30日のオープニング・セレモニーに出席。9月1日にはメイン会場Sala Grande  の前でイタリア国営放送Raiのインタヴューを真木蔵人と北野監督が別々に受けて  いた。  午後6時台、8時台、10時台に行われる一般観客を対象とした上映が最も最も盛り  あがるため、夜は会場への花道に登場するスターを一目見ようと人々が集まって  いる。インタヴューはそんな中、午後9時前後に公衆の面前で行われていた。  先にもお伝えした通り、北野監督の知名度・人気は大変なものである。会場の周  りに取りつけられた柵の周りに人が集まってきては、監督の写真をおさめようと  する観客を数多く目にした。  9月2日の「Brother」の一般上映での反応も上々であり、地元新聞でも好意的なレ  ヴューが掲載された。  非常にバイオレントな作品である。ともすればコントラバーシャルな作品である  はずなのに、特にその点を否定的に指摘する意見を聞かないのが私には意外なほ  どであった。  記者会見にも数多くの報道陣が集まったが、時にはジョークを交えつつ、基本的  には丁寧且つひょうひょうと質問に答えていた監督の姿が印象的であった。(余  談だが、記者会見というのは残酷なもので、ガラガラの会見と満員の会見とどち  らかしかない。しかし、ベルリンに比べ、ベネチアはスターの来場に関してなか  なかリラックスした面持であり、ハリソン・フォードの会見でさえ「我先に」的  ムードがない。何となく余裕さえ感じられる雰囲気の会見場である。)  「最初から今回ははっきり暴力的な映画を作ろうと決めていた」という北野監  督。「自己犠牲」、「美しく死ぬ」等の武士道から来る作法をゆがんだ形で都合  のよいように取り入れたのがやくざの世界、と説明していたが、今回の作品には  「指詰め」、「切腹」、やくざの「しきたり」等、非常に日本的やくざの世界が  描かれている。  それら一つ一つが日本的エキゾチズムとして受け入れられるのであろうか?私に  は少々残酷すぎる作品であり、且つ物語の中にその残酷性に対する必然性を感じ  なかったのだが、その点も含めてすっと受け入れられているこちらでの反応が非  常に印象的であった。  「映画は楽しめるおもちゃ。撮影を始める頃にはもう(そのテーマに)飽きてい  て、普段は撮影を段取り通りにこなすだけ」なのだそうだが、今回は初のアメリ  カでの撮影であり、余裕なく掛かりきりになったとのこと。  「世界のキタノ」として確実に認知されている監督であるが、「(悲しいシーン  では)笑ったほうがより悲しくみえることもある」「(死を目の前にして)遊び  のシーンをいれることにより、死に対する怖さが余計高まる」という監督の言葉  を聞き、私達日本人が大事に持ちつづけている感覚を、映画を撮る場所が日本で  あろうと外国であろうと、きっと持ちつづけてくれるのではないか、と思った。  映画に対する熱い情熱があってこその現在であるはずなのに、そんなところを  すっと蓑の下にかくして、あくまでも肩に力の入っていない北野監督の佇まい。  そんな監督だからこそ今この華々しい成果があるのかもしてない。                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆最終絶叫計画☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Scary Movie     ★★★☆☆     2000年/アメリカ     監督:キーナン・アイボリー・ウェイアンズ      出演:アンナ・ファリス、シャノン・エリザベス     http://www.nifty.com/zekkyo/  予告編は死ぬほど笑ったのに、本編を見たら実は予告以上の場面が殆どなくて  ちょっと残念。アメリカンおバカ映画の王道ともいえる下ネタの連発にはさすが  に食傷ぎみでウンザリ。さながらホラー・パロディ版『アメリカン・パイ』とい  う感じか・・。しかし細かいネタは結構良い。  例えば主演の女の子がなんとかカントリークラブという日本語のロゴTシャツを  着ていたり、そんなどうでもいいことが笑える。マスクの表情が変わるのも可愛  くて良い。  映画ファンとして、上手い!と思ったのは『アミスタッド㈼』の予告編ネタや、  『スクリーム2』のオープニングをパロったシーン。映画館でしてはいけない  バッド・マナーのオンパレードに、殺人鬼でなくてもブチ切れ必至。皆様も映画  館ではケイタイの電源は切りましょう!  またラストは意外に渋い映画から引っ張ってきていて、(ネタばれになるので言  いませんが。)結構映画ファンにも結構満足できる作りになっている。下らない  といえば下らないが、あれだけの数の映画をネタに使っている割にまとまりがよ  く脚本的には上手いのかも。  しかし、ヒロインのシンディが本当に味気のないコで残念。やっぱり金髪のカワ  イコちゃんに演ってもらいたかったなあ。でもそこは『アメリカン・パイ』きっ  ての巨乳アンドお色気娘、シャノン・エリザベスでカバー。早くも自分の魅力を  生かしたキャラを確立した感あり。めざせパメラ・アンダーソン?!  そして何より嬉しかったのは『バーシティ・ブルース』以来、かなり自分のなか  でホットな存在、ジェームス・ヴァン・ダー・ビークが特別出演してる事。ホン  トは2つ星にしてもいいんだけどいい男にはつい甘くって。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆サイクリスト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     1976/ソヴィエト/100分/シネスコ     監督・脚本:エミーリ・ロチャヌー     音楽:エウゲニー・ドガ     24回サンセバスチャン映画祭グランプリ  馬泥棒のゾバールはいつものように軍隊の馬を盗み出しお尋ね者になる。(派手  な馬使いはいいが、映像が地味)そんな自由な生活を変えるのは女とばかりに、  軍隊に追われながら逃げこんだ森の中で情熱的なジプシーの女ラッダに恋をす  る。(この時点では情熱的ではなかったが)  しかし魔女と呼ばれるラッダはゾバール以上に自由を求めていた。(1人娘の性  分か)ゾバールが囚われの身になっても処刑直前に仲間が命をかけて救い出す。  (仲間が死んで行く中、冷淡な彼)そして、ゾバールの愛はますます混乱してい  き、ついには悲劇的な結末を向かえる。(なぜ?こうなるの?)  ロシア圏の映画を見たことがない人には少々厳しい100分でしょう。それでもイン  ド映画同様、新鮮な一面を新発見する人もいるのかもしれませんね。  かのマキシム・ゴーリキが24歳の時に書いた処女作「マカール・チュドラー」を  原作に、ジプシー達の激しく魅力的な悲哀伝説を描いた作品。  正直言って随分退屈してしまいました。話を整理するとおもしろそうなのに。ま  ず馬泥棒のゾバールに男性的な魅力を感じない。死にゆく仲間に対する感情が描  かれないからだろうか、男らしさや格好よさがない。ついでに、ヒロインのラッ  ダの歌声よりも回りの女性に魅力を感じてしまう。主役がぼやけているのは、常  に画面に大人数が登場する為。しかも歌や踊りは皆魅力的だから。こんな2人の  恋愛に興味を感じないのもしかたない。  ミュージカルタッチで進むストーリーはマカロニウエスタンとフランス映画をま  ぜたよう。首つり台からの逃亡劇なんてまさしくマカロニな世界。そのくせ、乗  馬のシーンでは撮影テクニックが感じられない。カメラの位置もよくない。残  念。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆行商人☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Peddler (Dasforush)     ★★☆☆☆     1987/89分/ビスタ/イラン     監督:モフセン・マフマルバフ  それぞれ独立した3話構成。社会派と呼ばれるにふさわしい内容で、社会的な現  実をえぐりだすオムニバス。  第1話「幸せな子供」  スラムに暮らす貧しい夫婦。椅子もなく朽ちかけたバスが彼らの家。いとこの結  婚か、栄養不足が原因で産まれた3人の子供は足が不自由。4人目を身ごもり、  父親は子供の幸せを願って捨てることを計画する。  妻を入院させそのまま病院に置いて帰るはずが、妻は施設を教えてもらい赤ちゃ  んを連れて帰る。施設の方が幸せになれるという期待は、施設の実状をまの当た  りにした途端打ち砕かれる。そこは障害児を牢獄に縛りつけているようなとこ  ろ。治療もされず、おしこまれた子供たちはママと叫ぶばかり。  モスクに捨てようとするがなかなかうまくいかない。金持ちに拾われれば幸せに  なるだろうと、ようやく金持ちの家に置いて行くことにしたが…。  イランのスラムや障害児を登場させ、不十分な福祉に対して警告を発する。この  夫婦の行動も強く非難しているが、おどおどするばかりの夫と涙するばかりの妻  には同情してしまう。  施設のことは現実を知らないから言いようがないが、本当にこんなところなのだ  ろうか?だとしたら大問題だが、貧しい国では施設があるだけましとも考えられ  る。しかし、ちゃっかりその後プール付きの家に住む金持ちを映すことで無理な  く我々に訴えかけている。  貧しい彼らにとって逃げ道のない生活、それを包み隠さない映像で照らし出しな  がらも、同情するようにしむける訳ではない。オープニングとエンディングのホ  ルマリン漬け赤ちゃんの映像が堕胎の隠喩となっていると感じた。  第2話「老婆の誕生」  車椅子に座りっきりの老いた母を介護する青年。母の年金が生活の糧。青年は  ちょっと頭が弱い。母はすでに死んでいるかのように1点を見つめるだけで、話  すことすらできない。  彼は年金をもらいにいく日、交通事故にあってしまう。そして入院している間に  母は…。  交通事故。つまり、ひき逃げされるのだが、その後さらにひどいことに。それは  非現実的に見えて、実はイランだけではなくどこの国でも起こり得る事。だから  恐ろしい。親切な人ばかりがいる国なんてないのだから。  第3話「行商人」  肉屋が羊の首を切る。その下では市が開かれ、行商人が大声で客を集めている。  その中の1人、ホセインがギャングに連れて行かれる。恐怖のあまり自分の死を  想像してしまうが、考え過ぎかもしれない。  次第に想像が現実に近づいていくが、自分の身を守る手段を思い付かないホセイ  ン。彼の考え過ぎか、それとも…。  殺される羊が隠喩となる。羊の映像に目を背ける人はベジタリアンになるのだろ  うね。毎日こんなに肉を食べていても、流れる血には目を背けたくなる。それが  人間の血であったら?監督が映画で何を見せたいのか、それはこの映画をみて感  じることそのままなんだろうな。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー! 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.165

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 2   □タクシー2   □ジプシーは空にきえる   □ラッチョ・ドローム >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 2☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ベネチア島からバポレット(水上バス)に乗り、少々湿った風を受けながら淡い  ブルーの海と白い砂浜が美しいリド島に着くと、そこはもう完全なるリゾート地  の佇まい。ベネチア自体が観光の町であり、あまり生活感がないのだが、映画祭  会場のあるリドはそれ以上。  細長い形の島ゆえに、延々砂浜が続き、向かい側には豪華なホテルが並んでい  る。「ベニスに死す」の舞台になった風景をそこここに見つける事が出来、この  島そのものが映画好きには魅力的である。  カンヌ、ベルリンと並ぶ3大映画祭の一つであるが、他の2つとの大きな違いは  フィルム・マーケットを設けていないことである。勿論配給関係者は沢山参加し  ているが、マーケット用の場所が設けられているわけではない。純粋にスクリー  ニングを観客と共に楽しむ「お祭り」的のんびりムードにあふれている。  イタリア人にとっては「夏も終わり、そろそろ日差しも秋の風情」なのだそうだ  が、それでもまだまだ太陽と海を楽しめる暑さである。ベネチア住民だけでな  く、観光を兼ねて映画祭を楽しむ人達が多いためか、映画祭そのものの雰囲気が  とても大らかでリラックス・ムード。  忙しいのはプレス・パスを首からぶら下げた報道・映画関係者ばかりなのだが、  それでもこの「イタリアン」かつリゾート・ムードに溢れた雰囲気の中では、不  思議と気持ちも和やかになる。上映や会見の合間に、ビーチで一休みする人も多  いよう。  上映会場周辺にはスロー・テンポの音楽が一日中掛かっており、ドリンク類やパ  ニーニの屋台やバールにはいつも人が集まっている。ベネチア全体がとても治安  がよく、水上バスも夜通し運行しているた時間を心配する必要もない。  映画の上映は朝8時半から始まり、午前12時15分からの回が最終(つまり終わるの  は午前2時前後)。夜の上映の後、オープン・カフェでカクテルを飲みながら、  潮の香りのする生暖かい風に吹かれつつ夏が終わりの焦燥感を感じる、、、これ  が美しいリゾート地で行われるこの映画祭の醍醐味なのかもしれない。                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆タクシー2☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     TAXI 2     ★★★★☆     2000/フランス/89分     監督:ジェラール・クラヴジック     出演:マリオン・コティヤール、エマ・シェーベルイ、        ベルナール・ファルシー     http://www.taxi2-jp.com  コメディーです。会場で拍手が起こったのは快挙でしょう。  間違えている人も多いことでしょうが、リュック・ベッソンが監督した訳ではあ  りません。彼は制作・脚本です。しかし、コメディーの笑いは台詞が左右する部  分も多く、プロデューサーの意図で作品もがらりと変化するといわれているだけ  に、彼の力量がいかんなく発揮されている映画といえるでしょう。  さて映画は、まったくお馬鹿なフランス人とまぬけな日本人がパリで大暴れ。日  本を小馬鹿にするシーンがあるといつも私は頭にくるのですが、フランス人に対  しても同様にアホ臭いことをさせるシーンが盛沢山で、「コメディーだから」と  許してしまう。  ちょっと前に批評家が「日本車ばかり壊される」と話していましたが、間違いで  した。ドイツ車もフランス車もバンバン壊れます。ちょいと迫力の足りない映像  ではありますが、小賢しい細工を施した映像ではないからゆるせる。  千葉ナンバープレートの三菱ランサーが登場すると、意図して「千葉ナンバー」  にしているのかと?まさかそこまで日本人を意識して作られているなんてことは  ないかな?  あやしいヤクザのような黒幕がテレビ電話で出演するが、後ろに和服の女性を2  人座らせて話をしている。普段なら外国人の勘違いとしか感じられない場面です  が、この映画はコメディーだからあえて笑ってしまう。  「コンニショアー(こんにちは)」とか、「ニンジャー(忍者)」とかばかばか  しくてほんと面白い。  史上最速のタクシーは第3話でも見られるだろうか。個性的な役者も憎めない。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ジプシーは空にきえる☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     1976/ソヴィエト/100分/シネスコ     監督・脚本:エミーリ・ロチャヌー     音楽:エウゲニー・ドガ     24回サンセバスチャン映画祭グランプリ  馬泥棒のゾバールはいつものように軍隊の馬を盗み出しお尋ね者になる。(派手  な馬使いはいいが、映像が地味)そんな自由な生活を変えるのは女とばかりに、  軍隊に追われながら逃げこんだ森の中で情熱的なジプシーの女ラッダに恋をす  る。(この時点では情熱的ではなかったが)  しかし魔女と呼ばれるラッダはゾバール以上に自由を求めていた。(1人娘の性  分か)ゾバールが囚われの身になっても処刑直前に仲間が命をかけて救い出す。  (仲間が死んで行く中、冷淡な彼)そして、ゾバールの愛はますます混乱してい  き、ついには悲劇的な結末を向かえる。(なぜ?こうなるの?)  ロシア圏の映画を見たことがない人には少々厳しい100分でしょう。それでもイン  ド映画同様、新鮮な一面を新発見する人もいるのかもしれませんね。  かのマキシム・ゴーリキが24歳の時に書いた処女作「マカール・チュドラー」を  原作に、ジプシー達の激しく魅力的な悲哀伝説を描いた作品。  正直言って随分退屈してしまいました。話を整理するとおもしろそうなのに。ま  ず馬泥棒のゾバールに男性的な魅力を感じない。死にゆく仲間に対する感情が描  かれないからだろうか、男らしさや格好よさがない。ついでに、ヒロインのラッ  ダの歌声よりも回りの女性に魅力を感じてしまう。主役がぼやけているのは、常  に画面に大人数が登場する為。しかも歌や踊りは皆魅力的だから。こんな2人の  恋愛に興味を感じないのもしかたない。  ミュージカルタッチで進むストーリーはマカロニウエスタンとフランス映画をま  ぜたよう。首つり台からの逃亡劇なんてまさしくマカロニな世界。そのくせ、乗  馬のシーンでは撮影テクニックが感じられない。カメラの位置もよくない。残  念。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ラッチョ・ドローム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     1993/フランス映画/100分/シネスコ/スーパー35mm     監督・脚本:トニー・ガトリフ     93年カンヌ映画祭「ある視点」部門国際映画批評家賞     2001年公開予定  ストーリーのある映画を見に行く気分では退屈してしまうだろう。しかしインド  から始まった彼らの旅において、音楽と踊りが地域の文化に影響されつつ変貌し  ていくさま、これが映画という映像と音楽、ロケーション撮影と編集というミク  ストメディア手法でリアルに描かれる。  手を加えると舞台劇としても成功しそうな作品で、今後ジプシー・ブームが高ま  ればロンドンあたりで作られるかもしれない。  ロマ民族の歴史はインドから始まったという。だからこの映画の始まりはインド  北西部。次第に彼らの移動の足跡をたどりながらに西へ向かう。エジプト、トル  コ、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、フランス、そしてスペインまで。そ  の各地で着られる衣装や音楽、踊りに注目したい。  民族として差別されてきた歴史は映画の後半、ヨーロッパに入ると顕著になる。  銃で脅されながら土地を去る姿、定住なき生活。花を売り、靴を磨きながら日銭  を稼ぐ。  民族全体のロードを描くために1家族のロードムービーという形をとるが、あえ  て家族の問題などを交えることなく分かりやすい適切な手法だ。主題は民族の歴  史。  自然の明るさをとらえ、原色のドレスが柔らかい色あいでクリアに映し出され  る。踊る姿はこざかしいカメラワークや編集をせずに、足もとのアップと全身を  交互に交えつつ、視線の移動にちかい。だから音楽と踊りに集中して見ていられ  る。  逆に座り疲れてくると1つの曲が長いと感じることもある。会場がスタッキング  チェアーでスクリーンがやけに高い位置にかかっていることがそれを助長した感  じ。  それでもエミール・クストリッツァが好きなあなた、「ガッジョ・ディーロ」で  一緒に幻の歌姫を探したいと思ったあなたには絶対必見の映画です。公開したら  心地のいい映画館でみましょう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー!  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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ベネチア映画祭情報 1   □ナッティ・プロフェッサー2/クランプ家の面々   □アキ・カウリスマキ監督来日   □俺たちに明日はない >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ベネチア映画祭情報 1☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  8月30日、小雨降る中、第57回ベネチア映画祭は開幕した。実際には29日からプレ  ス上映は始まっていたのだが、映画祭ムードは華やかなセレモニーと共に盛りが  りはじめた。  オープニング作品はクリント・イーストウッド監督・主演作品「Space  Cowboys」。主演の「おじさん宇宙飛行士」を演じる4人、イーストウッド、ト  ミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェイムス・ガーナ—の4人  が勢ぞろいした。今年はクリント・イーストウッドが功労賞(金獅子賞)を受賞  するため、オープニング作品だけでなく、「Tributo a Clint Eastwood」とし  て、彼をフィーチャーしたカテゴリーも設けられ過去の作品が数多く上映されて  いる。  ヴィスコンティの作品「ベニスに死す」で有名な、リド島のビーチの向かい位置  するセレモニー会場Sala Grandeには、多くの報道陣、観客が集まり、巨大スク  リーンではスターや盛装した招待客が花道を通って入場するシーンがライヴで大  写し。イタリア国営チャンネルでも生中継され、この映画祭のイタリアでの注目  度を物語っていた。  北野武監督も29日にベネチア入りし(北野監督のベネチア入りの情報もテレビで  報道された)、オープニングセレモニーの花道に颯爽と登場した。今回コンペ対  象外の作品として公開される北野監督の作品「Brother」の注目度はとても高い。  「HANA-BI」で既に金獅子賞を受賞している監督であるが、その注目度・知名度は  想像以上であった。この映画祭に集まっている報道陣だけでなく、一般客を含  め、北野監督を知らない人はいないのでは?という程である。  (ただ少々残念なことに、北野監督が花道でインタビューを受けている途中に  「ジャ—ン」とシャロン・ストーンが登場してしまったため、映像はそこでシャ  ロンさまに移ってしまった、、、。シャロン・ストーンはイーストウッドに功労  賞を渡すプレゼンターとしてセレモニーに出席。イタリア語を交えて挨拶し、終  始にこやか、プロに徹したスターぶりであった。)  「Brother」の上映は9月1日(プレス試写)と9月2日(一般上映)。評判や観客の  反応も追ってレポート致します。  ウッディ・アレンの「Small Time Crooks」、ロバート・アルトマンの「Dr.T and  the Women」、サリー・ポッターの「The Man Who Cried」、エド・ハリスの監督  作「Pollack」等、話題作目白押しの11日間。会場の雰囲気、大作から日本ではな  かなか見られない国の作品まで、生の情報を引き続きお送りいたします!お楽し  みに!                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ナッティ・プロフェッサー2/クランプ家の面々☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Nutty2:The Klumps     ★★★☆☆     2000年/アメリカ(日本今秋公開予定)     監督:ピーター・セーガル     出演:エディ・マーフィ(6役)、ジャネット・ジャクソン  お馴染みエディ・マーフィが特殊メイクを駆使し、5人家族プラス1人を演じ分  けるコメディの続編。7月の最終週に全米ナンバーワンを記録。(しかしアメリ  カ人てこのテの映画が好きだよなあ。)  前作では食事のシーンで顔見せ程度にしか家族が出てなかったのだが、本作では  マーフィ自身が、自分の家族への感謝の念を込めて演じたというだけに、とにか  く家族(といっても彼自身なんだけど。)が大活躍。すなわち、彼の演じ分け  と、ハリウッドの特殊メイク技術をじっくり楽しめるつくりになっている。  冷めかけたピザがおいしかった…とはどこかで聞いた言葉だが、今更エディ・  マーフィなんてと思っていたが、彼のコメディアンとしての才能は凄い!と再確  認してしまった。どう見ても全員違う人に見えるのだから。  今回は『ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ』ブームを受けてか!?老人パワー炸  裂。マーフィ自身が演じる彼の祖母が、マーフィー演じるバディに欲情して暴走  するくだりはとにかく笑える。彼女(?)もパワフルだがその横で黙って座って  るだけのじい様の表情は絶品。彼を見てるだけで爆笑の涙もの。  畳み掛けるように訪れるギャグの数々はあたかも昔懐かしい『おれたちひょうき  ん族』やドリフのギャグを思わせ、アメリカンコメディが苦手でも思わず笑って  しまうベタさ炸裂。(下らないと言われちゃあそれまでだが。)数々の映画のパ  ロディもあり。がその分オリジナル性に欠ける面もあり・・。  残念なのは思いのほかキュートな(そして薄化粧な)ジャネット・ジャクソンの  活躍の場が少ないこと。マーフィと家族のドタバタに比重が行きすぎて、ヒロイ  ンの影が薄い。  ちなみにジャネットを始め、R・ケリー、フォクシー・ブラウンなどを網羅したサ  ントラはかなりイケてます。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆アキ・カウリスマキ監督来日☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  上映中の『白い花びら』は今どき?珍しいサイレント映画。こんな事を考えるの  はアキ・カウリスマキ監督。これに何と弁士が付いての上映会が1度催された  時、「やっとの事で」顔を見せた監督と弁士の質疑応答。あまりに面白かったの  で今更ですがちょっとご報告します。  「敗者決定版!」のふれこみで上映中の『白い花びら』。「映画は喋りすぎる」  として敢えてサイレントに挑戦した訳だが、絵だけの表現はかなり厳しいもの  だったようだ。だが、これに弁士による解説が付いての上映だから観客はかなり  判りやすいものだった。弁士はベテランの澤登翠氏。独特の語り口と解釈でリズ  ムをつくり、適度に笑いの要素を交ぜながらの熱演だった。  監督とは細かい内容についての打ち合わせは一切なかったそうだが、新作のサイ  レントに初挑戦という事でかなり難しかったようだ。「悲劇と背中合わせのおか  しみを表現しようと、主人公を客観的に突き放してみる試みをした。彼の妻への  愛情が男女を超えて自分の身体の一部のような存在になっている、と解釈し敢え  て昔っぽい語り口は止めて新たに現代寓話的に仕上げてみた」のだという。  結果、時々「教訓。鈍い男は痛い目にあいます」的な皮肉っぽい語りとなった。  これをストレートにコメディを解釈してしまった観客もいて、監督に「これは悲  劇ですか?喜劇ですか?」と質問して「メロドラマとして撮ったのだけど、もし  コメディと思われてしまったのならセップクしたい気分だ」とおどけていた。  弁士付きの効果の程は別として、この日の観客の反応は弁士なしの時より笑いが  多かったそうだ。  さて、カウリスマキ・ワールドの魅力の一つは、あの何とも言えない「間」の取  り方だが、この作品でも健在だ。更に過去の表現と類似する場面も登場して、マ  ニアにはたまらない。主人公がゴミ捨て場で死ぬところや、コンパチカーの伊達  男などは『真夜中の虹』にも見られる。  また、警察署のシーンでちょっと見えるサミュエル・フラーは丁度撮影中に亡く  なった彼のメモリーに挿入したそうで、丁度『浮き雲』で常連だったマッティ・  ペロンパーの死を悼んで子供の頃の写真で登場させたのにも似ている。  それにしても、監督自身かなりユニークな人柄だ。初期の作品には自分も顔を出  しているものもあるが、かなりの美形だったのにも関わらず?今は太って赤ら  顔。それもそのはず、実は酒びたりがたたって?上映前の記者会見をすっぽかし  た位の無類の酒好き。何しろ「三日酔い?で高熱の為」という配給会社の冷や汗  弁解を覆し「高熱が出た事なんて1度もないんだ。自分自身ジャーナリストの出  身だから嘘ついてもばれるのがわかっているからね」と缶ビール片手に登壇した  のだ。  更にホール壁に大書された「禁煙」の表示をよそにトレーのような灰皿にすっぱ  すっぱ。挙げ句「コールミー、サケサン」。アルコールは一定量を超えるとしら  ふと同じさ、と豪語して最後にはファンから贈られた酒壜を宝物のように抱きか  かえての退場。ウイットいっぱい、自分を演出出来る、かなり知能犯な監督でし  た。  たまたまこの日、記者会見をすっぽかされた同志?にギリシャの人がいて、その  人が言うには「彼は酒を飲まないと死ぬ程寒い国だから仕方ないけど、寒いとこ  ろが嫌いでポルトガルに住んでいる。たまにギリシャにも来るけど1度だって記  者会見が実現した事はないんだ。ある時なんか自分ですっぽかした記者達を、す  まなかった、と呼んでおいて再び酒宴。これで質問されるのを免れたんだって  さ」  ちなみに個別のインタビューでは、ノリノリになると制限時間をたっぷり超えて  ハリウッド批判に気炎を吐いていたそーです。またへべれけでもいいから会って  みたい魅力的な人でした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆俺たちに明日はない☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Bonnie and Clyde     1967/アメリカ/105分/カラー     製作:ウォーレン・ベイティ     監督:アーサー・ペン     出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、        ジーン・ハックマン、エステル・パーソンズ、        マイケル・J・ポラード     1967年度アカデミー助演女優賞(E・パーソンズ)、撮影賞  いつも連載の形をとってお伝えしているが、今号から第4回目としてアメリカ  ン・ニューシネマの作品をお伝えする。先ずは、雑誌“TIME”に、  「ニュー・シネマ。暴力・・・セックス・・・芸術! 自由に目覚めたハリウッ  ド映画の衝撃」と見出しを飾ったほど強烈な印象を残した『俺たちに明日はな  い』を取り上げる。以下、本文に続く。  刑務所出のクライド(W・ベイティ)とウェートレスのボニー(F・ダナウェ  イ)が出会い、多くの銀行を襲い、破滅するまでの物語。この作品のモデルの  「ボニーとクライド」は実在の人物で、映画同様にテキサス州を中心に銀行を荒  しまくったカップルだ。彼等は実際12人に及ぶ人々を殺害している。しかし、彼  等の生き方に共感するのか未だ人気は衰えない。  劇中ラストの87発の銃弾や警察との撃ち合いのシーンの迫力は見事。この作品は  今観ても全く色褪せていない。今に通じる激しい銃弾、撃たれて血が滲むという  のはこの作品からと言っていい。  この作品によって名前が知られ、以後スターとして活躍して行く俳優が2人い  る。フェイ・ダナウェイとジーン・ハックマン。2人共この作品以後大活躍し  て、共にアカデミー賞(ダナウェイ『ネットワーク』’76、ハックマン『フレン  チ・コネクション』’71&『許されざる者』’92)を受賞している。この作品で  製作を兼ねているW・ベイティは、ある程度スター級の俳優として活躍していた  が、彼も前述の2人同様この作品以後の経歴は素晴らしい。後に演技部門ではな  いが、監督(『レッズ』’82)としてアカデミー賞を受賞している。  また、脚本を担当した2人のうちの1人ロバート・ベントンは、70年代終わりに  名作『クレイマー、クレイマー』で監督と脚本を担当し、2つのアカデミー賞を  受賞している。  この作品は、1967年度のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞(W・ベイ  ティ)、主演女優賞(F・ダナウェイ)、助演男優賞(G・ハックマン)、助演  男優賞(M・J・ポラード)、助演女優賞(E・パーソンズ)、オリジナル脚本  賞、撮影賞、衣装デザイン賞の10部門にノミネートされ、うち助演女優賞と撮影  賞の2部門受賞した。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   マッキー! 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.163

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □クリクリのいた夏   □しあわせ家族計画   □ホールド・ユー・タイト   □レンブラントへの贈り物 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆クリクリのいた夏<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Les ENFANTS DU MARAIS     ★★★☆☆     1999/115分/フランス/シネマスコープ     監督:ジャン・ベッケル     出演:ジャック・ガンブラン、ジャック・ヴィユレ、        アンドレ・デュソリエ、ミシェル・セロー  こんな素朴な映画は久しぶり。殺人もなく、犯罪といえばボクサーがバーで暴れ  るだけ。少女クリクリの沼地の思い出を回想するという設定ではあるがあまり重  点を置かれず、視線や物語はクリクリに関係ないことが多い。  しかし、上のデータを見て分かるようにこれはシネスコサイズですが、意味のな  いシネスコでした。ムダなサイズです。スタンダードで撮ればもっと古めかしい  郷愁を感じたことでしょう。  ジャック・ガンブラン演じるガリス。彼らが自由に生活する沼のほとりでの春夏  秋冬を追っていきながら、沼地に暮らす貧しいけれど自由な家族と裕福な家族の  あいだの交流や対立を映し出す。対立なんていうのは少々大袈裟かもしれません  が、時たま差別的な人がいるおかげで、コショウのように適度な味付けになって  います。  お金持ちの老人達が沼地の素朴な生活に郷愁を感じる気持ちは、我々が田舎の夏  休みになんとなく魅力を感じるようなものでしょうか。  不精髭と禿頭がアップで度々映り込み、少々見苦しいが雰囲気がでていたジャッ  ク・ヴィユレ演じるリトン。私の場合彼を見るたびにパトリス・ルコントの「ボ  レロ」という短編を思い出して笑ってしまいます。ちなみにこの短篇映画、最近  ではTOLLYWOOD(下北沢にある短編映画専門の映画館http:homepage1.nifty.com/  tollywood)で再映されていたから見られた方も多いでしょう。(こうやって、映  画館に足を運ぶ重要性を訴える私であった)  演技や演出、撮影が決しておろそかにされることもなく、子供向けの幼稚なス  トーリーでもない。邦題がやたらと幼稚だが、しっかり大人の映画。ヨーロッパ  映画の暗い部分ではなく明るい部分が好きな方にはお勧めしたい。                                立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆しあわせ家族計画☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     2000年/日本(9月16日公開予定)     監督:阿部勉     出演:三浦友和、渡辺えり子     ヒューストン国際映画祭ファミリーチルドレン部門金賞     http://www.shochiku.co.jp.  このタイトルを聞いてピンときた人も多いはず。そう、これはTBSの人気番組に挑  戦したある家族の物語。  と、言ってもこれは退屈なドキュメンタリーでも、最近ありがちな、テレビ番組  の規模を拡大して映画化しただけの安易な劇場版でもない。既存の人気番組を題  材にしながらもオリジナリティ溢れる作品を作り上げたところにスタッフの力量  を感じる。  夫のリストラ、娘の不登校、父さん寸前の店・・・。トラブル続きの川尻一家に  大事件が起きた。息子が面白半分で出した人気番組『しあわせ家族計画』に出演  することになってしまったのだ。  番組が出した宿題をお父さんが一週間でマスターできればなんと300万円がゲット  できるというこの番組。わらをもすがりたい彼らだが、人並みはずれて不器用な  父に出された宿題は『ホーム・スイート・ホーム』を間違いなくピアノ演奏する  という難題で・・・。果たして賞金の行方は?そして家族は絆をとり戻すことが  出来るのか・・・。  長年にわたって山田洋次の助監督を務めていたという阿部勉は本作が初監督作。  『男はつらいよ』さながらの人間への暖かいまなざしは受け継ぎつつも、リスト  ラ、不登校などの社会問題を取り入れながらコミカルに描く様子はいかにも現代  的で新しさがある。  いかにもマスオさん的なキャラ、主人公富士夫を演じる三浦友和はもちろんハ  マッているが特筆すべきは妻を演じる渡辺えり子。彼女の夫や子供たちに対する  ビシビシとした姿勢や天然ボケぶりが、ともすれば甘いメロドラマ風になりがち  なホームドラマを引き締めるのに一役買っている。  妙に美人でしとやかな女性が多い日本映画の主婦像のなかでリアリティはピカイ  チ。  また脇役も魅力的で、なかでも富士男の義父を演じたいかりや長介は逸品。昔堅  気のガンコ親父なのだが実はダンディな男に憧れていたりしてカワイイのだ。  また、新人の平山綾を起用し、フレッシュな味付けも忘れていない。  ダメ男が家族のために大特訓に励むさまは、さながら日本版『フルモンティ』。  久々にお勧めしたくなる、笑えて泣ける日本映画の登場だ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ホールド・ユー・タイト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Hold You Tight     1997年/香港/93min/カラー/ビスタ     監督:スタンリー ・クワン     出演:チンミー・ヤウ 、クー・ユールン 、サニー・チャン     1998年ベルリン映画祭アルフレッド・バウアー賞     www.ponycanyon.co.jp/     9月9日(土)よりシネマスクエアとうきゅうにて公開  香港啓徳空港。よく似た2人の女性が台湾に向かう。一人は離婚したてのロー  ザ、もう一人は出張のムーン。飛行機事故で妻ムーンを失ったワイ。失意の彼を  トンが慰める。ワイに惹かれた青年ジェイはムーンと関係していたが、ある日ワ  イとトンが彼の働くバーにやってくる。酔いつぶれたワイを送ったジェイは、  ムーンに贈った香水を彼にふりかける。台湾に戻ったジェイはムーンそっくりの  ローザと付合うが・・・。  登場人物達のアイデンティティの困惑と、ヤ97年の香港返還が人々に与える困惑  とを重ね合わせ、更に倒序形式を採用した複雑な作品だ。だが、根底に流れるも  のは人は人との繋がりの中に生きている動物だ、という事。全ての人物がそれぞ  れに心の中に痛みを抱えながら、少しでも人との温もりの中でそれを癒そうと、  また自己の存在理由を求めようとする心の動きがスタイリッシュに描かれてい  る。  ムーンとワイ。ワイとジェイ。ジェイとロ−ザ。そしてトン。一見別々の物語が  最後には見事に一つに繋がる。それぞれが、夫や妻や恋人といったもっとも身近  である筈の人間を実はよく理解していない。失って初めてそれに気付いたりす  る。その愚かさともどかしさは誰もが経験している事のように思えて胸が痛くな  る。  気持ちを表に出しにくい性格のワイとジェイ。彼等にはその分、目やちょっとし  た仕種の演技が、また緩衝剤的役割のトンにはその体躯のようにソフトで、包み  込むような優しさが、そしてローザとム−ンの2役はその性格の違いが、それぞ  れ求められるが、俳優達はまさにはまり役だったと言える。登場人物はほとんど  監督の分身だという事だが、併せてPFFでのティーチ・インレポートも参照して欲  しい。                                鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆レンブラントへの贈り物☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Rembrandt     1999年/フランス=ドイツ=オランダ/103min/カラー/ヴィスタ     監督:シャルル ・マトン     出演:クラウス ・マリア・ブラウンダウアー、ロマーヌ・ボーランジェ     2000年セザール賞美術賞     http://www.alcine-terran.com  全てを失い人生の黄昏に立って一生を回顧するレンブラント。1631年。アムステ  ルダムへ移住した若きレンブラントは画商オイレンブルフの元で順調な画家生活  に入る。やがてモデルだった画商の姪を結婚するが、子供たちを次々に失い、や  がて最愛の妻、サスキアとも死別する。次第にサロンとも縁遠くなり浪費癖がた  たって事実上の破産。内縁の妻ヘンドリッキエとの間に娘をもうけるが、彼女も  死去。晩年まで筆をとるが、失意のうちに死亡する。  ・・・と、荒筋を追うと悲惨な作品のように見える。確かに彼の作品はたとえ美  術に無関心な人でも1度は見覚えのあるものばかりだろう。そして、彼はまた  「光と影の画家」として有名である。ただ、作品と同様に彼の人生そのものも、  この光と影に彩られていたのだ。作品の冒頭で、失意のレンブラントが「見えぬ  者は光に嫉妬する」と言っている。サロンの花形で光り輝いていた時期は、周囲  の嫉妬の目に囲まれつつも私生活では子供を失うなど、常に影が一体となってい  た。  この作品の見どころは、呆れる程作品に酷似したモデルや時代の色彩である。薄  暗い室内、上流貴族達の華やかな衣装、派手な食器・・彼のほとんどの作品の背  景のセピアっぽいダークな感じが画面を覆っている。監督が自身画家である事に  も起因しているのかもしれない。ちなみに脚本は奥さん、音楽も近親のようだ。  一般に偉大な画家=立派な画家、的なイメージが出来てしまうが、このレンブラ  ントはどちらかと言えば破滅型な人間だ。原題はただ「レンブラント」だが、こ  れに彼への贈り物、即ちそんな彼への愛を惜しまなかった女性達(ミューズ)と  いう付帯的邦題の付け方は、かなり巧い。  古くは『モンパルナスの灯』から『エゴン・シーレ』『サバイビング・ピカソ』  『カミーユ・クローデル』等芸術家を描いた映画は数多い。丁度今、国立西洋美  術館で「レンブラント、フェルメールとその時代」という展覧会を開催している  (9/24迄)。この映画の公開までに1度見ておくのも一興だろう。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼