ScreenKiss Vol.252

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □千と千尋の神隠し   □ジュラシック・パーク3   □猿の惑星   □ロシアン・ブラザー   □ライムライト >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆千と千尋の神隠し☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★★     2001/日本/125min     監督:宮崎駿     声優:夏木マリ、柊留美、入野自由、内藤剛志、沢口靖子、菅原文太  冒頭、主人公千尋がいわゆる神隠しに遭うまでのキャラクター描写が見事。千尋  の両親の世代(おそらく30代後半から40代)は、『アメリカン・ビュー  ティ』の両親の世代とほぼ同じ。裕福で、物質的に恵まれることが幸福の象徴と  教えられてきた世代だ。  千尋の母のファッションはシロガネーゼ風のパンツルックで、口調もはきはきし  て、子供にも冷淡。キャリア思考の現れのように見える。父親の『この車は四駆  だからな』という台詞にもモノに対するこだわりが現れる。  そして、「カードと金があるから大丈夫」と、勝手に食い散らかした彼らは豚に  される。このなんたる風刺!一見単純なお子様向け映画に見えるが宮崎監督らし  い場面だ。  千尋が放りこまれた世界では、お金も、両親のステータスも、名前すら役に立た  ない。いかに頭と腕だけで勝負できるかが要となる。スポイルされて育った現  代っ子が、泥にまみれ、白い米だけの握り飯に涙する場面には痛快なものを感じ  てしまう。  腐れ神や、ハクといったキャラは、失われつつある自然への懸念が顕著に表れ  る。ストーリーこそ単純になり子供向けに思えるが、監督の訴えたいことは全作  を通して一貫している。  単純、といったが小難しい『もののけ姫』よりも子供は素直に受け入れられる  筈。そして大切なことを感じ取れるはずだ。  ところで、前列の方で騒いでいた君達は、油屋で修行してきなさい!                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ジュラシック・パーク3☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Jurassic Park3     ★★★☆☆     2001年/アメリカ     監督:ジョー・ジョンストン     出演:サム・ニール、テア・レオーニ、ウィリアム・H・メイシー  パラセーリング中の事故がもとで、恐竜が暮らす島、イスラ・ソルナ島に迷いこ  んだ息子を救出すべく、無謀にも島に乗り込んだ両親ら。しかしそこには予想を  上回る恐怖が待ちうけていて・・・。  ストーリーはいたってシンプル。正直誰が次にやられるか、ってなことは容易に  想像できる。おまけにどう考えても非現実的な携帯電話のエピソードや(都会に  いてもこんなに繋がらないことが多いのにあんな秘境で、しかも○○のなかから  出てきて使えるか?ふつう。)、息子が生き残っているあたりはいかにも胡散臭  くて仕方がなかった。  しかし、そこは敢えて開き直ってコメディとして楽しんでしまえばよろしい。世  間知らずのお嬢様ママさんと、情けないパパさんが、恐竜に関する知識も何も持  たないまま素で、恐竜の島に投げこまれる姿は、ある意味1、2のようにプロ  フェッショナルな人達との戦いよりも親近感が沸く。メイシーがリュックを背負  うシーンに注目!そのトホホさ加減に相当笑えます。  そして!いうまでもないがグレードアップした恐竜達は本当に素晴らしい。1で  は技術不足で実現できなかったという翼竜が華麗に舞うシーンには圧巻です。  でも、その翼竜に関するラストシーンは本当、感動的な音楽流してる場合か?っ  てなくらいヤバイです。『エヴォリューション』みたいになっちゃうよ・・。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆猿の惑星☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Planet Of The Apes     ★★★★☆     監督:ティム・バートン     出演:マーク・ウォルバーグ、ティム・ロス         エステラ・ウォーレン、ヘレナ・ボナム・カーター  宇宙飛行士のレオ(ウォルバーグ)が乱気流に飲まれて不時着した星は、なんと  言葉を話し人間のように振舞う猿たちが支配する恐ろしい世界だった・・・。  正直、オリジナル版を見たのは相当幼い時なので、その時は猿と人間の立場が  逆、位にしか感じてなかったのですが、うーん、これって相当深いストーリーな  んだなと改めて感心。  猿が人間を檻に閉じ込めて奴隷として売買する。気に入らなければ殺す。こんな  シーンを見ていて思い出したのは『ルーツ』や『アミスタッド』『シンドラーの  リスト』などの人種差別ものの映画。  自分と違うものを恐れ、差別し、人間としての尊厳を奪い取ること、そういった  ことの愚かさ、人間のエゴを見事に描きだしているんである。相手は猿でこそな  いものの、こういったことが現実の世界で行われてきたのだ。  さて、ストーリー自体は申し分ないのだが、映画としてはどうだろう、魅力的な  キャストは人間を助けようとする猿アリ(ヘレナ・ボナム・カーター)くらい  で、レオ役のウォルバーグは人間をみちびくカリスマを演じるにはいまいち迫力  と知性を感じないし、人間のヒロイン、エステラ・ウォーレンに至っては『ドリ  ブン』以上に飾り役に徹し、またもや水泳シーンが入るなどバートン監督とは思  えない手抜きが感じられた。  バートンらしさが出ているのは彼の奥様が演じるセクシーな猿などが参加する晩  餐会のシーンくらいか。監督の長年の大ファンとしてはちょっと残念である。  『スリーピー・ホロウ』は大作でも彼らしさが溢れていたのに残念でならない。  ラストに至っては『バック・トゥー・ザ・フューチャー』か、と思うくらいハリ  ウッド的。どう考えてもつじつまが合わないし・・・。旧作のラストのほうが  よっぽど作品の持つ意味をしっかり伝えていたような気がします。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ロシアン・ブラザー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     1997/ロシア/95min     監督:アレクセイ・バラバノフ     出演:セルゲイ・ボドロフ Jr.  ふと耳にしたノーチラスの「翼」を自分のテーマ曲とし、次々に冷静な殺人を  行っていく青年ダニーラ。こいつこそ、真のターミネーター。  この殺人は、「生きるために殺す」とは言えない。「金のため」とも思えない。  この殺人は実は生活や金にせっぱつまった結果ではなく、『ランボー』のように  軍隊でしこまれ、暴力に染まりきった人格からくる行動のよう。そう言えば、荒  筋がそっくりだぞ!(今気付いたよ)  チェチェンから来て、市場を仕切っている「チェチェン」という名前の男。あ  あ、なんてリアルな国情。アメリカでチャイナタウンを仕切る「チャイナ」、日  本で大久保を仕切る「カンコク」なんて名前の設定ができるだろうか?しかもそ  んな奴等を悪とみなし簡単に引金を引く。  殺人はよくないよ。でもその対象はギャングなわけで、任侠映画みたいなもん  だ。市民が巻き添えを食わない点、結構監督の意識ははっきりしていると見た!  大人の女にも、若い女にもすっかり心を乱されるあたり、まだまだ修行がたりな  い青年ダニーラを演じたセルゲイ・ボドロフ・Jr。彼.は、秋に公開される『イー  スト/ウエスト 遥かなる祖国』にも出演するロシアで売出し中の若手俳優。癖の  ある顔つきは外国人にどう映るかな?  女性にうぶで一見まじめな主人公ダニーラ。安物のコートを体に巻きつけ寒さを  しのぎ、米ドルの札束が飛び交い、拳銃とライフルが黒光りする映画。これこそ  現存する真のハードボイルドだ〜! ああ、ロシアに行きてぇ〜。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ライムライト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Limelight     ★★★★★     1952/アメリカ/137分/白黒     製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン     出演:クレア・ブルーム、バスター・キートン     1972年アカデミー劇映画作曲賞  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回はチャップリン特集の最後になる8回目とし  て、名作『ライムライト』をお伝えする。  人生に絶望し自殺を図った失業中のテリー(C・ブルーム)だが、同じアパートに  住む落ちぶれた酔いどれ老芸人キャルベロ(チャップリン)に助けられる。  リューマチのため歩く事も出来ず、家賃も払えないテリーを看る事にしたキャル  ベロは、彼女の為に安いギャラの仕事を引き受けて行く。絶望から立ち直れずに  いるテリーを励まし勇気付けるキャルベロだったが、昔のように観客から拍手喝  采浴びる事が出来ず弱音を吐くキャルベロ。そんなキャルベロに、今度はテリー  が励まし勇気付ける。悩むキャルベロのもとに近づこうとするテリーは、その時  から歩けるようになる。半年後、バレリーナとして舞台に立っていたテリーは、  若いピアニストと出会い恋する。将来において希望満ち溢れるテリーに自分は必  要ないと悟り、彼女の元からキャルベロは去って行った。  チャップリンがアメリカで製作した最後の作品。当時、共産主義弾圧の“赤狩  り”の波がハリウッドに押し寄せ、『独裁者』や『殺人狂時代』のような政治的  作品を作ったチャップリンは、FBIからマークされていたという。その為、製作し  たもののアメリカで公開されることなく、お蔵入りとなっていた。  この作品は、生きる喜びや人と人との愛を謳った映画である。有名なセリフ「人  生は素晴らしい。大切なのは勇気と想像力だ。」は印象的。また、テリーが歩け  るようになって“I'm walking . I'm walking .”と叫ぶシーンは脳裏から離れる  ことない名シーン。  今作には、三大喜劇王の1人バスター・キートンが顔出してる。サイレント期に  おけるチャップリンのライバルであったキートン。だが、今作製作当時は、過去  の人として忘れられていた。そんなキートンに声を掛け、最初で最後の共演を実  現させたチャップリン。2人の共演シーンは抱腹絶倒だ。  チャップリン特集は今回で終わり。彼の作品には、必ず人間の善悪の部分や愛、  つらく貧しくとも人生の喜び、希望などがテーマとなって描かれている。彼の作  品は、人生に悩んだり決断に困ってる際、指針になるものばかりだ。表面的な部  分の描写に頼る映画が多い現在こそ、静かだが奥深い内容のチャップリン作品に  1人でも多くの人が触れる機会になればとの思いがある。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.251

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:エボリューション   □眺めのいい部屋(ニュープリント完全版)   □ビバ!ビバ!キューバ   □夏至   □ロマンスX >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:エボリューション☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Evolution     ★★★☆☆     2001年/アメリカ(日本今秋公開予定)     監督:アイバン・ライトマン     出演:デビット・ドゥカプニー、ジュリアン・ムーア     http://www.countdown.com/evolution/  映画自体は知らなくても、タクシーの窓に張ってあるステッカーなどでロゴマー  クを見た人は多いはず。三つ目のスマイルマークのあれです。監督の過去の作品  ゴースト・バスターズのロゴマークもかなり可愛いかったよなあ。こういう戦  略、上手いですね。  ストーリーのほうは、ある日UFOで有名なニューメキシコ(最近はTVショーのロズ  ウェルなどでもお馴染みですね。)に隕石が落下、そこには信じられないスピー  ドで進化(エボリューション)をする生き物が含まれており・・・。といった感  じでそう新し味のあるストーリーではない。  キャラも、テーマ曲も『ゴースト・バスターズ』みたいな印象に残るかわいいも  のが殆どないのが残念。どこかで見たことのあるような生き物ばかりで新鮮味が  ないように感じられた。ただ明らかに対抗馬となる『ジュラシック・パーク』  『猿の惑星』を意識したかのようなキャラには笑った。(アメリカの公開時期は  重なっている。)  その分人間のキャスト達は魅力的。普段はカタイ表情の多いXファイルのドゥカプ  ニーがなんとおケツまで丸出しのおとぼけぶりを披露。役者としての幅を広げた  もよう。  幅を広げたといえば毎回唸らされるのがジュリアン・ムーア。出来ちゃた婚のマ  マさん、セクシーなポルノ女優から、不倫を清いものへと導く聖女、はたまたエ  リートFBI捜査官と全く違う役を演じ分けてきた彼女だが、今回はエリートであり  ながらも、ちとおっちょこちょいなカワイイ女というまたまた新しいキャラをご  く自然に演じてチャーミング。すっかり惚れなおしてしまった。  映画全体のムードメーカーとしては消防士志望のホテルマンを演じるショーン・  ウィリアム・スコットが一役買っている。『アメリカン・パイ』『ロードトリッ  プ』といった一連のお馬鹿映画の常連だが、今回の作品がメジャー入りの大きな  一歩といえそうだ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆眺めのいい部屋(ニュープリント完全版)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     A Room With A View     1985年/イギリス/117min/カラー/35mm     監督:ジェイムズ・アイヴォリー     出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ジュリアン・サンズ、        ジュディ・デンチ     www.cinemacafe.net/theater/gtc     1987年英国アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演女優賞、                最優秀助演女優賞     1987年アカデミー賞脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞 他     8月14日(火)〜9月1日(土)ル テアトル銀座にて公開     9月1日(土)〜銀座テアトルシネマにてレイトショー  20世紀初頭。英国の良家の令嬢ルーシーは、旅先のフィレンツェで英国人ジョー  ジと父に出会う。帰国後セシルと婚約した彼女は近くのヴィラを借りた父子に再  会。ジョージのルーシーへの想いは募るばかりだが、ルーシーも自分の本当の気  持ちに目覚め始めて・・。  紅顔の美青年ジュリアン・サンズ、少女のあどけなさを残すヘレナ・ボナム=  カーター、そして後の『エイジ・オブ・イノセンス』的ハイソな佇まいを見せる  ダニエル・デイ=ルイス。今やベテランの域に入っている俳優達の何と若々しい  事。アイヴォリー監督の感性溢れる美しい場面、プッチーニを多用した名曲の  数々・・美しい映画のお手本が全部ここに詰まっている。  舞台は20世紀初頭だが、人を愛する時の心は時代を越え万国共通。ジョージの苦  しさ、ルーシーの戸惑いが手に取るように伝わって来る。貴族社会の比較的封建  的なイメージが強い男性達が、ここでは心の真実を述べる。ルーシーと出会うま  では「宇宙の事を考えて」いた息子を優しく見守り、愛を素直に表現する事を教  えるジョージの父。それを受けて実行する息子。堅物で女心に疎いが根は優しい  セシル。  牧師風を吹かせて説教する事もなく、飄々とした存在のビーブ牧師がまたいい味  を出している。そしてちょっとずれていながら人のいい、従姉妹のシャーロッ  ト。ここでは悪人が一人も出てこない。古典的なラブストーリーながら登場人物  の誰かにきっと自分を重ね合わせてしまう筈だ。  「真実は美とあなた」と言うジョージの言葉には男性のロマンティックさが集約  されている。旅先という非日常は恋を生みやすい。ましてそこがイタリアだと  『旅情』でもそうだったように「どんな堅物もロマンティックにする」マジック  があるようだ。今秋は同監督の『金色の嘘』も公開される。こちらはイタリア紳  士が絡むラブストーリーだが、併せて見てみると面白いかもしれない。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ビバ!ビバ!キューバ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Un Paraiso Bajo Las Estrellas     1999年/キューバ、スペイン/90min/カラー/1:1.85     監督・脚本:ヘラルド・チホーナ     出演:タイス・バルデス、ウラジミール・クルス、アンパロ・ムニョス     www.vivaQ.net     1999年新ラテンアメリカ映画祭観客賞     9月上旬より銀座シネ・ラセット、新宿シネマ・カリテにて公開  ハバナ最大のキャバレー、トロピカーナ。そこのトップダンサーを毋に持つシ  シーは、父に内緒でオーディションに合格。偶然出会ったセルヒートと恋仲にな  るが、彼はもしかして実の兄かも・・。そうとは知らぬ二人は結婚、シシーは臨  月を迎えて周囲は大騒動。この二人を軸に、惚れっぽく嫉妬深く、そして明るい  キューバ人達の人間関係をダンスシーンを盛り込みながら展開する究極のエンタ  テインメント。  パワフルでゴージャスでコミカルなキューバ版『踊るマハラジャ』なこの作品が  やって来た!舞台のトロピカーナはガイドブックにも載っている実在のキャバ  レーで、ここでのダンスシーンは必見です。  が、ダンスが売りだけかと言うと、これがちょっとしたミステリー仕立てにも  なっている。しかもその原因が、不倫に離婚に再婚と何でもありの人間関係の複  雑さから来るからややこしい。最後には6kgもの赤ん坊まで産まれるおまけ付き。  だが、そうしたハチャメチャなストーリーに社会主義、経済事情、宗教観といっ  た隠し味をさりげに利かせているところはミソ。  コテコテのキャストはなかなかだが、赤い鬘を被って踊る太めのダンサー、シ  シーはまさしく山本リンダだし、彼女の恋するハンサム・・と言うことになって  いるセルヒートはどう見ても杉本哲太。こうしたどうしようもなく個性的な登場  人物の中でも特異なのは、実際にこのキャバレーの舞台監督を勤めるアルマンド  役のサンティアゴ・アルフォンソ。いやらしい憎まれ役を好演している。  深く考えないで思いきり楽しんでしまいましょう。それにしてもコパカバーナが  Hottest spot in Havanaじゃなかったのでしょうか?ちなみにトロピカーナは約  35ドルから鑑賞出来るそう。ドル表示のところを見ると、やっぱり台詞の通り  「地獄の沙汰もUSドル」なんですね。  ノリノリの音楽は勿論サントラ有り。しかも8月のカリビアンカーニバルなどラテ  ン系ライブの半券を映画館に持参すれば割引をしてくれるそう。この機会にラテ  ンな世界にどっぷり浸かってみては?                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆夏至☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     a la verticale de l'ete     ★★☆☆☆     2000/フランス・ヴェトナム/112min     監督:トラン・アン・ユン     出演:トラン・ヌー・イエン・ケー、グエン・ニュー・クイン、        レ・カイン     撮影:リー・ピンビン(「花様年華」)     http://www.ge-shi.com  あなたはフランス映画を見たいのですか? ヴェトナム映画を見たいのですか?  この映画はフランス映画です。ヴェトナム映画ではありません。ヴェトナムを舞  台にしたフランス映画。  映画として100%フランスの色に染まっていますから、フランス映画嫌いな人には  お勧めできませんよ。素朴なアジアの映像を期待する人には「あれっ?」  まあ、ご存じの通りヴェトナム映画は数少ないし。アメリカがヴェトナムを舞台  にした映画を作るとなると99%戦争物ってな具合ですから。  いかにもこの作品が貴重に見えてきますね。もっと素朴なアジア舞台のドラマを  作ってほしいという私の欲求は無視され続けています。『インド夜想曲』が私の  お勧めですね。けっして素朴ではないのですが、外国人の視線の映像と割り切っ  ています。ストーリー事態がそうですけどね。  最近アジア各国共同で、本当のアジア映画を作る動きが盛んです。ヴェトナムに  もそれに期待したいところですが、お国の事情はもっとシビアかもしれません。  単にヴェトナム・ブームにのって、タイミングのいい公開だからでしょうか、非  常に込み合っていました。  という次第で、「楽しめた」とは思えないこの映画の苦い後味。どうも、芸術点  をねらっただけの映画で、ストーリーの持つ本当のよさが活かしきれなかった。  しかもですよ、音楽がじゃまをする。唐突に始まるBGMはまだしも、その音楽が  シーンの変わり目で唐突に途切れる。  確かに場所も時間軸も移動しているのですから、音楽が唐突に途切れることには  合理性があるでしょうよ。でも、印象までもが唐突に切られるようで、ちょっと  いい雰囲気に浸っていたとしてもかき乱されてしまう。落ち着けないんです。  映像の調子はそれまでと一向に変わらないのに、音楽が耳ざわりに感じるのはマ  イナス要素です。いっそうの事、BGMをなくした方がイメージに正確ではないで  しょうか。  顔のアップを落ち着きはらって撮影する監督。「スタート」の掛け声で撮影を始  める感覚が見えみえです。カメラを設置して、役者を並べて、細かい点まで気を  使って、「この構図なら芸術点がもらえるぞっ」となった時点で撮影を始める。  それが嫌みなほど。  機材こそ写っていないが、「そこには機材が山ほど置いてある」と知らせるかの  ような映像が生まれました。自然体で演じて、それを陰ながら撮影してこそあの  三姉妹の気持ちを表現できたのではなかったかな。  でも、スクリーンの中の色は本当に奇麗。青や赤。あんな色の写真を撮ってみた  いと感じるよ。この辺はポイント付けたい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ロマンスX☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     1998年/カラー/95分/フランス映画     監督・脚本/カトリーヌ・ブレイヤ     出演/キャロリーヌ・デュセイ、サガモア・ステヴナン  フランスをはじめ、世界各国にセンセーションを巻き起こした衝撃作。動物の基  本的本能に関わるテーマであるからか、賛否が分かれるようだ。私の周りでは  「理解できない!」「なんでこんな作品をわざわざ作るんだ!」などというよう  な意見がある一方で、「こういう部分はみんな持っている」「共感できる」など  といった肯定的な意見も同じくらい耳にする。私は自分でも意外ながら後者の肯  定派のようだ。  小学校教師のマリー(キャロリーヌ・デュセイ)はポール(サガモア・ステヴナ  ン)と同棲中である。2人の部屋は真っ白。潔癖の象徴なのだろうか?ポールはマ  リーの身体に興味を抱かず、セックスレスの日々が続く。別にポールは性的不能  なのではなく、単にセックスに興味がないだけなのだ。ポールはこんな言葉を吐  く。「抱けば君を蔑み愛せなくなる」。愛する人にセックスを拒まれた悲しみ  に、手当たり次第に好きでもない男に抱かれるようになる。しかしこの行為に愛  はなく、単に性的に満足したいがためである。その時のマリーの台詞。「私を抱  く男を見たくない。私はただの穴でいたい。」そうした行為で楽しく過ごした  後、陽気な気分でポールの家に帰る。上半身裸で読書していたポールは珍しくマ  リーに性欲を覚える。「今夜は気分じゃないの」といいながらも彼の上に乗り腰  を動かすマリー。「あなたは私の代わり。女なのよ。私は男。あなたを抱くの。  こうやって...」。ポールは突然マリーをはねのける。しかしこの1度の行為でマ  リーは妊娠してしまう。  R-18指定ではあるものの決してポルノ映画ではない。動物の基本的本能と倫理観  に関する非常に深いテーマである。冒頭で述べた否定的な感想を持つ人たちは、  たぶん”女が辱められる作品”という印象を強烈に持ってしまったのだろう。つ  まりポルノ映画にしか写らなかったのかもしれない。しかしそれらの淫らな行為  はマリーが望んだものであり、またその行為によってマリーは精神的に解放され  ていく。つまり逆なのである。自暴自棄になった女がやけくそになって性行に走  り、男共に辱められるの「モノ」的な存在に落ちぶれるのではなく、逆に女が性  行に快感を覚え、満足感を得ようとする非常に積極的な「生」の行為なのであ  る。表現が過激で誤解され易いが、それが故に痛いほど「生」を感じられる作品  である。結婚をはじめとして恋人関係も同棲関係も、男と女がパートナーとして  生きる以上、本来それは対等の立場でなくてはならない。これは、関係が対等で  なかったときに、女が積極的に自分を求めた作品である。倫理的には正しい行為  とは思えない。しかしそれだけ自分を求めることに貪欲に行動するマリーは実に  清々しいラストを迎える。パートナーと対等でいられないカップルは必見の作品  である。                                  多田 直 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.250

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □チェブラーシカ   □焼け石に水   □キシュ島の物語   □モータル・トランスファー >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆チェブラーシカ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     yebypawka     ★★★★★     1969-74年/ロシア     監督:ロマン・カチャーノフ     原作:ウスペンスキー『チェブラーシカと仲間たち』     http://www.cheb.tv/  ロシアから連想するものって何だろう?大変失礼だがなんだか寒くて貧しいイ  メージやら、アメリカのスパイ映画の敵国やらでどうもマイナス要素が強くあり  ません?  しかーし!ロシアはかわいいもの大国でもあるのだ。何を隠そうマトリョーシカ  のコレクターでもあった私としては声を大にして言いたい。モスクワオリンピッ  クのキャラ、小熊のミーシャの大ファンでもあった私としては(歳がばれ  る・・・。)このロシアから来た人形アニメの可愛さを支持しない訳にはいかな  いのですよ。  こういうおとぼけで朴訥な可愛らしさを持ったキャラって絶対CGなんかじゃ創り  だせないんですよ。蝶が飛ぶシーンで釣り糸が見えたっていいじゃないですか。  それが手作りの味なんですよ。映画で子供達やチェブの仲間たちが遊ぶシーン、  こういう遊びをしてる子供がいまどきいますか?  連日超満員の宮崎アニメや、ディズニー映画も確かに良いけど、私が母親になっ  たら子供に見せたいのは絶対この映画だね。お金はなくても楽しい仲間がいれば  人生は素晴らしい、力を合わせればきっとできる!(ちと共産主義っぽい  が。)ってなことを教えるには最適だもん。  わにのゲーナの歌うミョーに哲学的な歌と、哀愁漂うアコーディオンの音色も相  俟って、その可愛らしさに涙までしてしまったのでした。HPは必見です!                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆焼け石に水☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Gouttes d'eau sur pierres brulantes     ★★★★☆     2000年/フランス     監督:フランソワ・オゾン     出演:ベルナール・ジロドー、アンナ・トムソン     http://www.eurospace.co.jp  町で声をかけられた中年男性と一夜を共にし、一緒に暮らし始めた青年フランツ  は、次第に彼に夢中になり始める。しかし、2人の甘い生活には倦怠感が漂い始  め、更に2人の前のお相手が現れたことから運命は悲劇へと向いはじめ・・・。  ゲイとかストレートとか関係なく、恋愛って思えば思うほどつらくなるのねー、  と妙に納得。それにしても"だれが食わせてやってるんだ#☆ぢメシ#みたいな台詞  を連発するレオには頭にきたね。こーゆー男に泣いてすがって生きるフランツの  姿がまたいじらしいんだ。これってコテコテ演歌の世界じゃん、ある意味。こう  いうの虐げられるのが好きな女って多いんだよ(この場合は男だけど)。  それにしても性転換した男性ベラを演じた女優のアンナ・トムソン(ややこしい  なあ。)の存在感はすごい。ラスト、レオを見据え涙ぐむ表情は『オール・アバ  ウト・マイ・マザー』のマリア・パレデス以来の顔力がある。このシーン、ぐっ  ときました。  それぞれが破滅に向うラストシーンは何気に『アメリカン・ビューティ』っぽい  なあと思ったのですが、そういえばこのレオの役、ハリウッドでリメイクするな  ら絶対ケビン・スペイシーにやってほしいなあ。相手はライアン・フィリップ  か、やっぱり。  原作は実際に舞台にもなっているらしいけど、映画自体も第1幕、という風に舞  台構成になっており、登場人物も4人だけの密室劇となっているという訳で舞台が  好きな方にもオススメ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆焼け石に水☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Gouttes d'eau sur pierres brulantes     2000年/フランス/90min/カラー     監督:フランソワ ・オゾン     出演:ベルナール・ジロドー、アナ・トンプソン、マリック・ジディ     http://www.eurospace.co.jp.     2000年ロベルリン国際映画祭テディ2000賞     7月21日よりユーロスペースにて公開中  アナとのデート中に誘われて中年男性レオポルドの部屋に行ったフランツ。彼は  レオポルドに魅せられ、そのまま同居してしまう。しかし次第に不協和音の様相  を呈していく2人。フランツとのよりを戻そうと訪れたアナ。そこへレオポルド  が出張より戻り、彼に捨てられ性転換をしたヴェラもやって来て・・・。  キューブリックの原案を踏襲した『A.I.』、R.W.ファズビンダーの未発表脚本を  映画化したこの作品・・嘗ての天才達の作品が世に出る機会が多いのは再映化と  共にいいネタのない事の象徴なのだろうか?ともあれ、この作品は『マリア・ブ  ラウンの結婚』『ファズビンダーのケレル』などの独特の作品を生み出したドイ  ツのR.W.ファズビンダーが19歳で書いた戯曲が原作だ。  彼の活躍した1970年代のドイツを舞台に4人の登場人物が部屋の中だけで繰り広げ  る舞台劇。第1章〜3章まではベッドの上の裸の人物とトレンチコートの人物、  類似した台詞が人間関係を表してシンクロする。そして4章で彼等の関係が一気  に変化する・・という緻密に計算された演出だ。原作にちゃんとオゾン風の味付  けがなされている。  それにしても人間とは愛に対してかくも無防備になるものか、と愕然とする。タ  イトルの『焼け石に水』は原題もそのままで、一度熱した愛は抑えがきかないと  でもいう事か。あるいはその逆も言えよう。人を愛そうとするとその事がまた他  人を傷つけてしまう、という愛の不条理さを見事に表現してくれた。  どんなに愛していても情熱は永遠ではない。誰をも虜にするレオはそこを承知  で、常に目新しい恋に溺れていく。しかしそれを受容出来ないフランツには悲劇  が待っている。怪しい魅力のベルナール・ジロドー、次第に女の子っぽくなるマ  リック・ジディ、女性を強調するようにほとんど裸体に近い出演シーンのリュ  ディヴィーヌ・サニエ、そして性転換の元男性アナ・トンプソンの一途な可愛ら  しさ・・とキャストも申し分ない。  キッチュな衣装と音楽、さりげない室内装飾。効果的に使われる鏡や窓の多用。  こうしたお膳立ての上に「より愛するものは、常に敗者になる」というキャッチ  コピーが心に刺さる。そう言えば近頃売れ筋の恋愛ハウツー本でも「愛しすぎた  ら負け」とアドバイスしていたっけ・・。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆キシュ島の物語☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Les Contres De Kish     1999年/イラン/72min/カラー/35mm     監督・脚本:ナセール・タグヴァイ『ギリシャ船』、     アボスファズル・ジャリリ『指輪』、モフセン・マフマルバフ『ドア』     http://www.bitters.co.jp/kish     8月4日(土)よりシネ・アミューズにて公開  『ギリシャ船』:海岸に漂着した段ボールを集めている夫。外国製品に恐れを感  じる妻は次第に精神を病んでしまい祈祷を受ける事に。回復して戻ってみると今  度は・・。『指輪』:貧しさで進学を諦めた青年は、海岸で孤独な作業の仕事を  得る。与えられた仕事以外にも魚を売るなどしてコツコツと金を貯め、妹の夫と  なる男に指輪を購入する。『ドア』:全財産のドアを売る為、砂漠を担いで歩く  男とその娘。途中郵便配達員や楽団と出会いながら、海岸でドアの販売交渉をす  るが・・。  1999年の東京国際映画祭で1度見た記憶がある。プレスシールを腕につけていた  筆者を見たナセール・タグヴァイ監督が熱心に語ってくれるも言葉が判らなくて  顔面蒼白になった覚えが強烈に刻まれている。しかし、言葉の壁があっても一生  懸命に何かを伝えようとしてくれたその時の温かな空気が心地良かった。そのせ  いか、今回改めて見たこのお伽話の中に彼等の気質が息づいているように感じら  れた。  『ギリシャ船』はSONY、AIWAなど馴染みのある段ボールがカラフルに浮かび(確  か、これらは集めた本物の段ボールではなく作り物だと言っていた気がする)祈  祷師のリズムとラストの空き缶のぶつかる音がシンクロされ、音と絵の美しさが  見事にマッチしている。科学の発達で怖いものの怖さが判らなくなっている現  代、本来の人間の素朴な心理を突いてくれる。  『指輪』では「海」がこの監督作品で初めて登場した。実際、出稼ぎに来ていた  青年が出演しているそうで、動きに無駄がない。また壁に貼ってある写真などか  ら「きっと置いてきた恋人との結婚資金を貯めているに違いない・・と思わせな  がら妹思いの兄の姿が浮かび上がるラスト。この辺の演出も秀逸。  そして『ドア』。娘のサミラも『ブラックボード』で黒板を担がせた人を登場さ  せていたっけ。番地を担いでいる限り手紙を届ける「公務員的」ポストマンは、  これを税務署に置きかえたらもっとブラックだったかも。頑固な仔山羊を連れた  娘が唯一笑みを浮かべるのは楽団との出会い。セレモニーを追って動く彼等の姿  が自由に映ったのかもしれない。        1話以外は最低限の台詞だけ。音が重要な登場人物だ。エンディングクレジット  も音を中心に各章の区切りをつけていたのが印象的。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆モータル・トランスファー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Mortel Transfer     2001年/122min/カラー     第9回フランス映画祭横浜     監督・脚本:ジャン=ジャック ・ベネックス     出演:ジャン=ユーグ・アングラード、エレーヌ・ドゥ・フロージュ  精神分析医のデュランは窃盗癖のある患者、オルガのアリバイ証明に虚偽の証言  をして彼女を救う。それが彼の悪夢の始まりとも知らずに・・。オルガの夫は政  界のフィクサーだが妻へは日常的な虐待をしていた。彼女からその告白を聞いて  いるうちにデュランはいつしか寝入ってしまう。が、目覚めた時、彼女は死体。  果たして彼が殺したのだろうか?  昨年の映画祭でこの作品に関しての記者会見が行われたものの、映画はほんの触  りだけで1年間も「続きを見たい!」という欲求不満にかられていた。漸くの全  編上映でわくわくしていたところ、上映前にちょっとだけ監督と話をする機会が  あった。監督にとって7年振りの新作。楽しみにしている旨を伝えたところ  「今、すご〜く緊張しているんだ、わかる?」と言って手を握ってきた。本当に  手が汗ばんでいる。  「どうして?フランスではとっくに公開して好評と聞いてます」とトンマな質  問。「でも日本のお客さんは初めてでどう反応してくれるかと思うと・・」「監  督のファンが沢山待っていて、チケットも完売だそうですよ」と又追い討ちをか  けてしまった私。「だからこの作品で嫌いになるかも・・」始めは冗談かと思っ  たら目は真剣。おお〜大御所にしてこの謙虚さ。ますますファンになってしまっ  たのは言うまでもありません。  さて、映画はコメディ、サスペンス、ロマネスク・・とジャンルに縛られない作  品にしたかったとの事で悪夢のシークエンスはデジタルにして1分間に400カット  以上も費やしたという緻密さ。映画という「夢」と主人公の「悪夢」の表現とし  てブルーを基調にした画面づくりをしたのも、色の持つ現実との距離感の為とい  う。  寝ている間に殺人に巻き込まれ、あらぬ疑いをかけられた末に精神分析医と思え  ぬ行動を余儀なくされる主人公。彼が真面目にもがく程、スクリーンのこちら側  は冷静に滑稽さを堪能出来るという残酷さ。そこへ一見無関係の路上生活者の存  在がクローズアップされ、やがて事件が解決されるが、このキーパーソンを演じ  るのはミキ・マノイロヴィチ。繊細はイメージのデュランと対をなしていてキャ  スティングも最高だ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.249

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:シュレック   □千と千尋の神隠し   □デュカネ ‐小さな潜水夫‐   □マレーナ   □こころの湯 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:シュレック☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     shrek     ★★★★☆     2001年/アメリカ     監督:アンドリュー・アンダーソン、ヴィクトリア・ジェンセン     声の出演:マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィ、          キャメロン・ディアズ     http://www.shrek.com     本年度カンヌ映画祭コンペ部門出品作品  格式高いカンヌ映画祭に出品され、高い評価を得た米ドリーム・ワークスのCGア  ニメ作品。  人里離れた山奥でひっそりと暮らす醜い怪物シュレック。だが、おとぎ話の登場  人物を村から追放しようとする王(声:ジョン・リスゴー)に、ドラゴンの城で  眠るフィオナ姫を救出すれば彼らを助けると言われ、友達になった喋るロバと  いっしょに旅に出るのだが。  と、あらすじだけ見ていると、またディズニー調のおとぎ話かあ。と敬遠してし  まいそうだが、さすが『アンツ』でディズニーの『バグズライフ』に破れたド  リーム・ワークスは転んでただでは起きなかった!  ストーリーのベースは変形の『美女と野獣』であるものの、途中ドンデン返しを  用意したりと予想を裏切る展開が続く。『ピノキオ』『白雪姫』などなどディズ  ニーが映画化したおとぎ話をあざ笑うかのようなキャラ使いも、童話をただその  まま映画化するディズニーに対して対抗意識ムンムンという感じで笑える。「こ  れぐらいヒネリがないともう受けないよ」と言いたげだ。  また、キャメロン・ディアズが声を務めるフィオナ姫がいかにも彼女そのまんま  の、美人だけど強くてお下品!といったキャラで、おとぎ話史上初ともいえる魅  力を持っている。『マトリックス』『チャーリーズ・エンジェル』を彷彿とさせ  るアクションも登場。  喋るろば、ドンキーの声を演じるのが喋る動物に悩まされっぱなしのエディ・  マーフィーなのも笑える。  それにしてもアメリカのこういう化け物系のキャラってどうして緑色なんだろ  う?キャラ的にも『グリンチ』や『マスク』に似てるし、実写にしてもイケそう  だ。  あくが強いアニメなので子供にはおすすめしないかも・・・。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆千と千尋の神隠し☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     2001/日本/125min     監督:宮崎駿木     声優:夏木マリ、柊留美、入野自由、内藤剛志、沢口靖子、菅原文太  残念。ヒットメーカーが映画をヒットさせようとして組み立てたストーリーとい  う気がしてならない。  子供と大人向けに気をつかいながら、つまり誰もが楽しめるようにしようと努力  をしているようだが、それがばればれ。  この映画からメッセージを読み取ろうとやっきになるのは無駄なこと。宮崎らし  くない、「考えない映画つくり」が行われたか、他人に任せすぎたせいではない  だろうか?  彼は昔からもっていたイメージを1作毎に実現していき、最後に「商業的には不  可能」と彼が考えていた『もののけ姫』までも映画化した。それが日本史に残る  程のヒットを放った。  頭にあったアイデアを片端から実現してしまい、「さて、これから何をつくろう  か」と考えたすえ、自分の好きな世界を再度映画にして遊ぼうとしたが、それが  これ。今となっては、空虚な抜け殻のようだ。  しかも、なんだか、「面白くしなくっちゃ」とか、「キャラクターに魅力をださ  ないと」とか、そんな感じでこてこてつくったような映画。水木しげるのような  日本の妖怪を、彼らしく新しく作ろうとしてみたものの、やけに中途半端で独自  性もなくおしまい。『となりのトトロ』の魅力はない。  たしかに、あのお城のような『油湯』は魅力あるし、宮崎らしい。でも、その魅  力的な建物が、いかされない。「カリオストロの城」ではあの城の細部を描写し  た。もっと細部まで見せるべきだった。  宮崎アニメの魅力と言われる『モブ・シーン』。『名探偵ホームズ』の警官達が  折り重なるようなシーンは油湯には見られなく残念。  『コナン走り』もあるが少々強引。『カリオストロの城』の「壁に張り付くシー  ン」のようでなつかしいが、それだけ。  『風の谷のナウシカ』のオームのような腐れ神、おくされ様。もう少しイメージ  ボードの時点で考えて欲しかった。アニメーションも塗り分けでしかないから、  幼稚な絵に終わる。  トトロを彷彿とさせるが、異質のおしら様。愛いらしいような、全く不気味な存  在で、ビール腹のおっさんとしか印象が残らない。  準主役のハクは魅力がない。顔立ちは無難な色男。  巨大な赤ん坊が魔法で変えられる坊ネズミは母をたずねて三千里のアメデオには  かなわない。仕草を強調するアップは不要だった。  釜爺は、ルパン三世キャラの1人、ロンバッハと言えば懐かしい。ただし、中途  半場に不気味だし、サングラスなんているかい?  カオナシの設定段階でのメッセージは全く伝わらない。頭(かしら)や、顔が湯  婆婆そっくりの湯バードは無駄なキャラクターで失敗。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆デュカネ ‐小さな潜水夫‐☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     DYKKERNE     ★★★☆☆     2000/デンマーク/94min     監督:オーケ・サンドグレン     出演:ロバート・ハンセン、ラルフ・ホラナー  黒海。港町。ボート。藁葺き屋根の家。夏休みで祖父の元へやってきた兄弟。兄  の初恋。トレジャー・ハンター。そしてドイツ軍の謎の実験とUボート。  いいですね、このイメージ。なんか手塚治虫か宮崎駿のアニメみたいです。  おおげさなシーンも少なく、「もしかして本当にあるかも?」といえる程度の、  奇跡。好感がもてる映画作りですね。  もちろんもっとファンタジー色をだした方がコアな客層にアピールできたのでは  ないかとも思えますが。  一方、完全にイメージをとらえ損ねた宣伝文句や、チラシ。完全にはずしていま  す。  信用できる情報から自分好みの映画を選択して映画館に足を運んでいる人じゃな  いと、なかなかこの映画を見に行こうとは思わないのではないでしょうか。あ、  私の場合、時間がちょうど都合よくって。  ちなみに、★3つなら、見てよかったと満足しているってことですから。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆マレーナ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★☆☆     2001年/イタリア・アメリカ     監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ     音楽:エンニオ・モリコーネ     出演:モニカ・ベルッチ、ジュゼッペ・スルファーロ  「ニュー・シネマ・パラダイス」、「海の上のピアニスト」などで人気のジュ  ゼッペ・トルナトーレ監督最新作。なるほど。とてもトルナトーレらしい作品で  ある。彼の作品はいつも温かく優しい感じがする。作風はもちろん異なるが、私  はなんとなく山田洋次監督作品からのフィーリングと似たような感じを受ける。  互いに温かく優しい。観客がいつでもホッとできるスペースを与えながらストー  リーが展開していくといった感じだろうか?今回の「マレーナ」も同様である。  レナート(ジュゼッペ・スルファーロ)がマレーナ(モニカ・ベルッチ)を初め  て見かけたのは初めて自転車を手に入れ、悪友の「マレーナを鑑賞する儀式」に  参加したときだった。その時彼女は白いフォーマルな服装であり、その万人離れ  した容姿にレナートはトロけた。マレーナが結婚2週間で夫を戦争に取られた深  い悲しみにあるとも知らずに。村の男共は皆マレーナを性の対象物として見、女  共は皆嫉妬のまなざしで見る。レナートも最初は性の対象としてしか見ていな  かったが、犯罪に近い(すでに犯罪か?)ストーカー行為によりマレーナの苦し  みを理解していくにつれ「マレーナはぼくが守る」と誓うことになる。第二次世  界大戦が始まり、夫を戦争に取られて収入のないマレーナは生きるために身体を  売る。この行為が周りの人々の感情にさわり、終戦後リンチされ、村を追い出さ  れる。その後戦死したと思われたマレーナの夫が片腕を失いながらも帰ってく  る...。その時、すでにマレーナの姿は村にはなかった。  一人の女性を愛することで大人に成長してゆく少年の物語。2000人の中からレ  ナート役を射止めたジュゼッペ・スルファーロ。彼は性的対象からあこがれへ、  そして愛へと難しい心境の変化を強い光を放つ目で好演している。マレーナを想  いながらひとりマスターベーションにふけり、マレーナの部屋をのぞき、下着を  盗み、長ズボンを履きたがっていた少年が、マレーナを愛し(もちろん憧れが強  いが)、教会でマレーナを守ると誓い、マレーナのためにマレーナの夫を助け  る。男なら誰しもが持つであろう「憧れ」の感情をそれだけで終わらさず、成長  させ自分も成長する。なんて痛快なんだ!  そして極めつけは最後のレナートの台詞。「マレーナさん、おしあわせに。」こ  の台詞がこの映画のすべてだと思った。マレーナとの決別、少年の日との決別。  実に清々しいラストシーンであった。  また無表情で歩くだけの演技で認められにくいかもしれないが、モニカ・ベルッ  チはその中で性の対象、嫉妬の対象として見られ、周りを意識しながらも視線を  合わせる勇気のない難しい心の動きを見事に演じている。もともと筆者はモニ  カ・ベルッチのファンなのでひいき目もあるかもしれないが...。リンチシーンは  特にすごい。「イタリアの宝石」といわれる女優にあそこまでやらせるか、と思  うくらいすごい。モニカ・ベルッチは今までの出演作もあまり表情豊かに演じる  ものが少なかったように思う。彼女のいろいろな演技を見てみたいものである。  ちょっと太った感じがしたモニカ・ベルッチ。ヴァンサン・カッセルとの生活が  余程幸せなのだろう。                                  多田 直 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆こころの湯☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     SHOWER     ★★★☆☆     1999/中国/92min     監督:チャン・ヤン     出演:チュウ・シュイ     2000年ロッテルダム国際映画祭観客賞、     1999年テサロニキ映画祭グランプリ&観客賞  観客賞を受賞する理由はよ〜く分かりますよ。仕事のストレスをスーと忘れてい  く感覚は映画の面白さとは異なる次元の効用でしょう。  アメリカでもこんな映画をもっと作って欲しいね。でも、銭湯のように人の集ま  るほのぼのした場所なんてあるのかな?  アジア的な文化『銭湯』。サウナとかスパとか、皆で水浴びする川辺など世界中  にありますが、でもやっぱりちょっと違う。そんな銭湯も風前の灯ですね。  東京は銭湯がまだまだたくさんあるけど、建替えてスパや健康ランドのように  なってきた。深夜番組でも消えつつある銭湯の特集を目にする。そう言えば私も  ここ1年、行っていないなぁ。  この映画の中ででてくるのは銭湯『清水池』。壁には『上善若水』の書がかか  り、白いタイルに水面の照り返しがゆらめく。マッサージ、アカすり、吸玉治  療、足治療とてんこもり。  ギャグに走るわけでもなし、大きな事件が起こる訳でもなし。都会で働く地方出  身者の私は、思わず自分の仕事のことを考え直してしまった。  あっ、私の★の数、少なめです。中国映画で4つ、5つと★を付けている作品が  いかに素晴らしいかという事です。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.248

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □羽音   □Gossip   □ドクター・ドリトル2   □A.I   □横浜フランス映画祭2001特集     クローゼット >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆羽音☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     haoto     2000/日本/64min     監督:早川竜二     出演:畑田晋治、外村道子、岩古悠子、田中栄     http://ha-o-to.hoops.ne.jp/  PLANET studyo plus oneにてレイトショー公開  7月30日〜8月12日 大阪のシネマテーク「PLANET studyo plus one」にて、イ  ブニング・レイトショー公開(2回上映)  この映画は大阪芸術大学の卒業制作で製作され、好評の為プラネット+1で公開が  決定いたしました。  絵を描く事が好きな高校生のツトム。人付き合いの苦手な性格から級友達から異  端視されている。  息子に近親姦的な溺愛を見せる母と何も話さない父、威圧的な態度の女家庭教  師。  彼は部屋に閉じこもると、自分だけの「妖精」に話し掛けるのだった。幼馴染み  の智砂はそんな彼が何となく気になるが、ある日ふとした事からツトムがスケッ  チブックに描きためていた「妖精」の絵を見てしまう。  そんな折、家でツトムは父の隠された秘密の一面を覗く事になる。ショックで虚  ろに「妖精」に話し掛けるツトムの姿を智砂は発見する。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ゴシップ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Gossip     2000年/スウェーデン/135min/カラー/35mm     製作・監督・脚本:コリン ・ナトリー     出演:ヘレーナ ・ベリストレム、マリーカ・ラガークランツ、レーナ・エンドレ     http://www.arcine-terran.com     7月28日(土)よりシャンテシネにて公開  『クリスチナ女王』のスクリーンテスト。カメラの前にはスウェーデンを代表す  る実力派女優達ばかり。だが、不倫に元夫婦、愛人関係にレズ、その上妊娠騒動  まで持ち上がって・・と芸能界の裏は計り知れない。そして主役の決定を告げる  電話がレベッカの誕生日を祝う彼女達の元へ鳴り響くが・・・。  出だしからなかなかの迫力だ。スクリーンテストの模様と同時に各女優の紹介と  性格までそこで集約してみせる。グレタ・ガルボの代表作をリメイクするという  大胆な発想も面白い。生涯独身で通し、伝説に包まれてその素顔を明かさなかっ  たガルボに対して主役9人の女優達の何とも姦しい事。そして彼女達に振り回され  る男達。  本人達はいたって真剣なのに第3者からは、これはまさしくコメディかもしれな  い。  女優としてのプライド、女としての嫉妬や疑惑・・プロ根性溢れる彼女達がふと  垣間みせる人間味ある表情。これらのコンビネーションをセットとプライベート  の境を時に曖昧にして、非常に巧妙に仕掛けられている。見ているこちら側も演  技と個人が徐々に曖昧になっていき、彼女達の誰かに知らないうちに自分を見い  出してしまう。そしてまた群集劇のようでありながら独立したストーリーを包含  している。  こうした様々な入れ子構造の上に、サングラスやミラーの多用などファッション  に対するこだわりも相当だ。特にサングラスの使い方はまさにお手本級。そして  24時間という括りの中で、わざと用いるタイムラグやカットバック。監督のお遊  びの極みは主役決定の電話。ガルボと同じにアメリカでの成功を夢見る女優達へ  の警鐘とも言えるかもしれない。  『太陽の誘い』で朴訥とした農夫を演じたロルフ・ラスゴードがここでも悩める  演出家。入り組んだ人間関係を浄化するように流される劇中劇の「オンブラ・マ  イ・フ」(米良美一の声!)や彼がラストで抱く赤ん坊。「ゴシップ」とは無縁  の世界を程よく配して緊張感をもたらしている。音楽もクラシック、再ブームの  ABBAからスウェーデンのロックまで耳に最後まで心地よい。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ドクター・ドリトル2☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Dr.Dolittle2     ★★★★☆     2001年/アメリカ     監督:スティーブ・カー     出演:エディー・マーフィ、ジェフリー・ジョーンズ  エディ・マーフィ主演の童話を原作としたほのぼの動物コメディ第2弾。  動物と話せることですっかり有名になり今や大活躍のドリトル先生。だが、彼の  16歳になる娘シャリーズは、動物中心の生活にうんざり。そんな折、森の動物  達からSOSが。森林伐採が進む森から逃げてきたのだ。森を守るには絶滅の危機に  ある熊の種族を増やすことが大前提だが、やっと見つけた2頭のクマはなかなか  上手くゆかず・・・。  前作にも増して、動物達の動きがリアルでビックリ。CGで口の部分を合成して  作っているらしいが、目の動きまで自然です。こういうの見ちゃうとハリウッ  ドってやっぱスゴイ・・・と思ってしまう。ここは一つ字幕だけに頼らず、じっ  くり口の動きと言葉のピッタリぶりを楽しんでもらいたいところ。  ただの動物ファンタジーにとどまらず、思春期の娘と父親の交流、自然破壊など  のテーマを盛りこんでいるのもポイントで、水族館や、ペット動物たちのストラ  イキや、犬たちのカウンセリングなどはいかにも現代風で大人も充分楽しめる。  現代風といえば、娘の携帯をドリトルが取り上げるシーンで『携帯なしでどう  やって生きてくのよ!』と叫ぶシーンには多いに共感・・・。  それにしてもティディベアなどぬいぐるみ人気度NO.1のクマだが、実物もこんな  に可愛らしいとは!私はとりわけ動物好きではないけど、それでも顔がほころん  でしまった。  映画ファンには嬉しいアノ名ゼリフが聞ける、特別ゲストの声の出演もポイント  高し。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆A.I☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Artificial Intelligence     ★★★★☆     2001年/アメリカ     監督:スティーブン・スピルバーグ     出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジュード・ロウ  A.Iって何ぞや?と思っていた方も多いのでは?が、親切な原題を見て納得。『人  工知能』という、そのまんまーの題名だったんですね。  木製の人形が人間になりたいと願う『ピノキオ』のストーリーとリンクしながら  話は進むのだが、都会へと向う車が通るトンネルや子供用のベットが、おなじみ  のクジラの口にどことなーく似ていたり、そのベッドの中の月の絵柄がドリー  ム・ワークのロゴとそっくりだったりと、そこかしこにこだわりが感じられた。  『ペイ・フォワード』ではやや鼻についたオスメント少年の演技も、特にロボッ  トとして家にやって来る前半などは、素直に上手い!と思える。食卓での笑いの  シーンは必見。  それにも増して、母親役のフランシス・オコナーの演技は見事。『シックス・セ  ンス』のトニ・コレット以上に複雑な心理を巧みに表現し、オスカーノミネート  確実なのでは。  最近シリアスな実話ものが多かったスピルバーグだがやはりこういう作品を彼に  は作って欲しい・・・。そう思わせる暖かさのある作品だが、ラストに彼特有の  くどさが残ってしまったのが残念。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆クローゼット☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Le Placard     2000年/84min/カラー     第9回フランス映画祭横浜     監督・脚本:フランシス ・ヴェベール     出演:ダニエル ・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー  フランソワはゴム会社の会計士。真面目一方の彼はある時自分がリストラされる  事を耳にする。悲嘆のあまり自殺を図るが隣家のベローヌに救われ、ゲイをカミ  ングアウトする事で解雇を免れる算段を教わる。最初は藁をも掴む思いでその計  画に乗った彼だが、今度は同僚や別れた家族の視線が気になる。そして・・・。  昔『クローゼット』という、昔の映画に隠された同性愛の表現を集めた映画が  あったけど、これはまさにそれを逆手にとった痛快ドラマ。フランス映画祭でも  『奇人たちの晩餐会』など良質のコメディを見せてくれていたフランシス ・ヴェ  ベール。今回こそは、彼の来日を期待していたのだがアメリカ滞在中にダウンで  中止に。がっかりでした。  さて、人間とは不思議なもの。いつもは何でもないと思っていた人物が一旦本性  を知ると、ついその概念の色眼鏡で眺めてしまう。特にそれが「ゲイ」となる  と、いくらゲイのカップルが承認されようが、エイズの正しい知識を持っていよ  うがあらゆる偏見のバリアを張ってしまうようだ。ここでもフランソワの普段の  仕種までが「それっぽく」思われて彼自身がそのままでも周囲が変わっていく。  似たような映画に『イン&アウト』があったが、根本的に何故主人公がゲイと思  われたかが曖昧だったのに対して、こちらは痛切な事情があるだけに余計ブラッ  クな笑いに成功している。小柄なオートゥイユが「鳩のような目付き」をすれ  ば、マッチョなドパルデューが次第に本物のゲイに目覚めていく!?個性派役者  の掛け合いも無駄がない。中でもコンドームキャップを冠ったフランソワのゲイ  クイーンは必見。距離を置いて静観している老いたゲイのミッシェル・オーモン  もいい味だ。  笑いの中にも社会事情や人間という生き物について考えさせてくれる、良質なコ  メディ。この夏アメリカでも公開が決定していて既にアート系シアターではポス  ターが貼られていた。日本でも早く公開の運びになって欲しいものだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.247

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □レクイエム・フォー・ドリーム   □白夜の時を越えて   □姉のいた夏、いない夏   □すべての美しい馬   □横浜フランス映画祭2001特集     ロベルト・ズッコ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆レクイエム・フォー・ドリーム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     REQUIEM 4 A DREAM     2000/アメリカ/104min     ★★★★☆     監督:ダーレン・アロノフスキー     出演:エレン・バースティン、ジャレッド・レト、        ジェニファー・コネリー  スタイリッシュ? パワフル? クレイジー? この映画を表現するには洗練さ  れたドラッグ・ノベルズを書ける人が必要だね。俺なんかじゃダメだ。言葉をあ  てはめるだけの才能があれば、新しい小説を生み出せるよ。それだけ新しい映  画。  ストーリーや映像が未知の物っていうことではないね。どちらかと言えば、冷静  に考えれば印象が薄い。だけど、なぜか全く異なった世界を堪能した気分にさせ  られる。  今までのドラッグ映画には恐怖を感じることはなかったね。ばからしい映像と、  トリップ中の幻が大げさな印象を残すだけ。  ところがこの映画は見ていて体がこわばってしまう。座り直したりするのを忘れ  るくらい。体が姿勢を変えたくても、恐怖から身動きできないカエル状態。  カメラの位置に注目して見ると、いかに監督が映像にこだわって撮影をしている  かが分かる。「死角がない映像」とでも言おうか、スクリーンに映し出される映  像のどこをとっても魅力を感じてしまうのが不思議だ。  チョコレート・マニアの母親の指先は、演技をこなしている女優の指先で、映画  に適度な冷気を演出した。しかしこの映画の内容では大きな賞はとれないだろう  けど、指先と髪型の変化に伴う表情の変容は必見。  タイロンが唯一存在感の薄い主演者となっているが、彼の行末にも注目したい。  ある意味、最も冷静な状態のまま地獄を味わう彼は、将来を考えるとき最も不幸  な一生を味わう素質が十分だ。肌の色は、まだまだ差別の対象になるという問題  もある。  変幻自在の映像にはとにかく感心する。監督の映像に対する取り組みは、多少大  げさなところがあるだろうが、映画を未来に導いてくれるかのようだ。  ドルビーの迫力で迫りくる冷蔵庫には目をそらすなよ! あの臨場感。冷蔵庫を  主役にして、「アタック・オブ・ザ・キラー・冷蔵庫」を撮影してもおもしろそ  う。  それにしても、全編通じてショックを持続できる映画も珍しい。いままでのド  ラッグムービーを退屈に感じていた人にもこの映画だけは納得できるはず。  こんなに胸糞悪くなる映画は、本当にR-15が適切。16歳以上は必見だけどね。  (歳をごまかしたらダメだよ)                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆白夜の時を越えて☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Fire Eater     1998年/フィンランド/100min/カラー&モノクロ/35mm     監督:ピルヨ ・ホンカサロ     出演:エリナ ・フルメ、ティーナ・ヴェックスレム、エレナ・レーベ     http://www.uplink.co.jp./     1998年ロサンゼルス国際映画祭グランプリ、     1998年ロカルノ国際映画祭特別賞     7月14日よりシアター・イメージフォーラムにて公開中  ヘルシンキの夜の酒場で一人の少女が歌い、父親の酒代を稼ごうとしている。み  かねたヘレナは彼女と歌うと、少女はどこまでもついてくる。ヘレナは回想す  る。彼女の双子の妹イレネとの生活・・祖母に育てられ、毋の迎えでサーカス団  入り。イレネの事故・・。そして今また廃屋となった嘗ての住処で彼女は少女に  火食いの芸を見せる・・。  薄暗い夜道、火の明るさだけが頼りの廃屋・・モノクロの画面は現在のヘレナの  心境。ややセピアっぽい色調の、だがカラーの思い出は彼女のイレネとの幸せで  もあり母親に疎外されていた孤独との屈折した子供時代を表して、叙情的な作品  に仕上がっている。  「男と寝ないと身体に悪いのよ!」と、たるんだ身体でなお男を呼び込む母親に  一度は捨てられた姉妹・・幼い2人を育てたレーニン信奉者の祖母の勝ち気な性  分が、その大人しく内気な中に燃えていたヘレナ。美しいがそれを武器に出来  ず、その派手さと裏腹に脆いイレネ。見た目とのギャップがそれぞれの人生を狂  わせていく。  「人間は才能ある人間とそれに仕える人間がある」・・イレネの空中ブランコの  陰に一人、火食い芸を練習するイレネ。こうした2人の人生に戦後直後のフィン  ランド、ハンガリーといった国々の事情がさり気なく交錯する。  フィンランド映画といえばカウリスマキのイメージが強い私には、女性的で詩情  緒溢れる作品に映った。私事ながら、今夏1晩だけヘルシンキを訪れた。夏は  9:30Pm過ぎても鳥目である筈の?カモメや鳩が町を旋空する程、夜は長く明る  い。ラストで少女を追う決意をした時、初めて彼女の中の季節が変わったに違い  ない。原題のFire Eaterは勿論彼女の十八番だがこの邦題はなかなか。繊細な音  楽も見逃せない。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆姉のいた夏、いない夏☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Invisible Circus     2000年/アメリカ/93min/カラー     監督・脚本:アダム ・ブルックス     出演:キャメロン・ディアス、J・ブリュースター、        クリストファー・エクルストン  両親と姉の幸福な暮らしは父の過労死後、画家志望で自由な考えの持ち主だった  彼の影響を受けた姉のヨーロッパでの客死で一変。姉を慕う妹は数年後、彼女の  自殺の真相を探りに姉の足跡を辿る。今はパリに住む姉の元恋人と共に最期の現  場で彼女が知った真実とは・・。  こんな奇麗なお姉さんだったら妹はシスコンになるだろうな〜とつくずく思う映  画。ラストで流す子供時代のストップモーションは、かくれんぼしてる姉妹が、  父の呼び掛けに思わず立ち上がる妹とそれを止める姉。ある意味従順な妹と、意  思を貫く姉の性格と彼女達の将来が伺えるシーンだ。  さて、原題は姉のヒッピー仲間の芸人達と、彼女を愛した妹や恋人にだけ見える  彼女の幻影。そして彼女が目指した自由な世界獲得の為の活動の儚さと脆さ。邦  題との落差を何とかして欲しいものです。姉妹があまりに似ていないのも、こぎ  れいすぎるキャメロン・ディアスのヒッピーも、荷物の割に着替えが多いような  ブリュースターにも目をつむるから何とかして・・という感じでした。  大いなる野望を抱いて旅立った姉の死因を探る妹、というプロット自体はサスペ  ンスフルなのだが恋人以外に一人位は彼女を知る人がいても良さそうなものなの  に、最初から最後まで恋人「しか」真相を知らないというのも現実味もなく、芸  がない気がした。  出演者は過激派のリーダーにモーリッツ・ブライプトロイ、姉の恋人にクリスト  ファー・エクルストン、その妻にイザベル・パスコ等各国の曲者が顔を揃えてい  る。特に筆者の個人的なお気に入り、クリストファー・エクルストンはどう見て  も『デス&コンパス』当時の様なロンゲで登場、彼女の最期の地点を目指すうち  に段々と憔悴していく樣は完璧でした。  それにしても彼、声といい、発音といい、横顔といい、どこかレイフ・ファイン  ズに似てる気がするのはレイフ贔屓の筆者の目の錯覚でしょうか?                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆すべての美しい馬☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ALL THE PRETTY HORSES     ★★★☆☆     2000/アメリカ/116min     監督:ビリー・ボブ・ソーントン     出演:マット・デイモン、ヘンリー・トーマス、ペネロペ・クルス     http://www.spe.co.jp/movie/alltheprettyhorses/  最近ほとんどの映画には宣伝用のホームページが作られているが、この映画のサ  イトは非常にお勧め。こざっぱりしていて、欲しい情報は網羅。  監督と主演俳優にかたよることなく、スタッフに関する情報もあり、予告編も流  れる。  この映画、物語はそれほどお勧めではないが、スタッフの力量がすばらしい。  まず、ジーンズだ。トーマスは10cmのロールアップではいている。デイモンと  トーマスが並んで腰掛けているシーンでは、そのブルーが眩しい。これ、じつは  1949年当時の本物のリーバイスだそう。高そうだね。  衣裳デザイナーのダグ・ホールは本物のよさを知っている男と言えよう。『アメ  リカン・ヒストリーX』、『NYPD15分署』など他の作品ではピンとこないけど。  撮影監督はバリー・マルコヴィッツ。西部の雄大な風景と、自然の色合いをクリ  アーに撮影している。砂埃でくすんでいそうな擽地の緑があれほど色あざやかに  写しこまれるとは。  太陽の光り、雲の形と、自然相手によくぞ戦ったというシーンが前半に多々見ら  れる。  一方編集では、馬を馴らすシーンを大袈裟にカット割りしすぎて残念。最大の見  せ場なのに、役者達が実際にはできない事をスタントマンがやっているから、ご  まかすしかないのだね。主演の2人は乗馬の練習をかさねたらしいが、やはり怪  我が恐いからね。  ちょっとオーバーなストーリーで興醒めしてしまう箇所があるが、なんとか楽し  める。ペネロペははまり役でかわいい。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ロベルト・ズッコ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Roberto Succo     2001年/124min/カラー     第9回フランス映画祭横浜     監督:セドリック・カーン     出演:ステファノ ・カセッティ、イジルド・ベスコ、        パトリック・デリゾラ  16歳のレアはヴァカンスで出会った青年、カートとデートを重ねるが時々彼は  「仕事」で遠出をするようだ。彼はある時は優しく、しかし次の瞬間レアを拒絶  したりする。そんな彼との交際に疲れた彼女は高校の新学期と共に彼に別れを告  げる。その頃、彼が「仕事」で不在の時に重なるように不可解な連続殺人事件が  発生していたのだが・・・。  ゲストは監督と製作、主役の2人で計5人。『倦怠』の記憶も新しい監督はなか  なかのハンサム。主演のS・カセッティはズッコと同じイタリア人で、パリを旅行  中スカウトされたという期待の新人。I・ベスコはアニエスb映画祭で上映された  『少女』の頃を比べるとかなり大人っぽく肉体的にも貫禄が付いた感じ。  さて、この人物、フランスを震撼させた「実在」の殺人鬼という事でつくりもの  でないだけにかなりのインパクトがあった。更に単なる「実話物」に留まらず、  犯人の軌跡を淡々となぞっていく点で背後に監督の冷めた視線を感じる。監督は  「犯罪の動機を見つける事の難しさ」をテーマにしたというだけあって、現在多  発している同様の事件の原型を見ているようだ。  もっともズッコの場合「強いて言えば両親を殺した最初の犯罪にだけは、動機を  認められる。また精神病という説明も不十分ではあるが、女性に認められたいの  に認められないと思った時に殺人を犯すのではないか」と監督自身、分析してい  る。  それにしても、単なるツーリストであったカセッティをスカウトした人は凄い目  利きだ。理由も一貫性もなく突発的に殺人を犯すズッコに成り切るには「1テイ  ク毎に心理をつくっていった」と言うが、ズッコが切れまくっている時の瞳孔の  開いたような異常な目や、レアと性的に充実出来ないまま次第に焦躁感が高まっ  ていく樣は演技とは思えない迫力だった。あまりにインパクトの強い役が最初に  くると往々にして似たような役がまわってくるようだが、次回は少し力を抜いて  性格俳優として活躍していって欲しいと思う。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.246

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □A.I.   □テイラー・オブ・パナマ   □ガリバント   □ハリウッド映画新作情報:トゥーム・レイダー   □横浜フランス映画祭2001特集     将校たちの部屋 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆A.I.☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Artificial Intelligence     2001/アメリカ/145min     監督:スティーブン・スピルバーグ     出演:ハーレイ・J・オスメント、ジュウード・ロウ =2回連載 「A.I.とSF、A.I.と演技」 第2回=  演技のことにふれよう。まず、フランシス・オコナー(母役)の神経質な演技は  必見。額の血管むき出しの演技はドレスアップした時の姿と対称的で、都会に住  む洗練された女性の家庭での顔が理想的(?)に表現されるとともに、子供に対  する複雑な感情が適確に演じられている。  ジュード・ロウはついにアイドル系俳優のトップの座についたかのような印象。  『ファイナル・カット』のような一風変わった映画にも出演している彼はこの映  画の前から最高の美男俳優だったが、アクの強い役柄を彼独特の表情で脚本の  ニュアンス通りに演じているようだ。  H・J・オスメントはもう一人の子役ジェクイ・トーマスと火花を散らしている。  主役でありながら、各場面では同じフレームにおさまる共演者に印象を譲り、イ  ノセンスな役柄を無難に演じている。不満は残るが、彼の歳でハリウッドの求め  る演技(決して誉め言葉ではない)ができるのはすごい。  インテリアに注目したい。雑貨好きなあなたにはいくつか見かけたような商品が  あるだろうし、インテリアの参考までとはいかないが、コーディネートや色づか  いには参考になる点があるのでは?  コーヒーを入れている調味料入れのビンはその中でも必見のアイテム。子供部屋  の椅子は面白い形で印象に残る。コンラン・ショップにおいてありそうなガラス  類から、プラスチック雑貨まで、ハリウッド・スタッフのすごさはこんなところ  にも表れる。未来の家というより数年先の印象で、物語を身近な印象に変えてい  る。  BGMや効果音がくどいほどに鳴り響くように感じたが、セリフのないような映画を  見ている人にとっては、ハリウッドの効果音が常に耳さわりに感じているだろう  から、強調するほどでもないかな。  熊のぬいぐるみ『テディー』の声が低音で、「なぜ子供のおもちゃがそんな  声?」と、ちょっと不思議。  数台目にできる未来の車はこんな車になるのだろうか? むき出しの後輪は危険で  は?  話題はつきないが、大作娯楽映画としての魅力は満載で、スピルバーグの今まで  の作品の明らかなるオマージュ(パロディー・シーン)は嬉しいかぎり。月の  シーンや観覧車の倒壊にいたっては、誰もが知っているあの映画です。                                    立野 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆テイラー・オブ・パナマ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Tailor of PANAMA     ★★★☆☆     2001/アメリカ/109min     監督:ジョン・ブアマン     出演:ピアース・ブロスナン、ジェフリー・ラッシュ、        ジェイミー・リー・カーチス  J・カーチスは「トゥルー・ライズ」での役どころに近いちょっと天然ボケな奥様  役、はまっています。  P・ブロスナンは『007』シリーズの役柄を手玉にとった今回の演技で、俳優とし  て抜群なジョークのセンスを感じます。この役柄のオファーを受けた時点で映画  の成功は決まっていたかのよう。(成功したの?私の中ではね!)  J・ラッシュはさすが! 上手い演技に目を見張る。彼の汗って、臭いそう。本  物?  でも映画はちょっと楽しめる程度。中途半端ではあるが、適度に練り固められた  ストーリーは楽しい。つまり原作のよさが映画をひっぱっただけ。スパイ小説の  定番、ジョン・ル・カレの力に頼りすぎ。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ガリバント☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     GALLIVANT     ★★☆☆☆     1996/イギリス/100min     監督:アンドリュー・コッティング  グレート・ブリテイン島一周6,000マイルをキャンピングカーで祖母と障害をもっ  た娘と共に旅をする。父親であり息子である1人の男が、感じるままに回し続け  たフィルム。その結末は何らかの意味をもつのだろうか?  ロードムービー(移動しながら、その行く先々で起こるハプニングやエピソード  を連ねた映画)としての面白さは感じない。ちょっとした旅行記程度で、100分間  我々を引き付け続けるだけの変化がなく、淡々と移動している印象。NYKテレビの  外国語会話にでてくる海外でのインタビューの雰囲気に似ていると言えば、その  雰囲気が分かってもらえるだろうか?  たしかに眠気は起こらなかった。でも登場人物が滑稽なわけでもなかった。魅力  的でもなかった。唯一、初老の2人がハーモニカを取り出して歌うシーンがあ  る。ポケットから取り出すと、最高のセッションが始まる。もし旅で出会ったな  ら、涙がでそうなシーンだよね。  嫌いな映画ではない。それはUKが私にとって魅力的な土地だからだろう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ハリウッド映画新作情報:トゥーム・レイダー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Lara Croft:Tomb Raider     ★★★☆☆     2001年/アメリカ(日本今秋公開予定)     監督:サイモン・ウェスト     出演:アンジェリーナ・ジョリー、アイアン・グレン     http://tombraider.eigafan.com  1996年に全米で発売されるや、爆発的な人気で現在part5まで製作されてい  るコンピュータ・ゲームの映画化。ヒロイン、ララ・クロフトはそのセクシーか  つ知的な魅力でTIME誌ほか各誌で話題となり社会現象となるほど。  ストーリーは、主人公ララが行方不明の父親の残した鍵と地図を基に敵と戦いな  がらも冒険を続けるという、いかにもコンピュータゲーム的な内容で、ちと単純  すぎる気もする。  主演のジョリーはもちろん『シャイン』の少年期を演じたノア・テイラーや、ア  ンジェリーナ・パパのジョン・ボイドはじめ、脇役も演技派がそろっているだけ  にそれを活かしきれないのがなんとももったいない。  鍵や遺跡といったアイテムも『フィフス・エレメント』や『スター・ゲイト』な  どを思い出させ新鮮味に欠ける。  しかし、なんといっても魅力的なのはララ・クロフトを演じるアンジェリーナ・  ジョリーだろう。ホット・パンツにコンバット.ブーツを履き、一束にまとめた  三つ編みヘアをなびかせて飛びまわる姿はまさに現実離れした凛々しさで、ゲー  ムキャラそのまんま。モデル出身の抜群のプロポーションが生きる。  また、敵との格闘シーンも、ゲームさながらに1人1人を確実にノックダウンとい  う感じでいかにも原作?を忠実に再現したという感じ。ゲーム好きにはたまらな  いだろう。  カンボジアやアイスランドでのロケも現実離れしたファンタジックな魅力作りに  一役買っている。 とりあえず、続編に期待。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆将校たちの部屋☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     La Chambre Des Officiers     2001年/フランス(フランス公開2001年9月26日予定)     監督:フランソワ・デュペロン     出演:エリック・カラヴァカ、サビーヌ・アゼマ、ドゥニ・ポダリデス     2001年度カンヌ映画祭(コンペティション)部門正式出品作品  ドキュメンタリー監督として高い評価を得た、フランソワ・デュペロン。'88年に  『夜のめぐり会い』で注目され、『これが人生?』(第7回フランス映画祭横浜  '99で本領発揮。本作品でカンヌ映画祭(コンペティション)部門で絶賛された。  フランスでも劇場未公開で、上映はカンヌに続きこの日で2回目という貴重な映画  だった。主人公のアドリアンには『これが人生?』でセザール賞有望若手男優賞  を受賞したエリック・カラヴァカ。傷を負ったアドリアンを労り、励ます看護婦  に『恋するシャンソン』、『ブッシュ・ド・ノエル』のサビーヌ・アゼマ。陸軍  病院で同室の将校の1 人アンリには、6/24上映『モータル・トランスファー』  他、フランス映画祭横浜での上映作品に常連出演のドゥニ・ポダリデス。  第一次世界大戦。偵察中にドイツ軍の砲撃を浴びた若きフランス軍将校アドリア  ンは、顎から鼻の下までと舌を裂傷し、口蓋も失った。傷が癒えるまでの間を陸  軍病院の病室で過ごす事となり、深い傷を負った同室の兵士たちとの友情と、世  話をしてくれる看護婦の労りや励ましに支えられて不安を乗り越えていく姿を描  いている。  映画は勲章をもらうシーンから始まり、主人公の顔にぎょっとさせられた。  歯もなく、口もきけず、顔中包帯だらけの彼がチューブで飲み物を飲ませられる  シーンが痛痛しかった。そんなアドリアンに対して、「また前線に戻る気は?」  とか「いきているうちに勲章をやろう。」と言う大臣や軍人が無神経に感じられ  たが、戦争とはこういうものかもしれないと思った。軍医からは死んだ乳児の骨  を移植すると言われ、絶句した。戦時中とはいえ、こう言われて素直に喜べる人  が何人いるのだろう。  病院に鏡は置かず、自分の顔を見たがる患者に見せない。次々運ばれる負傷兵た  ちは皆傷だらけの顔をしており、同じ体験者でなければわからない苦しみや悲し  みを理解し慰め合える仲間がいたのはせめてもの救いだと思う。  こういう場合、一般的な美的感覚では美しくないと思われる部分は隠して見せな  い映画の方が多いと思うが、この映画では負傷兵が包帯をとった顔を観客に見せ  てしまう。そうする事によって、「死ねばよかった。」「本当に話せるようにな  るのか?」という失意や疑問、面会時や退院後に家族に会うまでの心の葛藤、再  会を願っていた女性を目の前にしながらの気後れ等、心理描写によりリアリ  ティーを感じさせている。  顔の傷は手術で直せても、心の傷までは。。。戦場に行く前に出会った人妻クレ  マンス。彼女はホームで主人と別れを惜しんでいた。彼女とひとときを過ごす  シーンで、アドリアンの顔を見なくてもすむように目隠しをしてあげるような気  づかいをする程の彼だったから、相当傷ついているに違いない。やっと外出が許  されて仲間から誘われて行った娼婦の館でも、目を閉じた娼婦の唇を指で何度も  優しく撫でるシーンでは、もう、以前の体ではなくなってしまった事とクレマン  スとの美しい思い出を暗示しているかのようだった。  ラストシーンで、偶然街で出会った女性の言葉はこの5年間ずっと彼が自問自答  し、一番聞きたかった言葉だったと思う。 心の傷が癒される、希望を託したラ  ストシーンに涙がこぼれた。                                      岩田 和子  この映画の上映前に、フランス代表団の舞台挨拶がありました。 <『将校たちの部屋』のデュペロン監督の挨拶>  「フランスでの劇場公開は9月末です。まだ、未公開なので、実は今日が上映2回  目です。そのため、皆さんの反応をとても楽しみにしています。実はこの作品は  若いフランスの小説家の本を原作にしています。自分に良い効果をもたらしてく  れた本で、本を読んだ時に感じた事を伝えられたらと思います。」 <主演俳優エリック・カラヴァカの挨拶>  「今日、ここにこられて幸せです。2年前(第7回フランス映画祭横浜'99)にもこ  こに来ました。」      映画上映後の質問コーナーで、 ・Q「どのシーンがお好きですか?」 A 監督「地下鉄のシーンが好きです。」 ・Q「どのキャラクターも皆良いですが、原作との相違点をお願いします。」 A 監督「小説のストーリーの方はこの後、第二次世界大戦に参戦し、戦争で負傷し   た人達を助ける教会を創設しますが、新しい事は何もありませんので、映画では   省いています。」 ・Q「日本では、病気ですがハンセン病で死んだり、やはり目や手などを失った人の   裁判の判決がでています。監督がおっしゃりたかったのは戦争反対か、それと   も、別の事でしょうか」  A 監督「仰るとおり、戦争についての映画ではありません。顔の傷ですが、顔でな   くても良いし、キズではなくハンセン病でも良いのです。深い魂のところで傷付   いている、その傷でもよいのです。 ・Q「撮影監督が日本人だと聞いたのですが」 A 監督「そのとおりです。撮影監督は『フランスで0からやり直したい』と15年に   来たテツオ・ナガタは助手からやり直して撮影監督になりました。コマーシャ   ルフィルムを撮っていた彼は、映像の工夫を沢山していて気に入っています。 ・Q エリック「この映画は4〜5年の話ですが、撮影はどのくらいかかって、メイキャッ   プはどれぐらいかかりましたか?」 A監督「撮影は2ヶ月半(メイクあり、なし)です。撮影に入る前にメイクを何時間   かかけてしている間に気持ちを集中していき、その人物に成り切る時間となりま   した。」    プロデューサー代理「最後にプロデューサーとして言わせて下さい。デュペロン  監督と一緒に仕事ができて幸せだった。次回作もうちでやります。」 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   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ScreenKiss Vol.245

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □横浜フランス映画祭2001特集     ナイトシフト     クレーヴの奥方     バルニーと彼のちょっとした心配事     王は踊る   □A.I. >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ナイトシフト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     2001年/カラー/95分     監督/フィリップ・ル・ゲイ     キャスト/ジェラルド・ラロッシュ、マルク・バルベ  ガラス瓶工場で働くピエール(ジェラルド・ラロッシュ)は昼勤から夜勤へシフ  トを移すことにした。それによりピエールは想像もしないほどの人間関係(映画  祭のパンフレットでは「いびり」「嫌がらせ」と表現されている)に悩むことに  なる。  その時彼の妻はカンヌへ仕事で長期出張、一人息子も学校での人間関係に悩んで  いた。。逆境の中で彼らは...。テーマは「家族愛」。どんな人も等しく人間関係  の悩みを抱えている。大人は大人の世界で、子供は子供の世界で、誰もが同じよ  うな経験をしている。そのためか非常にわかりやすい作品であった。人間関係の  問題を解決するには自分の人間関係に頼るしかない。その主たるものが「家族」  なのである。  フレッド(マルク・バルベ)はピエールに「いじめ」行為を繰り返していた。被  害者ピエールは妻子もありマイホームも建設中の苦労はあるものの幸福な生活を  送っていた。一方加害者のフレッドは妻に逃げられ荒んでいた。最初は新人いび  りだったかもしれない。その後は幸福な男への嫉妬心からのものであったのだろ  う。だからといってフレッドに同情する気にはならなかったが...。その後は行為  がドンドンとエスカレートし、息子の前で辱めることが増えていく。見ていても  堪らないシーンの連続である。  しかしこれを「一方的にいじめられている」と感じなかったのは、ピエールが  ちゃんと自己主張し、反撃していたからだろう。親としてのプライド、男として  のプライドも十分感じられた。これがなければ単なる情けない親父を描いたいじ  め映画で終わってしまう。ピエールはこの逆境にプライドを保ち単身挑み、悩ん  だときは妻に告白し協力を得て、また息子を守り...。これが「家族愛」である。  どこか弱々しさを感じるが芯の通ったピエール、楽しみでいじめるのではなくイ  ライラを隠し切れず嫌がらせをしてしまうフレッド。この精神描写の難しい役を  ジェラルド・ラロッシュ、マルク・バルベは見事に演じている。  妻がカンヌに出発する直前にピエールが「実はフレッドが...」と言いかけた言葉  を、1ヶ月後カンヌから戻って来た彼女がしっかり覚えていたことには、もう拍手  を送りたい気分だった。これが「愛」である。いつでも私の味方であった両親を  思い出し、結婚し家庭が形になりつつある今、私も同様に愛情とプライドを持ち  続けたいと思わせてくれた作品であった。  蛇足ではあるが「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を見たときにも感じたが、工場  で大きな機械を回しているときに登場人物が他のことに気を取られているシーン  には、次の瞬間には機械に巻き込まれて大ケガをするのではなかろうかと緊張し  てしまう。こういうシーンを下手なホラー映画よりもずっと怖いと思うのは私だ  けだろうか?どうも苦手である。                                  多田 直 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆クレーヴの奥方☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     1999年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞     ポルトガル=フランス=スペイン合作     監督・脚本・脚色:マノエル・ド・オリヴェイラ     原作:ラファイエット婦人「クレーヴの奥方」     出演:キアラ・マストロヤンニ、アントワーヌ・シャベー、        ペドロ・アブルニョーザ  「キアラが素敵っ!」とつくづく感じた作品。「プリティ・ウーマン」のジュリ  ア・ロバーツのように豊かな表情が眩しいシーンがなく育ちの良い淑女のクール  な表情が殆どであるが、そのために逆にペドロ・アブルニョーザの公演シーンで  心から喜びを表現した表情に、キアラ・マストロヤンニの美しさを強烈に感じる  ことができた。  キアラ・マストロヤンニはかのマルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ド  ヌーブの実娘。父マルチェロに非常に似てきた気がする。監督はポルトガル出  身、現在92歳のマノエル・ド・オリヴェイラ。近年では淀川長治も絶賛していた  「アブラハム渓谷」が印象深い。  クレーヴ伯(アントワーヌ・シャベー)は宝石店で見かけた黒髪の美しいカト  リーヌ(キアラ・マストロヤンニ)に恋をし愛し、カトリーヌはクレーヴ伯に尊  敬の念を感じて結婚する。兼ねてからカトリーヌに想いをよせているフランソワ  (スタニスラス・メラール)は途中物語のキーマンになるものの、存在感は非常  に薄い。  結婚後、夜会に招かれる。その時のゲストが人気ロック歌手のペドロ・アブル  ニョーザ(本名同じ)。ペドロとカトリーヌはお互いに愛を感じる。カトリーヌ  は夫に対して情や尊敬の念以上のものを抱けず、彼の愛に応えられないことに苦  しみ、夫クレーヴ伯は妻の愛を得られないこと、妻が愛をささげる者への嫉妬に  苦しみ、ロック歌手のペドロはそこにあるカトリーヌの愛を手に入れられないこ  とに苦しむ。アブルニョーザが公演からパリに戻ると、カトリーヌの姿はもうど  こにもなかった...。  この作品は原作とは異なり、現代を舞台に描いている。つまりカトリーヌは現代  では非常に古風な印象を受ける。それは恋愛に対しても結婚に対してもだ。ペド  ロへの愛を感じているカトリーヌは自分を抑え夫への貞節を守り続ける。意志の  強さは尋常ではない。彼女を支えているの何なのか?母の死か?クレーヴ伯の死  か?今日の恋愛に自由奔放な社会では想像しにくい硬い性格であるが、逆にそれ  が妙に新鮮に感じる。  シーンとシーンの間にシーンをつなぐテロップが入るのが少々気になる。しかし  映像は全編を通じて非常に品が良く芸術的である。冒頭にも述べたが、特にキア  ラ・マストロヤンニが非常に美しく描かれていてため息が出てしまいそうな作品  だった。                                  多田 直 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆バルニーと彼のちょっとした心配事☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Barnie et ses petites contrarietes     2000年/フランス     監督:ブリュノ・シッシュ     出演:ファブリス・ルキーニ、マリー・ジラン、ナタリー・バイ  フランスからロンドンへ長距離通勤しているバルニー。彼には美しく聡明な妻  と、若く奔放な愛人に加え、ゲイの美青年マークというお相手までいる。ところ  が3人が彼の誕生日に同じプランを立てたことから、4人の関係は修羅場へ発展  し・・・。  とにかくキャストが魅力。バルニー役のルキーニのトボケた表情や、奥様役のナ  タリー・バイの年齢を全く感じさせない聡明な可愛らしさ、お色気抜群のマリー%  ジランに加え、『フルモンティ』のヒューゴ・スピアーがゲイの青年役で登場す  るなど、まさにそれぞれがハマリ役を演じているので説得力がある。  浮気相手と本命が鉢合わせしてドタバタ騒動が起きるという展開はコメディとし  てはありがちだが、薔薇の肥料のエピソードや、愛人女性の男性遍歴の話など、  細かいネタがかなり笑えるので古臭い感じがしない。  フランス映画の特徴とも言える小難しさが全く無く、ある意味誰でも素直に楽し  める作品だ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆王は踊る☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Le Roi Danse     2000年/フランス・ベルギー・ドイツ合作(フランス公開2000年12月6日)     監督:ジェラール・コルビオ<ベルギー>     出演:ブノワ・マジメル、ボリス・テラル、チェッキー・カリョ     2000年度セザール賞3部門(衣装・音響・新人男優賞)ノミネート作品  監督は、『仮面の中のアリア』でカンヌ映画祭に正式出品されるとともにアカデ  ミー賞外国映画賞にノミネートされ、『カスラート』で、再度アカデミー賞外国  語映画賞にノミネートされた名匠ジェラール・コルビオ。ルイ14世を演じるのは   『年下の人』で共演したジュリエット・ビノシュをも虜にし、今年のカンヌ映画  祭ではミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』(日本ヘラルド配給権獲得)で最優  秀男優勝に輝いた若手美形男優のブノワ・マジメル。死ぬまで王を愛し続けた宮  廷音楽家にして舞踏家、リュリを演じるのは舞台で活躍後、映画デビューし、本  作のリュリ役でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされた新鋭、ボリス・テ  ラル。振付はバロック・ダンスの踊り手で、「フェッ ギャラント」の創始者ベ  アトリス・マサン。  5歳でフランスの国王となったルイ14世の政治の実権は母と愛人に握られていた。  幼い頃から音楽とダンスの才能に恵まれていたルイにとって、人々から崇拝され  るにはダンスは恰好の手段だった。イタリアから来た音楽家リュリは、ルイを輝  かせるために、約3000曲の作曲をし、バロックダンスを振付ける。やがて22歳に  なった王は「太陽王」として君臨するため新政を敷いて自らが政治の全権を握る  事を宣言する・・・。  宮廷での権力争いと、「王の寵愛」をめぐっての芸術家たちの様々な人間模様が  描かれ、見ごたえのあるドラマとなっている。  いかに王の寵愛を受けるかに苦心し、自分への寵愛が冷めぬように画策する音楽  家であり、舞踏家でもあるリュリ。そこには王への愛(=自分への愛でもある)  と、常に自分は王とともにあるのだという強烈な自負心を感じる。  本当は自分の出世のためには何でもやるとてもいやらしい人間なのに、憎めない  感じさえするのは「寵愛」のうつろいやすさと、リュリにひたむきさを感じさせ  るボリスの魅力かも。    演奏中に過って自分の足の甲に指揮棒を刺してしまった(この頃は長い指揮棒を  床に垂直に持ち、床に打ち付けて拍子をとっていた)リュリが、足の切断を断る  セリフからも、王に寵愛された事をいかに誇りに思っていたかがうかがわれる。  17世紀バロック・ダンスの舞踏譜のステップに忠実に振付けられたバロック・ダ  ンスや、リュリとモリエールが演じた、当時の舞台の再現や、スランス流のオペ  ラ、ベルサイユ宮殿での撮影など、必見の映画。    ----7/20より、渋谷のシネマライズで上映決定  映画上映前に監督と主演のブノワ・マジメル、ボリス・テラルの3人の舞台挨拶   がありました。その時にボリス・テラルだけは日本語であいさつをし、彼は日本  が好きで黒澤監督の『デウス・ウザーラ』を見ていると言う事でした。    映画上映後の質問コーナーで、  ・Q「『年下の人』の時よりもやせた気がしますが、ダイエットされましたか?」 A ブノワ「役によって、プラスマイナス10キログラム位変わります」  ・Q「ダンスシーンがすばらしかったのですが、2人共吹き替えなしですか?」 A ブノワ「ダンスの練習期間が3ヵ月しかもらえなかったので、一部吹き替え        ているシーンもあります。」(ボリスも同じく)  ・Q「王と宮廷音楽家というと、ヴィスコンティの『ルードウィッヒ−神々の黄    昏』がありますが、相違点はどういうところでしょうか?」 A 監督「ヴィスコンティの名前が出てうれしい。私もファンです。ルードウ      ィッヒ2世の場合はワグナーに利用されてしまいましたが、ルイ14世の場合    は主導権を握っていたのはルイ14世で、権力を得るために凡てを利用した    事です。」     この後、別会場で恒例の監督とスターのサイン会が行われました。  フランス映画祭の良い点は、各映画の上映後に必ずその映画の監督・俳優たち  のサイン会がある事です。並んだ人全員にサインしてもらえます。(とは言っ    てもあまりに多数の場合は列の途中で並ぶのを打切られますので、お速めに。)  会場ではフランス映画祭のパンフレットしか販売していないため、大半の人は  見た映画の紹介ページにサインをしてもらうか、映画のチラシにサインをして  もらっていました。サインをしてもらう時に自分の名前を英語(ローマ字)で  書いた紙を見せれば、TO XXX と、貴方宛のサインもしてもらえます。      コルビオ監督はとてもにこやかで、えらぶった感じがせず、3人ともサインと  握手に快く応じてくれました。中にはブノワからほほにキスしてもらった若い  女性ファンもいました。サインが終わっても、まだまわりを取り囲むファンに  写真撮影や握手を求められ、本当にお疲れ様だったと思います。     特にブノワは今回『リザ』、『王は踊る』、『マチューの受難』の3本の映画に  主演していたため、期間中3回もサイン会に出席した事になり大変だったのでは。  ボリスは気さくで、翌日のフランス代表団舞台挨拶の後の映画上映終了後に1人   だけ会場内でファンからサインを求められても、会場から出てもロビーで人気  がなくなるまでサインと握手をしているほどのサービス精神にとても関心しま  した。  来年はフランス映画祭も10回目を迎え、盛大な催しとなりそうです。  まだ、一度も行かれた事のない方は是非来年こそは熱気あふれる会場へ足を運  んでみて下さい。                                 岩田 和子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆A.I.☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Artificial Intelligence     ★★★★☆     2001/アメリカ/145min     監督:スティーブン・スピルバーグ     出演:ハーレイ・J・オスメント、ジュウード・ロウ =2回連載 「A.I.とSF、A.I.と演技」 第1回=  「ジャニーン・サラ:ロボットセラピスト」をネットで検索すると無数のサイト  が表れ、リンクされ、秘密が隠されていると話題になった宣伝。大金をつぎこみ  先入観を植え込む大げさな宣伝はちょっとやりすぎではないかとも思える。宣伝  自体がイベントになっているような最近の手法には疑問を感じる。  ネットの利用もいいが、賭博のような正確がますます強くなって、映画がヒット  しなかったらどうするの? まあ、実際はどのくらいのリスクが生じて、逆にど  のくらいの利益が確保できるのか分らないから、宣伝に大金をつぎ込むことにも  意味があるのかもしれない。  一方日本映画にありがちな、テレビ局が「一枚噛んでいる」場合に終始宣伝して  いるあのコスト。宣伝費として適切にコスト計算されているのでしょうか?  なんだかんだとこの数ヶ月間、ポスター、予告編と徹底して内容に関しては秘密  主義を貫かれた結果、私の頭の中には「A.I.」の文字が残るばかりだった。結局  早々に映画を見たのだが、それでも見たいという欲求が高まってのことではな  く、誰もが見るだろう映画だから早めに見ただけの事だった。  6月30日の時点で一番見たい映画は「ガリバント」(渋谷ユーロスペースでレイ  トショー)であったのは正直な話。宣伝ってそんなものでは?  物語の導入部分はちょっと話題にしても差し支えないだろう。アイザック・アシ  モフ(SF小説家)の書いた『ロボットの三原則』を映画にしたような部分。  SF界の巨匠アイザック・アシモフが、小説『わたしはロボット』の中で発表した  「ロボット三原則」。  第1原則 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また人間に危害が及ぶ状       況で黙視してはならない。  第2原則 ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第1原則に反       する場合はその限りではない。  第3原則 ロボットは第1原則、第2原則に反しない限り、自分を守らなくては       ならない。  スピルバーグは明らかにこれを意識して映画に取り込んでいるようだが、SFファ  ンはどう見る?  食べ物を食べると故障する超精密ロボット。それは欠点ではなく、プログラムで  食べ物を食べないようにしているにも関わらず、愛から来た嫉妬がプログラムさ  え超越している点がこの映画の主題。A.I.は日本読みで「愛」ですからね。  徹底した「ピノキオ」のSF版ストーリーで、「ファンタジーSF」のファンは楽し  めること必見。この調子で他の童話をSFに仕立てるといくらでも傑作が生まれそ  う。要するに必用なのはアイデアです。  SFは読んだことないという方でも、ファンタジー要素の強い作品は抵抗がないで  しょう。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.244

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □マレーナ   □横浜フランス映画祭2001特集     カオスの中で     天国で殺しましょう     来日ゲスト:ブノワ・マジメル     来日ゲスト:キャロリーヌ・デュセ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆マレーナ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Malena     ★★★★★     2000年/イタリア・アメリカ合作     監督:ジュゼッペ・トルナトーレ     出演:モニカ・ベルッチ、ジュゼッペ・スルファーロ  舞台は第二次世界大戦中のシチリア。戦争で夫を亡くしたマレーナは、美し過ぎ  るが故に男達には欲望の、女達には嫉妬の目を向けられる。彼女が運命に弄ば  れ、たどる数奇な運命を、彼女を一途に思いつづける少年の目を通して描く。  オレンジ色にかすむ鄙びた港町の風景、黒い服を着た人々の雑踏、その中をボ  ディ%コンシャスなドレスに見を包み颯爽と歩くマレーナの絵がとにかく良い。こ  の映画のメインともなるシーンで何度も登場するが、その度にマレーナを演じる  ベルッチの美しさに息を呑む。  殆どセリフのないマレーナの心情を、彼女の衣装、ヘアスタイルそして表情など  だけで巧みに表しているのも良い。  ともすればベタな感傷になりがちな少年の恋も、下ネタ系のお笑いが程よく入る  おかげでしつこさがなく、説得力がある。(でも彼って世が世ならストー  カー?!)  同じ第二時大戦を描いた『パール・ハーバー』に比べ予算は一体何分の一  か・・・。って感じですが、戦争に対する嫌悪感はこの映画を見た後のほうが遥  かに上でしょう。切ない初恋物語と1人の女性の半生を通じてこれだけのことを訴  えるなんて・・・。やっぱりトルナトーレはスゴイ!  特にラストの、やつれ果てた彼女が少年にふっと見せるなんとも言えない表情!  これだけで、しばらくは泣けます。  とにかくトルナトーレ節炸裂の傑作。『海の上のピアニスト』に納得できなかっ  たファンも、こちらはお見逃しなく。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆カオスの中で☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     La confusion des genres     2000年/フランス     監督:イラン・デュラン・コーエン     出演:パスカル・グレゴリー、ナタリー・リシャール  弁護士のアランはハンサムでチャーミングでお人よし。ノーといえない優柔不断  な性格が災いして、彼の同僚の女性、依頼人とその恋人、そして元恋人の弟など  など、彼をとりまく全ての人は常に混乱状態。果たして彼は、平穏な人生をとり  もどせるのか・・・。  いやー。カッコ良かった、生パスカル・グレゴリー。ロメールの作品ほか多数出  演している彼ですが、ホンモノの彼は役柄のアラン以上に周りの人がほううって  おけないセクシーな大人の魅力で一杯でした。写真を撮らせていただいて『アリ  ガト』と言われたときには失神寸前でした。いやほんと。  さて、作品ですが、こういう奴っているいる。皆にイイ顔して、傷つけまいとす  るが故にどんどん深みにはまって、挙句みんなをイライラさせてしまう奴。で  も、何故か憎めない、みたいな。ちょうど『マンハッタン』のウディ・アレン風  でもありますが、男前が演じるとこうも雰囲気が変わるのか、と感心。  皆、神経衰弱ギリギリのナーバス状態で、泣いたり怒ったりしてるのもアレン作  品風なので、彼の『夫たち、妻たち』などの作品が好きな方にはお勧め。  それにしても妻(になる女性)と若い女性と、若い男の恋人という設定は同フラ  ンス映画祭にて上映された『バルニーと彼のちょっとした心配事』と全く同じ。  2作品を見比べてみるのもいいかも。フランスではこういう三角関係ならぬ四角  関係が今ポピュラーなんですかねえ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆天国で殺しましょう☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Un Crime Au Paradis     2000年/フランス     監督:ジャン・ベッケル     出演:ジャック・ヴィルレ、アンドレ・デュソリエ  長年連れ添ってきた夫婦ジョジョとリュリュはお互い顔を見るのもウンザリする  ほど憎み合い、リュリュは夫に数々の嫌がらせを始める。ある日、どんな殺人事  件も無罪にしてしまうスゴ腕弁護士のニュースを見たジョジョは、彼に妻を殺し  たともちかけ、無罪になる方法を聞き出すのだが・・・。  『奇人たちの晩餐会』でも変わり者だがお人よしの男を演じたジャック・ヴィル  レだが、本作では切手コレクションとヤギが全ての更にバカ正直で小心者の夫を  好演。相変わらずのなりきり演技で、彼を見ているだけでも本当に笑える。  特に裁判で切手コレクションについて熱くかたる場面は思わず目頭が熱くなるほ  ど?!  『殺したい女』や『ローズ家の戦争』など、このテのストーリーはハリウッド映  画にもあるものの、殺人が絡んでもどこかほのぼの暖かく和んでしまう作風はフ  ランス映画ならでは。『クリクリのいた夏』などのベッケル監督の暖かい人柄が  滲み出ているかのようだ。  散々笑ったあげくホロリとさせられる秀作だ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆来日ゲスト:ブノワ・マジメル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  まだまだ日本での知名度は低いとは思うが、最近では『年下のひと』で共演した  ジュリエット・ビノシュとの間に一児を設けたり、カンヌ映画祭で最優秀主演男  優賞を受賞したり、はたまた対談したデビ婦人に「名前のとおりのマジメな人」  (寒・・。)と言わしめたり、何かと話題になっている人である。  本年のフランス映画祭では『リザ』『王は踊る』『マチューの受難』の3本もの  映画に出演している。  初日に公開された『リザ』の舞台挨拶に現れた彼はベージュの三つボタンスーツ  に、茶のシャツとタイに茶の革靴という抜群のファッション・センスで現れた。  ティーチ・インの時も常に『監督のいう事は完璧なので僕のいうことは何もあり  ません。』と謙虚で低姿勢。イイ男なのにぜんぜんお高くとまってないのが好印  象。カメラを向けてもわざわざ笑顔を作ってくれるサービス精神の持主である。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆来日ゲスト:キャロリーヌ・デュセ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  98年フランスで公開され、その大胆な性描写でニューズ・ウィーク他各マスコミ  を騒然とさせた話題作『ロマンスX』。日本では6月30日公開予定だが、この作品  の主人公を臆することなく演じて話題になったのがこのキャロリーヌである。  今回、ジャック・ドワイヨン監督の『フリーキーラブ』では打って変って奥手な  少女を演じていた彼女、映画ではやや地味な女性の印象を受けたが、実際は思わ  ず息を呑むほどの可憐さである。  色白の透明感溢れる肌も綺麗だし、驚いたのは顔の小ささ!ほんと私の握りこぶ  しくらいしかないんじゃあ・・・。という感じ。  また、特筆すべきはそのファッションセンス。ワインレッドのロングドレス、光  沢のある水色のミニドレス、それに色とりどりの花のモチーフをちりばめたビス  チェなど、全てのパーティで変身!全体的に可愛らしい感じにまとめているあた  りが、ちゃあんと自分のキャラを分かっているというか・・・。  これからの活躍がたのしみです。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.243

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □横浜フランス映画祭2001特集     フリーキー・ラブ     リザ     栄光のあまりに狭き門     リハーサル(仮題)   □ロンドン映画情報 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆フリーキー・ラブ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Carrement A L'ouest     2001年/フランス     監督:ジャック・ドワイヨン     出演:ルー・ドワイヨン、キャロリーヌ・デュセ     本年度カンヌ映画祭出品作品  日本でも大ヒットした『ポネット』の監督、ドワイヨンが愛娘のルーを起用した  こと>でも話題を呼んでいる作品。

 ドラッグの売人をしている青年アレックスは、金を払わない客とトラブルにな
 る。そんな彼に客の恋人の女性フレッドが近づいてくる。彼女は気のある素振り
 を見せたかと思えば、クラブで一人ぼっちでいた寂しげな女性、シルヴィアを誘
 え、とけしかけたりもする。ひょんなことからホテルで一室を共にした3人の感
 情が交錯する・・・。

 とにかくセリフが活きた作品。『ときどき無性にパイが食べたくなるの。』と
 いった日常的なことから『セックスと愛は別のものなの?』などの恋愛論に至る
 まで、実際に自分が口にしたことがありそうなものばかりでなんともリアル。

 内向的でシャイだけど感情をストレートに表すシルヴィアと、大胆で小悪魔的な
 のに、実は感情を素直に出せないフレッド、女性であればどちらに感情移入する
 かでこの作品の見方が変わってきそうで面白い。男性であればどちらを選ぶか、
 とかね。

 今回監督をはじめ、主演の3人が揃って来日した。(ルーは夜のパーティから参
 加。)

 パーティ会場では、抜けるような白い肌にブルーのドレスが繊細なイメージの
 キャロリーヌと、モデル出身の長身を黒いドレスに包み、タバコをくわえたセク
 シーなルーに挟まれて、アレックス役のギヨーム・ソレルが談笑しており、なん
 だか映画そのままの構図にニヤリとしてしまったのでした。

                                MS.QT.MAI
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>>☆2☆リザ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Lisa     2000年/フランス     監督:ピエール・グランブラ     出演:ブノワ・マジメル、ジャンヌ・モロー  若手映画監督のサム(マジメル)は、戦前活躍した俳優シルヴァンの生涯を映画  化しようと考え、彼がかつて愛した女性リザ(ジャンヌ・モロー)を訪ねる。そ  こで彼は戦争に翻弄された若き日の彼女(マリオン・コティヤール)と彼の美し  くも哀しい話を聞くうち自らのルーツも知ることになるのだった。  『パール・ハーバー』『マレーナ』と各国で40年代の戦争に翻弄される人間模様  を描く映画が作られているが、本作は現代を生きる若者であるサムが、リザの話  を聞くうちに自らの両親との関係を深めていったり、年老いたリザと不思議な信  頼関係を築いたりと、過去、現代両方をベースに描かれるところがユニーク。  また、サムが母親から戦時中の体験を聞かされるくだりでは、戦争がそんなに遠  い昔のことではないという現実を思い知らされる。  ユダヤ人差別、病人に対する差別、そして愛する人との別離とかなり重たいテー  マでありながら、映画館でのラブ・シーンや、フレッド・アステアばりのダンス  シーンなどロマンチックな場面も多く、それが逆に切なさを盛り上げてくる。今  回はサム役のブノワ・マジメルと監督が来日しているが、監督の日本人女性との  間の息子さんが登場するなどサプライズもあり、ほのぼのムードに包まれた舞台  挨拶であった。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆栄光のあまりに狭き門☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Les Portes La Gloire     2001年/フランス     監督:クリスチャン・メレ・パルドール     出演:ブノワ・ポールブールド、ジュリアン・ボワスリエ  30代の青年ジェロームは義父が社長を務める本のセールス会社ペガサスで、飛  びこみセールスマンとして働くことになるが、チームメイトたちは映画『戦場に  架ける橋』を座右の銘とするチーフら、変わり者ばかり。果たして彼はセールス  マンとして成功することが出来るのか・・・。  監督は本作が初監督作品ということだが、『戦場にかける橋』のセリフや場面を  巧みにダブらせ、セールスマンというタフな職業を戦場に見立てた手腕が見事。  しがないサラリーマンにだって男の意地と誇りがあるんだ!というのがひしひし  と伝わってくる。  トホホな中年男たちを描いた作品は『フルモンティ』などイギリス映画を彷彿と  させる。また、1人ひとりのキャラが皆曲者でワガママなのにどこか憎めない愛嬌  があり、ついつい応援したくなってしまうあたりもイギリス映画のコメディ風な  ので、普段フランス映画はちょっと・・・。という人にも楽しめそうだ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆リハーサル(仮題)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     La Repetition     2001年/フランス     監督:カトリーヌ・コルシニ     出演:エマニュエル・ベアール、パスカル・ブシェール     2001年カンヌ映画祭コンペ部門出品作品  幼い頃からの親友同士だったナタリーとルイーズは共に女優を目指していたが、  10年後再会した時、ナタリーは女優に、ルイーズは結婚して歯科技工士になって  いた。再び友情を超えた愛で結ばれた2人だが、ルイーズの存在がナタリーには  重たくなってきていた・・・。  フランス映画の女の友情ドラマって本当にリアルというか、重たいものが多いで  すね。ロマーヌ・ボーランジェ主演の『ミナ』とか・・・。ハリウッドものだと  友情は永遠!ってな感じの爽やかなものが多いけど。  でも、女同士の友情って男が絡んだり、結婚してライフスタイルが変わったりす  るとあっというまに崩れたりするのが現実。そういう意味で女の友情をあまり信  用していない私個人的にはこういう物語のほうが納得できますね。  女性同士のベットシーンなどもありレズビアン映画っぽい雰囲気も出ています  が、そこまでではなくても女同士ってどこかベッタリしすぎてしまう部分ってあ  りますよね。それがうざったく感じられたり・・・。そういうのってよく解りま  す。  あまりに生々しいので見ていてちょっと疲れましたが、これだけ人間の感情をリ  アルに描いたという点では見事。心理ドラマとしては一級。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ロンドン映画情報:パール・ハーバー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     2001年米     監督:マイケル・ベイ  「アルマゲドン」の制作チームによる作品、とのことだが、「アルマゲドン」と  「タイタニック」を足して割った、「とにかくお金がかかってそうな」作品、と  いうのが率直な感想。  通常映画の初日は金曜と決まっているイギリスだが、一日早く5月30日木曜に封切  られたこの作品。一月前からロンドン市内セントラル地区の地下鉄には巨大ポス  ターがそこここに貼られ、前週に行われたハワイでの300万ドル掛かっているとの  噂のワールド・プレミアもTVの朝のニュースでかなりフィーチャーされた。巷に  この映画がかなり浸透したタイミングでの公開、配給会社の宣伝はかなり上手  かった。  ストーリーそのものはかなり単純。ベン・アフレック、ケイト・ベッキンセイ  ル、ジョッシュ・ハートネットをめぐるロマンスと、真珠湾攻撃にまつわる日本  側と、攻撃されたアメリカ側のプロセスを伏せて描いた物語だ。私はこの映画の  トレーラー(映画館用宣伝CM)を見た時すでにストーリーを想像出来たのだが、  あまりに当たっていたので驚いた。(違っていたのは、「兄弟の役」と思ってい  たベン・アフレックとジョッシュ・ハートネットが「親友」だったことくらい。  随分歳の差があるように思ったもので、、。)  想像できたのも日本人なら当然。何故なら、日本で実際「若き兵士の出征と、残  された恋人・若妻」にまつわるエピソード(ストーリーに直接触れるので書くの  を控えるが)として、多数実在した話だからだ。(日本映画「連合艦隊」、「瀬  戸内少年野球団」にも使われているエピソード。)しかし、この手の話、アメリ  カでも多数起こったと思うのだけに、「今更」感があったのは否めない。  甘過ぎるラブ・ストーリーは本当に「大甘」すぎて辟易するが、真珠湾攻撃の  シーンは「タイタニック数隻分」、といった感のスケールで描かれていてなかな  か迫力がある。しかし「タイタニックに似てる」と見る人ほとんどに言わせてし  まうのが悲しいところ。  日本公開では上官役アレック・ボールドウィンのセリフが一部カットになるとの  こと。この部分も注目していたのだが、私にとっては「敵として描かれるなら、  このくらいのコメントは仕方ないかも」程度だった。しかし、日本人として「連  合国側」でこの映画を見る心中は複雑だった。主人公達に共感したい気持ちなの  は山々なのだが、彼らの敵は「JAP(日本人)」=すなわち私である。攻撃シーン  で「WOW」と歓声があがるたび、言いようの無い思いが胸をよぎった。  当然日本を含むマーケットを意識して作られており、日本人「そのもの」に対す  る攻撃的描かれ方はしていない。センシティブな問題だけに、注目されることが  分かった上で注意深く作ったのだろう。勿論日本人としては気分の良くない表  現、言い回しは多数あるが、戦争ものである限り、それは避けられないことだと  すれば、日本人が「きちんとした日本語」をしゃべっている点も含め、製作側の  考慮は感じられる。その分、ストーリーの掴みが甘い感もあったが。  しかし、、、最後の「まとめ」のナレーションはかなりいただけない、というよ  り私は笑ってしまった。つまり「アメリカは正しく、強い国なのだ」と言わねば  ならないのがアメリカなのですね?(という内容。)好意的に見ようと頑張った3  時間の果てに、と思うと、個人的にはこれで一気に気分が悪くなってしまった。  救いはキューバ・グッテングJrとジョッシュ・ハートネットの存在。グッテング  Jrの演技は光るものがあるのだが、主人公3人との絡みに欠けるため、役割そのも  のが薄かったのが残念。  ジョッシュ・ハートネットの瑞々しさ、チャーミングさは、これで全てを許せ  る、とは言わないまでも、かなり救われる(笑)。ものすごいハンサムではない  が、この映画での彼は本当に輝いている。スタイルもよく、顔が2倍あるベン・ア  フレックが可哀想だった(笑)。この作品を機に一気にブレイクする可能性大。  先日BBCのニュースで、「日本ではこの作品がどう受け入れられるのか?」とのレ  ポートがあったが、「遠い昔の話として、若者には受け入れられるのでは?」と  まとめられていた。さて日本での反応がいかに?                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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