ScreenKiss Vol.127

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □リュック&ジャン・ピエール・ダルデンヌ兄弟来日記者会見レポート   □五月の雲   □第三のページ   □魂のそよ風   □エッジ オブ ザ シティ   □インサイダー >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆リュック&ジャン・ピエール・ダルデンヌ兄弟記者会見レポート☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  上映中の『ロゼッタ』の監督、リュック(弟)とジャン・ピエール(兄)のダル  デンヌ兄弟が来日した。来日は3年前の『イゴールの約束』についで2度目。昨  年のカンヌ映画祭でパルムドール賞に輝いたものの、「審査員の判断は最後まで  わからないし、完成度には満足していないし、してはいけない」と謙虚な2人。  しかし、ベルギー本国においても「魔術的なリアリズム」と評され、2人の作品  は中心的役割を担ってきているのだそうだ。 Q:  ロゼッタのイメージがロベール・ブレッソンの『少女ムシェット』に似ている感  じがしたのだが、影響を受けた監督は? ジャン・ピエール・ダルデンヌ:  分類、というのは、そうする事で何か理解してしまった感じがするものだが、不  思議な事に主人公が下層階層や大衆の出であると、それは「社会派」と呼ばれ、  中流階級やブルジョワジーの出であると「心理的映画」と呼ばれてしまう。  これは、まさに「分類の神秘」とでも言う事だろう。確かにブレッソンの『抵  抗』のように、『ロゼッタ』でも動作のひとつひとつに注意をした。それは、動  作のひとつひとつが「生き方」に繋がるものだから。ロゼッタはもしかしたらム  シェットの従姉妹かもしれないですよ(笑)。  影響を受けた作家というよりは、個々の作品からは影響を受けているかもしれな  い。日本の作家で言えば溝口健二の作品は我々2人共好き。 Q:  ロゼッタとリケのダンスシーンの生まれた背景は? リュック・ダルデンヌ:  個々のシーンは台詞まわしよりも、シーン毎のテンポを重視している。リズムは  カメラを移動させる事でつくっている。このシーンでは唯一音楽を伴うが、この  音楽がシーンの基調となっている。  リズムをつくるために、3つの部分に分けて考えた。音楽の流れと共に、普通な  ら緊張がほどけて行くものだが、ロゼッタの場合は居心地が悪くなって行く。彼  女の心の動きは7〜8分のダンスシーン全体を3つに分けていくと「狭まった自  閉症的心:仕事が欲しい」「音楽で少し解放されるが」「やがてまた閉じこもっ  てしまう」となる。つまり、彼女は「仕事を得るための闘い」の犠牲者となって  いる事を示している。  これはスーパー16mmで撮影されているが、それはその方法だと、連続して10分間  撮影が出来るからで、実はこの9分で1カットを撮っている点が重要。これだけの  長回しが続くと、カメラマンも俳優もテイク毎に違ってくる。その緊張感が観客  にも伝わる事で、よりリアルになる、という点が大事なのだ。 Q:  この映画からは「体臭」や森などの様々な「匂い」がしてくるような気がする  が。 ジャン・ピエール・ダルデンヌ:  森や濡れた枯れ葉の匂いがする、とはよく言われた。撮影時には動作に多大な注  意を払っていたので、実はこの点には気付いていなかった。ロゼッタはキャミ  ソールを着て、タオルを首に巻いているシーンがあるので、恐らくシャワーは浴  びているだろう。それに、彼女はとても秩序だった生活をしていて、とりわけ水  とは、特別な関係があるようだ。  社会的ルールから逃れる為にも、水で身体を洗っているような気がする。 Q:  ハンディカメラを多用しているが、このカメラワークについて詳しく。 リュック・ダルデンヌ:  至近距離からの撮影だが、フォーカスはごくノーマル。ロゼッタを絶えず追い掛  けていようとした為、彼女と同じ位可動的でなくてはならなかったので、この方  法を用いた。  至近距離からの撮影の理由は2つあって、まず「ロゼッタを閉じ込める」為。こ  れは、彼女自身の閉じた心・・仕事をみつけたい、という自分の固定観念にとら  われた心・・や社会に所属出来るか、あるいは拒絶されるかという不安感、と  いったものを表現している。  2つ目は「ロゼッタを仕事獲得の為に兵士としてとらえる」事。彼女は、街とい  う前線に赴くが、その基地には毋という負傷者がいて、この基地と前線を分断す  る役割が、道。だから、彼女が驚いて突然走り出した時は、カメラも驚きつつ、  少し遅れて追い掛ける、という感じを出した。 Q:  兄弟で監督をする、という事で難しい点は? ジャン・ピエール・ダルデンヌ:  一人でも兄弟でも、困難な事は一緒。ただし、自分達は今迄別々に仕事をした事  が1度もないし、それが必然的であった。また、もし困難な事があれば2人では  やっていないだろう。  我々は一人の人間で、目が4つあると思って欲しい。この4つの目が別の方向を  向いているとまずいが、この点は眼鏡で矯正も出来る。作業自体は全て2人。た  だし、外部に対してははっきりした立場を示すように、分担している。例えば、  リハーサルが終わったら、一人が俳優や技術の側である、現場に残り、もう一人  がビデオモニターを覗くようにしている。  しかし、この分担も1日のうちで何度も交替しているので固定はしていない。 Q:  世界の兄弟監督(ルミエールに始まり、コーエン兄弟など)についてどう思う  か? リュック・ダルデンヌ:  映画には「音」と「映像」という2つの要素がある事からも、映画というのは  元々2人用のシートが用意されていたのではないだろうか。例えば監督と俳優、  撮影監督と監督、というような一人の他者を必要とする二人組で成り立っている  と思う。映画はそうした親和力が働いてつくられている。  兄弟の監督がいても姉妹の監督がいないのは、女性の解放がまだ不完全な事を意  味しているのではないかと思う。女性の2人組がいても、姉妹監督はまだ出てい  ない。 Q:  今回、女性を主人公にした訳は? ジャン・ピエール・ダルデンヌ:  実は謎(笑)。前作で男二人(父と息子)のコンビに一人の女性が、この二人の  メカニズムを壊すというものだった。『ロゼッタ』で早く、この男2人組から逃  れることが出来た。また、監督であれば、最低1本は女性を主人公にした映画を  つくりたいのではないだろうか?  主人公が少女である点は、お伽話に出てくるイニシエーション(通過儀礼)のよ  うなもの・・子供が恐ろしい試練を越える・・を語りたいと思ったから。 Q:  ベルギーの現在の社会的状況は? ジャン・ピエール・ダルデンヌ:  現実との関わりで言えば、映画は必ずしも現実のコピーではない。約10%のヨー  ロッパ人は社会から無視されている。社会から逸脱する事は則ち「死」を意味し  ているわけで、ロゼッタは社会の外から、何とかして内側に入り込みたいと思っ  ている。それは、人間の共同体に属して「普通の」生活をする事に他ならない。  社会から排斥されている10%の人々の中にロゼッタのモデルがいる、とは言いたく  ない。  時差ぼけだったのか、リュックの目が終始、朦朧としていたような気がする。背  格好から、腕の組み方まで、よく似た兄弟で、「私達は一人の人間で、それに目  や耳が2つずつ、ついているのです」と言ったのも納得出来る、仲のよさ。しか  も、交互に答えつつも「お互い26年も一緒に仕事をしているので、一方の答は他  方の答と同じと思ってください」と念を押していた。  兄のジャン・ピエールの方が、やや社交的で表情も豊か。対し、リュックは少し  緊張気味。それでも2人とも、一生懸命に質問に答え、撮影に応じていた。とて  も静かな会見であった。次回作も楽しみだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆五月の雲☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Mayis Sikintisi     2000/トルコ/120分/カラ−     監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン     地中海映画祭 The Mediterranean Film Festival 2000     5月19日〜6月4日まで国際交流基金フォーラムにて  映画監督のムザファが故郷で、両親や友人等を出演させての新作に取り組む。彼  等の日常生活と撮影が平行して描かれた作品。  ジェイラン監督の分身的ムザファ、登場する両親はどうやら監督の実の両親、そ  して友人も「本物」で、原作は実姉の自伝的小説「とうもろこし畑」、舞台は少  年時代を過ごしたアナトリア・・・というから、これはかなりホームムー  ヴィー。ちなみに、監督の長編第1作『カサバ - 町』でも出演者は近親者だそう  だ。  しかし、父は長年育てた森の政府没収に頭一杯、都会に仕事を求めようとする友  人、小さな甥は、メロディ付き時計が欲しさに生卵を割らない試練?に挑戦  中・・・とそれぞれの事情を抱えながら、という設定。しかも、劇中の作品には  一応「脚本」もあるらしい。役者用の台本はなく、プロンプター?の後をオウム  返しに喋るだけ。  監督自身が語るように、アッバス・キアロスタミの影響には間違いないが、やや  ソフトにした感じか。水や風、木の葉の擦れる音、小鳥のさえずりに、時々挿入  されるバッハのラルゴ。木漏れ陽から覗く空や、画面の半分以上を空が占める構  図は、空のいくつもの顔を描き出し、まるで観客までもが忘れかけていた本来の  美しい自然に身を置いているような錯覚さえ感じさせてくれる。  そうした「遠い」風景と、見知らぬおばさんのお使いで(知らない子に無理矢理  用事を言い付けてしまう習慣?も凄い)大事な卵を割ってしまった甥っ子が、悔  し紛れに蹴飛ばすお使いの真っ赤なトマトの散乱や、ゆったりとしたカメの歩み  等、距離のメリハリも素晴らしい。  トルコの抱える問題も、こうした風景にさりげに織り込んではいるものの、ス  トーリーの善し悪しより、まず「見て」「聞く」作品だ。それにしても、両親  の、特に父親の表情がいい。カメラの前で力まず自然体の演技をこなしている。  カメラを回す息子(監督)の表情まで見えてくるような気がした。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆第三のページ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Third Page     1999/トルコ/92分/カラ−     監督:ゼキ ・デミルクブス     地中海映画祭 The Mediterranean Film Festival 2000     5月19日〜6月4日まで国際交流基金フォーラムにて  売れない役者のイサは、ギャングの金50ドルを横領したとして暴行を受ける。  エージェントは当てにならず、自殺にも失敗。そこへ大家からは滞納金の催促。  切羽詰まったイサは大家を殺し、自分は失神してしまう。が、目覚めたのは自室  で、容疑者として出頭したものの、凶器がみつからずに釈放される。  件の50ドルは、向かいの家のマリアムが肩代わりしてくれ、彼女の夫が出張の為  不在がちな事もあり、彼は彼女に好意を抱くようになる。乱暴な夫の殺害を依頼  するマリアム。が、その矢先、夫は仲間に殺されてしまう。そんな折、仕事が順  調になり始めるイサ。長期の撮影から戻ってみると、マリアムは大家の息子の妻  になっていたが、これにはイサを巻き込んでの周倒な計画があった。真実に絶望  するイサ。彼が部屋を出た直後に銃声が響く。  タイトルは新聞面の事。第1ページは有名な人々を、次は一般の人々、そして第  3のページは貧しい人々や殺人事件などが掲載される。トルコは、活力があって  成長していく人々の一方で、潰されていく人々もまた存在する。こうした人々の  精神的混乱等について描きたかったそうだ。  また、主人公は臆病で、いつも自信がない。対して女性はしたたかだ。トルコで  の男は強く、女は従順というイメージに反して、女性の強さが描かれているのは  監督の第1作『イノセンス』でも共通しているが、これは監督自身の女性のイ  メージ・・内面の複雑さから来る強さ・・が投影されているようだ。  また、今迄の作品に共通する要素として「扉」がある。これは扉の持つ一種の緊  張感が重要だとか。しつこい位の開閉のシーンや、更に廊下の照明スィッチも頻  繁だったが、ここで借金取りたてのギャングが、携帯片手にリラ相場を聞いて支  払いさせているシーンは狭い場所で、かなりコミカルだった。  イサの出演しているソープオペラを含め、TVが画面にしばしば登場するが、これ  はその内容に意味を持たせた訳ではなく、TVが社会を反映する道具として表現し  たかったからだそうだ。  思いっきり、ありがちな?メロドラマ仕立てだが、その中に社会の真実が見隠れ  していて興味深い。また、同じトルコの『五月の雲』でも見られた、全プロンプ  ター付き台詞?の撮影風景は、実際ごく最近まで採用されていた方法らしい。未  だにTVドラマはこの方法を踏襲しているし、実際にこの作品もそのように撮影し  たという。  出演者がアマチュアという事からも、そのような方法を採用したとの事だった  が、劇中では、プロの役者のイサが素人のマリアムの演技に騙されてしまう、と  いう皮肉が利いていて面白い。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆魂のそよ風☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Breeze of the Soul     1997/シリア/91分/カラ−     監督:アブドゥルラティフ ・アブドゥルハミド     地中海映画祭 The Mediterranean Film Festival 2000     5月19日〜6月4日まで国際交流基金フォーラムにて  ドレス姿のマリアンが自分に電話をかけている最中に、彼女との結婚前に自殺を  図った夫、ユーセフに殺される夢を見たサミルは、慌てて、電話で彼女の無事を  確認する。親友は衛星放送で見た「何か」にショックを受け、また伯父は笑い過  ぎて死んでしまい、何故かサミルの周囲では葬式や入院が多く、上司に睨まれて  いる。そんなで頻繁に花屋に出入りしているうち、花屋の娘に一目惚れされる。  職場ではマリアンとラブラブだが、ユーセフの嫉妬は募るばかり。仕事を辞め、  花屋を始めようとした矢先、サミルは最初に見た夢と同様ユーセフが歩いてくる  のを見る。が、向けられた銃口の先はサミルだった。  「見て損はさせません!」という監督の言葉を信じて、しかもチラシの説明から  ある程度のコメディ的作品を期待していた私は、見事に裏切られてしまった。基  本的には悲劇。それも、なんだか割り切れない気分の。  しかし、監督によればリピートの観客も多く、興業的にもかなり成功したそう  で、観客の感想も「恥ずかしい思いをした」「自分達の生活を見直した」という  ものだったというのだから、やはり我々日本人の感覚からでは、計り知れない  「何か」があるのだろう。作品の前に文化的、社会的背景をもっと仕込んでおく  必要があるのかもしれない。  この作品ではサミルの弾く楽器を含め、全編音楽が大事な役割を担っている。  が、花屋の娘がサミルを恋する時の歌には、ぴったりの歌詞がついていて、意味  まで理解出来たものの、その他の重要と思われるシーンには歌詞説明がなくて、  内容と場面との関わりが今ひとつ理解出来なかったのが残念だった。  同様に、サミルを、その葬式にまで赴かせてしまうエジプトの作曲家は、実際は  どんな音楽を作っていた人なのだろう。花屋の娘がサミルと出会う時の心臓の鼓  動のような、わざとらしい劇的音楽と画面には、ふとベルギーの『僕のバラ色の  人生』を思い出してしまった。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆エッジ オブ ザ シティ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Apo tin Akri tis Polis     1998/ギリシャ/90分/35mm/カラ−     監督:コンスタンティノス ・ヤナリス     地中海映画祭 The Mediterranean Film Festival 2000     5月19日〜6月4日まで国際交流基金フォーラムにて  アテネ。移民の少年達が夜の町を徘徊する。少年達の一人サーシャは17歳。ロシ  ア系移民だ。チンピラのギリシャ人ニコの紹介で知り合った売春婦のナター  シャ、ゲイ相手に小遣いを稼ぐ友人、ガールフレンドのエレニッツァなど、彼を  取り巻く人間関係を、サーシャのカメラへの告白とドキュメンタリータッチの映  像で描いた作品。  麻薬、売春、殺人・・・と物騒な問題が全て盛り込まれたこの作品、登場人物は  実際のストリートキッズなのだそうだ。これに人種問題が絡んで、ギリシャ版  『憎しみ』といったところか。唯一美しいシーンと言えば、サーシャが夢想する  エレニッツァの結婚式。それ以外は売春宿の閉塞的な圧迫感と、夜の町の乾いた  風景、それにサーシャの家の建つ、貧しい荒涼とした土地だ。  キアロスタミ的な、覆面インタビュアへ向かっての告白と、手持ちカメラの早い  カッティングの緩急入り交じった撮影でセミドキュメンタリー的な作品になって  いる。ギリシャ映画といえば、テオ・アンゲルプロスのイメージが強い日本人か  ら見るとかなり衝撃的だ。  ただでさえ馴染みのないギリシャ語に、サーシャの家でのロシア語、これらが混  在した台詞とはいえ、我々日本人にはなかなか区別が掴みにくく、よって彼等の  置かれた状況を把握するだけでも大変だ。  ギリシャから他国へ移民した人々が、その国の文化をも身に付けてギリシャに  戻ってきている。ギリシャ系でありながら、経済的にも文化的にも居場所がない  彼等の精神的な不安定さが敏感に子供達の行動に反映しているのかもしれない。  エーゲ海、白い家、真っ青な空・・と観光的ギリシャのイメージを離れ、もうひ  とつのギリシャの顔を知る手がかりにもなる作品だ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆6☆インサイダー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     THE INSIDER     ★★★★☆     1999/スコープ/アメリカ     監督:マイケル・マン     出演:アル・パチーノ、ラッセル・クロウ     衣装:アンナ・シェパード     http://www.go-insider.com/  映画は思わぬシーンから始まった。プロデューサーのローウェル(アル)が現れ  る数分間、違う映画が始まったのではないかと心配になってしまうほど。  矢継ぎ早に2人目の主人公B&Wの元担当副社長ジェフリー(ラッセル)を画面に登  場させ、観客に紹介する。この2人を結びつける経緯にはもう少し分かりやすい  セリフがあった方がいいのではないかと思う。  物語は、裁判、家庭、マスコミ内幕、大企業、そしてなにより個人の葛藤が交差  しまくり進んでいく。つまりこの映画は、単なる『訴訟物』ではないという点を  強調しておきたい。  とにかくよく書けた脚本で、実話をもとにしているのにここまで娯楽性も演出し  てしまうとは、さすがハリウッド!  それにラッセル・クロウの演技がめちゃくちゃ上手い。神経質そうに眼鏡の真中  を押す、顔を斜に構える、顔色が悪くなる、やつれていく。化粧やカメラのうま  さもあるが、本人の努力のたまもの。  衣装がまた上手い。ジェフリーのスーツ姿は稼ぎのいい男。一方、家に帰ると  おっさんに変心するのだが、ラフな服装の中にも清潔な印象。奥さんが選んでい  るようでリアル。  この奥さんは、旦那のすったもんだに我慢ならず離婚してしまうのだが、少々現  金主義な人として描かれている。「もう少し支えてやれよ」と思ってしまうが、  本当にそうだったのだろうか?  なぜか健康会社から不健康会社へ転職した旦那。実は奥さんが「給料もいいし」  といってささやいたに違いない。  ローウェルの方もこの事件に関わったが為にいろいろ苦労する訳だが、奥さんの  登場するタイミングが上手い。こちらは旦那を影でしっかりささえる奥さんで好  印象。  ちょっとした対比だが、こういった陰と陽の演出が知らず知らずの間に映画に感  情移入してしまう大切な要素。同時に夜(暗)と昼(明)の映像もめまぐるしく  変わっていく。催眠術にかかってしまうように映画にはまってしまった。  巨大なスクリーンの横幅を上手くつかった顔のアップ。画面の両端に置かれる2  人の姿。人間に迫力を感じる映像ですね。シネスコならでは。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ┏━┓                       I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 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QT MAI               吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・   論評するメールマガジンです。   Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼                                   ┼

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