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Vol.171
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆< □17歳のカルテ □ポルノグラフィックな関係 □この胸のときめき □イン・ザ・ネイビー(ビデオ) □真夜中のカーボーイ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆17歳のカルテ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ Girl, Interrupted ★★☆☆☆ 1999/ビスタ/127分 私はウィノナ・ライダーのファンです。だから納得行かない。彼女の演技にも、 運のなさにも。 この映画で、もし相方がアンジェリーナ・ジョリーでなければ。この映画で、も しもっとリサの出番が少なければ。悔やまれる作品でした。目立ちすぎで演技に 磨きがかかって、脂がのりきった、まさしく日本でもアメリカでも旬の女優・ア ンジェリーナさえいなければ、この映画はウィノナに賞がなびいていたかもしれ ない。 しかも両腕のタトゥーをメイクで消したジョリーに比べて、ウィノナのなんと純 粋にみえることやら。 もう一つ言いたいのが、ウィノナのあのニキビ面。映画をみた方なら気付いたで しょ。オープニングのウィノナの右頬のでっかいニキビ。原作を読んだ人ならす ぐ分かりますが、映画しか見ていない人にとって、「ウィノナ、寝不足?」とで も言いたくなる。違う!、あれは『いじりすぎてでっかくなったニキビ』です よ。そんな醜いメイクをしてまでも一生懸命に演技したにもかかわらず、編集で カットですか?(まさか、脚色でそうなっていた訳ではないですよね?) しかも次回公開作品「オータム・イン・ニューヨーク」とはこれなんぞや?今度 は必殺リチャード・ギアとの共演。ジュリア・ロバーツの路線に変更か、はたま た2番煎じでもねらうつもりか。 まあ、なんと言ってもこの映画の拾い物は、やはりレスター博士を超える個性を 放ち続けたリサ役で奮闘した、と言うより素の自分をさらけだしたようなジョ リーですよね。 最後に、なぜ邦題は「17歳のカルテ」なの?誰が17歳なの?映画から分かっ た? 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____ □ >>☆2☆ポルノグラフィックな関係☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ Une Liaison Pornographique 1999年/ベルギー=フランス=ルクセンブルク=スイス/103min/カラー/35mm 監督:フレデリック ・フォンテーヌ 出演:ナタリー ・バイ、セルジ・ロペス、ポール・パヴェル 1999年ヴェネツィア国際映画祭最優秀女優賞(ナタリー ・バイ) http://www.alcine-terran.com 今秋ル・シネマにて公開 雑誌の募集広告で知り合った「彼」と「彼女」。パリのカフェで待ち合わせ、ホ テルへ向かう。赤い階段を上がった先は118号室の青い部屋。そして次の約束を交 わす。「また木曜日」。そんな関係に変化が来て・・・。 今は関係に終止符を打ってしまった彼等に、それぞれの心情を語って貰うという インタビュー形式で話が進んで行く。パソコンが目立つ無機質な部屋の男と、木 の温もりを感じる部屋の女。だが、彼等はそんな私生活を知らない。恋愛につき ものの駆け引きを全てジャンプした時点からスタートした関係だが、2人の事を 1番知っているのがインタビュアだという皮肉。 ファンタズムは愛の行為、と言い切る女とノーコメントの男。ぎょっとするタイ トルに対してセックスのシーンはとても上品だ。「その時」シーツを被る女。 「だってしかめっ面するから」。バスタブの中での2人の戯れや、最後近くまで 見せない室内は、観客のファンタズムを刺激する。 『真夜中の恋愛論』や古くは『ラストタンゴ・イン・パリ』『ジョンとメ リー』・・と始めにセックス有りき的作品は結構ある。が、この作品は会話だけ にも、シーンだけにも片寄らず適度にミックスされたお洒落な仕上がりだ。ホテ ルの常連で妻に死を知らせたくないという放蕩なお爺さんと、彼の死の後後追い 自殺した妻のエピソードの挿入も、ただの恋愛映画で終わらせない監督の妙技と いえよう。 「愛してる・・思い過ごしでも自分が信じれば真実だわ」「最初美人だと思っ た。その後欠点が見えてきた。でもそのうち馴染んでしまった」う〜ん奥の深い 台詞。ナタリー・バイが『ヴィーナスビューティ』に続き可愛らしい中年を演じ ていて素敵です。 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____ □ >>☆3☆この胸のときめき☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ Return to Me 2000年/アメリカ/115min/カラー/35mm 監督:ボニ− ・ハント 出演:デビット ・ドゥカブニー、ミニー・ドライバー、 キャロル・オコナー http://uipjapan.com 9月30日よりシャンテ・シネにて公開 最愛の妻を事故で失くし、傷心のボブは仲間と行ったイタリアンレストランでウ エイトレスのグレースと知り合う。何故か強く惹かれ合う2人だったが、グレー スは心臓移植を受けた事をなかなか言えない。そんな折、彼女はボブの家で以前 彼女が出したドナーの家族へ感謝の手紙を発見する・・・。 2人が出会う前、そこここでニアミスをしている場面は『ワンダーランド駅で』 みたいだし、妻の心臓に引かれて出会うところは『ハート』のようでもあるが、 これは更にコメディの味付けをしている。とはいえ、実際臓器移植を受けた人々 の中にはドナーの性癖が表れたりする事があるそうだから、満更絵空事とも思え ない。妻の可愛がっていた動物達が初対面のグレースになつくのもそのせいかも しれない。 グレースは祖父と仲間達の経営する店で働いているのだが、これが揃ってお節介 なイタリア系。孫の幸せを祈りつつ何とかボブと巧く行って欲しいこの老人達 は、何かと恋のお膳立てに忙しい。しかし、くそ真面目なボブとこの老人達との 対比が今ひとつしっくりこない。 事実を知ってイタリアに旅立ったグレースを追うボブ。この時も彼女の自転車を 頼りに探し当てるシーンは、コメディチックに描いているものの先の読める可笑 しさなのが残念だ。だが、臓器移植という重いテーマを取り上げつつ、ラブス トーリーとしてまとめていく滑剤として笑いは不可欠だったのだろう。 それにしても、手術の痕跡を隠す為いつも襟のつまった服を着ていたミニー・ド ライバー。えら張顔を強調してしまって少し可哀相だった。 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____ □ >>☆4☆イン・ザ・ネイビー(ビデオ)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ Down periscope 1996年/アメリカ 監督:デビット・S・ワード 出演:ローレン・ホリー、ケルシー・グラマー 『U-571』の公開やらロシアの潜水艦のニュースやらで何かと話題の潜水艦。 今やいろんな雑誌に『潜水艦映画に外れなし』とか書かれていますが、実は数年 前、日本公開されずに終わってしまったこんな映画があったのはご存知ですか。 当時私の手元に来た試写会の招待状のタイトルは『潜望鏡を上げろ』。なんでも 潜水艦を舞台にした『海軍版ポリスアカデミー』とのキャッチだったので結構楽 しみにしていたのですがまんまとお蔵。が、その作品を偶然にもビデオ店で発 見。 実戦での失敗から将来の希望を失っていたドッジ少佐。が、ロシアのポンコツ潜 水艦(!)を使って、アメリカ軍の領土にたどり着くというシュミレーションに 成功すれば出世が待っている、と言われ、俄然ヤル気に。 ところが潜水艦はスクラップ寸前の代物。集められたメンバーはどうしようもな い落ちこぼればかりで・・・。 紅一点のローレン・ホリーのお色気軍服姿や、脇役ハリー・ディーン・スタント ンの怪演が光る。いつも情けない役が多いウィリアム・H・メイシーがエリート役 を演じているのもめっけもの。 一見くだらないコメディーだが、誰にでも長所があり、ヒーローになれるという 気持ちにさせられる上、キャラ全員が従来の軍もの映画とちがい皆どこか抜けて るので親近感が持てる。いつもビシっとしてるなんて変だもん。 エンド・クレジットは貴重な米海軍の勧誘ビデオになっています。(これを見て 入ろうと思う人がいるんでしょうか。) MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____ □ >>☆5☆真夜中のカーボーイ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ Midnight Cowboy 1969/アメリカ/113分/カラー 監督:ジョン・シュレシンジャー 出演:ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、 ブレンダ・ヴァッカロ、シルヴィア・マイルズ 1969年度アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞 アメリカン・ニューシネマ特集4回目は、イギリス出身の監督シュレシンジャー の渡米第1作目にあたる『真夜中のカーボーイ』。アカデミー賞史上、唯一の成 人映画指定(X-指定)を受けながら作品賞を受賞した作品としても知られる。以 下、本文に続く。 テキサスからニューヨークを目指すカウボーイ男ジョー(J・ヴォイト)。希望 と自信に溢れた象徴のカウボーイが、大都会で挫折し男娼にまで落ちぶれる中、 肺を病み不自由な足でねずみのように生きるリッゾォ(D・ホフマン)と出会 い、夢のフロリダを目指す友情を綴った物語。 退廃的なシーンが数多く見られるが、当時の風俗をうまく伝えているので抵抗な く見れる。この作品が成人指定扱いになったのは、女性とのからみやドラッグで なく別のものだったと言い伝えられている。男同士のやりとりがそれだそうだ。 猥褻なシーンや卑猥な言葉が飛び交う現代においては、何気なく見逃してしまう シーンに違いないが、いくらセックスやドラッグ描写に規制が少なくなったとは 言え、同姓同士というのには抵抗があったのだろう。 ニューシネマ映画をお伝えする時は音楽の事にも触れているが、今回も冒頭から 印象的に使用されている曲がある。ビートルズのジョン・レノンがファンだった と言うニルソンの代表曲の1つ「うわさの男」“Everybody's Talkin'”だ。彼は 銀行員から歌手に転向した人で、作詞作曲を手掛けるいわゆるシンガー・ソング ライターだが、今作の「うわさの男」やマライア・キャリーがカバーした事で知 られる“Without You”とヒット曲は、他人の手による曲。自身の作った曲はヒッ トに恵まれなかった。しかし、素晴らしい曲が多いうえ、他のアーティストから も評価されるほどの人なので、この機会に聴いてみられるのもいいと思う。 さて、いつもの出演者紹介ですが今回はJ・ヴォイト。 彼は、D・ホフマン同様に舞台出身で、今作で脚光を浴びた俳優。今作でアカデ ミー賞にノミネートされるだけでなく、ニューヨーク批評家協会賞では主演男優 賞を受賞。その後、1978年の『帰郷』でアカデミー賞とカンヌ映画祭の両主演男 優賞を受賞する演技派になる。最近では、『ミッション・インポッシブル』や 『エネミー・オブ・アメリカ』に出ていた。 最後に、この作品は1969年度のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞(D・ホ フマン)、主演男優賞(J・ヴォイト)、助演女優賞(S・マイルズ)、脚色 賞、編集賞の7部門にノミネートされ、うち作品、監督、脚色の3部門受賞し た。 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____ □ ┏━┓ I N F O R M A T I O N ┃i┃登録・解除・お問い合わせなどについて ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇ このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇ このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出 来ます。こちらでの作業は一切しておりません。 まぐまぐ (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm) マッキー! 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QT MAI 吉田 浩二 ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇ 映画に関して、「人物」「作品」「映画祭」「制作」と言った観点から紹介・ 論評するメールマガジンです。 Copyrights(C), 1998-2000 ScreenKiss 掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。 ┼ ┼