ScreenKiss Vol.224

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:天使がくれた時間(仮題)   □フィツカラルド   □キャスト・アウェイ   □日本映画名作特選:ニッポン無責任時代   □日本映画名作特選:地獄門 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:天使がくれた時間(仮題)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Family Man     ★★★☆☆     2000/アメリカ(日本4月公開予定)     監督:ブレット・ラトナー     出演:ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ  マンハッタンのペントハウスに暮らす、独身貴族のジャック。何不自由なく暮ら  してきた彼に唯一欠けているのは、クリスマスを共に過ごす愛する人。クリスマ  スイブの夜、たまたま助けてやった黒人の青年に『足りないもの』をプレゼント  すると言われた彼、翌朝目覚めると彼は、昔本気で愛した女性とともに家庭を築  いていたのだが…。  もはやアメリカン・コメディの定番となった『もし〇〇だったら』ネタ、古くは  『ペギー・スーの結婚』や『ミスター・ディスティニー』最近では『悪いことし  ましょ!』『ハート・オブ・ウーマン』などがあるが、どれもそこそこにヒット  するのはやはり人間ってものは常にないものねだりで、思うようにいかないから  面白い、という普遍性があるからなんでしょうか。  独身男とパパさんのファッションや暮らし振りの違いもリアルで笑える。車は  フェラーリからワゴンへ、ブランドスーツからスェットと皮ジャン姿に。下着ま  で黒のビキニ(けっこうキツイです。)からよれよれの柄トランクスになってい  る芸の細かさ。こうしてみると男も女も結婚してから自分の価値観守るのって難  しいのかもしれないですね。  ブラント指向で独身主義、仕事一筋の男性がある日家庭人に…。日本映画で作っ  ても案外面白い作品になりそうですよね。  それにしても最近ではすっかり炎をバックに叫んでいる、アクション俳優のイ  メージになってしまったケイジだが、個人的には『月の輝く夜に』など、コメ  ディの方が彼には似合っている気がするんですね。とりわけ男前でもないです  し。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆フィツカラルド☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Fitzcarraldo     ★★★★★     1982/ドイツ/157min/1:1.85     監督:ヴェルナー・ヘルツォーク     撮影:トーマス・マオホ     音楽:ポポル・ヴー     出演:クラウス・キンスキー、クラウディア・カルディナーレ、        ホセ・レーゴイ  アマゾンの奥地に位置するペルーの町、イキトス。自分が住むこの地にオペラハ  ウスを建て、上演する夢を抱く一人の男、フィツカラルド。ある日彼は、大好き  なカルーソーのオペラを聞くため、はるばるブラジルのマナウスへ出向く。その  上演に狂喜した彼は、ついに夢を実行に移すべく、オペラハウス建設の資金を捻  出するため、ゴム園を開くという計画を立てる。そして船を購入し、その目的地  に向かうのだが・・・・・。  この作品の主役にも、やはりこの人クラウス・キンスキー。オペラを上演すると  いう夢を狂信的とも言える行動で実現させようとする、そんな男をまさに神懸か  り的に演じようにも、この人を置いて他には存在せず。「アギーレ・神の怒り」  での彼の演技が動的であるとすれば、本作ではある意味において静的とも感じら  れる。だが、演じている主人公の本質は全く同じであり、「アギーレ・神の怒  り」との共通性がこの点、それ以外でも多々感じられる。  船が進んで行くと、やがて聞こえ始める、原住民の叫ぶ威嚇と共に鳴り響く太鼓  の音。その恐怖をかき消そうとするが為に、フィツカラルドが蓄音機から流し出  すカルーソーの美しい音色。すると突然、太鼓の音がピタっと止む。アマゾンに  悠然とカルーソーが流れていく・・・・・。  圧巻は、山越えをすべく徐々に上へと上がっていく巨大な船。その光景は何とも  異質であり、それがゆえに、凄いの一言しか出てこない。そしてラストでは、ア  マゾンの大自然をバックに、船上でオペラが上演され、それを岸で住民が歓喜で  見つめる。その光景を船上で眺め、満足そうに葉巻をくわえ我に浸るフィツカラ  ルド。まさしく、この作品のパワーがここに向かって集約されていると言っても  過言ではない、強烈であり素晴らしいラスト。  映像と音楽、そしてキンスキーが導く、孤高なるヴェルナー・イリュージョン、  ここに在り!!                                   ユタカ __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆キャスト・アウェイ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     CAST AWAY     ★★★★☆     2000/アメリカ/144分     監督:ロバート・ゼメキス     出演:トム・ハンクス、ヘレン・ハント  原題は漂流するという意味で、He was cast away on an island.てな感じに使  う。  映画は飛行機の墜落で1人漂流して、無人島に流れついたチャック(T・ハンク  ス)が4年を過ごし、脱出に成功する話。主題は、生還して4年前を取り戻せる  のかという点。凝縮されたアイデアと年月の過ぎ去り方が面白い。  さて、映画の評価に関して、無人島という設定がたまらなく好きな私が冷静に評  価できるとは思えないが、「楽しめる」点では満点を付けたいくらい。しかし、  生還した後のストーリといい、初めっから最後まで「これはFedExの宣伝か?」と  も思えるほど、徹底したイメージが鼻に付く。映画に随分協力したのか、お金を  出したのか、もちろん映画を見た人には理解できるだろうが、あれを『届ける』  事が無人島で生きていく1つのmotivationだったと考えられる。  でも恋人以上に理由が必要なのか? それにしても生死をかけている状況で、箱の  中身を確かめないなんてことがあるか? たとえ箱の中身は「documents」と書い  てあっても、他の何かを一緒に入れている可能性があることはこの業界の常識  で、開けて確かめないなんてことが考えられないよ。この映画のそのあたりがダ  メ。でも、そんな実状を知らない人にはすんなり受けとめられるだろうから、そ  の点も考慮して★をつけました。輸送の業界にいると分かる、『UPS』の名前をつ  かったジョークが身にしみる。  オープニングのモスクワのシーンでは、「ER」を思い出すようなカメラワークで  患者やレジデントの代わりにパーセルやカーゴマンを追いかけていく。迫力ある  よね。  チャック(T・ハンクス)が乗りこむ飛行機は乗客には馴染みのないfreighterと  言われる荷物専用機で、しかもFedExの自社機。映画の通りパイロット以外にも数  人が座れる座席がついていて、実際に会社の出張時はそこを使用するらしい。ま  た、噂によると顧客用に無料で提供されるらしい。今まで映像では見たことがな  かった私も、よーく状況が分かって興味深い。  しかし、映画至上最も恐怖を感じた墜落シーンには呆然とした。T・ハンクスの表  情の演技が上手だからこそ感じる恐怖でした。続く嵐のシーンでは、記憶に新し  い「パーフェクト・ストーム」以上の水の恐怖が迫る。楽しめます。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆日本映画名作特選:ニッポン無責任時代☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     1962/東宝/86分/カラー     監督:古沢憲吾     出演:植木等、ハナ肇、谷啓、重山規子、中島そのみ、団令子、        松村達雄  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回は、第219号に続く日本映画名作特選の2回目  として東宝の作品をお伝えする。  東宝と言えば黒澤明&三船敏郎コンビによる傑作時代劇群が有名だが、様々な現  代喜劇を連作した事でも知られている。「社長シリーズ」「駅前シリーズ」「無  責任シリーズ」などがそれである。その中でも、「無責任シリーズ」は高度経済  成長の中におけるサラリーマンを風刺したものとして公開当時大ヒットを記録。  全4作製作されたが、こと第1作は大島渚監督も絶賛するほどの誉れの高さ。今  回は、そのシリーズ第1作目にあたる『ニッポン無責任時代』をご紹介する。主  演の植木等の無責任ぶりが全開! 以下、内容紹介。  平均(たいらひとし)というとぼけた男が、洋酒会社にもぐり込み正社員として  採用される。上司からは嫌われるが社長の信頼を得る事になり、アレコレ手を下  しあっさり役員に昇格。外部からの圧力による社長交代劇の時もうまく世渡り  し、さらに昇進。あまりの昇進ぶりに、元上司との間に上下の立場を逆転させて  しまう。しかし、新社長の策略に遭い会社を辞めるはめになる。だが1年  後・・・・。  無責任の上に荒唐無稽なストーリー。バカ映画になりそうな題材だが、主演であ  る植木等の魅力が作品の格上げに大いに貢献している。植木等による植木等の為  の映画といってもいい内容。劇中、植木により披露される「スーダラ節」や♪サ  ラリーマンは〜、で始まる有名な歌の数々も作品にマッチし効果を挙げている。  近年、一般的評価の高いバカ映画の『オースティン・パワーズ』や現在公開中の  『ギャラクシークエスト』などを好まれる方は、今作『ニッポン無責任時代』を  大いに気に入るのではないかという感想を持つ。ファッション性やアート性とい  う半ば表面的な部分ばかりが目立つ近年の作品には見られない、世相を反映させ  且つ現実社会を笑ってみせたという点において、今作は風刺映画として、より一  層の奥行きを感じる。とにかく一見の価値あり。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆日本映画名作特選:地獄門☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     地獄門     1953/大映/88分/カラー     製作:永田雅一     監督・脚本:衣笠貞之助     原作:菊池寛     出演:長谷川一夫、京マチ子、山形勲     1954年アカデミー衣装デザイン賞、外国語映画賞     1954年カンヌ映画祭グランプリ  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回は、日本映画名作特選の3回目として大映の  作品をご紹介する。  大映は、小説家菊池寛が社長を務めた事でも知られる。その菊池寛のもとで育っ  た永田雅一が、1947年に社長に就任した後の大映はめざましく、海外映画祭で  数々の賞を受賞した。今回ご紹介する『地獄門』もその例に漏れることなく、ア  カデミー外国語映画賞とカンヌ映画祭グランプリのダブル受賞という偉業を達成  した。以下、内容紹介する。  時は平安時代。平家と源氏の2者が争う平治の乱の最中に出会った盛遠(長谷  川)と袈裟(京)。盛遠は袈裟の美しさに惹かれ激しい恋心を抱く。戦において  武勇に秀でた盛遠は、平清盛から恩賞を授かる事になる。希望を申せと言う清盛  に、盛遠はためらいもなく袈裟という女性を妻にめとりたいと申し出る。しか  し、この盛遠の願いは叶わなかった。袈裟は人妻であったのだ。諦めきれない盛  遠は、執拗に袈裟に迫る。彼の目に余る行動が袈裟の夫(山形)の目にとまり、  盛遠と袈裟の夫の2者の間で確執が起こる。  平家と源氏が対立する時代背景の中に、双方平家に仕える男たちの間の対立を描  いた点は面白い。源氏に寝返る兄と平家を守り抜く弟の対象を絡めていたのもよ  い。また、夫婦間の信頼関係というのを浮き彫りにしてみせた点などは、現代人  にも相通じる事柄として考えさせられる。  今作は、海外映画祭で賞を受賞したという事以外にも、イーストマン・カラーを  使用した最初の作品としても知られる。そのカラー映像の中に、平安時代という  絢爛たる様式美を表出させたのは画伯の和田三造で、見事アカデミー衣装デザイ  ン賞を受賞した。  原作は菊池寛の「袈裟の良人」。これを脚色した監督の衣笠貞之助は、戦前から  映画界で活躍。始めは女形俳優として映画界入りしている。女形とは(オヤマ)  と言い、いわゆる女を演じること。日本映画草創期は、歌舞伎のように男だけが  役者だったのだ。後に監督に転身してからは、先駆的な芸術作品を作った事でも  知られる。戦前の日本映画史には必ず名前が出て来るほどの人物。  出演の長谷川一夫は、林長ニ郎の名でデビュー。二枚目俳優の代名詞的存在。戦  前、映画会社の所属を変えた時に暴漢に襲われ顔に傷を受ける。その時、真っ先  に鏡を取り、傷の様子を確認したという。病院へ行こうと慌てふためく周囲の人  に、「俳優は顔が命」と言い放ったというエピソードを有名。  共演者の京マチ子は、“世界のマチ子”として絶大なる地位を確立。出演作が海  外映画祭で受賞しまくりという無敵ぶり。1950年『羅生門』、53『雨月物語』、  それと今作の『地獄門』と続いた快進撃は他の俳優には見られない。  ある意味、この時期が最も大映に勢いがあった時。勝新太郎や市川雷蔵、若尾文  子といった俳優陣や増村保造、新藤兼人といった監督が60年代になって活躍する  が、日本映画史上に輝く名作を連発したという意味で述べた。  4回目となる次回は、東映の作品をご紹介する。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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