ScreenKiss Vol.244

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Vol.244
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □マレーナ   □横浜フランス映画祭2001特集     カオスの中で     天国で殺しましょう     来日ゲスト:ブノワ・マジメル     来日ゲスト:キャロリーヌ・デュセ >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆マレーナ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Malena     ★★★★★     2000年/イタリア・アメリカ合作     監督:ジュゼッペ・トルナトーレ     出演:モニカ・ベルッチ、ジュゼッペ・スルファーロ  舞台は第二次世界大戦中のシチリア。戦争で夫を亡くしたマレーナは、美し過ぎ  るが故に男達には欲望の、女達には嫉妬の目を向けられる。彼女が運命に弄ば  れ、たどる数奇な運命を、彼女を一途に思いつづける少年の目を通して描く。  オレンジ色にかすむ鄙びた港町の風景、黒い服を着た人々の雑踏、その中をボ  ディ%コンシャスなドレスに見を包み颯爽と歩くマレーナの絵がとにかく良い。こ  の映画のメインともなるシーンで何度も登場するが、その度にマレーナを演じる  ベルッチの美しさに息を呑む。  殆どセリフのないマレーナの心情を、彼女の衣装、ヘアスタイルそして表情など  だけで巧みに表しているのも良い。  ともすればベタな感傷になりがちな少年の恋も、下ネタ系のお笑いが程よく入る  おかげでしつこさがなく、説得力がある。(でも彼って世が世ならストー  カー?!)  同じ第二時大戦を描いた『パール・ハーバー』に比べ予算は一体何分の一  か・・・。って感じですが、戦争に対する嫌悪感はこの映画を見た後のほうが遥  かに上でしょう。切ない初恋物語と1人の女性の半生を通じてこれだけのことを訴  えるなんて・・・。やっぱりトルナトーレはスゴイ!  特にラストの、やつれ果てた彼女が少年にふっと見せるなんとも言えない表情!  これだけで、しばらくは泣けます。  とにかくトルナトーレ節炸裂の傑作。『海の上のピアニスト』に納得できなかっ  たファンも、こちらはお見逃しなく。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆カオスの中で☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     La confusion des genres     2000年/フランス     監督:イラン・デュラン・コーエン     出演:パスカル・グレゴリー、ナタリー・リシャール  弁護士のアランはハンサムでチャーミングでお人よし。ノーといえない優柔不断  な性格が災いして、彼の同僚の女性、依頼人とその恋人、そして元恋人の弟など  など、彼をとりまく全ての人は常に混乱状態。果たして彼は、平穏な人生をとり  もどせるのか・・・。  いやー。カッコ良かった、生パスカル・グレゴリー。ロメールの作品ほか多数出  演している彼ですが、ホンモノの彼は役柄のアラン以上に周りの人がほううって  おけないセクシーな大人の魅力で一杯でした。写真を撮らせていただいて『アリ  ガト』と言われたときには失神寸前でした。いやほんと。  さて、作品ですが、こういう奴っているいる。皆にイイ顔して、傷つけまいとす  るが故にどんどん深みにはまって、挙句みんなをイライラさせてしまう奴。で  も、何故か憎めない、みたいな。ちょうど『マンハッタン』のウディ・アレン風  でもありますが、男前が演じるとこうも雰囲気が変わるのか、と感心。  皆、神経衰弱ギリギリのナーバス状態で、泣いたり怒ったりしてるのもアレン作  品風なので、彼の『夫たち、妻たち』などの作品が好きな方にはお勧め。  それにしても妻(になる女性)と若い女性と、若い男の恋人という設定は同フラ  ンス映画祭にて上映された『バルニーと彼のちょっとした心配事』と全く同じ。  2作品を見比べてみるのもいいかも。フランスではこういう三角関係ならぬ四角  関係が今ポピュラーなんですかねえ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆天国で殺しましょう☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Un Crime Au Paradis     2000年/フランス     監督:ジャン・ベッケル     出演:ジャック・ヴィルレ、アンドレ・デュソリエ  長年連れ添ってきた夫婦ジョジョとリュリュはお互い顔を見るのもウンザリする  ほど憎み合い、リュリュは夫に数々の嫌がらせを始める。ある日、どんな殺人事  件も無罪にしてしまうスゴ腕弁護士のニュースを見たジョジョは、彼に妻を殺し  たともちかけ、無罪になる方法を聞き出すのだが・・・。  『奇人たちの晩餐会』でも変わり者だがお人よしの男を演じたジャック・ヴィル  レだが、本作では切手コレクションとヤギが全ての更にバカ正直で小心者の夫を  好演。相変わらずのなりきり演技で、彼を見ているだけでも本当に笑える。  特に裁判で切手コレクションについて熱くかたる場面は思わず目頭が熱くなるほ  ど?!  『殺したい女』や『ローズ家の戦争』など、このテのストーリーはハリウッド映  画にもあるものの、殺人が絡んでもどこかほのぼの暖かく和んでしまう作風はフ  ランス映画ならでは。『クリクリのいた夏』などのベッケル監督の暖かい人柄が  滲み出ているかのようだ。  散々笑ったあげくホロリとさせられる秀作だ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆来日ゲスト:ブノワ・マジメル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  まだまだ日本での知名度は低いとは思うが、最近では『年下のひと』で共演した  ジュリエット・ビノシュとの間に一児を設けたり、カンヌ映画祭で最優秀主演男  優賞を受賞したり、はたまた対談したデビ婦人に「名前のとおりのマジメな人」  (寒・・。)と言わしめたり、何かと話題になっている人である。  本年のフランス映画祭では『リザ』『王は踊る』『マチューの受難』の3本もの  映画に出演している。  初日に公開された『リザ』の舞台挨拶に現れた彼はベージュの三つボタンスーツ  に、茶のシャツとタイに茶の革靴という抜群のファッション・センスで現れた。  ティーチ・インの時も常に『監督のいう事は完璧なので僕のいうことは何もあり  ません。』と謙虚で低姿勢。イイ男なのにぜんぜんお高くとまってないのが好印  象。カメラを向けてもわざわざ笑顔を作ってくれるサービス精神の持主である。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆来日ゲスト:キャロリーヌ・デュセ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  98年フランスで公開され、その大胆な性描写でニューズ・ウィーク他各マスコミ  を騒然とさせた話題作『ロマンスX』。日本では6月30日公開予定だが、この作品  の主人公を臆することなく演じて話題になったのがこのキャロリーヌである。  今回、ジャック・ドワイヨン監督の『フリーキーラブ』では打って変って奥手な  少女を演じていた彼女、映画ではやや地味な女性の印象を受けたが、実際は思わ  ず息を呑むほどの可憐さである。  色白の透明感溢れる肌も綺麗だし、驚いたのは顔の小ささ!ほんと私の握りこぶ  しくらいしかないんじゃあ・・・。という感じ。  また、特筆すべきはそのファッションセンス。ワインレッドのロングドレス、光  沢のある水色のミニドレス、それに色とりどりの花のモチーフをちりばめたビス  チェなど、全てのパーティで変身!全体的に可愛らしい感じにまとめているあた  りが、ちゃあんと自分のキャラを分かっているというか・・・。  これからの活躍がたのしみです。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.243

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □横浜フランス映画祭2001特集     フリーキー・ラブ     リザ     栄光のあまりに狭き門     リハーサル(仮題)   □ロンドン映画情報 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆フリーキー・ラブ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Carrement A L'ouest     2001年/フランス     監督:ジャック・ドワイヨン     出演:ルー・ドワイヨン、キャロリーヌ・デュセ     本年度カンヌ映画祭出品作品  日本でも大ヒットした『ポネット』の監督、ドワイヨンが愛娘のルーを起用した  こと>でも話題を呼んでいる作品。

 ドラッグの売人をしている青年アレックスは、金を払わない客とトラブルにな
 る。そんな彼に客の恋人の女性フレッドが近づいてくる。彼女は気のある素振り
 を見せたかと思えば、クラブで一人ぼっちでいた寂しげな女性、シルヴィアを誘
 え、とけしかけたりもする。ひょんなことからホテルで一室を共にした3人の感
 情が交錯する・・・。

 とにかくセリフが活きた作品。『ときどき無性にパイが食べたくなるの。』と
 いった日常的なことから『セックスと愛は別のものなの?』などの恋愛論に至る
 まで、実際に自分が口にしたことがありそうなものばかりでなんともリアル。

 内向的でシャイだけど感情をストレートに表すシルヴィアと、大胆で小悪魔的な
 のに、実は感情を素直に出せないフレッド、女性であればどちらに感情移入する
 かでこの作品の見方が変わってきそうで面白い。男性であればどちらを選ぶか、
 とかね。

 今回監督をはじめ、主演の3人が揃って来日した。(ルーは夜のパーティから参
 加。)

 パーティ会場では、抜けるような白い肌にブルーのドレスが繊細なイメージの
 キャロリーヌと、モデル出身の長身を黒いドレスに包み、タバコをくわえたセク
 シーなルーに挟まれて、アレックス役のギヨーム・ソレルが談笑しており、なん
 だか映画そのままの構図にニヤリとしてしまったのでした。

                                MS.QT.MAI
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>>☆2☆リザ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Lisa     2000年/フランス     監督:ピエール・グランブラ     出演:ブノワ・マジメル、ジャンヌ・モロー  若手映画監督のサム(マジメル)は、戦前活躍した俳優シルヴァンの生涯を映画  化しようと考え、彼がかつて愛した女性リザ(ジャンヌ・モロー)を訪ねる。そ  こで彼は戦争に翻弄された若き日の彼女(マリオン・コティヤール)と彼の美し  くも哀しい話を聞くうち自らのルーツも知ることになるのだった。  『パール・ハーバー』『マレーナ』と各国で40年代の戦争に翻弄される人間模様  を描く映画が作られているが、本作は現代を生きる若者であるサムが、リザの話  を聞くうちに自らの両親との関係を深めていったり、年老いたリザと不思議な信  頼関係を築いたりと、過去、現代両方をベースに描かれるところがユニーク。  また、サムが母親から戦時中の体験を聞かされるくだりでは、戦争がそんなに遠  い昔のことではないという現実を思い知らされる。  ユダヤ人差別、病人に対する差別、そして愛する人との別離とかなり重たいテー  マでありながら、映画館でのラブ・シーンや、フレッド・アステアばりのダンス  シーンなどロマンチックな場面も多く、それが逆に切なさを盛り上げてくる。今  回はサム役のブノワ・マジメルと監督が来日しているが、監督の日本人女性との  間の息子さんが登場するなどサプライズもあり、ほのぼのムードに包まれた舞台  挨拶であった。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆栄光のあまりに狭き門☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Les Portes La Gloire     2001年/フランス     監督:クリスチャン・メレ・パルドール     出演:ブノワ・ポールブールド、ジュリアン・ボワスリエ  30代の青年ジェロームは義父が社長を務める本のセールス会社ペガサスで、飛  びこみセールスマンとして働くことになるが、チームメイトたちは映画『戦場に  架ける橋』を座右の銘とするチーフら、変わり者ばかり。果たして彼はセールス  マンとして成功することが出来るのか・・・。  監督は本作が初監督作品ということだが、『戦場にかける橋』のセリフや場面を  巧みにダブらせ、セールスマンというタフな職業を戦場に見立てた手腕が見事。  しがないサラリーマンにだって男の意地と誇りがあるんだ!というのがひしひし  と伝わってくる。  トホホな中年男たちを描いた作品は『フルモンティ』などイギリス映画を彷彿と  させる。また、1人ひとりのキャラが皆曲者でワガママなのにどこか憎めない愛嬌  があり、ついつい応援したくなってしまうあたりもイギリス映画のコメディ風な  ので、普段フランス映画はちょっと・・・。という人にも楽しめそうだ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆リハーサル(仮題)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     La Repetition     2001年/フランス     監督:カトリーヌ・コルシニ     出演:エマニュエル・ベアール、パスカル・ブシェール     2001年カンヌ映画祭コンペ部門出品作品  幼い頃からの親友同士だったナタリーとルイーズは共に女優を目指していたが、  10年後再会した時、ナタリーは女優に、ルイーズは結婚して歯科技工士になって  いた。再び友情を超えた愛で結ばれた2人だが、ルイーズの存在がナタリーには  重たくなってきていた・・・。  フランス映画の女の友情ドラマって本当にリアルというか、重たいものが多いで  すね。ロマーヌ・ボーランジェ主演の『ミナ』とか・・・。ハリウッドものだと  友情は永遠!ってな感じの爽やかなものが多いけど。  でも、女同士の友情って男が絡んだり、結婚してライフスタイルが変わったりす  るとあっというまに崩れたりするのが現実。そういう意味で女の友情をあまり信  用していない私個人的にはこういう物語のほうが納得できますね。  女性同士のベットシーンなどもありレズビアン映画っぽい雰囲気も出ています  が、そこまでではなくても女同士ってどこかベッタリしすぎてしまう部分ってあ  りますよね。それがうざったく感じられたり・・・。そういうのってよく解りま  す。  あまりに生々しいので見ていてちょっと疲れましたが、これだけ人間の感情をリ  アルに描いたという点では見事。心理ドラマとしては一級。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆ロンドン映画情報:パール・ハーバー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     2001年米     監督:マイケル・ベイ  「アルマゲドン」の制作チームによる作品、とのことだが、「アルマゲドン」と  「タイタニック」を足して割った、「とにかくお金がかかってそうな」作品、と  いうのが率直な感想。  通常映画の初日は金曜と決まっているイギリスだが、一日早く5月30日木曜に封切  られたこの作品。一月前からロンドン市内セントラル地区の地下鉄には巨大ポス  ターがそこここに貼られ、前週に行われたハワイでの300万ドル掛かっているとの  噂のワールド・プレミアもTVの朝のニュースでかなりフィーチャーされた。巷に  この映画がかなり浸透したタイミングでの公開、配給会社の宣伝はかなり上手  かった。  ストーリーそのものはかなり単純。ベン・アフレック、ケイト・ベッキンセイ  ル、ジョッシュ・ハートネットをめぐるロマンスと、真珠湾攻撃にまつわる日本  側と、攻撃されたアメリカ側のプロセスを伏せて描いた物語だ。私はこの映画の  トレーラー(映画館用宣伝CM)を見た時すでにストーリーを想像出来たのだが、  あまりに当たっていたので驚いた。(違っていたのは、「兄弟の役」と思ってい  たベン・アフレックとジョッシュ・ハートネットが「親友」だったことくらい。  随分歳の差があるように思ったもので、、。)  想像できたのも日本人なら当然。何故なら、日本で実際「若き兵士の出征と、残  された恋人・若妻」にまつわるエピソード(ストーリーに直接触れるので書くの  を控えるが)として、多数実在した話だからだ。(日本映画「連合艦隊」、「瀬  戸内少年野球団」にも使われているエピソード。)しかし、この手の話、アメリ  カでも多数起こったと思うのだけに、「今更」感があったのは否めない。  甘過ぎるラブ・ストーリーは本当に「大甘」すぎて辟易するが、真珠湾攻撃の  シーンは「タイタニック数隻分」、といった感のスケールで描かれていてなかな  か迫力がある。しかし「タイタニックに似てる」と見る人ほとんどに言わせてし  まうのが悲しいところ。  日本公開では上官役アレック・ボールドウィンのセリフが一部カットになるとの  こと。この部分も注目していたのだが、私にとっては「敵として描かれるなら、  このくらいのコメントは仕方ないかも」程度だった。しかし、日本人として「連  合国側」でこの映画を見る心中は複雑だった。主人公達に共感したい気持ちなの  は山々なのだが、彼らの敵は「JAP(日本人)」=すなわち私である。攻撃シーン  で「WOW」と歓声があがるたび、言いようの無い思いが胸をよぎった。  当然日本を含むマーケットを意識して作られており、日本人「そのもの」に対す  る攻撃的描かれ方はしていない。センシティブな問題だけに、注目されることが  分かった上で注意深く作ったのだろう。勿論日本人としては気分の良くない表  現、言い回しは多数あるが、戦争ものである限り、それは避けられないことだと  すれば、日本人が「きちんとした日本語」をしゃべっている点も含め、製作側の  考慮は感じられる。その分、ストーリーの掴みが甘い感もあったが。  しかし、、、最後の「まとめ」のナレーションはかなりいただけない、というよ  り私は笑ってしまった。つまり「アメリカは正しく、強い国なのだ」と言わねば  ならないのがアメリカなのですね?(という内容。)好意的に見ようと頑張った3  時間の果てに、と思うと、個人的にはこれで一気に気分が悪くなってしまった。  救いはキューバ・グッテングJrとジョッシュ・ハートネットの存在。グッテング  Jrの演技は光るものがあるのだが、主人公3人との絡みに欠けるため、役割そのも  のが薄かったのが残念。  ジョッシュ・ハートネットの瑞々しさ、チャーミングさは、これで全てを許せ  る、とは言わないまでも、かなり救われる(笑)。ものすごいハンサムではない  が、この映画での彼は本当に輝いている。スタイルもよく、顔が2倍あるベン・ア  フレックが可哀想だった(笑)。この作品を機に一気にブレイクする可能性大。  先日BBCのニュースで、「日本ではこの作品がどう受け入れられるのか?」とのレ  ポートがあったが、「遠い昔の話として、若者には受け入れられるのでは?」と  まとめられていた。さて日本での反応がいかに?                                  hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.242

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □横浜フランス映画祭2001   □ハリウッド映画新作情報:パール・ハーバー   □ザ・ダイバー   □ロンドン映画情報   □殺人狂時代 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆横浜フランス映画祭2001☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 今年も横浜フランス映画祭が始まりました。 予定は下記の通り 6月20日(水)  『リザ〔Lisa〕』  『月の砂漠〔DESERT MOON〕』  『水曜日は大忙し!』 6月21日(木)  『短編映画特集〔LES COURTS METRAGES〕』  『フリーキー・ラブ!〔Carrement a l'ouest〕』  『栄光のあまりに狭き門〔Portes de la gloire, Les〕』  『王は踊る〔LE ROI DANCE〕』 6月22日(金)  『ナイトシフト〔Night Shift〕』  『ロベルト・ズッコ〔Roberto Succo〕』  『バルニーと彼のちょっとした心配事〔Barnie et ses petites contrar〕』  『将校たちの部屋〔LA CHAMBRE DES OFFICIERS〕』 6月23日(土)  『マルタ・・・・マルタ』  『リハーサル(仮題)〔Repetition, La〕』  『天国で殺しましょう〔Un crime au paradis)』  『マチューの受難〔Selon Matthieu〕』  『クローゼット〔Placard, Le〕』 6月24日(日)  『8月15日(原題)〔15 aout〕』  『カオスの中で〔Confusion des genres, La〕』  『原色パリ図鑑2〔Verite si je mens! 2, La〕』  『モータル・トランスファー〔Mortal Transfer〕』  『マドモワゼル〔Mademoiselle〕』 記者会見(20日) □駐日フランス大使 モーリス・グルドー=モンタ−ニュ  日本ではフランス映画の人気が高く、それは感性に共通点があるからでしょう。  今回は初めて日本人の監督の作品が上映されます。今年のカンヌ映画祭で非常に  評価の高かった青山真治監督作品『月の砂漠』です。 □横浜市文化振興財団理事長 斎藤龍  第9回を迎えたでは、新しい世代の為に『水曜日は大忙し!』に300人の子供  たちを招待する事になりました。記者会見に欠席した市長も参加できないことを  とても残念がっていたことを伝えていました。 □フランス代表団団長 ナタリー・バイ  今回代表団団長として努められることを誇りに思います。初めて来てから日本が  好きになりました。映画を見ると言うことは最もよく文化を知ることが出来ま  す。飛行機に何時間も乗らなくても、時差を感じることもなくその情景に浸れる  のです。 □ユニフランス会長 ダニエル・トスカン・デュ・プランティエ  フランス映画に興味を持つ人が多くことはわかっていましたが、どんな感じで受  けるのかわかりませんでした。横浜は日本が開国したとき最初に開港した都市の  一つであり、国際的な都市だということで、10年前にジャン=ジャック・ベ  ネックスらと横浜でフランス映画祭を行うことにしたのです。フランスの映画界  にとっても、この映画祭はとても重要なものです。  フランスのパリではアジアの作品が非常に受け入れられています。パリが色々な  国の映画を広める原動力になって行くと良いと思っています。 □「月の砂漠」監督 青山真治  ジャン=リュック・ゴダールの作品など多くの映画を見ることで映画の魅力を知  り、学び、制作するようになっていきました。カンヌ映画祭に2年連続で出品  し、最初に見てくれる観客がフランス人だということもあり、フランス人からは  多くの恩恵を受けているわけであります。 質問コーナー □今年は例年よりもさらに良い作品が多かったと思うのですが、政治的、経済的  に安定していることが影響しているのでしょうか?  直接的に政治や経済が作品に影響を与えていることはないと思います。逆に文化  が経済の影響を受けると言うことは悲しいことだと思います。 □ミシェル・モルガンさんのような方の長年のスターは来日する可能性は有りますか?  彼女は飛行機が大嫌いですから、もし船で来れることがわかったら、喜んでくる  でしょう。 □スピルバーグ監督のサテライトでの会見、主役の少年の来日、『パール・ハー  バー』のプロモーションなど、時期を同じくしてアメリカ勢の攻撃が激しいので  すが、それについてどう思われますか?  フランスの映画市場で比較してみると55%がフランスで45%がアメリカなの  で、スピルバーグ監督は焦っているのでしょう。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ハリウッド映画新作情報:パール・ハーバー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Pearl Harbor     ★★★☆☆     2001年/アメリカ     監督:マイケル・ベイ     出演:ジョシュ・ハーネット、ベン・アフレック  幼馴染のレイフ(アフレック)とダニー(ハーネット)は、子供の頃からの夢が  高じて共に軍のパイロットとなる。レイフは、イヴリン(ケイト・ベッキンセー  ル)という美しい看護婦と恋に落ちるが、イギリスの戦火の下へ飛ばされ消息を  絶つ。共に親友と恋人を失ったダニーとエヴリンは次第に愛し合うようになる。  そんな折、日本では密かにパール・ハーバーの襲撃計画が進行されてい  た・・・。  あーあ。ブラッカイマーやっちゃった、って感じです。『タイタニック』的ロマ  ンチック路線と『アルマゲドン』的アクション、それに『プライベートライア  ン』的、戦争大作路線を一度にねらい、全てが中途半端に終わっちゃったという  感じ。  おかげで3時間近くもあるのに、登場人物へ感情移入も出来ないし、日本のアメ  リカへの攻撃シーンも迫力はあるものの長過ぎてうんざりしてくる。その間中、  後ろに座っていた5歳くらいの黒人少年に「Japan Sucks!」とか言われ続けてい  た私って・・・。  2人の男の間で揺れ動くエヴリンも演技が下手なのか、脚本が悪いのかいまいち  本気に見えず、ただ軍配の良い方に付いて行く軽い女に思えて仕方がなかった。  上手くすれば『ひまわり』くらい泣けるシーンが出来あがると思うのだ  が・・・。  そして、日本を悪者にするのは戦争映画だから良しとしても、日本人が皆眼鏡を  かけてたり、キモノを着てるのはすごくヘン!いい加減ちゃんと時代考証をして  ほしいもんである。(しかし、逆サイドから見る戦争映画と言うのはある意味興  味深かった。)  とはいえ撮影は素晴らしく、予告でも見られる襲撃前の日本軍の飛行シーンや、  ハワイの夕日などはため息がでる位良い。ついでに2人の男が魅力的なのでおま  けで三ツ星。 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ザ・ダイバー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Men Of Honor     ★★★★☆     2000年/アメリカ     監督:ジョージ・ティルマン・ジュニア     出演:ロバート・デ・ニーロ、キューバ・グッティング・Jr  ケンタッキーの田舎町で生まれたカールは得意の泳ぎを生かし、海軍に志願る  が、差別の厳しい60年代、黒人である彼に与えられたのはコックの仕事のみ。  なんとか黒人として初めてダイバーの養成校に入隊するも、そこには鬼教官サン  デー(デ・ニーロ)らの厳しいいじめが待っており・・・。  カールを演じるキューバ・グッディング・Jrの瞳がいい。どんな困難にぶち当っ  ても真っ直ぐ前を見つめている。ベテランであるデ・ニーロにも全くひけをとら  ない。  特に父親の形見であるラジオを壊されたときにデニーロを見据える場面では完全  にデ・ニーロを食っていた。  『ザ・エージェント』で既にオスカーを手にしている彼だが、本作ではシリアス  ものも完璧にこなす芸域の広さを見せた。  海軍を舞台にした映画はとかく『アメリカ・イズ・ナンバー1』といった感じに  なりがちだが、本作はあくまで人間として生きる権利、そして、軍人として最後  まで諦めず戦う誇りがテーマとなっており、素直に感動できる。  それにしても差別との戦いと、怪我をした自分自身との戦いと壮絶な人生を送っ  たカールだが、これが実話というところが驚きである。これだけの話が今まで映  画化もされず放っておかれたのが不思議なくらいである。  ところでこの後に見た『パール・ハーバー』でのキューバの役どころが本作のと  異様に似ていた。軍でのランクもコックの仕事も、そして黒人としてはじめ  て・・・。という所まで。これは偶然なのか手抜きなのか・・・。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ロンドン映画情報☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  番外編 : 演劇「The Winds Of God 〜零のかなたへ〜」ロンドン公演  日本では1ツアーで3万人を動員し、ブロードウェイ、ハワイ、LAでの公演も成功  させている今井雅之氏 脚本・監督・主演のこの芝居が、ロンドンの演劇のメッ  カ、ウェスト・エンドで公演された。  The WInds Of God=神風。売れない漫才コンビ、アニキとキン太は現代から太平  洋戦争終結間近、1954年8月1日の特攻隊の出撃基地にタイム・スリップしまう。  彼らは前世の姿・特攻隊員としてその場にスリップしてしまったのだった。そこ  で目にしたのは、様々な思い・葛藤を抱えつつも、最後まで生きることへエネル  ギーを失うことなく「零のかなたへ」飛びたってゆく若者の姿だった、、、。  5月4日〜から5月26日まで、週6公演ペース全20公演。ハード・スケジュールの  中、公演一週間を終えた今井氏に幸運にもお話をうかがうことが出来た。  筆者が公演を見たのは2日目だったのだが、約200席の劇場に半分強の入り、とい  う状況。しかしこの手の公演ではほとんどが日本人の観客、ということが多いの  だが、字幕ではなく「英語」での公演であったためか観客のほとんど英国人、も  しくはヨーロピアンと思しき人たちであった。  「一週間終えて、口コミがどこまで広がっているのか。アメリカの方がマスコミ  をはじめリアクションは早い気がする。(東京やブロードウェイと比べて)ロン  ドンは『きれいな演劇』という感じがするし、保守的な部分もあるけれど、でも  ロンドンはパンクの生まれた街だからね(笑)」と語り始めてくれた今井氏。ロ  ンドン公演はブロードウェイ公演の際に「この作品はイギリスで受ける」と勧め  られたのがきっかけだった。  「じゃあ、一度ブロードウェイと肩を並べているウエスト・エンドにも行ってみ  ようかな、と。でも金がなかったんで、2年お金を貯めて今回来たんです。」  映画化されたこともあり、日本で演劇を知る人なら今やこの作品を知らない人は  いないであろう。91年のLA公演以来、海外では一貫して英語で上演している。し  かしこれまで日本の公的機関からの援助はなく、LA、ブロードウェイ、ハワイ、  とまったくの自主公演だった。  「今回公演13年目にして初めて国際交流基金の援助がついたんですが、海外にこ  の芝居を持ってくるたびに思うことだけれど、日本の機関は冷たい。今回も9割以  上は自主公演です。もともと国は嫌がっていた作品ですからね。(「神風」の話  だから)何でそんな波風立てにわざわざいくのかって。」  海外公演の難しさは波たいていのことではないはず。劇場選びからマスコミへの  働きかけまで、すべて今井氏の独立プロダクション公演としてやってきた。「こ  れまでボクらずっと闘ってきたんです。NYやハワイにケンカしに行ってるわけ  じゃなくて、コミュニケーションとりに行ってるわけでしょ。それを我が国が一  番理解してくれないっていうのは腹がたつ。これだけ英語使って海外に出ている  作品、そうないですよ。でもカミカゼだから、審査がどうのこうのって。最初日  本で口コミで広がったこの芝居をアメリカに持っていったらいいんじゃないかと  いわれて、でもスポンサーも付かない。国が一切援助してくれない。悔しかっ  た。」  「英語」での公演へのこだわりも強い。「日本人が字幕スーパーで海外でやるの  が嫌だった。字幕では残っていけないですよ。空手や柔道は言葉を超えたものが  あるけれど、演劇は言葉なんで、やっぱり限界がある。でもLAでの初演では『英  語がヘタ』ってレビューに書かれましたけどね(笑)。」  ある意味、日本にまつわる一番センシティブな部分である「戦争」「カミカ  ゼ」。この芝居で欧米人のカミカゼへの印象が変わると思う?との問いに「英語  でカミカゼは『Suicide Attack(自殺攻撃)』っていうけれど、Suicideなんか  じゃ全然ない。皆、最後ギリギリまで生きようとした『生のエネルギー』がテー  マなんです。」  「初めてロスで公演したとき、白髪のおばあちゃんに『私は今日実は文句を言い  にきた。私のいとこはカミカゼ・パイロットに殺されたんです。でも明日から考  えを変えます。あなた達も同じ人間だったのよね』と言われ、これが演劇なん  だ、と思ったんですよ。ハワイの真珠湾60周年に(この芝居を)持っていって  も、デモもおこらなかったし、最後はSold Out。絶対分かってくれるんです  よ。」  これまで、「3年給料ナシ」でTVや映画での収入をすべてこの芝居に注いできた今  井氏。「もう40ですから、ボクもう次にいきたいんです。(具体的には)映画を  つくりたい。もしロンドンで『make it happen』しなかったら、これがボクの  (この芝居での)最後の挑戦になると思うけど。」  しかし、『make it happen』!公演最終週、チケットは連日完売となった。日本  人、ヨーロピアンの含め、リピーターも多かったという。ロンドンのメディアの  レビューもよく、私事だが、同行したヨーロピアンの友人には「ここ数年で一番  感動した芝居だった。誘ってくれて有難う」といわれた。  約束の時間をオーバーしてインタビューに答えてくださった今井氏。丁寧にきさ  くに答えてくれる言葉から、これまでこの芝居を続けてきたその情熱とエネル  ギーを感じた。今後も日本、海外問わず、上演されつづけていってほしいと願わ  ずにはいられない。                                 hana __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆殺人狂時代☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Monsieur Verdoux     ★★★★★     1947/アメリカ/120分/白黒     製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン     出演:マーサ・レイ、マリリン・ナッシュ  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回はチャップリン特集の7回目として、『殺人  狂時代』をお伝えする。  妻子ある家庭の父親でありながら、船長や探検家などの複数の顔を持つベル  ドゥー氏(C・チャップリン)。銀行の出納係として30年間真面目に勤めた彼だ  が、今は金持ちの中年女性を狙った保険金目当ての殺人者に生まれ変わってい  た。  トレードマークだったお馴染みのスタイルは見られないが、チャップリンの  ファッション・センスと気品溢れる紳士ぶりが見れる作品。  今まで、弱者に優しく組織に対抗するチャーリーを演じてきながら、なぜ今作で  複数の顔を持つ保険金目当ての殺人者を演じたかという理由については、戦争批  判からくるものであったのだと映画のラストで気付かされる。“1人を殺せば殺  人者だが大勢を殺すと英雄だ”という有名なセリフから解かるように、戦争によ  る大量殺戮を批判したかったのだ。  上に挙げた訴えるべきメッセージを具現化する為に、30年も勤めた銀行から首を  宣告されたという人物設定にしたのはお見事。また、不況からくるリストラを描  いた点は、深刻な問題として提起されている現在の日本にとって無視出来ない事  柄でもある。  劇中、金もなく職もなく行く所もない出所したての女性が描かれていたが、この  女性の登場シーンにおける会話や、その後何度か出て来る女性の変化した様に、  つらく苦しくとも前を向いて歩いていく事が大切だと促している。これは、人生  に絶望し明日に生きる希望を見出せない人へのメッセージと捉える事が出来る。  明日への希望、生きる勇気というものは、この後作られた『ライムライト』にも  見て取れる。次回、その『ライムライト』を取り上げてチャップリン特集の終わ  りとする。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:ドリヴン   □レクイエム・フォー・ドリーム   □ハムナプトラ2/黄金のピラミッド   □ベンゴ   □独裁者 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:ドリヴン☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Driven     ★★★★☆     2001年/アメリカ(日本夏公開予定)     監督:レニーハーリン     出演:キップ・パルデュー、シルベスタ・スタローン     http://www.driven-jp.com  鮮烈なデビューをしたものの事故で自信をなくした新米レーサー、ジミー(パル  デュー)。彼を救うため今や解説者のカール(バート・レイノルズ)はかつての  天才レーサージョー(スタローン)に復帰をもちかける・・・。  ドイツ、日本、アメリカ各地、カナダ等、世界各地のレース場の臨場感溢れる映  像が見事。カーレースに興味のない人でも興奮すること請け合いだ。(ただ、実  際スターがそこで撮影したようには見えない。)各地のレース・クイーンなどの  サービスショットは男性には嬉しいでしょうね。  主役を1人に絞ることなく、レースに参加する仲間たち1人1人のキャラを丁寧に  描いてあるので、命をかけて挑む男の世界の熱さ、そして男達の友情がひしひし  と伝わってきて、クライマックスは自然と涙が込み上げてしまう。『エニイ・ギ  ブン・サンデー』みたいな映画が好きな人には絶対お勧め。  レニー監督ならではの大爆発や、町での爆走シーンといったやりすぎ場面ももち  ろんご用意してあります。  『タイタンズを忘れない』で惚れこんでファンクラブ会員となったキップ・パル  デューが清々しくて良いのだが、それを引きたてるバート・レイノルズらベテラ  ンの力があってこそバランスがとれるというもの。スタローンもでしゃばり過ぎ  ず今回はワースト俳優と言われずに済みそうだ。  ちなみに男達に取り合いされるかなりオイシイ役を得ためくれ唇のセクシー美  女、エステラ・ウォーレンは、シンクロ界でかつてカナダ代表としてオリンピッ  クに出場したスポーツ・ウーマン。映画は本作が初めてだが、意味なくシンクロ  を披露。ちょっと体がゴツすぎるのが難点か・・・。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆レクイエム・フォー・ドリーム☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Requiem for a Dream     2000年/アメリカ/102min/カラー/ヴィスタ     監督・脚本:ダーレン・アロノフスキー     出演:ジャレッド ・レト、エレン・バースティン、        ジェニファー・コネリー     http://www.requiem-jp.com/     6月下旬よりシネセゾン渋谷他全国順次公開(R-15)  ビート世代の流れを汲むヒューバート・セルビーJr.の小説を『π』のダーレン・  アロノフスキー監督が映画化。毋は夢に迄見たTV出演の為ダイエットを、息子は  恋人と幸福でリッチな生活の為に麻薬の売人を・・夢の現実化の手段である筈の  事が彼等の生活を次第に狂わせていく。彼等が最後に手にしたものは・・・。  広角で捉える空の拡がりと、徐々に狭まっていく主人公達の世界。ハイな彼等の  その悲惨な結末を予期したような、ストリングスのクラシカルな調べはまさにレ  クイエム。このメインテーマに、テクノポップが程よく配されてモンタージュ画  像をサポートする。演奏はバルトークからロック、ワールドミュージックまでこ  なし現代音楽を得意とするクロノス・クァルテット。映画を見終わる頃には、  すっかり彼等の音楽の「中毒」になってしまった(6月末には来日公演もあるらし  い)。  中毒と言えばドラッグ使用時のうんざりするような反復映像は、実は監督の作  戦。見ている側まで酔ったような気分になってくる。そこへ毋と恋人を重ね合わ  せるように主人公の見る、強烈な赤が更に追い討ちをかける。夏の暑さ、冬の凍  るような寒さが映像からも体感出来て、全身を刺激されるような作品だ。  数カ月で人生を失ってしまった彼等。誰も彼等を他人と思えない事の恐ろしさ。  だが、それは全てを直線距離で手に入れられると思うイージーさへの戒め。幸福  に近道はない。愛だと錯覚したものが崩壊した途端の地獄のような反転。それら  から自分を誤摩化す為の一時の「筈」の快楽が「夢」でしかなかった時の代償の  大きさ。  ラストで全員が身体を横に、ちょっと屈んで眠る。これはストレスを抱えた時の  典型的な寝姿。夢の為に廃人と化した彼等の頭の中では、その時どんな鎮魂歌  (レクイエム)が聞こえていたのだろうか?  この作品でアカデミー賞にノミネートされた、エレン・バースティンの女優根性  とでも言う体当たりの演技は素晴らしい。オスカー選考者には目がないのだろう  か?それと・・頭を使ってゲーム感覚で進むうち、気付かぬ間に作品のカオスな  世界にはまってしまう日本版のサイトは必見!鑑賞後の迎え酒気分でどうぞ。映  画館では映画にインスパイアされた伊勢谷友介氏がデザインしたTシャツも限定販  売されるそうだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ハムナプトラ2/黄金のピラミッド☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The mummy returns     ★★★☆☆     2001年/アメリカ     監督:スティーブン・ソマーズ     出演:ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ     http://www.uipjapan.com  パート1での修羅場を経て、今やラブラブのエリック(フレイザー)とエブリン  (ワイズ)は息子も出来、相変わらずお宝探しをしながらも、ロンドンで幸せに  暮らしていた。が、スコルピオン・キングの呪われたブレスを手にしたことか  ら、またもミイラ達や殺し屋に追われ、息子アレックスは誘拐されてしまう。  パート1は冒険もののくせにテンポも悪く、思わず寝そうになる程退屈してし  まったので、2もほとんど期待せずに見たのだが、なかなかどうして。前作より  もグッと歯切れがよく、主演2人のキャラも板についてきて好印象だ。  SFXだけが見せ場だった前作とは違い、ストーリーも友情あり、親子愛あり、はた  またワイズの前世の秘密ありと盛り沢山で、かたときも目が離せない。逆に映像  的にはちゃちくなった感もあるが、手に汗握るスピード感があり、冒険映画とし  てはまずまず成功だろう。  『スターリン・グラード』では地味な汚れ役だったレイチェル・ワイズは本作で  はクレオパトラさながらのお色気ファッションと『チャーリーズ・エンジェル』  なみのアクションで魅力炸裂。ファンは必見だ。ただ、あんなに走り回って汗か  いてもちっとも崩れないメイクは映画ならでは?!                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ベンゴ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     VENGO     ★★★☆☆     2000/スペイン・フランス/89min/カラー     監督:トニー・ガトリフ     出演:アントニオ・ナカーレス、オレステス・ロドリゲス、  音楽はフラメンコ・ギターの名手TOMATITO、エジプト・スーフィの歌手SHEIKH AL  TUNI、フラメンコシンガーLA PAQUERA DE JEREZと、名前を知らない人でも映画を  見ればついついCDに手が伸びてしまう。  ストーリーこそ、「音楽のついで」程度で評価できないが、音楽の邪魔にはなら  ない。雰囲気のあるストーリーは印象に残らないが、画面を眺めるに値する。な  んといってもみんなが格好いい。  ブエナ・ビスタに感動してサルサに憧れたあなた。今度はフラメンコです。音楽  を聴きにこい!  私は、ガトリフ監督の作品では「ガッジョ・ディーロ」のストーリーが一番好  き。音楽探しのストーリーに惹かれた。「ラッチョ・ドローム」はロマの流浪の  旅路を、音楽と映像でたどった叙事詩。反面音楽が鳴り止むとあくびが出た。  なんといっても、自分の作りたい作品を作る、しっかりとした目的意識のある監  督。そんな彼の作品を見逃すことはできない。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆独裁者☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Great Dictator     ★★★★★     1940/アメリカ/125分/白黒     製作・監督・脚本・出演:チャールズ・チャップリン     出演:ポーレット・ゴダード、ジャック・オーキー  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回はチャップリン特集の6回目として、大傑作  『独裁者』をお伝えする。  トメニアの独裁者ヒンケル(C・チャップリン)は、世界征服の野望に燃えたぎる  中、アーリア人の純潔を守る為にユダヤ人の迫害を開始する。ユダヤ人居住区=  ゲットーに住む理髪師(C・チャップリン2役)とハンナ(P・ゴダード)は、ヒ  ンケルのゲットー破壊に勇気を持って抵抗するが、やがて死の危険にさらされる  ことに・・・・・。  第二次世界大戦勃発直後に撮影開始されたチャップリン1人2役による反ナチス  映画。チャップリンは、非人道的な独裁者と心温かな理髪師の対称的性格の2役  を演じる事により、独裁者ヒトラーの狂気を浮き彫りにし徹底的に批判した作品  に仕上げた。  製作当時、パリ占領に至るほど破竹の勢いだったドイツ。撮影中のチャップリン  のもとには脅迫が絶えなかったという。身の危険を顧みず、恐るべき独裁者の姿  をフィルムに焼き付けた執念は、同じように突撃隊を前にしながらも勇気を振り  絞った劇中の理髪師と偶然にも重なる。  今作はチャップリン初のトーキー作品。サイレントをやめトーキーにしたのは、  今作でセリフを用いず動作だけで表現する事には無理があると判断したためであ  ると考えられる。『キッド』の所でも述べたように、映画とは視覚に訴えるもの  であるが、視覚的に説明仕切れない時はセリフを補い理解を促すものである。で  はなぜ、今作でサイレントを断念しセリフを用いたかという疑問は、ラストの大  演説シーンを観れば全てが解かる。この演説場面では、暴力の無意味さ、人類友  好、そして世界平和を説いている。この演説の内容こそ、今作でチャップリンが  最も言いたかったことである。天才パントマイマーの称号を捨ててまで、言葉を  通じ全人類に語りかけたかったのだ。  今作を最後にトレードマークの山高帽、ドタ靴、ステッキは影を潜める。自らの  トレードマークとパントマイムから脱却し、セリフ劇に移行したチャップリンに  は、放浪者チャーリーを演じる必要がなくなったのだろう。だが、声を得た  チャップリンは今作『独裁者』をはじめ、次に続く『殺人狂時代』、『ライムラ  イト』と映画史上に残る名セリフを連発するようになる。この後、『殺人狂時  代』と『ライムライト』も取り上げるのでお楽しみに。  最後に、今作は1940年度アカデミー作品賞、主演男優賞(C・チャップリン)、  助演男優賞(J・オーキー)、オリジナル脚本賞、作曲賞の5部門のノミネートを  果たしている。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.240

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □天国から来た男たち   □クレーヴの奥方   □ギフト   □エル・ドラド 黄金の都   □SELF AND OTHERS >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆天国から来た男たち☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The guys from Paradise     2001年/日本/114min/カラー/ビスタ     監督:三池崇史     出演:吉川晃司、山崎努、大塚寧々、遠藤憲一、水橋研二、翁華栄     http://www.tengokukarakitaotokotati.com     6月中旬より渋谷シネパレス、新宿ピカデリー他全国順次公開  麻薬不法所持で逮捕された商社マン、早坂が収監されたフィリピンの刑務所。何  故か家賃を支払う日本人専用室。遅い会社の対応、不潔な住環境。そんな折刑務  所内を自由に出入りして商売に励む吉田と知り合い、彼の片腕になる事を約束す  るが・・。どうやらヤバい立場の吉田と、計6人の日本人の脱出は成功するのか?  昔、実話を基にした『ミッドナイト・エクスプレス』という、麻薬所持で異国の  刑務所に捕まりこわ〜い思いをする映画があったがここに登場する人々も皆1度  は新聞を賑わしたことのある実在の人物がモデル。フィリピンの刑務所も実在の  もので、その他の囚人も今入居中の方々というから驚きだ。  海外旅行での不安と言えばパスポートの次にトイレ。下から足が丸見えなだけで  も腰が引けてしまう私だから、用を足しながら扉もない隣の人と語り合うという  噂の中国なんてとても行けない。「水洗トイレを使わせてやる」という一言で吉  田の手下になってしまった早坂の気持ち、よ〜くわかる。  吉田を演じる山崎努の登場場面が凄い。つんつるてんのキャミソールドレス1枚  で仁王立ち。変人揃いの日本人収監者・・フィリピーナに入れあげた男、麻薬で  完全にイカレタ男、ロリコンの医者、オンラインで愛人に貢いだ女・・の中でも  群を抜く変さ。少年漫画を地でいくような映画だ。  更に漫画に色を添える友情出演の面々だが、『連弾』コンビの竹中直人と及川光  博の登場は意味不明。会社や家庭、日本という枠を信じてきた早坂がその全てに  裏切られて、一人の人間としてフィリピンで再生するという、ある種の変型アメ  リカン?ドリームだが、ラストでの政治的成功ははからずも現在のフィリピンの  情勢にマッチしてしまったのがご愛嬌。  それにしても、5万ペソで殺人を引き受け、臓器売買では人間1人20万ペソという  フィリピンの相場。人間の命の重さがこの国ではこれっぽっちだったんですね。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆クレーヴの奥方☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     La Lettre     1999年/ポルトガル、フランス、スペイン/107min/カラー/ヴィスタ     監督:マノエル・ド・オリヴェイラ     出演:キアラ ・マストロヤンニ、ペドロ・アブルニョーザ     http://www.alcine-terran.com     6月上旬より銀座テアトルシネマにて公開  恋人フランソワとの仲が進展しないまま、カトリーヌはあるコンサートで出会っ  た医師、クレーヴ伯と結婚。が、ある日、毋の友人主催のゲストだったロック歌  手のペドロ・アブルニョーザに強く惹かれる。毋が病床に着き、見舞いに来た彼  が彼女の写真を盗むのを目撃して更に動揺するカトリーヌ。幼馴染みの修道女に  相談するが夫は妻の変化に絶望して、衰弱死する。アブルニョーザが隣家に越し  てきて・・。  コクトー始め、何度も映画化されている古典を91歳のオリヴェイラが如何に解釈  するかが興味深かった。が、既にカトリーヌの想い人を現代のロック歌手に持っ  てきたあたりから、相変わらずの彼の若々しさに圧倒されてしまった。ダイナ  ミックで線の太いロックツアーと、繊細で静的なピアノコンサートを対比させた  部分からしてやられた!という感じだ。本人演じるペドロ・アブルニョーザの人  物そのものの魅力と片やクラシッ界のこれまたマリア・ジョアン・ピルシュ本人  の起用。  それぞれの音に観客が魅了される隙に物語りはするりと進んでいってしまう。強  い眼差しと清楚な美しさを備えたキアラ・マストロヤンニの存在感が素晴らし  い。「尊敬」だけでは愛せない人間の不思議さと、「尊敬」されるだけでは生き  られない辛さ。カロリーヌの愛を失って自殺行為に及んだフランソワと、妻の愛  なしでは、水なしで枯れる植物のように徐々に生命力をなくしていくクレーヴと  では、表現の差こそあれ同じ結末を辿る。  「何もなかった」からこそ深い夫の嫉妬。プラトニックラブの恐ろしさ。この精  神構造は職業や背景を現代に置き換えても永遠に変わらぬ人間の特徴だ。カト  リーヌは修道院に逃げはしなかったが、ペドロの前から消えた事は彼からの逃亡  だろうか?母親の死、恋人の自殺、夫の衰弱死・・・と人生の様々な終着を垣間  見た彼女にとってこれは一つの選択だ。ペドロへの情熱を失わない手段でもあ  る。  映像は美しく、ストーリーは時にに淡々と進んでいく。「何も起こらない」よう  なみせかけの中で人間の営みを表現してしまうこの感覚が、何とも言えず素晴ら  しい。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ギフト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Gift     2000年/アメリカ/112min/カラー/ヴィスタ     監督:サム・ライミ     出演:ケイト ・ブランシェット、キアヌ・リーヴス、        ヒラリー・スワンク     http://www.gift-movie.com     6月上旬より渋谷東急他にて公開  アニーは夫を事故で亡くして以来、占いで3人の子供を育てている。彼女の元へ  は夫ドニーの暴力に耐えるヴァレリーや心に傷を持つ青年、バディが頼って来  る。ある日名士の娘ジェシカが失踪。アニーの夢でジェシカの死体が見つかりド  ニーが容疑者となるが、真犯人は別人と確信するアニーは・・。  『エリザベス』『理想の結婚』等コスチュームものをやらせたらピカ一のケイト  ・ブランシェットの珍しくカントリーな役。監督が、「あの」サム・ライミとく  れば「怖いかも」というイメージでいささか尻込みしつつ臨んだ映画。でも御安  心あれ、どちらかというと『シンプルプラン』に近い狭いコミュニティでの人間  関係がコアになっている作品。脚本はビリー・ボブ・ソートンだから尚更。  アイリッシュな雰囲気のフィドルを効かせた音楽もなかなかで、アニーの目に映  る超現実的なカットも、ハイライト気味で奇麗(ただし、彼女の身辺を襲うダー  クな悪夢はちょっと怖い)。今回は脇にまわったキアヌ・リーヴス。暴力亭主を  やや太り気味の巨体で憎々し気に演じていた。何でも今回は監督に頼み込んでの  出演だったとか。しかし『ウォッチャー』の殺人鬼といい、今回の役といい、こ  の手の役はどうも金太郎飴的な感じが否めない。  脇と言えば、今回は若手個性派が勢ぞろい。田舎の主婦になりきったヒラリー・  スワンク、アニ−の息子の担任でジェシカの婚約者で、しかもアニ−にも淡い気  持ちを持ってるという複雑な役処のグレッグ・キニアもくたびれた真面目中年で  いい味。  殺人事件の犯人探しと、バディのトラウマの原因と一見無関係な問題がひとつに  なるラストが、ちょっぴり泣かせて後でしっかりゾッとする入込構造。占いも超  感覚も、ちょっと距離を置きたい私だけど、こんなチャーミングな人が占ってく  れるんなら行ってみてもいいかも。  でも、実際こういう事件でアニ−みたいな人が、いわゆる超感覚で犯人を当てて  しまったりしたら、この作品の裁判シーンのように多少は参考にするのだろう  か?気になるところだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆エル・ドラド 黄金の都☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Road to El Dorado     2000年/アメリカ/89min/カラー     監督:エリック ・ビーボ・バージェロン、ドン・ポール     声の出演:ケヴィン ・クライン、ケネス・ブラナー、          ロージー・ペレス     http://www.amuse-pictures.com/eldorado     6月16日(土)より全国ワーナー・マイカル・シネマズにて公開     *日本語吹替版(一部劇場にて字幕版あり)  スペインで詐欺を働く2人の若者、トゥリオとミゲールは偶然探検家コルテスの  船に乗る。詐欺で巻き上げた地図から黄金郷を探し当てた彼等は、ひょんな事か  らそこで神様として崇められる。が、聖職者ゼケルカーンに正体を見破られ、宝  と共に故郷へ戻ろうとした時、ここエル・ドラドの入り口にはコルテスの軍隊が  迫ってきていた・・。  『エル・ドラド』と言えばまっ先に浮かぶのが『アギーレ神の怒り』。欲に浮か  された狂気の侵略者の何とも凄まじい作品だ。だが、今度の作品では侵略者コル  テスを登場させてはいるものの、その馬まで悪人面した典型的「悪役」に止め、  彼等より先に黄金郷を発見してしまうのが現代的な軽い2人の若者という、彼等  の勇気と愛の冒険譚に仕立て上げている。  勿論CG・・今回のは正確に言うと「トラデジタル」「スプリティクル」という新  しい技術・・はお手のもののアメリカとは言え、海の嵐や美しい滝、静かな湖な  どとにかく「水」をこれ程リアルに再現したアニメは初めてだろう。『プリン  ス・オブ・エジプト』の割れる紅海を更に改善したというから凄い。  主人公2人の声を当てているのが、口が達者なトゥリオにケヴィン ・クライン、  ロマンチストなミゲールにケネス・ブラナー。髪の色も何となく2人に合わせて  いるようで雰囲気も馴染んでいる。ケネスが『恋の骨折り損』であまり巧くな  い?咽を聞かせていたが、ここでは何とケヴィンとのデュエットが!それも「神  様は辛いよ」という歌。これがなかなか面白い。  人間以外の面白キャラは最初はコルテスの馬として登場する馬のアルティーボ。  初めは名前通り(スペイン語の「威張った」の意)の彼も、主人公の馬となって  からはなかなかお茶目なところを見せる。可愛いアルマジロも見逃せない。大人  も十分楽しめるアニメーション。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆SELF AND OTHERS☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     2000/日本/53min     監督:佐藤真     声:西島秀俊、牛腸茂雄  36歳で死去した写真家・牛腸茂雄(ごちょうしげお)。なんと新鮮な発音の苗字  だろうか。  休日に自宅やカフェで文章を書いて読み返してみると、その文章に音としての魅  力がないことに気付かされるが、牛腸という苗字1つで印象がかわってくるほど  の力強い、印象的な迫力を感じる。この映画に先入観を与える要素となってい  る。(決して以下の文章に迫力があると言っているわけではない)  私が普段日本映画をほとんど見ないのは、その映画の予告や紹介に目を通して  まったく興味をそそられないからだ。それはもちろん、「宣伝」が悪いとも言え  る。また、映画館に足を運ぶとかならず目にする予告編。この出来、不出来も影  響大。  「ムルデカ」の場合発想、着眼点は素晴らしいが、爆発シーンの仕掛けが見える  くらいはっきりと爆発する爆弾、その映像には興醒めする。なぜ暗くぼかすこと  を嫌い、あえて迫力の欠ける「爆発の全体像」が見えるほどクッキリとした映像  でしか映画を作れないのだろうか。本物の爆弾であればそれは素晴らしい映像だ  が、あの「決して人の死ぬことのない音と煙と閃光の爆弾」をあれほどクッキリ  と映し出してはだめ、だめ。  破片など飛んでいないではないか。爆風で飛ばされる体。爆風なんてないではな  いか。クッキリうつしてどうするの? ピントがぴったしあった映像は隅々まで  見えすぎて、汚くないセットや衣装が、模造品のアンティックのよう。少しは勉  強しましょうよ、キャメラやライトについて。(え?、勉強しているって?、日  本の映画ファンの気持ちを勉強しています?)  さて、「SELF AND OTHERS」の場合、その宣伝が素晴らしい。牛腸の写真を全く知  らない人に彼の写真を神秘的なものとして印象つけるような単純なチラシ。牛腸  の作品に最近評価が高まっているという同時性。そして映画のために選ばれた彼  の写真。  しかもユーロスペース(映画館)の上映時間も私がこの作品を見るのに手助けし  てくれた。レイトショーとモーニングショー。残業が深夜まで続きレイトショー  には間に合わなかったにも関わらず、土日でちょっと寝坊しても間に合う11時か  らの上映。映画館のスタッフには早朝から深夜まで大変でしょうが、サービス面  では最高ですよ。  映画の内容に関してちょっとコメントすると、オープニング、鶯の鳴声が聞こえ  る住宅街の空き地にそびえたつ一本の樹。「聞こえるかしら・・・」と朗読のよ  うな声が入る。詩的な絶妙な雰囲気が映画に漂って来る。  「じっくりと何度も見ることで味わいがでる写真、ぎりぎりのところの写真」   彼は自分の写真を的確に評価する。「一流の写真家とは、名前が売れているとか  売れていないとかに関わらず存在する」 すぐれた小説の一節のようだ。  脊髄カリエスという難病。正岡子規もこの病気で亡くなっている。牛腸は36歳で  亡くなった。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   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ScreenKiss Vol.239

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □「天国から来た男たち」チケットプレゼント   □クレーヴの奥方   □ギフト   □エル・ドラド 黄金の都   □SELF AND OTHERS >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆「天国から来た男たち」チケットプレゼント☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ScreenKissでは、読者の皆様に映画「天国から来た男たち」のチケットをペアで  10名様にプレゼントいたします。  応募方法  メールアドレス:[email protected]  タイトル   :「天国から来た男たち」チケットプレゼント  本文     :  氏名  :  郵便番号:  住所  :  年齢  :  性別  :  今最も注目している俳優・映画・監督:  をご記入の上送信して下さい。  当選の発表は発送をもってかえさせていただきます。  「天国から来た男たち」公式ホームページ  http://www.tengokukarakitaotokotati.com/  ストーリー  早坂幸平(吉川晃司)は、三友物産に勤務するエリート商社マン。出張でフィリ  ピンに訪れていた彼は、ふとしたことから身に覚えのない罪で突然逮捕されてし  まった。  体育館のような監房に放り込まれる幸平。そこは、あらゆる国籍の言語が飛び交  い、老人から子供までの男女があふれる囚人たちのカオスだった。  唖然とする幸平に、日本人囚人の坂本(翁華栄)が話しかける。日本では医者  だったと語る坂本は、幸平を日本人房に案内する。そこには、キレっぱなしの海  野(遠藤憲一)やシャブ中毒のフィリピン太郎(水橋研二)がいた。  幸平は、事態を楽観視していた。冤罪なのだから、容疑さえ晴れれば即座に釈放  されるに違いない、と。  ある日、独居房棟に呼ばれた幸平は、その豪華な部屋で吉田(山崎努)と彼の世  話をするオカマの囚人ベリアに対面する。吉田は刑務所長と手を組んで、数々の  裏ビジネスを展開しているという。それに手を貸さないかと誘われる幸平。日本  の常識が一切通用しない世界にとまどう幸平。  やがて幸平は、吉田の部屋で三島奈美恵(大塚寧々)と顔を合わせる。元銀行員  の奈美恵は、数億円を横領してフィリピンに逃れてきた魔性の女だった。  医者として優秀な腕を持ちながら、少女への猥褻行為で逮捕されたロリコンの坂  本。フィリピーナに入れ込んで、女房の貯金を盗んで駆け落ちしてきた海野。も  はや自分の名前さえ覚えていないシャブ中毒のフィリピン太郎。そして、刑務所  長とグルになって、警察が押収した麻薬を売り飛ばして稼ぐ吉田。この刑務所内  は、日本で生きられなくなった犯罪者たちの吹き溜まりだった。  やがて、幸平は、裁判所で無期懲役の判決を言い渡される…。裏切りに次ぐ裏切  りの中、幸平は肩書き、国籍、家族を失い、やがて真実を知ることになる。 そし  て、幸平の選んだ結論とは... __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆クレーヴの奥方☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     La Lettre     1999年/ポルトガル、フランス、スペイン/107min/カラー/ヴィスタ     監督:マノエル・ド・オリヴェイラ     出演:キアラ ・マストロヤンニ、ペドロ・アブルニョーザ     http://www.alcine-terran.com     6月上旬より銀座テアトルシネマにて公開  恋人フランソワとの仲が進展しないまま、カトリーヌはあるコンサートで出会っ  た医師、クレーヴ伯と結婚。が、ある日、毋の友人主催のゲストだったロック歌  手のペドロ・アブルニョーザに強く惹かれる。毋が病床に着き、見舞いに来た彼  が彼女の写真を盗むのを目撃して更に動揺するカトリーヌ。幼馴染みの修道女に  相談するが夫は妻の変化に絶望して、衰弱死する。アブルニョーザが隣家に越し  てきて・・。  コクトー始め、何度も映画化されている古典を91歳のオリヴェイラが如何に解釈  するかが興味深かった。が、既にカトリーヌの想い人を現代のロック歌手に持っ  てきたあたりから、相変わらずの彼の若々しさに圧倒されてしまった。ダイナ  ミックで線の太いロックツアーと、繊細で静的なピアノコンサートを対比させた  部分からしてやられた!という感じだ。本人演じるペドロ・アブルニョーザの人  物そのものの魅力と片やクラシッ界のこれまたマリア・ジョアン・ピルシュ本人  の起用。  それぞれの音に観客が魅了される隙に物語りはするりと進んでいってしまう。強  い眼差しと清楚な美しさを備えたキアラ・マストロヤンニの存在感が素晴らし  い。「尊敬」だけでは愛せない人間の不思議さと、「尊敬」されるだけでは生き  られない辛さ。カロリーヌの愛を失って自殺行為に及んだフランソワと、妻の愛  なしでは、水なしで枯れる植物のように徐々に生命力をなくしていくクレーヴと  では、表現の差こそあれ同じ結末を辿る。  「何もなかった」からこそ深い夫の嫉妬。プラトニックラブの恐ろしさ。この精  神構造は職業や背景を現代に置き換えても永遠に変わらぬ人間の特徴だ。カト  リーヌは修道院に逃げはしなかったが、ペドロの前から消えた事は彼からの逃亡  だろうか?母親の死、恋人の自殺、夫の衰弱死・・・と人生の様々な終着を垣間  見た彼女にとってこれは一つの選択だ。ペドロへの情熱を失わない手段でもあ  る。  映像は美しく、ストーリーは時にに淡々と進んでいく。「何も起こらない」よう  なみせかけの中で人間の営みを表現してしまうこの感覚が、何とも言えず素晴ら  しい。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ギフト☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Gift     2000年/アメリカ/112min/カラー/ヴィスタ     監督:サム・ライミ     出演:ケイト ・ブランシェット、キアヌ・リーヴス、        ヒラリー・スワンク     http://www.gift-movie.com     6月上旬より渋谷東急他にて公開  アニーは夫を事故で亡くして以来、占いで3人の子供を育てている。彼女の元へ  は夫ドニーの暴力に耐えるヴァレリーや心に傷を持つ青年、バディが頼って来  る。ある日名士の娘ジェシカが失踪。アニーの夢でジェシカの死体が見つかりド  ニーが容疑者となるが、真犯人は別人と確信するアニーは・・。  『エリザベス』『理想の結婚』等コスチュームものをやらせたらピカ一のケイト  ・ブランシェットの珍しくカントリーな役。監督が、「あの」サム・ライミとく  れば「怖いかも」というイメージでいささか尻込みしつつ臨んだ映画。でも御安  心あれ、どちらかというと『シンプルプラン』に近い狭いコミュニティでの人間  関係がコアになっている作品。脚本はビリー・ボブ・ソートンだから尚更。  アイリッシュな雰囲気のフィドルを効かせた音楽もなかなかで、アニーの目に映  る超現実的なカットも、ハイライト気味で奇麗(ただし、彼女の身辺を襲うダー  クな悪夢はちょっと怖い)。今回は脇にまわったキアヌ・リーヴス。暴力亭主を  やや太り気味の巨体で憎々し気に演じていた。何でも今回は監督に頼み込んでの  出演だったとか。しかし『ウォッチャー』の殺人鬼といい、今回の役といい、こ  の手の役はどうも金太郎飴的な感じが否めない。  脇と言えば、今回は若手個性派が勢ぞろい。田舎の主婦になりきったヒラリー・  スワンク、アニ−の息子の担任でジェシカの婚約者で、しかもアニ−にも淡い気  持ちを持ってるという複雑な役処のグレッグ・キニアもくたびれた真面目中年で  いい味。  殺人事件の犯人探しと、バディのトラウマの原因と一見無関係な問題がひとつに  なるラストが、ちょっぴり泣かせて後でしっかりゾッとする入込構造。占いも超  感覚も、ちょっと距離を置きたい私だけど、こんなチャーミングな人が占ってく  れるんなら行ってみてもいいかも。  でも、実際こういう事件でアニ−みたいな人が、いわゆる超感覚で犯人を当てて  しまったりしたら、この作品の裁判シーンのように多少は参考にするのだろう  か?気になるところだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆エル・ドラド 黄金の都☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Road to El Dorado     2000年/アメリカ/89min/カラー     監督:エリック ・ビーボ・バージェロン、ドン・ポール     声の出演:ケヴィン ・クライン、ケネス・ブラナー、          ロージー・ペレス     http://www.amuse-pictures.com/eldorado     6月16日(土)より全国ワーナー・マイカル・シネマズにて公開     *日本語吹替版(一部劇場にて字幕版あり)  スペインで詐欺を働く2人の若者、トゥリオとミゲールは偶然探検家コルテスの  船に乗る。詐欺で巻き上げた地図から黄金郷を探し当てた彼等は、ひょんな事か  らそこで神様として崇められる。が、聖職者ゼケルカーンに正体を見破られ、宝  と共に故郷へ戻ろうとした時、ここエル・ドラドの入り口にはコルテスの軍隊が  迫ってきていた・・。  『エル・ドラド』と言えばまっ先に浮かぶのが『アギーレ神の怒り』。欲に浮か  された狂気の侵略者の何とも凄まじい作品だ。だが、今度の作品では侵略者コル  テスを登場させてはいるものの、その馬まで悪人面した典型的「悪役」に止め、  彼等より先に黄金郷を発見してしまうのが現代的な軽い2人の若者という、彼等  の勇気と愛の冒険譚に仕立て上げている。  勿論CG・・今回のは正確に言うと「トラデジタル」「スプリティクル」という新  しい技術・・はお手のもののアメリカとは言え、海の嵐や美しい滝、静かな湖な  どとにかく「水」をこれ程リアルに再現したアニメは初めてだろう。『プリン  ス・オブ・エジプト』の割れる紅海を更に改善したというから凄い。  主人公2人の声を当てているのが、口が達者なトゥリオにケヴィン ・クライン、  ロマンチストなミゲールにケネス・ブラナー。髪の色も何となく2人に合わせて  いるようで雰囲気も馴染んでいる。ケネスが『恋の骨折り損』であまり巧くな  い?咽を聞かせていたが、ここでは何とケヴィンとのデュエットが!それも「神  様は辛いよ」という歌。これがなかなか面白い。  人間以外の面白キャラは最初はコルテスの馬として登場する馬のアルティーボ。  初めは名前通り(スペイン語の「威張った」の意)の彼も、主人公の馬となって  からはなかなかお茶目なところを見せる。可愛いアルマジロも見逃せない。大人  も十分楽しめるアニメーション。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆SELF AND OTHERS☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★★★☆     2000/日本/53min     監督:佐藤真     声:西島秀俊、牛腸茂雄  36歳で死去した写真家・牛腸茂雄(ごちょうしげお)。なんと新鮮な発音の苗字  だろうか。  休日に自宅やカフェで文章を書いて読み返してみると、その文章に音としての魅  力がないことに気付かされるが、牛腸という苗字1つで印象がかわってくるほど  の力強い、印象的な迫力を感じる。この映画に先入観を与える要素となってい  る。(決して以下の文章に迫力があると言っているわけではない)  私が普段日本映画をほとんど見ないのは、その映画の予告や紹介に目を通して  まったく興味をそそられないからだ。それはもちろん、「宣伝」が悪いとも言え  る。また、映画館に足を運ぶとかならず目にする予告編。この出来、不出来も影  響大。  「ムルデカ」の場合発想、着眼点は素晴らしいが、爆発シーンの仕掛けが見える  くらいはっきりと爆発する爆弾、その映像には興醒めする。なぜ暗くぼかすこと  を嫌い、あえて迫力の欠ける「爆発の全体像」が見えるほどクッキリとした映像  でしか映画を作れないのだろうか。本物の爆弾であればそれは素晴らしい映像だ  が、あの「決して人の死ぬことのない音と煙と閃光の爆弾」をあれほどクッキリ  と映し出してはだめ、だめ。  破片など飛んでいないではないか。爆風で飛ばされる体。爆風なんてないではな  いか。クッキリうつしてどうするの? ピントがぴったしあった映像は隅々まで  見えすぎて、汚くないセットや衣装が、模造品のアンティックのよう。少しは勉  強しましょうよ、キャメラやライトについて。(え?、勉強しているって?、日  本の映画ファンの気持ちを勉強しています?)  さて、「SELF AND OTHERS」の場合、その宣伝が素晴らしい。牛腸の写真を全く知  らない人に彼の写真を神秘的なものとして印象つけるような単純なチラシ。牛腸  の作品に最近評価が高まっているという同時性。そして映画のために選ばれた彼  の写真。  しかもユーロスペース(映画館)の上映時間も私がこの作品を見るのに手助けし  てくれた。レイトショーとモーニングショー。残業が深夜まで続きレイトショー  には間に合わなかったにも関わらず、土日でちょっと寝坊しても間に合う11時か  らの上映。映画館のスタッフには早朝から深夜まで大変でしょうが、サービス面  では最高ですよ。  映画の内容に関してちょっとコメントすると、オープニング、鶯の鳴声が聞こえ  る住宅街の空き地にそびえたつ一本の樹。「聞こえるかしら・・・」と朗読のよ  うな声が入る。詩的な絶妙な雰囲気が映画に漂って来る。  「じっくりと何度も見ることで味わいがでる写真、ぎりぎりのところの写真」   彼は自分の写真を的確に評価する。「一流の写真家とは、名前が売れているとか  売れていないとかに関わらず存在する」 すぐれた小説の一節のようだ。  脊髄カリエスという難病。正岡子規もこの病気で亡くなっている。牛腸は36歳で  亡くなった。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  (http://macky.nifty.ne.jp/servlet/FreeMailServlet/           mail_backnum?freemail_id=412)   メルポット  (http://melpot.net-planning.co.jp/) ID:0000000008   ココデメール (http://mail.cocode.ne.jp/) ID:0200300007   emaga (http://www.emaga.com/music/intro/film.html) ◇◇広告募集______________________________◇ ◇   ScreenKissでは、広告を募集しております。   詳しくは、[email protected]へ ◇◇お問い合わせ____________________________◇ ◇   色々な情報やアイディアや感想などありましたら下記のアドレスまで投稿をお   願いします。そのほか編集に協力して下さる方も募集しています。   [email protected] ◇◇ScreenKissについて_________________________◇ ◇   ホームページでは過去に記事を参照できるようになっています。   http://www.ScreenKiss.com/   Copyrights(C), 1998-2001 ScreenKiss Entertainment  掲載された記事はいかなる形式であれ許可なく転載は禁じられています。  発行人・編集長 中津川 昌弘 ┼                                   ┼

ScreenKiss Vol.238

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:セイ・イト・イズント・ソー   □ベンゴ   □JSA   □ディボーシング・ジャック   □モダン・タイムス >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:セイ・イト・イズント・ソー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Say It Isn't so(原題)     監督:ジェームス・B・ロジャー     出演:ヘザー・グラハム、クリス・クライン、サリー・フィールド  保健所で働くギリー(クライン)は腕はヒドイが最高に美人の美容師ジョー(グ  ラハム)と恋に落ちる、が、彼女が実の姉かもしれないと分かり、失意のジョー  は他の男性と結婚することになるが・・・。  美男美女プラス演技派のサリー・フィールド、それにこのストーリでロマコメと  思ったら大間違い!実は『メリーに首ったけ』を余裕で越すような、超おバカ、  お下劣コメディなのである。(ファレリー兄弟もプロデュースに参加。)  確かにクリスは『アメリカン・パイ』で、ヘザーは『オースティン・パワーズ』  で既にお馬鹿映画体験済みですが、今回はよくここまでやったなあ・・・という  ほど。しかしガンプのママや、『プレイス・イン・ザ・ハート』など良妻賢母の  イメージの強いサリーがここまでお下劣演技に徹するとは以外でした。  クリスはポスト・キアヌの呼び声も高いけど、そういえばキアヌもデビュー当時  はお馬鹿映画に出まくってたし、2枚目が避けて通れない道なのかも?!  それにしても、『メリーに首ったけ』でもそうだったけど、いわゆるハンディ・  キャップドの人をネタにするような場面は「いいのか?」と思う反面、差別のな  いアメリカだからこそ自然にギャグに組みこめるのかも、とも感じられ、改めて  日本の遅れを感じてしまったのでした。  映画自体は下品ですが、ヘザーのファッションは超カワイイし、キャラ達もどこ  か憎めない、可愛げのある映画です。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ベンゴ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Vengo     2000年/スペイン・フランス/89min/カラー/シネマスコープ     監督・脚本:トニー ・ガトリフ     出演:アントニオ ・カナーレス、オレステス・ロドリゲス     http://www.vengo-jp.com/     2001年セザール賞最優秀映画音楽賞     5月26日(土)よりシネマライズ他全国順次公開  愛娘ペパを亡くしたカコ。彼の兄、マリオは幼馴染みのカラバカ家のサンドロを  殺して行方をくらましている。不自由な身体のマリオの息子、ディエゴを息子の  樣に可愛がるカコ。パーティ好きな彼の為に一流のダンサーや歌い手を呼んでは  歌と踊りに酔いしれる日々。だが、復讐を誓うカラバカ家はディエゴの命を狙う  が・・。  冒頭のアラブ音楽とフラメンコが出会うシーン。これはインド経由とエジプト経  由でアンダルシアに合流した、ロマ民族の流れを意味する監督の狙いがあったと  いうが、とにかく迫力のシーンだ。グラスを叩くだけのリズムに長い髪を振り回  して取憑かれたように回りながら踊る女達。丁度ルルーシュの『しあわせ』に出  てきたトルコの熱狂派の踊りのようだ。ここでは歌詞に字幕がない。でも、身体  に染みるものがある。  随所に出て来る歌と踊り。プロの音楽家とプロダンサー、アントニオ・カナーレ  スが主役を張っているのも魅力ではあるが、出演者のほとんどがアンダルシアで  生活している「普通の人々」。濃〜い顔立と生まれながらのリズム感でまったく  違和感を感じさせない。何時でも何処でも踊りたい時が舞台。台詞にまでリズム  が感じられる。ラストでカコが絶命するシーンですらエンジン音がリズムを刻ん  でいる。  即興もある印象的な音楽の中には、監督の手によるメロディもある。ロマの血を  ひく監督ならでは、である。これまでもロマを題材にした作品が目立つが、この  作品にも各所に彼お得意の手法が見隠れする。空と大地を広角で捉える鮮やかな  色彩感覚。白い壁と強い光。そして時折挿入される、何とも言えない可笑しみ。  彼は必要以上に説明をしない。ペパは何故死んだのか、マリオは何故サンドロを  殺したのか、カコは死ぬ気で店を売ったのか・・。現代における「予告された殺  人の記録』のように衆人の中で平然と殺人が行われる。これがロマ式だよ、と言  わんばかりの復讐劇はさておき、パワフルな音楽の洪水に浸って欲しい。  実際も運動神経に障害を持つディエゴ役オレステス・ビリャン・ロドリゲスは監  督の親友。これが演技である事を忘れてしまいそうな程楽しんでいるようで、彼  の明るい表情とダンスについ引き込まれてしまう。魅力的なキャラクターだ。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆JSA☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Joint Security Area     2000年/韓国/110min/カラー/シネスコ     監督・共同脚本:パク・チャヌク     出演:ソン ・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ     http://www.jsa-movie.com     5月26日(土)より日比谷スカラ座他全国東宝洋画系にて公開  38度線の共同警備地区(JSA)で起きた殺人事件。が、事件の生存者である南北の  兵士達の証言が異なる。そこで中立国監督委員会が派遣した韓国系スイス人の将  校、ソフィにより調査が進められるが、一向に進展しないばかりか自殺者まで出  て、彼女は解任される。しかしその裏には彼女自身のアイデンティティも深い関  わりが・・。そして、彼女が解きあかした意外な事件の真相とは?  その昔、板門店を中華料理屋だと勘違いしていた私。考えてみればベルリンの壁  はよく報道されていたのに、この地域の事はほとんど知らなかった。作品に登場  するJSAは勿論オープンセットだが、撮影後も観光名所として保存されるというか  ら、それを見るだけでも価値のある映画だ。  ポリティカルストーリーとちょっと重いイメージを抱いていたが、作品全体にあ  るのはヒューマニズムだ。しかし冒頭のシーンの森の梟が啼き、銃声と共に空い  た穴に一条の光が射す・・この緊張感と続く銃撃戦の模様からはとてもこれから  ナイーブなストーリーが展開されようとは想像出来ない。  そしてXファイルなどでお馴染みのタイピング音で表示されるデータリングがサス  ペンス作品としてのイメージをももりたてている。事件の謎解きに加え、調査を  する人間自体も最後に第3者でいられなくなる、という凝った演出も凄い。  「相手のおならが聞こえる程」の距離でしかないJSA。地続きに住む同じ言葉の同  じ民族を人工的に分断する事の愚かしさ。何度も登場する夜空や月は、人間の分  断に関係なくどちらから見ても同じ・・「温かいな」・・南北兵士が抱き合う  時、北側の士官が言うこの言葉が印象的だ。漫画家の故園山俊二氏の初期の名作  に「国境の二人」というのがある。『JSA』に感銘した人なら是非見てほしい作品  だ。  そしてこの作品では、バックに流れる音楽が一人のキャラクター並の重要な役割  をしている。「いい音楽」は言葉の壁や思想をも越えて人々を魅了する。ここで  は80年代中盤に活躍、31歳で自殺した伝説のフォークシンガー金光石の歌がメイ  ンに流れる。あまりに場面とマッチしていて胸に響く。加藤登紀子氏が感銘して  この主題歌を日本語カバーした気持ちに納得である。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ディボーシング・ジャック☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Divorcing Jack     1998年/イギリス(北アイルランド)/110min/カラー/ヴィスタ     監督:デヴィッド ・キャフリー     出演:デヴィッド ・シューリス、レイチェル・グリフィス     1999年ファンタスポルト映画祭批評家&最優秀脚本賞     6月上旬よりシブヤ・シネマ・ソサエティにてレイト公開  飲んだくれのダン・スターキーはタブロイド紙のコラムニスト。辛辣な筆致で有  名だ。彼が偶然知り合った大学生マーガレット。ある時ピザを買って帰ってみる  と彼女は血まみれ。最期の言葉は「ディボーシング・ジャック」。過って彼女の  毋を殺し、彼は指名手配に。IRAや警察やアルスター・・と様々な人種を敵に回し  つつ妻迄誘拐された彼は、その原因がマーガレットからのプレゼントだと気付く  が・・・。  昨年、ケルトフィルムフェストで公開され、一般の目に触れないのが惜しいとつ  くづく感じていた作品がついに陽の目を浴びる!主人公は多分に原作者、コリ  ン・ベイトマンの分身的であるそうだが、演ずるデヴィッド・シューリスが実に  はまっている。頭はいいくせにはみ出し者の愛すべきダンは、ちょっとしたスケ  ベ心が災いしてどんどん危ない世界に否応なく流されていく。このカッコ悪さが  いい。  比べて女性達のカッコいい事!いかれ亭主を追出し、泥棒猫にはジャガイモをぶ  つける(この辺もアイリッシュ!)ダンの妻。昼は看護婦、夜は尼僧姿のスト  リッパー(これもカトリック的?)のでひょんな事からダンの助太刀をする  リー。そしてぶっ飛びのタクシードライバー。それでも皆ダンを愛してる。  マーガレットの謎のデスメッセージは、(ユニオン)ジャックからのディボース  (=離婚)と考えるとなかなか意味深だが、とかく重くなりがちなアイルランド  問題をこれ程までに第三者的に嘲笑した作品は珍しいだろう。それでも政治の裏  に関わってしまったダンの言葉が胸を打つ。「何が個人だ。個人、個人と言いな  がら個人を大切にしないから抗争が起きるんだ!」。  首相選挙をバックに、様々な怪しい人物が入り乱れる中、世界一運の悪い男であ  るダンだけが、実は政治的思想や派閥を離れた唯一「人間的」な存在として描か  れているのだ。だから時々彼の放つシニカルな台詞が際立つ。ともあれ全編駄洒  落や遊び心一杯の音楽に溢れ、スピーディな展開は文句なしに楽しめる。  原作は各国でも大絶賛され、ダン・スターキーを主人公にした第2弾の作品も出  ているそうだ。この分では柳の下でもいけそうな気がして、早くも映画化を期  待。そうしたら間違いなくディビッド・シューリスの持ち役になるに違いない。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆モダン・タイムス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Modern Times     ★★★★★     1936/アメリカ/87分/白黒     製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン     出演:ポーレット・ゴダード、ヘンリー・バーグマン、        アラン・ガルシア  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回はチャップリン特集の5回目として、傑作  『モダン・タイムス』をお伝えする。  大工場の工員として働くチャーリー。だが、ベルトコンベアで運ばれて来るネジ  締めを続けるうちに、腕の動きが止まらなくなり精神病院に入れられる。やがて  退院したはいいが職がない。街に繰り出すチャーリーに今度は、警察に工員のデ  モ隊のリーダーと勘違いされ刑務所に送られる。刑務所で脱獄を防いだ事から特  赦をもらい出所する事になるが、得た仕事も思うようにうまくいかない。そんな  折、やはり職がなく食べ物にも不自由している少女(P・ゴダード)と出会い、  チャーリーは苦しくとも前を向いて生きる決意をする。  製作当時、すでに映画界はトーキーに完全に移行を果たしながら、優れたパント  マイマーであるチャップリンはセリフを用いる事を拒否。当然今作もサイレント  に仕上がっている。だがラスト近く、誰にも意味不明な無国籍語をもって歌声は  披露している。  今作に見られる工場内の巨大な歯車に挟まれたチャップリンの姿は、学校の教科  書にも出て来るほど誰もが知っている有名なシーン。それだけを見ると、歯車の  間を泳ぐような優雅さや笑いを感じるが、実は現代文明を痛烈に批判したものな  のだ。また、世の男性にとって職業選択の際に分かれる、いわゆる組織の歯車と  して生きるか否かという問題は、この有名なシーンから生まれた言葉なのかと想  像してしまう。  今作でチャップリンは、歯車が1つ欠けただけで作業全体に影響し、それが会社  への不利益になる事を皮肉を込めて完璧に描いているが、劇中見られる工場の社  長が作業のスピード・アップを指示する箇所や、機械的労働による犠牲者を病院  送りにする箇所から、人間的扱いに欠け、ちっぽけな歯車1つにしか従業員を見  ていない大組織の在り方を批判すると同時に、1人の人間の尊さを謳い上げても  いる。  今作は、人間の機械化を批判した作品と冒頭でも述べたが、実はこの内容、フラ  ンスの監督ルネ・クレールが、1931年製作の『自由を我等に』ですでに機械化文  明による非人間性を描いていた。公開当時チャップリンに対し非難の声が挙がっ  たが、クレールは「偉大なチャップリンに影響を与える事が出来て光栄」とだけ  声明した。同時代の監督からも尊敬されるほど、チャップリンの偉大さが分かる  エピソード。  次回は、チャップリン映画初のセリフ作品『独裁者』をご紹介します。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.237

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ブリュノ・デュモン監督記者会見   □ユマニテ   □ハリウッド映画新作情報:デンジャラス・ビューティ   □クレイジー・イン・アラバマ(ビデオ)   □街の灯 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ブリュノ・デュモン監督記者会見☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     『ジーザスの日々』『ユマニテ』監督ブリュノ・デュモン来日記者会見     (2001.1) ■ブリュノ・デュモン(Bruno Dumont/1958〜)  フランス北部バイユール生まれ。哲学教師、広告業界、ジャーナリストとして活  動の後、民間TV局で産業映画、教育映画を撮り、約10年間に40本作製。長編第1作  『ジーザスの日々』がプロデューサーの目にとまり、商業映画デビュー。97年カ  ンヌ映画祭カメラドール特別賞他、ジャン・ヴィゴ賞、アヴィニヨン、シカゴ等  国際映画祭で多数受賞。続く第2作『ユマニテ』では99年カンヌ映画祭審査員グラ  ンプリ、主演男優、女優賞の三冠に輝く。次回作は米国西海岸で撮影予定の『The  End 』。  両作品は既にフランス映画祭横浜にて上映され、今度で3度目の来日となった監督  は黒の革ジャンで決め、なかなかのハンサム。静かな声で会場の質問に穏やかに  対応する姿はなかなかの紳士でした。  前者のタイトルは、E・ルナンの「イエスの生涯」にインスパイヤされたもの。こ  の中でイエスは聖人としてでなく人間的に描かれていたが、彼も20世紀末のモダ  ンなイエス像を描きたかったという。舞台となったバイユールには実際にフレ  ディの様な青年が存在し、観客は彼の人生とタイトルとの距離を埋めていく事に  なる。後者は探究すべき問題としての「人間性」に着目したから、という事だ。  2作品は共通して「性」が重要なポイントとなっているが、この点については以  下のように語った。「作品で扱う『性』は『死』と共にあくまで主題として捉え  ているので、決して扇情的な表現は取らなかった。映画は自我解放の一つの手段  であり、映画から学ぶ事で自由になれる、という単なる娯楽とは異なる役目があ  る。すると、人がセックスを直視出来ないのは、フラストレーションや罪の意識  に負う所があるが、映画を見る事でそれらの足枷から解放されると思ってい  る。」  また今回は検閲の関係で修正画面にし、R-18指定となっての公開となったが、こ  れに関して更にこう語る。「検閲問題はむしろ観客に問い掛けたい位だ。フラン  ス映画祭横浜での検閲フィルムにはショックを受けたが、ショットは残っている  ので観客は何に手が加えられたかが理解出来るので、修正で済んだだけ良かった  かもしれない。」  2作とも出演者はアマチュアだが、その事は「アマチュアにこだわっているので  はなく、あくまで自分の選択肢の一つとしての決断。産業的な事に固執していな  いので1度巧く行ったから、という理由で同じ俳優と仕事をしたいとは思わな  い。やり方としては人物像そのものでキャスティングするので、脚本を読みこな  して貰うというより、むしろ彼等自身に体現してもらうという方法をとってい  る」  ハリウッド的娯楽作品も増加しつつある、フランス映画業界については、経済的  影響をもろに受けやすい昨今、所謂シネフィルも減少化して、アート系作品は難  しい状況に置かれているとしながらも「商業作品『のみ』をつくろうとする人は  最悪!でも誰も見たくないような作品をつくる人も最悪!」。彼は、新しい感覚  を元に後世に残る「芸術」作品こそ必要と考えている。  何やら一部「哲学的」問答もあって、なかなか教養講座な?記者会見ではありま  した。少々難解な部分をクリアさせたいと、翌々日行われた『ユマニテ』上映と  その後の監督とのQ&Aにも出席する予定が何と大雪に見舞われて断念!かえすがえ  すも残念でありました。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ユマニテ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     L'HUMANITE     1999年/フランス/148min/カラー/シネスコ     監督・脚本:ブリュノ・デュモン     出演:エマニュエル ・ショッテ、セヴリーヌ・カネル、        フィリップ・テュリエ     http://www.bitters.co.jp/     1999年カンヌ国際映画祭審査員グランプリ・最優秀主演男優、女優賞     5月12日(土)よりユーロスペースにて公開  町外れで少女がレイプされ殺害された。繊細な担当刑事ファラオンは、心を痛め  る。彼も事故で妻子を1度に失っている。そんな彼を気遣うドミノ。彼女のデー  トに付合い、そのセックス迄目の当たりにしながらも淡々と日々を送る彼。そし  て漸く逮捕した犯人に会った彼は・・。  ローアングルで捉える下半身を剥き出しにされた、無惨な少女の死体。淡い思い  を寄せるドミノが挑発しながら大きく拡げる股。ファラオンが垣間見てしまう、  ドミノとジョゼフの肉体がぶつかりあう音も激しいセックス。自転車を漕ぐファ  ラオンの口を伝う涎。リンゴを齧った後の彼の嘔吐する音・・。表現の仕方に  よっては美しい筈である人間の身体や、営みを「現実は醜いものよ」と半ば投げ  やりに言い放つドミノの言葉をなぞるかのように、監督はかくもリアルに描い  た。ここにはバック音楽という救いも一切排除されている。  こうした現実に対称的な存在がファラオンだ。曾祖父の描いた少女の絵を眺める  彼の脳裏には惨殺された少女や、何も語られない彼の過去を彷佛していたのかも  しれない。仔豚を撫で、植物を愛でる彼の目は常に優しい。眼差しはいつも窓の  外で、まるで透視しているかのようだ。  しかし、何ごとにもマイペースな彼の行動は時に滑稽でさえある。誰がカップル  のデートに便乗するだろうか? が、ジョゼフの愛があくまでエロースなのに対し  て、ファラオンの愛はすべてを慈しむアガペー的な愛なのだと気付く。彼は無言  で人々を抱擁する。たとえそれが麻薬売買の常習犯であろうとも、また少女レイ  プの犯人であろうとも。そしてハグされた人は何故か癒された表情を残す。  彼は彼の内なる声に従っているだけかもしれないが、その手はまるで神のそれの  ように赦しを与えているかのようだ。勿論、作品は少女惨殺の犯人探しという核  を持ってはいるが、最も刑事的でないファラオンを配する事で単なるジャンルも  のの域を越えた。それにしても、性器のシーンなどは例によってボカシが入り、  R-18指定が付いた。こういった事態が生じる度に「人間の身体そんなに見るに耐  えないものなのかい?」と質問してみたくなるのは私だけでしょうか?                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ハリウッド映画新作情報:デンジャラス・ビューティ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Miss Congeniality     ★★★☆☆     2000年/米(日本公開未定)     監督:ドナルド・ペイトリー     出演:サンドラ・ブロック、マイケル・ケイン、        ベンジャミン・ブラット     ゴールデン・グローブ主演女優賞ノミネート  FBIのスゴ腕捜査官グレイシー(ブロック)は、仕事一筋で色気とは無縁の生活。  ある日、ミス・コンテストを狙ったテロ事件が発生し、彼女はこともあろうにミ  ス・ニュージャージーとしてコンテストに潜入することになってしまい・・・。  サンドラ・ブロック扮するグレイシーのお局ぶりには参りました。かみはひっつ  め、黒ずくめのヨレヨレファッションはもとより、大混雑のスターバックスでFBI  を特権に並ばずに買い物するなんて・・・。あなたの会社にもこういう女、いま  せんか?  彼女って何故かすごい美人役とかが多かったけど、こういう3枚目の役がこんな  にハマることにもビックリだし、ミスコン出場の際の変身ぶりにも驚き。  彼女の変身に貢献する英国紳士をマイケル・ケインが洗練された雰囲気で好演。  方やグレイシーの相棒役をジュリア・ロバーツの彼氏として注目の、ベンジャミ  ン・ブラットがフレッシュに好演。こういうキャスティングのバランスも良い。  テロ事件自体は、犯人もすぐにわかってしまい深みがないのだが、ミスコンとは  女性蔑視なのか、女性が美しくあることや強くあることの素晴らしさについて考  えさせられ、実は奥の深い作品である。  最近、オシャレする気力ないしー。と思っているあなたも、思わず気合を入れた  くなるパワーが貰えますよ。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆クレイジー・イン・アラバマ(ビデオ)☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Crazy in Arabama     ★★★★☆     1999年/アメリカ(日本劇場未公開)     監督:アントニオ・バンデラス     出演:メラニー・グリフィス、デビット・モース  アメリカで大ベストセラーとなった小説を俳優バンデラスが、妻メラニー・グリ  フィス主演で初監督した話題作。日本では劇場未公開のまま、ビデオ発売となっ  た。  公民権運動が激しかった60年代のアラバマ州。子沢山の美女ルシール(グリフィ  ス)は夫の虐待に耐えかね、彼を殺害しその首をタッパーに入れたままハリウッ  ドを目指す。いっぽう彼の甥っこピージョーは、彼女の兄のダヴおじさんの家に  引き取られ、ひょんなことから黒人に混じって公民権運動に参加すること  に・・・。  小説は500ページ強の長編だが、映画の方は長過ぎることなく巧みに場面を切り替  え進んで行く。確かにピージョーとおばあさんの交流など、本に描かれている詳  細な部分は描ききれていないが、映画としては主人公の行動がきちんと描かれる  ほうが大切かと思うので丁度よいと思う。  殺人、人種差別という『クレイジー』な行動を通じ、ほんとうに馬鹿げているこ  とはどんなことなのか、真の自由とはなんなのかを問うテーマ性は、むしろ映画  のほうが色濃く表されており、自分自身はスペイン出身でありながら、これだけ  アメリカ色の強い作品に仕上げた監督バンデラスの腕前が伺える。  ただ、かえすがえすも残念なのが主演のグリフィス。チャーム・ポイントの金髪  は黒髪に染めてしまっているし、ルシールを演じるにはちょっと若若しさに欠け  ていて、舌足らずのセリフがわざとらしく鼻につく。私情を挟まず、他の女優さ  んを使ったほうがよかったのでは・・・。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆街の灯☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     City Lights     ★★★★★     1931/アメリカ/89分/白黒     製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン     出演:ヴァージニア・チェリル、フローレンス・リー、アラン・ガルシア  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回はチャップリン特集の4回目として、名作中  の名作『街の灯』をお伝えする。  放浪者チャーリーは、街で出会った盲目の花売り娘(V・チェリル)に恋をする。  だが、金がないので花を買えないし眼を手術し治す事も出来ない。チャーリーは  一生懸命働くがまだ足りない。酔いどれ富豪と仲良くなり彼から大金を貰うが、  泥棒と勘違いされる。一旦は警察の手を逃れ彼女のもとに駆けつけたチャーリー  だが、とうとう警察の御用に・・・・・・。出所したチャーリーは彼女を再会す  る。今は眼の見える彼女だが、チャーリーを恩人だとは分からない。みすぼらし  い格好のチャーリーを憐れみ小銭を与えようと手に触れた時、初めて真実に気付  く。  ボクシング・シーンの抱腹絶倒、詩情溢れるラストに代表されるように、笑いと  涙がちょうど五分五分の内容。また、チャップリンの作品では女性が大いなる役  目を果たすが、彼の作品いずれを観てもチャップリンがフェミニストであった事  がわかる。その中でも今作は、彼のフィルモグラフィーにおいて最もフェミニズ  ム溢れる作品と思う。  トーキーの波押し寄せる時代の中においても、今作で依然パントマイム劇に終始  したチャップリン。セリフは相変わらずないが、音楽とSE(サウンド・エフェク  ト=効果音)の2つをつけサウンド版として仕上げた。ちなみにセリフ、音楽、  SEの3つは、映画における音の3大要素である。  サイレント映画はセリフがないため、しばし字幕でセリフや状況を説明する。ラ  スト、チャーリーが恩人だったと気付く時の字幕の“YOU”は、トーキーでは表現  出来ないと絶賛されたほどの名字幕。  今作の盲目の花売り娘とチャーリーの恋物語は、事故がもとで失明したサーカス  の道化師と病身の神経質な娘の実話をモデルに作られたもの。また盲目の娘は、  チャップリンの母親の姿を投影させてもいる。  次回は、『モダン・タイムス』をお伝えします。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.236

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハンニバル   □テヘラン悪ガキ日記   □ショコラ   □ジーザスの日々   □サーカス >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハンニバル☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     HANNIBAL     ★★★★☆     2000/アメリカ/131分     監督:リドリー・スコット     出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア  FBIのクラリスとイタリアに逃亡中のレクター博士。次第にFBI(クラリス)に追  い詰められるが、逆にクラリスを追い詰めていくかのように迫ってくるレク  ター。そして、狂気の殺人事件が・・・。  私の場合、この手の映画に4つ★をつけることは滅多にないと思いますが、それ  でもこの映画の完成度には惚れぼれする。巨大なブタを説明することなく印象付  けてみたり、国際電話の相手を想像しお互いが裏紙に落書きしたりする細かい描  写。プロットの出来のよさです。アルマーニやグッチがぴったりはまる美術のセ  ンス。オープニングのミック・リムジーによるビデオアートのような映像。アメ  リカの懐の広さを感じさせるロケーションや、演技する前にその容姿が話しかけ  てくるようなはまり役の役者達。  ジュリアン・ムーアは私好みではないが、胸の大きく開いたドレスを着こなす姿  はアンソニー・ホプキンスの洗練された姿に引けをとらない。  さらに私好みで言えば、ホプキンスも好きではない。人間味の薄い無愛想な表情  は差別的でもあるが、それでも映画への貢献度の面から言えば、決して代役では  生み出すことの出来ないマッチングを感じる。(続編だからでもあるが)  キャメラワークは目立たないが、映像から得られる不安や恐怖はそのスクリーン  に映し出される静物の映像に得るところが多い点から考えると、催眠術のように  忍び寄る。  もちろん腕から血を滴らせて逃げのびる姿は想像しがたいとか、出入国がいとも  簡単に行われる点、朝まで残ったローソクの長さなど気になる点もあるが、それ  でも面白さに紛れる程度だし、この程度の強引さがなければ映画はなりたたな  い。  ちなみに、海外で羊の脳みそのスープを食べたのを思い出した。そのスープには  脳みその破片がリアルな形のまま浮いていた。カニバリズムがおいしそうに感じ  るからR-15(15歳未満入場お断り)なのだろうか?!                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆テヘラン悪ガキ日記☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     ★★☆☆☆     監督:カマル・タブリーズィー     出演:ファテメー・モタメド=アリア     1998/イラン/90min     99年ベルリンこども映画祭グランプリ     99年カナダこども映画祭グランプリ  テヘラン市の少年院。そこにやってきたソーシャルワーカーのミナ。何度も窃盗  で少年院へ出入りを繰り返しているメヘディ君。ミナが少年達へ愛情持って接す  る内に、メヘディ君は彼女が母親になってくれると信じてしまう。それは理想の  母親像であり、安らぎの家庭への入り口だった。一方、そんな少年を理解できな  いミナは混乱し、少年への接し方に戸惑う。彼が巻き起こす事件が次第にミナ自  信のストレスと重なっていく。  複数の子供映画祭でグランプリを受賞しているこの作品、映画としての完成度は  未熟だが、子供映画として限定的に考えるのなら、映画好きの大人が考えるよう  な視線では説明できない魅力がある。  しかし、イラン映画が年間数本公開され、映画祭ではさらに10本近くが見られ  る東京では、いいかげんに飽きてきた。イランの映画に飽きたのではなく、子供  が主人公で、「正しい道」を行くポジティブなストーリー(つまり検閲に通るス  トーリー)に飽きてきた。  だから、イラン映画ファンにはお勧めしません。  撮影や演出といった面のおもしろさというより問題提起とその解決の難しさを見  せる映画。もちろんイランだけの問題ではない事柄で現実味はあるが、ドキュメ  ンタリー性が欠ける作られたストーリーだ。  おおげさな演出やBGMは昼のサスペンス番組級で残念。反面、子供には分かりやす  いだろう。自然に寄り添ってきたような汚い野良猫や、トラックの中で思い出す  父親の姿、八百屋の主人の悪人ヅラは魅力的だ。  いったい何歳の子供に見せるべき映画かと悩んでしまうが、大人がおしつける意  味では「子供映画」と呼べるのだろう。大人向け絵本の趣向に近い。そのくせ、  大人の満足を得られる部分はわずかだ。  イラン映画では近日公開される、「ダンス・オブ・ダスト」(アボルファズル・  ジャリリ監督)が98年東京国際映画祭で公開されて以来の一般公開。いつもの単  館上映で、地方での上映は不明だが、映画祭で見逃している人には必見。                                 立野 浩超 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ショコラ☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     Chocolat     ★★★★☆     2000年/アメリカ     監督:ラッセ・ハルストレム     出演:ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリン、ジョニー・デップ  1950年代、フランスの保守的な村ランスクネにミステリアスな母娘ビアンヌ(ビ  ノシュ)と、アヌーク(ビクトワール・ディビソル)がやって来る。おりしも断  食期に入っていた村でチョコレートショップ『マヤ』を開いた2人。美味しい  チョコレートは次第に村人の心を開いていくが、戒律を好む村長らは顔をしかめ  るのだった・・・。  今、アメリカで一番地名度が高いヨーロッパ女優は、ペネロペ・クルスとこの  ジュリエット・ビノシュらしいが、共に料理で人の心を惑わせる和み系の役で人  気爆発となった。最近のアメリカ男はエリン・ブロコビッチみたいな強い女に食  傷気味なのか?こういうしっとりした上品な色気と、甲斐甲斐しい雰囲気は、日  本男性の心をも虜にしそうである。  で、映画のほうはというと、これまた和み系、癒し系映画と言えばこの人の感の  ある、ハルストレム監督が綺麗にまとめたといった感じで、前作『サイダー・ハ  ウス・ルール』や『ギルバート・グレイプ』ほどクセのある脇役やどろどろした  設定がないぶん、万人受けしそうな絵本の世界のように仕上がっている。(そこ  がファンとしては物足りなくもあるのだが・・・。)  また、『ポネット』でベネチアを騒然とさせた天才少女ビクトワール・ディビソ  ルが演じるアヌークという少女、戦争で足を負傷したカンガルーという架空の友  達と話をしたりするのが、何となく『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』のライ  カ犬のエピソードを思い出させ、ほんと、監督の子供使いの巧さにうなってしま  うのでした。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆4☆ジーザスの日々☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     LA VIE DE JESUS     1997年/フランス/96min/カラー/シネスコ     監督・脚本:ブリュノ・デュモン     出演:ダヴィッド・ドゥーシュ、マージョリー・コットレール     http://www.bitters.co.jp/     1997年カンヌ国際映画祭カメラドール特別賞、ジャン・ビゴ賞     5月12日(土)よりBOX東中野にて公開  失業中で癲癇のフレディの楽しみは恋人マリーとのセックスとバイク、それに鳴  き声コンテスト用小鳥の調教。仲間との悪ふざけ。が、ある日マリ−に近付いた  アラブ人カデールを暴行の上殺害してしまう。  舞台は監督の故郷でもある、フランスの田舎町バイユール。本当にここには何も  ない。雨ばかりの冬、けだるい夏。フレディの毋が営むダイナーのTVだけが外界  とこの町を繋ぐ術かもしれない。そこに住む、仕事もなく退屈で仕方ない青  年・・。日本でもあり得る光景ではある。出演者もここの求職者ファイルから選  ばれた、というから一種のドキュメンタリー的な印象さえ感じる。  冬景色の中に長髪で登場した彼は、映画が進むにつれて徐々に行動をエスカレー  トしていく。そして夏を迎え腕の入れ墨も露わに超短髪になったフレディのどう  しようもない閉塞感は、人種偏見という突破口をみつけた途端に力を得て暴れ出  す。ラザロの復活の絵を背景に、病室で友人の兄のエイズ死を目の当たりにして  動揺していた青年が心の内に飼っていたに違いない悪が表面化する。  墓地、教会・・と2作目にも取り込まれている、さりげない宗教的暗示。人間の  弱さを憎しみに矯めて暴発する彼の限りない拳。犠牲となったカデールへの過剰  な暴行はマリ−への横恋慕に対する復讐ではない。剥き出しにされた原罪とも言  える人間の姿だ。カデールの目に映った空と、フレディが警察を飛び出して犯行  現場で眺める空がシンクロする。同じ空を見た同じ人間のそれぞれの末路。  ラストで流すフレディの涙は、人間が「後悔」する事の出来る動物である事を物  語る。彼の本当の意味での人生はここから始まるのかもしれない。過度な説明的  要素を一切排して単純な風景の中に淡々と語られる、この作品はだからこそ見る  側に深い衝撃を与えるのだろう。                                 鳥野 韻子 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆5☆サーカス☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Circus     ★★★★☆     1928/アメリカ/72分/白黒     製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン     出演:マーナ・ケネディ、ハリー・クロッカー     1928年アカデミー特別賞(C・チャップリン)  映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過  去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東  西を問わずご紹介しているが、今回は、チャップリン特集の3回目として『サー  カス』をお伝えする。  金もなく行くとこもなくただぶらついてる放浪者チャーリーだが、運良く金を得  る事となる。しかしこの金は、スリが紳士から一度盗んだものなので、チャー  リーがスリと間違われる事になる。警察に追われる事となったチャーリーが逃げ  込んだ先は、サーカス一座のテント。突然始まったチャーリーと警察とのドタバ  タ劇に、観客は拍手喝采。チャーリーは、サーカスの団長に見初められ一座の1  人となることに。  ドタバタ短編喜劇を数多く作ってきたチャップリンは、長篇を作るようになって  から社会的作品を連発するようになる。その為今作は、初期の短編に見られるド  タバタの要素を盛り込んだ最後の作品と言っても良い映画。彼の作品に見られ  る、チャーリーが恋するヒロイン、そのヒロインに乱暴を加える男、そしてヒロ  インと結ばれる美男子という構図も、今作以後影を潜める。  サーカスを利用したドタバタ劇や後半の綱渡りシーンは、チャップリンの天才的  身軽さで観る者に笑いを提供してくれているが、今作も、団長である父親が娘に  対して行う虐待や、経験ないチャーリーが綱渡りをやるシーンで、チャーリーの  事を気遣う仲間に、保険をかけてあるとあっさり言い放つ団長の冷淡な態度に見  られるように、チャップリンは人間の暗部もしっかり描いている。  今作で、後年の映画監督に影響を与えたと思われる箇所がある。先ず、美男の綱  渡り芸人レックスが技を披露してる時、彼に恋したヒロインとヒロインに恋する  チャーリーが並んで腰掛け、その様子を眺めている場面。レックスが落ちないよ  う祈るヒロインと落ちる事を祈るチャーリー。カメラに向かって並んで座ってる  為、2人の表情を同時に見る事が出来る。この構図は、エルンスト・ルビッチの  1933年『生活の設計』で使われている。それとラストシーン。このラストは、ポ  ツンと1人立ち尽くし、寂しげな表情を浮かべるチャーリーの姿が非常に印象的  だが、直後、カメラに背を向けて去って行く。この動きは、明日への希望ないし  新たな出発といったものを表していて、数多くの作品に影響を与えたものだ。  最後に、チャップリンは今作で1928年度の第1回アカデミー賞の特別賞を受賞し  ただけでなく、喜劇監督賞(第1回に限り存在)と男優賞の2部門のノミネート  も受けた。                                 吉田 浩二 __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ ◇◇星(★)の意味___________________________◇ ◇   このメールマガジンで表示されている星は5つが最高で、1つが最低です。 ◇◇メールアドレス変更・解除______________________◇ ◇   このメールマガジンの購読解除は、ご登録された発行元のホームページより出   来ます。こちらでの作業は一切しておりません。   まぐまぐ   (http://rap.tegami.com/mag2/m/0000007585.htm)   Pubzine (http://www.pubzine.com/detail.asp?id=1547)   Melma     (http://www.melma.com/mag/31/m00000031/)   マッキー!  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ScreenKiss Vol.235

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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<   □ハリウッド映画新作情報:シュガー・アンド・スパイス   □ハリウッド映画新作情報:ウェディング・プランナー   □ロンドン映画情報:ブリジット・ジョーンズ・ダイアリー   □ボクと空と麦畑   □黄金狂時代 >☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆< >>☆1☆ハリウッド映画新作情報:3000マイルズ・トゥ・グレイスランド☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     3000miles to Graceland     ★★★☆☆     2001年/アメリカ(日本公開未定)     監督:ダミアン・リヒテンシュタイン     出演:カート・ラッセル、ケビン・コスナー、コートニー・コックス  エルヴィスのそっくりさんコンテストが開かれるラスベガスで、大胆にもエル  ヴィスのコスチュームでカジノ強盗を企てた5人組。お金をせしめ、山分けして  終わる筈だったのが、ボスのマーフィ(コスナー)の裏切り、そして奇跡的に助  かったマイケル(ラッセル)とその恋人のシングルマザー(コックス)と息子を  巻き込んでの騙しあいの犯罪ゲームに発展し・・・。  いやー、笑いました。ケビン・コスナーのエルヴィス姿!もみあげクッキリにラ  メや金の飾りをちりばめたコスチュームが似合わな過ぎで素敵!かつらを取ると  すっかり後退しちゃってる姿が、エルヴィスに傾倒し、独特のダンディズムを持  つ悪役マーフィにはまってます。いい加減、気取ったヒーロー役は似合わないこ  とに気づいたコスナー、偉いぞ。リチャード・ギアも見習えって。  主役のマイケルを演じるカート・ラッセルの哀愁漂うリーゼント姿もいい。どう  しようもない奴だけど人情だけは深い男をセクシーに演じてます。さすが『バッ  ク・ドラフト』のヒーロー、ガテンな体つきがいいですね。  コートニー・コックスって今まで『スクリーム』でのキツイ女のイメージが鼻に  ついて好きになれなかったのだけど、今回は底辺で生きる女のたくましさをエリ  ン・ブロコビッチばりに演じて好印象、カッコイイの一言。それにひきかえ、す  ぐ殺される強盗役の夫って一体・・・。  さて、俳優の話が長くなりましたが、ストーリーは強盗、恋愛、裏切り、どんで  ん返しと盛り沢山なのはいいが、それが災いしてしまったとういか・・・。  ジョン・ウーばりの2丁拳銃使いのアクションや、タランティーノばりの逃亡劇  にウェスタン風の一騎打ちが入り乱れ、その上イミのないオープニングのCG使い  と、一つ一つは面白いものの全体を通すとまとまりがなく、欲張りすぎとう感  じ。普通のロード・ムーヴィ風に取った方がグンと良い味になったのでは。  まあ、もしかしたら色んな過去の映画にオマージュを捧げるパロディ映画だった  のかも・・・。そう思うと、明らかにコスナーの『ロビン・フット』をパロった  場面にもナットク。                                MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆2☆ハリウッド映画新作情報:ウェディング・プランナー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     The Wedding Planner     ★★★★☆     2001年/アメリカ(日本公開6月)     監督:アダム・シャンクマン     出演:ジェニファー・ロペス、マシュー・マコノヒー     http://www.weddingplanner-movie.com  全米公開の1月より2週連続でNO.1を記録したラブ・コメディ。  仕事一筋で自分の恋愛は2の次のウェディング・プランナー、マリア(ロペス)  は、ある日街中で自分を助けてくれた医者、ジャック(マコノヒー)に一目ボ  レ。だがこともあろうに彼は顧客のフィアンセだった・・・。  こんなに映画を見てウットリ気分になったのは久しぶり。ジェニファーの輝くば  かりの美しさ、抜群の着こなしや格好いいお尻にウットリしたあとは、相手役マ  シュー・マコノヒーの低音のクールな声とセクシーな口元にウットリ。  夜のゴールデンゲートパークでのダンスやら、ボタニカル・ガーデンでのパー  ティや、乗馬シーンなどなど、醤油顔の日本人がやったら殴られそうなコテコテ  のロマンチックシーンも、この2人がやるとため息がでるほど。往年のハリウッ  ド映画を彷彿とさせるような夢見心地のシーンが続く。  物語はありがちなラブコメだが、そこに結婚の理想と現実、情熱を感じる相手か  友情を感じる相手がいいか、など年頃の女性には身につまされるテーマも含ま  れ、結婚を前に悩んでいる方にはお勧めかも。  細かいシーンにも手を抜かず、例えば1人暮しのジェニファーが鍵をきちんとドア  のよこに吊るしたり、枕をたたいて直したりするシーンに主人公の人となりが上  手く現れていたりして現実味がある。  ところで、ジェニファーがオフィスで(たぶん)カシミアのベージュのセーター  に、ヴィトンのダミエのバッグを持って、シンプルなピアスのみを着けて登場す  るシーン、ブランドはこういう人が持ってこそ!と唸ってしまいました。  時には現実を離れ夢を見たい!という方には超オススメです。                                 MS.QT.MAI __________________________________________________S_c_r_e_e_n_K_i_s_s_____                                     □ >>☆3☆ロンドン映画情報:ブリジット・ジョーンズ・ダイアリー☆<< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  3月前半から主演のレニー・ゼルヴィガー、コリン・ファース、ヒュー・グラント  が大写しのこの映画の巨大ポスターが貼られていたが、4月13日、イースター・ホ  リデー4連休の初日に満をじして公開となった。  この「ブリジット・ジョーンズ・ダイアリー」、邦訳も出ている英国人作家ヘレ  ン・フィールディングの英国・米国で大ヒットした小説が原作。特に英国では数  年前に小説がヒットした際、ブリジットが毎日たばこ・アルコールの量と体重を  書く日記帳と同じものが発売されたほどだった。  32歳、ロンドン在住、出版社勤務のシングル・ガール、ブリジット(レニー)が  主人公。久々に再会した幼なじみと、ハンサムな上司との恋物語を軸に、「パー  トナーが欲しい」「やりきれなくて泣ける夜もある」といった、30代女性の切実  な苦しい胸の内を、コミカルかつ軽いテイストで描きつつ、多くの共感者を得る  であろう出来ばえに仕上がっている。だたし、男性と20代以下の女性にそれほど  受けるとは思えない。細かい台詞やディテイルに、「ああ、そうだな、ブリジッ  トって私みたい、、、」と思えてこそ、この映画を楽しみ醍醐味だから。  ちょっと太目で、でも可愛くて、「あのくらいだったら私もなれるかも」と思わ  せる外見のレニー演じるブリジットが成功の鍵だろう。ぷりぷりした色白の肌を  惜し気もなくさらし、セクシー系から奇抜なコスチューム、ださいカントリー・  スタイルまで見せてくれる。レニー大全開の体当たりぶりだ。  共演者も豪華。非常に「イギリス的」ハンサムの二人、ヒュー・グラントとコリ  ン・ファースがブリジットの恋の相手を務めている。ヒュー・グラントは超ポッ  シュ(訳すのが難しいイギリス英語だが、大旨「スノッブ」と同義語)なブリ  ジットの上司を演じ、珍しく少々「悪役」であるがまさにはまり役。嫌みな程ス  マートなスーツ姿が似合っている。  「アナザー・カントリー」の美青年だったコリン・ファース、日本での露出はそ  んなに多くないかもしれないが、ここ英国では立派にご健在。日本でもNHKで数度  放送となった、ジェーン・オースティン原作のTV映画「高慢と偏見」の「ミス  ター・ダーシー」役がつとに有名であり、いまだにミスター・ダーシーと呼ばれ  つづけている。(この役から脱皮出来ず、同じような役が来つづけるところは彼  にとっては問題かもしれないが。)  今回はブリジットの幼ななじみ、マーク・"ダーシー"(又もやこの名前)役。素  敵ではあるけれど、堅物の法律家がこれまた非常に似合っている。「イングリッ  シュ・ペイシェント」の時より少々スリムになったので、幾分若く見える。  家賃がたかーいロンドンで、1LDKのスタジオに住み、年中黒タクシーに乗る(ロ  ンドンのタクシーは2種類。ブラック・キャブと呼ばれる黒タクシーはとても高  い。)ブリジットのライフ・ スタイルは、30歳前後の一般人の生活というより、  「中産階級」以上の働く女性のスタンダード+αといった感じだ。英国は階級社  会ゆえライフスタイルの違いははっきりしており、ゆえに観客ターゲットもこの  階層もしくはこの階層予備軍であるだろう。  野外ロケの難しさからか、有名スポットでのシーンはあまり出てこないが、  「ノッティング・ヒルの恋人」程度にはロンドンライフを垣間見ることが出来  る。前宣伝に相当お金をかけたこの作品、公開最初の週末ボックス・オフィスの  結果は来週中旬に分かるが、何週間一位をキープ出来るだろうか? 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