フランス映画紹介

ねじれた愛去年の「嘘は真実」でもユダヤ教を扱っていたけれど、この作品ではそれにゲイが加わって物語的に幅。各キャラクターの扱いがきっちりして面白かった。

アントワーヌ・ドゥ・コーヌ(男優)実物はまず普通のハンサム。作品ではあごひげをはやしたゲイの役でクラリネットを吹く様など実物よりハンサムでした。でもなかなかウィットのある素敵な印象でした。

エリザ・ジルベルシュタイン(女優)昨年の映画祭での「正装のご用意を」で出演していました。「ミナ」で有名だけど「恋人たちのポートレート」ははじめちょっとずれた可愛い女の子をさせるとピカ一。笑顔がとても可愛い。

ジャン-ジャック・ジルベルマン(監督)映画館も経営していると言う監督。とってもおしゃべりで本人自体楽しげな人でした。

ジャンヌと素敵な男の子

ヴィルジニー・ルドワイヤン(女優)ここ数年映画祭で来日している。映画も実物も申し分なく可愛い!

マチュー・ドゥミ(男優)お母さん(A.ヴァルダ)の顔を色濃く踏襲した感じ。「百一夜」では華奢な少年風だったのに実物は結構たくましげ。

変人たちの晩餐会終始笑える。絶妙な間や展開上手い脚本と役者の賜。さすが舞台作品。

ティエリー・レルミット(男優)この人も思い入れが強いのですが、、、舞台挨拶はオープニングより超ラフ。超簡単なサインがちょっとがっかりだったけれど2ショットを頼んだら立ってくれただけでも感激!背は高いが思ったよりがっちりしていた。

パパラッチ監督の前作が頭にあったので覚悟していたら割と社会的な面もあり、心の琴線に触れる所あり、で意外な期待はずれだった。

アラン・ベルベリアン(監督)この人の第一作目のしょーもない「カンヌ映画祭殺人事件」のチラシでは表記がバーバリアンになっていて一体どんな人だろうと思っていたらDホフマを可愛くしたような人。

ヴァンサン・ランドン(男優)(個人的に私のお気に入り)「女と男の危機」で組んだ(これまた私の好きな)パトリック・ティムジットと再び組んでよいコンビネーション。得意の哀愁漂う中年がはまっていました。

エリーズ・ティエルロワ(女優)この人「シリアルラバー」でも登場。ブロンドの典型的な美人。作品の中より本物の方がエレガント。それでいて物静かで好感が持てた。

情事のあとかなり女性の個人的感覚の映画。愛人との別離語の苦しさってのがすさまじすぎて妙に生々しくて何か疲れる。編集者とスランプの作家の砂時計のような関係をも表現、、、と言うところは解るのだけれど。

ブリジット・ルーアン(女優)個人的には(大好きな)「オリヴィエ オリヴィエ」のお母さんの役が印象的だったが、ちょっとスーザン・サランドン似の可愛らしい人だった。

シリアルラバー巧くコミックを取り入れたテンポの早い作品。何となく話の先が読めるが結構楽しめる。

ジェームス・ユット(監督)サイン会に行ったら妙にハイでこんな人が友人に一人でもいたら結構うるさいけど楽しいかも、、、と言う感じの人でした。

ミッシェル・ラロック(女優)最近「ペダル・デュース」「僕のバラ色の人生」と映画祭でも出演作が続いている。映画の中では割とプライドが高いインテリ役が多い彼女、実際はヘヤダイなどかすごいブロンドで思ったより落ち着いた雰囲気の人

ルール違反プログラムの説明ではなんだかコメディーかと思ってみてしまったのでどうもシリアスな内容に驚愕してしまった。実名で役者が本人を演じるのは珍しいことではないけれど、後半の密室での進行は舞台劇のようだ。

アリエル・ドンバール(女優)「海辺のポーリーヌ」「美しき結婚」などロメーヌの常連。最近はアンリ・ベルナールとの結婚で「知」と「美」の結婚とか言われていたくらい美しかったが、やはり老けました。風邪で来られなかった友人へサインを頼んだら元気になってと言ってくれました。

愛と復讐の騎士フランスでは公開したそうで、フランス人によれば比較的評判は良いとのこと。

ヴァンサン・ペレーズ(男優)「インドシナ」「恋人たちのアパルトマン」「愛と巡り会い」と段々頭が寂しくなってきたというイメージが強く、確かにそうだったけれど本人はとても良い感じの人見方が変わりました。

マリー・ジラン(女優)「さよならモンペール」で一気にファンになった私。あれから数年経っても少女臭さは抜けても可愛らしさが変わらない。彼女の周囲は華やかなオーラがあったのは気のせいでしょうか?

映画評論家 坂田洋子

第6回フランス映画祭~ランベール・ウィルソン

ゲストの来日はフランス映画祭の楽しみのひとつだが、ミーハーな私にとってこのところ毎年誰かしら“マイヒット”なゲストが来ている。1作目で一目惚れのC.クラピッシュ監督、子役時代から唾つけてました..のG.コラン、子供の頃からお慕いしてました..のB.ジロドー等なのだが、

今回ご紹介するのは3つ目のパターンのランベール・ウィルソン。この8月で確か御年40才。「恋するシャンソン」で鼻持ちならない不動産屋マルクを演じている。この中で「僕は女の子達が好き」を口パクしており、映画祭でも舞台挨拶でちょっと声を披露したが実際、れっきとしたバリトン歌手でもある。「ピーターと狼」等のナレーションやクラシックからポップスまで数枚のCDも出している。大感激の私をよそに映画祭での写真を見せると「一応…二枚目だけど…知らない」というのが大方の友人達の感想だが、私が最初に魅了されたのは実は“声”だった。

「ヘルマン夫人ですか?2等4号車の甥のフランツです。貴方の誕生日にジュリアさんから..」『ジュリア』におけるこの数秒の台詞が映画初出演。後にこれは丁度英国で演劇を学んでいた時に出演したという事を知ったが、この綺麗な発音の“イギリス人”俳優が気になった。誰だか分かったのは数年後で、何と「ラ・ブーム」のヒットを知らなかった私は破滅的なキャラクターを演じた「ランデブー」や「私生活のない女」でフランス語も喋れるんだ….と感心していたものだ。実際はイタリア語も堪能とか。「悪霊」でA.ワイダ、「建築家の腹」でP.グリーナウェイ、そして今回のA.レネ(以前、監督に出演希望のラブレターを書いたという)等個性的な監督との仕事が多く、好青年から詩人、ジゴロ、テロリストと役柄も様々だが(出演作が多い割に日本であまり馴染みがないのはそのせいかもしれない)最近では「恋する..」や「妻の恋人、夫の愛人」のようにちょっと嫌みで割を喰う自称プレイボーイの洒脱な演技が結構はまっている。

「恋する…」は口パクとはいえ現場は歌いながらの撮影だったというが、数年前からは本格的に声楽でもプロを考えていたらしい。1度聴いてみたいと思っていたところ、昨年東京国際映画祭に続き京都映画祭でも「女優マルキーズ」のプロモーションで来日。その際東京と2箇所でリサイタルを開催した。’96年にリリースし、翌年パリ公演を行ったアルバム「悪魔と奇跡」の内容のリサイタルはモノトーンの衣装にベレー、ジャケットで変化を凝らしながら「突然炎の如く」に始まり父の主演作「かくも長き不在」まで一気に約1時間半。映画の中のシャンソンという宣伝のせいか客層は思ったより年齢層が高く静かだった。プログラムがなく次々に歌われて行くのだが、冒頭で流れる映画のワンシーンの音から、台詞の感じと船の汽笛等から「望郷」だな…とか、全ての曲を知らなくても映画が推測出来る。とはいえヌーベルバーグ以前の古い映画が多くフランス語音痴の私にとってはカルトクイズだった。東京での最初のステージは声も心なしか硬い感じがしたものの徐々に馴染んできて、上背を上手に生かした表現力豊かな動きと共に本来の幅のある響きになった。他にもR.ベリ等フランス映画界には意外な歌える俳優がいるのだが彼の父(ジョルジュ)もその部類だったようだ。

スクリーンでも背と鼻の高さは印象的だが、実物に会ってみると189cmの身長は想像以上に大きくがっしりしていた。クロージングの日、名前を聞いてサインしながら「歌も演技も可能性を試したい」と流暢な英語で答えてくれる姿には誠実な印象を受けたが、舞台挨拶時のタキシードからうって変わってこの日はスウェット? にスニーカー、クラーク・ケント風の眼鏡という超ラフないでたち。よく言えば飾らない…見方変えれば無頓着な…感じにこれ又この装いにはやや不釣り合いなトワレ(香りそのものは爽やかで良いのですが…会場でサンプル配ってたYSLのJAZZ? )を纏ってちょっぴり前屈みでホテルへ戻る背中は少々お疲れ気味でした。

鳥野院子