ScreenKiss #007

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Vol.007

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■ 映画を映画館でみよう! (3回シリーズ)
   第2回 シネスイッチ銀座

 所在地:銀座4丁目三越のある交差点 山野楽器裏

 ビルの1階にチッケット売り場。地下と3階の2ホールあり、地下:273人、
 3階:182人。まわりはチケットセンターも多く、朝11から夜7時まではど
 こでも購入可能です。映画館で買うのは、絵葉書付きの前売券だけにしましょう。
 金曜女性割引など、女性にやさしい映画館のイメージがあります。現在いつまで
 つづけるのか、「グランブルー仏オリジナルバージョン」を上映中で、見にこら
 れた人も多いでしょう。

 銀座周辺ではいままで日比谷のシャンテ・シネが作品の質では一番といわれ、
 “シャンテ系”という言葉もありますが、最近はやはりここシネスイッチ銀座が
 一番ではないでしょうか。最近改装を終えた館内は、結構きれいで、大きい肘掛
 けにカップホルダーがついているのはうれしい。ゆったりした座り心地の座席は
 若干柔らかすぎるという声も聞えますが、館内の段差もちょうどよく(シネマラ
 イズのようにきつすぎず、岩波ホールのようにゆるすぎず)、どこからでもよく
 見える。地下の場合は、2階席がすいていてお勧めの場合も。(ここはシネマラ
 イズと同様ですね)入場の際は一応左右の前の入り口から列をつくるのですが、
 これがくせもの。係員の入場の合図はないことが多く、どちらか一方の列はエン
 ディングタイトルが終わり切らないうちから入り始める事がしばしばで、映画館
 スタッフに改善してほしい点です。もちろん、観客も、エンディングタイトルの
 間はまだ音楽もながれているわけですから、静かに立ってもらいたいもんです。

 場所柄、年齢層も落ち着いていて、渋谷みたいに肩身の狭い思いを感じることも
 なく、マナーも比較的いいのではないでしょうか。地下にはポスターも多く、チ
 ラシも大量においてあり時間潰しにはなるが、3階の方は少し殺風景です。本が
 あったほうがいいのでは?近くにはマックから、神戸屋まであり、映画館のなか
 でよく神戸屋のサンドイッチを食べている人をみかけます。(ここでもマナーは
 いい)

 空調がききすぎることが多いので、女性はカーデガンでもあったほうがいいでし
 ょうが、暑いよりは快適ですのでそのままの温度設定にしてください。

 次回は、恵比寿ガーデンシネマです。

                                立野 浩超

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■ プライベート・ライアン

 米国製戦争映画は、戦意高揚映画と反戦映画に分類できるが、両者の違いはどこ
 にあるのだろうか。私は、単純に、見終わった後にスカッとする作品が前者、見
 終わっても何かが重苦しく残り、あんな戦争なら俺は行くのは御免だな、と思わ
 せる作品は後者だと考えている。戦争をリアルに描くと、残酷な描写が多くなり、
 後者に近づいてくる。

 その中間の作品として、戦争そのものは認めなくとも、それに参加した人々(し
 ばしば、観客の父や祖父と同じ世代の人々であったりする)は基本的に善良な普
 通の人々であり、時として勇敢でもあった、とする作品もある。この第三の作品
 に流れている気分は、第二次大戦も遠くなり、冷戦も過ぎて、もはや血を流すこ
 とに疲れ始めたアメリカ人の気分でもある。「プライベート・ライアン」の冒頭
 と末尾にはためく色褪せた星条旗(色鮮やかな星条旗であってはならない)がそ
 れを象徴している。

 多くの人が指摘するように、この映画の白眉は、酸鼻を極めるノルマンディー・
 オマハビーチの上陸戦である。上陸艇の中で恐怖と船酔いに苦しみ、やっと扉が
 開いて上陸かと思えば身動きもできない内に狙い撃ちされ、あわてて海に飛び込
 めば装備が重すぎて溺死、やっと浜辺にたどり着いても銃砲弾に手足を吹き飛ば
 される。腕を切断された兵士は、落ちた腕を抱えてうろうろ歩き、ヘルメットで
 銃弾が止まって、幸運に感謝した兵士は、次の瞬間に頭の同じところを撃ち抜か
 れる。やっとトーチカを制圧した兵士たちは、降伏したドイツ兵士を容赦なく射
 殺する。

 このような描写を見せられたら、若者十人の内九人までは、戦争など御免だと思
 うだろう。たとえ、その後に、勇敢で比較的ヒューマンな兵士たちの行動が描か
 れているとしても。

 なぜ、今、このような作品がつくられた(つくられることを許された)のか。も
 はやアメリカ人は、自分自身のため以外には血を流さないことを決意したからで
 はないか。もしまた、血を流さなければならない事態が起こりうるとしたら、こ
 れほど恐ろしげな戦争描写は許されないだろう。事実でも、知らない方がいいこ
 とはある。

 自由の木は、愛国者の血で育つという。しかし、今、アメリカ人は、父祖たちの
 ように戦い血を流すことはできないと悟った。人権問題で交渉や制裁をすること
 はあっても、また、テロリストにミサイルを撃ち込むことはあっても、血は流さ
 ない。もう、父祖たちのように、生きて死ぬことはできない。そうするには、戦
 後五十年の間に、自分たちはあまりにも知りすぎてしまった。

 だから、今、勇敢だった父祖たちを鎮魂し、自分たちが同じようになれないこと
 を詫びるために、整然と立つ十字架の列を暴いて、彼らの地獄を追体験させ、そ
 して再び彼らの魂をを十字架の列に戻したのである。もはやこれほど多くの十字
 架の列が立つことがあってはならない。映画の最後に、無事帰還を果たしたライ
 アンが戦死者の墓の前にたたずむ。後方には若い家族たちもいるが、カメラの焦
 点はライアンのみに合っている。若い家族と戦死者たちとの間に通うものは、も
 はやない。生きることは考えられても、何かのために死ぬことは考えられないか
 らである。老いたライアンもその点では同じかもしれない。彼らの上でひるがえ
 るのは、色褪せた星条旗がふさわしい。
 
                                高野 朝光

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ScreenKiss #006

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Vol.006

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■ ScreenKissオリジナル・ボールペン登場!!

 ScreenKissの可愛いロゴの入ったボールペンが出来ました。

 執筆者とプロモーション用の為だけに制作したものですが、少々多めに制作しま
 したので、今回は数量限定で読者の皆様にお分けいたします。

   販売数量  初回限定 10セット

   インクの色 黒 (全てのインクは黒です)
   ペンの色  蛍光(緑、黄色、オレンジ、赤、ピンク)
   ロゴの色  黒

   アメリカ製

   3本セット 350円 (色は選べません)
   5本セット 500円 (5色全色)

   送料
    郵便   100円
    宅急便  640円より(地域によって変化します) 

   注文方法  ホームページのオーダー・ページでフォームを記入して送信し
         て下さい。

   支払方法  代金は郵便局や銀行へ振り込みか「アコシス」をご利用できま
         す。前納のみ。振込料金はご入金者の負担でお願いいたします。

  (ご注意)  ペンのボディーの色が蛍光色で、書いた文字は黒です。
         初回限定は10セットのみですが、人気により継続販売すること
         もあります。その時の値段は変わるかも知れません。

 デザイン・発注はホームページをご覧下さい。
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■ 映画を映画館でみよう! (3回シリーズ)
   第1回 キネカ大森

 所在地:京浜東北線 大森駅から徒歩5分

西友(スーパー)の5階西友の1階には、セゾンチケットセンターがあるので、
時間が早ければそこで割り引きの前売券を購入可能ですが、リピーターは当日券
を5階で購入して入りましょう。3回は入れば、1回無料で見られるので、50
0円割引券がついてくるような感じ。これは安い。

 日本初(?)のアジア専門館として今年1月に再スタートした後、「プルガサリ」
 が開館以来の大ヒットとなり話題となったので、行かれた事のない人でもこの映
 画館の名前くらいはご存知なのでは?実際この映画館を知らずして、アジア映画
 ファンを名乗ることはできないのではないでしょうか。館内ではここでしか手に
 入らない関連グッズなどを売る小さな売店があります。また、本棚にならぶキネ
 マ旬報の20数年分のバックナンバーが読めるのは憎いかぎり。今日見る映画の
 監督や出演者の履歴を探すのもよし、多量においてあるチラシとからめて読むの
 もよし。特別音響がいいとはいえませんが、しっかりとフィルムをつないでくれ
 るし、前の椅子にだれか来てしまった場合は、隣に動けばいいだけのこと。なん
 たってここはすいてます。

 映画を見る前、見た後に食事をとる人は多いと思いますが、ここは西友スーパー
 の上。もちろんパン屋もあります。2階には無印良品。車の人は、映画をみれば
 割り引きがあります。大森駅のまわりは安くてうまい飲食店があり、穴場的な店
 も多いのでぜひ開拓しましょう。

 尚、最近の特集は、英国映画祭、インド映画祭など。次回はルコント特集と本当
 につぼを押さえた選択。

 最後に、毎月更新のチラシ形式でKINECAOMORIというスケジュールがおいてあり
 ますが、これがなかなか読める。なんとあのムトゥー踊るマハラジャを発掘した
 江戸木純の連載がのっている。各ミニシアターにも置いてあるので、探してみて
 ください。

 次回は、シネスイッチ銀座です。

                                立野 浩超
                          [email protected]

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■ ビデオでシネマ

 1.サリー・ポッターの「タンゴ・レッスン」

この作品、劇場公開の宣伝文句に「官能」とか「エロス」とかいった言葉が飛び
交っていたので、期待してでかけた男性がごまんといたそうな。ウソウソ、冗談。
でも実は私はこのシゲキ的な宣伝文句にゲンナリして、映画館にいかなかったの
だ。

じゃあ何ゆえビデオを見たのか。それゃもうあなた、監督がサリー・ポッターだ
からですワ。恥ずかしながらイギリスのこの女流監督についてはまったく知識が
ないのだが、何年か前に彼女の「オルランド」を見て以来、何やら気にかかる存
在。しかも今回の作品ではご本人が主役を演じているとなれば、一見の価値あり。
そこでビデオレンタルショップで見つけるや、さっそく借りてきたのでありまし
た。

前振り長くてゴメンなさい。さてさて、妙に後を引く作品だった。モノクロ(一
部カラー)で映像地味だしメッセージ性も強くないので、見終わって感動の嵐は
起こらない。これがイチ押し、超オススメってわけでもない。けれどなぜか心に
残る。残ってたゆたう。不思議な作品だ。

主人公は仕事に行き詰まった中年監督のサリー・ポッター自身。ある日彼女はタ
ンゴのレッスンを思い立ち、先生の若き踊り手パブロとレッスンを重ねるうちに
二人の気持ちは接近する。しかしパブロが引いてしまう。ダンスパートナーとし
ての彼女を大切にしたい、つまりは公私混同して関係をこじらせたくないっての
が彼の言い分だ。ストーリーの3分の2ぐらいまでこの調子で、その上ポッターが
形勢不利なので、表面的には「中年女が若い男に血迷ってもしょせんは無理なの
ね」という図式。ここまで見た限りだと、ありふれた恋愛映画にすぎず、ポッタ
ー女史ってこんなつまらない作品つくる人だったのかとガッカリせずにはいられ
ない。

ところが残りの3分の1で状況が一転する。ポッターが彼を使って映画を撮る話に
なるが、今度はパブロの方が監督の目でしか自分を見てくれないとすねるのに対
し、ポッターはあっさり言ってのけるのだ、これが私の愛の表現の仕方なのよと。
テリトリーが移ったとたんに立場も逆転しちゃったわけである。

と書くと何だかオバサンの意趣返し話のよう。でも二つのエピソードから浮かび
上がってくるのはむしろパブロとポッターの類似性だし、全体から見えてくるの
はポッターという女性の生き方、そして映画に対する彼女の思いだ。

パブロもポーターも目の前の愛情や官能に溺れるよりは一歩引いてそれを自己表
現に生かすタイプ。わざとそうするのではなく、そうせざるをえない。いわゆる
芸術家の宿命か。ポッターは言ってしまえば愛より仕事をとったキャリアガール
の姐御ってとこだが、そういう人たちを主人公にした小説や映画にありがちの「
愛を捨て辛さに耐えて、でも私はこの道を選んだ」的な力みや諦めはなく、人生
をポジティブに受け止め、楽しんでさえいる。潔い生き方ってのかな。しかもサ
リー・ポッター自身をあえて主人公にしたことで、かなり真実味が出ている。手
法も人物像もおもしろいと思った(ただしラストシーンは、ポジティブにとるか
ネガティブにとるか解釈の相違が出るはず。ずるい言い訳だけど、私だって落ち
込んでいるときに見たらこのラスト、ネガティブに取るかもしれないと思ったん
ですよね)。

ちなみに肯定的なものの見方は前作の「オルランド」にも共通していて、こちら
はバージニア・ウルフ原作の不死の人オルランドの話だが、オルランドは時代に
よっては男にもなり女にもなりと変幻自在で、実に軽やかに各時代に対応する人
物として描かれている。ウルフの原作を読んでないので偉そうなことは言えない
けど、同じく不死の人を扱ったボーヴォワールの『人はすべて死す』に比べると
はるかに肯定的。ボーヴォワールが個にこだわるとすればポッターの視点はマク
ロで、このマクロさ、おおらかさ、そしてポジティブな捕らえ方がポッター映画
の特徴のようだ。

最初の3分の2が冗長でこれについては不満が残る。行き詰っている仕事とそれに
関わるシーンがやや観念的でこれも邪魔っけ。でも全体の映像は絵になる構図で、
しかし無理に映像美を追求していないところがいい。「雨に唄えば」風、「フラ
ッシュダンス」風のダンスシーンもあって、とくに前者は短いシーンだけど楽し
めた。

                                  quittan
                          [email protected]

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ScreenKiss #005

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Vol.005

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■ Paris TOP 10             (10/7-13)
                     Source: Cine Chiffres.

 1 Il faut sauver le soldat Ryan (2週目)
 2 Place Vendome (1週目)
 3 Meurtre parfait (1週目)
 4 Le Poulpe (1週目)
 5 Godzilla (4週目)
 6 Le Petit monde des Borrowers (1週目)
 7 L’Homme qui murmurait… (6週目)
 8 La Vie reve des anges (4週目)
 9 Chat noir, chat blanc (2週目)
10 Conte d’automne (3週目)

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■ US TOP 10              (10/9-11)

 1 Antz (2週目)
 2 Rush Hour (4週目)
 3 What Dreams May (2週目)
 4 A Night at the Roxbury (2週目)
 5 Holy Man (1週目)
 6 Urban Legend (3週目)
 7 Ronin (3週目)
 8 There’s Something About Mary (13週目)
 9 One True Thing (4週目)
10 Saving Private Ryan (12週目)

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■ 第六回フランス映画祭~ランベール・ウィルソン

 ゲストの来日はフランス映画祭の楽しみのひとつだが、ミーハーな私にとってこ
 のところ毎年誰かしら“マイヒット”なゲストが来ている。1作目で一目惚れの
 C.クラピッシュ監督、子役時代から唾つけてました..のG.コラン、子供の頃から
 お慕いしてました..のB.ジロドー等なのだが、

 今回ご紹介するのは3つ目のパターンのランベール・ウィルソン。この8月で確か
 御年40才。「恋するシャンソン」で鼻持ちならない不動産屋マルクを演じている。
 この中で「僕は女の子達が好き」を口パクしており、映画祭でも舞台挨拶でちょ
 っと声を披露したが実際、れっきとしたバリトン歌手でもある。「ピーターと狼」
 等のナレーションやクラシックからポップスまで数枚のCDも出している。大感激
 の私をよそに映画祭での写真を見せると「一応…二枚目だけど…知らない」と
 いうのが大方の友人達の感想だが、私が最初に魅了されたのは実は“声”だった。

 「ヘルマン夫人ですか?2等4号車の甥のフランツです。貴方の誕生日にジュリア
 さんから..」『ジュリア』におけるこの数秒の台詞が映画初出演。後にこれは丁
 度英国で演劇を学んでいた時に出演したという事を知ったが、この綺麗な発音の
 “イギリス人”俳優が気になった。誰だか分かったのは数年後で、何と「ラ・ブ
 ーム」のヒットを知らなかった私は破滅的なキャラクターを演じた「ランデブー」
 や「私生活のない女」でフランス語も喋れるんだ….と感心していたものだ。実
 際はイタリア語も堪能とか。「悪霊」でA.ワイダ、「建築家の腹」でP.グリーナ
 ウェイ、そして今回のA.レネ(以前、監督に出演希望のラブレターを書いたとい
 う)等個性的な監督との仕事が多く、好青年から詩人、ジゴロ、テロリストと役
 柄も様々だが(出演作が多い割に日本であまり馴染みがないのはそのせいかもし
 れない)最近では「恋する..」や「妻の恋人、夫の愛人」のようにちょっと嫌み
 で割を喰う自称プレイボーイの洒脱な演技が結構はまっている。

 「恋する…」は口パクとはいえ現場は歌いながらの撮影だったというが、数年前
 からは本格的に声楽でもプロを考えていたらしい。1度聴いてみたいと思っていた
 ところ、昨年東京国際映画祭に続き京都映画祭でも「女優マルキーズ」のプロモ
 ーションで来日。その際東京と2箇所でリサイタルを開催した。’96年にリリース
 し、翌年パリ公演を行ったアルバム「悪魔と奇跡」の内容のリサイタルはモノト
 ーンの衣装にベレー、ジャケットで変化を凝らしながら「突然炎の如く」に始ま
 り父の主演作「かくも長き不在」まで一気に約1時間半。映画の中のシャンソンと
 いう宣伝のせいか客層は思ったより年齢層が高く静かだった。プログラムがなく
 次々に歌われて行くのだが、冒頭で流れる映画のワンシーンの音から、台詞の感
 じと船の汽笛等から「望郷」だな…とか、全ての曲を知らなくても映画が推測出
 来る。とはいえヌーベルバーグ以前の古い映画が多くフランス語音痴の私にとっ
 てはカルトクイズだった。東京での最初のステージは声も心なしか硬い感じがし
 たものの徐々に馴染んできて、上背を上手に生かした表現力豊かな動きと共に本
 来の幅のある響きになった。他にもR.ベリ等フランス映画界には意外な歌える俳
 優がいるのだが彼の父(ジョルジュ)もその部類だったようだ。

 スクリーンでも背と鼻の高さは印象的だが、実物に会ってみると189cmの身長は
 想像以上に大きくがっしりしていた。クロージングの日、名前を聞いてサインし
 ながら「歌も演技も可能性を試したい」と流暢な英語で答えてくれる姿には誠実
 な印象を受けたが、舞台挨拶時のタキシードからうって変わってこの日はスウェ
 ット? にスニーカー、クラーク・ケント風の眼鏡という超ラフないでたち。よく
 言えば飾らない…見方変えれば無頓着な…感じにこれ又この装いにはやや不釣
 り合いなトワレ(香りそのものは爽やかで良いのですが…会場でサンプル配って
 たYSLのJAZZ? )を纏ってちょっぴり前屈みでホテルへ戻る背中は少々お疲れ気
 味でした。

                                 鳥野院子

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■ オスカーとルシンダ

 今回は、フランス映画ではないのですが、興味深い1品に対する2人の批評を比
 べてみてください。偶然評価が分かれたのですが、その捕らえ方を比べると、や
 はり映画も多面性のある芸術ということです。それぞれの文章の長さもこの映画
 に対する思い入れの差でしょうか。

 「オスカーとルシンダ」===厳しい評===

 プルミエール誌の評価はなかなかのものだったが、そのわりにいまいちの映画。

 ただ、終盤のガラスの教会が川を上るシーンは名場面。さらに、この教会が沈
 む場面がこの映画の主題を全て語っているかのようだが、最後に陸へ引き上げ
 られ、朽ちた教会を出してしまっては興ざめ。

 いくつかのキリスト教的教訓を映画のメッセージとして捕らえても、人間関係の
 浅さと、その意味の曖昧さにはついていけない。主題の一つであるガラスの意味
 があまりにも単純で、賭け事の意味する表裏とガラスの果敢なさとの繋がりも感
 動しない。役者の選択もぱっとしない。もっとくせのある主役を使ってほしい役
 ではないか。なんだかんだ言っても、俳優によっては客がさらに入らなくなるか
 もしれないし、人気俳優をつかって無理やり客足を掴んでも、くだらない内容に
 は変わりないだろうし。もちろん客の入らない映画は赤字となるし、そうなれば
 映画産業が縮小されるようでつらい。どちみち脚本のつめの甘さがこの映画の大
 失敗点。撮影はいいから、その為にみる価値はある。

                                立野 浩超

 「オスカーとルシンダ」===評価高し===

 物語の始まりの、ルシンダへの父と母からの誕生日の贈り物「涙ガラス」。この
 映画の手掛かりはここから始まっているのではないだろうか。(注釈:「涙ガラ
 ス」はなにか伝統的な意味がありそうだが、私には分からない。)どんなことを
 しても割れないと言い張る父親と母親。ルシンダはペンチで試してみるよう言わ
 れ、ペンチで「涙ガラス」の中ほどに力を込める。なにか不安そうにペンチに挟
 んだルシンダ、その瞬間粉々に跡形もなく割れてしまうなんて思いもつかない。
 そのプレゼントは一瞬の内に砕けてしまうのだ。「割れる」「割れない」信じる
 ものは二つに一つ。ストーリーの入口のこの「賭け」、そしてそれはこの話のル
 シンダの生き方を暗示している。一方、自分の将来の進むべき道を石を投げて決
 定しているオスカーも同じく「賭け」ることから彼の行動が始まる。この言葉が
 この物語(脚本)の映画に対する「賭け」だったのだろう。

 ストーリーは単調に進んでいくのでつまらない。しかしオスカーとルシンダの一
 つ一つの場面が交差していくに従ってなんとなく一定のテーマがあるようで、
 「賭け」に対する推察が正しい事を感じ始める。ルシンダがオスカーに出会うシ
 ーンにしても二つあるドアを「どっちにしようかな、神様の言うとおり。」で決
 めている。もしももう一方のドアを開けていたらオスカーに出会っていなかった
 だろう。

 物語の中には二者択一的な「賭け」がちらちらと現れ、「運命」(人生)は、
 「賭け」(偶然)の連続で、支配されていることを示唆している。このことは後
 のオスカーの台詞からもわかる。「天国に行けるかどうかなんてわからない、神
 に賭けているようなもの」と言う。「賭ける」ことを罪とする神、しかし人は天
 国に「行けるか」「行けないか」誰も結果の分からない、保証もない死後に賭け
 て思い思いの神に祈る。「運命」には「賭け」が関わっていることを、この極端
 な話の人物をとおして観客が考え始めていた。「賭け」の結果は常に不安定要素
 であり、誰も予期することはできない。人間は「賭け」という不安定な「運命」
 にまた運命づけられている。ルシンダもオスカーも私欲のために「賭け」(ギャ
 ンブル)をするのではない、不安定さに支配された「賭け」のなかで見出した彼
 らの「運命」だったということに皮肉っぽい面白さを感じる。ギャンブルを愛す
 るルシンダは同じく不安定で一定の形を持たないガラスを愛す。ふわふわと水に
 身を任せて浮かぶルシンダ、ときどき現れるこのシーンにもまた、不安定に彼女
 の生き方を描き出していることが分かる。

 この話から一般の善と悪の定義は実は不確かなもので、罪の根底となるものが本
 物の悪を秘めていないときに受けるべき罰は何なのか、ということを考えさせら
 れた。人間が「正しい」と定義づけた生き方、行為は一体どこから来たものであ
 り、そして人間はその根底にある「正しさ」をきちんと身につけて進歩してきた
 のかという深い問いかけを感じる。

 ガラスの教会を無事に届けられるかという賭けにオスカーは自分の最大の財産で
 ある愛と命を賭けて出発する。形を成せば硬いが、不安定な性質を持っているガ
 ラスで出来た教会。神への侮辱と非難されるが、その教会を新たな勇気を携えて
 旅に出る。教会と共に地獄に落ちるか、天使の集まる教会を建てられるか。教会
 を無事に届けることができるかということは、ギャンブルをしてきたが今まで私
 欲はなかったと誓うオスカー、一方、神に対しては罪と認めて良心の呵責に悩ん
 でいるオスカーにとって、彼が今まで罪と認めたものの底に「罪」があったのか
 という人生すべての「賭け」も含んでいる。神を侮辱するといわれるが、神を尊
 んで作られた教会を命がけで届けることで神が認めてくれるのかを賭けている。

この話の結末がどんなものになるか予想が付かなくてさらに興味がわいた。ガラ
スの教会がちょうど オープニングに出てきた父親たちの教会と対比されている。
そのまま父と息子の生き方の対比にもとれる。この美しい場面に全てが集約され
ているように思われた。

 はかなく、不安定なガラスに囲まれ一人座るオスカー、ガラスは今にも壊れそう
 で崩れるガラスの破片が彼の上に降る。人間はこの不安定な危険な「賭け」の真
 っ只中に一人一人が生きている。

 私としてはこの印象を残して静かにTHE ENDになるほうが気持ち良かったのだが、
 彼は最後まで「運命」に振り回される。神に祈り懺悔している間に逃れられない
 死を迎えることになっていた。人を殺すに至る罪に内在する核心の善、この懺悔
 からドフトエフスキーの「罪と罰」でも問題となっている疑問も思い起こさせた。
 (興味あれば一読されよ)人間は自分が生きるに必要な「賭け」から生じる「運
 命」に翻弄される。そしてカオスの「運命」に賭けて前に進んでいく。

 まるで伽話のようにオスカーの息子に語られるこの物語は子供には分からない難
 しい映画である。

                      三田(立野 の友人の映画マニア)

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ScreenKiss #004

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Vol.004

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■ フランス映画紹介

 ねじれた愛
 去年の「嘘は真実」でもユダヤ教を扱っていたけれど、この作品
 ではそれにゲイが加わって物語的に幅。各キャラクターの扱いが
 きっちりして面白かった。

 アントワーヌ・ドゥ・コーヌ(男優)
 実物はまず普通のハンサム。作品ではあごひげをはやしたゲイの
 役でクラリネットを吹く様など実物よりハンサムでした。
 でもなかなかウィットのある素敵な印象でした。

 エリザ・ジルベルシュタイン(女優)
 昨年の映画祭での「正装のご用意を」で出演していました。
 「ミナ」で有名だけど「恋人たちのポートレート」ははじめちょ
 っとずれた可愛い女の子をさせるとピカ一。笑顔がとても可愛い。

 ジャン-ジャック・ジルベルマン(監督)
 映画館も経営していると言う監督。とってもおしゃべりで本人自
 体楽しげな人でした。

 ジャンヌと素敵な男の子

 ヴィルジニー・ルドワイヤン(女優)
 ここ数年映画祭で来日している。映画も実物も申し分なく可愛い!

 マチュー・ドゥミ(男優)
 お母さん(A.ヴァルダ)の顔を色濃く踏襲した感じ。「百一夜」
 では華奢な少年風だったのに実物は結構たくましげ。

 変人たちの晩餐会
 終始笑える。絶妙な間や展開上手い脚本と役者の賜。さすが舞台
 作品。

 ティエリー・レルミット(男優)
 この人も思い入れが強いのですが、、、舞台挨拶はオープニング
 より超ラフ。超簡単なサインがちょっとがっかりだったけれど2
 ショットを頼んだら立ってくれただけでも感激!背は高いが思っ
 たよりがっちりしていた。

 パパラッチ
 監督の前作が頭にあったので覚悟していたら割と社会的な面もあ
 り、心の琴線に触れる所あり、で意外な期待はずれだった。

 アラン・ベルベリアン(監督)
 この人の第一作目のしょーもない「カンヌ映画祭殺人事件」のチ
 ラシでは表記がバーバリアンになっていて一体どんな人だろうと
 思っていたらDホフマを可愛くしたような人。

 ヴァンサン・ランドン(男優)
 (個人的に私のお気に入り)「女と男の危機」で組んだ(これま
 た私の好きな)パトリック・ティムジットと再び組んでよいコン
 ビネーション。得意の哀愁漂う中年がはまっていました。

 エリーズ・ティエルロワ(女優)
 この人「シリアルラバー」でも登場。ブロンドの典型的な美人。
 作品の中より本物の方がエレガント。それでいて物静かで好感が
 持てた。

 情事のあと
 かなり女性の個人的感覚の映画。愛人との別離語の苦しさっての
 がすさまじすぎて妙に生々しくて何か疲れる。編集者とスランプ
 の作家の砂時計のような関係をも表現、、、と言うところは解る
 のだけれど。

 ブリジット・ルーアン(女優)
 個人的には(大好きな)「オリヴィエ オリヴィエ」のお母さん
 の役が印象的だったが、ちょっとスーザン・サランドン似の可愛
 らしい人だった。

 シリアルラバー
 巧くコミックを取り入れたテンポの早い作品。何となく話の先が
 読めるが結構楽しめる。

 ジェームス・ユット(監督)
 サイン会に行ったら妙にハイでこんな人が友人に一人でもいたら
 結構うるさいけど楽しいかも、、、と言う感じの人でした。

 ミッシェル・ラロック(女優)
 最近「ペダル・デュース」「僕のバラ色の人生」と映画祭でも出
 演作が続いている。映画の中では割とプライドが高いインテリ役
 が多い彼女、実際はヘヤダイなどかすごいブロンドで思ったより
 落ち着いた雰囲気の人

 ルール違反
 プログラムの説明ではなんだかコメディーかと思ってみてしまっ
 たのでどうもシリアスな内容に驚愕してしまった。実名で役者が
 本人を演じるのは珍しいことではないけれど、後半の密室での進
 行は舞台劇のようだ。

 アリエル・ドンバール(女優)
 「海辺のポーリーヌ」「美しき結婚」などロメーヌの常連。最近
 はアンリ・ベルナールとの結婚で「知」と「美」の結婚とか言わ
 れていたくらい美しかったが、やはり老けました。風邪で来られ
 なかった友人へサインを頼んだら元気になってと言ってくれまし
 た。

 愛と復讐の騎士
 フランスでは公開したそうで、フランス人によれば比較的評判は
 良いとのこと。

 ヴァンサン・ペレーズ(男優)
 「インドシナ」「恋人たちのアパルトマン」「愛と巡り会い」と
 段々頭が寂しくなってきたというイメージが強く、確かにそうだ
 ったけれど本人はとても良い感じの人見方が変わりました。

 マリー・ジラン(女優)
 「さよならモンペール」で一気にファンになった私。あれから数
 年経っても少女臭さは抜けても可愛らしさが変わらない。彼女の
 周囲は華やかなオーラがあったのは気のせいでしょうか?

                   映画評論家 坂田洋子

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ScreenKiss #003

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Vol.003

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■ フランス映画紹介2

 天使が見た夢
 カンヌで主演女優が2人W受賞した作品。監督の知人で作品のインスピレーショ
 ンを与えた人がいたらしい。よく出来た脚本。

 エリック・ゾンカ(監督)
 あまり印象がない。結構取っつきにくい顔をしていました。

 エロディー・ブシェーズ(女優)
 真っ黒な紙、太い眉。フレンチキュート!と言う感じの小柄な女の子。
 クラピッシュの「青春シドローム」と「タンゴ」「美しい年」での彼女しか知ら
 ないのだけれど、いずれも長い髪で「タンゴ」以外はどちらかというと物静かな、
 でも真のしっかりした女の子を演じていたが、この作品ではちょっとボーイッシ
 ュで髪もショート。生活力があってでもちょっぴり脆い。確かにはまり役でカン
 ヌで女優賞も頷ける。

 ナターシャ・レニエ(女優)
 エロディと共にカンヌで女優賞をW受賞した彼女、エロディと対照的に透明な感
 じの女の子。

 恋するシャンソン
 クチパク用シャンソンのに凝りすぎて脚本が甘い感じがした。
 ちょっと出てきたジェーン・バーキンのあまりの老け方に驚愕した。

 サビーヌ・アゼマ(女優)
 どうしても「田舎の日曜日」とか「百一夜」のイメージがあって小さめのおばさ
 まの感じがあったのだけれど、直接見るとかなりの迫力。
 ボリューム・ネックレスが妙に印象的でした。

 ランベール・ウィルソン(男優)
 この人に関しては個人的に入れ込みが強いのですが、、、昔からのアクの強い役
 が多かったが、最近はコミカルなものも。この作品もそのジャンル。
 バリトンでもいける彼の地声も素敵でした。英語での会話がOKなのでコミュニケ
 ーションが持てて嬉しかった。

 TOKYO EYES
 作品を見るには時間が遅すぎてしまって残念ながら見逃してしまった一本。オー
 ル東京ロケで、生活感を出す為主役の武田真治の自宅や自前の衣装を使用したら
 しい。

 ジャン-ピエール・リモザン(監督)
 若手を上手に使って才能の開花させるのが上手いとの評判の監督。
 落ち着いた雰囲気でとても感じの良い人でした。

 夢だと言って

 クロード・ムーリエラス(監督)
 その辺のお兄ちゃんという感じ以外は印象が薄いです。

 ヴァンサン・デュネリアーズ(男優)
 初出演ながらどうやら「地」で演じて絶賛されたという彼。
 のびのび~お育ちましたという感じの好青年でした。

                           映画評論家 坂田洋子

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■第六回フランス映画祭~ヴァンサン・ペーレーズ

 今年で6回目を迎えたフランス映画祭。開催地が横浜で近いし言ってみるかぐら
 いの気合いだった私を俄然はりきらせたのは、来日ゲスト予定者に記されていた
 ヴァンサン・ペレーズの名前。生ヴァンサンが見たい。その願いが幸運にも叶っ
 て、アニエスbで買い物中の彼にばったり出くわした。

 店内から出てきた彼に握手を求めたら快く応じてくれた。さらに手持ちでこれし
 かなかった申し訳ないほどくちゃくちゃの映画祭のチラシにイヤな顔をせずサイ
 ンをくれ、カメラを手にしていた私に彼の方から、写真を撮りたいのと申し出て
 くれた。ご丁寧に肩に手を回してくれるほどのファンサービス。ファンを大事に
 する真摯な態度にかっこよさもさることながら、人柄のあたたかさを強く感じた。

 しかし気になるのは日本での知名度の低さ。本国フランスではアラン・ドロン以
 来の二枚目や目で妊娠させる男と謳われ、カトリーヌ・ドヌーヴやイザベル・ア
 ジャーニのような大女優の相手役を務めるほどの人気。なのに日本では彼の存在
 すらあまり知られていないという情けなさ。しかも、あー言えば上祐に似ている
 なんて言う人もいて、ひっひどすぎる、、、。

 それだけ日本でフランス映画自体普及していないと言うことなのか、、、。そこ
 で声を大にして言いたい。レオナルド・デュカプリオやブラッド・ピットだけに
 うつつを抜かして良いのか日本人。

 しかし、こうして密かに楽しんでいられるのも、今回映画祭で上演された
 Le Bossu愛と復讐の騎士が劇場公開されるまでかも知れない。ヴァンサンの剣術
 の腕前に、私もヴァンサンに剣で刺されたいなんて言う過激なファンが現れるか
 も知れないし、、、。

 アメリカ映画や監督など着実に活動の場を拡げているヴァンサン・ペレーズ。今
 後の活躍と日本での知名度アップに期待したい。

                               小沢 真智子

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ScreenKiss #002

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Vol.002

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■ フランス映画紹介1

 嘘つきな彼女
 来日した監督、主演、制作全員が「巡り会ったのが運のつき」のメンバーの性か
 何となく和やかな雰囲気の人たちだった。

 マリー・トランティニヤン(女優)
 思ったより小柄で可愛い感じの人。
 作品では虚言症で、周囲に迷惑をかけまくるのになぜか憎めない役だが、「メラ
 ンコリー」といい、この作品といい割にこの手の役がはまり役。本当は解ってい
 るのだろうけれど英語を使ってくれなかった。

 肉体の学校
 三島の原作に監督がイザベラ・ユペールをはめて作品化したという。

 ブノワ・ジャコ(監督)
 実は彼の作品をあまり見ていないので対して話が出来なかった。
 思ったより目立たない人というイメージ。

 イザベル・ユペール(女優)
 映画祭の団長として来日した時は結構気分屋との噂も耳にしたが落ち着いた美人、
 この作品のヒロインのイメージにぴったりだった。
 本当は脆いのに強そうなイメージ。を演じる事が多い気がする。

 ヴァンサン・マルティネス(男優)
 兄のオリヴィエよりやんちゃなイメージ。気取りがなくて人当たりが良い作品で
 はなんだかひょろひょろしたイメージばかりが。

 ヴァンサン・ランドン(男優)
 最近は去年の「フレッド」や今年の「パパラッチ」のようなちょっぴりうらぶら
 れて、人生に疲れた役が多かったが、この作品では心優しいがしたたかなゲイの
 役。結構それなりに美しくなったので驚愕した。
 サイン会やボードパーティーでは普通なのに大勢を前にしての舞台挨拶ではチッ
 ク症気味になってしまうのはかなりシャイな性格と見た。巧い役者だ。

 短編映画
 一度に数人が舞台挨拶をしたので識別が出来なくなりました。
 ベネックス作品が目玉とはいえそれぞれ赴きがあってよかった。

 ジャン・ジャック・ベネックス(監督)
 一昨年、日本橋三越の「ベネックス祭」で来日した祭は朝の8:30から地下鉄構内
 間で人が並んでいたというのでなかなかガードが固いかと思っていたが本人がと
 ても気さくな人柄で、ファンには気楽に答えていた。
 原点に戻るという芋込めてドキュメンタリーを撮ったという。
 今回一番人気の監督。次回は<>か。

 たれ込み屋
 正当はフィルムノワールを期待していたらちょっと盛りだくさん過ぎた気がした。
 俳優も個性派ぞろいなのにちょっと生かしきれなかった感がある。

 アラン・コルノー(監督)
 最近は「インド夜想曲」系アート作品のイメージが強いが嘗てはこの作品のよう
 なノワールものが得意だったので監督本人にも意味なくハードなイメージを抱い
 ていたが、なかなかお茶目。母はモンタンが目当てで「メナース」を見たのだけ
 れど、母があの作品を好きだと言ったら「お母さんによろしく」とカメラにポー
 ズしてくれた。

                           映画評論家 坂田洋子

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■ フランス映画祭の中の逸品「変人たちの晩餐会」

 一昨年の「ルコントの大喝采」。昨年の「家族の気分」。
 年間を通して日本にくる外国映画のなかで、コメディーはもちろん多いし、いく
 つかはそこそこ笑える。ただその中でも心底笑える映画となれば、これは2、3
 本と少ないもんだが、その中の1本が最近はフランスから来ているようだ。しか
 もその1本が毎年フランス映画祭で見られる。選考の良さからか、フランスコメ
 ディー映画のレベルが高いのか?

 まったく笑いのセンスが違うような(はっきり言えばくだらない)多くのフラン
 ス映画を見るにつけ、フランスコメディーのレベルが特に高い訳ではないと感じ
 るから、まずは映画祭の選考にかかわる方々に感謝すべきだろう。

 今年の第6回フランス映画祭でもまた来た。「変人たちの晩餐会」は心底笑える
 1品。アメリカのテレビ番組的なちょっと大袈裟な演技で、コメディーのパター
 ンは世界どこでも通用しそうな、人を小馬鹿にするタイプ。こう聞くと嫌気を感
 じる人も多いだろうが、観ているとそんなことを感じる暇もなく進んでいく。こ
 のテンポは脚本がうまいからだろうし、役者も脚本を熟読した上で笑いのつぼを
 十分把握した演技を感じさせる。

 みんながそこそこの個性で責めてくる。ティエリー・レルミットは特別な個性を
 感じないが、そこはこの映画の中でもっともノーマルな感じの人を演じているの
 で、はまり役といえるし、ジャック・ヴィレルは丸い顔を更に丸くした演技が独
 特のまじめな人柄をうまく演じている。

 監督は劇作家出身で、舞台を見ているようなテンポがうまくカメラを駆け巡るし、
 この脚本はそのまま舞台でも成功をおさめそうだ。この手の映画ノは、アドリブ
 を多用する場合と、脚本に全て書いてある場合があるが、演技がいきすぎない為
 には脚本がしっかりしていなければならないと思う。あくまでもそこそこの表情
 で、そこそこのアクションで演じてこそおもしろい。この映画にももちろんいき
 すぎの場面(演技)もあるが、そんな場面もこのテンポにアッという間に飲み込
 まれてしまう。とにかく久しぶりの傑作だったから、今年のフランス映画祭 No.
 1は文句なしにこの1本!

                          映画評論家 立野 浩超

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ScreenKiss #001

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Vol.001

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■ 横浜フランス映画祭98

今年の横浜フランス映画祭はエールフランスのストライキにより、
フランスの俳優などの来日が遅れ、そのために予定されていたオ
ープニング舞台挨拶が一日ずれました。このときに今回来日する
フランス映画代表団(俳優、制作、その他映画関係者)が全て集
まります。

横浜フランス映画祭は出演者がハリウッド映画と比べ有名でない
点もあり、他の大きな映画祭と比べアーティストへのガードも厳
重でないのです。このためにアーティストとの接触も多く、サイ
ンや写真なども撮りやすく、アーティスト側もそれに応じてくれ
ます。

今年の代表団は小粒が多いと言う話ですが、ジャン=ジャック・
ベネックスが来日しています。彼の映画は短編映画ですので、彼
のような大物ならこの程度の作品のプロモーションのために来日
する必要がないのですが、横浜市の主催で行われた講演会もあり
ました。

彼は日本が好きなようで、日本には何回か来ているようです。サ
インも積極的にしてくれていて、暇なときにはロビーに出てきて
いるようでした。もちろんファンとのコミュニケーションをとる
ために!

後ほど詳しく映画作品の紹介をしていきますが、簡単に作品と出
演者の印象を話していきたいと思います。

今回団長としてきたサビーヌ・アゼマの作品「恋するシャンソン」
は、僕自身は見ませんでした。なぜかと言えば、いかにも古いフラ
ンスのシャンソンが流れてきてノスタルジックな雰囲気でも楽しむ
と言う感じがします。予告のビデオでも古いシャンソンを中心に、
ほら知ってる曲でしょ(フランスのタイトルはOn connait la
chanson)と言う感じです。まあ確かに面白そうに見える様には作
ってありましたが、、、

フランスのポップミュージックの歌詞をせりふに使う事が主な構成
です。ただし俳優が自分の声でその曲を歌うのではなく、本当にオ
リジナルの曲を流してしまいます。それを俳優はクチパクすると言
ったものです。予告の映像ではそのコラージュはきれいにはまって
いたのですが、その映画を見た多くの人の話では、「確かにあの予
告は良いところばかりだったけれど、大半が不自然だった」と言う
ものでした。

ただし予告では古いシャンソンばかりでは流していましたが、実際
は今のものも多く使われているようです。どのくらいフランスのポ
ップミュージックを知っているかが、この映画のおもしろさになる
ようです。

カンヌに出展されたTOKYO EYESは監督がジャン=ピエール・リモザ
ンと言うこともありこの横浜映画祭で公開前に上映されることにな
りました。吉川ひなのと武田真治が出ていることもあり、会場は高
校生が目立つようになりました。ただし出演者はギャラが支払われ
ないと言うので、パーティーにも来ないと言うことになりました。

「ねじれた愛」はユダヤ人とホモがテーマになる映画。フランスで
はこの手のネタがコメディーでは多用されています。ホモのユダヤ
人青年が心配した父親に結婚したら(女性と)お金をやると言う話
を持ちかけられたのをきっかけにアメリカ生まれの女性をつきあい
始めることになるストーリーです。

基本的には恋愛ドラマですが、設定が面白いので全体的に笑える場
面を多く作り出しています。フランスの恋愛映画によくあるエロチ
ックな場面もほとんどありません。

「ジャンヌと素敵な男の子」はミュージカル仕立てで、ヴィシー・
ルドワイヤンやマチュー・デュミが出演しているアイドル系の映画
です。内容はエイズをテーマにした作品で内容的には軽い恋愛もの
ではありません。ただしこのミュージカル的な部分が全体的に間延
びしている様な印象を受け、実際よりも長く感じました。

「変人たちの晩餐会」はフランスでも大人気だっただけありこの映
画祭でも大受けでした。今回の映画祭では一番の人気があったので
はないかと思います。フランスの今年はコメディー作品が良くでき
たとの話です。ただしこの映画祭には当然フランス語が分かる人々、
フランス人やフランス語を習った人々が普段よりも多くいるので観
衆効果も手伝って、他の劇場で公開されるときよりも、又は一人で
ビデオで見るよりもよりよく笑えます。

監督の話では「日本語のタイトルは少々上品になってるが、フラン
ス語ではもっとひどい表現です。」と話していました。フランス語
のタイトルはLe diner de consで馬鹿者たちの夕食と訳せます。僕
の印象では「変人」の方が悪い意味があると思いますがどうでしょ
うか?内容から言っても変人ではなく「馬鹿」です。

ブルジョワの何人かで馬鹿を集めてその馬鹿者を笑うための夕食会
と言うものを毎週水曜日に開いているのですが、たまたまTGVで知り
合った大蔵省(税務署かな)の人間をこのパーティーに招待するの
です。馬鹿だから呼ばれたのに彼は自分の作品(マッチ棒でエッフ
ェル塔などを造っている)の本を出版してもらえると勘違いするの
ですが、そこからがとんでもないことを次々とやらかしてくれ、こ
こまでかと言うほど笑わせてくれます。

「パパラッチ」はいかにもダイアナを題材にした作品ではないかと
思うでしょうが、これはあの事件が起こる1年半前から制作され始
め直接には関係ないそうです。ですので、初めは興味がありません
でしたが、見てみることにしました。人気コメディアンのパトリッ
ク・ティムシットも出演しています。ストーリーはパパラッチの空
しさを知り足を洗うというのです。真剣に考えさせる社会性という
わけではありませんが、ストーリー的にもコメディーとしても良く
できています。

「シリアル・ラバー」はかなりブラックなコメディーです。男性の
出演者はほとんど死にます。それも全て考えられない偶然でです。
「変人たちの晩餐会」や「パパラッチ」も次々とおかしな場面があ
りますが、その場ですぐ忘れてしまいます。今でもこの映画のおか
しな場面は思い出せるところが強力です。「変人たちの晩餐会」は
人を馬鹿にするなという、「パパラッチ」は異常なパパラッチに対
する批判という、何かしらのメッセージがあるのですが、これはそ
う言ったことは見あたりません。面白い格好で死んでいき、面白い
偶然で死んでいき、死体はおもしろさのための小道具として登場し
ます。

次回をお楽しみに、、

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