ロックストックアンドトゥースモーキングバレルズ

今のイギリス映画には大外れがない、・・・こんな言葉を最近耳にする。

ストーリー人物など全体が軽いテンポである。そして、軽いテンポで人も死んでいく。これなら、軽い頭の人でも楽しめる。だからか、ハリウッドでもまた作られる。

「トレスポ」的であり、「シューティングフィッシュ」的であり、「シャロウグレイブ」的でもある、よく見かけるような最近のブリティッシュムービーである。

山下 裕

リトル・ボイス

★★★★

面白い映画はいつもイギリスからやってくる。(これは誉めすぎか?)この脚色でできあがる最高の物を、監督を始め、カメラ、音楽、役者他みんなで作ったといえる映画。

さて、この映画の主人公はLV(リトルボイス)。ゴールデン・グローブ主演男優賞をとったものの、レイ・セイ役のマイケル・ケインはその他の役者達と同じく助演にといってもいいだろう。助演といってもユアン・マクレガーにしてもブレンダ・ブレッシンにしても3人とも主役といっても間違いではないほど、4人の演じる役柄には個性があり、演技はみんな統一されたようなオーバーな表情で演じている。これも演出ではないだろうか。

英国映画の演技は、舞台(演劇)からの影響か、押さえた表現よりも多少オーバーな表現を使うことがある。さらに、リトルボイスのように笑いを誘うような箇所がある場合はオーバーな演技があった方が効果的で面白味を増す。記憶に新しい大ヒット作「フル・モンティ」でも大味な演技で、それが笑いをさそう重要なファクターとなった。

だいたいこんな役によくぞユアン・マクレガーが出演してくれたものだ。鳩レースに夢中な電話工事員(BTテレコムのワゴンに乗っている)で、かつ無口な青年。ラコステの格好悪いジャケットを着て、おどおどしているとは。

初日、翌日の土日には先着でユアン・マクレガーのショートフィルムのビデオプレゼントがあり、私が行った午前10時30分の段階で300本のビデオは”ぎりぎり”といわれた。その後も続々と列ができていき、12時30分の上映開始まで列は役400人にもなったようだ。

もちろんそのビデオはもらえたので、ベルリン映画際ショートフィルム銀熊賞をとったその内容に関しては他のコーナーにてお届けします。

座席数約220席で、初日から2日間立見が続いたようだ。しかもその先着順のプレゼントがあったおかげで初回の上映ではとんでもない人数が立ち見になった計算になる。つまり席数約220のところに、ビデオ300本をチケットを切った後で渡すわけだから、その全員が映画を見るとして80人の立ち見(通路座り見)がでていたのではなかろうか。

後ろには2重の立ち見客の列ができ、両端にはそれこそ前方までぎっしりと並んでいた。

これは映画館側にクレームしたい。300人並んだ場合行き着く結果は明らかなのだから、一度に300本の配布ではなく2回に分けるとか、各回に分けるとかしてもらいたかった。

300人の列ができそうだというのは、朝9時ごろには確定的だったわけだから、その時点でもなにかアイデアをだせたはずだ。チケットを切った後で渡すということは、全員が見るという事につながるとは考えなかったのだろうか?また、300人がこないだろうと考えたわけか?

「超人気映画だから立ち見があれだけでてもしかたがない」とすませてもらいたくもない。ビデオを配布し終わってからもまだ間際まで入場者がいて、完全に劇場の定員がオーバーしている中で入場規制をしないことは問題だろう。立って見るにも人ごみでスクリーンが完全には見られない状態は、観客のことを考えている映画館とはいえない。あれだけの立ち見では、座っていても不愉快だろうし、入場あとの1時間、トイレにいくにも大変だった。それこぞ掲示されている劇場定員272人を超えていて、防災の面でも問題があるのではないだろうか。

それでもやはりシャンテシネは、最良の映画館の一つということを付け加えておこう。これからもシャンテ系映画を発掘していってもらいたい。

立野 浩超

マルクス兄弟特集「マルクス一番乗り」

★★

特に若ければ若いほど、彼らの映画をオンタイムに見ていた人、ビデオですら見ている人は少ないだろうし、日本でそれほど人気があるとも思えない。

マルクスといえばWoody Allenとつながるのは私だけではなかろう。アレンの映画では彼の両親がグルーチョのマネして眉毛&髭&デカ鼻に黒縁眼鏡をかけて出演していたりする。(題名を忘れてしまったので、ぜひ教えてください。)

そう言えば、めがねに髭がついたあの東急ハンズなどでも見かけるおもちゃはマルクスからきているらしい。

この映画を含めて彼らの一連の作品は純粋なコメディーで、とにかく「笑ってなんぼのもん」という世界が広がる。劇場内に笑いがなければ映画は失敗といわんばかりだ。さて、我々(?)若い世代はこの映画でどれだけ笑えるのだろうか。私はにやける程度で、大笑いが出来なかった。単に、それだから★2つの評価になった。それではまわりの反応はというと、かなりまちまちでそれほど人が多くきていなかったこともあり、その反応が適切な評価につながるとも思えない。

コメディーの原点に近い彼らの演ずるドタバタ劇、走りまわり跳びはねり体中で表現するギャグは、無声映画であったとしても笑いをさそうことが多いだろう。しかし今となってはテレビや、ちまたにあふれるコメディアンの笑いと大差がないと思う。もちろん時代からいえば今のコメディアンがマルクスのまねをしている、影響をうけているといえるのだが実際研究しているわけでもなかろう。それこそ、見たことも、名前も知らないという人ばかりだろう。

昔の映画を面白いと感じることはたしかにあり、今でもそれを超えられないと感じることがある。その場合はもちろんみなさんに強くお勧めするのだが、この映画のようにコメディーの場合いかに笑えるかが重要だから、笑いを求めている人にはお勧めするほどでもないだろう。

マルクス兄弟の名前も聞いたことがないという人には特にお勧めしない。彼らの作品に興味がある人、名前を聞いたことがある人にはぜひ一度映画館で体験すべきだろからお勧めする。

ただ、重ねて言うが私はそんなに笑えなかった。

立野 浩超

オースティン・パワーズ・デラックス

★★★

相変わらず飛ばしまくってくれました!特に前半、放送禁止用語炸裂のTVショーのシーンは涙が止まりませんでした…またシアトルのスペースニードルにあるスターバックスが悪の本拠地になってたり、ホントに芸が細かい。男性自身!の呼び方がこんなにあるなんて!と英語の勉強になったりもします。

また今回は、オースティン自身よりも、悪役勢がパワフルで笑わせてくれました。エーヴィルとミニ・ミーのジャスト・ア・トゥ・オブ・アスのデュエットは最高。

残念なのは笑いがあまりに前半に集中しすぎているのと、オースティンとフェリシティのロマンスがすんなり行きすぎなところ。まあ前作のお相手は90年代キャリアウーマンで、今回は60年っ子っていう差は有りますが…

最近私が最も注目してる女優がヘザー・グラハムなのですが、彼女「ブギーナイツ」以来、コスプレさせたら世界一、まさにオタクの星ですね。これからもどんどん、看護婦だの、マクドナルドの店員だの演ってほしいものです。まさにベイビ~っていう呼び名が似合う世界一!

次回作はレズビアンの役とか。女の私でもたまりません。

MS. QT MAI

ウォーターボーイ

★★★

話としてはとても単純で、しかも本当にくだらない(笑)。もうまさにアメリカ的なコメディーであって、こういったたぐいが好きな人なら本当に満足なのでは。ウーン、それにしてもアダム・サンドラーって俳優はどこか気になる存在である。一見くせがなさそうで、実はとても強いそのキャラクターが。

※この映画、全米興行収入第5位というからおどろきだ。

山下 裕

ベル・ママン

ルコントのレ・ブロンゼを思いださせるドタバタ喜劇で、W・アレンの「世界中がアイラブユー」のようなシーンがつづく場所あり。

コメディーの要素が少ないので間が抜ける。もうすこし密度の濃い脚本であればよかったが、脚本がよくないコメディーはどんなに監督、役者がよくてもね。

V・ランドンと、C・ドヌーブの歳があと10歳若かったらもうすこし魅力的な映画になったのでは。

カジモド

■カジモド QUASIMODO D’EL PARIS 1998年(100分)

監督・主演:パトリック・ティムシット
出演:リシャール・ベリ、ヴァンサン・エルバス、メラニー・ティエリー

ストーリー:
富裕な家庭の息子だったカジモドは、呪いで醜い顔に。それ故両親に捨てられた彼は、神父フロローのもと、教会の鐘つきをしている。が、そんな彼も20才に。

しかし、フロローの監視なくして外出もままならない彼は、ある日美しいエスメラルダに一目惚れ。そんな折、ここエル・パリでは女性連続殺人事件が発生。彼が容疑者とされるが・・・。

コメント:
古くはアンソニー・クィンの主演で、最近はディズニー映画で知られる古典を、大胆に解釈。醜い事でちっとも卑屈にならない、元気一杯の青年カジモド。

対するフロローもただの悪人ではなく、カジモドを我がものに独占しようとする複雑な心理を折り込み、しかもハイテクに強い切れ者としての人物像に仕立てた。

さすがのティムシットも、20才のナイーブさの表現には苦労したとか。

黒髪が印象的なヴァンサン・エルバスが今回、キラキラの金髪で登場したり、いつもはセクシーなリシャール・ベリが変態ワル神父を楽しそうに演じていたり、とキャスティングもなかなか。

ギャルソンヌ

■ギャルソンヌ LE DERRIERE 1999年
監督:ヴァレリー・ルメルシエ
出演:ヴァレリー・ルメルシエ/クロード・リッシュ/デュードネ

ストーリー一人娘のフレデリックが母の死後知ったのは、名前も知らなかった父親がパリにいるということ。ところが捜し当てればギャラリー学芸員の父親はホモセクシュアル。肛門科医のフランシスと同棲していてオンナには全く興味を示さない。そこでフレデリックは男に変装し、彼の「息子」だと名乗り出るのだが……。

コメント
「同性愛者にとって同性愛は生活の一部にすぎないのに、そこばかりが大袈裟にクローズアップされすぎていると思います。それに同性愛にだっていろいろな形があるってこと。それを見せたかったんです」と語るルメルシエ。来日5回目とあってか、彼女が舞台に登場するや満場の拍手と喝采。質問もポンポン出て、会場は和やかな雰囲気に溢れていた。

それにしても、ほとんどノーメイク、普段着みたいなミニの黒いワンピースで素足にローヒールとは、ルメルシエってほんとに飾らないヒトなんですねえ。

大浸水

■大浸水 TOUT BAIGNE 1999年
監督:エリック・シヴァニャン
出演:イザベル・ジェリナス/フランソワ・モレル/ティエリー・ニコラ

ストーリー出産を間近に控えた夫婦の家に、見知らぬ男、友人、飲食店店主、ドジな女消防士が次々押しかける。突然の大雨でそれぞれがアクシデントに見回れ、ここへ避難して来たのだ。この4人と夫婦が浸水の始まった家から脱出を試みるが、避難道具は無いし、それぞれのエゴがぶつかるしで大わらわ。その上妊婦が産気づいたからさあ大変。

コメント
同名の舞台喜劇を映画化したもので、フランスでも未公開。これが世界初上映だそうだ。監督が元気で明るく気さくで、舞台挨拶のときにはまだ紹介されないうちから勢いよく飛び出してきたりして。その人柄が映画にも反映し、心地よく笑える映画である。

監督と共に登場した主演のイザベル・ジェリナスは、「パパラッチ」にも出演した本国で活躍中の女優さん。映画で見せたセミロングの髪から一転しベリーショートで登場した。たどたどしいながらも日本語で挨拶して観客の好感を集め、「日本は初めてなので場違いなヘマをしてしまうんではないかと心配でした」なんて純な発言も。彼女の謙虚さ、フランス女優には珍しいのでは?

アステリクスとオベリクス

■アステリクスとオベリクス ASTERIX ET OBELIX CONTRE CESAR 1999年
監督:クロード・ジディ
出演:ジェラール・ドパルデュー/クリスチャン・クラヴィエ/ロベルト・ベニーニ

ストーリー
シーザーのローマ時代、フランスに無敵を誇るガリア人の村があった。代々伝わる魔法の薬を飲むと村人は百人力になれるのだ。シーザー失脚を目論む臣下デトリテュスは村を攻撃し薬を手に入れる。悪用されてはならじと、村の仲良しコンビ、アステリクスとオベリクスがローマ軍に潜入して大暴れ。さて結末はいかに。

コメント
フランスで根強い人気のコミックを映画化。チビだが賢いアステリクス(クラヴィエ)と巨漢で力持ちだがオツムの弱いオベリクス(ドパルデュー)のでこぼこコンビが繰り広げるドタバタ喜劇で、特殊効果もふんだんに使ってある。

ジディ監督は原作の忠実な解釈(再現ではない)にこだわったそうで、シナリオ作りと舞台となる村のセット、衣装にとくに凝ったとか。今回、監督と共に来日したのは残念ながらヒロイン、ファルバラ役のレティシア・カスタのみだったが、本作品が映画デビューだという彼女も「セットがあまりに素晴らしいので、両親と妹を見せに連れて行きました」とのこと。